JP2003031802A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JP2003031802A
JP2003031802A JP2001218555A JP2001218555A JP2003031802A JP 2003031802 A JP2003031802 A JP 2003031802A JP 2001218555 A JP2001218555 A JP 2001218555A JP 2001218555 A JP2001218555 A JP 2001218555A JP 2003031802 A JP2003031802 A JP 2003031802A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オン抵抗を低減することのできる電界効果ト
ランジスタ及びその製造方法を提供することが課題であ
る。 【解決手段】 P+ 型SiC基板210上にP- 型Si
Cエピタキシャル領域220が積層されたウエハと、ウ
エハ表面の所定部位ウエハの内部に注入して形成される
ドレイン領域230、及びソース領域240と、ドレイ
ン領域230とソース領域240との間に形成されるチ
ャネル領域380と、ドレイン領域230に形成される
ドレイン電極290と、ソース領域240に形成される
ソース電極300と、チャネル領域380に対し、ゲー
ト絶縁膜270を介して形成されるゲート電極280
と、を有して構成される。そして、チャネル領域380
は、P- 型ゲート半導体領域250と、N- 型埋込チャ
ネル領域260、及びP- 型ボディ半導体領域252か
ら構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタに係り、特にオン抵抗を低く抑えることのできる電
界効果トランジスタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における電界効果トランジスタとし
て、例えば、特開平9−74193号公報(以下、従来
例という)に記載されたものが知られている。図23
は、該従来例に記載された電界効果トランジスタの構成
を示す断面図である。
【0003】同図に示すように、この電界効果トランジ
スタは、高濃度N+ 型SiC(炭化珪素)からなるワイ
ドバンドギャップ半導体基板201上に、N- 型SiC
からなるエピタキシャル領域202が形成され、該エピ
タキシャル領域202上にP- 型SiCからなるエピタ
キシャル領域203が形成されている。
【0004】そして、エピタキシャル領域203の表層
部における所定領域には、N+ 型ソース領域205、及
びP+ 型ボディコンタクト領域204が形成される。ま
た、エピタキシャル領域203内には溝208が、エピ
タキシャル領域203を貫通しエピタキシャル領域20
2に達するように形成されている。
【0005】更に、溝208の側壁にはN- 型SiCか
らなるチャネル領域206が形成されている。また、層
間絶縁膜212によりゲート電極209と絶縁されて、
ソース領域205、及びボディコンタクト領域204に
接続されたソース電極211が形成され、ワイドバンド
ギャップ半導体基板201の裏面にドレイン電極210
が形成されている。
【0006】この電界効果トランジスタにおいては、ド
レイン電極210とソース電極211との間に電圧が印
加された状態で、ゲート電極209に電圧が印加される
と、ゲート電極209に対向したチャネル領域206の
表層に、N型蓄積層型のチャネルが形成され、ドレイン
電極210からソース電極211に電流が流れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来例に記載
されたSiC蓄積型電界効果トランジスタでは、ゲート
絶縁膜207と、N- 型蓄積チャネル形成領域206と
の界面に不完全な結晶構造が存在する。このため、ゲー
ト電極209に電圧を印加して形成したチャネル領域2
06表層の蓄積チャネルに多量の界面準位が存在し、こ
れらが電子トラップとして働くためチャネル移動度を大
きくすることができずオン抵抗が高いという問題があ
る。
【0008】また、耐圧に関しては、ドレイン電極21
0に高電圧が印加されたとき、溝208の底部のゲート
絶縁膜207に高電圧が加えられる。そして、この絶縁
膜207が破壊されると、大量の漏れ電流が発生するた
め、ワイドキャップ半導体であるSiC本来の、高い耐
絶縁破壊電界を活かした高耐圧を実現することができな
いという問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の課題を解決す
るためになされたものであり、その目的とするところ
は、高耐圧でオン抵抗の低い電界効果トランジスタ及び
その製造方法を提供することにある。特にワイドギャッ
