JP2003037349A - 回路基板の製造方法 - Google Patents
回路基板の製造方法Info
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Abstract
で、基板の表裏両面に多数個の回路ユニットが連結され
たパターンを接続信頼性のある方法で、且つ、回路基板
上の電極部位と、配線部位とでそれぞれ異なるパターニ
ングを、一度セットした金属マスクを交換することな
く、物理蒸着にて実現する。 【解決手段】 基板1の表裏両面に、電極部3と配線部
4のパターン形成部5,6を有し且つ配線部4のパター
ン形成部6の一部に橋状の補強部8が設けられた下部金
属マスク9を挟み込み、下部金属マスク9の非パターン
部7を基板1に密着させて薄膜形成する工程と、基板1
の表裏両面に下部金属マスク9を残したまま一方の下部
金属マスク9上に、少なくとも下部金属マスク9の橋状
の補強部8上に対向する配線部用パターン形成部11を
有し且つ電極部3が非パターン部12となっている上部
金属マスク10を配置して薄膜形成する工程とを備え
る。
Description
て基板に回路形成する方法の一つで、特に一続きの回路
を基板の表裏に形成する回路基板の製造方法に関するも
のである。
種多様あり、基板上にあらかじめ設けられた蒸着粒子を
回路となる部分だけを残して除去する方法と、基板上に
必要部分のみ露出させてそれ以外をマスキングして蒸着
粒子を露出部に析出させることで回路とする方法とに大
別される。後者の場合、一般的には、レジストを用いた
フォトリソグラフィ法を用いるか、或いは金属マスクを
用いて、マスキングをする方法がある。フォトリソグラ
フィは、パターン形成の微細化・多層化・複雑な回路の
引回しに有利であるが、その反面、レジスト形成および
剥離工程を必要とするために基板の種類やコスト・環境
対策などに課題がある。
基板へのセッティングが容易であること、マスクを繰り
返し使用できコストに有利であることから、従来より簡
易なパターニングに使用されてきたが、パターンの微細
化や複雑な回路の引き回しには課題が多いのが現状であ
る。
金属マスクの加工精度上、パターン幅(金属マスクの開
口部幅)は、金属マスクの板厚程度までしか安定して作
製できず、例えばパターンの最小幅が150μmの場
合、板厚は150μm以下を使用せざるを得ない。従っ
て、さらに微細パターンを形成しようとすれば、板厚を
さらに薄くしなければならず、マスクの強度的な問題が
出てくる。
ば図19に示すような閉回路もしくは略閉回路状のパタ
ーンがある。図19中の2は回路ユニット、4は配線部
である。この閉回路状のパターンを形成する方法とし
て、特開昭53−97795号に示されるように、金属
マスクのパターンの一部を残して片側からのみエッチン
グした部位を作り、ほぼ閉回路状のパターンを形成する
方法が知られている。しかし、微細パターンを形成する
場合、上記に述べたように板厚を薄くする必要があるた
め補強部の厚みも十分えられなくなり、またマスクの作
製及び使用に耐え得る厚みは100μm程度であるた
め、マスクの強度的な問題が顕著になり、他の従来例と
して、特許10−83458号では、パターンを形成し
たマスクにパターンを横断する補強部を設けているが、
スペーサーによりマスクを基板から浮かせて保持し、さ
らに蒸着の際に蒸着源から基板を傾けることでその補強
部の下にも蒸着粒子を届かせることで、閉回路パターン
を形成できることを提案している。しかしこの方法で
は、回路に必要な部位が基板に密着しておらず全ての回
路の輪郭において蒸着粒子が入り込み、任意のパターン
幅(特に微細な幅である程)の回路を形成することが難
しい。また、上記の特開昭53−97795号、特許1
0−83458号の提案においても、パターン形成部に
必要とする膜厚が薄くなるとその補強部の下でのパター
ンのつながりは不十分となり、例えば後にそのパターン
形成部を用いて電気的処理を必要とする場合(電気メッ
キや、分極処理など)に、導電体パターンとしての役目
をなさない可能性がある。
571号には、単純な回路の組み合わせで、回数を分け
てパターニングすることで上記課題を解決することが提
案されているが、例えば基板として機能性材料を用いて
センサ等を構成する場合は、両面に位置決めされたパタ
ーンを必要とし、金属マスクを基板の両側から精度よく
挟み込む必要があり、一度形成されたパターンに別のパ
ターンが描かれた金属マスクを精度良くセッティングす
ることは難しく、また煩雑な機構が必要となる。
例の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的と
するところは、金属マスクを用いる簡易なパターニング
方法で、基板の表裏両面に多数個の回路ユニットが連結
されたパターンを接続信頼性のある方法で、且つ、回路
基板上の電極部位と、配線部位とでそれぞれ異なるパタ
ーニングを、一度セットした金属マスクを交換すること
なく、物理蒸着にて実現できる回路基板の製造方法を提
供するにあり、他の目的とするところは、パターン幅を
微細化するために金属マスクの板厚を薄くした場合でも
その強度を確保できる回路基板の製造方法を提供するに
ある。
に請求項1記載の発明にあっては、1枚の基板1上に多
数個の回路ユニット2を閉回路パターンもしくは略閉回
路パターンで形成するにあたって、センサなどの電極部
3と配線部4とを基板1の表裏両面に物理蒸着により薄
膜形成するようにした回路基板の製造方法において、基
板1の表裏両面に、電極部3のパターン形成部5と配線
部4のパターン形成部6とを有し且つ配線部4のパター
ン形成部6の一部に非パターン部7間に接続される橋状
の補強部8が設けられた下部金属マスク9を挟み込み、
下部金属マスク9の非パターン部7を基板1に密着させ
た状態で基板1上に電極部3と配線部4とを薄膜形成す
る工程と、基板1の表裏両面に下部金属マスク9を配置
した状態で一方の下部金属マスク9上に、少なくとも下
部金属マスク9の橋状の補強部8上に対向する配線部用
パターン形成部11を有し且つ電極部3が非パターン部
12となっている上部金属マスク10を配置して、配線
部4を薄膜形成する工程とを備えていることを特徴とし
