JP2003040908A - エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体を製造する方法 - Google Patents

エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体を製造する方法

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JP2003040908A JP2001230668A JP2001230668A JP2003040908A JP 2003040908 A JP2003040908 A JP 2003040908A JP 2001230668 A JP2001230668 A JP 2001230668A JP 2001230668 A JP2001230668 A JP 2001230668A JP 2003040908 A JP2003040908 A JP 2003040908A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】重合体スケール付着防止効果を向上させ、得ら
れる重合体製品に混入する着色異物を低減させたエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体の重合による重合体
の製造方法の提供。 【解決手段】前記単量体を重合させるのに用いる重合器
はその内壁面に、第一層とその上に形成された第二層と
からなる重合体スケール付着防止性の塗膜を形成し、第
一層は、アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物
との縮合物(A)を含有する第一塗布液を、キャリアー
として水蒸気を用いて塗布して形成、第二層は水溶性高
分子、無機コロイド、無機塩及び酸からなる群から選択
される少なくとも一種のスケール防止助剤(B)を含有
する第二塗布液を、キャリアーとして水蒸気を用いて塗
布して形成されたものである。更に第一層及び第二層は
二流体アトマイザーを用いてそれぞれの塗布液を噴霧し
て塗布、形成されたものであるエチレン性不飽和二重結
合を有する単量体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はエチレン性不飽和二
重結合を有する単量体を重合器内において重合すること
により重合体を製造する方法において、重合器内壁面な
どへの重合体スケールの付着を防止し、品質の良好な重
合体を製造することができる重合体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】重合器内で単量体を重合して重合体を製
造する方法においては、重合体が重合器内壁面などにス
ケールとして付着する問題が知られている。重合体スケ
ールが重合器内壁面などに付着すると、重合体の収率低
下、重合器内の冷却能力の低下、及び付着した重合体ス
ケールが剥離して重合体製品に混入することにより製品
の品質低下を招き、更に重合体スケールの除去に多大の
労力と時間が必要となるなどの不利が生じる。その上、
重合体スケールは未反応単量体を含んでいるので、作業
者がこれにさらされ、身体的な障害を引き起こす恐れも
ある。
【0003】このため、エチレン性不飽和二重結合を有
する単量体の重合においては、重合器内壁面などへの重
合体スケールの付着を防止する目的で、例えば重合器内
壁及び攪拌機などに、重合体スケール付着防止剤(以
下、スケール防止剤という)を1段階の塗布作業で塗布
して塗膜を形成する方法(以下、1液塗布方法という)
が種々知られており、スケール防止剤としては具体的に
は、例えば、アミン化合物、キノン化合物、アルデヒド
化合物などの極性有機化合物、或いは染料、顔料など
(特公昭45−30343、特公昭45−30835);極性有機化合
物或いは染料を金属塩で処理したもの(特公昭52−2495
3);電子供与性化合物と電子受容性化合物との混合物
(特公昭53−28347);1−ナフトールとホルムアルデ
ヒドとの縮合反応生成物(特開昭57−164107);フェノ
ール化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物(特
開昭57−192413);ポリ芳香族アミン(特公昭59−1656
1);多価フェノールの自己縮合物や多価ナフトールの
自己縮合物(特開昭54−7487);ケトン樹脂とフェノー
ル化合物との縮合反応生成物(特開昭62−236804);芳
香族アミンと芳香族ニトロ化合物との縮合反応生成物及
びこれをベ−ス化したもの(特公昭60−30681);芳香
族アミン化合物とキノン化合物との縮合反応生成物(特
開昭61−7309)等が用いられている。
【0004】この1液塗布方法で得られる重合体スケー
ル付着防止性塗膜(以下、スケール防止性塗膜という)
では、重合中に重合器内の気液界面付近にスケールが付
着しやすかったり、重合反応液の組成によってはスケー
ルが壁面全面に付着することがあるため、これを防止す
るためにスケール防止剤の塗布液に、アニオン性高分子
化合物、両性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、
ヒドロキシル基含有高分子化合物等の水溶性高分子化合
物;無機コロイド;アルカリ金属塩のような無機塩等
の、単量体に対して親和性を有しない物質(以下、スケ
ール防止助剤という)を混合することも知られている。
これらの1液塗布方法はエチレン性不飽和二重結合を有
する単量体の重合器内における重合において、重合体ス
ケール付着防止に有効である。
【0005】上記1液塗布方法では、重合体スケール付
着防止効果が十分に得られない場合は、(a)上記のよ
うなスケール防止剤を含む塗布液を塗布して第一層を形
成し、更にその上に、(b)上述のスケール防止助剤を
含有する塗布液を塗布して第二層を形成するという、二
種類の塗布液を2段階で塗布して塗膜を形成する方法
(以下、2液2段階塗布方法という)(特開平03−7440
4、特開平02−80403、特開平02−80402、特開平02−804
01、特開平02−47102)が提案されている。
【0006】前記に説明した1液塗布による重合体スケ
ールの付着防止方法も2液2段階塗布による重合体スケ
ールの付着防止方法も、塗布方法としては、作業性の点
などの生産性の面からスプレー塗布方法が通常用いられ
ている。
【0007】スプレー塗布方法によるスケール防止剤の
1液塗布法における塗膜の形成は、 ・ステップ1:スプレー塗布方法により、スケール防止
剤を含む塗布液を重合器内壁面及びその他の単量体が接
触する部分に塗布する、 ・ステップ2:塗布面を乾燥させて乾燥塗膜を形成す
る、 ・ステップ3:形成された塗膜面を洗浄して余分な塗布
液を除去する、のステップ1〜3を有するものである。
また、スプレー塗布方法による、スケール防止剤の塗布
及びスケール防止助剤の塗布からなる2液2段階塗布方
法は、2段目の塗布においても上記と同様のステップ1
〜3からなる塗膜形成作業が行われる。
【0008】上記のスプレー塗布方法を用いた場合、バ
ッフル、攪拌翼の重合器内壁面に対面している面は、ス
プレーノズルから見て死角となっている。このようなス
プレーノズルから見て陰になっていたり隠れている部分
の表面には塗布液が到達しにくいためスケール防止剤を
その他の陰にならない表面と同様に塗布することはでき
ない。したがって、陰になる表面と陰にならない表面と
に均一な塗膜を形成することは難しい。また、陰になる
表面にスケールの付着を防止するのに、有効量の塗膜を
形成しようとすると他の表面よりも多量のスケール防止
剤を含む塗布液を使用せざるを得ない。陰にならない表
面には必要以上の過剰なスケール防止剤を適用すること
になる。そのため、こうして形成される塗膜は、塗布ム
ラがあり、塗膜は部分的に必要以上に厚いものであっ
た。
【0009】さらに、スプレー塗布方法を用いたスケー
ル防止性塗膜の形成には次のような問題もあった。 スケール防止剤の塗膜は、通常重合バッチごとにその
前に形成される。スケール防止剤は一般に着色している
ので、重合バッチの繰り返し数が多くなると、スケール
防止剤が繰り返し塗布される結果、塗膜が厚い部分が生
じ得る。このような塗膜の厚い部分が剥離して反応混合
物に取り込まれたり、スケール防止剤が重合器の内壁等
に既に生じている重合体スケールの上に塗布されてスケ
ールの一部とともに剥離して、得られる重合体製品中に
混入し、その成型品中に着色異物或いはフィッシュアイ
をもたらす原因となったり、成形品の初期着色を高める
など製品の品質低下を招く欠点がある。 上記のように、スプレーノズルから見て死角になって
いる重合器内の隠れた部分又は陰になっている表面での
重合体スケール付着防止効果は、他の表面に比してかな
り多量のスケール防止剤を適用した割には十分とはいえ
