JP2003039561A - 樹脂成形部材の取付方法 - Google Patents

樹脂成形部材の取付方法

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JP2003039561A
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Katsuki Asano
克城 浅野
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    • B29C66/50General aspects of joining tubular articles; General aspects of joining long products, i.e. bars or profiled elements; General aspects of joining single elements to tubular articles, hollow articles or bars; General aspects of joining several hollow-preforms to form hollow or tubular articles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付部材を被取付部材に高い製造効率で取付
けることができる、樹脂成形部材の取付方法を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 ハブ本体52に取付けられるピボット部
材36を樹脂成形する際、成形後に生じる収縮に見合う
分だけ寸法を大きくしてピボット部材54を成形し、成
形直後のピボット部材54をハブ本体52に対して取付
位置に配置することにより、ピボット部材54に生じる
収縮を利用して嵌合状態で取付ける。これにより、ハブ
本体52及びピボット部材54の取付部位を精度良く形
成する必要がなく、また、ピボット部材54をハブ本体
52に圧入する等の作業を行う必要がない。従って、高
い製造効率で取付けてリールを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形部材の取
付方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、オーディオ機器やビデオ機器等
では、一対のリールに巻回した磁気テープを、カセット
ケース内に走行可能に保持して記録、再生を行う磁気テ
ープカセットが多用されている。 【0003】例えば、図6に示すように、放送局で業務
用として使用する磁気テープカセット100は、ケース
を構成する上ハーフ102及び下ハーフ104の間に、
下フランジ105と、下フランジ105の上側に一体的
に固定されたハブ106と、ハブ106の上側に取付け
られた上フランジ108と、で構成される一対のリール
109が回動自在に軸支されており、この一対のリール
109には磁気テープTが巻回されている。また、上ハ
ーフ102には、透明板で構成される窓103が設けら
れている。 【0004】上ハーフ102とリール109との間に
は、リール109を押圧するリールホルダ112、及
び、リールホルダ112を押圧する圧縮コイルバネ11
0が介在しており、リール109がリールホルダ112
によって下ハーフ104に向けて付勢されている。リー
ルホルダ112はセンターキャップ114に係止されて
おり、センターキャップ114は、窓103に形成され
た開口部103Mの開口縁で係止されている。 【0005】図7に示すように、ハブ106の上面中央
には、上側が球面状にされたピボット116が形成され
ており、ピボット116がリールホルダ112で押圧さ
れることによりリール109が揺動可能に保持されてい
る。ピボット116はハブ106と一体成形されてお
り、材質は汎用のABS樹脂又はポリスチレン(PS)
であることが多い。 【0006】リールホルダ112は帽子状の部材であ
り、内底面112Bがピボット116に当接する。リー
ルホルダ112の材質は汎用のアセタ−ル樹脂(PO
M)であることが多い。 【0007】ところで、テープ走行安定性や耐久性を考
えると、ピボット116を有する部材をハブ106とは
別部材として成形し、ハブ106に取付けることができ
ることが好ましい。 【0008】しかし、ピボット116を有する部材をハ
ブ106とは別部材として成形すると、この部材がハブ
106に取付けられるように嵌合部又は係合部を精度良
く形成し、精度良く組立を行う必要があり、また、各部
品の成形による収縮が終わるまで各部品を保管しておく
必要がある。このため、製造効率が低減するという問題
が生じていた。 【0009】なお、この問題は、磁気テープカセット1
00に用いるリールに限らず、取付部材及び被取付部材
の少なくとも一方が樹脂成形されている場合に頻繁に生
じていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮して、取付部材を被取付部材に高い製造効率で取付
