JP2003038136A - レトルト食品の製造方法 - Google Patents

レトルト食品の製造方法

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JP2003038136A JP2001227272A JP2001227272A JP2003038136A JP 2003038136 A JP2003038136 A JP 2003038136A JP 2001227272 A JP2001227272 A JP 2001227272A JP 2001227272 A JP2001227272 A JP 2001227272A JP 2003038136 A JP2003038136 A JP 2003038136A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旨味、甘味、塩味等がまとまった風味、すな
わち、しっかりとした旨味がある優れた風味を有するレ
トルト食品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (1)澱粉及び油脂を含む第1群の材料
に加熱処理を施す工程、(2)水、糖類及びペプチドを
含む第2群の材料に加熱処理を施す工程、(3)前記の
加熱処理を施した第1群の材料と、前記の加熱処理を施
した第2群の材料とを混合し、必要により加熱処理を施
して液状ないしペースト状食品を得る工程、(4)前記
液状ないしペースト状食品及び必要により具材を容器に
充填密封する工程、及び(5)前記(4)の工程で容器
に充填密封した食品にレトルト処理を施す工程を含むレ
トルト食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルトカレーや
レトルトシチューなどのレトルト食品の製造方法に関す
る。また、本発明は、このようなレトルト食品の原料と
して好適に使用できる調味材の製造方法に関する。更
に、本発明は、このようなレトルト食品の具材などとし
て好適に使用できる加工食品の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、種々の食品を製造する際に
は、所望の風味や味を付与するために香辛料や調味材等
が用いられることが多い。例えば、レトルトカレーにつ
いてみると、小麦粉ルウ(小麦粉と油脂の焙煎物)、野
菜・果実ピューレ、香辛料、調味液の混合物と、調味
料、酸味料等の粉体原料の混合物とを組み合せて煮こ
み、必要に応じて野菜、牛肉等の具材を加えて、容器に
充填し、加熱殺菌処理して製造する。このような調味料
としては種々のものが知られているが、例えば、レトル
トカレーの製造方法において、調味料を他の原料と直接
混合して用いると、レトルトカレーの旨味、甘味、酸
味、塩味等がばらばらに感じられ、即ち、風味にまとま
りがないといった問題が生じ得る。従って、まとまった
風味を提供することができる調味料が望まれている。更
に、アミノ酸やペプチド等の調味料を用いる場合には、
それらが高価であることを考慮し、コスト面から少量で
高い効果を得ることも望まれる。一方、特開平5−13
0849号公報には、薄肉をレトルト処理する前に、予
めゼラチン溶液中で加熱することを特徴とする薄肉の煮
崩れ防止方法が開示されている。又、特開平6−121
654号公報及び特開平11−290028号公報には
肉類をクエン酸ナトリウム水溶液に接触させて肉質を改
善する方法が記載されている。しかしながら、これらの
方法は、肉の特性にのみ着目されており、ゼラチン溶液
やクエン酸ナトリウム水溶液中に溶け出してくる肉の旨
味の有効利用については考慮されていない。
【0003】又、特公平6−55119号公報には、
0.2〜1.0重量%クエン酸溶液で処理した生むきあ
さりを他のソース原料に添加混合し、しかる後F0値4
〜5の範囲内で加熱殺菌することを特徴とするボンゴレ
ソースの製造法が記載されている。この方法によると、
緩慢な殺菌条件で充分な殺菌を行なえ、あさりを硬化さ
せない効果が得られるとしている。特開2000−23
6854号公報にも、貝類を、酸類及び/又はアルコー
ル類含有水に浸漬した後、F0値4〜20で加熱処理
し、得られた加熱処理貝類を用いて、ソース類用原料混
合物を調製し、次いで該ソース類用原料混合物を、最終
製品のpHが5.0〜7.0となるようなpH条件下、
F0 値4〜30で加熱処理することを特徴とする容器入
り貝類含有ソース類の製造方法が記載されている。酸類
又はアルコール類含有水に浸漬した後、緩慢な条件で加
熱処理した貝類を使用して調製したソースを、特定のp
H及びF0 値で加熱処理することで、充分な殺菌と、貝
類の食感等を高品質に保つ作用効果を有する。しかしな
がら、これらの先行技術において、食品を酸を含む作用
物質と接触させる目的は、原料(貝類)のpHを下げる
ことで、混合原料(ソース)を加熱殺菌する場合の殺菌
効率を上げる点にあると考えられるが、加熱殺菌中やそ
の後の混合原料(ソース)のpHの挙動については考慮
されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、旨味、甘
味、塩味等がまとまった風味、すなわち、しっかりとし
た旨味がある優れた風味を有するレトルト食品の製造方
法を提供することを目的とする。本発明は、又、レトル
ト食品に添加するのに好適な、旨味、甘味、塩味等がま
とまった風味を有する流動性調味材の製造方法を提供す
ることを目的とする。本発明は、又、レトルト食品に加
えるのに好適な具材の調製方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(i)加熱す
べき食品原料を2つの群に分け、澱粉及び油脂を含む第
1群の材料と、水、糖類及びペプチドを含む第2群の材
料とを別々に加熱処理し、そのままこれらを、又はこれ
らに第3の食品原料を添加して、混合し、次いでレトル
ト処理すること、(ii)原料肉をカルボン酸ナトリウム
水溶液及び/又は動物性蛋白水溶液に浸漬し、ボイル処
理を施し、原料肉と液体成分を分離し、液体成分から灰
汁及び/又は油分を分離したものを、レトルト食品の製
造時に添加する水としてもちいること、又は(iii)液
状ないしペースト状食品に添加すべき香辛料を特定の2
つの群に分け、澱粉及び油脂を含有する原料と第1群の
香辛料とを加熱処理を施してルウを得、水を含む原料及
び第2群の香辛料を添加混合し、レトルト処理するこ
と、により上記課題を解決できるとの知見に基づいてな
されたのである。すなわち、本発明の第1の態様は、次
の(1)〜(5)の工程を採用することを特徴とするレ
トルト食品の製造方法を提供する。 (1)澱粉及び油脂を含む第1群の材料に加熱処理を施
