JP2003034768A - 消去性インキ組成物及びそれを用いた筆記具 - Google Patents

消去性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

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JP2003034768A JP2002143415A JP2002143415A JP2003034768A JP 2003034768 A JP2003034768 A JP 2003034768A JP 2002143415 A JP2002143415 A JP 2002143415A JP 2002143415 A JP2002143415 A JP 2002143415A JP 2003034768 A JP2003034768 A JP 2003034768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡を消しゴムで容易に消去できると同時
に、優れた定着性を発揮することができる消去性インキ
組成物を提供する。 【解決手段】 着色及び/又は非着色のフレーク状粒
子、粘着性樹脂、剪断減粘性付与剤及び溶媒を含有する
消去性インキ組成物であって、前記フレーク状粒子の平
均粒子径が2μm以上であり、前記粘着性樹脂の最低造
膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度(T
g)が40℃以下、前記粘着性樹脂の平均粒子径が10
μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消去性インキ組成
物及びそれを用いた筆記具に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、紙等に筆記されたボールペンの筆
跡は、消しゴムで消去することはできない。これは、着
色剤が顔料の場合、その分散性を高めるために顔料を微
粒化しなければならないが、微粒化された顔料は紙内部
(繊維間)に進入でき、いったん進入した顔料を取り除
くことは困難だからである。また、多くの場合、インキ
成分として分散樹脂を用いるため、これが着色剤を紙面
上に定着させることからも、その消去が困難となる。
【0003】これに対し、種々の消去性インキ組成物が
提案されている。例えば、カーボン等の顔料を、高分子
量のポリエチレンオキサイドを溶解させた水性溶媒中に
必要に応じて界面活性剤の存在下、均一に分散させたも
のからなり、顔料1〜20重量%及びポリエチレンオキ
サイド0.01〜5重量%を含有することを特徴とす
る、紙上に記載された文字、図案が消しゴムで消去可能
な紙用インキ組成物が知られている(特公平1−256
604号)。この技術によれば、消しゴムでも筆跡を比
較的容易に消去できるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のインキ組成物では、その筆跡を消しゴムで完全に消去
することは困難である。特に、筆圧が高くなるボールペ
ン用インキとして用いることは実際上不可能に近い。
【0005】他方、粒子径の大きな顔料を用いて消去性
を高めることも考えられるものの、大きな顔料を使用す
るとペンの目詰まりが起こりやすくなるという別の問題
が発生する。このように、従来技術では、ペンの目詰ま
りを起こすことなく優れた消去性を達成できるインキは
未だ開発されていない。
【0006】一方、消去性インキは、その筆跡を消しゴ
ムで容易に消去できると同時に、筆記後の描線が手で触
る程度では容易に消えないすぐれた定着性を備えること
が重要である。
【0007】本発明の目的は、筆跡を消しゴムで容易に
消去できると同時に、優れた定着性を発揮することがで
きる消去性インキ組成物を提供するところにある。また
本発明の目的は、前記目的と共に、ペンの目詰まりを起
こさない安定したインキ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定組
成のインキ組成物を採用することによって、上記目的を
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、下記の消去性インキ
組成物及びそれを用いた筆記具に係るものである。
【0010】1. 着色及び/又は非着色のフレーク状
粒子及び粘着性樹脂を含むことを特徴とする消去性イン
キ組成物。
【0011】2. 前記フレーク状粒子が、フレーク状
アルミナ粒子及びフレーク状窒化ホウ素の少なくとも1
種である請求項1記載の消去性インキ組成物。
【0012】3. 前記フレーク状粒子以外の着色剤を
含まない請求項1又は2記載の消去性インキ組成物。
【0013】4. 前記フレーク状粒子の平均粒子径が
2μm以上である請求項1〜3のいずれかの項に記載の
消去性インキ組成物。
【0014】5. 前記粘着性樹脂の最低造膜温度(M
FT)が40℃以下又はガラス転移温度(Tg)が40
℃以下である請求項1〜4のいずれかの項に記載の消去
性インキ組成物。
【0015】6. 前記粘着性樹脂の平均粒子径が10
μm以下である請求項5記載の消去性インキ組成物。
【0016】7. 前記粘着性樹脂が、アクリル系合成
樹脂エマルション、アクリル−スチレン系合成樹脂エマ
ルション、エポキシ系合成樹脂エマルション、ウレタン