プ半導体装置を対象とし、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する低オン抵抗の電界効果
トランジスタ及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明は、珪素よりもバンドギ
ャップの広いワイドバンドギャップ半導体を有する半導
体基板と、前記半導体基板の表面の所定部位に形成され
るドレイン領域、及びソース領域と、前記ドレイン領域
とソース領域との間に形成され、ゲート電圧によってチ
ャネルが形成されるチャネル領域と、前記ドレイン領域
に形成されるドレイン電極と、前記ソース領域に形成さ
れるソース電極と、前記チャネル領域に対し、ゲート絶
縁膜を介して形成されるゲート電極と、を具備し、前記
チャネル領域は、第1導電型のゲート半導体領域と、第
2導電型の埋込チャネル領域と、第1導電型のボディ半
導体領域からなることが特徴である。
【0011】請求項2に記載の発明は、珪素よりもバン
ドギャップの広いワイドバンドギャップ半導体を有する
半導体基板と、前記半導体基板の表面の所定部位に形成
されるドレイン領域、及びソース領域と、前記ドレイン
領域とソース領域との間に形成され、ゲート電圧によっ
てチャネルが形成されるチャネル領域と、前記ドレイン
領域とソース領域の外側に形成される絶縁層領域と、前
記ドレイン領域に形成されるドレイン電極と、前記ソー
ス領域に形成されるソース電極と、前記チャネル領域に
対し、ゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電極と、
を具備し、前記チャネル領域は、第1導電型のゲート半
導体領域と、第2導電型の埋込チャネル領域と、を有
し、前記第2の導電型の埋込チャネル領域は、前記第1
導電型のゲート半導体領域と前記絶縁層領域との間に形
成されたことを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、珪素よりもバン
ドギャップの広いワイドバンドギャップ半導体の基板上
に、該ワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル領
域を積層して構成される半導体基板と、前記半導体基板
の一方の表面の所定部位に形成される溝部と、前記溝部
の内面に形成される第1導電型のゲート半導体領域と、
該ゲート半導体領域の外側となる前記エピタキシャル領
域に形成される第2導電型の埋込チャネル領域と、この
埋込チャネル領域の外側に形成される第1導電型のボデ
ィ半導体領域と、からなるチャネル領域と、前記埋込チ
ャネル領域の上側に形成されるソース領域と、前記ソー
ス領域に形成されるソース電極と、前記ゲート半導体領
域の内側に、ゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電
極と、前記半導体基板の他方の表面に形成されるゲート
電極と、を有することを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、珪素よりもバン
ドギャップの広いワイドバンドギャップ半導体の基板上
に、該ワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル領
域を積層して構成される半導体基板と、前記半導体基板
の一方の表面の所定部位に形成される溝部と、前記溝部
の内面に形成される第1導電型のゲート半導体領域と、
該ゲート半導体領域の外側となる前記エピタキシャル領
域に形成される第2導電型の埋込チャネル領域と、から
なるチャネル領域と、前記埋込チャネル領域の上側に形
成されるソース領域と、前記ソース領域に形成されるソ
ース電極と、前記ゲート半導体領域の内側に、ゲート絶
縁膜を介して形成されるゲート電極と、前記半導体基板
の他方の表面に形成されるゲート電極と、を有すること
を特徴とする。
【0014】請求項5に記載の発明は、前記第1導電型
のゲート半導体領域を、CVDエピタキシャル成長によ
り形成することを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、珪素よりもバン
ドギャップの広いワイドバンドギャップ半導体を有する
半導体基板と、前記半導体基板の表面の所定部位に形成
されるドレイン領域、及びソース領域と、前記ドレイン
領域とソース領域との間に形成されるチャネル領域と、
前記ドレイン領域に形成されるドレイン電極と、前記ソ
ース領域に形成されるソース電極と、前記チャネル領域
に対し、ゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電極
と、を具備し、前記チャネル領域は、第1導電型の表面
チャネル領域部と、第2導電型の埋込チャネル領域部か
らなり、前記ドレイン領域は、第1導電型のドレイン領
域部と、第2導電型のドレイン領域部からなり、前記ソ
ース領域は、第1導電型のソース領域部と、第2導電型