るものではない。 スプレー塗布方法は、塗布後、その塗布面を乾燥する
乾燥工程を必要とし、スケール防止剤の塗膜形成に要す
る時間がかかる。そこで、生産性向上の面から、その塗
膜形成に要する時間の短縮が望まれている。
【0010】上記スプレー塗布方法の欠点を解決する方
法として、キャリアーとして水蒸気を用いてスケール防
止剤の塗布液を塗布する方法(以下、水蒸気塗布とい
う)(特公平01−5044)が提案されている。この場合の
塗布液としては、スケール防止剤単独の塗布液や、これ
に前記スケール防止助剤を添加した塗布液が使用されて
いる。
【0011】この水蒸気塗布方法は、次のような利点が
ある。 少量の塗布液で、スケールの付着を効果的に防止する
のに必要なスケール防止剤を薄い均一な塗膜として形成
することができる。 少量の塗布液の使用量で、スプレーノズルから見て死
角になっている重合器内の隠れた部分、又は陰になって
いる部分にも、スケール付着防止効果を得る上で必要な
スケール防止剤の塗膜を形成することができるので、こ
れらの部分でも重合体スケール付着防止効果を得ること
ができる。 塗膜形成工程での乾燥工程が不要となり、スケール防
止剤等の塗膜形成に要する時間が短縮される。
【0012】ところで、水蒸気塗布方法では塗布液と水
蒸気とを混合し、水蒸気により運ばれる形で塗布液を重
合器内壁面などに適用される。従って、塗布液中のスケ
ール防止剤の濃度は、水蒸気で稀釈されることを考慮し
て設定される。通常、塗布液中のスケール防止剤の濃度
は、水蒸気塗布用はスプレー塗布用の4〜40倍であ
る。但し、水蒸気塗布で必要なスケール防止剤の量はス
プレー塗布の場合とほぼ同じである。
【0013】水蒸気塗布方法には上記の利点がある反
面、次の点において問題がある。 水蒸気塗布では重合器内の均一な塗布が可能である
が、重合器内の気液界面付近におけるスケール防止効果
は不十分である。 重合器内の気液界面付近におけるスケール付着防止効
果が不十分である為、重合バッチの繰り返し数が多くな
ると気液界面付近で重合体スケールの堆積が成長し、堆
積したスケールが重合中に剥離して重合体製品中に混入
し、フィッシュアイ発生の原因となることがある。 また、重合バッチの繰り返し数が多くなると、スケー
ル防止剤が繰り返し塗布される結果、スケール防止剤層
が次第に厚くなり、この層が部分的に剥離して重合体製
品中に混入して着色異物の原因となり、重合体製品の抗
初期着色性が低下する(特に明度指数が低下する)とい
う問題がある。 また、従来の水蒸気塗布方法は、塗布前に内壁面の温
度を一定温度以上(一般的に50℃以上)に加熱してお
く必要があり、ジャケット予熱時間が必要だった。又、
加熱するためにエネルギーを要する。又、内壁面の温度
が一定温度以下ではスケール付着防止効果が不十分であ
った。さらに、内壁面の温度を高くしておくと、水蒸気
による塗布中に缶内の温度が著しく上昇し、内壁面の腐
食の原因となる場合や、フィッシュアイ発生の原因とな
る場合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スケ
ール防止剤等の塗膜形成時間を短縮して生産性を高める
と共に、重合体スケール付着防止効果を向上し、これに
より得られる重合体製品への着色異物の混入を低減し、
成形品のフィッシュアイ及び抗初期着色性を高め、重合
体及びその加工製品の品質を向上できる、エチレン性不
飽和二重結合を有する単量体の重合による重合体の製造
方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エチレン性
不飽和二重結合を有する単量体を重合器内において重合
することからなる重合体の製造方法であって、前記重合
器はその内壁面に重合体スケール付着防止性の塗膜を有
するものであり;該塗膜は、前記内壁面の上に形成され
た第一層と、該第一層の上に形成された第二層とからな
り、前記第一層は、アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキ
シ系化合物との縮合物(A)を含有する第一塗布液を、
キャリアーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたも
のであり、前記第二層は水溶性高分子、無機コロイド、
無機塩及び酸からなる群から選択される少なくとも一種
のスケール防止助剤(B)を含有する第二塗布液を、キ
ャリアーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたもの
であり;さらに前記第一層及び前記第二層は二流体アト
マイザーを用いてそれぞれの塗布液を噴霧して塗布、形
成されたものであり;第一塗布液の塗布及び第二塗布液
の塗布の各々の直前において前記重合器の内壁面の温度
は50℃未満である;ことを特徴とするエチレン性不飽和
二重結合を有する単量体の重合方法によって達成され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の方法で使用されるスケール防止性の塗膜
は重合器内壁面などの表面上に形成される第一層とその
上に形成される第二層とからなる。
【0017】[塗膜の第一層]第一層形成用塗布液に使
用される縮合物(A)としては、アルデヒド化合物と芳
香族ヒドロキシ系化合物との縮合物が挙げられる。この
ようなアルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物と
の縮合物を重合体スケール防止剤に用いることについて
は、例えば特開昭57−192413、特公平06−6
2709、特開昭57−164107等に記載されてい
る。アルデヒド化合物としては、例えばホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、フルフラール、フェニルアセトアルデヒ
ド、3−フェニルプロピオンアルデヒド、2−フェニル
プロピオンアルデヒド等が挙げられるが、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒドが工業的、経済的に有利であ
る。
【0018】芳香族ヒドロキシ系化合物としては、例え
ばジヒドロキシビフェニル系化合物、ナフトール系化合
物、フェノール系化合物、タンニン類、2,3−ジヒド
ロキシナフタレンの2量体化合物等が挙げられる。ジヒ
ドロキシビフェニル系化合物の例としては、2,2′−
ジヒドロキシビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−
5,5′−ジメチルビフェニル、2,2′−ジヒドロキ
シ−4,4′,5,5′−テトラメチルビフェニル、
2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジクロロビフェニ
ル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−ジクロロヘキ
シルビフェニル、2,2′−ジヒドロキシ−5,5′−
ジ−tert−ブチルビフェニル等が挙げられ、なかでも工
業的には2,2′−ジヒドロキシビフェニルがとくに好
適である。
【0019】ナフトール系化合物の例としては1−ナフ
トール、1,3−ジヒドロキシ−ナフタレン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン及び1,7−ジヒドロキシナフ
タレンが挙げられる。フェノール系化合物としては、フ
ェノール、クレゾール、ピロガロール、ヒドロキシヒド
ロキノン、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビ
スフェノールA、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸等が
挙げられる。タンニン類としては、タンニン酸、五倍子
タンニン、没食子タンニン、スマックタンニン、ケブラ
チョタンニン、カキ渋タンニン等が挙げられる。2,3
−ジヒドロキシナフタレンの2量体化合物としては、
2,3,2′,3′−テトラヒドロキシビナフチル等が
挙げられる。
【0020】上記アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ
系化合物との縮合物はこれらの反応成分を適当な媒体
中、触媒の存在下、通常、室温〜200 ℃で2〜100 時
間、好ましくは30〜150 ℃で3〜30時間反応させること
により製造される。上記の縮合反応を行う媒体として
は、例えば、水、又はアルコール類、ケトン類、エステ
ル類等の有機溶媒が挙げられ、有機溶媒としては、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類及
び酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類が挙げられ