す工程、(2)水、糖類及びペプチドを含む第2群の材
料に加熱処理を施す工程、(3)前記の加熱処理を施し
た第1群の材料と、前記の加熱処理を施した第2群の材
料とを混合し、必要により加熱処理を施して液状ないし
ペースト状食品を得る工程、(4)前記液状ないしペー
スト状食品及び必要により具材を容器に充填密封する工
程、(5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品
にレトルト処理を施す工程。
【0006】本発明の第2の態様は、次の(1)〜
(5)の工程を採用することを特徴とするレトルト食品
の製造方法を提供する。 (1)澱粉及び油脂を含む第1群の材料に加熱処理を施
す工程、(2)水、糖類及びペプチドを含む第2群の材
料に加熱処理を施す工程、(3)前記の加熱処理を施し
た第1群の材料と、前記の加熱処理を施した第2群の材
料と、塩、アミノ酸系調味料、野菜・果実原料、乳原料
及び香辛料から選ばれた1以上を含む第3群の材料とを
混合し、必要により加熱処理を施して液状ないしペース
ト状食品を得る工程、(4)前記液状ないしペースト状
食品及び必要により具材を容器に充填密封する工程、
(5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレ
トルト処理を施す工程。
【0007】本発明の第3の態様は、次の(1)〜
(4)の工程を採用することを特徴とするレトルト食品
の製造方法を提供する。 (1)水、糖類及びペプチドを含む第1群の材料に加熱
処理を施す工程、(2)前記の加熱処理を施した第1群
の材料と、塩、アミノ酸系調味料、野菜・果実原料、乳
原料及び香辛料から選ばれた1以上を含む第2群の材料
とを混合し、必要により加熱処理を施して液状ないしペ
ースト状食品を得る工程、(3)前記の液状ないしペー
スト状食品及び必要により具材を容器に充填密封する工
程、(4)前記(3)の工程で容器に充填密封した食品
にレトルト処理を施す工程。本発明の第4の態様は、
水、糖類及びペプチドを含む材料を、95〜105℃で
20〜120分間に煮込むことを特徴とする流動性調味
材の製造方法を提供する。
【0008】本発明の第5の態様は、次の(1)〜
(5)の工程を採用することを特徴とするレトルト食品
の製造方法を提供する。 (1)原料肉をカルボン酸ナトリウム水溶液及び/又は
動物性蛋白水溶液に浸漬して、又は予めカルボン酸ナト
リウム及び/又は動物性蛋白水溶液を含ませてなる原料
肉を水に浸漬して、ボイル処理を施す工程、(2)前記
(1)の工程後、原料肉と液体成分を分離する工程、
(3)前記液体成分から灰汁及び/又は油分を分離した
ものを、澱粉を含む原料に加えて加熱処理を施して液状
ないしペースト状食品を得る工程、(4)前記液状ない
しペースト状食品と、前記(2)の工程で液体成分から
分離した原料肉とを容器に充填密封する工程、(5)前
記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレトルト処
理を施す工程。本発明の第6の態様は、対象原料を、酸
若しくはアルカリと、これらとpH緩衝作用をもつ緩衝
物とを含むpH緩衝溶液を用いて、当該酸若しくはアル
カリと接触させる接触処理することを特徴とする加工食
品の調製方法を提供する。
【0009】本発明の第7の態様は、次の(1)〜
(5)の工程を採用することを特徴とするレトルト食品
の製造方法を提供する。 (1)香辛料を少なくとも次の2つの群に分ける工程、 (第1群の香辛料) カレーパウダー、カルダモン、ク
ローブ、フェンネル、フェヌグリーク、ガーリック、ナ
ツメグ、オニオン、クミン、ターメリック、コリアンダ
ー、ローレル、唐辛子、胡椒及びシナモンから選ばれた
1以上を含む。 (第2群の香辛料) クミン、カルダモン、胡椒、コリ
アンダー、唐辛子、スターアニス及びクローブのうちの
1以上を含む。 (2)澱粉、油脂及び前記第1群の香辛料を含む原料に
加熱処理を施して小麦粉ルウを得る工程、 (3)前記ルウに対して水を含む原料及び第2群の香辛
料を添加混合し、必要により加熱処理を施して液状ない
しペースト状食品を得る工程、 (4)前記液状ないしペースト状食品を容器に充填密封
する工程、 (5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレ
トルト処理を施す工程。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1及び第2の態様で用
いる澱粉及び油脂を含む第1群の材料は、ルウを製造す
るためのものであり、ここで用いる澱粉としては、小麦
粉澱粉、コーンスターチ、バレイショ澱粉などの澱粉自
体はもとより、小麦粉などの澱粉含有穀物など一般にル
ウを製造するために用いるものがあげられる。又、油脂
としては、豚脂、牛脂、バター、植物油などの各種油脂
があげられる。ここで、澱粉及び油脂を含む第1群の材
料としては、さらに、香辛料を含有させることができ
る。なお、本明細書において、「ルウ」とは、小麦粉等
の澱粉及び油脂を含む材料を加熱処理して得られたもの
をいう。又、水、糖類及びペプチドを含む第2群の材料
は、主に流動性調味材を調製するためのものであり、こ
こで用いる水としては、水道水などの水はもちろんのこ
と、各種エキス水溶液、調味水溶液などがあげられる。
又、糖類としては、ショ糖、果糖、ブドウ糖などの一種
又は二種以上の混合物はもとより、これらの糖を含有す
る各種果物のペーストなどがあげられる。又、ペプチド
としても、各種ペプチドの単品又は混合物はもとよりこ
れらを含有する蛋白質加水分解物などがあげられる。こ
のうち、ペプチドとしては酵母エキス、タンパク加水分
解物及び肉エキスのうちから選ばれた1以上の材料由来
のものであるのが好ましい。水、糖類及びペプチドを含
む第2群の材料には、さらに、各種野菜を含有させるこ
とができ、特にたまねぎを含有させるのが好ましく、こ
のなかでもたまねぎを20〜70質量%含有するのが好
ましい。又、第2群の材料としては、pHが4.2〜
5.5であるのが好ましく、又、ペプチドを0.1〜8
質量%含むのが好ましい。本発明で用いる第2群の材料
は、加熱により旨味、甘味、塩味等がまとまった風味、
すなわち、すっきりとしているが、芯となるしっかりと
した旨味がある優れた風味を提供するものである。
【0011】本発明では、このように材料を、特定の2
つの群に分けて別々に加熱することにより、両者の風味
を好適に引き出すことが可能となり、それぞれの風味が
生かされたレトルト食品を得ることができる。尚、第2
群の材料を第1群の材料と一緒に加熱すると、澱粉によ
る粘度の増加が高まり、第2群の材料の加熱が不均一と
なり、風味が十分発揮されない。第3群の材料は、塩、
