JP2003040883A - 無水フタル酸の製造のためのo−キシレン−空気混合物を生成するプロセス - Google Patents
無水フタル酸の製造のためのo−キシレン−空気混合物を生成するプロセスInfo
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Abstract
気16とから均質化されたガス混合物(供給ガス)17
を生成するプロセスであって、このガス混合物は、いわ
ゆるPAプロセスにおける気相酸化によって無水フタル
酸(PA)を製造するための素地である。この供給ガス
生成プロセスにおいては、酸素の不存在のもとでo−キ
シレンを完全に蒸発させ、この蒸発させたo−キシレン
18を過熱し、ついで、この過熱したo−キシレン19
を酸素含有の空気16と混合し、そして、この混合物1
7をPA反応器に供給する。 【効果】無水フタル酸の製造のためのo−キシレン−空
気混合物を製造するプロセスにおいて、空気Nm3当り
o−キシレン120gまたはこれに近い値の装入量を達
成することができる。
Description
(o−キシレン)および空気から均質化されたガス混合
物(供給ガス)を生成するプロセス(すなわち、方法)
に関するものである。なお、このガス混合物は、いわゆ
るPAプロセス(すなわち、無水フタル酸法)において
気相酸化によって無水フタル酸(PA)を製造するため
の素地(すなわち、主成分)である。
PAプロセスのための供給ガスの生成は、これまでは、
つぎのようにして行われてきた。
機)によって周囲から吸い込まれ、濾過され、ついで、
或る圧力レベルに圧縮される。この圧力レベルは、PA
(無水フタル酸)プラントのプロセス・ガス・ストラン
ド(すなわち、プロセス気体束)を通して空気ストリー
ム(すなわち、空気流)の移送を許容する。ブロワの後
位に配置されている熱交換器において、このプロセス空
気ストリームは、その温度レベルに上昇される。これと
並行して、ストレージ・タンク(すなわち、貯液タン
ク)からの液体o−キシレンは、ポンプによって或る予
備的圧力にもたらされて、予熱器を通過する。予熱され
たo−キシレンは、いわゆる蒸発器において、ノズル・
システムによって空気ストリーム(すなわち、空気流)
に対して平行な液体の形態で空気ストリーム中に噴射さ
れる。微細なo−キシレン滴は、空気ストリーム中に完
全に蒸発し、ついには、ガス・ストリーム(すなわち、
気体流)中の濃度および温度の分布の均一化がスタティ
ック・ミキサ(すなわち、固定形混合機)のような均質
化ステージによって達成される。この供給ガスは、つい
で、触媒で充たされている管状反応器に入る。この反応
器においては、無水フタル酸を形成するために、o−キ
シレンと大気の酸素との部分的な酸化が行われる。
述のプロセスの原理は、PAプロセスにおいて首尾良く
用いられてきた。しかし、上述のプロセスの原理は、空
気ストリームへのより高いo−キシレン装入量(>空気
Nm3当りo−キシレン80g)の首尾良い導入につい
ては、また、PAプラントの供給ガスの一部の爆発安全
性に関して以下に述べるような潜在的弱点を示した。な
お、本文において、「Nm3」とは、標準立方メートル
を意味している。
方側の爆発限界は、約44g/Nm 3である。上記混合
物を発火させるのに必要な最小のエネルギーがo−キシ
レンのロード(すなわち、装入量)を増加させることに
よって非常に減少し、このために、爆発の可能性に関す
る増加された感度が存在することが見出された。PAプ
ロセスの経済性は、大部分、空気Nm3当りのo−キシ
レンの装入量に依存している。空気Nm3当りo−キシ
レン80g〜空気Nm3当りo−キシレン120gの範
囲の処理能力を有するプラントが安全に操作されなけれ
ばならないということは、基本的な必要条件である。
火の可能性のある原因に関して、供給ガスを生成する上
述のプロセスを用いるときには特に、つぎの2つの点が
留意されるべきである。 ○ スプレー・ノズルで液体o−キシレンを霧状にする
とき、静電気がo−キシレン滴自体に蓄積され、蒸発器
における設備を通してのこの静電気の放電は、爆発の原
因であることができるスパークを順次導くことができ
る。 ○ 蒸発されたo−キシレンからの蒸発残査が蒸発器の
内側の取り付け物に析出することは、固体層の蓄積を導
くことができ、この固体層がプロセス空気からの酸素と
の化学反応によって自然発火性の物質(この自然発火性
の物質は、順次、爆発のための潜在的な発火源にな
る。)を形成することができる。
