JP2000281704A - エチレン性二重結合を有する単量体の重合体を製造する方法 - Google Patents

エチレン性二重結合を有する単量体の重合体を製造する方法

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JP2000281704A
JP2000281704A JP11093647A JP9364799A JP2000281704A JP 2000281704 A JP2000281704 A JP 2000281704A JP 11093647 A JP11093647 A JP 11093647A JP 9364799 A JP9364799 A JP 9364799A JP 2000281704 A JP2000281704 A JP 2000281704A
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water
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acid
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Toshihide Shimizu
敏秀 清水
Mikio Watanabe
幹雄 渡辺
Genji Nokuki
源治 野茎
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/002Scale prevention in a polymerisation reactor or its auxiliary parts

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重合体スケール付着防止剤等の塗膜形成時間
を短縮して生産性を高め、スケール付着防止効果を向上
し、重合体製品への着色異物の混入を低減し、フィッシ
ュアイ及び初期着色性を低減し、重合体及びその加工製
品の品質を向上できる、エチレン系単量体の重合による
重合体の製造方法。 【解決手段】 重合器はその内壁面及び重合中に単量体
が接触するその他の表面に重合体スケール付着防止性の
塗膜を有するものであり;第一層と、第二層とからな
り、前記第一層は、染料及び顔料からなる群から選ばれ
る化合物を含有する第一塗布液を、第二層は第一層の上
に第二塗布液をキャリアーとして水蒸気を用いて塗布し
て形成されたものであり;前記第二層は、その表面を水
と塩化ビニル単量体とを重量比1/1で含む混合溶液と
50℃で1時間接触させた後に水接触角が60°未満で
ある表面を有するものである;。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はエチレン性二重結合
を有する単量体を重合器内において重合することにより
重合体を製造する方法において、重合器内壁面などへの
重合体スケールの付着を防止し、品質の良好な重合体を
製造することができる重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合器内で単量体を重合して重合体を製
造する方法においては、重合体が重合器内壁面などにス
ケールとして付着する問題が知られている。重合体スケ
ールが重合器内壁面などに付着すると、重合体の収率低
下、重合器内の冷却能力の低下、及び付着した重合体ス
ケールが剥離して重合体製品に混入することにより製品
の品質低下を招き、更に重合体スケールの除去に多大の
労力と時間が必要となるなどの不利が生じる。その上、
重合体スケールは未反応単量体を含んでいるので、作業
者がこれにさらされ、身体的な障害を引き起こす恐れも
ある。
【0003】このため、エチレン性二重結合を有する単
量体の重合においては、重合器内壁面などへの重合体ス
ケールの付着を防止する目的で、例えば重合器内壁及び
攪拌機などに、アミン化合物、キノン化合物、アルデヒ
ド化合物などの極性有機化合物、或いは染料、顔料など
を塗布する方法(特公昭45−30343、特公昭45−3083
5);極性有機化合物或いは染料を金属塩で処理したも
のを塗布する方法(特公昭52−24953);電子供与性化
合物と電子受容性化合物との混合物を塗布する方法(特
公昭53−28347);1−ナフトールとホルムアルデヒト
との縮合反応生成物を塗布する方法(特開昭57−16410
7);フェノール化合物とホルムアルデヒドとの縮合反
応生成物を塗布する方法(特開昭57−192413);ポリ芳
香族アミンを塗布する方法(特公昭59−16561);多価
フェノールの自己縮合生成物や多価ナフトールの自己縮
合生成物を塗布する方法(特開昭54−7487);ケトン樹
脂とフェノール化合物との縮合反応生成物を塗布する方
法(特開昭62−236804);芳香族アミンと芳香族ニトロ
化合物との縮合反応生成物及びこれをベ−ス化したもの
を塗布する方法(特公昭60−30681);芳香族アミン化
合物とキノン化合物との縮合反応生成物を塗布する方法
(特開昭61−7309)等の1段塗布による重合体スケール
付着防止方法(以下、1段塗布方法という)が提案され
ている。この1段塗布方法で得られる重合スケール付着
防止性塗膜では、重合中に重合器内の気液界面付近にス
ケールが付着しやすかったり、重合反応液の組成によっ
てはスケールが壁面全面に付着することがあるため、こ
れを防止するために重合体スケール付着防止剤の塗布液
に、アニオン性高分子化合物、両性高分子化合物、カチ
オン性高分子化合物、ヒドロキシル基含有高分子化合物
等の水溶性高分子化合物;無機コロイド;アルカリ金属
塩のような無機塩等の、単量体に対して親和性を有しな
い物質(以下、重合体スケール付着防止助剤という)を
混合することも知られている。これらの1段塗布方法は
エチレン性二重結合を有する単量体の重合器内における
重合において、重合体スケール付着防止に有効である。
【0004】上記1段塗布方法では、重合体スケール付
着防止効果が十分に得られない場合は、(a)上記のよ
うな重合体スケール付着防止剤を含む塗布液を塗布して
第一層を形成し、更にその上に、(b)上述の重合体ス
ケール付着防止助剤を含有する塗布液を塗布して第二層
を形成するという2段塗布による重合体スケール付着防
止方法(以下、2段塗布方法という)(特開平03−7440
4、特開平02−80403、特開平02−80402、特開平02−804
01、特開平02−47102)が提案されている。前記に説明
した1段塗布による重合体スケールの付着防止方法も2
段塗布による重合体スケールの付着防止方法も、塗布方
法としては、作業性の点などの生産性の面からスプレー
塗布方法が通常用いられている。
【0005】スプレー塗布方法による重合体スケール付
着防止剤の1段塗布法における塗膜の形成は、 ステップ1:スプレー塗布方法により、重合体スケール
付着防止剤を含む塗布液を重合器内壁面及びその他の単
量体が接触する部分に塗布する、 ステップ2:塗布面を乾燥させて乾燥塗膜を形成する、 ステップ3:形成された塗膜面を洗浄して余分な塗布液
を除去する、 のステップ1〜3を有するものである。また、スプレー
塗布方法による、重合体スケール付着防止剤の塗布及び
重合体スケール付着防止助剤の塗布からなる2段塗布方
法は、2段目の塗布においても上記と同様のステップ1
〜3からなる塗膜形成作業が行われる。
【0006】上記のスプレー塗布方法を用いた場合、バ
ッフル、攪拌翼の重合器内壁面に対面している面は、ス
プレーノズルから見て死角となっている。このようなス
プレーノズルから見て陰になっていたり隠れている部分
の表面には塗布液が到達しにくいため重合体スケール付
着防止剤をその他の陰にならない表面と同様に塗布する
ことはできない。したがって、陰になる表面と陰になら
ない表面とに均一な塗膜を形成することは難しい。ま
た、陰になる表面にスケールの付着を防止するの有効量
の塗膜を形成しようとすると他の表面よりも多量の重合
体スケール付着防止剤を含む塗布液を使用せざるを得な
い。陰にならない表面には必要以上の過剰なスケール防
止剤を適用することになる。そのため、こうして形成さ
れる塗膜は、塗布ムラがあり、塗膜は部分的に必要以上
に厚いものであった。
【0007】さらに、スプレー塗布方法を用いたスケー
ル防止性塗膜の形成には次のような問題もあった。 重合体スケール付着防止剤の塗膜は、通常重合バッチ
ごとにその前に形成される。重合体スケール付着防止剤
は一般に着色しているので、重合バッチの繰り返し数が
多くなると、重合体スケール付着防止剤が繰り返し塗布
される結果、塗膜が厚い部分が生じ得る。このような塗
膜の厚い部分が剥離して反応混合物に取り込まれたり、
スケール防止剤が重合器の内壁等に既に生じている重合
体スケールの上に塗布されてスケールの一部とともに剥
離して、得られる重合体製品中に混入し、その成型品中
に着色異物或いはフィッシュアイをもたらす原因となっ
たり、成形品の初期着色を高めるなど製品の品質低下を
招く欠点がある。 上記のように、スプレーノズルから見て死角になって
いる重合器内の隠れた部分又は陰になっている表面での
重合体スケール付着防止効果は、他の表面に比してかな
り多量の重合体スケール付着防止剤を適用した割には十
分とはいえるものではない。 スプレー塗布方法は、塗布後、その塗布面を乾燥する
乾燥工程を必要とし、重合体スケール付着防止剤の塗膜
形成に要する時間がかかる。そこで、生産性向上の面か
ら、その塗膜形成に要する時間の短縮が望まれている。
【0008】上記スプレー塗布方法の欠点を解決する方
法として、キャリアーとして水蒸気を用いて重合体スケ
ール付着防止剤の塗布液を塗布する方法(以下、スチー
ム塗布という)(特公平01−5044)が提案されている。
この場合の塗布液としては、重合体スケール付着防止剤
単独の塗布液や、これに前記重合体スケール付着防止助
剤を添加した塗布液が使用されている。
【0009】このスチーム塗布方法は、次のような利点
がある。 少量の塗布液で、スケールの付着を効果的に防止する
のに必要な重合体スケール付着防止剤を薄い均一な塗膜
として形成することができる。 少量の塗布液の使用量で、スプレーノズルから見て死
角になっている重合器内の隠れた部分、又は陰になって
いる部分にも、スケール付着防止効果を得る上で必要な
重合体スケール付着防止剤の塗膜を形成することができ
るので、これらの部分でも重合体スケール付着防止効果
を得ることができる。 塗膜形成工程での乾燥工程が不要となり、重合体スケ
ール付着防止剤等の塗膜形成に要する時間が短縮され
る。
【0010】ところで、スチーム塗布方法では塗布液と
スチームとを混合し、スチームにより運ばれる形で塗布
液を重合器内壁面などに適用される。従って、塗布液中