アミノ酸系調味料、野菜・果実原料、乳原料及び香辛料
から選ばれた1以上を含み、特に野菜・果実原料、乳原
料、香辛料を含むのが好ましい。アミノ酸系調味料や乳
原料としては、グルタミン酸ナトリウム、粉乳があげら
れる。野菜・果実原料としては、トマトペースト、リン
ゴペースト、フルーツチャツネ、野菜エキス等を用いる
ことができ、また、これらの混合物を用いることができ
る。第3群の材料は、加熱により香りや風味を失いやす
い材料を含むため、第1群の材料を第2群の材料から分
けておくのであるが、第1群の材料と第2群の材料を予
め加熱した後、ここに第3群の材料を加えてその予熱に
より、又はさらに加熱すると、各材料の風味がお互いに
馴染んでまとまりのあるレトルト食品を得ることができ
る。
【0012】本発明では、第1群の材料に加熱処理を1
10℃以上の温度で行うのが好ましく、特に第1群の材
料の品温が110〜140℃に達するように行うのが好
ましい。加熱処理の時間は、3〜120分程度行うのが
よい。このように第1群の材料は、小麦粉などの澱粉を
油脂の共存下で加熱処理することにより、小麦粉などの
澱粉の生臭みを除去し、特有の焙煎風味を付与できる。
第2群の材料への加熱処理は、95℃以上の温度で行う
のが好ましく、特に95〜105℃で行うのが好まし
い。加熱処理の時間は、20〜120分、程度より好ま
しくは30〜100分間程度行うのがよい。本発明で
は、このようにして、第1群の材料と、第2群の材料と
を別々に加熱処理した後、これらを、又はこれらに第3
群の材料を加えて混合して、液状ないしペースト状食品
を得る。ここで、混合は、通常の混合装置を用いて行う
ことができる。この際、加熱してもよいが、第1群及び
第2群の材料の余熱を利用してもよい。加熱する場合に
は、混合物の品温が80〜100℃に達するように行う
のがよい。また、混合物の品温が80〜100℃に達し
たら、当該温度で一定時間保持してもよい。保持する場
合には、5〜30分程度保持するのがよい。次いで、本
発明では、得られた液状ないしペースト状食品及び必要
により具材を容器に充填密封し、レトルト処理する。
【0013】本発明の第3の態様で用いる第1群及び第
2群の材料は、本発明の第2の態様で用いる第2群及び
第3群の材料にそれぞれ対応するものであり、本発明の
第2の態様において説明した材料及び条件がそのまま適
用される。本発明の第4の態様は、本発明の第1及び第
2の態様で用いる第2群の材料、本発明の第3の態様で
用いる第1群の材料の加熱処理法に関するものである。
その詳細を次に示すが、これらは、本発明の第1〜第3
の態様にも適用されるものである。ここで、第4の態様
で規定する条件で煮込むことにより、特に、甘味、塩味
等がまとまった風味を有する調味材を提供することがで
きる。第4の態様では、水原料として水自体を単独で添
加することができ、又はタマネギ細断物等の原料由来の
水を用いることができるが、タマネギ細断物由来の水を
用いるのが好ましい。ここで、タマネギ裁断物は、例え
ば、5〜30mm角の大きさにカットしたもの、あるい
はコロイドミルやコミトロールにより磨細したものを用
いることができる。本発明においては、水原料は、処理
する材料の質量をベースとして、好ましくは65〜90
質量%、より好ましくは70〜85質量%の水分が材料
中に含まれるように用いるのがよい。また、糖類として
は、例えば、砂糖、ブドウ糖、ハチミツ、果糖等を用い
ることができる他、上記タマネギ細断物を、糖類原料と
して用いることができ、また、これらの混合物を用いる
こともできる。本発明において、糖類原料は、処理する
材料の質量をベースとして、好ましくは3〜30質量
%、より好ましくは6〜27質量%の糖類が材料中に含
まれるように用いるのがよい。
【0014】尚、本発明においては、上記タマネギ細断
物を用いることにより、上記水原料及び糖類原料の両割
合を高めることができる。タマネギは、処理される材料
の質量をベースとして、好ましくは20〜70質量%、
より好ましくは30〜65質量%用いるのがよい。ま
た、ペプチド原料としては、例えば、酵母エキス、タン
パク加水分解物、畜肉エキス等又はこれらの混合物を用
いることができ、酵母エキスを用いるのが好ましい。ペ
プチドは、処理する原料の質量をベースとして、例えば
0.1〜8質量%含ませるのが好ましく、より好ましく
は1〜7質量%である。本発明においては、前記材料
に、野菜・果実原料、例えば、トマトペースト、リンゴ
ペースト、フルーツチャツネ、野菜エキス等を用いるこ
とができ、また、これらの混合物を用いることができ
る。野菜・果実原料を用いる場合、処理する原料の質量
をベースとして、例えば1〜35質量%含ませるのが好
ましく、より好ましくは1〜30質量%である。また、
本発明においては、前記材料に酸性原料を用いることが
できる。酸性原料としては、例えば、クエン酸、リンゴ
酸等を用いることができ、クエン酸を用いるのが好まし
い。本発明においては、野菜・果実原料や酸性原料を用
いて製造される調味材のpHを、好ましくは4.2〜
5.5に調整するのがよく、より好ましくは4.5〜
5.3である。また、酸性原料を用いる場合、処理する
原料の質量をベースとして、例えば0.005〜0.2
質量%含ませるのが好ましく、より好ましくは0.01
〜0.1質量%である。
【0015】尚、本発明においては、ペプチド、野菜・
果実原料及び酸性原料を組み合せた混合物を用いること
ができるが、その混合物全体として、例えば、処理する
材料の質量をベースとして、好ましくは4〜40質量
%、より好ましくは5〜35質量%用いるとよい。ま
た、本発明においては、その他の任意の成分を適宜含ま
せることができる。このような任意成分としては、例え
ば、ガーリック、ジンジャー、ピーナッツバター、醤油
等を挙げることができるが、これらは、本発明の効果、
即ち、食品に対してまとまった風味を提供するといった
効果に悪影響を及ぼさない範囲で使用するのがよい。次
に、本発明の第5の態様について説明する。この方法
は、原料肉から旨味成分を変質させることなく、効率的
に取り出す方法であり、又、肉質を柔らかくすることが
できる。ここで用いる原料肉としては、豚肉、牛肉、鳥
肉などの各種生の肉、凍結した肉、それを解凍した肉な
どがあげられる。この肉を予めカルボン酸ナトリウム水
溶液又は動物性蛋白溶液に浸漬することによって原料肉
中にカルボン酸ナトリウム又は動物性蛋白を含ませる
か、又はボイル処理を施しながら、原料肉中にカルボン
酸ナトリウム又は動物性蛋白を含ませる。ここで用いる
カルボン酸ナトリウムとしては、クエン酸、乳酸、酒石
酸、リンゴ酸、酢酸、グルコン酸などのナトリウム塩の
1種又は2種以上の混合物があげられるが、クエン酸ナ