ナフタレンの酸化のためのガス混合物を製造するプロセ
スを開示している。このプロセスにおいては、ナフタレ
ンは酸素の不存在のもとで蒸発され、この蒸発されたナ
フタレンは酸素と混合され、そして、酸素に対するナフ
タレンの混合比は、フロー・レート(すなわち、流量
率)を測定することによって調整される。ナフタレンを
用いることによって行われるこのプロセスにおいては、
ナフタレン40g/空気Nm3のキャパシティ(すなわ
ち、処理能力)が達成される。
ナフタレン、o−キシレンおよび空気から供給ガス混合
物を生成するプロセスを開示している。オルトキシレン
は、まず最初に酸素の不存在のもとで蒸発され、つい
で、液体ナフタレンを通過するので、o−キシレン蒸気
はナフタレンで飽和される。ついで、この混合物はプロ
セス空気に供給される。大気の酸素との蒸発されるべき
ナフタレンの接触は避けられる。もしもそうでなけれ
ば、このような接触は、ナフタレン蒸発器におけるター
ル状の副生品の連続的な形成を導いて、このナフタレン
蒸発器を浄化する必要性が増大するであろう。このプロ
セスにおいては、処理能力は、炭化水素100g/空気
Nm3に制限される。
めのo−キシレン−空気混合物を製造するプロセス(こ
のプロセスによって、空気Nm3当りo−キシレン80
g〜空気Nm3当りo−キシレン120gの範囲の処理
能力が達成されることができる。)を提供することであ
る。
的は、o−キシレンが酸素の不存在のもとで完全に蒸発
され、その後に過熱され、ついで酸素含有の空気と混合
され、そして、この混合物がPA反応器に供給されるこ
とによって、達成される。
(すなわち、予め混合されたもの)を得るために、スパ
ージャ・システムとして設計されているガス−ガス混合
手段は、o−キシレン蒸気がプロセス空気に混合される
地点に備えられている。引き続いて備えられているスタ
ティック混合手段(すなわち、固定形混合手段)は、上
記混合物の完全な均質化を確実ならしめる。
然循環蒸発器が用いられてよい。ケットル型蒸発器は、
技術的にはより簡素であるために、費用がより少ないと
いう利点があり、したがって、一般的には好ましい。も
しもo−キシレンがスチレンまたはクメンとの高含量の
副生品を有すれば、析出物は、蒸発器の表面に形成され
るかもしれない。この析出物は、熱の伝達を妨げる。こ
のようなことは、自然循環蒸発器がこの蒸発器の表面付
近においてより高いフロー・レートを有しているので、
自然循環蒸発器を用いることによって避けられることが
できる。
圧に相当する少なくとも175℃の温度で蒸発されなけ
ればならない。このことは、プロセス空気にo−キシレ
ンを混合するための十分な圧力勾配を確保する。このプ
ロセス空気は、蒸気状のo−キシレンが混合される地点
において、約1.5バールの絶対圧を有している。上記
プラントの実用化を実現するためには、180℃〜20
5℃の温度がo−キシレンの蒸発のために選択される。
これは、2.4バール〜4バールの蒸気絶対圧に相当し
ている。
応器における触媒が空気ストリームへのo−キシレン装
入量の変動によって短い操作期間内に損傷されるかもし
れないので、o−キシレン蒸気ストリームが一定に保持
されることである。このことは、高いo−キシレン装入
量にとっては、特に真実である。o−キシレン蒸発器へ
の蒸気の供給は、通常、或る範囲内で変動する。このこ
とは、蒸発されるべきo−キシレン・ストリームの変動
を引き起こす。このことは、o−キシレン蒸発器に水蒸
気を供給するための十分に所定の寸法で作られた水蒸気
アキュムレータを用いることによって、少なくとも大部
分は避けられることができる。さらに、上記変動は、o
−キシレン蒸発器における圧力を増加させることでもっ
て、減少されることができる。
実施例を図面を参照して説明する。
15は、o−キシレン・ポンプ4によって、ストレージ
・タンク(すなわち、貯液タンク)から2つのo−キシ
レン予熱器5、6(これらの予熱器5、6においては、
o−キシレンは、水蒸気13c、13dによって、18
0℃に加熱される。)を通して供給される。o−キシレ
ン・ポンプ4は、圧力側では、絶対圧2.5バールを与
えている。ついで、液体o−キシレン15は、ケットル
型蒸発器7に流れ込む。
水蒸気加熱された管状コイル(図示せず)を有してい
る。o−キシレン15は、180℃〜205℃の蒸発温
度に相当する2.4バール〜4バールの絶対圧で蒸発さ
れる。加熱媒体(すなわち、加熱を行うための媒体)と
して、18バールと30バールとの間の飽和水蒸気14