の重合体スケール付着防止剤の濃度は、スチームで稀釈
されることを考慮して設定される。通常、塗布液中の重
合体スケール付着防止剤の濃度は、スチーム塗布用はス
プレー塗布用の4〜40倍である。但し、スチーム塗布
で必要な重合体スケール防止剤の量はスプレー塗布の場
合とほぼ同じである。
【0011】スチーム塗布方法には上記の利点がある反
面、次の点において問題がある。 スチーム塗布では重合器内の均一な塗布が可能である
が、重合器内の気液界面付近のスケール付着防止効果は
不十分である。 重合器内の気液界面付近におけるスケール付着防止効
果が不十分である為、重合バッチの繰り返し数が多くな
ると気液界面付近で重合体スケールの堆積が成長し、堆
積したスケールが重合中に剥離して重合体製品中に混入
し、フィッシュアイ発生の原因となることがある。 また、重合バッチの繰り返し数が多くなると、重合体
スケール付着防止剤が繰り返し塗布される結果、重合体
スケール付着防止剤層が次第に厚くなり、この層が部分
的に剥離して重合体製品中に混入して着色異物の原因と
なり、重合体製品の抗初期着色性が低下する(特に明度
指数が低下する)という問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
体スケール付着防止剤等の塗膜形成時間を短縮して生産
性を高めると共に、重合体スケール付着防止効果を向上
し、これにより得られる重合体製品への着色異物の混入
を低減し、成形品のフィッシュアイ及び初期着色性を低
減し、重合体及びその加工製品の品質を向上できる、エ
チレン性二重結合を有する単量体の重合による重合体の
製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、エチレン性
二重結合を有する単量体を重合器内において重合するこ
とからなる重合体の製造方法であって、前記重合器はそ
の内壁面及び重合中に前記単量体が接触するその他の表
面に重合体スケール付着防止性の塗膜を有するものであ
り;該塗膜は前記内壁面及びその他の表面の上に形成さ
れた第一層と、該第一層の上に形成された第二層とから
なり、前記第一層は染料及び顔料からなる群から選ばれ
る化合物を含有する第一塗布液を、キャリアーとして水
蒸気を用いて塗布して形成されたものであり;前記第二
層は第一層の上に第二塗布液をキャリアーとして水蒸気
を用いて塗布して形成されたものであり;前記第二層
は、その表面を水と塩化ビニル単量体とを重量比1/1
で含む混合溶液と50℃で1時間接触させた後に水接触
角が60°未満である表面を有するものである;ことを
特徴とするエチレン性二重結合を有する単量体の重合方
法によって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。以下において、重合体スケール付着防止剤を「ス
ケール防止剤」と略称する。本発明の方法で使用される
スケール防止性の塗膜は重合器内壁面などの表面上に形
成される第一層とその上に形成される第二層とからな
る。
【0015】[塗膜の第一層]第一層形成用塗布液に使
用される染料、顔料としては、例えばモノアゾおよびポ
リアゾ染料・顔料、金属錯塩アゾ染料・顔料、スチルベ
ンアゾ染料、チアゾールアゾ染料等のアゾ系料・顔料;
アントラキノン誘導体、アントロン誘導体等のアントラ
キノン染料・顔料;インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導
体等のインジゴイド染料・顔料;フタロシアニン染料・
顔料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料
・顔料、キサンテン染料、マクリジン染料等のカルボニ
ウム染料・顔料;アジン染料、オキサジン染料、チアジ
ン染料等のキノンイミン染料;ポリメチンまたはシアニ
ン染料等のメチン染料;キノリン染料;ニトロ染料;ベ
ンゾキノンおよびナフトキノン染料;ナフタルイミド染
料・顔料;ペリノン染料;硫化染料;蛍光染料;アゾイック
染料;および反応染料を挙げることができ、これらは1種
単独でも2種以上の組合せでも使用できる。これらの染
料・顔料をさらに具体的に例示すると次のとおりであ
る。
【0016】アゾ系染科および顔料としては、次のもの
が挙げられる。モノアゾおよびポリアゾ染料として、例
えば、C.I.ベイシックイエロー32、34および36;
C.I.ベイシックオレンジ2、32、33および34;C.
I.ベイシックレッド17、18、22、23、24、32、34、3
8、39および40;C.I.ベイシックバイオレット26お
よび28;C.I.ベイシックブルー58、59、64、65、6
6、67および68;C.I.ベイシックブラウン1、4、11
および12;C.I.ベイシックブラック8;C.I.アゾ
イックジアゾコンポーネント4、21、27および38;C.
I.ディスパーズイエロー3、4、5、7、8、23、50、6
0、64、66、71、72、76、78および79;C.I.ディス
パーズオレンジ1、3、5、13、20、21、30、32、41、4
3、45、46、49、50および51;C.I.ディスパーズレ
ッド1、5、7、12、13、17、43、52、54、56、58、60、7
2、73、74、75、76、80、82、84、88、90、97、99、10
1、103、113、117、122、125、126、128、および129;
C.I.ディスパーズバイオレット10、24、33、38、4
1、43および96;C.I.ディスパーズブルー85、92、9
4および106;C.I.ディスパーズブラウン3および5;
C.I.ディスパーズブラック1、2、10、26、27、28、
29、30および31;C.I.ソルベントイエロー2、6、1
4、15、16、19、21および56;C.I.ソルベントオレ
ンジ1、2、5、6、14および45;C.I.ソルベントレッ
ド1、3、23、24、25、27および30;C.I.ソルベント
ブラウン3、5および20;C.I.ソルベントブラック
3;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、
10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73および8
3;C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、14、15、
16、17、24および31;C.I.ピグメントレッド1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、4
0、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、6
0、63、64、68、112、114および163;C.I.ピグメン
トブルー25;C.I.ピグメントグリーン10;C.I.
ピグメントブラウン1、および2;C.I.ピグメントブ
ラック1;C.I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、2
4、26、27、28、33、44、50、58、85、86、87、88、8
9、98、100および110;C.I.ダイレクトオレンジ1、
6、8、10、26、29、39、41、49、51、57、102および10
7;C.I.ダイレクトレッド1、2、4、13、17、20、2
3、24、28、31、33、37、39、44、46、62、63、75、7
9、80、81、83、84、89、95、99、113、197、201、21
8、220、224、225、226、227、228、225、230および23
1;C.I.ダイレクトバイオレット1、7、9、12、22、
35、51、63、90、94および98;C.I.ダイレクトブル
ー1、2、6、8、15、22、25、71、76、77、78、80、12
0、123、158、160、163、165、168、192、193、194、19
5、196、203、207、225、236、237、246、248および24
9;C.I.ダイレクトグリーン1、6、8、28、30、31、
33、37、59、63、64および74;C.I.ダイレクトブラ
ウン1A、2、6、25、27、44、58、59、101、106、173、1
94、195、209、210および211;C.I.ダイレクトブラ
ック17、19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、9
4、105、106、107、108、112、113、117、118、132、13
3および146;C.I.アシッドイエロー11、17、19、2
3、25、29、36、38、40、42、44、49、61、70、72、7
5、76、78、79、110、127、131、135、141、142、164、
および165;C.I.アシッドオレンジ1、7、8、10、1
9、20、24、28、33、41、43、45、51、56、63、64、6
5、67および95;C.I.アシッドレッド1、6、8、9、1
3、14、18、26、27、32、35、37、42、57、75、77、8
5、88、89、97、106、111、114、115、117、118、119、
129、130、131、133、134、138、143、145、154、155、
158、168、249、252、254、257、262、265、266、274、
276、282、283および303;C.I.アシッドバイオレッ
ト7、11、97および106;C.I.アシッドブルー29、6
0、92、113、117および120;C.I.アシッドグリーン1
9、20および48;C.I.アシッドブラウン2、4、13、1
4、20、53、92、100、101、236、247、266、268、276、
277、282、289、301および302;C.I.アシッドブラッ
ク1、7、24、26、29、31、44、76、77、94、109および1
10;C.I.モーダントイエロー1、3、5、23、26、3
0、38および59;C.I.モーダントオレンジ1、4、5、
6、8、29および37;C.I.モーダントレッド7、9、1
7、19、21、26、30、63および89;C.I.モーダントバ
イオレット5および44;C.I.モーダントブルー7、1
3、44、75および76;C.I.モーダントグリーン11、1
5、17および47;C.I.モーダントブラウン1、14、1
5、19、21、33、38、40、52および87;C.I.モーダ
ントブラック1、3、7、9、11、17、26、32、38、43、4
4、51、54、65、75、77、84、85、86および87;C.