トリウムが好ましい。この際、クエン酸ナトリウム以外
の塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどを
併用するのが好ましい。又、動物性蛋白としては、ゼラ
チン、アルブミン、カゼイン等があげられる。カルボン
酸ナトリウム水溶液や動物性蛋白溶液としては、カルボ
ン酸ナトリウムの0.1〜10質量%水溶液や動物性蛋
白の0.05〜1質量%水溶液を用いるのが好ましく、
原料肉100質量部当たり、これらの水溶液を100〜
500質量部用い、10〜70℃の温度の該水溶液に1
5分〜16時間予備浸漬するのがよい。
【0016】本発明では、ボイル処理を、原料肉100
質量部当たり、水100〜500質量部用い、70〜1
00℃の温度で1〜30分間行うのがよい。ボイル処理
後、原料肉と液体成分を常法により分離し、さらに分離
した液体成分から灰汁及び/又は油分を分離した液体
は、肉の旨味を含んでいるので、これを、澱粉を含む原
料に加えて加熱処理を施して液状ないしペースト状食品
を得る。ここで、澱粉を含む原料としては、本発明の第
1及び第2の態様における第1群の材料があげられる。
従って、この肉の旨味を含んでいる液体を、本発明の第
1及び第2の態様における第2群の材料における水とし
て用いるのが好ましい。本発明の第6の態様では、肉類
だけではなくて、魚介類や野菜類も対象とすることがで
きる。本発明は、魚介類、特に二枚貝、巻き貝等の貝
類、肉類、特に牛肉等の畜肉類に適用すると、これらの
食感、保水性(保水性が上がるとジューシーな食感が得
られる)、食味の向上効果として優れた効果が得られ
る。第6の態様では、酸若しくはアルカリと緩衝物の作
用により、接触処理時には必要な特定のpH域を達成
し、かつ、接触処理乃至保存時を通じて、原料を適正な
pHに平衡化することができるため、原料の品質を保持
することが可能となる。
【0017】ここで用いる酸若しくはアルカリとして
は、食品に使用できるもの、例えば食品添加物及び原材
料として認められているものであれば何れでもよいが、
酸としてはクエン酸、乳酸、酒石酸、リン酸、リンゴ
酸、酢酸、グルコン酸が、アルカリとしてはクエン酸ナ
トリウム、重曹、リン酸ナトリウム、グルタミン酸ナト
リウムが、対象原料の食感・食味品質を向上する上から
好ましい。上記の酸若しくはアルカリは、任意に組合せ
て使用することができ、また、後記のpH緩衝物として
使用することができる場合がある。上記の酸若しくはア
ルカリは、成分そのものとして、また食酢、果汁等の天
然物として使用できることは勿論である。酸若しくはア
ルカリは、これらを含む水溶液として用いる。緩衝物と
は、上記の酸若しくはアルカリと共存する場合にpH緩
衝作用をもつ物質である。具体的には、酸類含有水に浸
漬し加熱処理した貝類を用いて調製したソース類用原料
混合物をpHが5.0〜7.0となるような条件で加熱
処理する場合に、加熱後の保存時に、あさりからソース
中に酸が溶出し、ソースのpHが5.0を下回ることが
ないように、当該酸類及び他の原料と混合された場合
に、pH緩衝作用により、ソースのpHを5.0〜7.
0の間で平衡化するための物質である。つまり、酸若し
くはアルカリと共役して、電離平衡を保つ性質により、
pHを安定化させる物質である。尚、緩衝物には、酸と
共存する場合に、酸側でpHを安定化させる弱アルカリ
を含む酸や、アルカリと共存する場合に、アルカリ側で
pHを安定化させる弱酸を含むアルカリが含まれる。緩
衝物は、このような作用のあるものであれば任意に使用
し得るが、使用する酸の塩及び/又は使用する酸と共存
する場合に酸側でpHを安定化させる弱アルカリを含む
酸であるか、使用するアルカリの共役酸及び/又は使用
するアルカリと共存する場合にアルカリ側でpHを安定
化させる弱酸を含むアルカリであることが望ましい。
【0018】
【表1】 酸 緩衝物 クエン酸 クエン酸ナトリウム 乳酸 乳酸ナトリウム、乳酸カリウム 酒石酸 酒石酸ナトリウム、カリウム リン酸 リン酸ナトリウム リンゴ酸 リンゴ酸ナトリウム 酢酸 酢酸ナトリウム アルカリ 緩衝物 クエン酸ナトリウム クエン酸 重曹 クエン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム リン酸ナトリウム リン酸
【0019】対象原料を酸若しくはアルカリと接触させ
る接触処理としては、対象原料をpH緩衝溶液に浸漬し
たり、これと混合したり、原料に該溶液を噴霧する処理
が挙げられる。対象原料とpH緩衝溶液とを容器に密封
して保持する態様も含む。接触処理は加熱下で行うこと
ができる。ここで、接触処理をした後、対象原料をpH
緩衝溶液及び/又は他の原料と混合して保存する場合と
は、酸類で処理した貝類を用いてソースを調製し、加熱
殺菌後保存する如くである。より具体的には、対象原
料、特に肉を、pH緩衝溶液と接触処理する間にpH緩
衝能を作用させる。特に、接触処理の間に、pH緩衝溶
液のpHを、酸接触処理では、例えば3.0〜4.5、
好ましくは3.8〜4.2、アルカリ接触処理では、例
えば6.5〜8.0、好ましくは6.8〜7.2で平衡
化させるのがよい。また、酸接触処理に用いるpH緩衝
溶液の酸含有量を0.1〜3.0質量%、及び緩衝物の
含有量を0.1〜5.0質量%、一方、アルカリ接触処
理に用いるpH緩衝溶液のアルカリ含有量を0.1〜
5.0質量%、及びpH緩衝物の含有量を0.1〜5.
0質量%とするのがよい。酸としては、乳酸、酒石酸、
クエン酸、これに混合する緩衝物しては、乳酸ナトリウ
ム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アルカリ
としては、重曹、これに混合する緩衝物しては、クエン
酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムが各々望まし
い。対象原料と水溶液の使用割合は、質量比で前者1対
して後者1以上が望ましい。
【0020】更に、接触処理をpH緩衝溶液を用いるボ
イル処理により行うことができる。例えば、接触処理を
ボイル処理して行えば、魚介類、肉類の軟化処理として
有効な手段となり、特に肉類に適する。ボイル処理の条
件としては、80〜100℃が好ましく、より好ましく
は90〜100℃で、1〜300分間、より好ましくは
60〜100分間がよい。なお、ボイル処理に用いるp
H緩衝溶液に、食塩、ショ糖、トレハロース等の糖類等
を加えることができ、これらの含有量を1〜50質量%
とするのがよく、魚介類、肉類の肉質の軟化処理をする
場合に好ましい。以上の処理により、対象原料の品質を
損なわずに、酸若しくはアルカリを作用せしめることが
可能となる。特に、魚介類、肉類に接触処理を施す場合