(18バールで210℃の温度または30バールで23
4℃の温度を有する上記飽和水蒸気14は、蒸発される
べき媒体に対して十分な温度差を有している。)が用い
られる。o−キシレン蒸発器7への飽和水蒸気ストリー
ム(すなわち、飽和水蒸気流)を一定に保つために、水
蒸気ネットワークからの水蒸気供給とo−キシレン蒸発
器7との間に位置している水蒸気アキュムレータ(すな
わち、水蒸気タンク)12が用いられる。
気18は、ケットル型蒸発器7の蒸気スペースから取り
出されて、過熱器8を通過する。この過熱器8は、o−
キシレン蒸気18の凝縮を避けるために、このo−キシ
レン蒸気を10℃だけ過熱する。過剰の凝縮液27は、
蒸発器7から取り出される。o−キシレン蒸気の凝縮を
避けることは、o−キシレンのフロー・レート(すなわ
ち、流量率)をコントロールするために、決定的に重要
である。何故ならば、このことは、o−キシレン蒸気の
フロー・レートを測定することによって行われ、そし
て、o−キシレン蒸気19の凝縮は、プロセス空気スト
リーム(すなわち、プロセス空気流)におけるo−キシ
レン・ロード(o−キシレン装入量)のフラクチュエー
ション(すなわち、変動)を導くからである。ついに
は、過熱されたo−キシレン蒸気19は、所定の混合手
段10において、プロセス空気16(このプロセス空気
16は、プロセス空気ブロワ(すなわち、プロセス空気
送風機)1によって、2つのステージ予熱器2、3を通
してPA反応器に向って供給される。)と混合される。
混合手段10は、添加地点においてプロセス空気16と
の過熱されたo−キシレン蒸気19の良好な混合がすで
に達成されるように、設計されている。このことは、ス
パージャ・リング(これらのスパージャ・リングは、プ
ロセス空気ラインの全導管断面にわたってo−キシレン
蒸気を分散する。)によって達成される。
6は、約150℃に加熱される。混成された供給ガス・
ストリーム(すなわち、供給ガス流)17は、濃度と温
度とを均質化するために、スタティック・ミキサ(すな
わち、固定形混合機)11を通過する。このことは、こ
のような高いロード・レンジ(すなわち、装入量範囲)
における酸化反応器の安全で効率の良い操作のために、
非常に重要である。混合手段10(図3もまた参照乞
う。)において可能なだけ均質化されるように、過熱さ
れたo−キシレン蒸気19をプリミックス(すなわち、
予混合)することは、必要である。何故ならば、スタテ
ィック・ミキサ11は、一定の効率でのみ混合すること
ができ、したがって、反応器にとって必要とされる混合
の質を確保できるようにするために、このスタティック
・ミキサ11の入口において十分に均質化された混合物
をすでに必要としているからである。
蒸発する代りに、自然循環が図2に示されているように
蒸発の原理として用いられることができる。
キシレン15は、予熱5、6の直後に、o−キシレン蒸
気ドラム9に入る。このo−キシレン蒸気ドラム9は、
自然循環によって給液される。
5は、加熱用の水蒸気で加熱された蒸発器21(この蒸
発器21は、リボイラ(すなわち、再沸騰器)として操
作する。)に入る。この蒸発器21を通るo−キシレン
の一部分は、約2.4〜4バールの範囲の絶対圧で蒸発
され、ついで、自然循環によってo−キシレン蒸気ドラ
ム9に再循環される。このドラム9の蒸気スペースから
の蒸気は過熱器8に入る。この過熱器8では、上述のよ
うに、o−キシレン蒸気18は、このo−キシレン蒸気
18の凝縮を避けるために、10℃だけ過熱される。こ
れ以降の工程は、図1に関して既述した工程と実質的に
同一である。
おいて混合手段10として用いられることができるスパ
ージャ・リング・システムを示している。過熱されたo
−キシレン蒸気19は、このスパージャ・リング・シス
テムによって、プロセス空気16と混合される。複数の
リング22は、プロセス空気導管23の内側に同心状に
配置されている。これらのリング22は、曲げられかつ
溶接されたチューブから構成されている。これらのリン
グ22の間の距離は、放射状の保持シート(すなわち、
薄板)24によって規定されている。加圧されかつ過熱
されたo−キシレン蒸気19は、導管25を経由してす
べてのリング22内に導入される。これらのリング22
は、それらの外周囲に一様に分布している複数の出口開
口26を有している。o−キシレン蒸気は、これらの出
口開口26を通して漏出して、プロセス空気と混合す
る。
ラントのために、o−キシレンの蒸発が、前述の原理に
したがって達成される。このプラントは、年当り8,0