ており、このように構成することで、上記2段階の工程
で、下部金属マスク9と上部金属マスク10とを基板1
に一度セットするだけで、基板1の表裏両面に電極部3
と配線部4とを異なるパターニングで形成することがで
きる。しかも、金属マスク9,10を一度セットするだ
けでよく、そのうえ一度セットした金属マスク9,10
を交換する必要がなく、さらに下部金属マスク9に設け
られる橋状の補強部8の上方に、上部金属マスク10の
配線部用パターン形成部11を配置することで、薄膜パ
ターンのつながり性が良くなり、閉回路もしくは略閉回
路状のパターンを容易に形成できるようになる。
いて、橋状の補強部8を、各回路ユニット2の配線部4
の接続部位における1ユニットとして切り出される切り
代部60に配置したことを特徴とするのが好ましく、こ
の場合、下部金属マスク9の橋状の補強部8において物
理蒸着による膜の厚み、質が異なる場合でも、この箇所
を回路ユニット2の切り代部60とすることで、回路ユ
ニット2の配線信頼性を確保できる。
請求項2において、橋状の補強部8を二股状に形成する
と共に、その間隔を下部金属マスク9の板厚D以上とし
たことを特徴とするのが好ましく、この場合、橋状の補
強部8を二股に分けることで橋状の補強部8の強度を上
げることができると共に、薄膜パターンのつながり性を
確保できる。
求項3のいずれかにおいて、橋状の補強部8の断面形状
が基板1側に向かって先細状となるように、橋状の補強
部8の側面8aを傾斜させることを特徴とするのが好ま
しく、この場合、蒸着源50からの蒸着粒子が橋状の補
強部8の傾斜した側面8aを回り込んで基板1側に蒸着
され易くなる。
求項4のいずれかにおいて、橋状の補強部8の断面形状
を、蒸着源50側に膨らんだアーチ状としたことを特徴
とするのが好ましく、この場合、蒸着源50からの蒸着
粒子が橋状の補強部8を一層回り込み易くすることがで
きる。
求項5のいずれかにおいて、橋状の補強部8の上に被せ
られる上部金属マスク10の配線部用パターン形成部1
1の大きさを、橋状の補強部8の端部8bから少なくと
も上部金属マスク10の板厚d以上の広がりを持つ大き
さにしたことを特徴とするのが好ましく、この場合、上
部金属マスク10の配線部用パターン形成部11が下部
金属マスク9の補強部8の上方から位置ずれしないよう
に配置でき、上下2枚の金属マスク9,10の位置関係
に精度を持たせることができるようになる。
求項6のいずれかにおいて、橋状の補強部8を含む下部
金属マスク9全体を、下部金属マスク9の板厚Dの1/
2以下の太さでメッシュ状に織られた支持体13にて支
持したことを特徴とするのが好ましく、この場合、メッ
シュ状の支持体13を用いて細い橋状の補強部8を含む
下部金属マスク9全体を支持することによって、パター
ン幅を微細化するために金属マスク9,10の板厚を薄
くした場合でも、橋状の補強部8の部位の強度を上げる
ことができると共に、物理蒸着に支障をきたさないよう
にしながら、金属マスク9,10による薄膜形成が行え
るようになる。
いて、基板1上の1つの回路ユニット2に対して2箇所
以上の隣接する回路ユニット2からの配線を行うことを
特徴とするのが好ましく、この場合、閉回路もしくは略
閉回路のパターンを形成するにあたって、配線部4のつ
ながり信頼性を向上させることができる。
いて、基板1の表裏両面の下部金属マスク9を基板1に
対して各々位置決めし且つ上部金属マスク10を位置決
めするための位置決めガイド14を備えたマスク固定治
具15を設けたことを特徴とするのが好ましく、この場
合、基板1の表裏両面の金属マスク9,10がマスク固
定治具15により基板1に対して各々位置決めされるよ
うになり、金属マスク9,10の位置合わせ精度が良く
なる。
おいて、基板1の表裏両面に下部金属マスク9を挟み込
むと共に一方の下部金属マスク9上に上部金属マスク1
0を配置して基板1上に配線部4を薄膜形成し、その
後、上部金属マスク10のみを取り外して、基板1上に
電極部3と配線部4とを薄膜形成することを特徴とする
のが好ましく、この場合、上部金属マスク10の脱着が
容易で且つ位置ずれもしにくなり、薄膜パターンの精度
向上を図ることができる。
おいて、上部金属マスク10及び下部金属マスク9を各
々磁性体とし、非蒸着面16側に配置した磁石17によ
り基板1と各金属マスク9,10とを吸着保持すること
を特徴とするのが好ましく、この場合、上部金属マスク
10と下部金属マスク9とを重ねて基板1上にセットす
る作業を、磁石17を利用して簡易且つ精度良く行うこ
とができると共に、基板1に対する金属マスク9,10
の位置ずれも防止できる。
において、剛性の高い非磁性体からなるプレート18を
非蒸着面16側の下部金属マスク9と磁石17との間に
配置し、蒸着面側の上部金属マスク10の脱着時におい
てプレート18を仮固定して磁石17を上部金属マスク
10から離反する方向に移動させるためのプレート押さ
え用治具80を設けたことを特徴とするのが好ましく、
この場合、プレート18が磁石17に引き付けられない
ように、プレート押さえ用治具80によってプレート1
8を保持したまま、上部金属マスク10の取り付け或い
は取り外しができ、しかも上部金属マスク10を取り付
ける際には位置ずれなく取り付け可能となる。また磁石
17が移動することによって、上部金属マスク10が磁
石17に引き付けられて撓むことがないため、基板1の
破損を引き起こすこともなくなる。
において、上部金属マスク10の脱着時において磁石1
7を上部金属マスク10から一時的に遠ざけるための手
段を設けたことを特徴とするのが好ましく、この場合、
上部金属マスク10の脱着時に上部金属マスク10を磁
石17から一時的に切り離すことができ、上部金属マス
ク10が磁石17に引き付けられなくなり、上部金属マ
スク10の取り付け或いは取り外しが容易に行えると共
に、取り付けの際には上部金属マスク10を位置ずれな
く取り付け可能となり、基板1の破損を引き起こすこと
もなくなる。
おいて、蒸着源50に対して基板1の表裏方向が入れ替
わるように基板1を回転させるための回転軸20を設
け、基板1を回転させながら薄膜形成を行うことを特徴
とするのが好ましく、この場合、基板1の表裏両面とも
薄膜形成を行いながら、同時に配線部4の橋状の補強部