に、保水して肉質を軟化し、食味を保持する効果がある
ので有効である。本発明では、又予め対象原料(例え
ば、あさりについて)を酸若しくはアルカリと接触させ
ておく事前処理を施してもよい。事前処理としては、例
えばpH7.5〜9、好ましくは8.0〜8.6のアル
カリを含む水溶液で浸漬することが挙げられる。水溶液
のアルカリ含有量を0.1〜6.0質量%するのがよ
い。アルカリとしては、クエン酸ナトリウム、重曹、リ
ン酸ナトリウムが望ましい。対象原料と水溶液の使用割
合は、質量比で前者1対して後者1〜5が望ましい。こ
の事前処理を施した対象原料を、酸若しくはアルカリを
含むpH緩衝溶液と接触処理した後、該緩衝溶液及び/
又は他の原料と混合して保存する場合に、接触処理乃至
保存中の原料のpHを平衡化する。
【0021】接触処理としては、例えば上記のように事
前処理を施した後、水溶液を除いた原料を、酸を含むp
H緩衝溶液と容器に密封し、必要に応じて加熱(殺菌)
処理することができ、この処理の後に保存する。この場
合、pH緩衝溶液のpHを、加熱時に例えば3.8〜
4.4、好ましくは3.9〜4.2、加熱乃至保存時に
例えば3.8〜6.4、好ましくは3.9〜6.2で平
衡化するのがよい。また、pH緩衝溶液の酸含有量を
0.01〜2.0質量%、好ましくは0.1〜0.8質
量%、緩衝物の含有量を0.01〜5.0質量%、好ま
しくは0.1〜0.8質量%とするのがよい。酸として
は、クエン酸、リン酸、酢酸、これに混合する緩衝物し
ては、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウムがよい。対象原料と水溶液の使用割合は、質量
比で前者1対して後者0.4〜2が望ましい。なお、上
記のpH緩衝溶液に、食塩、ショ糖、トレハロース等の
糖類等を加えることができ、これらの含有量を0.5〜
4.0質量%とするのがよく、魚介類、肉類の軟化処理
をする場合に好ましい。上記の加熱処理を行う場合は、
例えば120〜125℃で、30〜60分間、F0 値2
5〜30の条件にするとよい。つまり、原料を酸を含む
緩衝溶液と混合して加熱することで、比較的緩慢な条件
で高い殺菌効率が得られる。以上の処理は、魚介類、特
に貝類、肉類に事前処理を施して肉質を軟化し、続いて
酸に接触した状態で加熱(殺菌)処理する場合に、殺菌
効率を上げると共に、肉質を硬化させず、食味を保持す
る効果があり、特に有効である。
【0022】次に本発明の第7の態様について説明する
と、香辛料を上述した2つの群に分け、レトルト食品を
製造するそれぞれ別々の工程に添加する。特に、第1群
の香辛料は、澱粉及び油脂とともに加熱すると、特有の
香味を付与できるが、レトルト処理中の過熱によりその
本来の天然の香味が失われやすいものがある。そこで、
第1群の香辛料とは別に、その香味が失われやすい香辛
料を第2の香辛料として併用することにより、香辛料本
来の香味を有し、かつ特有の香味が引き出されたレトル
ト食品を得ることができる。上述した2群の香辛料のう
ち、第1群の香辛料としては、カレーパウダー、カルダ
モンが好ましく、第2群の香辛料としては、クミン、コ
リアンダー、唐辛子、スターアニス、胡椒が好ましい。
本発明の工程(2)における澱粉及び油脂を含む原料と
しては、本発明の第1及び第2の態様における第1群の
材料が好ましい。又、本発明の工程(3)における水を
含む原料としては、本発明の第1及び第2の態様におけ
る第2群の材料が好ましい。ここで、本発明の工程
(3)において、80〜100℃で加熱処理を施して液
状ないしペースト状食品を得るのが好ましい。特に混合
物の品温が80〜100℃に達するように行うのが好ま
しい。これにより、第2群の香辛料に含まれる酵素を失
活させることができ、得られる液状ないしペースト状食
品の風味や物性を好適に発現させることができる。又、
本発明の第5の態様における工程(3)で得られた水溶
液を、ここで用いる水として使用するのが好ましく、
(3)の工程で得られた液状ないしペースト状食品を、
本発明の第5の態様における液体成分から分離した原料
肉と共に容器に充填密封し、次いでレトルト処理を施す
のが好ましい。
【0023】本発明の第1〜第7の態様における液状な
いしペースト状食品としては、スープ、ソースなどの、
例えば、60℃における粘度が、10〜6000cp程
度であるものがあげられる。又、具材としては、本発明
の第5の態様で得られた肉や第6の態様で得られた肉や
魚介類、野菜などがあげられる。又、これらを充填する
容器としては、レトルトパウチなどのレトルト用の容器
が好適なものとしてあげられる。レトルト処理の条件と
しては、120〜125℃でF0値4〜30となるよう
にして行うのが好ましい。本発明では、このようにし
て、具材入りカレー、ハッシュドビーフ、ハヤシ、デミ
グラスソース、シチュー等のレトルト食品を製造するこ
とができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、旨味、甘味、塩味等が
まとまった風味、すなわち、しっかりとした旨味がある
優れた風味を有するレトルト食品、例えば、具材入りカ
レー、ハッシュドビーフ、シチュー等のレトルト食品を
製造することができる。さらに、香辛料の香り立ちが際
立つとともに、香辛料の香味が良好に引き出され、具材
も柔らかいレトルト食品を製造することができる。又、
本発明によれば、このようなレトルト食品を製造するの
に好適に用いることができる流動性調味材、及びレトル
ト食品に加えるのに好適な具材の調製方法を提供するこ
とができる。次に実施例により本発明を説明する。
【0025】
【実施例】実施例1 (1)小麦粉ルウの製造 小麦粉6部、豚脂1部及び牛脂4部を、攪拌羽根を備え
た加熱釜Aに投入し、撹拌羽根を回転(回転数:30r
pm)させながら加熱を開始して、30〜40分間で品
温を130℃に達温させた。130℃に達したらカレー
パウダー2部を更に投入し、このカレーパウダーの投入
によって低下する品温を125℃に達温させ、125℃
に達したら加熱釜Aの加熱を止めて、余熱で品温を11
5〜125℃に5分間保持した。その後品温を90℃以
下にまで冷却して小麦粉ルウを製造した。 (2)焙煎野菜の製造 玉葱を剥皮、洗浄し、ダイサーを用いて約20mm角に
カットして得られた玉葱細断物15部、油脂(豚脂・牛
脂・バター)2部、肉エキス1部、蛋白加水分解物1
部、リンゴペースト1部、及び水6部を、攪拌羽根を備
えた加熱釜Bに投入した。撹拌羽根を回転(回転数:2
0rpm)させながら加熱を開始して、品温を95℃に
達温させ、95〜100℃で40分間煮込んで焙煎野菜
を製造した。この焙煎野菜の水分は78.5質量%であ
り、糖類含量は8.3質量%であり、ペプチド含量は3.