のソース領域部からなることを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、前記半導体基板
は、ワイドバンドギャップ半導体の基板上に、該ワイド
バンドギャップ半導体のエピタキシャル領域が積層され
て構成されることを特徴とする。
【0017】請求項8に記載の発明は、前記半導体基板
は、珪素基板上に二酸化珪素膜を形成し、更に、該二酸
化珪素膜上に前記ワイドバンドギャップ半導体の単結晶
層を形成して構成されることを特徴とする。
【0018】請求項9に記載の発明は、珪素よりもバン
ドギャップの広いワイドバンドギャップ半導体の基板上
に、該ワイドバンドギャップ半導体のエピタキシャル領
域を積層して構成される半導体基板と、前記半導体基板
の一方の表面の所定部位に形成される溝部と、前記溝部
の周囲に、ゲート絶縁膜を介して形成されるゲート電極
と、前記溝部に沿って、前記半導体基板の一方の表面か
ら内部に注入して形成されるソース領域と、該ソース領
域の下部に形成されるチャネル領域と、前記ソース領
域、及びチャネル領域の周辺部に形成される二酸化珪素
膜と、前記ソース領域に形成されるソース電極と、前記
半導体基板の他方の表面に形成されるドレイン電極と、
を具備し、前記チャネル領域は、第1導電型の表面チャ
ネル領域部と、第2導電型の埋込チャネル領域部とから
なり、前記ソース領域は、第1導電型のソース領域部
と、第2導電型のソース領域部とからなることを特徴と
する。
【0019】請求項10に記載の発明は、前記ワイドバ
ンドギャップ半導体は、炭化珪素半導体であることを特
徴とする。
【0020】請求項11に記載の発明は、前記第1導電
型は、P型またはN型のうちの一方であり、前記第2導
電型は、P型またはN型のうちの他方であることを特徴
とする。
【0021】請求項12に記載の発明は、珪素よりもバ
ンドギャップの広い第1導電型のワイドバンドギャップ
半導体の基板上に、該ワイドバンドギャップ半導体のエ
ピタキシャル領域を積層して構成される半導体基板を用
いた電界効果トランジスタを製造する方法であって、前
記半導体基板の表面に、少なくとも2箇所の開口部を有
するマスク材を配置し、該マスク材の上から、第2導電
型の不純物及び第1導電型の不純物を注入することによ
り、第1導電型のソース領域部と第2導電型のソース領
域部からなるソース領域、及び第1導電型のドレイン領
域部と第2導電型のドレイン領域部からなるドレイン領
域を形成する第1aのステップと、前記半導体基板の表
面に、前記ドレイン領域とソース領域とに挟まれる部位
が開口部とされたマスク材を配置し、この開口部から第
2導電型の不純物及び第1導電型の不純物を注入するこ
とにより、第1導電型の表面チャネル領域部と第2導電
型の埋込チャネル領域部からなるチャネル領域を形成す
る第2aのステップと、前記チャネル領域の表面にゲー
ト絶縁膜、及びゲート電極を形成する第3aのステップ
と、前記ソース領域の表面にソース電極を形成し、前記
ドレイン領域の表面にドレイン電極を形成する第4aの
ステップと、を有することを特徴とする。
【0022】請求項13に記載の発明は、前記第2aの
ステップの後に、前記ドレイン領域の側部が開口部とさ
れたマスク材を配置し、該開口部から第2導電型の不純
物を注入することにより、前記ドレイン領域から前記半
導体基板側へ流れ込む電流を阻止する領域を形成する第
5aのステップを具備し、その後、前記第3aのステッ
プ以降の処理を行うことを特徴とする。
【0023】請求項14に記載の発明は、珪素よりもバ
ンドギャップの広い第1導電型のワイドバンドギャップ
半導体を含む半導体基板を用いた電界効果トランジスタ
を製造する方法であって、表面に二酸化珪素膜が形成さ
れた珪素基板の、前記二酸化珪素膜上に、前記ワイドバ
ンドギャップ半導体基板を張り合わせる第1bのステッ
プと、前記ワイドバンドギャップ半導体基板の表面を熱
酸化させて、ワイドバンドギャップ半導体層、及び二酸
化珪素膜を形成し、その後、該二酸化珪素膜を除去する
第2bのステップと、前記二酸化珪素膜が除去された後
のワイドバンドギャップ半導体層の表面に、少なくとも
2箇所の所望部位が開口部とされたマスク材を設置し、
この開口部から不純物を注入し、第1導電型のドレイン
領域部と第2導電型のドレイン領域部からなるドレイン
領域、及び第1導電型のソース領域部と第2導電型のソ
ース領域部からなるソース領域を形成する第3bのステ
ップと、前記ドレイン領域、及びソース領域の表面を覆
設するマスク材を設置し、該マスク材にて覆設されない
部分から不純物を注入して、第1導電型の表面チャネル
領域部と第2導電型の埋込チャネル領域部からなるチャ
ネル領域を形成する第4bのステップと、前記チャネル
領域の表面にゲート絶縁膜、及びゲート電極を形成する
第5bのステップと、前記ドレイン領域の表面にドレイ
ン電極を形成し、前記ソース領域の表面にソース電極を