る。
【0021】上記縮合反応を行う媒体のpHは通常1〜13
の範囲であり、pH調整剤は特に制約なく使用することが
できる。上記縮合反応に使用される触媒としては、例え
ば硫酸、塩酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の酸
性触媒;NaOH、KOH 、NH4OH等の塩基性触媒等が用いら
れる。
【0022】縮合反応を行う際のアルデヒド類と芳香族
ヒドロキシ系化合物との割合は、使用するアルデヒド化
合物、芳香族ヒドロキシ系化合物、溶媒、及び触媒の種
類、反応時間、反応温度等に影響されるが、通常、芳香
族ヒドロキシ系化合物1モルに対してアルデヒド化合物
を0.1 〜10モルが好ましい。
【0023】さらに好ましい縮合物(A)の製造方法
は、アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系化合物との
縮合反応を、亜リン酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩からなる
群から選択される少なくとも1種の存在下で行うことに
より得る方法である。亜リン酸塩の例としては、亜リン
酸アンモニウム、亜リン酸ウラニル、亜リン酸カリウ
ム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸コバルト、亜リン酸
水素アンモニウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸水
素カルシウム、亜リン酸水素コバルト、亜リン酸第二
銅、亜リン酸水素鉄、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン
酸水素鉛、亜リン酸水素バリウム、亜リン酸水素ヒドラ
ジニウム、亜リン酸水素マグネシウム、亜リン酸水素マ
ンガン、亜リン酸第一鉄、亜リン酸第二鉄、亜リン酸
銅、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸バリウム、亜リン酸
ヒドラジニウム等が挙げられる。
【0024】亜硝酸塩の例としては、亜硝酸亜鉛、亜硝
酸アンモニウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、
亜硝酸銀、亜硝酸コバルトカリウム、亜硝酸コバルトナ
トリウム、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜
硝酸セリウム、亜硝酸第二銅、亜硝酸ナトリウム、亜硝
酸ニッケル、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜
硝酸リチウム、亜硝酸ルビジウム等が挙げられる。
【0025】亜硫酸塩の例としては、亜硫酸ナトリウ
ム、ロンガリット、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素
カリウム等が挙げられる。これらは一種単独でも、二種
以上組合わせても使用できる。亜リン酸塩、亜硝酸塩及
び亜硫酸塩(以下亜リン酸塩等という。)の添加時期
は、縮合反応開始直前から該反応の中期までの間に反応
混合物に添加するのが好ましい。ここで、縮合開始直前
とは、触媒を加える前及び又は加熱を始める前であり、
反応中期とは、反応が終了せずに未反応物が残っている
状態である。
【0026】亜リン酸塩等とアルデヒド化合物および芳
香族ヒドロキシ系化合物との比は、通常、アルデヒド化
合物および芳香族ヒドロキシ系化合物1モルに対して、
亜リン酸塩等を0.1〜10モルとすることが好ましい。
【0027】第一塗布液は、上記アルデヒド化合物と芳
香族ヒドロキシ系化合物との縮合物(A)を適当な溶媒
に溶解して調製される。この溶媒としては、水、又は水
と混和性を有する親水性有機溶媒と水との混合溶媒が使
用される。上記有機溶媒の中で親水性有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤が
挙げられる。更には、上記溶媒の中で、アルコール系溶
剤を用いるのが好ましい。水と親水性有機溶媒と水との
混合溶媒を使用する場合の親水性有機溶媒の含有量は、
引火、揮発等の危険がなく、毒性等の取扱上の安全の問
題がない量とするのが好ましく、具体的には、親水性有
機溶媒が50重量%以下であることが好ましく、更に、30
重量%以下であることが好ましい。また、必要に応じ
て、NaOH、エチレンジアミン等のpH調整剤を使用しても
よい。
【0028】第一塗布液中のアルデヒド化合物と芳香族
ヒドロキシ系化合物との縮合物(A)の濃度は1.0〜
25.0wt%の範囲が好ましく、より好ましくは、2.
0〜15.0wt%、さらにより好ましくは3〜9wt%で
ある。この濃度が低すぎると、塗布液の使用量を増やし
ても有効量の塗膜を形成することが困難になる等の不都
合が生じる。濃度が高すぎると、塗布液が不安定とな
り、貯蔵タンク内で貯蔵中に沈殿を生じたり、また、塗
布液の供給ラインや塗布ノズルが沈殿物や析出物により
閉塞することがあり、塗布液を塗布することが困難にな
ることがある。その結果、スケール付着防止効果の低下
原因となる。第一塗布液には本発明の効果を損なわない
程度に、必要に応じて、例えば防錆剤、防カビ剤等を添
加してもよい。
【0029】[塗膜の第二層]第二層の形成には、水溶
性高分子化合物(b−1)、無機コロイド(b−2)、
無機塩(b−3)及び酸(b−4)よりなる群から選択
される少なくとも1種のスケール防止助剤(B)を含有
する第二塗布液が使用される。
【0030】<水溶性高分子化合物(b−1)>水溶性
高分子化合物(b−1)としては、例えば、ヒドロキシ
ル基を含有する水溶性高分子化合物、水溶性の両性高分
子化合物、水溶性アニオン高分子化合物、水溶性カチオ
ン高分子化合物が挙げられる。
【0031】ヒドロキシル基を含有する水溶性高分子化
合物として、例えばアミロース、アミロペクチン、デキ
ストリン酸化デンプン等のデンプン類、キチン等の動物
性粘性物質;メチルセルロース、グリコールセルロー
ス、エチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体;キシラン、マンナン、アラボガラクタン、ガ
ラクタン、アラバンのようなヘミセルロース類;アルコ
ールリグニン、ジオキサンリグニン、フェノールリグニ
ン、ハイドロトロピックリグニン、メルカプトリグニ
ン、アルカリリグニン、チオアルカリリグニン、酸リグ
ニン、酸化銅−アンモニアリグニン、過ヨウ素酸リグニ
ンのようなリグニン類;部分ケン化ポリビニルアルコー
ル;ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0032】水溶性の両性高分子化合物として、例え
ば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、リボ核
酸、デオキシリボ核酸、キトサンが挙げられる。
【0033】水溶性のアニオン高分子化合物としては、
側鎖にカルボキシル基或いはスルホン酸基を有する水溶
性のアニオン高分子化合物が使用され、例えば、ポリア
クリルアミドのスルホメチル化物、ポリアクリル酸、ア
ルギン酸、アクリルアミド−ビニルスルホン酸誘導体、
ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキ
シメチルデンプン、ペクチン酸、ペクチニオン酸、プロ
トペクチン酸、カラゲニン酸、ヒアルロン酸、コンドロ
イチン硫酸、ヘパリン、ケラド硫酸、チオグリコール酸
リグニンスルホン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ
メチルセルロースが挙げられる。
【0034】また水溶性カチオン高分子化合物として、
側鎖に窒素原子を有し、且つ前記窒素原子が正の荷重を
帯びたカチオン性高分子電解質、例えば、ポリエチレン
イミン、ポリビニルアミン、ポリアクリルアミド、N−
ビニル−2−ピロリドン/アクリルアミド共重合体、ジ
メチルジアミルアンモニウムクロライドの環化重合体、
ジメチルジエチルアンモニウムブロマイドの環化重合
体、ジアリルアミン塩酸塩の環化重合体、ジメチルジア
リルアンモニウムクロライドと二酸化イオウとの環化共
重合体、ポリビニルビリジン、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルカルバゾール、ポリビニルイミダゾリン、ポ
リジメチルアミノエチルアクリレート、ポリジエチルア
ミノエチルアクリレート、ポリジエチルアミノエチルメ
タクリレートが挙げられる。
【0035】上記例示された水溶性高分子化合物の中、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、部分けん化ポリビニルアルコール、にかわ、カゼイ