8の下方における薄膜パターンのつながり性を良くする
ことができる。
おいて、薄膜形成用の蒸着粒子の平均自由行程が金属マ
スク9,10のパターン形成部5,6の開口幅より小さ
い雰囲気ガス中にて薄膜形成を行うことを特徴とするの
が好ましく、この場合、蒸着粒子が金属マスク9,10
のパターン形成部5,6を通過して基板1上に届きやす
くなり、膜厚の均一性が向上すると共に、蒸着粒子を橋
状の補強部8の下方の橋状部位にも十分に届かせること
ができ、薄膜パターンのつながり性が良くなる。
おいて、焦電効果のある基板1のの表裏両面に赤外線セ
ンサ2aの電極部3と配線部4とを薄膜形成することを
特徴とするのが好ましく、この場合、赤外線の取り込み
量が増える結果、検出性能が良くなる。
施形態に基づいて説明する。
し、図2(a)は下部金属マスク9の配線部4のパター
ン形成部6付近の斜視図を示し、図2(b)は赤外線セ
ンサ2aの電極部3と配線部4の斜視図を示している。
ト2(図10)が配置され、各回路ユニット2は配線部
4を介してすべて連結されており、閉回路もしくは略閉
回路パターンとなっている。赤外線センサ2a(図1
8)などの電極部3と配線部4とを基板1の表裏両面に
薄膜形成形成するにあたって、予め基板1の表裏両面に
下部金属マスク9をそれぞれ挟み込むと共に、一方の下
部金属マスク9の上に上部金属マスク10を配置するよ
うにしている。
ように、電極部3のパターン形成部5と配線部4のパタ
ーン形成部6とを有し且つ配線部4のパターン形成部6
の一部に非パターン部7間に接続される橋状の補強部8
が設けられている。この下部金属マスク9の作製方法と
して、金属マスク9,10のエッチングによる方法があ
る。このとき橋状の補強部8の部位は、金属マスク9,
10の両面に貼るレジストパターンを片側のみ開口させ
てエッチングを行う。なおこれは一例であり、他の方法
で形成されてもよいものである。
金属マスク9の橋状の補強部8上に対向する配線部用パ
ターン形成部11が開口しており、上記電極部3に対応
する部位は非パターン部7となっている。ここで下部金
属マスク9の橋状の補強部8の下側に形成される薄膜
は、他の回路部分(補強部位以外の配線部4)の薄膜と
は異なるため、上部金属マスク10の補強部8との対向
位置に配線部用パターン形成部11を開口しており、こ
れによって、橋状の補強部8の下側における薄膜パター
ンのつながり性(物理蒸着膜のつながり)を確保できる
ようにしている。なお、上部金属マスク10の配線部用
パターン形成部11は最低限、橋状の補強部8の上方に
設けられる必要があるが、橋状の補強部8以外の配線部
4全体に亘って設けられてもよいものである。ここで、
基板1上に形成される回路ユニット2が赤外線センサ2
a(図18)の場合、電極部3は例えば、300Å以下
の極薄膜、配線部4は例えば300Å以上とされる。こ
の配線部4は隣接する回路ユニット2の配線パターンと
の接続用を兼ねている。
スク9と上部金属マスク10とを相対的に位置決めし、
物理蒸着によって基板1上にセンサユニットの電極部3
と配線部4とを各々形成する。このとき最初に図1
(b)に示すように、下部金属マスク9の非パターン部
7を基板1に密着させて、物理蒸着により電極部3と配
線部4とを薄膜形成する工程を行い、次に図1(a)に
示すように、下部金属マスク9を基板1上に残したまま
で、基板1の表裏両面のいずれか一方の下部金属マスク
9上に上部金属マスク10を重ねて、物理蒸着により配
線部4を薄膜形成する工程を行う。これにより、基板1
への金属マスク9,10の一度のセッティングで、電極
部3と配線部4とを異なるパターンで形成できるように
なる。つまり、金属マスク9,10を基板1の表裏両面
から精度良く挟み込むことができるため、従来のように
一度形成されたパターンに別のパターンを精度良くセッ
トするという困難な作業を省略でき、またセッティング
のための煩雑な機構を別途用意する必要もなくなる。
に示す工程の順序はどちらを先にしてもよいが、いずれ
の場合においても、2種類の金属マスク9,10を基板
1の表裏両面に1度セットするだけで、基板1の表裏両
面に電極部3と配線部4とを異なるパターンで形成でき
る。
一度セットするだけでよく、また一度セットした金属マ
スク9,10を交換する必要がないため、回路(特に配
線部4)の微細化を実現できると共に、金属マスク9,
10の非パターン部7(非開口部)を基板1に密着させ
ているため、回路に必要な部位が基板1に密着すること
となり、全ての回路の輪郭において蒸着粒子が入り込む
おそれがなく、任意のパターン幅(特に微細な幅である
程)の回路を形成することが容易となる。この結果、例
えばコンデンサなどの各回路ユニット2の配置面積の省
スペース化、配線部4の接続パターンの変更に容易に対
応できるものとなる。
8を設けることで、閉回路もしくは略閉回路状のパター
ンが形成可能となる。ここで、下部金属マスク9のみに
よる薄膜形成では、橋状の補強部8の下でのパターンの
つながりが不十分となるが、上部金属マスク10の配線
部用パターン形成部11を橋状の補強部8の上方に配置
して、ここからも物理蒸着を行うことで、パターンのつ
ながりが十分となり、従って、パターン形成部を用いて
電気的処理を必要とする場合(電気メッキや、分極処理
など)において、導電体パターンとしての役目を十分に
果すことができるようになる。
易なパターニング方法で、基板1の表裏両面に多数個の
回路ユニット2が連結されたパターンを接続信頼性のあ
る方法で、且つ、基板1上の電極部位と配線部位とでそ
れぞれ異なるパターニングを、一度セットした金属マス
ク9,10を交換することなく、物理蒸着にて容易に実
現できるものである。
強部8が、各回路ユニット2の配線部4の接続部位にお
ける1ユニットとして切り出される切り代部60に配置
されているのが望ましい。本例では、センサユニットと
しての赤外線センサ2a(図18)は、基板1の表裏両
面の電極部3と配線部4とからなり、この配線部4と隣
り合う回路ユニット2の配線部4との間が切り代部60
となっている。また各回路ユニット2の切り離しは、例
えば、ダイシング・カッター、レーザ、サンドブラス
ト、劈開などの方法が挙げられる。しかして、下部金属