系合成樹脂エマルション、シリコーン系合成樹脂エマル
ション、アクリル系合成樹脂、アクリル−スチレン系合
成樹脂、ウレタン系合成樹脂、ビニル系合成樹脂、セル
ロース系樹脂の少なくとも1種である請求項1〜6のい
ずれかの項に記載の消去性インキ組成物。
【0017】8. さらに、無色樹脂粒子を含有する請
求項1〜7のいずれかの項に記載の消去性インキ組成
物。
【0018】9. 前記無色樹脂粒子が、前記フレーク
状粒子より小さい平均粒子径を有する請求項8記載の消
去性インキ組成物。
【0019】10. 前記無色樹脂粒子が、前記フレー
ク状粒子より比重が大きい請求項8又は9記載の消去性
インキ組成物。
【0020】11. 前記無色樹脂粒子が、前記フレー
ク状粒子より平均粒子径が大きく、かつ前記無色樹脂粒
子が前記フレーク状粒子より比重が大きい請求項8又は
9記載の消去性インキ組成物。
【0021】12. 前記無色樹脂粒子が、前記フレー
ク状粒子より含有量が多い請求項8〜11のいずれかの
項に記載の消去性インキ組成物。
【0022】13. 前記無色樹脂粒子の平均粒子径が
0.1〜10μmの範囲内にある請求項8〜12のいず
れかの項に記載の消去性インキ組成物。
【0023】14. 前記フレーク状粒子が、インキ組
成物全量に対して0.5〜50重量%含まれている請求
項1〜13のいずれかの項に記載の消去性インキ組成
物。
【0024】15. 前記粘着性樹脂が、インキ組成物
全量中1〜30重量%含まれている請求項1〜14のい
ずれかの項に記載の消去性インキ組成物。
【0025】16. 前記無色樹脂粒子がインキ全量に
対して3〜30重量%含まれている請求項1〜15のい
ずれかの項に記載の消去性インキ組成物。
【0026】17. 次の成分を含有する消去性インキ
組成物。 (a)着色及び/又は非着色のフレーク状粒子 (b)粘着性樹脂 (c)剪断減粘性付与剤 (d)溶媒
【0027】18. 次の成分が、インキ組成物全量に
対して下記含有量で含まれており、かつ下記フレーク状
粒子以外の着色剤を含まない筆記具用消去性水性インキ
組成物。 (a)着色及び/又は非着色のフレーク状粒子(その粒子の平均粒子径 が2〜10μmの範囲内のもの) 0.5〜50重量% (b)粘着性樹脂(その樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であって 、最低造膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度(Tg)が40℃以 下であるもの) 1〜30重量% (c)キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース、グアーガム、 プルラン、ラムザンガム、ウェランガム及びサクシノグルカンの少なくとも1種 から選ばれる剪断減粘性付与剤 0.01〜20重量% (d)水溶性有機溶剤 1〜40重量% (e)水 残部
【0028】19. 請求項1〜18のいずれかの消去
性インキ組成物をインキとして用いた筆記具。
【0029】20. 請求項1〜18のいずれかの消去
性インキ組成物をインキとして用いたボールペン。
【0030】このように、本発明は、フレーク状粒子を
含有しており、特に着色剤として当該フレーク状粒子を
含有しているインキ組成物であるため、これを筆記して
も紙等の繊維内に当該フレーク状粒子が進入し難い。従
って、優れた消しゴム消去性を発揮することができる。
特に、2μm以上のフレーク状粒子を含有するインキ組
成物の場合、当該消去性は優れている。しかも、フレー
ク状粒子の場合、その粒子形状がフレーク状であるた
め、球状粒子と比較して、擦過に対する抵抗が小さく、
紙等への粘着性樹脂による定着性が大きい。本発明は、
フレーク状粒子の粒子形状に着目して、筆跡乃至塗膜に
おいて、消しゴム消去性と定着性が両者同時に優れた消
去性インキ組成物を提供している。
【0031】
【発明の実施の形態】(フレーク状粒子)本発明はフレ
ーク状粒子と粘着性樹脂を含有するところに特徴があ
る。そして、そのフレーク状粒子は、前記のとおり、着
色されたもの(着色粒子)であっても良いし、非着色の
もの(非着色粒子:着色が施されていないフレーク状粒
子)であっても良い。また、本発明では、着色粒子と非
着色粒子とを併用しても良い。
【0032】フレーク状粒子は、フレーク状のものであ
ればその平均粒子径は特に限定されないが、2μm以上
が好ましい。なお、通常は0.6〜10μm程度、好ま
しくは1〜10μm、より好ましくは2〜10μmとす
れば良い。
【0033】フレーク状粒子としては、特に限定され
ず、公知又は市販のフレーク状(又は鱗片状)顔料を用
いることができる。例えば、フレーク状アルミニウム粒
子、フレーク状アルミナ粒子、フレーク状窒化ホウ素等
を挙げることができる。本発明では、特にフレーク状ア
ルミナ粒子及びフレーク状窒化ホウ素の少なくとも1種
を好ましく用いることができる。
【0034】フレーク状アルミナ粒子自体は公知のもの
であり、市販品も使用することができる。市販品として
は、例えば商品名「セラフYFA02025」、「セラ
フYFA10030」、「セラフYFA05025」
(いずれもYKK社製)、「テラセスBMM」、「テラ
セスBMF」、「テラセスBMN」、「テラセスBM
P」、「テラセスBMI」、「テラセスBMM−B」、