ン、ゼラチン、キトサン、ポリアクリル酸、アルギン
酸、ポリメタクリル酸、ペクチン酸、カラゲニン酸、ヒ
アルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体が好ま
しい。
【0036】<無機コロイド(b−2)>無機コロイド
としては、例えば、アルミニウム、トリウム、チタン、
ジルコニウム、アンチモン、スズ、鉄等から選択される
金属の酸化物及び水酸化物のコロイド;タングステン
酸、五酸化バナジウム、セレン、イオウ、シリカ、金及
び銀のコロイド;ヨウ化銀ゾル等が挙げられる。これら
の中で好ましいものは、アルミニウム、チタン、ジルコ
ニウム、スズ及び鉄から選択される金属の酸化物及び水
酸化物のコロイド、並びにコロイドシリカである。無機
コロイドはどのような製造方法で得られたものでもよ
く、製造方法は特に限定されない。例えば、水を分散媒
とする分散法や、凝集法により製造される粒子コロイド
でよい。コロイド粒子の大きさは1〜500nmが好まし
い。
【0037】<無機塩(b−3)>無機塩としては、ア
ルカリ金属のケイ酸塩、及びアルカリ土類金属の無機塩
が挙げられる。アルカリ金属のケイ酸塩としては、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
のメタケイ酸塩(M2SiO3)、オルトケイ酸塩(M4Si
O4)、二ケイ酸塩(M2Si2O3)、三ケイ酸塩(M3Si
3O7)、セスキケイ酸(M4Si3O10)等(式中、Mはリチ
ウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を示
す。)、並びに水ガラスが挙げられる。
【0038】アルカリ土類金属の無機塩としては、例え
ば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ
土類金属のケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、ホウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、ハロゲン化
物などが挙げられる。これらのアルカリ土類金属化合物
のうち、特に好ましいものは、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、
ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、
リン酸バリウム、硫酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムである。
【0039】<酸(b−4)>酸としては、リン酸、ピ
ロリン酸、ポリリン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブ
デン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、モ
リブデン酸、タングステン酸などの無機酸;テレフタル
酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1-ドデカンジスルホ
ン酸、安息香酸、ラウリン酸、スルファニル酸、p-スチ
レンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、銅フタロ
シアニンテトラスルホン酸、ウロカニン酸、L-アスコル
ビン酸、D-イソアスコルビン酸、クロロゲン酸、カフェ
イン酸、p-トルエンスルホン酸、ソルビン酸、β-ナフ
トキノン-4-スルホン酸、フィチン酸、タンニン酸など
の有機酸が挙げられる。上記(b−1)〜(b−4)成
分から選ばれる少なくとも1種のスケール防止助剤
(B)の中、水溶性高分子化合物(b−1)、無機コロ
イド(b−2)、無機塩(b−3)が好ましく、特に水
溶性高分子化合物(b−1)が好ましい。
【0040】第二層形成用の第二塗布液は、上記(b−
1)〜(b−4)成分から選ばれる少なくとも1種のス
ケール防止助剤(B)を適当な溶媒に溶解して調製され
る。この溶媒としては、水、又は水と混和性を有する親
水性有機溶媒と水との混合溶媒が使用される。上記有機
溶媒の中で親水性有機溶媒としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール系溶剤;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル系溶剤が挙げられる。更に
は、上記溶媒の中で、アルコール系溶剤を用いるのが好
ましい。水と親水性有機溶媒と水との混合溶媒を使用す
る場合の親水性有機溶媒の含有量は、引火、揮発等の危
険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がない量とする
のが好ましく、具体的には、親水性有機溶媒が50重量%
以下であることが好ましく、更に、30重量%以下である
ことが好ましい。
【0041】また、必要に応じて、NaOH、エチレンジア
ミン等のpH調整剤を使用してもよい。また、防錆剤、防
カビ剤などを本発明の効果を損なわない程度に添加して
もよい。第二塗布液中の前記スケール防止助剤の濃度
は、0.01〜20重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは
0.1〜15重量%である。
【0042】[水蒸気キャリアー]本発明の方法による
と、前記の第一塗布液の塗布にも第二塗布液の塗布にも
キャリアーとして水蒸気が使用され、各塗布液が重合器
内壁面に適用される。使用される水蒸気は、通常の水蒸
気であっても或いは過熱水蒸気であってもよく、2〜35
kgf/cm2・G(0.294〜3.53MPa)の圧力を有するものが好ま
しく、2.8〜20kgf/cm2・Gの(0.373〜2.06MPa)圧力を有
するものが更に好ましい。水蒸気の温度は好ましくは12
0〜260℃であり、130〜200℃が更に好ましい。上記の水
蒸気の圧力及び温度は、水蒸気が塗布液と混合される
前、例えば後述の図1において水蒸気供給ライン6内に
おいて測定される値である。
【0043】[塗膜の形成]本発明方法による塗膜の形
成を図1の塗布装置に従って説明する。図1は重合装置
の構成の概略を示す。 工程1.(水蒸気による重合器内壁面等の予熱又は冷
却) 重合器1に取り付けられたジャケット2に熱水又は冷水
などを通して重合器内壁面の温度を50℃未満(好ましく
は30〜49℃)に予めコントロールする。通常は、50℃未
満となっており、特に予熱等の必要はない。この重合器
の上部には、二流体アトマイザー3が設けられている。
該二流体アトマイザー3には重合器1の外部から水蒸気
を供給するライン5a及び塗布液を供給するライン5b
が接続している。ライン5aには水蒸気供給ライン6が
バルブを介して接続しており、ライン5bには第一塗布
液供給ライン7及び第二塗布液供給ライン8がバルブを
介して接続している。必要に応じて、この二流体アトマ
イザー3の噴出部3aから水蒸気(飽和水蒸気又は過熱
水蒸気)を器内に吹き込み、バッフル(図示せず)及び
攪拌翼(図示せず)等を予め加熱しておいてもよい。こ
の装置では水蒸気は水蒸気供給器9から流量計10を経
てライン6とライン5aを通って二流体アトマイザー3
に供給される。
【0044】工程2.(1段目塗布) 水蒸気を二流体アトマイザーに供給し、第一塗布液タン
ク11内に収納された第一塗布液をポンプ12又はアス
ピレーターバルブ(図示せず)によりライン7と5bを
介して二流体アトマイザー3に供給する。Pは圧力計で
ある。第一塗布液は水蒸気に運ばれてミスト状態で重合
器内壁面、バッフル表面、攪拌翼表面等の重合中に単量
体が接触する表面に適用され、塗布される。この塗布と
同時にこれら表面上で塗布された第一塗布液は乾燥(同
時乾燥)され、第一層が形成される。したがって、乾燥
の為の特別の操作は必要ない。
【0045】ここで、水蒸気(G)と塗布液(L)との
混合割合(L/G)は、重量基準の流量比で0.005〜0.8
が好ましく、0.01〜0.2が更に好ましい。二流体アトマ
イザーを使用すると、ミスト粒が細かくなり、水蒸気と
塗布液の混合物を効率良く前記内壁面等に塗布する事が
できる。二流体アトマイザーの設置数は通常1〜4でよ
く、1個で十分なことが多い。
【0046】なお、水蒸気と塗布液との重合器外におい
て混合し、得られた混合液物を配管などを通して重合器
内に導入して器内に設けられたノズルから噴出させる方
法では、重合器内に導入される前の配管内の途中で水蒸
気と塗布液が合一してしまい、水蒸気と塗布液の混合物
が重合器内に噴出される際のミスト粒子径が大きくな
る。ミスト粒子径が大きくなると、壁面への塗布効率が
低下し、壁面への塗布状態が悪くなり、重合体スケール
の付着を効果的に防止することができなくなる不利があ
