JP2003039814A - インクジェット記録用支持体、インクジェット記録材料及び医用画像記録材料 - Google Patents

インクジェット記録用支持体、インクジェット記録材料及び医用画像記録材料

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JP2003039814A
JP2003039814A JP2001231593A JP2001231593A JP2003039814A JP 2003039814 A JP2003039814 A JP 2003039814A JP 2001231593 A JP2001231593 A JP 2001231593A JP 2001231593 A JP2001231593 A JP 2001231593A JP 2003039814 A JP2003039814 A JP 2003039814A
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English (en)
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Hidetoshi Ezure
秀敏 江連
Kenji Onuma
憲司 大沼
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録材料用支持体に回収した
樹脂を使用しても、インクジェット記録材料の性能を維
持し、かつ、X線医用画像においても、十分な鮮鋭性を
有し、観察時の疲労感を感じないインクジェット記録材
料、それに用いる支持体及び医用画像記録材料の提供。 【解決手段】 樹脂の30〜70%が回収された樹脂で
あり、500〜600nmにおける平均透過率が58〜
78%で、かつ、400〜500nmにおける最大透過
率及び600〜700nmにおける最大透過率がいずれ
も75%以上であることを特徴とするインクジェット記
録用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録材料を構成するインクジェット記録用支持体(以下、
単に記録用支持体、支持体ともいう)に関し、更に環境
に優しく、医療診断で得られた人体の内部の画像を表示
するのに適したインクジェット記録材料及び医用画像記
録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィス用やパーソナル用向けに様々な
コンピュータやワードプロセッサの画像出力装置が開発
されており、その中でもインクジェット記録方式は比較
的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有して
いるため、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コ
ンピューター端末等、さまざまな分野で急速に普及して
いる。例えば、インクジェット記録技術の動向(中村孝
一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発
行)にその詳細が記載されている。
【0003】一方、今日の医用診断としてポピュラーな
放射線写真システムは、レーザイメージャによって露
光、現像・乾燥されたハロゲン化銀写真感光材料を使用
したものであり、診断は、このハロゲン化銀写真感光材
料の画像を見て行われている。
【0004】通常、医用画像は一人或いは数人の医師に
より詳細に診断される。つまり、医用画像は容易に適時
に見られること、場所の制限がないこと等が必要であ
る。
【0005】近年、大病院では医用画像のネットワーク
化が進み、容易に適時に場所の制限がなく医療画像を見
られるようになってきた。
【0006】しかし、上記システムにおいてはレーザイ
メージャやネットワークの故障により医用画像出力がで
きなくなるといった懸念点があり、時間が緊迫している
場合が多々ある医療診断においては重大な欠点となる。
【0007】したがって多くの場合は、このような問題
を回避するために高価なレーザイメージャを安全対策の
ために数台設置することを余儀なくされており、これら
の行為が最終的には医療費のコストアップへつながって
いるのが実態である。
【0008】更に、小規模な病院ではレーザイメージャ
が高価なためにデジタル化への対応が遅れるという大き
な問題をも有しており、該状況によりイメージャとして
は安価なものが望まれている。
【0009】したがって、インクジェット記録材料(以
下、単に記録材料ともいう)を医用画像の出力装置とし
て用いる場合安価で、画像出力が容易で、時間、場所及
びスペースに制限なく、診断評価に好適な画像を出力す
る医用画像記録方法が条件となる。
【0010】しかしながら、オフィス用及びパーソナル
用向けである一般のインクジェット記録材料では、モノ
クロで多階調が必要な医用画像としては鮮鋭性に欠け、