マスク9の橋状の補強部8において物理蒸着による膜形
成を行う場合、補強部8の下方の膜の厚み、質は他の配
線部位と異なる可能性が大きいため、1つの回路ユニッ
ト2の中にそのような箇所を設けることが望ましくない
場合がある。これを回避するため、本例では、隣り合う
回路ユニット2間の配線部4を切り代部60としてい
る。これにより、橋状の補強部8が回路ユニット2内に
位置しなくなり、回路ユニット2内の配線信頼性を確保
できるようになる。
ると共に、その間隔Eを下部金属マスク9の板厚D以上
とした場合を示している。図3(a)中のCはパターン
幅である。橋状の補強部8が長細くなると強度上の問題
が生じるため、本例では橋状の補強部8を二股に分ける
ようにしている。これにより、橋状の補強部8の強度を
上げることができる。さらに、「橋状の補強部8の間隔
E>下部金属マスク9の板厚D」とすることにより、橋
状の補強部8間の間隔Eが広がって、薄膜パターンのつ
ながり性を確保できるようになる。
1側に向かって先細状となるように、橋状の補強部8の
両側面8aを傾斜させた場合を示している。なお図4
(a)中のHは補強部8の高さ、Dは下部金属マスク9
の板厚、Cはパターン幅である。本例の下部金属マスク
9の作製方法の一例を図5に示す。フォトレジスト21
を金属マスク9,10の両面に配置してエッチングす
る。このとき橋状の補強部8の箇所には、金属マスク
9,10の片面をレジスト部21aで被い、もう片面は
フォトレジスト21に開口部21cを形成し、この開口
部21cが形成されている片側からのみエッチングを行
う。その際、橋状の補強部8となる橋状部位の断面の中
心部のみわずかにレジスト部21bを残した状態でエッ
チングすることで、エッチング速度が橋状部位の断面の
中央と端で異なるようにすることができ、最終的に図4
(b)に示す断面形状の金属マスク(下部金属マスク
9)を得ることができる。なお、エッチングの際におい
て、橋状の補強部8形成のためフォトレジスト21に開
口部21cを有する側からのエッチング液の圧力を高く
してもよいものである。しかして、橋状の補強部8の断
面形状を基板1側に向かって先細状としたことで、蒸着
源からの蒸着粒子が橋状の補強部8の傾斜した側面8a
を回り込んで基板1側に蒸着され易くなり、これによ
り、薄膜パターンのつながり性を良くすることができ
る。
源側(図6(b)の上方側)に膨らんだアーチ状とした
場合の一例を示している。図6(a)中のEは補強部8
の幅、Hは補強部8の高さ、Dは下部金属マスク9の板
厚、Cはパターン幅である。本例では、下部金属マスク
9を作製した後に、橋状の補強部8をプレス等で、基板
1と反対側に向かって凸となる形状に加工する。これに
より、蒸着源からの蒸着粒子が橋状の補強部8を一層回
り込み易くなり、基板1上に薄膜形成される薄膜パター
ンのつながり性を良くすることができる。
補強部8の上に被せられる上部金属マスク10の配線部
用パターン形成部11の大きさを、橋状の補強部8の端
部8bから少なくとも上部金属マスク10の板厚d以上
の広がりを持つ大きさにした場合の一例を示している。
なお図8中のJは上部金属マスク10の配線部用パター
ン形成部11の幅、Gは橋状の補強部8の端部8bから
配線部用パターン形成部11に至る横方向の距離であ
り、このGは上部金属マスク10の板厚d以上とされて
いる。しかして、下部金属マスク9の上に上部金属マス
ク10をセットする。このとき下部金属マスク9の橋状
の補強部8の端部8bから上部金属マスク10の配線部
用パターン形成部11までの距離Gが、上部金属マスク
10の板厚dよりも大きくなっているため、上部金属マ
スク10の配線部用パターン形成部11が下部金属マス
ク9の補強部8の上方から位置ずれしないように配置で
き、これにより2枚の金属マスク9,10の位置関係に
精度を持たせることができると共に、蒸着源50からの
蒸着粒子が橋状の補強部8周辺に十分に行き渡るように
なり、基板1上に形成される薄膜パターンのつながり性
を良くすることができる。
属マスク9の板厚D(図4)の1/2以下の太さでメッ
シュ状に織られた支持体13にて支持した場合を示して
いる。メッシュ状の支持体13は下部金属マスク9と一
体形成されている場合と、別体で形成されている場合の
いずれであってもよい。前者の場合の作製方法として
は、例えば、メッシュに電鋳やメッキなどにより下部金
属マスク9のパターン形成部を析出させる方法、或いは
レーザなどによりスポット状に溶接する方法などがあ
る。しかして、メッシュ状の支持体13を用いて細い橋
状の補強部8を含む下部金属マスク9全体を支持するこ
とによって、橋状の補強部8の部位の強度を上げること
ができる。従って、パターン幅を微細化するために、下
部金属マスク9の板厚を薄くした場合でも、下部金属マ
スク9の強度的な問題は生じなくなる。さらに、下部金
属マスク9と支持体13とを一体形成した場合は、基板
1へのセッティングが容易となる。しかも、支持体13
をメッシュ状としたことにより、蒸着源50からの蒸着
粒子が支持体13を通過して基板1上に到達できるよう
になり、従って、物理蒸着に支障をきたさないようにし
ながら、薄膜形成を行えるようになる。
2に対して2箇所以上の隣接する回路ユニット2からの
配線を行う場合の一例を示している。図10(a)は、
複数個の回路ユニットからなるユニット例を3列配置
し、ユニット列内部の配線部4’と、ユニット列端部間
の配線部4”とを閉回路状に連続させた場合の一例を示
し、図10(b)は、ユニット列内部の配線部4’と、
ユニット列端部間の配線部4”とを閉回路状に連続さ
せ、さらに配線部4cにて配線部4’間を接続した場合
の一例を示している。いずれの場合も、閉回路パターン
を形成するにあたって、配線部4(4’,4”)のつな
がり信頼性を向上させることができると共に、配線部4
のパターン形成後の電気的処理(分極など)が確実に行
えるようになる。
スク9を位置決めすると共に、上部金属マスク10を位
置決めする位置決めガイド14を備えたマスク固定治具
15を設けた場合を示している。本例のマスク固定治具
15は、基板1の外周部に外嵌されるリング形状の下側
治具15aと、リング形状の上側治具15bとに分かれ