5質量%であり、そのpHは5.0であった。
【0026】(3)具材(牛肉)の製造 牛肉をダイサーを用いて約30mm×30mm×7mm
にカットし、カットした牛肉をメッシュカゴに入れて1
質量%のクエン酸ナトリウム水溶液(25℃)に30分
間浸漬し、当該水溶液を95℃に加熱して95℃で20
分間保持してボイル処理した後、当該水溶液からメッシ
ュカゴを引上げてボイル処理済の牛肉を回収した。また
その一方で、上記水溶液をストックタンクに回収して7
0℃に保持してストックした。1時間ストック後、この
水溶液の表面には牛肉由来の油脂が浮かび、また底には
牛肉由来の灰汁が溜まった。 (4)具材(野菜)の製造 人参を剥皮、洗浄し、ダイサーを用いて約15mm角に
ダイスカットした。馬鈴薯を剥皮、洗浄し、ダイサーを
用いて約15mm角にダイスカットした。 (5)カレーソースの製造 加熱釜A内の小麦粉ルウを、ポンプを備えたパイプ
を介して攪拌羽根を備えた別の加熱釜Cに送った。 次に、乳原料0.2部、砂糖2部、食塩1部、グル
タミン酸ナトリウム1部、トマトペースト1部、及び水
42.5部を上記加熱釜Cに投入した。 次に、加熱釜B内の焙煎野菜を、ポンプを備えたパ
イプを介して上記加熱釜Cに送った。 次に、上記ストックタンクの中央に存在する水溶液
10部を、ポンプを備えたパイプを介して上記加熱釜C
に送った。 次に、加熱釜Cの撹拌羽根を回転(回転数:20r
pm)させながら加熱を開始して95℃に達温させ、9
5℃に達したら加熱釜Cの加熱を止めて、更に、クミン
パウダー0.1部、コリアンダーパウダー0.1部、唐
辛子パウダー0.1部及び水3部からなる混合物を投入
し、撹拌羽根を回転させながら品温90〜95℃の状態
を10分間保持してカレーソースを製造した。
【0027】(6)レトルトカレーの製造 上記加熱釜C内のカレーソースを、ポンプを備えたパイ
プを介して充填機に送り、この充填機から品温70℃以
上に保持してレトルトパウチに160gを充填するとと
もに、具材として製造した人参10g、馬鈴薯25g及
び牛肉5gを充填し、当該レトルトパウチを密封し、1
22℃で、20分間の条件でレトルト処理を施して、レ
トルトパウチ入りのレトルトカレーを製造した(FO値
8)。 (7)レトルトカレーの品質 このカレーソースは、香辛料の香り立ちが際立つと
ともに、香辛料の香味が良好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。
【0028】実施例2 具材(牛肉)の製造を次に示す方法で行った以外は、実
施例1と同様にして、レトルトパウチ入りのレトルトカ
レーを製造した。 具材(牛肉)の製造 牛肉をダイサーを用いて約30mm×30mm×7mm
にカットし、カットした牛肉をメッシュカゴに入れて、
クエン酸ナトリウム0.3質量%、塩化ナトリウム1.
0質量%を含む水溶液(60℃)に60分間浸漬し、当
該水溶液を95℃に加熱して95℃で20分間保持して
ボイル処理した後、当該水溶液からメッシュカゴを引上
げてボイル処理済の牛肉を回収した。またその一方で、
上記水溶液をストックタンクに回収して70℃に保持し
てストックした。1時間ストック後、この水溶液の表面
には牛肉由来の油脂が浮かび、また底には牛肉由来の灰
汁が溜まった。得られたレトルトカレーの品質は、次の
通りであった。 このカレーソースは、香辛料の香り立ちが際立つと
ともに、香辛料の香味が良好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。
【0029】実施例3 具材(牛肉)の製造を次に示す方法で行った以外は、実
施例1と同様にして、レトルトパウチ入りのレトルトカ
レーを製造した。 具材(牛肉)の製造 牛肉をダイサーを用いて約30mm×30mm×7mm
にカットし、カットした牛肉をメッシュカゴに入れて、
ゼラチン0.50質量%を含む水溶液(25℃)に12
0分間浸漬し、当該水溶液を95℃に加熱して95℃で
20分間保持してボイル処理した後、当該水溶液からメ
ッシュカゴを引上げてボイル処理済の牛肉を回収した。
またその一方で、上記水溶液をストックタンクに回収し
て70℃に保持してストックした。1時間ストック後、
この水溶液の表面には牛肉由来の油脂が浮かび、また底
には牛肉由来の灰汁が溜まった。得られたレトルトカレ
ーの品質は、次の通りであった。このカレーソースは、
香辛料の香り立ちが際立つとともに、香辛料の香味が良
好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。
【0030】実施例4 具材(牛肉)の製造を次に示す方法で行った以外は、実
施例1と同様にして、レトルトパウチ入りのレトルトカ
レーを製造した。 具材(牛肉)の製造 牛肉をダイサーを用いて約30mm×30mm×7mm
にカットし、カットした牛肉300部をメッシュカゴに
入れて、乳酸1質量%、乳酸ナトリウム0.8質量%、
ショ糖5質量%を含むpH緩衝溶液450部(25℃)
に浸漬し、当該水溶液を90℃に加熱して90℃で10
分間保持してボイル処理した後、当該水溶液からメッシ
ュカゴを引上げてボイル処理済の牛肉を回収した。また
その一方で、上記水溶液をストックタンクに回収して7
0℃に保持してストックした。1時間ストック後、この
水溶液の表面には牛肉由来の油脂が浮かび、また底には
牛肉由来の灰汁が溜まった。尚、上記緩衝溶液のpH
は、ボイル処理前は3.74で、処理後は4.23で、
ボイル処理の間3.74〜4.23の範囲で推移した。
尚、上記の処理を施したボイル牛肉は、歩留りが70.
2質量%であった。得られたレトルトカレーの品質は、
次の通りであった。 このカレーソースは、香辛料の香り立ちが際立つと
ともに、香辛料の香味が良好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。 牛肉がジューシーで軟らかい食感と、酸味が感じら
れず自然な風味を有していた。
【0031】実施例5 具材(牛肉)の製造を次に示す方法で行った以外は、実
施例1と同様にして、レトルトパウチ入りのレトルトカ
レーを製造した。 具材(牛肉)の製造 牛肉をダイサーを用いて約30mm×30mm×7mm
にカットし、カットした牛肉300部をメッシュカゴに
入れて、炭酸水素Na0.2質量%、クエン酸ナトリウ
ム1質量%、グルタミン酸ナトリウム2質量%、ショ糖
5質量%を含むpH緩衝溶液450部(25℃)に浸漬
し、当該水溶液を90℃に加熱して90℃で10分間保
持してボイル処理した後、当該水溶液からメッシュカゴ
を引上げてボイル処理済の牛肉を回収した。またその一
方で、上記水溶液をストックタンクに回収して70℃に
保持してストックした。1時間ストック後、この水溶液
の表面には牛肉由来の油脂が浮かび、また底には牛肉由
来の灰汁が溜まった。尚、上記緩衝溶液のpHは、ボイ
ル処理前は7.79で、処理後は7.16で、ボイル処
理の間7.79〜7.16の範囲で推移した。尚、上記
の処理を施したボイル牛肉は、歩留りが68.9質量%
であった。得られたレトルトカレーの品質は、次の通り
であった。 このカレーソースは、香辛料の香り立ちが際立つと
ともに、香辛料の香味が良好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。 牛肉がジューシーで軟らかい食感と自然な風味を有
していた。
【0032】実施例6 (1)小麦粉ルウの製造 小麦粉5部、豚脂3.5部及び牛脂1.5部を、攪拌羽
根を備えた加熱釜Aに投入し、撹拌羽根を回転(回転
数:30rpm)させながら加熱を開始して、30〜4
0分間で品温を130℃に達温させた。130℃に達し
たらカレーパウダー1.5部を更に投入し、このカレー
パウダーの投入によって低下する品温を125℃に達温
させ、125℃に達したら加熱釜Aの加熱を止めて、余
熱で品温を115〜125℃に5分間保持した。その後
品温を90℃以下にまで冷却して小麦粉ルウを製造し
た。 (2)焙煎野菜の製造 玉葱を剥皮、洗浄し、ダイサーを用いて約20mm角に
カットして得られた玉葱細断物24部、油脂(豚脂・牛
脂・バター)2部、糖類1部、酵母エキス0.2部、肉
エキス1部、蛋白加水分解物0.5部、リンゴペースト
0.5部、及び水12部を攪拌羽根を備えた加熱釜Bに
投入した。撹拌羽根を回転(回転数:20rpm)させ
ながら加熱を開始して品温を95℃に達温させ、95〜
105℃で40分間煮込んで焙煎野菜を製造した。この
焙煎野菜の水分は81.0%であり、糖類含量は11.