X線画像診断で画像の観察時に疲労感があった。
【0011】一方、近年環境の観点から、ポリエチレン
テレフタレート(以下、略してPETともいう)樹脂の
フィルム、ボトル等は回収が進み、回収した樹脂は対象
が衣類等の商品群に限定されており、繊維以外のものに
活用することがより回収性を向上させるために望まれて
いた。
【0012】また、PETフィルムを原料としたX線の
診断画像(フィルム)は法律で病院で5年の保管が義務
付けされているが、この保管期日の切れたX線の診断画
像(フィルム)を廃棄すると、CO2削減という観点か
ら環境上の問題があり、X線の診断画像(フィルム)の
回収及びリサイクルが望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を鑑
みてなされたものであり、インクジェット記録材料用支
持体に回収した樹脂を使用しても、インクジェット記録
材料の性能を維持し、かつ、X線医用画像においても、
十分な鮮鋭性を有し、観察時の疲労感を感じないインク
ジェット記録材料、それに用いる支持体及び医用画像記
録材料を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0015】1.樹脂の30〜70%が回収された樹脂
であり、500〜600nmにおける平均透過率が58
〜78%で、かつ、400〜500nmにおける最大透
過率及び600〜700nmにおける最大透過率がいず
れも75%以上であることを特徴とするインクジェット
記録用支持体。
【0016】2.樹脂の30〜70%が回収された樹脂
であり、アントラキノン系染料を含有し、かつ、該支持
体中のアントラキノン系染料濃度が200〜1000p
pmであることを特徴とするインクジェット記録用支持
体。
【0017】3.樹脂の30〜70%が回収された樹脂
であり、色調によるb値が2以下であることを特徴とす
るインクジェット記録用支持体。
【0018】4.金属含有量(単位:ppm)が前記式
(1)〜(3)を満たすことを特徴とする前記1〜3の
何れか1項に記載のインクジェット記録用支持体。
【0019】5.前記樹脂がポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート又はポリトリメチレンテ
レフタレートから選ばれる少なくとも1種の樹脂である
ことを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載のイン
クジェット記録用支持体。
【0020】6.前記1〜5の何れか1項に記載のイン
クジェット記録用支持体を用いることを特徴とするイン
クジェット記録材料。
【0021】7.前記6に記載のインクジェット記録材
料を用いて画像を得ることを特徴とする医用画像記録材
料。
【0022】以下、本発明について更に詳細に述べる。
本発明は支持体を構成する樹脂の30〜70%が回収さ
れた樹脂であることを特徴としている。
【0023】環境上の観点から、できるだけ多く回収さ
れた樹脂を使用することが好ましいが、医用診断用の用
途の場合、あまり多く回収された樹脂を使用すると、支
持体の透明性等の視認性(診断)を損なう可能性がある
ため、視認性(診断)を損なわない範囲で回収樹脂をで
きるだけ多く使用することが好ましい。この点を考える
と、回収樹脂は好ましくは樹脂の30〜60%、特に好
ましくは樹脂の30〜50%である。
【0024】本発明の支持体を構成する樹脂が、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタ
レート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート
(PTMT)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート(PCT)、ポリカーボネート(PC)及びシン
ジオタクチックポリスチレン(SPS)から選択される
ことが好ましく、特にPET、PEN、PTMTから選
択されることが好ましい。
【0025】本発明の支持体は、前記樹脂から選ばれる
樹脂を厚さ70〜200μmのフィルム状に形成したも
のが好ましい。なお、以下、単に樹脂の記載を上記樹脂
の括弧の中の略号で記すことがある。
【0026】フィルム状に加工する方法としては、溶融
流延法、二軸延伸法などがあり、用いる樹脂に合わせて
好適な方法を選択することができる。
【0027】上記樹脂の製造方法及び製膜方法について
の具体的な例は、特開昭62−117708号、特開平
3−131843号、同5−170889号、同5−3
23496号、同6−11795号、同11−2024
45号などに記載の方法を用いることができる。
【0028】本発明の支持体を構成する樹脂は前記の樹
脂が好ましいが、医用診断用の用途に要求される物性を
大きく損なわない範囲で、第2成分の樹脂を混合しても