り、本発明のように少なくとも二流体アトマイザーの噴
出部が重合器内に位置するようにするのが好ましい。も
ちろん、二流体アトマイザー全体が重合器内に配設され
ていてよい。二流体アトマイザーとしては外部混合形二
流体アトマイザー、Yジェット形二流体アトマイザーを
用いることが好ましい。特には、外部混合形二流体アト
マイザーが好ましい。
【0047】工程3.(2段目塗布) 第一塗布液の供給を停止し、引き続き水蒸気を流したま
ま第二塗布液タンク13内に収納された第二塗布液をポ
ンプ14を用いてライン8と5bを介して同様に二流体
アトマイザー3に供給し、第一層面上に塗布し、第二層
(図示せず)を形成する。1段目塗布の場合と同様に、
塗布と同時に第一層上に塗布された第二塗布液は乾燥
(同時乾燥)され、第二層が形成されるので、特別の乾
燥操作は必要はない。
【0048】この二段目塗布においても、水蒸気(G)
と塗布液(L)との混合比(L/G)は、重量基準の流
量比で0.005〜0.8が好ましく、0.01〜0.2が更に好まし
い。
【0049】工程4.(水洗) 水蒸気及び塗布液の供給を止めた後、水タンク15に収
納された洗浄水で重合器1内の水洗を行う。洗浄水はポ
ンプ16によりライン17を介してノズル18から重合
器内に供給される。但し、品質への影響が少なければ水
洗は行う必要はない。このようにして形成される第一層
の乾燥塗布量は0.0005〜3g/m2が好ましく、より好
ましくは0.0005〜1g/m2である。第二層の乾燥塗布
量は0.0005〜2g/m2が好ましく、より好ましくは0.0
005〜1g/m2である。第一及び第二層の合計乾燥塗布
量は、0.001〜5g/m2であることが好ましく、より好ま
しくは0.001〜2g/m2である。
【0050】重合 本発明方法は、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体の重合に適用される。この単量体の例としては、塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル
酸、及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレ
ン;アクリロニトリル;ハロゲン化ビニリデン;ビニル
エーテル等が挙げられる。
【0051】本発明方法が特に好適に実施される例とし
ては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル若しくはハロゲ
ン化ビニリデン、又は、それらを主体とする単量体混合
物の水性媒体中における懸濁重合若しくは乳化重合によ
るそれら重合体の製造がある。また本発明方法で形成さ
れる塗膜は、α−メチルスチレン、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の従来の塗膜に対
して高い溶解能を有する単量体に対しても、高い耐久性
を示すので、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ
アクリロニトリル等の重合体ビ−ズ、ラテックスの製
造、SBR,NBR,CR,IR,IIR等の合成ゴム
の製造(これら合成ゴムは通常乳化重合によって製造さ
れる。)、ABS樹脂の製造にも好適に実施することが
できる。
【0052】これら単量体の1種又は2種以上の重合に
際し、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の重合
形式にかかわらず、また、乳化剤、安定剤、滑剤、可塑
剤、pH調整剤、連鎖移動剤等のいずれの添加剤の存在下
であっても、スケール防止の目的が有効に達成される。例
えば、ビニル系単量体の懸濁重合や、乳化重合では、重
合系に必要に応じて種々の添加剤が加えられる。添加剤
としては例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース等の懸濁剤;ラウリル硫酸ナトリウム等
のアニオン性乳化剤;ソルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性乳化
剤;三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチ
ルすずジラウレート、ジオクチルすずメルカプチド等の
安定剤;トリクロロエチレン、メルカプタン類等の連鎖
移動剤;pH調整剤等が挙げられる。本発明の方法によれ
ば、このような添加剤が重合系に存在しても効果的にス
ケールの付着が防止される。
【0053】また、本発明の顕著な重合体スケール付着
防止効果は重合触媒の種類に影響されることなく、いず
れの触媒を使用した場合でも発揮される。触媒として
は、具体的には、t−プチルパーオキシネオデカノエー
ト、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネ
ート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド、α−クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハ
イドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、t−プチルパーオキシピバレト、ビス(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロー
ルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、α,α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、ジ−2−エチルヘキシルジパーオキシイソフタレ
ート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が例示さ
れる。
【0054】重合の他の条件は、従来通常行われるとお
りでよく、本発明の効果が損われない限り特に制約され
ない。以下、懸濁重合、溶液重合及び塊状重合の場合を
例に挙げて、典型的な重合条件を具体的に説明するが、
何らこれに限定するものではない。懸濁重合の場合に
は、まず、水及び分散剤を重合器に仕込み、その後、重
合開始剤を仕込む。次に、重合器内を排気して0.01〜10
1kPa(0.1〜760mmHg)に減圧した後、単量体を仕込み
〔この時、重合器の内圧は、通常150〜3040kPa(0.5
〜30kgf/cm2・G)になる〕、その後、30〜150℃の反応温
度で重合する。重合中には、必要に応じて、水、分散剤
及び重合開始剤の1種又は2種以上を添加する。また、
重合時の反応温度は、重合される単量体の種類によって
異なり、例えば塩化ビニルの重合の場合には30〜80℃で
行い、スチレンの重合の場合には50〜150℃で重合を行
う。重合は重合器の内圧が100〜790kPa(0〜7kgf/cm2
・G)に低下した時に、或いは重合器外周に装備されたジ
ャケット内に流入、流出させる冷却水の入口温度と出口
温度との差がほぼなくなった時(即ち重合反応による発
熱がなくなった時)に、完了したと判断される。重合の
際に仕込まれる水、分散剤及び開始剤は、通常単量体10
0重量部に対して、水20〜500重量部、分散剤0.01〜30重
量部、重合開始剤0.01〜5重量部である。
【0055】溶液重合の場合には、重合媒体として水の
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に懸濁重合についての重合条
件と同様である。
【0056】塊状重合の場合には、重合器内を約0.001
〜101kPa(約0.01〜760mmHg)の圧力に排気した後、そ
の重合器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−10〜25
0℃の反応温度で重合する。例えば、塩化ビニルの重合
の場合には、30〜80℃で行い、スチレンの重合の場合に
は50〜150℃で重合を行う。
【0057】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細
に説明する。なお、「部」は「重量部」を意味し、また
表中の「助剤」は「スケール防止助剤」を意味する。縮合物の製造 以下の製造例において、得られた縮合物の重量平均分子
量は次のようにして測定した。
【0058】・重量平均分子量の測定 ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)に
より、下記の測定条件で、ポリスチレン換算の重量平均
分子量を測定した。 カラム: ガードカラム 商品名 shim−pack GPC−800DP、島津製作所社製 分析カラム 商品名 shim−pack GPC−803D 、802D、島津製作所社製 移動相: 10mM LiBr/DMF 流量 : 1.0ml/min 検出器: RI 温度 : 60℃