「テラセスBMF−B」、「テラセスBMN−B」、
「テラセスBMP−B」、「テラセスBMI−B」(い
ずれも河合石灰工業社製)等を好適に用いることができ
る。
【0035】また、フレーク状窒化ホウ素粒子自体は公
知のものであり、市販品も使用することができる。市販
品としては、例えば商品名「ショウビーエヌUHP−
1」、「ショウビーエヌUHP−S1」(いずれも昭和
電工社製)、「デンカボロンナイトライトSP−2」、
「デンカボロンナイトHGP」、「デンカボロンナイト
GP」、「デンカボロンナイトSGP」(いずれも電気
化学工業社製)等を好適に用いることができる。
【0036】着色されたフレーク状粒子(着色フレーク
状粒子)としては、たとえば、フレーク状粒子に染料吸
着させてレーキ化させた着色フレーク状粒子、フレーク
状粒子に染料を吸着させてカップリングしレーキ化して
粒子表面で色素を合成させた着色フレーク状粒子、顔料
の水性インキにフレーク状粒子を加注し、ろ過、乾燥さ
せた着色フレーク状粒子が含まれる。また、本発明のイ
ンキ、特に水性インキにアクリル系樹脂の固着助剤を添
加して顔料粒子が固着してなる着色フレーク状粒子も含
まれる。また、複合酸化物系顔料に類似粒子及び無機酸
化物を混合し、必要に応じてpH等を調整後、焼成し後
粉砕して得られる着色フレーク状粒子も含まれる。着色
方法としては、公知の方法、たとえば特開平2−804
69号及び特開平9−316357号に記載の方法のほ
か、スプレードライング法を採用することができる。
【0037】着色及び/又は非着色のフレーク状粒子の
含有量は、用いる粒子の種類等に応じて適宜設定すれば
良いが、通常は本発明組成物中0.5〜50重量%程
度、好ましくは3〜20重量%とすれば良い。
【0038】なお、本発明は、着色及び/又は非着色の
フレーク状粒子を着色剤として用いることが重要であ
る。着色及び/又は非着色のフレーク状粒子を着色剤と
して用いることにより、従来の消去性インキよりも優れ
た消去性を発揮できる。また、インキの安定性(又は保
存性)にも優れており、ペン(ペン先)の目詰まりも効
果的に抑制ないしは防止することができる。従って、前
記フレーク状粒子以外の着色剤を含まない本発明の消去
性インキが優れた消去性を発揮できる点で好適である。
【0039】ただ、本発明の消去性インキには、前記フ
レーク状粒子以外の着色剤が含まれていても差し支えな
い。なお、その場合、前記フレーク状粒子が着色剤とし
て含まれており、かつ当該前記フレーク状粒子を含む着
色剤の平均粒子径が2μm以上であることが好ましい。
【0040】その他の着色剤の種類としては、公知のイ
ンキ等で用いられているものを採用することができる。
例えば、酸化チタン、アニリンブラック、カーボンブラ
ック、群青、コバルトブルー、酸化クロム、べんがら、
黒鉛等の無機顔料、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピ
グメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.
ピグメントレッド112、C.I.ピグメントバイオレット
19等の有機顔料が使用できる。その他にも、蛍光顔
料、蓄光顔料等も用いることができる。
【0041】また、いわゆるカラー樹脂球も本発明の着
色剤として使用できる。カラー樹脂球としては、例え
ば、樹脂球(アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレ
ン系樹脂等)に染料又は顔料を含有させたもの、樹脂球
を染料によって着色したもの等が挙げられる。さらに、
本発明では、コピー用トナー等も使用できる。これら着
色剤は、単独で又は2種以上で用いることができる。こ
の中でも、カラー樹脂球を用いるのが好ましい。
【0042】かかる着色剤としては、平均粒子径が2μ
m以上の着色剤であれば特に制限されないが、好ましく
は2〜15μm、更に好ましくは2〜10μmである。
中でも、好ましくは、着色剤の平均粒子径が2μm以上
であり、かつ、粒子径1.8μm以下のものが着色剤中
1.6重量%以下である着色剤が望ましい。特に、本発
明では、着色剤の平均粒子径が2μm以上、好ましくは
2〜15μm、更に好ましくは2〜10μmであり、か
つ、粒子径1.8μm以下のものが着色剤中1.6重量
%以下、粒子径7μm以上のものが着色剤中0.5重量
%以下(好ましくは0.1重量%以下)の粒度分布に制
御されていることが最適である。
【0043】この粒度分布の制御については、例えば自
然沈降、遠心分離、フィルター濾過等の公知の分級方法
によって行うことができる。なお、本発明にいう平均粒
子径は重量平均粒子径を示す。これは、液相沈降法の光
透過法(測定装置「CAPA−700」堀場製作所製)
により重量累積分布を求め、分布50重量%の粒子径を
平均粒子径として算出した。沈降は遠心分離により行
い、着色剤の粒子の比重は真比重を用いて計算した。
【0044】また、着色剤の形状は、特に制限されず、
球状、多角形状、扁平状、繊維状、板状等のいずれであ
っても良いが、本発明では球状が好ましく、特に真球に
近いほど好ましい。
【0045】(粘着性樹脂)前記フレーク状粒子を筆跡
において定着させる粘着性樹脂としては、前記粘着性樹
脂は最低造膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転