よい。
【0029】ここで物性とは、切断性、破断強度、折り
曲げ強度、弾性率、フィルムの腰の強さ(スティフネ
ス)等であり、これらの値が従来の医用感光材料の値と
大きくかけ離れると、製造時の包装工程や医療の現場で
用いられる際にハンドリング適性(取り扱い性)が悪
く、きれいに断裁ができなかったり、現像機での搬送不
良、医師が観察時に不便を感じたり、医師が画像をシャ
ーカステンで見て、適性に判断をできない場合があり好
ましくない。
【0030】前記樹脂に混合してもよい第2成分の樹脂
としては、PET、PEN、PTMTなどのポリエステ
ル系樹脂に対して、前記の樹脂を含むポリエステル系の
樹脂、スルホ基が部分置換された共重合ポリエステルな
どが挙げられる。
【0031】本願の請求項1の発明の支持体は、500
〜600nmにおける平均光線透過率が58〜78%で
あり、かつ400〜500nmにおける最大光線透過率
及び600〜700nmにおける最大光線透過率がいず
れも75%以上であることを特徴としている。
【0032】前記光線透過率を達成するには、分光光度
計による吸収極大が570〜700nmにある染料を支
持体に含有させ、支持体を構成する樹脂の触媒種、触媒
添加量を制御することである。
【0033】光線透過率は、分光光度計で測定を行い、
その結果をチャートに記録し、それぞれの波長における
分光透過率をチャートより読みとり、その波長における
光線透過率とする。A(nm)〜B(nm)における最
大光線透過率は、A〜B波長間での最大の透過率とす
る。A(nm)〜B(nm)における平均光線透過率
は、波長A〜B間での最大の光線透過率と最小の光線透
過率の和を2で割った値とする。
【0034】本発明の支持体に含有させる好ましい染料
としては、例えばアントラキノン型、アゾ型、アゾメチ
ン型、インドアニリン型、オキソノール型、トリフェニ
ルメタン型、カルボシアニン型などがあるが、特に好ま
しいのはアントラキノン骨格を分子構造に有する染料で
ある。好ましい青色染料の具体例としては特開平3−2
31738号公報に記載された化合物例No.37〜5
6が挙げられる。特に好ましい具体例を以下に挙げる。
【0035】但し、本願の請求項2の発明は支持体中の
染料がアントラキノン系染料であり、支持体中のアント
ラキノン系染料の含有量が200〜1000ppmであ
ることを特徴としている。
【0036】以下に、本発明のアントラキノン系染料の
具体例を挙げる。
【0037】
【化1】
【0038】上記例示化合物は、特開昭60−2436
54号公報、細田豊“染料化学”技報堂(1957年
刊)に記載されている方法によって製造することができ
る。
【0039】染料濃度は染料の種類にも依存するが、支
持体を構成する樹脂中の染料濃度が200〜1000p
pmであることが好ましく、更には300〜700pp
mであることが好ましい。200ppm未満であると支
持体の着色力が小さく、1000ppmを超えると染料
中の不純物が支持体に大量に混入し好ましくない。
【0040】但し、本願の請求項2の発明においては、
染料の含有量が200〜1000ppmであることを特
徴としている。
【0041】前記染料を支持体に含有させるには、練
混、分散などの方法を使用できる。含有させる時期は支
持体を構成する樹脂の種類に拘わらず、製膜する直前又
はあらかじめ事前に含有させることが好ましい。
【0042】本願の請求項3の本発明の支持体は、色調
によるb値が+2以下である。好ましくは+1以下、よ
り好ましくはb値は負の値であり、下限は−10であ
る。
【0043】b値の値が2を超えると支持体の黄色みが
増し、汎用のポリエステルフィルムは問題ないが、医用
診断用の場合、視認性(診断)を損なうような画像がは
っきりと見えなかったり、画像の観察時の疲労感が残っ
たりするので好ましくない。
【0044】色調によるb値を+2以下を達成するに
は、支持体を構成する樹脂の触媒種、触媒添加量を制御
することが好ましい。
【0045】本発明の支持体中の金属含有量(単位:p
pm)は下記式〜の条件を満たすことが好ましい。
【0046】 式 80≦Sb≦230 式 30≦(Ca+Mg)≦180 式 10≦P≦80 上記式〜は支持体を構成する樹脂の触媒種の金属含
有量及び触媒添加量を制御することで達成できる。
【0047】本発明に好ましく用いられるポリエステル
樹脂の合成方法は、前記触媒種、触媒量に、特に限定が
あるわけではなく、従来公知のポリエステル樹脂の製造
方法に従って製造できる。
【0048】例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分
と直接エステル化反応させる直接エステル化法があり、
初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用
いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、
これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去する
ことにより重合させるエステル交換法を用いることがで
きる。
【0049】この際、必要に応じてエステル交換触媒又
は重合反応触媒に耐熱安定剤を添加することができる。
熱安定剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸及びそれ
らのエステル化合物が挙げられる。
【0050】また、合成時の各過程で着色防止剤、結晶
核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線
吸収剤、粘度調節剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整
剤、染料、顔料などを添加させてもよい。
【0051】本発明のインクジェット記録材料は、透明
支持体と支持体上に形成された透明なインク受容層とか
らなる基本構成を有する。インク受容層は、空隙率10
〜80%を有する層であることが好ましく、これは、平
均1次粒子径が5〜150nmの無機微粒子や有機微粒
子と膨潤性高分子を主成分として含有する層であり、微
粒子と膨潤性高分子の質量比は通常1/1以上である
が、好ましくは、4/1〜20/1である。
【0052】無機微粒子としては、例えばシリカ粒子や
アルミナ水和物が用いられる。シリカ粒子は製造法によ
り湿式法と乾式法に大別される。湿式法はケイ酸塩の酸
分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ
凝集沈降させ含水シリカを得る方法が主流である。
【0053】一方、乾式法シリカは、ハロゲン化珪素の
高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ
砂とコークスを電気炉中でアークにより加熱還元気化
し、これを空気で酸化する方法(アーク法)で無水シリ
カを得る方法が主流である。無水珪酸(無水シリカ)の
場合に特に空隙率が高く好ましい。
【0054】アルミナ水和物としては、市販のもの、又
はアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミン酸ナ
トリウムの加水分解などを用いた公知の方法によって製
造されたものも用いることができる。
【0055】有機微粒子としては好ましくは疎水性ポリ
マー微粒子(以下、単にポリマー粒子ともいう)をあげ
ることができる。
【0056】疎水性ポリマー微粒子としては、粒径が
0.05〜数μmのポリマー粒子が好ましく、より好ま
しくは樹脂の水分散物を挙げることができる。
【0057】樹脂の水分散物としては、アクリル系樹
脂、ポリエステル樹脂、ゴム類、ポリ酢酸ビニル類、ポ
リビニルアルコール変性物、セルロースエステル類、ポ
リウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン
類等をあげることができる。
【0058】これらの樹脂のうち、活性メチレン基を有
する樹脂やカチオン性基を有する樹脂を好ましく用いる
ことができる。
【0059】ポリマーラテックスの種類やその合成法に
ついては米国特許第3,459,790号、同3,61
9,195号、同3,929,482号、同3,70
0,456号、西独特許第2,442,165号、欧州
特許第13,147号、特開昭50−73625号、同
50−146331号等に記載の方法が挙げられる。
【0060】ポリマー微粒子を乳化重合する際に乳化剤
としての水溶性ポリマーを用いてもよく、水溶性ポリマ
ーとしては、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポ
リマーなども含み、これらの例として、例えばアルギン
酸またはその塩、デキストラン、デキストラン硫酸塩、
グリコーゲン、アラビアゴム、アルブミン、寒天、でん
ぷん誘導体、カルボキシメチルセルロースまたはその
塩、ヒドロキシセルロース、セルロース硫酸エステル等
を挙げることができるが、これらの誘導体も使用でき
る。
【0061】本発明に用いられる膨潤性高分子として
は、有機高分子又は無機高分子をあげることができる。
【0062】有機高分子としては、好ましくは架橋した
ゼラチンが用いられるが、それ以外の架橋した親水性高
分子も用いることができる。
【0063】具体的には、例えばゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、
カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル等
のごときセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、セルロ
ース硫酸エステル、デキストリン、デキストラン、デキ