0%であり、ペプチド含量は1.9質量%であり、その
pHは5.2であった。
【0033】(3)具材(牛肉)の製造 牛肉を、ダイサーを用いて約30mm×30mm×7m
mにカットし、カットした牛肉をメッシュカゴに入れて
1質量%のクエン酸ナトリウム水溶液(25℃)に30
分間浸漬し、当該水溶液を95℃に加熱して20分間保
持してボイル処理した後、当該水溶液からメッシュカゴ
を引上げてボイル処理済の牛肉を回収した。またその一
方で、上記水溶液をストックタンクに回収して70℃に
保持してストックした。1時間ストック後、この水溶液
の表面には牛肉由来の油脂が浮かび、また底には牛肉由
来の灰汁が溜まった。 (4)具材(野菜)の製造 人参を剥皮、洗浄し、ダイサーを用いて約15角にダイ
スカットした。馬鈴薯を剥皮、洗浄し、ダイサーを用い
て約15角にダイスカットした。
【0034】(5)カレーソースの製造 加熱釜A内の小麦粉ルウを、ポンプを備えたパイプ
を介して攪拌羽根を備えた別の加熱釜Cに送った。 次に、乳原料0.5部、食塩1部、グルタミン酸ナ
トリウム0.5部、トマトペースト1部、チャツネ1
部、及び水34.1部を上記加熱釜Cに投入した。 次に、加熱釜B内の焙煎野菜を、ポンプを備えたパ
イプを介して上記加熱釜Cに送った。 次に、上記ストックタンクの中央に存在する水溶液
7部をポンプを備えたパイプを介して上記加熱釜Cに送
った。 次に、加熱釜Cの撹拌羽根を回転(回転数:20r
pm)させながら加熱を開始して95℃に達温させ、9
5℃に達したら加熱釜Cの加熱を止めて、更にクミンパ
ウダー0.1部、及びカルダモンパウダー0.1部、及
び水2部からなる混合物を投入し、撹拌羽根を回転させ
ながら品温90〜95℃の状態を10分間保持してカレ
ーソースを製造した。
【0035】(6)レトルトカレーの製造 上記加熱釜C内のカレーソースを、ポンプを備えたパイ
プを介して充填機に送り、この充填機から品温70℃以
上の品温を保持してレトルトパウチに160gを充填す
るとともに、具材として製造した人参13g、馬鈴薯3
0g及び牛肉7gを充填し、当該レトルトパウチを密封
し、122℃で、23分間の条件でレトルト処理を施し
て、レトルトパウチ入りのレトルトカレーを製造した
(FO値8)。得られたレトルトカレーの品質は、次の
通りであった。 このカレーソースは、香辛料の香り立ちが際立つと
ともに、香辛料の香味が良好に引き出されていた。 このカレーソースは、旨味、甘味、酸味がまとまっ
た風味、即ち、すっきりしているが、芯となるしっかり
した旨味があった。また、牛肉の旨味を十分に有するも
のであった。 このカレーソースは、乳原料やトマトペーストなど
の風味が良好であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵本 章雅 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 立川 佳伸 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 (72)発明者 鈴木 しのぶ 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 Fターム(参考) 4B036 LC01 LE04 LE05 LF03 LF05 LF07 LP01 LP18 LP21

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(1)〜(5)の工程を採用するこ
    とを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)澱粉及び油脂を含む第1群の材料に加熱処理を施
    す工程、(2)水、糖類及びペプチドを含む第2群の材
    料に加熱処理を施す工程、(3)前記の加熱処理を施し
    た第1群の材料と、前記の加熱処理を施した第2群の材
    料とを混合し、必要により加熱処理を施して液状ないし
    ペースト状食品を得る工程、(4)前記液状ないしペー
    スト状食品及び必要により具材を容器に充填密封する工
    程、(5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品
    にレトルト処理を施す工程。
  2. 【請求項2】 次の(1)〜(5)の工程を採用するこ
    とを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)澱粉及び油脂を含む第1群の材料に加熱処理を施
    す工程、(2)水、糖類及びペプチドを含む第2群の材
    料に加熱処理を施す工程、(3)前記の加熱処理を施し
    た第1群の材料と、前記の加熱処理を施した第2群の材
    料と、塩、アミノ酸系調味料、野菜・果実原料、乳原料
    及び香辛料から選ばれた1以上を含む第3群の材料とを
    混合し、必要により加熱処理を施して液状ないしペース
    ト状食品を得る工程、(4)前記液状ないしペースト状
    食品及び必要により具材を容器に充填密封する工程、
    (5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレ
    トルト処理を施す工程。
  3. 【請求項3】 第2群の材料に95℃以上の温度で加熱
    処理を施す請求項1又は請求項2に記載のレトルト食品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 第2群の材料のpHが4.2〜5.5で
    ある請求項1又は請求項2に記載のレトルト食品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 第2群の材料がタマネギを20〜70質
    量%含む請求項1又は請求項2に記載のレトルト食品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 第2群の材料がペプチドを0.1〜8質
    量%含む請求項1又は請求項2に記載のレトルト食品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ペプチドが、酵母エキス、タンパク
    加水分解物及び肉エキスのうちから選ばれた1以上の材
    料由来のものである請求項1又は請求項2に記載のレト
    ルト食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 第1群の材料に110℃以上の温度で加
    熱処理を施す請求項1又は請求項2に記載のレトルト食
    品の製造方法。
  9. 【請求項9】 次の(1)〜(4)の工程を採用するこ
    とを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)水、糖類及びペプチドを含む第1群の材料に加熱
    処理を施す工程、(2)前記の加熱処理を施した第1群
    の材料と、塩、アミノ酸系調味料、野菜・果実原料、乳
    原料及び香辛料から選ばれた1以上を含む第2群の材料
    とを混合し、必要により加熱処理を施して液状ないしペ
    ースト状食品を得る工程、(3)前記の液状ないしペー
    スト状食品及び必要により具材を容器に充填密封する工
    程、(4)前記(3)の工程で容器に充填密封した食品
    にレトルト処理を施す工程。
  10. 【請求項10】 第1群の材料に95℃以上の温度で加
    熱処理を施す請求項9に記載のレトルト食品の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 第1群の材料のpHが4.2〜5.5
    である請求項9に記載のレトルト食品の製造方法。
  12. 【請求項12】 第1群の材料がタマネギを20〜70