I.フードイエロー3および4;C.I.フードレッド7
および9;
【0017】金属錯塩アゾ染料として、例えば、C.
I.ソルベントイエロー61および80;C.I.ソルベン
トオレンジ37、40および44;C.I.ソルベントレッド
8、21、83、84、100、109および121;C.I.ソルベン
トブラウン37;C.I.ソルベントブラック23;C.
I.アシッドブラック51、52、58、60、62、63、64、6
7、72、107、108、112、115、118、119、121、122、12
3、131、132、139、140、155、156、157、158、159およ
び191;C.I.アシッドイエロー59、98、99、111、11
2、114、116、118、119、128、161、162および163;
C.I.アシッドオレンジ74、80、82、85、86、87、8
8、122、123および124;C.I.アシッドレッド180、1
83、184、186、194、198、199、209、211、215、216、2
17、219、256、317、318、320、321および322;C.
I.アシッドバイオレット75および78;C.I.アシッ
ドブルー151、154、158、161、166、167、168、170、17
1、175、184、187、192、199、229、234および236;
C.I.アシッドグリーン7、12、35、43、56、57、6
0、61、65、73、75、76、78および79;C.I.アシッ
ドブラウン19、28、30、31、39、44、45、46、48、22
4、225、226、231、256、257、294、295、296、297、29
9および300;C.I.ダイレクトイエロー39;C.I.
ダイレクトバイオレット47および48;C.I.ダイレク
トブルー90、98、200、201、202および226;C.I.ダ
イレクトブラウン95、100、112および170;
【0018】スチルベンアゾ染料として、例えば、C.
I.ダイレクトブラック62;チアゾールアゾ染料とし
て、例えば、C.I.ダイレクトレッド9および11が挙
げられる。
【0019】アントラキノン染料・顔料としては、次の
ものが挙げられる。アントラキノン誘導体として、例え
ば、C.I.ベイシックバイオレット25;C.I.ベイ
シックブルー21、22、44、45、47、54および60;C.
I.アゾイックジアゾコンポーネント36;C.I.バッ
トイエロー2、3、10、20、22および33;C.I.バット
オレンジ13および15;C.I.バットレッド10、13、1
6、31、35および52;C.I.バットバイオレット13お
よび21;C.I.バットブルー4、6、8、12、14、64、6
6、67および72;C.I.バットグリーン8、13、43、44
および45;C.I.バットブラウン1、3、22、25、39、
41、44、46、57、68、72および73;C.I.バットブラ
ック8、14、20、25、27、36、56、59および60;C.
I.ディスパーズオレンジ11;C.I.ディスパーズレ
ッド4、9、11、15、53、55、65、91、92、100、104、11
6および127;C.I.ディスパーズバイオレット1、4、
8、23、26、28、30および37;C.I.ディスパーズブ
ルー1、3、5、6、7、20、26、27、54、55、56、60、6
1、62、64、72、73、75、79、81、87、90、91、97、9
8、99、103、104および105;C.I.ディスパーズイエ
ロー51;C.I.ソルベントバイオレット13および14;
C.I.ソルベントブルー11、12、35および36;C.
I.ソルベントグリーン3;C.I.ピグメントレッド8
3および89;C.I.ピグメントブルー22;C.I.ア
シッドバイオレット31、34、35、41、43、47、48、51、
54、66および68;C.I.アシッドブルー23、25、27、
40、41、43、45、54、62、72、78、80、82、112、126、
127、129、130、131、138、140、142、143、182、183、
203、204および205;C.I.アシッドグリーン25、2
7、28、36、40、41および44;C.I.アシッドブラウ
ン27;C.I.アシッドブラウン48および50;C.I.
モーダントレッド3および11;C.I.モーダントブル
ー8および48;C.I.モーダントブラック13;C.
I.ピグメントバイオレット5;
【0020】アントロン誘導体として、例えば、C.
I.バットイエロー1および4;C.I.バットオレンジ
1、2、3、4および9;C.I.バットバイオレット1、9
および10;C.I.バットブルー18、19および20;C.
I.バットグリーン1、2、3および9;C.I.バットブ
ラック9、13、19および57;C.I.バットレッド13;
C.I.アシッドレッド80、82および83が挙げられる。
【0021】インジゴイド染料・顔料としては、次のも
のが挙げられる。インジゴ誘導体として、例えば、C.
I.バットブルー1、3、5、35および41;C.I.レデ
ュースド・バットブルー1;C.I.ピグメントバイオ
レット19および122;C.I.アシッドブルー74および10
2;C.I.ソリュービライズド・バットブルー5および4
1;C.I.ソリュービライズド・バットブラック1;
C.I.フードブルー1;チオインジゴ誘導体として、
例えば、C.I.バットオレンジ5;C.I.バットレ
ッド1、2および61;C.I.バットバイオレット2およ
び3;C.I.ピグメントレッド87および88;C.I.
バットブラウン3が挙げられる。
【0022】フタロシアニン染料・顔料として、例え
ば、C.I.ソルベントブルー55;C.I.ピグメント
ブルー15、16および17;C.I.ピグメントグリーン3
6、37および38;C.I.ダイレクトブルー86および19
9;C.I.モーダントブルー58が挙げられる。カルボニ
ウム染料・顔料としては、次のものが挙げられる。ジフ
ェニルメタン染料として、例えば、C.I.ベイシック
イエロー2;
【0023】トリフェニルメタン染料として、例えば、
C.I.ベイシックレッド9;C.I.ベイシックバイ
オレット1、3および14;C.I.ベイシックブルー1、
5、7、19、26、28、29、40および41;C.I.ベイシッ
クグリーン1および4;C.I.ソルベントバイオレット
8;C.I.ソルベントブルー2および73;C.I.ピグ
メントバイオレット3;C.I.ピグメントブルー1、2
および3;C.I.ピグメントグリーン1、2および7;
C.I.ダイレクトブルー41;C.I.アシッドバイオ
レット15および49;C.I.アシッドブルー1、7、9、1
5、22、83、90、93、100、103および104;C.I.アシ
ッドグリーン3、9および16;C.I.モーダントバイオ
レット1;C.I.モーダントブルー1、29および47;
C.I.フードバイオレット2;C.I.フードブルー
2;C.I.フードグリーン2;
【0024】キサンテン染料として、例えば、C.I.
ベイシックレッド1;C.I.ソルベントレッド49;
C.I.ピグメントレッド81および90;C.I.ピグメ
ントバイオレット1、2および23;C.I.アシッドレッ
ド51、52、87、92および94;C.I.モーダントレッド
15および27;C.I.フードレッド14;アクリジン染料
として、例えば、C.I.ベイシックオレンジ14および
15が挙げられる。キノンイミン染料としては、次のもの
が挙げられる。アジン染料として、例えば、C.I.ベ
イシックレッド2;C.I.ベイシックブラック2;C.
I.ソルベントブラック5および7;C.I.アシッドブ
ルー59;C.I.アシッドブラック2;オキサジン染料
として、例えば、C.I.ベイシックブルー3;C.
I.ダイレクトブルー106および108;チアジン染料とし
て、例えば、C.I.ベイシックイエロー1;C.I.
ベイシックブルー9、24および25が挙げられる。
【0025】メチン染料としては、次のものが挙げられ
る。ポリメチン(またはシアニン)染料として、例えば、
C.I.ベイシックイエロー11、13、14、19、21、25、
28、33および35;C.I.ベイシックオレンジ21および
22;C.I.ベイシックレッド12、13、14、15、27、2
9、35、36および37;C.I.ベイシックバイオレット
7、15、21および27が挙げられる。キノリン染料として
は、例えば、C.I.ベイシックグリーン6;C.I.
ディスパーズイエロー54および56;C.I.ソルベント
イエロー33;C.I.アシッドイエロー3が挙げられる。
ニトロ染料としては、例えば、C.I.ディスパーズイ
エロー1、33、39、42、49および54;C.I.アシッド
イエロー1が挙げられる。ベンゾキノンおよびナフトキ
ノン染料としては、例えば、C.I.ディスパースブル
ー58および108;C.I.アシッドブラウン103、104、1
06、160、161、165および188が挙げられる。ナフタルイ
ミド染料・顔料としては、例えば、C.I.ピグメント
レッド123;C.I.バットバイオレット23および29;
C.I.アシッドイエロー7が挙げられる。ペリノン染
料としては、例えば、C.I.バットオレンジ7および1
5が挙げられる。
【0026】硫化染料としては、例えば、C.I.ソリ
ュービライズド・サルファーイエロー2;C.I.サル
ファーイエロー4;C.I.サルファーオレンジ3;C.
I.サルファーレッド2、3、5および7;C.I.ソリュ
ービライズド・サルファーブルー15;C.I.サルファ
ーブルー2、3、4、6、7、9および13;C.I.サルファ
ーグリーン2、3、6、14および27;C.I.ソリュービ
ライズド・サルファーブラウン1および51;C.I.サ
ルファーブラウン7、12、15および31;C.I.サルフ
ァーブラック1、2、5、6、10、11および15;C.I.バ
ットイエロー35、42および43;C.I.バットブルー43
および56が挙げられる。蛍光塗料としては、例えば、
C.I.フルオレセント・ブライトニング・エイジェン
ト14、22、24、30、32、37、45、52、54、55、56、84、
85、86、87、90、91、104、112、121、134、135、153、
162、163、164、166、167、168、169、170、171、172、
173、174、175、176および177が挙げられる。
【0027】アゾイック染料としては、例えば、C.