ている。下側治具15aの両側2箇所には、基板1に対
して垂直方向に位置決めガイド14が各々突設されてお
り、各位置決めガイド14が基板1の表裏両面に配置さ
れる各下部金属マスク9(一方の下部金属マスクは図示
せず)の外周部の両側2箇所に設けたガイド孔22と、
上部金属マスク10の外周部の両側2箇所に設けたガイ
ド孔23とを各々貫通して、上側治具の両側2箇所に設
けたガイド溝24に各々嵌合している。これにより、基
板1の表裏両面の金属マスク9,10が、マスク固定治
具15により基板1に対して各々位置決めされるように
なり、金属マスク9,10の位置合わせ精度が良くな
る。また金属マスク9,10のセッティング作業がはか
どると共に、薄膜パターンの精度向上を図ることができ
る。
部金属マスク9を挟み込むと共に一方の下部金属マスク
9上に上部金属マスク10を配置して基板1上に配線部
4を薄膜形成する工程を行い、その後、上部金属マスク
10のみを取り外して、基板1上に電極部3と配線部4
とを薄膜形成する工程を行う場合を示している。本例で
は、下部金属マスク9と上部金属マスク10とを基板1
にセッティングして薄膜パターンを形成した後に、上部
金属マスク10を取り外すという図12(a)→図12
(b)の工程手順を踏むため、上部金属マスク10の脱
着が容易で、位置ずれもしにくなり、薄膜パターンの精
度向上を図ることができる。
属マスク9を各々磁性体とし、非蒸着面16側から磁石
17により基板1と各金属マスク9,10とを吸着保持
する場合を示している。本例では、マスク固定治具15
にて上下の金属マスク9,10を基板1に対して位置決
めしている。マスク固定治具15の構造は図11の実施
形態と同様である。また金属マスク9,10を形成する
磁性体材料として、例えば、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼が使用される。磁石17は、永久磁石、電磁石のい
ずれでもよい。このことは以下の実施形態においても同
様である。しかして、上部金属マスク10と下部金属マ
スク9とを重ねて基板1上にセットする作業を、磁石1
7を利用して簡易且つ精度良く行うことができると共
に、基板1に対する金属マスク9,10の密着性に優れ
たものとなる。さらに磁石17によって金属マスク9,
10に対して基板1が位置ずれしないため、薄膜パター
ンの精度が向上する。なお、磁石17は金属マスク9,
10の非蒸着面16側に配置されるため、物理蒸着の妨
げとはならないものである。なお磁石17は1つではな
く、金属マスク9,10を同一面内で均等に保持できる
ようにするために、極性を互い違いに配置した複数の磁
石で構成してもよいものである。
レート18を非蒸着面16側の下部金属マスク9と磁石
17との間に配置し、蒸着面側の上部金属マスク10の
脱着時においてプレート押さえ用治具80によりプレー
ト18を仮固定して磁石17を上部金属マスク10から
離反する方向イに移動させる場合を示している。本例で
は、マスク固定治具15にて上下の金属マスク9,10
を基板1に対して位置決めしている。マスク固定治具1
5の構造は図11の実施形態と同様である。プレート押
さえ用治具80は、磁石17を嵌め込む開口部30と、
開口部の縁部から突設して先端がプレート18に当接す
るガイド部31とを備えている。しかして、前記図13
の実施形態と同様、磁石17によって上部金属マスク1
0と下部金属マスク9とを吸着保持できるという効果が
得られ、さらに加えて上部金属マスク10の取り付け或
いは取り外しをする際に、非磁鋼製のプレート18を非
蒸着面16側の下部金属マスク9と磁石17との間に配
置し、プレート押さえ用治具80の開口部30を磁石1
7の外周に嵌め込み、ガイド部31をプレート18の下
面に当接させて、磁石17をプレート18から図14の
矢印イ方向に浮かせるようにする。これにより、非磁鋼
製のプレート18が磁石17に引き付けられないように
プレート押さえ用治具80によってプレート18を保持
したまま、上部金属マスク10の取り付け或いは取り外
しが容易に行えるようになると共に、取り付けの際には
上部金属マスク10を位置ずれなく取り付け可能とな
る。しかも磁石17の切り離し時に、上部金属マスク1
0が磁石17に引き付けられて撓むことがないため、基
板1の破損を引き起こすことがなくないものである。
いて磁石17を上部金属マスク10から一時的に遠ざけ
るためのホルダー押さえ用治具38を設けた場合の例を
示している。なお、マスク固定治具15にて上下の金属
マスク9,10を基板1に対して位置決めしている点は
図11の実施形態と同様である。本例では、金属マスク
9,10を吸着保持するための磁石17の下面には磁石
ホルダー35が固着されており、磁石ホルダー35の両
端部が引っ張りコイルバネ36によってホルダーケース
37の天井面に連結されている。磁石ホルダー35の端
部は基板1の端部よりも外側方に突出し、その突出した
部分を上方から棒状のホルダー押さえ用治具38にて押
圧することで、磁石ホルダー35を下方にスライドさせ
るようにしている(図1(b)の状態)。これにより磁
石ホルダー35と一体の磁石17が非蒸着面16側の下
部金属マスク9から一時的に切り離されるようになる。
このように、上部金属マスク10を磁石17から一時的
に切り離すことで、上部金属マスク10が磁石17に引
き付けられなくなり、上部金属マスク10の取り付け或
いは取り外しが容易にできるようになる。また上部金属
マスク10を取り付ける際には位置ずれなく取り付け可
能となる。しかも磁石17を矢印イ方向に切り離す時
に、上部金属マスク10が磁石17に引き付けられて撓
むことがないため、基板1の破損を引き起こすこともな
くなる。また、上部金属マスク10の脱着後に、ホルダ
ー押さえ用治具38による押さえを解除すると、磁石ホ
ルダー35は引っ張りコイルバネ36のバネ力によって
元の位置に復帰できるので(図15(a)の状態)、磁
石17によって金属マスク9,10を吸着保持できる状
態に自動的に戻すことができる。
裏方向が入れ替わるように基板1を回転させるための回
転軸20を設け、基板1を回転させながら薄膜形成を行
う場合を示している。本例では、真空槽40の内部に、
上下の金属マスク9,10が設けられた回転可能な基板