けることができる、樹脂成形部材の取付方法を提供する
ことを課題とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、取付部材又は被取付部材の樹脂成形後に生じる収縮
を利用して前記取付部材を前記被取付部材に取付けるこ
とを特徴とする。 【0012】例えば、取付部材が樹脂成形部材である場
合、取付部材を樹脂成形する際に、成形後に生じる収縮
に見合う分だけ寸法を大きくして成形し、成形直後の取
付部材を被取付部材に対して取付位置に配置することに
より、収縮を利用して取付けることができる。 【0013】また、取付部材、被取付部材が何れも樹脂
成形部材である場合、取付部材と、この取付部材が取付
けられる被取付部材と、を時間差をつけて樹脂成形し、
後に成形された部材に生じる収縮を利用して取付けるこ
とができる。 【0014】請求項1に記載の発明により、取付部位を
精度良く形成する必要がなく、また、取付部材を被取付
部材に圧入する等の作業を行う必要がない。また、成形
による収縮を利用しているため、収縮を利用する部品を
成形直後に保管することなく組立を行うことができる。
従って、樹脂成形された取付部材を被取付部材に高い製
造効率で取付けて、部品等を組立てることができる。ま
た、この取付方法は、寸法の大きな部材を取付ける場合
に特に有効である。 【0015】取付部材と被取付部材との取付形態は、嵌
合状態であってもよいし、所定のクリアランスが形成さ
れた状態であってもよく、取付形態を特に限定しない。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、磁気テープカセットに収納
されるリールについて実施形態を挙げ、本発明の実施の
形態について説明する。 【0017】[第1形態]まず、第1形態について説明
する。図1に示すように、放送局で業務用に使用される
磁気テープカセット(ベータカムLカセット)10は、
ケースを構成する上ハーフ12と下ハーフ14とを備え
ている。 【0018】上ハーフ12及び下ハーフ14によって形
成されるケースに中には、下フランジ24と、下フラン
ジ24の上側に一体的に固定されたハブ26と、ハブ2
6の上側に取付けられた上フランジ28と、で構成され
る一対のリール20が回動自在に軸支されており、この
一対のリール20には磁気テープTが巻回されている。
また、上ハーフ12には、透明板で構成される窓13
A、13Bが設けられている。 【0019】上ハーフ12とリール20Aとの間には、
リール20Aに内底面側で当接する帽子状のリールホル
ダ32A、及び、リールホルダ32Aを押圧する圧縮コ
イルバネ30Aが介在しており(図2参照)、リール2
0Aがリールホルダ32Aによって下ハーフ14に向け
て付勢されている。リールホルダ32Aはセンターキャ
ップ34Aに係止されており、センターキャップ34A
は、窓13Aに形成された開口部13MAの開口縁で係
止されている。 【0020】上ハーフ12とリール20Bとの間にも、
同様に、リールホルダ32B及び圧縮コイルバネ30B
が介在しており、リール20Bがリールホルダ32Bに
よって下ハーフ14に向けて付勢されている。リールホ
ルダ32Bはセンターキャップ34Bに係止されてお
り、センターキャップ34Bは、窓13Bに形成された
開口部13MBの開口縁で係止されている。いる。 【0021】磁気テープカセット10の前部側の開口1
6の近傍には、磁気テープTの繰出し及び巻取りの際に
磁気テープTを案内する一対のガイドローラ44が配置
されている。ガイドローラ44は外形が太鼓状にされて
いる。 【0022】また、磁気テープカセット10は、磁気テ
ープTの裏面側に摺接して押圧し、磁気テープTの弛み
を防止するテープパッド46を備えており、このテープ
パッド46によって磁気テープTは適度な付勢力で押圧
されている。 【0023】更に、磁気テープカセット10には、下ハ
ーフ14の内壁面14Uから突設するシャフト50が設
けられ、このシャフト50はガイドローラ44の中心軸
に沿って形成された貫通孔44Hに挿入されており、ガ
イドローラ44はシャフト50を軸として回動可能に軸
支されている。このシャフト50は、一般的に下ハーフ
14によって固定されている。 【0024】図3、図4に示すように、ハブ26は、ハ
ブ本体52と、ハブ本体52に上方から覆い被さって嵌
合状態で取付けられている帽子状のピボット部材54
と、で構成される。 【0025】ピボット部材54の上側中央には、球面状
にされたピボット36が一体成形されており、ピボット
36がリールホルダ32で押圧されることによりリール
20が揺動可能に保持されている。ハブ本体52は、A
BS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)やP
S(ポリスチレン)などの汎用樹脂からなり、ピボット
部材54はPOM(アセタール)などの高摺動性の樹脂
からなる。 【0026】リール20を製造するには、ハブ本体52
と下フランジ24とを一体的に成形し、所定の時間が経