ストラン硫酸塩などの糖誘導体、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラ
ゾール等の単一又は共重合体の如き多種の合成親水性高
分子の架橋体を用いることができる。
【0064】これらの親水性ポリマーは、単独で用いて
も複数の種類を用いても良い。膨潤性は、吸水すること
によって見かけの体積が増加すれば特に限定されない
が、好ましくは見かけの体積増加率が1.2倍以上、よ
り好ましくは、1.4倍以上である。
【0065】架橋は架橋剤を用いても、高分子の自己架
橋で形成しても良い。有機高分子に用いる架橋剤は、膨
潤性をもたせることができれば特に限定されないが、例
えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルア
ルデヒド、サクシンアルデヒド等のアルデヒド類、ムコ
クロル酸、ムコブロム酸などのムコハロゲン酸類、ジメ
チロール尿素等のN−メチロール類、ジクロロ−s−ト
リアジン類、ビニルスルホン基やアクリルアミド基等を
有する活性エチレン類、エチレンイミン類、エポキシ
類、カルボジイミド類をあげることができる。架橋した
ゼラチンを得るには、ジクロロ−s−トリアジン類、ビ
ニルスルホン型活性エチレン類、カルボジイミド類が好
ましく用いられる。
【0066】無機高分子としては、架橋した水ガラスを
挙げることができる。水ガラスとしては、SiO2/N
2O及び/またはSiO2/K2Oで表されるが、好ま
しくは、SiO2/Na2O及び/またはSiO2/K2
のモル比が1〜5の範囲内にある水ガラスである。
【0067】すでに公知のアルカリ水ガラス硬化剤やそ
の反応機能を有している水溶性の化学物質であれば特に
限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、
燐酸などで代表される無機塩類、水溶性重硫酸塩類、水
溶性重炭酸塩類、水溶性酸性硫酸塩、水溶性酸性燐酸塩
等で代表される無機酸塩類、水溶性有機酸類、アルカリ
中で除放性の酸を放出する水溶性有機硬化剤等が挙げら
れる。
【0068】インク受容層は任意の方法で形成すること
ができるが、水媒体の塗布液をコーティング後乾燥して
得ることができる。コーティング方法としては、ブレッ
ドコーター塗布法、リバースローラー塗布法、エアード
クター塗布法、ナイフコーター塗布法、スクイズコータ
ー塗布法、バーコーター塗布法、カーテン塗布法、押し
出し塗布法、スライドホッパー塗布法等を用いることが
できる。
【0069】乾燥条件は特に限定されないが、好ましく
は塗膜面の温度が樹脂のガラス転移温度以下が好まし
い。
【0070】また、塗布直後に塗膜面を冷却後乾燥して
も良い。乾燥後の層の厚さは、5〜100μmが好まし
く、単層あるいは多層コーティングで形成してもよい。
多層の場合は、全く同じ組成物からなる塗布液を重層塗
布して形成しても組成が異なる塗布液を重層して形成し
てもよい。多層の形成では、一層塗布乾燥後さらに塗布
乾燥する逐次塗布でも良いし、同時塗布しても良い。
【0071】本発明の記録材料にはマット剤を用いるこ
とができる。マット剤が塗膜表面から出て表面に凹凸を
作ることができればマット剤の粒径は特に限定されな
い。
【0072】また、マット剤は塗膜表面から出て表面に
凹凸を作ることで、樹脂粒子と区別される。
【0073】その他、ハロゲン化銀写真感光材料で一般
に知られている界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリ
コーン、ワックス等のスベリ剤を使用することができ
る。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものでは
ない。
【0075】支持体の作製 (PET樹脂の作製) 新合成樹脂PET−A テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコー
ル65質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウ
ム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステ
ル交換を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン
0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質
量部を添加した。
【0076】次いで、徐々に昇温、減圧にし、280
℃、66.7Paで重合を行い、固有粘度0.65(c
p)のポリエチレンテレフタレート(PET−A)樹脂
を得た。
【0077】新合成樹脂PET−B 酢酸マグネシウム水和物0.5質量部、三酸化アンチモ
ン0.5質量部、リン酸トリメチルエステル0.3質量
部を添加した以外、PET−Aと同様方法で固有粘度