1と蒸着源50とを収納し、基板1を蒸着源50に対し
て表裏両面が入れ替わるように回転軸20回りに回転さ
せながら、真空蒸着法により基板1の表裏両面に同時に
薄膜形成を行うものである。なお、基板1の回転方向は
同じでもよいが、膜厚の均一性を向上させためには、物
理蒸着時間の半ばで反対方向に回転させるのが望まし
い。また本例では、基板1の表裏両面に配置されている
下部金属マスク9の橋状の補強部8が回転することによ
り、蒸着源50からの蒸着粒子を橋状の補強部8の下方
における基板1上の橋状部位にも十分に届かせることが
できるため、薄膜パターンのつながり性が良くなる。つ
まり、基板1の表裏両面とも薄膜形成を行いながら、同
時に配線部4における橋状部位のつながり性を良くする
ことができるようになる。しかも、基板1の回転によっ
て多方向から蒸着粒子が吹きつけられる形となり、これ
により特に微細なパターンを均一に且つ精度良く形成で
きるという利点もある。
自由行程が金属マスク(図示せず)のパターン形成部の
開口幅ハより小さい雰囲気ガス中にて薄膜形成を行う場
合を示している。本例では、真空槽40の圧力を例えば
102〜10-2(Pa)とし、その内部に表裏両面に金
属マスクが取り付けられた基板1と、蒸着源50とを収
納し、真空蒸着法により基板1上に薄膜形成を行うもの
である。この場合において、真空槽40内部の雰囲気ガ
スとして、不活性ガス(N2,Arなど)を導入して圧
力を高くしてもよい。しかして、蒸着粒子ロの平均自由
行程が金属マスクのパターン形成部の開口幅ハより小さ
い雰囲気ガス中にて薄膜形成を行うことで、蒸着粒子ロ
が金属マスクのパターン形成部を通過して基板1上に届
きやすくなり、真空蒸着による薄膜形成が可能となる。
またこのとき、蒸着源50からの蒸着粒子ロを橋状の補
強部8(図1)の下方の橋状部位にも十分に届かせるこ
とができるため、薄膜パターンのつながり性が良くな
る。さらに、蒸着源50の位置に関係なく、基板1をセ
ッティングできるため、セッティング作業がはかどると
いう利点もある。なお、真空蒸着法に代えて、スパッタ
法などのプラズマを用いて薄膜形成してもよく、この場
合、槽内部にプラズマを維持させるのに必要なスパッタ
用ガスを導入する方法であってもよい。
面に赤外線センサ2aの電極部3と配線部4とを薄膜形
成する場合を示している。本例では、焦電効果のある基
板1として、LiTaO3,PZTなどの焦電材料を用
いる。また配線部4の材料と電極部3の材料とを異種に
している。電極部3はNiCr,Ni、金黒、硫化銀な
どで形成し、配線部4をNiCr,Ni、Au,Pt,
Alなどで形成する。さらに、配線部4と電極部3の2
つの膜形成工程において、その膜厚を異ならせている。
ここでは、図18に示す上側の電極部3の膜を配線部4
より薄い膜とすることで、赤外線の反射率を低下させる
と共に、下側の電極部3を厚くして赤外線の反射率を高
めている。これにより赤外線が上側の電極部3から吸収
され、下側の電極部3で反射されることで、赤外線の取
り込み量が増える結果、検出性能が良くなり、小型で感
度のよい赤外線センサ2aを製造することができる。
ては、基板の表裏両面に、電極部のパターン形成部と配
線部のパターン形成部とを有し且つ配線部のパターン形
成部の一部に非パターン部間に接続される橋状の補強部
が設けられた下部金属マスクを挟み込み、下部金属マス
クの非パターン部を基板に密着させた状態で基板上に電
極部と配線部とを薄膜形成する工程と、基板の表裏両面
に下部金属マスクを配置した状態で一方の下部金属マス
ク上に、少なくとも下部金属マスクの橋状の補強部上に
対向する配線部のパターン形成部を有し且つ電極部が非
パターン部となっている上部金属マスクを配置して、配
線部を薄膜形成する工程とを備えているので、上記2段
階の工程で、下部金属マスクと上部金属マスクとを基板
に一度セットするだけで、基板の表裏両面に電極部と配
線部とを異なるパターニングで形成することができる。
しかも、金属マスクを一度セットするだけでよく、その
うえ一度セットした金属マスクを交換する必要がないた
め、薄膜パターン精度が向上し、回路(特に配線部)の
微細化を実現できると共に、下部金属マスクに設けられ
る橋状の補強部の上方に、上部金属マスクのパターン形
成部を配置したことにより、薄膜パターンのつながり性
が良くなり、閉回路もしくは略閉回路状のパターンの形
成が容易となる。この結果、金属マスクを用いる簡易な
パターニング方法でありながら、基板の表裏両面に多数
個の回路ユニットが連結された閉回路もしくは略閉回路
のパターンを接続信頼性のある方法で、且つ、回路基板
上の電極部位と配線部位とでそれぞれ異なるパターニン
グを、一度セットした金属マスクを交換することなく、
物理蒸着にて簡単に且つ精度良く形成できるものであ
る。
の効果に加えて、橋状の補強部を、各回路ユニットの配
線部の接続部位における1ユニットとして切り出される
切り代部に配置したので、下部金属マスクの橋状の補強
部において物理蒸着による膜の厚み、質が異なる場合で
も、この箇所を回路ユニットの切り代部とすることで、
回路ユニットの配線信頼性を確保できるものである。
請求項2記載の効果に加えて、橋状の補強部を二股状に
形成すると共に、その間隔を下部金属マスクの板厚以上
としたので、橋状の補強部を二股に分けることで橋状の
補強部の強度を上げることができると共に、橋状の補強
部の間隔>下部金属マスクの板厚とすることで、橋状の
補強部間の間隔が広がって、薄膜パターンのつながり性
を確保できるようになる。
求項3のいずれかに記載の効果に加えて、橋状の補強部
の断面形状が基板側に向かって先細状となるように、橋
状の補強部の側面を傾斜させたので、蒸着源からの蒸着
粒子が橋状の補強部の傾斜した側面を回り込んで基板側
に蒸着され易くなり、薄膜パターンのつながり性を良く
することができる。
求項4のいずれかに記載の効果に加えて、橋状の補強部
の断面形状を、蒸着源側に膨らんだアーチ状としたの
で、蒸着源からの蒸着粒子が橋状の補強部を一層回り込
み易くなり、基板上に形成される薄膜パターンのつなが
り性を良くすることができる。
求項5のいずれかに記載の効果に加えて、橋状の補強部
の上に被せられる上部金属マスクの配線部用パターン形