形成する第6bのステップと、を具備したことを特徴と
する。
【0024】請求項15に記載の発明は、前記ワイドバ
ンドギャップ半導体は、炭化珪素半導体であることを特
徴とする。
【0025】請求項16に記載の発明は、前記第1導電
型は、P型またはN型のうちの一方であり、前記第2導
電型は、P型またはN型のうちの他方であることを特徴
とする。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明では、ゲート電圧を印加
しないときは、ゲート半導体領域と埋込チャネル領域の
接合に生じる第1の空乏層が、ボディ半導体領域と埋込
チャネル領域の接合に生じる第2の空乏層に接触し、こ
れにより、埋込チャネル領域を完全に空乏化させ、ソー
ス、ドレイン間に流れる電流を遮断することができる。
つまり、ノーマリオフとなる。また、ゲートに電圧を印
加すると、埋込チャネル領域内に蓄積チャネルが形成さ
れるので、オン状態にスイッチングされる。
【0027】請求項2の発明によれば、ゲート電圧を印
加しないときには、ゲート半導体領域と埋込チャネル領
域の接合に生じる空乏層により、埋込チャネル領域を完
全に空乏化させ、一方でゲートに電圧を印加すると前記
埋込チャネル領域内に蓄積チャネルを形成するできる。
【0028】その結果、ノーマリオフの電圧駆動型で、
高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタが得
られる。特に、埋込チャネル領域内に形成される蓄積チ
ャネルは、ゲート絶縁膜とゲート半導体領域の界面に存
在する不完全な結晶構造の影響を受けないため、チャネ
ル移動度を大きくすることができる。それゆえチャネル
抵抗を飛躍的に低減でき、ドレイン・ソース間のオン抵
抗を低減することができる。
【0029】請求項3の発明によれば、ゲート電圧を印
加しないときは、ゲート半導体領域と埋込チャネル領域
の接合に生じる第1の空乏層が、ボディ半導体領域と埋
込チャネル領域の接合に生じる第2の空乏層に接触し、
これにより埋込チャネル領域を完全に空乏化させ、一方
でゲートに電圧を印加することで埋込チャネル領域内に
蓄積チャネルを形成することができる。従って、ドレイ
ン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【0030】請求項4の発明によれば、ゲート電圧を印
加しないときは、ゲート半導体領域と埋込チャネル領域
の接合に生じる空乏層により、埋込チャネル領域を完全
に空乏化させ、一方でゲート電圧を印加することで、埋
込チャネル領域内に蓄積チャネルを形成することができ
る。その結果、ドレイン・ソース間のオン抵抗を低減す
ることができる。
【0031】また、ドレイン電極とソース電極との間に
高電圧が印加された場合、溝に沿って形成される第1導
電型のゲート半導体領域から延びる空乏層によって、ゲ
ート絶縁膜にかかる電界がシールドされるので、ゲート
絶縁膜の耐圧で決まらない、ワイドバンドギャップ半導
体の高い絶縁破壊電界に対応する高耐圧を実現すること
ができる。
【0032】請求項5の発明によれば、溝に沿った第1
導電型のゲート半導体領域をCVDエピタキシャル成長
により形成することができるので、ゲート半導体領域は
結晶欠陥が少なく品質の良い領域とすることができる。
その結果、ゲート半導体領域の表面に形成されるゲート
絶縁膜の品質を向上できる、あるいは、オン時における
リーク電流も小さくなる等の利点がある。
【0033】請求項6、12、13の発明では、ゲート
電極に電圧を印加しないときは、第1導電型の表面チャ
ネル領域部と第2導電型の埋込チャネル領域部との接合
部に生じる空乏層により、表面チャネル領域部、及び埋
込チャネル領域部を完全に空乏化させることができる。
一方、ゲート電極に電圧を印加すると、表面チャネル領
域部に第1導電型の蓄積チャネルを形成することがで
き、また、埋込チャネル領域部内に第2導電型の蓄積チ
ャネルを形成することができる。その結果、オン抵抗を
低減することができる。
【0034】請求項7の発明では、ワイドバンドギャッ
プ半導体の基板上に、該ワイドバンドギャップ半導体の
エピタキシャル領域が積層されているので、オン抵抗を
低減させることができる。
【0035】請求項8、14の発明では、二酸化珪素膜
上にワイドバンドギャップ半導体の単結晶層を形成して
いるので、オン抵抗を低減することができる。
【0036】請求項9の発明では、高ドレイン耐圧を有
する電界効果トランジスタにおいても、ゲート電極に電
圧を印加しないときは、第1導電型の表面チャネル領域
部と第2導電型の埋込チャネル領域部の接合部分に生じ
る空乏層により、表面チャネル領域部、及び埋込チャネ
ル領域部を完全に空乏化させることができる。一方、ゲ
ート電極に電圧を印加すると、表面チャネル領域部に第
1導電型の蓄積チャネルを形成することができ、また、
埋込チャネル領域部に第2導電型の蓄積チャネルを形成