I.アゾイックジアゾコンポーネント17、20、22、24、
26、31、35、41、47、48、109および121;C.I.アゾ
イックカップリングコンポーネント2、3、4、5、7、8、
10、11、12、14、15、16、17、18、19、20、23、26、2
8、29、35、36、37、41および108;C.I.アゾイック
ブラウン2、7、11および15;C.I.アゾイックブラッ
ク1および5;C.I.アゾイックイエロー1および2;
C.I.アゾイックオレンジ2、3および7;C.I.ア
ゾイックレッド1、2、6、9、16および24;C.I.アゾ
イックバイオレット1、2、6、7、9および10;C.I.
アゾイックグリーン1が挙げられる。
【0028】反応染料としては、例えば、C.I.リア
クティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、14、
15、16、17、18、22、23、24、25、26、27、37および4
2;C.I.リアクティブオレンジ1、2、4、5、7、13、
14、15、16、18、20、23および24;C.I.リアクティ
ブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、1
6、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、3
3、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、4
6、49、50、58、59、63および64;C.I.リアクティ
ブバイオレット1、2、4、5、8、9および10;C.I.リ
アクティブブルー1、2、3、4、5、7、8、9、13、14、1
5、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、31、3
2、33、34、37、38、39、40、41、43、44および46;
C.I.リアクティブグリーン5、6、7および8;C.
I.リアクティブブラウン1、2、5、7、8、9、10、11、
14および16;C.I.リアクティブブラック1、3、4、
5、6、8、9、10、12、13、14および18が挙げられる。さ
らに顔料としては、クロム黄、亜鉛黄、ZTO型ジンクク
ロメート、鉛丹、酸化鉄粉、亜鉛華、アルミニウム粉お
よび亜鉛末のごとき無機顔料などが例示される。
【0029】これらの染料、顔料の中でさらに好ましい
ものは、アントラキノン染料・顔料、インジゴイド染料
・顔料、キノンイミン染料及び硫化染料であり、中でも
分散染料(デイスパーズ染料)、油溶染料(ソルベント
染料)、建染染料(バット染料)及び硫化染料(サルフ
ァー染料)である。
【0030】形成された第一層は、その表面が水/塩化
ビニル単量体(重量比)=1/1の混合溶液に50℃で
1時間接触させて後の水接触角が60°以上であること
が好ましく、70〜130°であることがより好まし
い。したがって、そのような第一層が形成される第一塗
布液を用いることが好ましい。水接触角が60°以上と
なる染料及び/又は顔料の選定は簡単な試験で行うこと
ができる。
【0031】この水接触角を60°以上にすることによ
り重合器の内壁表面(ステンレス等の金属又はガラスで
構成されている)に対して接着力が高く耐久性のある第
一層を形成することができる効果が得られる。この接触
角が小さすぎると、第一層の内壁面等への接着力が弱
く、得られた塗膜はスチームが凝集してできた水ととも
に流れ落ちてしまい易い。かくして接着力のある第一層
が均一に形成されない。
【0032】第一層形成用の第一塗布液は、上記の染料
及び/又は顔料を適当な溶媒に溶解もしくは分散して調
製される。この溶媒としては、例えば、水;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタ
ノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−
2−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、2−
メチル−2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコ
ール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶剤;ギ酸メチル、ギ酸エ
チル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル等の
エステル系溶剤;4−メチルジオキソラン、エチレング
リコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;フラン
類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル等の非プロトン系溶剤等が挙げられる。こ
れらは適宜単独で又は二種以上の混合溶媒として使用さ
れる。
【0033】上記溶媒の中で好ましいものは、水、及び
水と混和性を有する親水性有機溶媒と水との混合溶媒で
ある。上記した有機溶媒の中で親水性有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤が
挙げられる。更には、上記溶媒の中でアルコール系溶剤
を用いるのが好ましい。親水性有機溶媒と水との混合溶
媒を使用する場合の親水性有機溶媒の含有量は、引火、
揮発等の危険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がな
い量とするのが好ましく、具体的には、親水性有機溶媒
が50重量%以下であることが好ましく、更に、30重量%
以下であることが好ましい。
【0034】第一塗布液のpHは、使用される染料及び/
又は顔料の種類により適宜選択される。pH調整にはpH調
整剤として酸及びアルカリ化合物が適宜使用される。酸
としては、塩酸、硫酸、リン酸、ピロリン酸、硝酸等が
例示される。アルカリ化合物としては、例えば、LiOH、N
aOH、KOH、Na2CO3、Na2HPO4、NH4OH等のアルカリ金属化
合物或いはアンモニア化合物;エチレンジアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等の有機アミン化合物等が使用可能である。
【0035】第一塗布液中の染料及び/又は顔料の濃度
は1.0〜25.0wt%の範囲が好ましく、より好まし
くは、1.5〜15.0wt%、さらにより好ましくは3
〜10wt%である。この濃度が低すぎると、有効量の第
一層を形成するのに多量のスチームが必要となる等の不
都合が生じる。濃度が高すぎると、塗布液が不安定とな
り、貯蔵タンク内で貯蔵中に沈殿を生じたり、また、内
壁面などに塗布して得られる第一層は塗布ムラのあるも
のとなり、スケール付着防止効果の低下原因となる。第
一塗布液には、染料及び/又は顔料の他に、塗布液の貯
蔵安定性及び第一層の壁面に対する接着力、均一な塗膜
形成性を損わない程度に水溶性高分子化合物、無機コロ
イドなどを添加してもよい。
【0036】[塗膜の第二層]第二層は上記のようにし
て形成された第一層の上に形成される。この第二層は、
その表面を水と塩化ビニル単量体とを重量比1/1で含
む混合溶液と50℃で1時間接触させた後に水接触角が
60°未満、好ましくは10〜55°である表面を有す
るものである。この水接触角が60°未満であると、第
二層は第一層に対して良好な接着効果を示す。同時に、
重合中に重合反応混合物に含まれる単量体や重合体が重
合器内壁面などに付着することが防止され、スケール付
着防止効果を得ることができる。他方、接触角が60°
以上であると、重合中に単量体や重合体が塗膜に対して
吸着し易くなり、十分なスケール付着防止効果を得るこ
とができない。このような水接触角が60°未満である
第二層を形成するための第二塗布液としては、水溶性高
分子化合物、無機コロイド、無機塩、及び酸よりなる群
から選択される少なくとも1種の親水性化合物を含有す
る塗布液を用いるのが好ましい。
【0037】<水溶性高分子化合物>水溶性高分子化合
物としては、例えば、ヒドロキシル基を含有する水溶性
高分子化合物、水溶性両性高分子化合物、水溶性アニオ
ン高分子化合物、水溶性カチオン高分子化合物が挙げら
れる。ヒドロキシル基を含有する水溶性高分子化合物と
して、例えばアミロース、アミロペクチン、デキストリ
ン、酸化デンプン等のデンプン類、キチン等の動物性粘
性物質;メチルセルロース、グリコールセルロース、エ
チルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシエチルメチルセルロース等のセルロース誘導
体;キシラン、マンナン、アラボガラクタン、ガラクタ
ン、アラバンのようなヘミセルロース類;アルコールリ
グニン、ジオキサンリグニン、フェノールリグニン、ハ
イドロトロピックリグニン、メルカプトリグニン、アル
カリリグニン、チオアルカリリグニン、酸リグニン、酸
化銅−アンモニアリグニン、過ヨウ素酸リグニンのよう
なリグニン類;部分ケン化ポリビニルアルコール;ポリ
ビニルアルコールが挙げられる。水溶性の両性高分子化
合物として、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、ア
ルブミン、リボ核酸、デオキシリボ核酸、キトサンが挙
げられる。水溶性のアニオン高分子化合物としては、側
鎖にカルボキシル基或いはスルホン酸基を有する水溶性
のアニオン高分子化合物が使用され、例えば、ポリアク
リルアミドのスルホメチル化物、ポリアクリル酸、アル
ギン酸、アクリルアミド−ビニルスルホン酸共重合体、
ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、カルボキ
シメチルデンプン、ペクチン酸、ペクチニン酸、プロト
ペクチン酸、カラゲニン、ヒアルロン酸、コンドロイチ
ン硫酸、ヘパリン、ケラト硫酸、チオグリコール酸、リ
グニンスルホン酸、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ
メチルセルロースが挙げられる。また水溶性カチオン高
分子化合物として、側鎖に窒素原子を有し、且つ前記窒