成部の大きさを、橋状の補強部の端部から少なくとも上
部金属マスクの板厚以上の広がりを持つ大きさにしたの
で、配線部用パターン形成部が下部金属マスクの補強部
の上方から位置ずれしないように配置でき、これにより
上下2枚の金属マスクの位置関係に精度を持たせること
ができると共に、蒸着源からの蒸着粒子が橋状の補強部
周辺に十分に行き渡るようになり、基板上に形成される
薄膜パターンのつながり性を良くすることができる。
求項6のいずれかに記載の効果に加えて、橋状の補強部
を含む下部金属マスク全体を、下部金属マスクの板厚の
1/2以下の太さでメッシュ状に織られた支持体にて支
持したので、メッシュ状の支持体を用いて細い橋状の補
強部を含む下部金属マスク全体を支持することによっ
て、パターン幅を微細化するために金属マスクの板厚を
薄くした場合でも、橋状の補強部の部位の強度を上げる
ことができると共に、支持体をメッシュ状としたこと
で、蒸着粒子が支持体を通過して基板上に到達できるよ
うになり、従って、物理蒸着に支障をきたさないように
しながら、金属マスクによる薄膜パターンが形成できる
ものである。
の効果に加えて、基板上の1つの回路ユニットに対して
2箇所以上の隣接する回路ユニットからの配線を行うの
で、閉回路もしくは略閉回路のパターンを形成するにあ
たって、配線部のつながり信頼性を向上させることがで
き、そのうえ配線部のパターン形成後の電気的処理(分
極など)が確実に行えるようになる。
の効果に加えて、基板の表裏両面の下部金属マスクを基
板に対して各々位置決めし且つ上部金属マスクを位置決
めするための位置決めガイドを備えたマスク固定治具を
設けたので、基板の表裏両面の金属マスクがマスク固定
治具により基板に対して各々位置決めされるようにな
り、上下の金属マスクの位置合わせ精度が良くなり、金
属マスクのセッティング作業がはかどると共に、薄膜パ
ターンの精度向上を図ることができる。
載の効果に加えて、基板の表裏両面に下部金属マスクを
挟み込むと共に一方の下部金属マスク上に上部金属マス
クを配置して基板上に配線部を薄膜形成し、その後、上
部金属マスクのみを取り外して、基板上に電極部と配線
部とを薄膜形成するので、下部金属マスクと上部金属マ
スクとを基板にセッティングして薄膜形成を行った後
に、上部金属マスクのみを取り外して、下部金属マスク
による薄膜形成を行うことにより、上部金属マスクの脱
着が容易で且つ位置ずれもしにくなる。
載の効果に加えて、上部金属マスク及び下部金属マスク
を各々磁性体とし、非蒸着面側に配置した磁石により基
板と各金属マスクとを吸着保持するので、上部金属マス
クと下部金属マスクとを重ねて基板上にセットする作業
を、磁石を利用して簡易且つ精度良く行うことができる
と共に、基板に対する金属マスクの密着性が良好とな
る。また、磁石の吸引力で金属マスクに対して基板が位
置ずれしないため、薄膜パターンの精度を一層向上させ
ることができる。
記載の効果に加えて、剛性の高い非磁性体からなるプレ
ートを非蒸着面側の下部金属マスクと磁石との間に配置
し、プレートを仮固定して磁石を上部金属マスクから離
反する方向に移動させるためのプレート押さえ用治具を
設けたので、上部金属マスクの取り付け或いは取り外し
をする際に、プレート押さえ用治具にてプレートを仮固
定して、磁石をプレートから切り離して上部金属マスク
から離反する方向に移動させることで、プレートが磁石
に引き付けられないように、プレート押さえ用治具によ
ってプレートを保持したまま、上部金属マスクの取り付
け或いは取り外しができるようになる。従って、上部金
属マスクを取り付ける際には位置ずれなく取り付け可能
となる。また磁石が移動することによって、上部金属マ
スクが磁石に引き付けられて撓むことがないため、基板
の破損を引き起こすこともなくなり、基板を充分に保護
できるようになる。
記載の効果に加えて、上部金属マスクの脱着時において
磁石を上部金属マスクから一時的に遠ざけるための手段
を設けたので、上部金属マスクの脱着時に上部金属マス
クを磁石から一時的に切り離すことにより、上部金属マ
スクが磁石に引き付けられなくなり、上部金属マスクの
取り付け或いは取り外しが容易に行えると共に、取り付
けの際には上部金属マスクを位置ずれなく取り付け可能
となる。しかも磁石の移動の際に、上部金属マスクが磁
石に引き付けられて撓むことがないため、基板の破損を
引き起こすこともなくなる。
載の効果に加えて、蒸着源に対して基板の表裏方向が入
れ替わるように基板を回転させるための回転軸を設け、
基板を回転させながら薄膜形成を行うので、基板の表裏
両面とも薄膜形成を行いながら、同時に配線部の橋状の
補強部の下方における薄膜パターンのつながり性を良く
することができる。しかも、基板の回転によって多方向
から蒸着粒子が吹きつけられる形となり、これにより膜
厚の均一性が向上し、微細なパターンを均一に且つ精度
良く形成することが可能となる。
載の効果に加えて、薄膜形成用の蒸着粒子の平均自由行
程が金属マスクのパターン形成部の開口幅より小さい雰
囲気ガス中にて薄膜形成を行うので、蒸着粒子が金属マ
スクのパターン形成部を通過して基板上に届きやすくな
り、膜厚の均一性が向上する。さらに蒸着粒子を橋状の
補強部の下方の橋状部位にも十分に届かせることができ
るため、薄膜パターンのつながり性が良くなる。しか
も、蒸着源の位置に関係なく、基板をセッティングでき
るため、セッティング作業がはかどるという利点もあ
る。
載の効果に加えて、焦電効果のある基板の表裏両面に赤
外線センサの電極部と配線部とを薄膜形成するので、赤
外線の取り込み量が増える結果、検出性能が良くなり、
小型で感度のよい赤外線センサを容易に製造することが
できる。
金属マスクと下部金属マスクとをセッティングした場合
の断面図、(b)は上部金属マスクを取り外した場合の
断面図である。
(b)は電極部と配線部とが薄膜形成されている回路基
板の斜視図である。
補強部位の説明図である。
部付近の斜視図、(b)は(a)のA―A’線断面図で
ある。
方法の説明図である。
部付近の斜視図、(b)は(a)のB―B’線断面図で
ある。
(b)は下部金属マスクの斜視図である。
ーン例の説明図である。
説明図である。