することができる。
【0037】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
を得ることができる。特に、本発明により表面チャネル
領域部には第1導電型の蓄積チャネルが形成され、埋込
チャネル領域部には第2導電型の蓄積チャネルが形成さ
れるWチャネル構造とすることが可能となる。また、第
2導電型の蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜と表面チャネ
ル領域部の界面に存在する不完全な結晶構造の影響を受
けないため、チャネル移動度を大きくすることができ
る。このため、チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ドレ
イン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【0038】請求項10、15の発明では、ワイドバン
ドギャップ半導体として、炭化珪素半導体(SiC)を
用いることにより、PN接合のビルトイン電圧が大き
く、ゲート電極に電圧が印加されていない状態で電流が
非導通状態となるような設計を容易に行うことができ
る。
【0039】請求項11、16の発明では、第1導電型
及び第2導電型を、P型及びN型とすることにより、融
通性に富む。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて説明する。なお、本発明の電界効果トランジ
スタの実施形態においては、第1導電型をP型とし、第
2導電型をN型とするが、第1導電型をN型、第2導電
型をP型としてもよい。また、本実施形態ではゲート絶
縁膜上にポリシリコン電極を形成するMIS型電界効果
トランジスタを例に説明するが、ゲート電極にショット
キーメタルを用いたMESFET型としてもよい。
【0041】また、本実施形態では取り上げないが、本
発明はIGBT、MISサイリスタ等の電圧駆動型電界
効果トランジスタ素子にも適用できる。更に、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲での変形も含むことは言うまでも
ない。
【0042】[第1実施例]図1は、本発明第1実施例
に係るSiC(炭化珪素;ワイドバンドギャップ半導
体)電界効果トランジスタの単位セルの断面図である。
同図に示すように、この電界効果トランジスタは、基板
コンタクトをとるためのP+ 型SiC基板210上に、
P- 型エピタキシャル領域220が積層されたウエハ
(半導体基板)において、P- 型エピタキシャル領域2
20表面層の所定の領域に、所定深さのN+ 型ドレイン
領域230(図中右側)と、N+ 型ソース領域240
(図中左側)が形成されている。
【0043】そして、ドレイン領域230とソース領域
240の間に挟まれるエピタキシャル領域220の部分
には、チャネル領域380が形成される。このチャネル
領域380は、P- 型ゲート半導体領域250(第1の
導電型のゲート半導体領域)、N- 型埋込チャネル領域
260(第2の導電型の埋込チャネル領域)、及びP-
型ボディ半導体領域252(第1の導電型のボディ半導
体領域)の3つの領域から構成される。
【0044】ここで、ゲート半導体領域250、及び埋
込チャネル領域260の厚さ及びキャリア濃度は、埋込
チャネル領域260に存在する伝導キャリアがゲート半
導体領域250、及びボディ半導体領域252との静電
ポテンシャルにより空乏化されるように設計されてい
る。
【0045】さらに詳しくは、ゲート半導体領域250
と埋込チャネル領域260の接合に生じる第1の空乏層
が、ボディ半導体領域252と埋込チャネル領域260
の接合に生じる第2の空乏層に接触し、これにより埋込
チャネル領域260が完全に空乏化されるように設計さ
れている。
【0046】また、P- 型ゲート半導体領域250の表
面には、ゲート絶縁膜270を介してゲート電極280
が形成される。また、ドレイン領域230の上面には、
ドレイン電極290が形成される。更に、ソース領域2
40の上面には、ソース電極300が形成される。そし
て、P+ 型SiC基板210の裏面には、基板コンタク
ト電極310が形成されている。
【0047】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図2、図3に示す断面図を用いて説
明する。
【0048】まず、図2(a)の工程では、P+ 型Si
C基板210の上に、例えば不純物濃度が1E14〜1
E18/cm3、厚さが1〜50μmのP- 型SiCエ
ピタキシャル領域220を形成する。
【0049】図2(b)の工程では、マスク材320を
用いて、P- 型SiCエピタキシャル領域220の表層
部の所定の領域に、例えば100〜1000℃の高温で
燐イオンを注入し、N+ 型ドレイン領域230、及びN