素原子が正の荷電を帯びたカチオン性高分子電解質、例
えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリア
クリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン/アクリル
アミド共重合体、ジメチルジアミルアンモニウムクロラ
イドの環化重合体、ジメチルジエチルアンモニウムブロ
マイドの環化重合体、ジアリルアミン塩酸塩の環化重合
体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドと二酸化
イオウとの環化共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルカルバゾール、ポリビニル
イミダゾリン、ポリジメチルアミノエチルアクリレ−
ト、ポリジエチルアミノエチルアクリレート、ポリジエ
チルアミノエチルメタクリレート及びこれら高分子化合
物の誘導体や変性物、例えば、部分架橋物、共重合体、
グラフト共重合体、並びにこれらの高分子化合物に−O
H、−NH2、−COOH、−SO3H基等の官能基を導
入したものが挙げられる。
【0038】上記例示された水溶性高分子化合物の中、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、部分けん化ポリビニルアルコール、にかわ、カゼイ
ン、ゼラチン、キトサン、ポリアクリル酸、アルギン
酸、ポリメタクリル酸、ペクチン酸、カラゲニン、ピア
ルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体が好まし
い。
【0039】<無機コロイド>無機コロイドとしては、
例えば、アルミニウム、トリウム、チタン、ジルコニウ
ム、アンチモン、スズ、鉄等から選択される金属の酸化
物及び水酸化物のコロイド;タングステン酸、五酸化バ
ナジウム、セレン、イオウ、シリカ、金及び銀のコロイ
ド;ヨウ化銀ゾール等が挙げられる。これらの中で好ま
しいものは、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ス
ズ及び鉄から選択される金属の酸化物及び水酸化物のコ
ロイド、並びにコロイドシリカである。無機コロイドは
どのような製造方法で得られたものでもよく、製造方法
は特に限定されない。例えば、水を分散媒とする分散法
や、凝集法により製造される粒子コロイドでよい。コロ
イド粒子の大きさは1〜500mμが好ましい。
【0040】<無機塩>無機塩としては、アルカリ金属
のケイ酸塩、及びアルカリ土類金属の無機塩が挙げられ
る。アルカリ金属のケイ酸塩としては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のメタケイ
酸塩(M2SiO3)、オルトケイ酸塩(M4SiO4)、二ケイ酸
塩(M2Si2O3)、三ケイ酸塩(M3Si3O7)、セスキケイ酸
(M4Si3O10)等(式中、Mはリチウム、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属を示す。)、並びに水ガラスが
挙げられる。
【0041】アルカリ土類金属の無機塩としては、例え
ば、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ
土類金属のケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、ホウ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、ハロゲン化
物などが挙げられる。これらのアルカリ土類金属化合物
のうち、特に好ましいものは、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、
ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、
リン酸バリウム、硫酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムである。
【0042】<酸>酸としては、リン酸、ピロリン酸、
ポリリン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リ
ンタングステン酸、ケイタングステン酸、モリブデン
酸、タングステン酸などの無機酸;テレフタル酸、1,1
2−ドデカンジカルボン酸、1−ドデカンジスルホン酸、
安息香酸、ラウリン酸、スルファニル酸、p−スチレン
スルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、銅フタロシア
ニンテトラスルホン酸、ウロカニン酸、L−アスコール
ビン酸、D−イソアスコールビン酸、クロロゲン酸、カ
フェイン酸、p−トルエンスルホン酸、ソルビン酸、β
−ナフトキノン−4−スルホン酸、フィチン酸、タンニ
ン酸などの有機酸が挙げられる。上記の親水性化合物の
中、水溶性高分子化合物、無機コロイド、無機塩が好ま
しく、特に水溶性高分子化合物が好ましい。
【0043】第二層形成用の第二塗布液は、上記親水性
化合物から選ばれる少なくとも1種を適当な溶媒に溶解
して調製される。この溶媒としては、水、又は水と混和
性を有する親水性有機溶媒と水との混合溶媒が使用され
る。上記溶媒の中で親水性有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤が挙げられる。
更には、上記溶媒の中で、アルコール系溶剤を用いるの
が好ましい。水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用す
る場合の親水性有機溶媒の含有量は、引火、揮発等の危
険がなく、毒性等の取扱上の安全の問題がない量とする
のが好ましく、具体的には、親水性有機溶媒が50重量%
以下であることが好ましく、更に、30重量%以下である
ことが好ましい。溶質は完全に溶解し、コロイド粒子は
完全に均一に分散して、第二塗布液は均一な溶液状態で
あることが好ましい。また、必要に応じて、NaOH、エチ
レンジアミン等のpH調整剤を使用してもよい。第二塗布
液中の前記親水性化合物の濃度は、0.01〜20重量%の範
囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜15重量%である。
【0044】[水蒸気キャリアー]本発明の方法による
と、前記の第一層も第二層も塗布液をキャリアーとして
水蒸気を使用して重合器内壁面に適用することにより形
成される。使用される水蒸気は、通常の水蒸気であって
も或いは過熱水蒸気であってもよく、2〜35kgf/cm 2・G
の圧力を有するものが好ましく、2.8〜20kgf/cm2・Gの
圧力を有するものが更に好ましい。水蒸気の温度は好ま
しくは120〜260℃であり、130〜200℃が更に好ましい。
【0045】[塗膜の形成]本発明方法による第一層及
び第二層からなる塗膜の形成を図1の塗布装置に従って
説明する。図1は重合装置の構成の概略を示す。 工程1.(スチームによる重合器内壁面等の予熱) 重合器1に取り付けられたジャケット2に熱水などを通
して重合器内壁面の温度を50℃以上(好ましくは50〜95
℃)に予め加熱する。この重合器の上部には環状のパイ
プからなり下方向きのノズル3aと上方向きのノズル3
bを有する塗布リング4が設けられている。該塗布リン
グ4には重合器1の外部からスチーム及び塗布液を供給
するライン5が接続している。ライン5にはスチーム供
給ライン6、第一塗布液供給ライン7及び第二塗布液供
給ライン8がバルブを介して接続している。必要に応じ
て、この塗布リング4の塗布ノズル3a、3bから、ス
チーム(水蒸気又は過熱水蒸気)を器内に吹き込み、バ
ッフル(図示せず)及び攪拌翼(図示せず)等も予め加
熱する。この装置ではスチームはスチーム供給器9から
流量計10を経てライン6と5を通って塗布リング4に
供給される。
【0046】工程2.(1段目塗布) スチームを塗布リング4に供給し、第一塗布液タンク1
1内に収納された第一塗布液をポンプ12又はアスピレ
ーターバルブ(図示せず)によりライン7と5を介して
塗布リング4に供給する。Pは圧力計である。第一塗布
液はスチームに運ばれてミスト状態で重合器内壁面、バ
ッフル表面、攪拌翼表面等の重合中に単量体が接触する
表面に適用され、塗布される。この塗布と同時にこれら
表面上で塗布された第一塗布液は乾燥(同時乾燥)さ
れ、第一層が形成される。したがって、乾燥の為の特別
の操作は必要ない。スチーム(G)と塗布液(L)との
混合割合(L/G)は、重量基準の流量比で0.005〜0.8
が好ましく、0.01〜0.2が更に好ましい。
【0047】工程3.(2段目塗布) 引き続きスチームを流したまま第二塗布液タンク13内
に収納された第二塗布液をポンプ14を用いてライン8
と5を介して同様に塗布リング4に供給し、第一層面上
に塗布し、第二層(図示せず)を形成する。1段目塗布
の場合と同様に、塗布と同時に第一層上に塗布された第
二塗布液は乾燥(同時乾燥)され、第二層が形成される
ので、特別の乾燥操作は必要はない。この二段目塗布に
おいても、スチーム(G)と塗布液(L)との混合比
(L/G)は、重量基準の流量比で0.005〜0.8が好まし
く、0.01〜0.2がより好ましい。
【0048】工程4.(水洗) スチーム及び塗布液の供給を止めた後、水タンク15に
収納された洗浄水で重合器1内の水洗を行う。洗浄水は
ポンプ16によりライン17を介してノズル18から重
合器内に供給される。但し、品質への影響が少なければ
水洗は行う必要はない。このようにして形成される第一
層の乾燥塗布量は0.0005〜3g/m2が好ましく、より
好ましくは0.0005〜1g/m2である。第二層の乾燥塗
布量は0.0005〜2g/m2が好ましく、より好ましくは
0.0005〜1g/m2である。第一及び第二層の合計乾燥
塗布量は、0.001〜5g/m2であることが好ましく、より
好ましくは0.001〜2g/m2である。
【0049】重合 本発明方法は、エチレン性不飽和二重結合を有する単量
体の重合に適用される。この単量体の例としては、塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、及びこれらのエステル又は塩;マレイン酸、フマル