る金属マスクの吸着保持状態の説明図、(b)はプレー
ト押さえ用治具にて磁石を浮かせる場合の説明図であ
る。
石を移動させる場合の説明図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 1枚の基板上に多数個の回路ユニットを
閉回路パターンもしくは略閉回路パターンで形成するに
あたって、センサなどの電極部と配線部とを基板の表裏
両面に物理蒸着により薄膜形成するようにした回路基板
の製造方法において、基板の表裏両面に、電極部のパタ
ーン形成部と配線部のパターン形成部とを有し且つ配線
部のパターン形成部の一部に非パターン部間に接続され
る橋状の補強部が設けられた下部金属マスクを挟み込
み、下部金属マスクの非パターン部を基板に密着させた
状態で基板上に電極部と配線部とを薄膜形成する工程
と、基板の表裏両面に下部金属マスクを各々配置した状
態で、一方の下部金属マスク上に、少なくとも下部金属
マスクの橋状の補強部上に対向する配線部のパターン形
成部を有し且つ電極部が非パターン部となっている上部
金属マスクを配置して、配線部を薄膜形成する工程とを
備えていることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 【請求項2】 橋状の補強部を、各回路ユニットの配線
部の接続部位における1ユニットとして切り出される切
り代部に配置したことを特徴とする請求項1記載の回路
基板の製造方法。 - 【請求項3】 橋状の補強部を二股状に形成すると共
に、その間隔を下部金属マスクの板厚以上としたことを
特徴とする請求項1又は請求項2記載の回路基板の製造
方法。 - 【請求項4】 橋状の補強部の断面形状が基板側に向か
って先細状となるように、橋状の補強部の側面を傾斜さ
せたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに
記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項5】 橋状の補強部の断面形状を、蒸着源側に
膨らんだアーチ状としたことを特徴とする請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項6】 橋状の補強部の上に被せられる上部金属
マスクの配線部用パターン形成部の大きさを、橋状の補
強部の端部から少なくとも上部金属マスクの板厚以上の
広がりを持つ大きさにしたことを特徴とする請求項1〜
請求項5のいずれかに記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項7】 橋状の補強部を含む下部金属マスク全体
を、下部金属マスクの板厚の1/2以下の太さでメッシ
ュ状に織られた支持体にて支持することを特徴とする請
求項1〜請求項6のいずれかに記載の回路基板の製造方
法。 - 【請求項8】 基板上の1つの回路ユニットに対して2
箇所以上の隣接する回路ユニットからの配線を行うこと
を特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項9】 基板の表裏両面の下部金属マスクを基板
に対して各々位置決めし且つ上部金属マスクを位置決め
するための位置決めガイドを備えたマスク固定治具を設
けたことを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方
法。 - 【請求項10】 基板の表裏両面に下部金属マスクを挟
み込むと共に一方の下部金属マスク上に上部金属マスク
を配置して基板上に配線部を薄膜形成し、その後、上部
金属マスクのみを取り外して、基板上に電極部と配線部
とを薄膜形成することを特徴とする請求項1記載の回路
基板の製造方法。 - 【請求項11】 上部金属マスク及び下部金属マスクを
各々磁性体とし、非蒸着面側に配置した磁石により基板
と各金属マスクとを吸着保持することを特徴とする請求
項1記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項12】 剛性の高い非磁性体からなるプレート
を非蒸着面側の下部金属マスクと磁石との間に配置し、
蒸着面側の上部金属マスクの脱着時においてプレートを
仮固定して磁石を上部金属マスクから離反する方向に移
動させるためのプレート押さえ用治具を設けたことを特
徴とする請求項11記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項13】 上部金属マスクの脱着時において磁石
を上部金属マスクから一時的に遠ざけるための手段を設
けたことを特徴とする請求項11記載の回路基板の製造
方法。 - 【請求項14】 蒸着源に対して基板の表裏方向が入れ
替わるように基板を回転させるための回転軸を設け、基
板を回転させながら薄膜形成を行うことを特徴とする請
求項1記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項15】 薄膜形成用の蒸着粒子の平均自由行程
が金属マスクのパターン形成部の開口幅より小さい雰囲
気ガス中にて薄膜形成を行うことを特徴とする請求項1
記載の回路基板の製造方法。 - 【請求項16】 焦電効果のある基板の表裏両面に赤外
線センサの電極部と配線部とを薄膜形成することを特徴
とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001225469A JP4131096B2 (ja) | 2001-07-26 | 2001-07-26 | 回路基板の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2011184720A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Ricoh Co Ltd | パターン形成用マスク及び該マスクを用いた成膜装置 |
-
2001
- 2001-07-26 JP JP2001225469A patent/JP4131096B2/ja not_active Expired - Fee Related
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