+ 型ソース領域240を形成する。加速電圧は例えば1
00〜3MeVで多段注入を行い、総ドーズ量は例えば
1E13〜1E16/cm2 である。N型不純物となる
不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを用いてもよ
い。
【0050】図3の(c)の工程では、マスク材321
を用いて、N+ 型ドレイン領域230と、N+ 型ソース
領域240との間のエピタキシャル領域220の部分
に、例えば100〜1000℃の高温で窒素イオンを注
入し、N- 型埋込チャネル領域260を形成する。この
際、加速電圧を例えば30〜3MeVとして多段注入を
行い、総ドーズ量は例えば1E11〜1E15/cm2
である。
【0051】このとき、注入された窒素原子は、P- 型
ゲート半導体領域250よりも深いところに分布するこ
とを条件とする。また、N- 型埋込チャネル領域260
の下面に位置するエピタキシャル領域220の部分を、
P- 型ボディ半導体領域252とする。
【0052】そして、ゲート半導体領域250、埋込チ
ャネル領域260の厚さ及びキャリア濃度は、ゲート半
導体領域250と埋込チャネル領域260の接合に生じ
る第1の空乏層が、ボディ半導体領域252と埋込チャ
ネル領域260の接合に生じる第2の空乏層に接触し、
これにより埋込チャネル領域260が完全に空乏化され
るように設計される。
【0053】そして、イオン注入を行った後、例えば1
000〜1700℃での熱処理を行い、注入した不純物
を活性化する。こうして、ゲート半導体領域250、埋
込チャネル領域260、及びボディ半導体領域252か
らなる、チャネル領域380が完成する。
【0054】なお、上記では、N- 型埋込チャネル領域
260はイオン注入より形成したが、CVD法によりエ
ピタキシャル成長させて形成してもよい。
【0055】図3(d)の工程では、P- 型ゲート半導
体領域250の上面を含むエピタキシャル領域220の
表面にゲート絶縁膜270を例えば900〜1300℃
での熱酸化により形成する。その後、例えばポリシリコ
ンによりゲート電極280を形成する。
【0056】この後、特に図示しないが、基板裏面に基
板コンタクト電極310として金属膜を蒸着し、例えば
600〜1400℃程度で熱処理してオーミック電極と
し、またドレイン領域230上にドレイン電極290
を、ソース領域240上にソース電極300を形成す
る。このようにして、図1に示した電界効果トランジス
タが完成する。
【0057】なお、本実施例においては、ドレイン電極
290およびソース電極300は、少なくともN+ 型ド
レイン領域230、及びN+ 型ソース領域240の表面
の一部に形成されていればよい。また、本実施例では、
P+ 型のSiC基板210を用いて基板コンタクトを裏
面からとる構造としているが、N+ 型のSiC基板の上
にP- 型のエピタキシャル層を成長させ、基板コンタク
トをP- 型のエピタキシャル層の表面側に形成してもよ
い。またP- 型のSiC基板を用いてもよい。
【0058】次に、この電界効果トランジスタの動作に
ついて説明する。ゲート電極280に電圧が印加されて
いない状態では、ゲート半導体領域250と埋込チャネ
ル領域260の接合部からビルトイン電圧に対応して広
がる第1の空乏層が、ボディ半導体領域252と埋込チ
ャネル領域260の接合部からビルトイン電圧に対応し
て広がる第2の空乏層に接触し、これにより埋込チャネ
ル領域260をピンチオフ状態にできる。
【0059】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができ、ノーマリーオフとなる。また、
ワイドバンドギャップ半導体基板として、SiCからな
るものを用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が
大きく、このようなゲート電極に電圧が印加されていな
い状態で電流が非導通状態となるような設計を容易に行
うことができる。
【0060】次に、ゲート電極280に対して負のバイ
アスを供給すると、表面チャネル領域60内にソース領
域240からドレイン領域230へと延びる蓄積型のチ
ャネル領域が形成され、オン状態にスイッチングされ
る。このとき、電子は、N+ 型ソース領域240から埋
込チャネル領域260内に形成される蓄積チャネルを経
由し、N+ 型ドレイン領域230に流れ込む。
【0061】このように、ゲート電極280に負の電圧
を印加することにより、表面チャネル領域260内に蓄
積チャネルを誘起させ、ソース電極300とドレイン電
極290との間にキャリアが流れる。
【0062】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
が得られる。特に、埋込チャネル領域260内に形成さ
れる蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜270とゲート半導