酸、及びこれらのエステル又は無水物;ブタジエン、ク
ロロプレン、イソプレン等のジエン系単量体;スチレ
ン;アクリロニトリル;ハロゲン化ビニリデン;ビニル
エーテル等が挙げられる。
【0050】本発明方法が特に好適に実施される例とし
ては、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル若しくはハロゲ
ン化ビニリデン、又は、それらを主体とする単量体混合
物の水性媒体中における懸濁重合若しくは乳化重合によ
るそれら重合体の製造がある。また本発明方法で形成さ
れる塗膜は、α−メチルスチレン、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の従来の塗膜に対
して高い溶解能を有する単量体に対しても、高い耐久性
を示すので、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ
アクリロニトリル等の重合体ビ−ズ、ラテックスの製
造、SBR,NBR,CR,IR,IIR等の合成ゴム
の製造(これら合成ゴムは通常乳化重合によって製造さ
れる。)、ABS樹脂の製造にも好適に実施することが
できる。
【0051】これら単量体の1種又は2種以上の重合に
際し、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の重合
形式にかかわらず、また、乳化剤、安定剤、滑剤、可塑
剤、pH調整剤、連鎖移動剤等のいずれの添加剤の存在下
であっても、スケール防止の目的が有効に達成される。例
えば、ビニル系単量体の懸濁重合や、乳化重合では、重
合系に必要に応じて種々の添加剤が加えられる。添加剤
としては例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース等の懸濁剤;ラウリル硫酸ナトリウム等
のアニオン性乳化剤;ソルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性乳化
剤;三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ジブチ
ルすずジラウレート、ジオクチルすずメルカプチド等の
安定剤;トリクロロエチレン、メルカプタン類等の連鎖
移動剤;pH調整剤等が挙げられる。本発明の方法によれ
ば、このような添加剤が重合系に存在しても効果的にス
ケールの付着が防止される。
【0052】また、本発明の顕著な重合体スケール付着
防止効果は重合触媒の種類に影響されることなく、いず
れの触媒を使用した場合でも発揮される。触媒として
は、具体的には、t−プチルパーオキシネオデカノエー
ト、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネ
ート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド、α−クミルパーオキシネオデカノエート、クメンハ
イドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、t−プチルパーオキシピバレト、ビス(2−エトキ
シエチル)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、2,4−ジクロー
ルベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパオキシ
ジカーボネート、α,α’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、α,α’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、ジ−2−エチルヘキシルジパーオキシイソフタレ
ート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が例示さ
れる。
【0053】重合の他の条件は、従来通常行われるとお
りでよく、本発明の効果が損われない限り特に制約され
ない。以下、懸濁重合、溶液重合及び塊状重合の場合を
例に挙げて、典型的な重合条件を具体的に説明するが、
何らこれに限定するものではない。懸濁重合の場合に
は、まず、水及び分散剤を重合器に仕込み、その後、重
合開始剤を仕込む。次に、重合器内を排気して0.1〜760
mmHg(0.01〜101kPa)に減圧した後、単量体を仕込
み〔この時、重合器の内圧は、通常0.5〜30kgf/cm2・G
(150〜3040kPa)になる〕、その後、30〜150℃の反
応温度で重合する。重合中には、必要に応じて、水、分
散剤及び重合開始剤の1種又は2種以上を添加する。ま
た、重合時の反応温度は、重合される単量体の種類によ
って異なり、例えば塩化ビニルの重合の場合には30〜80
℃で行い、スチレンの重合の場合には50〜150℃で重合
を行う。重合は重合器の内圧が0〜7kgf/cm2・G(100〜79
0kPa)に低下した時に、或いは重合器外周に装備さ
れたジャケット内に流入、流出させる冷却水の入口温度
と出口温度との差がほぼなくなった時(即ち重合反応に
よる発熱がなくなった時)に、完了したと判断される。
重合の際に仕込まれる水、分散剤及び開始剤は、通常単
量体100重量部に対して、水20〜500重量部、分散剤0.01
〜30重量部、重合開始剤0.01〜5重量部である。
【0054】溶液重合の場合には、重合媒体として水の
代わりに、例えばトルエン、キシレン、ピリジン等の有
機溶媒を使用する。分散剤は必要に応じて用いられる。
その他の重合条件は、一般に懸濁重合についての重合条
件と同様である。塊状重合の場合には、重合器内を約0.
01〜760mmHg(0.001〜101kPa)の圧力に排気した
後、その重合器内に単量体及び重合開始剤を仕込み、−
10〜250℃の反応温度で重合する。例えば、塩化ビニル
の重合の場合には、30〜80℃で行い、スチレンの重合の
場合には50〜150℃で重合を行う。
【0055】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細
に説明する。なお、「部」は「重量部」を意味し、また
表中の「助剤」は「重合体スケール付着防止助剤」を意
味する。 <第一塗布液の調製>第一塗布液 No.101〜120の調製 表1に示した条件〔染料及び/又は顔料(A)、助剤
(B)、pH調整剤、(A)/(B)の重量比、(A)+
(B)の合計濃度、溶媒組成、及びpH〕になるように、
表1に示した染料及び/又は顔料、助剤、pH調整剤及び
溶媒を用いて、第一層形成用の第一塗布液を調製した。
但し、塗布液 No.2はスプレー塗布用に低濃度に調製さ
れたスケール防止剤含有塗布液である。
【0056】
【表1】
【0057】<第二塗布液の調製>第二塗布液 No.201〜218の調製 表2、表3に示した条件〔助剤(B)、/(、又
は)〕の重量比、(B)の合計濃度、溶媒、pH調整剤
及びpH〕になるように、表2、表3に示した助剤
(B)、pH調整剤及び溶媒を用いて、助剤含有塗布液
(第二塗布液)を調製した。但し、塗布液 No.202は、
スプレー塗布用に比較的低濃度に調製された塗布液であ
る。なお、水溶性高分子化合物を使用する塗布液は室温
では、水溶性高分子化合物(B)が溶解し難く溶解に長
時間要するので、約70℃に溶媒を加熱し、溶解した。
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】実施例1 図2は重合装置の構成の概略を示す。重合器については
図1と共通する要素は同一番号で示す。図2に示す重合
装置を用いて以下の実験を行った。図2において、内容
積2m3の SUS 316 Lステンレス鋼製重合器1には攪拌
翼20を有する撹拌装置21(攪拌モーターは図示せ
ず)、加熱・冷却用ジャケット2、マンホール22、バ
ッフル23及びその他塩化ビニル重合用の重合器に通常
備わる付属設備(図示せず)が備えてある。重合器1の
上部に接続されたライン24は原材料仕込用ラインであ
り、該ライン24に図示のように塩化ビニル単量体(V
CM)仕込ライン24a、触媒溶液仕込ライン24b、
懸濁剤溶液仕込ライン24c、純水仕込ライン24d等
の分岐ラインが接続されている。この仕込ライン24及
び24a〜24dには図示の位置にバルブV1、V2、
V3、V4及びV5が設けられている。また、重合器1
の上部に接続されたライン25は重合器1内の排気、単
量体の回収等のために設けられ、ライン25から分岐し
たライン26を経てガスホルダー27に導かれる。ガス
ホルダー27から単量体回収ライン28が導出され、ま
たガスホルダー27から導出されたライン29はライン
25に接続され、後述の均圧操作に用いられる。これら
のライン25、26、28及び29には、図示の位置に
バルブV6、V7、V8、V9、V10、V11、V1
2及びV13が設けられている。ライン26は、重合器
1内の排気、単量体の回収などのために使用される真空
ポンプ30が設けられているライン26aとそのような
ポンプが設けられていないライン26bに分岐した後再
び一つのラインになってガスホルダー27に接続してい
る。また、重合器1の上部には、重合器内の水洗を行う
ために、ライン31が接続されている。ライン31には
図示の位置にバルブ14が設けられ、器内に導かれた先
端にノズル32が設けられている。更に、重合器1の上
部には、塗布液の供給ライン33に第一塗布液供給ライ
ン34と第二塗布液供給ライン35が図示のようにバル
ブを介して接続している。さらに、ライン33にはスチ
ーム供給ライン36がバルブを介して接続している。ラ
イン33の器内にある先端には、塗布ノズル3a,3b
が付設された塗布リング4が設けられている。これらの
ラインには図示の位置にバルブV15、V16、V17
及びV18が設けられている。スチーム供給ライン36
には、図示の位置にバルブ19が設けられている。重合
器1の底にはライン37が接続され、これは重合体スラ
リーをブローダウンタンクへ導くライン38aと塗布液
等や洗浄水を廃水タンクへ排出するライン38bとに分
かれている。これらのライン38、38a、38bのそ
れぞれに図示の位置にバルブV20、V21及びV22