0.66のPET−B樹脂を得た。
【0078】(回収樹脂)新合成樹脂PET−A樹脂を
100%用いて、二軸延伸PETフィルム作製したとき
に、スリットによって廃材となったフィルム屑を回収し
て回収樹脂Cとした。またPET−B樹脂を100%用
いた以外は回収樹脂Cと同様にしてフィルム屑から採取
したものを回収樹脂Dとした。
【0079】(支持体の作製)新合成樹脂をペレット化
したもの、回収樹脂及び新合成樹脂をペレット化した後
に青色染料のマクロレックスブルーRR(バイエル社
製)を添加したマスターチップ樹脂を、それぞれ150
℃で8時間真空乾燥した後、表1に示すような回収樹脂
比率、染料濃度になるように混合し、285℃でTダイ
から層状に溶融押しだし、30℃の冷却ドラム上で静電
印加しながら密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルム
を得た。
【0080】この未延伸シートをロール式縦延伸機を用
いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。得られた一
軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、第一延
伸ゾーン90℃で総横延伸倍率の50%延伸し、さらに
第二延伸ゾーン100℃で総横延伸倍率3.3倍になる
ように延伸した。
【0081】次いで、70℃、2秒間、前加熱処理し、
さらに第一固定ゾーン150℃で5秒間熱固定し、第二
固定ゾーン220℃で15秒間熱固定した。
【0082】次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩
処理し、テンターを出た後に、駆動ロールの周速差を利
用して、140℃で縦(長手)方向に弛緩処理を行い、室
温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリップから解
放し、製膜巾手方向中心で2本にスリットし、それぞれ
巻き取り、厚さ175μmの二軸延伸PETフィルム支
持体1〜7を得た。これらの二軸延伸PETフィルムの
Tgは79℃であった。
【0083】(下引済支持体の作製)二軸延伸PETフ
ィルム支持体のそれぞれの片面(A面)にコロナ放電を
施した後下記の下引第1層、第2層を順次設け、140
℃2分間熱処理を行い、下引済支持体を得た。
【0084】 下引第1層 ポリマーラテックス1 40mg/m2(固形分) ポリマーラテックス2 760mg/m2(固形分) 水溶性ポリマー1 40mg/m2 界面活性剤1 6mg/m2 下引第2層 ポリマーラテックス3 300mg/m2(固形分) 水溶性ポリマー1 15mg/m2 架橋剤1 100mg/m2 界面活性剤2 7mg/m2 シリカ微粒子 1mg/m2 ポリマーラテックス1:スチレン−グリシジルメタクリレート−n− ブチルアクリレート(20−40−40質量%)共重合ポリマーラテックス ポリマーラテックス2:スチレン−グリシジルメタクリレート−n− ブチルアクリレート−アセトアセトキシエチルメタクリレート (35−40−5−20質量%) ポリマーラテックス3:スチレン−グリシジルメタクリレート−n− ブチルアクリレート(40−40−20質量%)共重合ポリマーラテックス 水溶性ポリマー1:イソプレンスルホン酸ナトリウム−スチレン共重合体。
【0085】
【化2】
【0086】(インクジェット記録材料の作製)下記に
示す塗布液を下引済支持体のA面側に湿潤膜厚を240
μmで塗布し、塗布皮膜温度0℃に冷却したあと、40
℃の風を150秒間乾燥し、インクジェット記録材料1
〜7を作製した。この記録材料の顕微鏡観察から微粒子
シリカの2次凝集粒子の大きさはそれぞれ75nmであ
った。
【0087】塗布液の調製平均1次粒径が12nmの気
相法により合成された微粒子シリカ180gを純水10
00ml中に添加し、高速ホモジナイザーで分散し青い
透明な分散液(1)を得た。次にこのシリカ水分散液
(1)中に、カチオン性ポリマーとしてMor−1の2
5%水溶液を100ml添加し、サンノブコ(株)製消
泡剤SN381を塗布液に対して、0.01%添加し、
30分間高速ホモジナイザーで分散して、青白い透明な
分散液を得た。
【0088】次に平均重合度300でケン化度98%の
10%ポリビニルアルコール水溶液を1mlを添加し、
更に平均重合度が3500でケン化度95%の5%ポリ
ビニルアルコール水溶液(2)(酢酸エチルを4質量%
含有)600mlを徐々に添加し、ついで粘度向上剤と
して4%ほう砂水溶液100mlを添加し、さらに20
mlのエタノールを添加した。この中に下記分散物1を
30ml添加し、空隙層を形成する塗布液を調製した。
【0089】
【化3】
【0090】(分散物1)下記組成の溶液1と溶液2を調
製し、混合して超音波分散機で分散した。