移温度(Tg)が40℃以下であることが望ましく、さ
らに粘着性樹脂粒子の場合、その平均粒子径は10μm
以下が好ましく、8μm以下がさらに好ましい。
【0046】前記粘着性樹脂としては、アクリル系合成
樹脂エマルション、アクリル−スチレン系合成樹脂エマ
ルション、エポキシ系合成樹脂エマルション、ウレタン
系合成樹脂エマルション、シリコーン系合成樹脂エマル
ション、アクリル系合成樹脂、アクリル−スチレン系合
成樹脂、ウレタン系合成樹脂、ビニル系合成樹脂、セル
ロース系樹脂を例示することができる。これらの粘着性
樹脂は1種もしくは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0047】なお、粘着性樹脂粒子の場合、その形状は
特に制限されず、球状、多角形状、扁平状、板状、繊維
状等のいずれであっても良いが、前記着色剤と同様、本
発明では球状が好ましく、特に真球に近いほど好まし
い。
【0048】粘着性樹脂の含有量は、他の成分との関係
で適宜設定すれば良く、インキ組成物全量に対して、通
常1〜30重量%程度、好ましくは2〜10重量%とす
れば良い。40重量%を超える場合は粘度が高くなりす
ぎてインキの流出性が悪くなるほか、消去性が低下す
る。1重量%未満の場合は優れた筆跡定着性の実現が困
難となる。
【0049】特に、前記フレーク状粒子の平均粒子径が
2μm以上、好ましくは2〜10μmであり、さらに前
記粘着性樹脂の最低造膜温度(MFT)が40℃以下又
はガラス転移温度(Tg)が40℃以下であって、好ま
しくは後述の剪断減粘性付与剤及び後述の溶媒を含むイ
ンキ組成物の場合は、粘着性樹脂の含有量を、インキ組
成物全量に対して1〜30重量%、好ましくは2〜10
重量%とすることにより、すぐれた消去性と筆跡定着性
を同時に達成できる点で最適である。
【0050】(無色樹脂粒子)本発明では、前記フレー
ク状粒子及び前記粘着性樹脂とともに、更に無色樹脂粒
子を用いることが好ましい。本発明にいう無色樹脂粒子
とは、着色されていない透明又は半透明の樹脂粒子を示
しているが、その粒子の形状は、特に制限されず、球
状、多角形状、扁平状、繊維状等のいずれであっても良
いが、前記フレーク状粒子と同様、本発明では球状、即
ち無色樹脂球が好ましく、特に真球に近いほど好まし
い。
【0051】また、前記無色樹脂粒子としては、前記フ
レーク状粒子より平均粒子径が小さい前記無色樹脂粒
子、前記フレーク状粒子より比重が大きい前記無色樹脂
粒子好ましい。或は、前記フレーク状粒子より平均粒子
径が大きくかつ前記フレーク状粒子より比重が大きい前
記無色樹脂粒子が好ましい。なおまた特に前記無色樹脂
粒子としては、平均粒子径が0.1〜10μmのものが
好ましい。また最低造膜温度(MFT)が40℃以上又
はガラス転移温度(Tg)が40℃以上の無色樹脂粒子
が好ましい。
【0052】前記無色樹脂粒子としては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹
脂を例示することができ、それぞれの樹脂球が好適に用
いられる。前記無色樹脂粒子は1種もしくは2種以上を
混合して用いることができる。特にアクリル系樹脂球、
中でも0.15〜5.00μmの範囲内の粒子径を持つ
アクリル系樹脂球が最適である。
【0053】前記無色樹脂粒子は、インキ組成物全量に
対して1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%含有
することが好ましい。前記無色樹脂粒子が30重量%を
超える場合は、粘度が上がりすぎ、インキの流出性が低
下するほか、前記着色剤による色が薄くなり、着色性が
低下する場合がある。前記無色樹脂粒子が1重量%未満
の場合は、当該無色樹脂粒子含有による消去性の向上が
十分でない。なお、前記無色樹脂粒子は前記フレーク状
粒子より含有量が多くすることが好ましいが限定される
ものではない。
【0054】(剪断減粘性付与剤)本発明のインキには
剪断減粘性付与剤を用いることができる。剪断減粘性付
与剤は、主として、インキ組成物にせん断力が作用した
ときにインキ組成物の粘性を低下させ、流動性を発現さ
せる性質(擬塑性流動性又はチキソトロピック性)を有
するものであれば特に制限されず、特に溶媒の種類に応
じて適宜決定することができる。
【0055】水性溶媒(水系溶媒)の場合には、多糖類
及びその誘導体の少なくとも1種を好ましく使用するこ
とができる。多糖類及びその誘導体としては、例えばプ
ルラン、ザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、
サクシノグリカン、デキストリン等の微生物系多糖類及
びその誘導体;トラガンシカム、グアーガム、タラガ
ム、ローカストビーンガム、ガディガム、アラビノガラ
クタンガム、アラビアガム、クイスシードガム、ペクチ
ン、デンプン、サイリュートガム、カラギーナン、アル
ギン酸、寒天等の水溶性植物系多糖類及びその誘導体;
ゼラチン、カゼイン、アルブミン等の水溶性動物系多糖
類及びその誘導体等が挙げられる。これらは、 1種又
は2種以上で用いることができる。また、これらは、市
販品を用いることもできる。これらせん断減粘性付与剤
の中でも、微生物系多糖類及びその誘導体が好ましい。
【0056】油性溶媒(非水系溶媒)の揚合には、非顔