体領域250の界面に存在する不完全な結晶構造の影響
を受けないため、チャネル移動度を大きくすることがで
きる。そのため、チャネル抵抗を飛躍的に低減すること
ができ、ドレイン・ソース間のオン抵抗を低減すること
ができる。
【0063】[第2実施例]図4は、本発明の第2実施
例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断面
図である。図示のように、シリコン基板340の上には
二酸化シリコン膜330が形成されている。この二酸化
シリコン膜330の上には、ソース、ドレイン、チャネ
ルを形成するためのSiC単結晶層が形成されている。
【0064】このSiC単結晶層内には、二酸化シリコ
ン膜330に達するまで形成されたN+ 型ドレイン領域
231、及びN+ 型ソース領域241がそれぞれ形成さ
れている。そしてドレイン領域231とソース領域24
1の間に挟まれるSiC単結晶層の部分にチャネル領域
381が形成される。
【0065】このチャネル領域381は、P- 型ゲート
半導体領域251、及びN- 型埋込チャネル領域261
の2つの領域から構成される。ここで、ゲート半導体領
域251、埋込チャネル領域261の厚さ、及びキャリ
ア濃度は、ゲート半導体領域251と埋込チャネル領域
261の接合部からビルトイン電圧に対応して広がる空
乏層により、埋込チャネル領域261が完全に空乏化さ
れるように設計されている。
【0066】また、P- 型ゲート半導体領域251の表
面には、ゲート絶縁膜271を介してゲート電極281
が形成される。ドレイン領域231の上面にはドレイン
電極291が形成される。また、ソース領域241の上
面にはソース電極301が形成される。
【0067】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図5(a)〜(c)、図6(d)〜
(e)に示す断面図を参照しながら説明する。
【0068】まず、図5(a)の工程では、表面に、厚
みが例えば0.01〜3μmの二酸化シリコン膜330
が形成されたシリコン基板340を準備する。次いで、
二酸化シリコン膜330に、厚みが例えば0.1〜5μ
m、P型不純物を均一に例えば1E14〜1E18/c
m3 含有したP- 型SiC半導体基板401を張り合わ
せる。
【0069】図5(b)の工程では、P- 型SiC半導
体基板401を、例えば酸化温度900〜1200℃で
熱酸化し、SiC半導体基板401の露出した表面から
例えば厚さ0.01〜4μm程度の厚さの二酸化シリコ
ン膜402を形成する。これにより、二酸化シリコン膜
402と、二酸化シリコン膜330との間に、厚みが例
えば0.1〜2μm程度のP- 型SiC半導体層403
が得られる。その後、二酸化シリコン膜402をフッ化
アンモニウム溶液により除去する。
【0070】図5(c)の工程では、マスク材322を
用いて、P- 型SiC半導体層403の所定の領域に、
二酸化シリコン膜330に達するまで、例えば100〜
1000℃の高温で燐イオンを注入し、N+ 型ドレイン
領域231及びN+ 型ソース領域241を形成する。加
速電圧は、例えば100〜3MeVで多段注入を行い、
総ドーズ量は例えば1E13〜1E16/cm2 であ
る。N型不純物となる不純物としては燐の他に窒素、ヒ
素などを用いてもよい。
【0071】図6(d)の工程では、マスク材323を
用いて、N+ 型ドレイン領域231とN+ 型ソース領域
241との間のP- 型半導体層403の部分に、例えば
100〜1000℃の高温で窒素イオンを注入し、N-
型埋込チャネル領域261を形成する。加速電圧は例え
ば30〜3MeVで多段注入を行い、総ドーズ量は例え
ば1E11〜1E15/cm2 である。
【0072】この時、注入された窒素原子は、P- 型ゲ
ート半導体領域251よりも深いところに分布する条件
とする。そして、ゲート半導体領域251、埋込チャネ
ル領域261の厚さ、及びキャリア濃度は、ゲート半導
体領域251と埋込チャネル領域261の接合部からビ
ルトイン電圧に対応して広がる空乏層により、埋込チャ
ネル領域261が完全に空乏化されるように設計され
る。
【0073】イオン注入を行った後、例えば1000〜
1700℃での熱処理を行い、注入した不純物を活性化
する。こうして、ゲート半導体領域251及び埋込チャ
ネル領域261からなる、チャネル領域381が完成す
る。
【0074】図6(e)の工程では、P- 型ゲート半導
体領域251の上面を含む半導体層表面にゲート絶縁膜
271を例えば900〜1300℃での熱酸化により形
成する。その後、例えばポリシリコンによりゲート電極
281を形成する。
【0075】その後、特に図示しないが、ドレイン領域
231上にドレイン電極291を、ソース領域241上
にソース電極301を形成する。こうして、図4に示し
た電界効果トランジスタが完成する。