【0091】 溶液1 ジ−i−デシルフタレート 3.0g 酢酸エチル 5ml 溶液2 ゼラチン 1.0g 界面活性剤(丸善製薬(株)製、QC−100) 2.8g 純水 22ml 《物性値の測定》上記の実施例及び比較例における各物
性値は次のようにして測定した。
【0092】最大光線透過率及び平均光線透過率 日立製作所製分光光度計U−3200で測定を行った結
果をチャートに記録し、それぞれの波長における分光透
過率をチャートより読みとり、その波長における光線透
過率とした。
【0093】A(nm)〜B(nm)における最大光線
透過率は、A〜B波長間での最大光線透過率とした。A
(nm)〜B(nm)における平均光線透過率は、波長
A〜B間での最大の光線透過率と最小の光線透過率の和
を2で割った値とした。
【0094】以上の如く、400〜500nmにおける
最大光線透過率、600〜700nmにおける最大光線
透過率、500〜600nmにおける平均光線透過率を
求めた。
【0095】色調b値 日立製作所(株)製分光光度計U−3200を用いて測
定を行った。
【0096】金属含有量 蛍光X線法により測定した。
【0097】ヘイズ値の測定 ASTEM−D1003−52に従って、東京電飾技術
センター製、積分球式光電散乱光度計T−2600DD
Aで測定した。
【0098】《診断性の評価方法》着色剤液(ダイレク
トブラック154を18.9g、エチレングリコール3
0g、トリエチレングリコール4g、純水41.3g)
と薄め液(エチレングリコール30g、トリエチレング
リコール14.2g、純水55.6)を組み合わせ、4
濃度のインクを調製した。
【0099】医療診断画像出力用に35μm四方に最高
4滴打てるように調整したピエゾ方式のインクジェット
プリンタ及びプリンタードライバーを作製し、足の医療
診断画像データを、上記インクジェット記録材料にプリ
ントし、かかとの骨の骨稜を観察した。そして同様にし
て20枚の医用画像を作製し、これらの画像を25人の
被験者にシャーカステンの透過光で観察し、観察後の目
の疲れ具合、診断性を色調評価として、下記の4段階で
評価した。
【0100】 ◎・・・被験者25人すべてが良好と評価した ○・・・被験者20以上が良好と評価した △・・・被験者の半数以上が良好と評価した ×・・・被験者の半数以上が目の疲れ、色調の不良を訴
えた 結果を表1に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるイ
ンクジェット記録材料、それに用いる支持体及び医用画
像記録材料はインクジェット記録材料用支持体に回収し
た樹脂を使用しても、インクジェット記録材料の性能を
維持し、かつ、X線医用画像においても、十分な鮮鋭性
を有し、観察時の疲労感を感じない優れた効果を有す
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の30〜70%が回収された樹脂で
    あり、500〜600nmにおける平均透過率が58〜
    78%で、かつ、400〜500nmにおける最大透過
    率及び600〜700nmにおける最大透過率がいずれ
    も75%以上であることを特徴とするインクジェット記
    録用支持体。
  2. 【請求項2】 樹脂の30〜70%が回収された樹脂で
    あり、アントラキノン系染料を含有し、かつ、該支持体
    中のアントラキノン系染料濃度が200〜1000pp
    mであることを特徴とするインクジェット記録用支持
    体。
  3. 【請求項3】 樹脂の30〜70%が回収された樹脂で
    あり、色調によるb値が2以下であることを特徴とする
    インクジェット記録用支持体。
  4. 【請求項4】 金属含有量(単位:ppm)が下記式
    (1)〜(3)を満たすことを特徴とする請求項1〜3
    の何れか1項に記載のインクジェット記録用支持体。 式(1) 80≦Sb≦230 式(2) 30≦(Ca+Mg)≦180 式(3) 10≦P≦80
  5. 【請求項5】 前記樹脂がポリエチレンテレフタレー
    ト、ポリエチレンナフタレート又はポリトリメチレンテ
    レフタレートから選ばれる少なくとも1種の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のイ
    ンクジェット記録用支持体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のイン
    クジェット記録用支持体を用いることを特徴とするイン
    クジェット記録材料。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のインクジェット記録材
    料を用いて画像を得ることを特徴とする医用画像記録材
    料。
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