料系ゲル化剤の少なくとも1種を好ましく使用すること
ができる。非顔料系ゲル化剤としては、例えばアルミニ
ウム石鹸等の金属石鹸類、ジベンジリデンソルビトール
等のソルビトール誘導体、アルキルグルタミン酸アミド
類、脂肪酸アミド類、酸化ポリエチレンワックス類、デ
キストラン脂肪酸エステル類、水添ひまし油、12−ピ
トロキシステアリン酸、ポリエーテル・エステル型界面
活性剤系ゲル化剤等が挙げられる。これらは、1種又は
2種以上で用いることができる。また、これらは、市販
品を用いることもできる。これらせん断減粘性付与剤の
中でも、金属石鹸類が好ましい。
【0057】せん断減粘性付与剤の含有量は、本発明組
成物中0.01〜20重量%程度であり、用いるせん断
減粘性付与剤、溶媒等の種類に応じて上記範囲内から適
宜設定すれば良い。特に、多糖類及びその誘導体の少な
くとも1種を用いる場合は、0. 01〜5重量%が好
ましく、特に0.03〜3重量%がより好ましい。ま
た、特に、非顔料系ゲル化剤の少なくとも1種を用いる
場合は、0.01〜20重量%が好ましく、特に0.2
〜10重量%がより好ましい。
【0058】(溶媒)本発明をインキに適用する場合は
溶媒を用いることができる。この場合、溶媒は特に制限
されず、水系又は非水系のいずれも採用することができ
る。溶媒としては、水のほか、例えばエチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等の
アルコール類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、メチル
エチルケトン、メチルイソプチルケトン、イソホロン等
のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
セロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコール
等のエーテルアルコール類等の有機溶剤が挙げられる。
水系の場合は、水単独又は水と有機溶剤(水溶性有機溶
剤)とを併用したものを採用することができる。非水系
の場合は、有機溶剤の少なくとも1種からなるものを採
用すれば良い。溶媒の含有量は、前記の必須成分及び後
記の添加剤を用いる場合はこれら添加剤の含有量の除い
た残部とすれば良い。
【0059】なお、本発明を水性インキに適用する場合
は、既述の通り、水溶性有機溶剤を用いることができ
る。水溶性有機溶剤を用いることにより、インキの乾燥
速度を所望の範囲に調整し、ペン先での乾燥防止及び凍
結防止を図ることができる。具体的には、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、1,8−プロパン
ジオール、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリ
コール、チオジグリコール等の二価アルコール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ジ
グリセリン、ソルビット等の多価アルコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のグリコールエーテルの他、
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド等が使用できる。これらは1種又は2種以上
を使用することができる。これらの中でも、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン等が好ま
しい。
【0060】水溶性有機溶剤の含有量は、他の成分との
関係や種類に応じて適宜設定すれば良く、インキ組成物
全量に対して、通常1〜40重量%程度、好ましくは2
〜25重量%とすれば良い。水溶性有機溶剤の含有量が
40重量%を超える場合は、水溶性樹脂の溶解性に影響
があり、筆跡の塗膜が乾燥し難くなる。同含有量が1重
量%未満の場合は、ペン先が乾燥しやすく、インキ凍結
の可能性がある。
【0061】また水性インキの場合、水の含有量は、所
望の粘度、他の成分の種類・添加量等によって適宜決定
すれば良く、通常は総量で60〜95重量%程度、好ま
しくは70〜80重量%である。
【0062】(その他の添加剤)本発明では、さらに必
要に応じて、分散剤、潤滑剤、防錆剤、防腐・防黴剤、
粘度調整剤、pH調整剤等の公知のインキで用いられる
各種添加剤も適宜配合することができる。分散剤は、特
に着色剤の分散性を高めるものであり、例えば、ナフタ
レンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物、高級アルコー
ル硫酸エステルソーダ、アルキルベンゼンスルホン酸ソ
ーダ等の陰イオン系界面活性剤、ポリエチレングリコー
ルアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキル
フェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエ
ーテル等の非イオン系界面活性剤等を使用できる。この
中でも、陰イオン系界面活性剤が好ましく、特にナフタ
レンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物がより好まし
い。分散剤の添加量は、インキ組成物全量に対して、通