【0059】製造例1 縮合物 No.1の製造 特開昭57−164107 の製造例1を参照して重合体スケー
ル付着防止剤を製造した。耐圧反応器に1−ナフトール
250 モル(36.0kg)と1規定NaOH水溶液(NaOH 180モル、
7.2kg 含有) 180 Lを仕込み、撹拌しながら、70℃に昇
温した。次に、反応混合物にホルムアルデヒド(38w/v
%水溶液19.75 L、250 モル)を1.5 時間に亘って滴下
した。この間反応器の内温が80℃を越えないようにし
た。次に撹拌を続けながら反応混合物を3時間かけて60
℃に冷却した。次に、反応混合物を98℃に昇温し、98℃
で1.5 時間反応させた。その後反応混合物を冷却し縮合
物(縮合物 No.1)のアルカリ性溶液を得た。縮合物 N
o.1の重量平均分子量は2,400 であった。
【0060】製造例2 縮合物 No.2の製造 耐圧反応器に1−ナフトール250 モル(36.0kg)と1規定
NaOH水溶液(NaOH 180モル、7.2kg 含有) 180 Lを仕込
み、撹拌しながら、70℃に昇温した。次に、反応混合物
にホルムアルデヒド(38w/v %水溶液19.75 L、250 モ
ル)を1.5 時間に亘って滴下した。ホルムアルデヒド滴
下終了直後に、亜リン酸水素ナトリウム(20w/w %水溶
液26.0 kg、50 モル)を0.1時間に亘って添加した。こ
の間反応器の内温が80℃を越えないようにした。次に撹
拌を続けながら反応混合物を3時間かけて60℃に冷却し
た。次に、反応混合物を98℃に昇温し、98℃で1.5 時間
反応させた。その後反応混合物を冷却し縮合物(縮合物
No.2)のアルカリ性溶液を得た。縮合物 No.2の重量平
均分子量は2,300 であった。
【0061】製造例3 縮合物 No.3の製造 (1)(2,3−ジヒドロキシナフタレンの2量体化合
物の合成) 還流コンデンサー付きの3Lのフラスコに、メタノール
1,350mLを仕込み、次いで2,3−ジヒドロキシナフタ
レン144g(0.9mol)を溶解させた。溶解後、65℃に
昇温して還流しながら、塩化第2鉄6水和物243g(0.9
mol)をメタノール450mLに溶解させたものを、30分間
かけて滴下した。滴下終了後、還流状態のまま、5時間
反応を続けた。次いで、反応液を希塩酸4.5L中に移
し、12時間撹拌し、2,3−ジヒドロキシナフタレンの
2量体化合物を生成した。得られた反応液をろ過して溶
媒を除去した後、残留物を2Lの純水で2時間水洗し、
次いで、再びろ過して塩化第2鉄6水和物を除去した。
得られた2,3−ジヒドロキシナフタレンの2量体化合
物を40℃の乾燥機内で乾燥した。
【0062】(2)還流コンデンサー付の3Lフラスコ
に純水1Lを仕込み、次いで水酸化ナトリウム5g、及び
上記の(1)で得られた2,3−ジヒドロキシナフタレン
2量体化合物50gを仕込んだ。次いで、70℃に昇温した
後、37%ホルムアルデヒド水溶液12.75gを蒸留水237.3g
に溶解させたものを、30分間かけて滴下した。滴下終了
後、同温度で5時間反応させ、その後、95℃に昇温し、
更に2時間反応を続け、縮合物 No.8を得た。なお、こ
の反応は、すべてN2雰囲気中で行った。反応終了後、得
られた縮合物 No.8を25℃に冷却し、N2雰囲気中で保存
した。重量平均分子量は、22,000であった。
【0063】製造例4 縮合物 No.4の製造 特開昭57−192413 の塗布化合物の合成2を参照してス
ケール防止剤を製造した。耐圧反応器にピロガロール10
0 モル(12.6kg)及び水100 Lを仕込み、ピロガロールを
水に溶解させた。次に、得られた溶液にベンズアルデヒ
ド 200モル(21.2kg)及びリン酸 300モル(29.4kg)を加
え、それらの混合物を95 ℃で10時間反応させたとこ
ろ、水に不溶な赤褐色の生成物が得られた。この水不溶
性生成物をエ−テルで洗浄後、該水不溶性生成物中から
メタノールでメタノール可溶性成分を抽出し、次に抽出
液からメタノールを乾燥により除去して残渣として縮合
物No.4(ピロガロールベンズアルデヒド縮合物)を得
た。この縮合物No.4の重量平均分子量は4,500であっ
た。
【0064】製造例5 縮合物 No.5の製造 特公平6−62709 の製造例3を参照してスケール防止剤
を製造した。耐圧反応器に2,2′−ジヒドロキシビフ
ェニル30モル(5.59kg) 、純度95%のパラホルムアルデ
ヒド30モル(0.948kg) 、パラトルエンスルホン酸0.19kg
及びエチレングリコールジメチルエーテル10Lを仕込
み、撹拌しながら130 ℃に昇温した。130 ℃で17時間反
応させた後、50℃に冷却し、反応混合物を水50L中に投
入した。水に投入することにより析出した樹脂を濾別、
水洗後乾燥して、5.1kgの2,2′−ジヒドロキシビフ
ェニル−ホルムアルデヒド縮合樹脂(縮合物No.2)を
得た。縮合物No. 5の重量平均分子量は5,400であっ
た。
【0065】<第一塗布液の調製>第一塗布液 No.101〜111の調製 表1に示した条件〔縮合物(A)、助剤(B)、pH調整
剤、(A)/(B)の重量比、(A)+(B)の合計濃
度、溶媒組成、及びpH〕になるように、表1に示した、
pH調整剤及び溶媒を用いて、第一層形成用の第一塗布液
を調製した。但し、塗布液 No.102はスプレー塗布用に
低濃度に調製されたスケール防止剤含有塗布液である。
なお、以下の表では縮合物をCPと略記する。例えば、
“CP 5”は「縮合物No.5」を意味する。
【0066】
【表1】
【0067】<第二塗布液の調製>第二塗布液 No.201〜218の調製 表2、表3に示した条件〔(b−1)〜(b−4)の助
剤(B)、(b−1)/(b−2)〜(b−4)重量
比、(B)の合計濃度、溶媒、pH調整剤及びpH〕になる
ように、表2、表3に示したスケール防止助剤(B)、
pH調整剤及び溶媒を用いて、スケール防止助剤含有塗布
液(2段目塗布用)を調製した。但し、塗布液No.202*
は、スプレー塗布用に使用する比較用のスケール防止助
剤含有塗布液である。なお、水溶性高分子化合物を使用
する塗布液は、室温では、水溶性高分子化合物(b−
1)が溶解し難いので、約70℃に溶媒を加熱し、溶解し
た。
【0068】
【表2】〔2段目塗布用(その1)〕
【0069】
【表3】〔2段目塗布用(その2)〕
【0070】実施例1 図2は重合装置の構成の概略を示す。重合器については
図1と共通する要素は同一番号で示す。図2に示す重合
装置を用いて以下の実験を行った。図2において、内容
積2m3の SUS 316 Lステンレス鋼製重合器1には攪拌
翼20を有する撹拌装置21(攪拌モーターは図示せ
ず)、加熱・冷却用ジャケット2、マンホール22、バ
ッフル23及びその他塩化ビニル重合用の重合器に通常
備わる付属設備(図示せず)が備えてある。重合器1の
上部に接続されたライン24は原材料仕込用ラインであ
り、該ライン24に図示のように塩化ビニル単量体(V
CM)仕込ライン24a、触媒溶液仕込ライン24b、
懸濁剤溶液仕込ライン24c、純水仕込ライン24d等
の分岐ラインが接続されている。
【0071】この仕込ライン24及び24a〜24dに
は図示の位置にバルブV1、V2、V3、V4及びV5
が設けられている。また、重合器1の上部に接続された
ライン25は重合器1内の排気、単量体の回収等のため
に設けられ、ライン25から分岐したライン26を経て
ガスホルダー27に導かれる。ガスホルダー27から単
量体回収ライン28が導出され、またガスホルダー27
から導出されたライン29はライン25に接続され、後
述の均圧操作に用いられる。これらのライン25、2
6、28及び29には、図示の位置にバルブV6、V
7、V8、V9、V10、V11、V12及びV13が
設けられている。ライン26は、重合器1内の排気、単
量体の回収などのために使用される真空ポンプ30が設
けられているライン26aとそのようなポンプが設けら
れていないライン26bに分岐した後再び一つのライン
になってガスホルダー27に接続している。
【0072】また、重合器1の上部には、重合器内の水
洗を行うために、ライン31が接続されている。ライン
31には図示の位置にバルブ14が設けられ、器内に導
かれた先端にノズル32が設けられている。更に、重合
器1の上部には、塗布液の供給ライン33に第一塗布液
供給ライン34と第二塗布液供給ライン35が図示のよ
うにバルブを介して接続し、ライン33は二流体アトマ
イザー3内に接続し、該二流体アトマイザー3の噴出部
3aは重合器1内に位置するように配設されている。こ
れらのラインには図示の位置にバルブV15、V16、
V17及びV18が設けられている。水蒸気供給ライン
36には、図示の位置にバルブ19が設けられている。
重合器1の底にはライン37が接続され、これは重合体
スラリーをブローダウンタンクへ導くライン38aと塗