    質量%含む請求項9に記載のレトルト食品の製造方法。
  13. 【請求項13】 第1群の材料がペプチドを0.1〜8
    質量%含む請求項9に記載のレトルト食品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ペプチドが、酵母エキス、タンパ
    ク加水分解物及び肉エキスのうちから選ばれた1以上の
    材料由来のものである請求項9に記載のレトルト食品の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 水、糖類及びペプチドを含む材料を、
    95〜105℃で20〜120分間に煮込むことを特徴
    とする流動性調味材の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記調味材のpHが4.2〜5.5で
    ある請求項15に記載の流動性調味材の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記材料がタマネギを20〜70質量
    %含む請求項15に記載の流動性調味材の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記材料がペプチドを0.1〜8質量
    %含む請求項15に記載の流動性調味材の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ペプチドが、酵母エキス、タンパ
    ク加水分解物及び肉エキスのうちから選ばれた1以上の
    材料由来のものである請求項15に記載の流動性調味材
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 次の(1)〜(5)の工程を採用する
    ことを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)原料肉をカルボン酸ナトリウム水溶液に浸漬し
    て、又は予めカルボン酸ナトリウムを含ませてなる原料
    肉を水に浸漬して、ボイル処理を施す工程、(2)前記
    (1)の工程後、原料肉と液体成分を分離する工程、
    (3)前記液体成分から灰汁及び/又は油分を分離した
    ものを、澱粉を含む原料に加えて加熱処理を施して液状
    ないしペースト状食品を得る工程、(4)前記液状ない
    しペースト状食品と、前記(2)の工程で液体成分から
    分離した原料肉とを容器に充填密封する工程、(5)前
    記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレトルト処
    理を施す工程。
  21. 【請求項21】 原料肉をカルボン酸ナトリウム水溶液
    に浸漬することによって原料肉中にカルボン酸ナトリウ
    ムを予め含ませる請求項20に記載のレトルト食品の製
    造方法。
  22. 【請求項22】 カルボン酸ナトリウムが、クエン酸ナ
    トリウムであり、前記(1)の工程の前又はこの工程の
    際に、原料肉中にクエン酸ナトリウム及びクエン酸ナト
    リウム以外の塩を含ませる請求項20に記載のレトルト
    食品の製造方法。
  23. 【請求項23】 クエン酸ナトリウム及びクエン酸ナト
    リウム以外の塩を含む水溶液に浸漬することによって原
    料肉中にクエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム以
    外の塩を含ませる請求項22に記載のレトルト食品の製
    造方法。
  24. 【請求項24】 工程(1)が、原料肉をクエン酸ナト
    リウム及びクエン酸ナトリウム以外の塩を含む水溶液に
    浸漬し、次いで当該水溶液中でボイルする請求項23に
    記載のレトルト食品の製造方法。
  25. 【請求項25】 次の(1)〜(5)の工程を採用する
    ことを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)原料肉を動物性蛋白水溶液に浸漬して、又は予め
    動物性蛋白を含ませてなる原料肉を水に浸漬して、ボイ
    ル処理を施す工程、(2)前記(1)の工程後、原料肉
    と液体成分を分離する工程、(3)前記液体成分から灰
    汁及び/又は油分を分離したものを、澱粉を含む原料に
    加えて加熱処理を施して液状ないしペースト状食品を得
    る工程、(4)前記液状ないしペースト状食品と、前記
    (2)の工程で液体成分から分離した原料肉とを容器に
    充填密封する工程、(5)前記(4)の工程で容器に充
    填密封した食品にレトルト処理を施す工程。
  26. 【請求項26】 原料肉を動物性蛋白溶液に浸漬するこ
    とによって原料肉中に予め動物性蛋白を含ませる請求項
    25に記載のレトルト食品の製造方法。
  27. 【請求項27】 動物性蛋白が、ゼラチン、アルブミ
    ン、カゼインのいずれかである請求項25又は26に記
    載のレトルト食品の製造方法。
  28. 【請求項28】 次の(1)〜(5)の工程を採用する
    ことを特徴とするレトルト食品の製造方法。 (1)香辛料を少なくとも次の2つの群に分ける工程、 (第1群の香辛料) カレーパウダー、カルダモン、ク
    ローブ、フェンネル、フェヌグリーク、ガーリック、ナ
    ツメグ、オニオン、クミン、ターメリック、コリアンダ
    ー、ローレル、唐辛子、胡椒及びシナモンから選ばれた
    1以上を含む。 (第2群の香辛料) クミン、カルダモン、胡椒、コリ
    アンダー、唐辛子、スターアニス及びクローブのうちの
    1以上を含む。 (2)澱粉、油脂及び前記第1群の香辛料を含む原料に
    加熱処理を施して小麦粉ルウを得る工程、 (3)前記ルウに対して水を含む原料及び第2群の香辛
    料を添加混合し、必要により加熱処理を施して液状ない
    しペースト状食品を得る工程、 (4)前記液状ないしペースト状食品を容器に充填密封
    する工程、 (5)前記(4)の工程で容器に充填密封した食品にレ
    トルト処理を施す工程。
  29. 【請求項29】 前記(2)の工程において、澱粉、油
    脂及び第1群の香辛料を含む原料に110℃以上の温度
    で加熱処理を施す請求項28に記載のレトルト食品の製
    造方法。
  30. 【請求項30】 前記(3)の工程において、前記ルウ
    に対して水を含む原料及び第2群の香辛料を添加混合
    し、80〜100℃で加熱処理を施して液状ないしペー
    スト状食品を得る請求項28に記載のレトルト食品の製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記(5)の工程において、レトルト
    処理の条件が120〜125℃で、F0値4〜30であ
    る請求項28に記載のレトルト食品の製造方法。
  32. 【請求項32】 次の(6)〜(8)の工程を経て得ら
    れた水溶液を、(3)の工程で用いる水を含む原料とし
    て使用する請求項28に記載のレトルト食品の製造方
    法。 (6)原料肉を水に加えてボイル処理を施す工程、 (7)前記(6)の工程後、原料肉と液体成分を分離す
    る工程、 (8)前記液体成分から灰汁及び/又は油分を分離して
    水溶液を得る。
  33. 【請求項33】 (3)の工程で得られた液状ないしペ
    ースト状食品を、(7)の工程で液体成分から分離した
    原料肉と共に容器に充填密封し、次いでレトルト処理を
    施す請求項32に記載のレトルト食品の製造方法。
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