常0.01〜1重量%程度、好ましくは0.1〜0.5
重量%とすれば良い。
【0063】潤滑剤としては、ポリオキシエチレンアル
カリ金属塩、ジカルボン酸アミド、燐酸エステル等を用
いることができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウ
ムナイトレート等を用いることができる。防腐・防黴剤
としては、例えばソルビタン酸カリウム、安息香酸ナト
リウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、デヒドロ
酢酸ナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オ
ン、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフ
ォニル)ピリジン、ベンズイミダゾール系化合物、クレ
ゾール等を使用できる。これらは1種又は2種以上を使
用することができる。これらの中でも、特に安息香酸ナ
トリウム等が好ましい。防腐・防黴剤の添加量は、イン
キ組成物全量に対して、通常0.2〜3重量%程度、好
ましくは0.5〜2重量%とすれば良い。
【0064】(粘度)本発明のインキ組成物の粘度は、
最終製品の用途等に応じて適宜設定すれば良いが、通常
は100〜10000mPa・s程度、好ましくは50
0〜5000mPa・sとすれば良い。なお、粘度は、
各成分の配合等により適宜調節することができる。本発
明におけるインキ粘度は、ELD型粘度計を用い、3°
(R14)コーン 回転数0.5rpm(20℃)の条
件下で測定した値を示す。
【0065】(具体的なインキ組成)本発明の具体的な
インキ組成としては、既述した構成要素を選択的に組み
合わせることで得られ、特に限定されないが、好適なイ
ンキ組成としては、次の成分が、インキ組成物全量に対
して下記含有量で含まれており、かつ下記フレーク状粒
子以外の着色剤を含まない筆記具用消去性水性インキ組
成物である。なお、好ましい粘度範囲は既述の通り、1
00〜10000mPa・s(ELD型粘度計を用い、
3°(R14)コーン 回転数0.5rpm(20
℃))である。 (a)着色及び/又は非着色のフレーク状粒子(その粒子の平均粒子径 が2〜10μmの範囲内のもの) 0.5〜50重量% (b)粘着性樹脂(その樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であって 、最低造膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度(Tg)が40℃以 下であるもの) 1〜30重量% (c)キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース、グアーガム、 プルラン、ラムザンガム、ウェランガム及びサクシノグルカンの少なくとも1種 から選ばれる剪断減粘性付与剤 0.01〜20重量% (d)水溶性有機溶剤 1〜40重量% (e)水 残部
【0066】(インキの製造方法)従来公知の分散・脱
泡方法、濾過等でインキ作製が可能であり、基本的には
公知の水性インキの製法と同様にして調製すればよい
が、たとえば次の方法が好ましい。すなわち、フレーク
状粒子(着色剤)、粘着性樹脂、(必要なら無色樹脂粒
子)を水及び水溶性有機溶剤で分散させた後、水溶性樹
脂を投入し、必要に応じてpH調整を行い、消去性水性
インキを得た。着色剤等の粒子の粒度分布の調整は、必
要に応じて分散剤を添加した後、撹拌しながら水で希釈
し、これによって得られた分散液を用いて遠心分離等に
より分級を行えば良い。混合・攪拌は、ミキサー、ニー
ダー等の公知の装置を使用すれば良い。ろ過、脱泡等も
公知の方法に従えば良い。
【0067】(用途)本発明のインキ組成物は、実質的
にあらゆる種類の筆記具、印刷等のインキに適用するこ
とができる。筆記具としては、例えばマーカー、サイン
ペン、ボールペン等のいずれにも用いることができる。
特に、その優れた消去性からボールペン用としても最適
である。
【0068】本発明のボールペンは、水性インキとして
本発明の消去性インキ組成物を用いるほかは、公知のボ
ールペン用部材を採用すれば良い。例えば、インキ収容
管も、公知の材料・大きさのものをそのまま適用でき
る。インキ収容管の材質としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の合成樹脂製パイプ、その他にも
金属製パイプが採用できる。また、ボールペンチップに
ついても公知の水性ボールペンで用いられているものと
同様の材質・構造を採用できる。
【0069】ボールペンの組み立ては、公知のボールペ
ン組立方法に従えば良い。例えば、本発明の消去性イン
キ組成物を、洋白ボールペンチップ(ボール材質:超硬
合金、セラミックス等)を一端に取り付けたポリプロピ
レン製インキ収容管に充填してボールペンレフィールと
し、次いで本体にボールペンレフィールを取り付け、尾
栓を装着した後、ボールペンレフィールを遠心分離機に
より管中の空気を除去すれば、本発明の水性ボールペン
を得ることができる。
【0070】
【実施例】表1及び表2に示す配合組成により、フレー
ク状粒子、粘着性樹脂、必要に応じて無色樹脂粒子を、
水及び水溶性有機溶剤で分散させた後、剪断減粘性付与