過した後、ピボット部材54を成形する。所定の時間と
は、ハブ本体52が自然冷却されて収縮がほぼ終了する
時間であり、1日程度であることが多い。 【0027】次に、ABS樹脂の場合には収縮率は一般
に5/1000であることを考慮し、成形直後のピボット部
材54の内径Dを、冷却後のハブ本体52の外径dとほ
ぼ同じにしたピボット部材54を成形する。すなわち、
ハブ本体52の外径は、冷却後では成形直後に比べて99
5/1000 になることを考慮して金型の寸法を予め決定
しておき、ハブ本体52を成形する。 【0028】そして、成形直後のピボット部材54をハ
ブ本体52の上部へ被せる。ピボット部材54が収縮す
ることにより、ピボット部材54がハブ本体52に嵌合
状態で取付けられる。 【0029】これにより、ピボット部材54をハブ本体
52に圧入する等の工程を必要としないと共に、嵌合部
の寸法を精度良く成形する必要がない。従って、ピボッ
ト部材54とハブ本体52とを別部材として成形して
も、リール20を高い効率で製造することができる。 【0030】なお、ピボット部材54がハブ本体52に
嵌合状態で取付けられる限り、成形直後のピボット部材
54の内径Dが、冷却後のハブ本体52の外径dよりも
若干大きくてもよい。これにより、嵌合部の寸法の精度
に更に余裕を持たせることができる。また、ハブ本体5
2と下フランジ24とを別部材で成形し、下フランジ2
4にハブ本体52を嵌め込んでもよい。 【0031】[第2形態]次に、第2形態について説明
する。第2形態では、第1形態と同様の構成要素には同
じ符号を付してその説明を省略する。 【0032】図4に示すように、第2形態では、第1形
態に比べ、ハブ66を構成するピボット部材64及びハ
ブ本体62の形状が異なり、また、ピボット部材64を
先に、ハブ本体62を後に成形する。 【0033】ピボット部材64には、リールホルダ32
(図1参照)の内底面に接触する球面64Sが上側に形
成され、ハブ本体62に嵌合する凹部64Hが中央部に
形成されている。 【0034】ハブ本体62の上部中央には、ピボット部
材64を嵌合状態で取付ける開口62Mが形成されてい
る。 【0035】ハブ66を製造するには、ピボット部材6
4を成形し、所定の時間が経過した後、ハブ本体62を
成形する。 【0036】次に、成形直後の開口62Mの径Dを、冷
却後のピボット部材64の下端部64Lの外径dとほぼ
同じにしたハブ本体62を成形する。 【0037】そして、成形直後のピボット部材64をハ
ブ本体62の開口62Mから挿入し、ハブ本体62が収
縮することにより、ピボット部材64をハブ本体62に
嵌合状態で取付ける。 【0038】これにより、ピボット部材64をハブ本体
62に圧入する等の工程を必要としないと共に、嵌合部
の寸法を精度良く成形する必要がない。従って、ピボッ
ト部材64とハブ本体62とを別部材として成形して
も、リール70を高い効率で製造することができる。 【0039】なお、第1形態と同様、ピボット部材64
がハブ本体62に嵌合状態で取付けられる限り、成形直
後の開口62Mの径Dが、冷却後のピボット部材64の
下端部64Lの外径dよりも若干大きくてもよい。 【0040】以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形
態を説明したが、本発明の権利範囲が上記実施形態に限
定されないことは言うまでもない。 【0041】 【発明の効果】本発明は上記構成としたので、取付部材
を被取付部材に高い製造効率で取付けることができ、ま
た、成形直後の部品を冷却のために一時保管することな
く組立を行うことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】第1形態で説明する磁気テープカセットの構成
を示す展開斜視図である。 【図2】第1形態で、成形して冷却されたハブ本体に、
成形直後のピボット部材を上方から覆い被せることを示
す側面断面図である。 【図3】第1形態で、ピボット部材がハブ本体に嵌合状
態で取付けられたことを示す側面断面図である。 【図4】第2形態で、成形して冷却されたピボット部材
を、成形直後のハブ本体の開口に挿入することを示す側
面断面図である。 【図5】第2形態で、ピボット部材がハブ本体に嵌合状
態で取付けられたことを示す側面断面図である。 【図6】従来の磁気テープカセットの構成を示す展開斜
視図である。 【図7】従来の磁気テープカセットのリールを示す側面
断面図である。 【符号の説明】 52 ハブ本体(被取付部材) 54 ピボット部材(取付部材) 62 ハブ本体(被取付部材) 64 ピボット部材(取付部材)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 取付部材又は被取付部材の樹脂成形後に
    生じる収縮を利用して前記取付部材を前記被取付部材に
    取付けることを特徴とする樹脂成形部材の取付方法。
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