が設けられている。
【0061】各実験において使用した塗布液の No.を表
4に示す。予め、後述する方法で重合器の内壁等の表面
に塗布液を塗布し、必要ならば乾燥して塗膜を形成した
重合器中で次のようにして塩化ビニル単量体の重合を繰
返し行った。 (1) 塗布及び乾燥 図2に示す重合装置の重合器の内壁等に下記a),
b),c)又はd)の方法で塗膜を形成する。なお、
a),b)及びc)の方法は比較例の方法である。各方
法の説明において、当初すべてのバルブは閉じているも
のとする。
【0062】a).スプレー1段塗布及び乾燥 ジャケット2に熱水を通水して重合器1の内壁面を温度
70℃に加熱しておく。(ジャケットでの予熱時間;10
分)バルブV17、V16、V15、V20、V22を
開き、スケール付着防止剤含有の第一塗布液を5L(リット
ル)/minの流量で1.5分間塗布する。バルブV17、V1
6、V15、V20、V22を閉じ、バルブV6、V8、V
13、V9を開き、真空ポンプ30を起動し、−700mmHg
に減圧し、湿潤状態の塗膜を乾燥し(乾燥が必要;乾燥
時間:25分)、塗膜を形成する。その後、真空ポンプを
停止し、バルブV8、V13、V9を閉じる。次に、バル
ブV7、V10を開け、重合器1の内圧をガスホルダー27
の内圧と同圧にする。その後、バルブV6、V7、V10を
閉じる。ジャケット2への熱水の通水を停止する。
【0063】b).スプレー2段塗布及び乾燥 予めジャケット2に熱水を通水して重合器1の内壁面の
温度を70℃に加熱しておく(ジャケットでの予熱時
間:10分)。バルブV17、V16、V15、V20、
V22を開き、スケール付着防止剤含有塗布液(下塗
り)を5L/minの流量で1.5分間塗布する。バルブV1
7、V16、V15、V20、V22を閉じ、バルブV
6、V8、V13、V9を開き、真空ポンプ30を起動し、
−700mmHgに減圧し、塗布液を乾燥して(乾燥が必要;
乾燥時間:25分)、第一層を形成する。その後、真空ポ
ンプを停止し、バルブV8、V13、V9を閉じる。次
に、バルブV7、V10を開いて重合器1の内圧をガス
ホルダー27の内圧と同圧にする。その後、V6、V
7、V10を閉じる。次に、バルブV18、V16、V
15、V20、V22を開き、重合体スケール付着防止
助剤含有塗布液(上塗り)を5リットル/minの流量で1.5分
間、上記第一層上に塗布する。バルブV18、V16、
V15、V22、V20を閉じ、バルブV6、V8、V
13、V9を開き、真空ポンプ30を起動し、−700mmHg
に減圧し、塗布液を乾燥し(乾燥が必要;乾燥時間:25
分)、第二層を形成する。その後、真空ポンプを停止し、
バルブV8、V13、V9を閉じる。次にV7、V10を
開いて重合器1の内圧をガスホルダー27の内圧と同圧
にする。その後、V6、V7、V10を閉じる。ジャケット2
への熱水の通水を停止する。
【0064】c).スチーム1段塗布(及び同時乾燥) 予めジャケット2に熱水を通水して重合器1の内壁面を
70℃に加熱しておく(ジャケットでの予熱時間:10
分)。バルブV19、V22、V20、V15、V16を開
き、4kgf/cm2G(143℃)のスチームを240kg/Hrの流量で
3分間、重合器内に吹込み、器内を予熱後、バルブV1
7を開き、スケール付着防止剤を含有する塗布液を0.2 L
/minの流量で2分間、前記スチームをキャリアーとして
利用して塗布及び同時乾燥する。その後、バルブV1
9、V22、V20、V15、V16、V17を閉じ
る。 ジャケット2への熱水の通水を停止する。
【0065】d).スチーム2段塗布(及び同時乾燥) (1)塗布及び乾燥 予めジャケット2に熱水を通水して重合器1の内壁面の
温度を70℃に加熱しておく(ジャケットでの予熱時
間:10分)。バルブV19、V22、V20、V15、V1
6を開き、4kgf/cm2G(143℃)のスチームを240kg/Hrの
流量で3分間、重合器1内に吹込み、器内を予熱後、バ
ルブV17を開き、スケール付着防止剤含有第一塗布液
(下塗り用)を0.2L/minの流量で2分間、前記スチーム
をキャリアーとして塗布及び同時乾燥して第一層を形成
する。その後、バルブV17を閉じる。次にバルブV18
を開き、助剤含有第二塗布液(上塗り用)を0.2リットル/mi
nの流量で1分間、第一層上に前記スチームキャリアー
を利用して塗布及び同時乾燥し、第二層を塗布する。そ
の後、バルブV19、V22、V20、V15、V1
6、V18を閉じる。 ジャケット2への熱水の通水を停
止する。
【0066】(2)器内第2水洗 バルブV14、V20、V22、V6、V7、V10を
開き、器内を水洗し、水洗後の水を廃水タンクに排出す
る。バルブV14、V20、V22を閉じる。上記a)
またはb)の方法を用いた場合はこの水洗時間は4分間
である。上記c)又はd)の方法を用いた場合はこの水
洗時間は1分間である。 (3)仕込み バルブV1、V2、V3を開き、純水200重量部、部分
ケン化ポリビニルアルコール0.022重量部、ヒドロキシ
メチルセルロース0.028重量部を重合器1内に仕込む。
バルブV1、V2、V3、V6、V7、V10を閉じ
る。次にバルブV1、V5を開き、塩化ビニル単量体
(VCM)100重量部を仕込み、バルブV5を閉じる。
次に仕込んだ原材料を攪拌しながら、バルブV4を開
き、t−ブチルパーオキシネオデカネート0.03重量部を
仕込み、バルブV1、V4を閉じる。
【0067】(4)重合 仕込んだ原材料を攪拌しながら、ジャケット2に熱水を
通水して昇温し、内温が52℃に到達した時点でジャケッ
ト2に冷却水を通して内温を52℃に維持し重合を行っ
た。器内の圧力が5kgf/cm2に降圧した時点で重合を終
了した。 (5)排ガス バルブV6、V8、V12、V9を開とし、器内圧がほ
ぼ大気圧となるまで、ガスホルダー27に排ガスする。
その後バルブV12、V8、V9を閉じる。バルブV1
1、V10を開いてガスホルダー27内に回収された単
量体をライン28を介してVCM回収工程へ送り、その
後、バルブV11、V10を閉じる。 (6)均圧 バルブV7、V10を開き、重合器1の内圧とガスホルダ
ー27の内圧とを同圧(均圧)にする。 (7)スラリー抜出し バルブV20、V21を開き、重合体スラリーを器内か
らブローダウンタンク(図示せず)に抜出す。ブローダ
ウンタンクに抜出された重合体スラリーは、その後、脱
水乾燥されて塩化ビニル重合体製品となる。
【0068】(8)器内第1水洗 バルブV14を開き重合器1内を水洗し、洗浄水をブロ
ーダウンタンクに送る。その後バルブV14、V20、
V21、V6、V7、V10を閉じる。この器内の水洗
中に、ジャケット2に熱水を通して重合器壁面の温度を
70℃にしておく。上記の塗布及び乾燥(1)から重合終
了後の第1水洗(8)までの操作を1バッチ(batching)と
して、同じ操作を表5に示すバッチ数繰返した。
【0069】<評価>・塗膜形成所要時間 実施例及び比較例で塗膜の形成に要した所要時間を表4
に示す。・重合体スケール付着量の測定 各実験で、最終バッチ終了後に重合器内液相部の重合体
スケール付着量、攪拌翼及びバッフル表面及び気相部と
液相部との界面付近の重合体スケール付着量を下記の方
法で求めた。対象表面の10cm×10cmの区域に付着したス
ケールを、肉眼で確認し得る限り完全にへらで掻き落と
して、天秤で計量した。その計量値を100倍することに
より、1m2当たりのスケール付着量を求めた。その結果
を表6に示す。・フィッシュアイの測定 また、各実験で最終バッチ終了後に得られた重合体をシ
−トに成形したときのフィッシュアイを、下記の方法で
測定した。結果を表7に示す。重合体100 重量部、ジオ
クチルフタレート50重量部、ジブチルすずジラウレート
1重量部、セチルアルコール1重量部、酸化チタン0.25
重量部及びカーボンブラック0.05重量部を、6インチロ
ールを用いて150 ℃で7分間混練した後、厚さ0.2mm の
シートに成形した。得られたシートの100cm2当たりに含
まれるフィッシュアイの個数を光透過法により調べた。・明度指数(L値)の測定 重合体をシ−トに成形した時の、初期着色を評価するた
め、明度指数(L値)を下記の方法で測定した。その結
果を表7に示す。 得られた重合体100 重量部、ジブチル錫ラウレ−ト系安
定剤(昭島化学(株)製、TS−101) 1重量部及びカド
ミウム有機複合体系安定剤(勝田化工(株)製、C−100
J) 0.5 重量部並びに可塑剤としてジオクチルフタレ−
ト50重量部の混合物を、2本ロールミルを用いて160℃
で5分間混練した後、厚さ1mmのシ−トに成形した。得
られたシ−トを4×4×1.5cm の型枠に入れ、次いで16
0℃の温度で65〜70kgf/cm2に加圧することにより、測定
用試料を作製した。この試料の明度指数Lを、以下のよ
うにして求めた。
【0070】まず、JIS Z 8722に従い、標準光C及び光
電色彩計〔日本電色工業(株)製、Z−1001 DP 型測色
色差計〕を用いて、刺激値直読方法により、XYZ 表色系
の刺激値Yを求めた。ここで、照明及び受光の幾何学的
条件は、JIS Z 8722の4.3.1項に記載の条件dを採用し
た。次いで、得られた刺激値Yを、JIS Z 8730(1980)に
記載のハンタ−の色差式: L=10Y1/2 に代入して、L値を算出した。なお、L値が大きいほど
白色度が高い、すなわち、初期着色が良好であることを
示す。
【0071】・着色粒子の測定 各実験で最終バッチ終了後に得られた重合体100重量部、
安定剤として〔日東化成(株)製、TVS N−2000E〕2
重量部、及び可塑剤としてジオクチルフタレート20重量
部の混合物を、十分に混錬した後、160mm×130mm×3mm
の型枠に入れ、175℃の温度、35kgf/cm2の圧力で加圧成
形することにより、測定用試料を作製した。この試料に
ついて、着色粒子の個数を目視により調べた。その結果
を表7示す。・塩化ビニル単量体浸漬後の水接触角の測定 第一塗布液の塗布後に得られた第一層の表面、及び第二
塗布液の塗布後に選られた第二層の表面の塩化ビニル単
量体浸漬後の水接触角を下記の方法で求めた。結果を表
5に示す。
【0072】a−1)スプレー1段塗布の場合のサンプ
ル作成 重合器の内壁面の気液界面付近の円周に沿ってステンレ