剤、防腐・防黴剤、防錆剤、潤滑剤を投入し、pH調整
を行い、消去性水性インキを得た。比較の為、粘着性樹
脂及び無色樹脂粒子を含まないインキについても同様の
方法で作製した。分散・脱泡方法、濾過等はインキ作製
にあたって採用されている公知の方法を採用した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】<注>表1及び表2中、下記符号に示す原
料を用いた。 (フレーク状粒子) I 黒色フレーク状粒子:“酸化物アルミナカーボンブ
ラック着色フレーク粒子、平均粒子径5μm” YKK
社製 (遠心分離により分級2.0μ未満カット品) II 黒色フレーク状粒子:“酸化物アルミナカーボンブ
ラック着色フレーク粒子、平均粒子径10μm” YK
K社製
【0074】(無色樹脂球) I アクリル系(架橋)タイプ:商品名“MX−30
0”綜研科学社製、平均粒子径3.00μm
【0075】(粘着性樹脂) I アクリル系樹脂:商品名“ジュリマーAT−21
0”、固形分約30%Tg−7.5℃ 日本純薬社製 II アクリル系樹脂エマルション:商品名“SL−2
2”、平均粒子径0.2μm 固形分約40% Tg4
0℃ 日本純薬社製 III アクリル系樹脂エマルション:商品名“ニカゾー
ル B7612”、平均粒子径5.4μm 固形分約3
0% Tg−49℃ 日本カーバイド社製 IV SBRエマルション:商品名“JSR0589”、
平均粒子径0.2μm、固形分約50% Tg0℃ 日
本合成ゴム社製 V アクリル系樹脂:商品名“ジュリマーAT−61
3”、固形分約30%Tg76℃ 日本純薬社製 VI アクリル系樹脂エマルション:商品名“ニカゾール
RX−3006E”、平均粒子径0.2.μm 固形
分約40% Tg70℃ 日本カーバイド社製
【0076】(剪断減粘性付与剤/水溶性増粘樹脂) I ウェランガム:商品名“K1C376”、三晶社製 (水溶性有機溶剤) I グリセリン:試薬 II プロピレングリコール:試薬
【0077】(防腐防黴剤) I 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、商品名
“プロクセルGXL”ヘキスト合成株式会社製 (防錆剤) I ベンゾトリアゾール:試薬 (潤滑剤) I POEアルキルエーテルリン酸エステル:商品名
“フォスファノールPE−510”東邦化学工業株式会
社製 リン酸エステル系活性剤
【0078】<評価方法>まず、各インキ組成物を用い
てボールペンを組み立てた。ステンレス鋼製ボールペン
チップ(ボール:炭化ケイ素)を一端に通設した半透明
ポリプロピレン製中空軸筒からなるインキ収容管に各イ
ンキ組成物を充填することにより各ボールペンを得た。
次に筆跡定着性と消去性を評価するため、下記の試験を
行った。その結果を表1及び表2に示す。
【0079】(消去性)前記ボールペンを用い、画用紙
上に筆記線を描き、10分経過後に市販の消しゴムで通
常の圧力で擦り、筆記線の消去程度を肉眼により観察し
た。下記の評価基準により判定した。 評価基準 ○:容易に消去可能 △:着色が薄くなる ×:ほとんど変化なし
【0080】(定着性)前記ボールペンを用い、画用紙
上に筆記線を描き、10分経過後に、この得られた筆跡
(塗膜)を、1kgの分銅に乾いた綿ブロードを巻きつ
けて1回擦り、試験塗膜の状態を観察し、下記の評価基
準により判定した。 評価基準 ○:変化なし △:一部剥がれる ×:ほとんど剥がれる
【0081】表1及び表2より、粘着性樹脂を含まない
比較例1のインキと比較して、粘着性樹脂を含む実施例
のインキはいずれも市販の消しゴムで容易に消去するこ
とができると同時に、1kgの擦過力に対しても筆跡塗
膜は剥がれず、優れた定着性を発揮することが認められ
た。このように、ボールペンの高い筆圧による筆記線で
も容易に消去でき、かつ筆跡塗膜の定着性も優れている
ことから、ボールペン用としても好適である。一方、前
記粘着性樹脂を含むインキ組成物であっても、その最低
造膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度
(Tg)が40℃以下である比較例2〜6はいずれも試
験塗膜は剥がれ定着性に問題があった。
【0082】
【発明の効果】本発明は、上記の通り、着色及び/又は
非着色のフレーク状粒子と粘着性樹脂を含有する消去性
インキ組成物、特に、前記フレーク状粒子と、最低造膜
温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度(T
g)が40℃以下である粘着性樹脂を含む消去性インキ
組成物であるため、筆跡を消しゴムで容易に消去できる
と同時に、優れた定着性を発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 憲弘 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番 20号 株式会社サクラクレパス内 (72)発明者 須藤 篤 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番 20号 株式会社サクラクレパス内 (72)発明者 円城寺 勲 大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番 20号 株式会社サクラクレパス内 Fターム(参考) 4J039 AB02 AD03 AD09 AD10 AE01 AE04 AE05 AE11 BA12 BA24 BA32 BE01 EA29 GA27