布液等や洗浄水を廃水タンクへ排出するライン38bと
に分かれている。これらのライン37、38a、38b
のそれぞれに図示の位置にバルブV20、V21及びV
22が設けられている。
【0073】各実験において使用した塗布液の No.を表
4に示す。予め、後述する方法で重合器の内壁等の表面
に塗布液を塗布し、必要ならば乾燥して塗膜を形成した
重合器中で次のようにして塩化ビニル単量体の重合を繰
返し行った。 (1) 塗布及び乾燥 下記のa),b),c)及びd)の方法は比較例の方法
であり、e)及びf)の方法は、本発明の方法である。
e)及びf)の方法は図2に示す装置を使用して行い、
a),b),c)及びd)の方法は図2に示す重合装置
と塗布装置が部分的に異なる重合装置を使用して行っ
た。a),b),c)及びd)の方法に使用した装置を
図3に示す。図3においては図2と共通する要素は同一
番号で示した。この装置では図2における二流体アトマ
イザー3の代りに塗布リング39が設けられている。塗
布リング39は環状のパイプからなり、その上側には上
向きのノズル40aが複数設けられ、その下側には下向
きのノズル40bが複数個設けられている。該塗布リン
グ39には重合器外部からライン41が接続し、このラ
イン41には水蒸気供給ライン36がバルブV19を介
して接続し、また第一塗布液供給ライン34と第二塗布
液供給ライン35とがそれぞれバルブV17及びV18
を介して接続している。その他の構成は図2の装置と同
じである。以下の各方法の説明において、当初すべての
バルブは閉じているものとする。
【0074】a).スプレー1段塗布及び乾燥 図3の装置において、ジャケット2に熱水を通水して重
合器1の内壁面を温度70℃に加熱しておく(ジャケッ
トでの予熱時間;10分)。バルブV17、V43、V4
2、V20、V22を開き、スケール防止剤含有の第一
塗布液を5L(リットル)/minの流量で1.5分間塗布する。バル
ブV17、V42、V43、V20、V22を閉じ、バル
ブV6、V8、V13、V9を開き、真空ポンプ30を起動
し、8.0kPa(−700mmHg)に減圧し、湿潤状態の塗膜を乾燥
し(乾燥が必要;乾燥時間:25分)、塗膜を形成する。
その後、真空ポンプを停止し、バルブV8、V13、V9
を閉じる。次に、バルブV7、V10を開け、重合器1の内
圧をガスホルダー27の内圧と同圧にする。その後、バ
ルブV6、V7、V10を閉じる。ジャケット2への熱水の
通水を停止する。
【0075】b).スプレー2段塗布及び乾燥 図3の装置において、予めジャケット2に熱水を通水し
て重合器1の内壁面の温度を70℃に加熱しておく(ジ
ャケットでの予熱時間:10分)。バルブV17、V4
3、V42、V20、V22を開き、スケール防止剤含
有塗布液(下塗り)を5L/minの流量で1.5分間塗布す
る。バルブV43、V42、V15、V20、V22を
閉じ、バルブV6、V8、V13、V9を開き、真空ポンプ
30を起動し、8.0kPa(−700mmHg)に減圧し、塗布液を
乾燥して(乾燥が必要;乾燥時間:25分)、第一層を形
成する。その後、真空ポンプを停止し、バルブV8、V
13、V9を閉じる。次に、バルブV7、V10を開いて
重合器1の内圧をガスホルダー27の内圧と同圧にす
る。その後、V6、V7、V10を閉じる。次に、バル
ブV18、V16、V15、V20、V22を開き、ス
ケール防止助剤含有塗布液(上塗り)を5L/minの流量
で1.5分間、上記第一層上に塗布する。バルブV18、
V43、V42、V22、V20を閉じ、バルブV6、
V8、V13、V9を開き、真空ポンプ30を起動し、8.
0kPa(−700mmHg)に減圧し、塗布液を乾燥し(乾燥が必
要;乾燥時間:25分)、第二層を形成する。その後、真空
ポンプを停止し、バルブV8、V13、V9を閉じる。次
にV7、V10を開いて重合器1の内圧をガスホルダー
27の内圧と同圧にする。その後、V6、V7、V10を閉じ
る。ジャケット2への熱水の通水を停止する。
【0076】c).水蒸気1段塗布(及び同時乾燥) 図3の装置において、予めジャケット2に熱水を通水し
て重合器1の内壁面を70℃に加熱しておく(ジャケッ
トでの予熱時間:10分)。バルブV19、V22、V2
0、V42、V43を開き、392kPa・Gauge(4kgf/cm2・G)
(143℃)の水蒸気を240kg/Hrの流量で3分間、重合器
内に吹込み、器内を予熱後、バルブV17を開き、スケー
ル防止剤を含有する塗布液を0.2 L/minの流量で2分
間、前記水蒸気をキャリアーとして利用して塗布及び同
時乾燥する。その後、バルブV19、V22、V20、
V42、V43、V17を閉じる。 ジャケット2への熱
水の通水を停止する。
【0077】d).水蒸気2段塗布(及び同時乾燥) 図3の装置において、予めジャケット2に熱水を通水し
て重合器1の内壁面の温度を70℃に加熱しておく(ジ
ャケットでの予熱時間:10分)。バルブV19、V22、
V20、V42、V43を開き、392kPa・Gauge(4kgf/cm2
G)(143℃)の水蒸気を240kg/Hrの流量で3分間、重合
器1内に吹込み、器内を予熱後、バルブV17を開き、ス
ケール防止剤含有第一塗布液(下塗り用)を0.2L/minの
流量で2分間、前記水蒸気をキャリアーとして塗布及び
同時乾燥して第一層を形成する。その後、バルブV17
を閉じる。次にバルブV18を開き、スケール防止助剤
含有第二塗布液(上塗り用)を0.2L/minの流量で1分
間、第一層上に前記水蒸気キャリアーを利用して塗布及
び同時乾燥し、第二層を塗布する。その後、バルブV1
9、V22、V20、V42、V43、V18を閉じ
る。 ジャケット2への熱水の通水を停止する。
【0078】e).二流体アトマイザーによる2段塗布
(内壁面47℃) 図2の装置において、予めジャケット2に熱水を通水し
て重合器1の内壁面の温度を47℃に加熱しておく(ジ
ャケットでの予熱時間:3分)。47℃に達したら、ジ
ャケット2への熱水の通水を停止する。バルブV19、
V22、V20、V15、V16を開き、392kPa・Gauge(4k
gf/cm2・G)(143℃)の水蒸気を240kg/Hrの流量で3分
間、重合器1内に吹込み、器内を予熱後、バルブV17
を開き、スケール防止剤含有第一塗布液(下塗り用)を
0.2L/minの流量で2分間、前記水蒸気をキャリアーとし
て塗布及び同時乾燥して第一層を形成する。その後、バ
ルブV17を閉じる。次にバルブV18を開き、スケー
ル防止助剤含有第二塗布液(上塗り用)を0.2L/minの流
量で1分間、第一層上に前記水蒸気キャリアーを利用し
て塗布及び同時乾燥し、第二層を塗布する。その後、バ
ルブV19、V22、V20、V15、V16、V18
を閉じる。
【0079】f).二流体アトマイザーによる2段塗布
(内壁面37℃) 図2の装置において、予めジャケット2に熱水又は冷却
水を通水して37℃にコントロールしておく(通常塗布
開始前の壁面温度は37℃に近い値となっているので、
ジャケットでの温度コントロールに要する時間は、ほぼ
ゼロである)。内壁面の温度コントロール以外はe)の
方法と同様である。なお、ジャケットへの熱水又は冷却
水の通水は内壁面の温度が設定温度に達したら停止して
良い。また、塗布及び乾燥の工程が終了した後に通水を
停止しても良い。なお、実験No.101、107〜114及びNo.1
16〜131は外部混合形二流体アトマイザーを使用した方
法であり、実験No.115及びNo.132はYジェット形二流体
アトマイザーを使用した方法である。
【0080】(2)器内第2水洗 バルブV14、V20、V22、V6、V7、V10を
開き、器内を水洗し、水洗後の水を廃水タンクに排出す
る。バルブV14、V20、V22を閉じる。上記a)
またはb)の方法を用いた場合はこの水洗時間は4分間
である。上記c)又はd)の方法を用いた場合はこの水
洗時間は1分間である。e)又はf)の方法を用いた場
合はこの水洗時間は1分間である。
【0081】(3) 仕込み バルブV1、V2、V3を開き、純水200重量部、部分
ケン化ポリビニルアルコール0.022重量部、ヒドロキシ
メチルセルロース0.028重量部を重合器1内に仕込む。
バルブV1、V2、V3、V6、V7、V10を閉じ
る。次にバルブV1、V5を開き、塩化ビニル単量体
(VCM)100重量部を仕込み、バルブV5を閉じる。
次に仕込んだ原材料を攪拌しながら、バルブV4を開
き、t−ブチルパーオキシネオデカネート0.03重量部を
仕込み、バルブV1、V4を閉じる。
【0082】(4) 重合 仕込んだ原材料を攪拌しながら、ジャケット2に熱水を
通水して昇温し、内温が52℃に到達した時点でジャケッ
ト2に冷却水を通して内温を52℃に維持し重合を行っ
た。器内の圧力が490kPa・Gauge(5kgf/cm2・G)に降圧し
た時点で重合を終了した。