ス鋼製(SUS316L)の20mm×20mm×厚さ1mmのテス
トピ−ス6ヶを等間隔で貼り付ける。その後、前記塗膜
形成法a)に従い、重合器内にスプレー1段塗布で塗膜
を形成させる。その後、重合器内よりテストピ−スを取
り出す。これをスプレー1段塗布塗膜のテストピ−スと
する。
【0073】a−2)スプレー2段塗布の場合のサンプ
ル作成 イ)スプレー2段塗布の第一層のサンプル作成 a−1)と同様にしてテストピ−スを重合器内壁面に6
ヶ貼り付ける。その後、塗膜形成法b)に従い、しかし
重合器内に第一層のみを形成させる。その後、重合器内
よりテストピ−スを取り出し、これをスプレー2段塗布
の第一層のテストピ−スとする。 ロ)スプレー2段塗布の2段目塗布塗膜のサンプル作成 a−1)と同様にして、テストピ−スを重合器内壁面に
6ヶ貼り付ける。その後、塗膜形成法b)に従い重合器
内に第一層を形成し、更に重合器内に第二層を形成させ
る。その後、重合器内よりテストピ−スを取り出し、こ
れをスプレー2段塗布の場合の塗膜のテストピ−スとす
る。 a−3)スチーム1段塗布の場合のサンプル作成 a−1)と同様にしてテストピ−スを重合器内壁面に6
ヶ貼り付ける。その後、前記塗膜形成法c)に従い、重
合器内に塗膜を形成させる。その後、重合器内よりテス
トピ−スを取り出し、これをスチーム1段塗布塗膜のテ
ストピ−スとする。
【0074】a−4)スチーム2段塗布の場合のサンプ
ル作成 イ) スチーム2段塗布の第一層のサンプル作成 a−1)と同様にしてテストピ−スを重合器内壁面6ヶ
に貼り付ける。その後、塗膜形成法d)に従い、しかし
重合器内に第一層のみを形成させる。その後、重合器内
よりテストピ−スを取り出し、これをスチーム2段塗布
の第一層のテストピ−スとする。 ロ)スチーム2段塗布の2段目塗布塗膜のサンプル作成 a−1)と同様にしてテストピ−スを重合器内壁面に6
ヶ貼り付ける。その後、前記塗膜形成法d)に従い重合
器内に第一層を形成し次いで第二層させる。その後、重
合器内よりテストピ−スを取り出し、これをスチーム2
段塗布の場合のテストピ−スとする。
【0075】塗膜形成テストピ−スの塩化ビニル単量体
への浸漬 内壁面にテストピ−スを固定することのできる溝を設け
てある撹拌機付きの2L耐圧容器を用いる。上記のよう
にして塗膜を形成したテストピ−スを該耐圧容器の溝に
差し込んで、該耐圧容器内壁面に塗膜形成表面が内側に
なるよう(表に出るよう)にテストピ−スを取り付け
る。
【0076】このように内壁面にテストピ−スが取り付
けた耐圧容器内に水600g及び塩化ビニル単量体600gを
仕込み、テストピ−スをこれらの内容物に浸漬させる。
次に攪拌しながら耐圧容器の内容物を50℃に昇温し、50
℃に維持して1時間撹拌を続ける。次に内容物を室温ま
で冷却する。また、同時に耐圧容器内にある塩化ビニル
単量体の回収を開始する。塩化ビニル単量体の回収後、
水を耐圧容器内より抜き出す。次にテストピ−スを耐圧
容器の内壁面から取りはずして、真空乾燥器中、乾燥温
度は50ア1℃、乾燥時間2時間で乾燥する。乾燥後、テ
ストピースをデシケータに移し、20℃で一昼夜放置す
る。こうして、水接触角測定用テストピースを得る。
【0077】水接触角の測定 上記得られた水接触角測定用テストピ−ス上の塗膜表面
の空気中、20℃の室内で水に対する接触角を接触角計
〔協和界面科学(株)製 CA−A型〕を用いて、液滴法
で求めた。テストピ−ス1片につき5ヶ所測定し、テス
トピ−ス6片測定値の平均値を求め、当該実験で得られ
た塗膜の水接触角とした。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】 *:比較例
【0080】
【表6】 *:比較例
【0081】
【表7】 *:比較例
【0082】
【発明の効果】本発明の重合方法によれば、スケール防
止剤等の塗膜形成工程時間を短縮して生産性を向上する
と共に、塩化ビニル単量体を重合する際に、重合器内の
液相部壁面ばかりでなく、攪拌装置、壁面に対面してい
るバッフル表面、気相と液相との界面付近などにおいて
も、重合体スケールの付着を効果的に防止することがで
きる。このため、得られる重合体製品の品質が向上し、
重合体中の着色粒子を従来に比し著しく少なくすること
ができる上、該重合体をシ−ト等に成形した成形物に
は、フィッシュアイが極めて少なく、且つ初期着色も極
めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する重合装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の方法を実施する別の重合装置の構成の
概略図である。
【符号の説明】
1.重合器 4.塗布リング 6.スチーム供給ライン 7.第一塗布液供給ライン 8.第二塗布液供給ライン 17.洗浄水供給ライン 20.撹拌翼 23.バッフル 24.原材料供給ライン 27.ガスホルダー 31.洗浄水供給ライン 34.第一塗布液供給ライン 35.第二塗布液供給ライン 36.スチーム供給ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野茎 源治 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信 越化学工業株式会社塩ビ技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 EA02 EA03 EA04 EB08 EB12 EB14 EC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性二重結合を有する単量体を重
    合器内において重合することからなる重合体の製造方法
    であって、 前記重合器はその内壁面及び重合中に前記単量体が接触
    するその他の表面に重合体スケール付着防止性の塗膜を
    有するものであり;該塗膜は前記内壁面及びその他の表
    面の上に形成された第一層と、該第一層の上に形成され
    た第二層とからなり、 前記第一層は、染料及び顔料からなる群から選ばれる化
    合物を含有する第一塗布液を、 キャリアーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたも
    のであり、前記第二層は第一層の上に第二塗布液をキャ
    リアーとして水蒸気を用いて塗布して形成されたもので
    あり;前記第二層は、その表面を水と塩化ビニル単量体
    とを重量比1/1で含む混合溶液と50℃で1時間接触
    させた後に水接触角が60°未満である表面を有するも
    のである;ことを特徴とするエチレン性二重結合を有す
    る単量体の重合方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、形成後
    の第一層が、その表面を水と塩化ビニル単量体とを重量
    比1/1で含む混合溶液と50℃で1時間接触させた後
    に水接触角が60°以上である表面を有するものである
    ことを特徴とする前記の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法であって、前記第
    二塗布液が水溶性高分子、無機コロイド、無機塩、及び
    酸からなる群から選ばれる親水性化合物を含有し、形成
    される第二層がこれら化合物を含有することを特徴とす
    る前記の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記第
    二層がヒドロキシル基を含有する水溶性高分子化合物、
    水溶性両性高分子化合物、水溶性アニオン高分子化合
    物、及び水溶性カチオン高分子化合物からなる群から選
    ばれる水溶性高分子化合物を含有し、形成される第二層
    がこれら化合物を含有することを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法であって、前記第
    二層がアルカリ金属のケイ酸塩、及びアルカリ土類金属
    の無機塩からなる群から選ばれる化合物を含有し、形成
    される第二層がこれら化合物を含有することを特徴とす
    る方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、前記第
    二塗布液がメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
    ース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニル
    アルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、にか
    わ、カゼイン、ゼラチン、キトサン、ポリアクリル酸、
    アルギン酸、ポリメタクリル酸、ペクチン酸、カラゲニ
    ン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ポリ
    ビニルピロリドン、又はスチレン−無水マレイン酸共重
    合体;あるいはアルミニウム、チタン、ジルコニウム、
    スズもしくは鉄の酸化物もしくは水酸化物のコロイド、
    又はコロイドシリカ;あるいは炭酸マグネシウム、炭酸
    カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、
    ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、
    リン酸バリウム、硫酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、
    水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
    ム、塩化マグネシウム、又は塩化カルシウム、あるいは
    これらの二種以上の組み合わせを含有し、形成される第
    二層が該化合物を含有することを特徴とする方法。
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