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色及び/又は非着色のフレーク状粒子
    と粘着性樹脂を含有する消去性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記フレーク状粒子が、フレーク状アル
    ミナ粒子及びフレーク状窒化ホウ素の少なくとも1種で
    ある請求項1記載の消去性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記フレーク状粒子以外の着色剤を含ま
    ない請求項1又は2記載の消去性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記フレーク状粒子の平均粒子径が2μ
    m以上である請求項1〜3のいずれかの項に記載の消去
    性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記粘着性樹脂の最低造膜温度(MF
    T)が40℃以下又はガラス転移温度(Tg)が40℃
    以下である請求項1〜4のいずれかの項に記載の消去性
    インキ組成物。
  6. 【請求項6】 前記粘着性樹脂の平均粒子径が10μm
    以下である請求項5記載の消去性インキ組成物。
  7. 【請求項7】 前記粘着性樹脂が、アクリル系合成樹脂
    エマルション、アクリル−スチレン系合成樹脂エマルシ
    ョン、エポキシ系合成樹脂エマルション、ウレタン系合
    成樹脂エマルション、シリコーン系合成樹脂エマルショ
    ン、アクリル系合成樹脂、アクリル−スチレン系合成樹
    脂、ウレタン系合成樹脂、ビニル系合成樹脂、セルロー
    ス系樹脂の少なくとも1種である請求項1〜6のいずれ
    かの項に記載の消去性インキ組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、無色樹脂粒子を含有する請求項
    1〜7のいずれかの項に記載の消去性インキ組成物。
  9. 【請求項9】 前記無色樹脂粒子が、前記フレーク状粒
    子より小さい平均粒子径を有する請求項8記載の消去性
    インキ組成物。
  10. 【請求項10】 前記無色樹脂粒子が、前記フレーク状
    粒子より比重が大きい請求項8又は9記載の消去性イン
    キ組成物。
  11. 【請求項11】 前記無色樹脂粒子が、前記フレーク状
    粒子より平均粒子径が大きく、かつ前記無色樹脂粒子が
    前記フレーク状粒子より比重が大きい請求項8又は9記
    載の消去性インキ組成物。
  12. 【請求項12】 前記無色樹脂粒子が、前記フレーク状
    粒子より含有量が多い請求項8〜11のいずれかの項に
    記載の消去性インキ組成物。
  13. 【請求項13】 前記無色樹脂粒子の平均粒子径が0.
    1〜10μmの範囲内にある請求項8〜12のいずれか
    の項に記載の消去性インキ組成物。
  14. 【請求項14】 前記フレーク状粒子が、インキ組成物
    全量に対して0.5〜50重量%含まれている請求項1
    〜13のいずれかの項に記載の消去性インキ組成物。
  15. 【請求項15】 前記粘着性樹脂が、インキ組成物全量
    中1〜30重量%含まれている請求項1〜14のいずれ
    かの項に記載の消去性インキ組成物。
  16. 【請求項16】 前記無色樹脂粒子がインキ全量に対し
    て3〜30重量%含まれている請求項1〜15のいずれ
    かの項に記載の消去性インキ組成物。
  17. 【請求項17】 次の成分を含有する消去性インキ組成
    物。 (a)着色及び/又は非着色のフレーク状粒子 (b)粘着性樹脂 (c)剪断減粘性付与剤 (d)溶媒
  18. 【請求項18】 次の成分が、インキ組成物全量に対し
    て下記含有量で含まれており、かつ下記フレーク状粒子
    以外の着色剤を含まない筆記具用消去性水性インキ組成
    物。 (a)着色及び/又は非着色のフレーク状粒子(その粒子の平均粒子径 が2〜10μmの範囲内のもの) 0.5〜50重量% (b)粘着性樹脂(その樹脂粒子の平均粒子径が10μm以下であって 、最低造膜温度(MFT)が40℃以下又はガラス転移温度(Tg)が40℃以 下であるもの) 1〜30重量% (c)キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース、グアーガム、 プルラン、ラムザンガム、ウェランガム及びサクシノグルカンの少なくとも1種 から選ばれる剪断減粘性付与剤 0.01〜20重量% (d)水溶性有機溶剤 1〜40重量% (e)水 残部
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかの消去性イ
    ンキ組成物をインキとして用いた筆記具。
  20. 【請求項20】 請求項1〜18のいずれかの消去性イ
    ンキ組成物をインキとして用いたボールペン。
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