【0083】(5) 排ガス バルブV6、V8、V12、V9を開とし、器内圧がほ
ぼ大気圧となるまで、ガスホルダー27に排ガスする。
その後バルブV12、V8、V9を閉じる。バルブV1
1、V10を開いてガスホルダー27内に回収された単
量体をライン28を介してVCM回収工程へ送り、その
後、バルブV11、V10を閉じる。
【0084】(6) 均圧 バルブV7、V10を開き、重合器1の内圧とガスホルダ
ー27の内圧とを同圧(均圧)にする。 (7) スラリー抜出し バルブV20、V21を開き、重合体スラリーを器内か
らブローダウンタンク(図示せず)に抜出す。ブローダ
ウンタンクに抜出された重合体スラリーは、その後、脱
水乾燥されて塩化ビニル重合体製品となる。
【0085】(8) 器内第1水洗 バルブV14を開き重合器1内を水洗し、洗浄水をブロ
ーダウンタンクに送る。その後バルブV14、V20、
V21、V6、V7、V10を閉じる。この器内の水洗
中に、ジャケット2に熱水を通して重合器壁面の温度を
70℃にしておく。上記の塗布及び乾燥(1)から重合終
了後の第1水洗(8)までの操作を1バッチとして、同じ
操作を表6に示すバッチ数繰返した。
【0086】<評価> ・塗膜形成所要時間 実施例及び比較例で塗膜の形成に要した所要時間を表5
に示す。 ・重合体スケール付着量の測定 各実験で、最終バッチ終了後に重合器内液相部の重合体
スケール付着量、攪拌翼及びバッフル表面及び気相部と
液相部との界面付近の重合体スケール付着量を下記の方
法で求めた。 対象表面の10cm×10cmの区域に付着したスケールを、肉
眼で確認し得る限り完全にへらで掻き落として、天秤で
計量した。その計量値を100倍することにより、1m2
たりのスケール付着量を求めた。その結果を表6に示
す。
【0087】・フィッシュアイの測定 また、各実験で最終バッチ終了後に得られた重合体をシ
−トに成形したときのフィッシュアイを、下記の方法で
測定した。結果を表7に示す。重合体100 重量部、ジオ
クチルフタレート50重量部、ジブチルすずジラウレート
1重量部、セチルアルコール1重量部、酸化チタン0.25
重量部及びカーボンブラック0.05重量部を、6インチロ
ールを用いて150 ℃で7分間混練した後、厚さ0.2mm の
シートに成形した。得られたシートの100cm2当たりに含
まれるフィッシュアイの個数を光透過法により調べた。
【0088】・明度指数(L値)の測定 重合体をシ−トに成形した時の、抗初期着色性を評価す
るため、明度指数(L値)を下記の方法で測定した。そ
の結果を表7に示す。 得られた重合体100 重量部、ジブチル錫ラウレ−ト系安
定剤(昭島化学(株)製、TS−101) 1重量部及びカド
ミウム有機複合体系安定剤(勝田化工(株)製、C−100
J) 0.5 重量部並びに可塑剤としてジオクチルフタレ−
ト50重量部の混合物を、2本ロールミルを用いて160℃
で5分間混練した後、厚さ1mmのシ−トに成形した。得
られたシ−トを4×4×1.5cm の型枠に入れ、次いで16
0℃の温度で6.37〜6.87MPa・Gauge(65〜70kgf/cm2・G)に
加圧することにより、測定用試料を作製した。この試料
の明度指数Lを、以下のようにして求めた。
【0089】まず、JIS Z 8722に従い、標準光C及び光
電色彩計〔日本電色工業(株)製、Z−1001 DP 型測色
色差計〕を用いて、刺激値直読方法により、XYZ 表色系
の刺激値Yを求めた。ここで、照明及び受光の幾何学的
条件は、JIS Z 8722の4.3.1項に記載の条件dを採用し
た。次いで、得られた刺激値Yを、JIS Z 8730(1980)に
記載のハンタ−の色差式: L=10Y1/2 に代入して、L値を算出した。なお、L値が大きいほど
白色度が高い、すなわち、抗初期着色性が良好であるこ
とを示す。
【0090】・着色粒子の測定 各実験で最終バッチ終了後に得られた重合体100重量部、
安定剤として〔日東化成(株)製、TVS N−2000E〕2
重量部、及び可塑剤としてジオクチルフタレート20重量
部の混合物を、十分に混錬した後、160mm×130mm×3mm
の型枠に入れ、175℃の温度、3.43MPa・Gauge(35kgf/cm2
・G)の圧力で加圧成形することにより、測定用試料を作
製した。この試料について、着色粒子の個数を目視によ
り調べた。その結果を表7示す。
【0091】
【表4】 *:比較例
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】 *:比較例
【0094】
【表7】スケール付着量及び品質 *:比較例
【0095】
【発明の効果】本発明の重合方法によれば、スケール防
止剤等の塗膜形成工程時間を短縮して生産性を向上する
と共に、塩化ビニル単量体を重合する際に、重合器内の
液相部壁面ばかりでなく、攪拌装置、壁面に対面してい
るバッフル表面、気相と液相との界面付近などにおいて
も、重合体スケールの付着を効果的に防止することがで
きる。このため、得られる重合体製品の品質が向上し、
重合体中の着色粒子を従来より極めて少なくすることが
できる上、該重合体をシ−ト等に成形した成形物には、
フィッシュアイが極めて少なく、且つ初期着色も極めて
少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する重合装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の方法を実施する別の重合装置の概略図
である。
【図3】比較例の方法a)〜d)の塗布方法の実施に用
いた重合装置の概略図である。
【符号の説明】
1.重合器 3.二流体アトマイザー 3a.二流体アトマイザー噴出部 6.水蒸気供給ライン 7.第一塗布液供給ライン 8.第二塗布液供給ライン 17.洗浄水供給ライン 20.撹拌翼 23.バッフル 24.原材料供給ライン 27.ガスホルダー 31.洗浄水供給ライン 34.第一塗布液供給ライン 35.第二塗布液供給ライン 36.水蒸気供給ライン 39. 塗布リング 40a、40b ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野茎 源治 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信 越化学工業株式会社塩ビ技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 EB05 EB10 EB12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和二重結合を有する単量体
    を重合器内において重合することからなる重合体の製造
    方法であって、 前記重合器はその内壁面に重合体スケール付着防止性の
    塗膜を有するものであり;該塗膜は、前記内壁面の上に
    形成された第一層と、該第一層の上に形成された第二層
    とからなり、 前記第一層は、アルデヒド化合物と芳香族ヒドロキシ系
    化合物との縮合物(A)を含有する第一塗布液を、キャ
    リアーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたもので
    あり、前記第二層は水溶性高分子、無機コロイド、無機
    塩及び酸からなる群から選択される少なくとも一種のス
    ケール防止助剤(B)を含有する第二塗布液を、キャリ
    アーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたものであ
    り;さらに前記第一層及び前記第二層は二流体アトマイ
    ザーを用いてそれぞれの塗布液を噴霧して塗布、形成さ
    れたものであり;第一塗布液の塗布及び第二塗布液の塗
    布の各々の直前において前記重合器の内壁面の温度は50
    ℃未満である;ことを特徴とするエチレン性不飽和二重
    結合を有する単量体の重合方法。
  2. 【請求項2】前記の重合体スケール防止性塗膜が重合器
    内壁面に加えてその他の重合中に前記単量体が接触する
    その他の表面にも形成されている請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】第一塗布液の塗布及び第二塗布液の塗布の
    各々の直前において前記重合器の内壁面の温度が40℃未
    満である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記の二流体アトマイザーが外部混合形二
    流体アトマイザーまたはYジェット形二流体アトマイザ
    ーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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