00時間稼働する。o−キシレンは98%の純度を有し
ている。このプラントは空気Nm3当りo−キシレン1
00gのロード(すなわち、装入量)で操作し、そし
て、このプラントは112%の収率(用いられるo−キ
シレンのkg当りの生成される純粋PA(すなわち、純
PA)のkg)を達成するので、 (50,000〔トン/年PA〕)×1.12/8,0
00/0.98=o−キシレン7,143〔kg/時
間〕 のo−キシレン・ストリームが必要とされる。上記プラ
ントが酸化のために必要とする空気ストリーム(すなわ
ち、空気流)は、71,430Nm3/時間である。
トリーム(すなわち、o−キシレン流;20℃、大気
圧)を供給する。このo−キシレン・ストリームは、こ
のポンプの出口では、1.8バールの圧力と40℃の温
度とを有している。2.5バールの低圧水蒸気で操作さ
れる第1の熱交換器においては、o−キシレンは135
℃の温度に達する。18バールで加熱される第2の熱交
換器においては、o−キシレン・ストリームは175℃
に加熱される。蒸発器に入るとき、もしも熱交換器およ
び導管が0.4バールの圧力損を有していれば、o−キ
シレンは1.4バールの圧力を有する。
おりである。第1の予熱器: ヒート・ストリーム(すなわち、熱流):7,143
〔kg/時間〕/3,600〔秒/時間〕×2.1〔k
J/kgK〕×(135〔℃〕−40〔℃〕)=396
〔kW〕 水蒸気必要量:396〔kW〕/2,153〔kJ/k
g〕×3,600〔秒/時間〕=662〔kg/時間〕
(2.5バール)第2の予熱器: ヒート・ストリーム:7,143〔kg/時間〕/3,
600〔秒/時間〕×2.1〔kJ/kgK〕×(17
5〔℃〕−135〔℃〕)=167〔kW〕 水蒸気必要量:167〔kW〕/1,900〔kJ/k
g〕×3,600〔秒/時間〕=316〔kg/時間〕
(18バール)
キシレンを蒸発させなければならない。このために、 7,143〔kg/時間〕/3,600〔秒/時間〕×
{315〔kJ/kg〕+(180〔℃〕−175
〔℃〕)×2.15〔kJ/kgK〕}=1,365
〔kW〕 のヒート・ストリームを必要とする。これは、 1,365〔kW〕/1,900〔kJ/kg〕×36
00〔秒/時間〕=2,586〔kg/時間〕 の量の加熱水蒸気(18バール)を必要とする。
〔kg/時間〕 のo−キシレンが蒸発器循環路において循環する。
は、これらのo−キシレン蒸気が過熱器の出口で190
℃の温度を有するように、この過熱器において10Kだ
け加熱される。
1.9〔kJ/kgK〕×(190〔℃〕−180
〔℃〕)=38〔kW〕 の熱出力を必要とする。これは、 38〔kW〕/1,900〔kJ/kg〕×3,600
〔秒/時間〕=72〔kg/時間〕(18バール) の量の加熱水蒸気に相当している。
出口において、1.3バールの圧力を有している。これ
らの蒸気は、その圧力がこの地点において約0.5バー
ルであるプロセス空気ストリームに引き続いて拡散され
る。
プロセスのフローチャートを示している。
プロセスのフローチャートを示している。
段として用いられることができるスパージャ・リング・
システムを示している。
Claims (5)
- 【請求項1】無水フタル酸の製造のためのo−キシレン
−空気混合物を製造するプロセスにおいて、 o−キシレンは、酸素の不存在のもとで完全に蒸発さ
れ、その後に過熱され、ついでプロセス空気と混合さ
れ、 この混合物がPA反応器に供給されることを特徴とする
プロセス。 - 【請求項2】上記o−キシレンの上記蒸発のための蒸発
器が自然循環蒸発器(9)またはケットル型蒸発器
(7)であることを特徴とする請求項1に記載のプロセ
ス。 - 【請求項3】上記o−キシレン−空気混合物を製造する
ためのプラントが空気Nm3当りo−キシレン80g〜
空気Nm3当りo−キシレン120gの範囲の装入量を
有することを特徴とする請求項1または2に記載のプロ
セス。 - 【請求項4】加熱水蒸気を供給するための水蒸気アキュ
ムレータが上記o−キシレンの蒸発のための蒸発器の前
位に備えられていることを特徴とする請求項1、2また
は3に記載のプロセス。 - 【請求項5】上記プロセス空気との上記o−キシレン蒸
気の混合がスパージャ・リング・システムとして設計さ
れている混合手段によって行われることを特徴とする請
求項1〜4のうちのいずれか1つに記載のプロセス。
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