【0076】なお、本実施例においては、ドレイン電極
291及びソース電極301は、少なくともN+ 型ドレ
イン領域231及びN+ 型ソース領域241の表面の一
部に形成されていればよい。
【0077】次に、この電界効果トランジスタの動作に
ついて説明する。ゲート電極281に電圧が印加されて
いない状態では、ゲート半導体領域251と埋込チャネ
ル領域261の接合部からビルトイン電圧に対応して広
がる空乏層により、埋込チャネル領域261をピンチオ
フ状態にできる。その結果、ソースSとドレインD間の
電流を遮断することができノーマリーオフとなる。
【0078】また、ワイドバンドギヤップ半導体基板と
してSiCからなるものを用いたときには、PN接合の
ビルトイン電圧が大きく、このようなゲート電極に電圧
が印加されていない状態で電流が非導通状態となるよう
な設計を容易に行うことができる。
【0079】次に、ゲート電極281に対して負のバイ
アスを供給すると、埋込チャネル領域261内に、N+
型ソース領域241からN+ 型ドレイン領域231へと
延びる蓄積型のチャネル領域が形成され、オン状態にス
イッチングされる。このとき、電子は、ソース領域24
1から埋込チャネル領域261内に形成される蓄積チャ
ネルを経由し、ドレイン領域231に流れ込む。
【0080】このように、ゲート電極281に負の電圧
を印加することにより、埋込チャネル領域261内に蓄
積チャネルを誘起させ、ソース電極301とドレイン電
極291との間にキャリアが流れる。
【0081】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
が得られる。特に、埋込チャネル領域261内に形成さ
れる蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜271とゲート半導
体領域251の界面に存在する不完全な結晶構造の影響
を受けないため、チャネル移動度を大きくすることがで
きる。このため、チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ド
レイン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【0082】[第3実施例]図7は、本発明の第3実施
例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断面
図である。図示のように、ドレイン領域となるN+ 型S
iC基板211上に、N- 型SiCエピタキシャル領域
221が積層されたウエハにおいて、エピタキシャル領
域221の表層部における所定領域には、N+ 型ソース
領域242およびP+ 型ボディコンタクト領域350が
それぞれ形成されている。更に、N-型エピタキシャル
領域221の一主面の所定の領域には溝360が形成さ
れており、この溝360に沿ってP- 型ゲート半導体領
域253が形成される。
【0083】また、エピタキシャル領域221の表層部
における所定領域には、ボディコンタクト領域350を
含んだ所定深さを有するP- 型のボディ半導体領域25
4が形成される。ここで、ゲート半導体領域253とボ
ディ半導体領域254の間のエピタキシャル領域221
の部分には、N- 型埋込チャネル領域262が形成され
る。これら、ゲート半導体領域253、埋込チャネル領
域262、及びボディ半導体領域254から構成される
領域を、チャネル領域382とする。
【0084】なお、ゲート半導体領域253、埋込チャ
ネル領域262及びボディ半導体領域254の厚さ及び
キャリア濃度は、N- 型埋込チャネル領域262に存在
する伝導キャリアがゲート半導体領域253及びボディ
半導体領域254との静電ポテンシャルにより空乏化さ
れるように設計されている。
【0085】更に詳しくは、ゲート半導体領域253と
埋込チャネル領域262の接合に生じる第1の空乏層
が、ボディ半導体領域254と埋込チャネル領域262
の結合に生じる第2の空乏層に接触し、これにより埋込
チャネル領域262が完全に空乏化されるように設計さ
れている。
【0086】また、P- 型ゲート半導体領域253の表
面には、ゲート絶縁膜272を介してゲート電極282
が形成される。また、ソース領域242の上面にはソー
ス電極302が形成される。更に、ボディコンタクト領
域350の上面にはボディコンタクト電極311が形成
される。そして、N+ 型SiC基板211の裏面にはド
レイン電極292が形成されている。
【0087】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図8(a)〜(c)、図9(d)〜
(f)に示す断面図を参照しながら説明する。
【0088】まず、図8(a)の工程では、N+ 型Si
C基板211の上に例えば不純物濃度が1E14〜1E
18/cm3 、厚さが1〜100μmのN- 型SiCエ
ピタキシャル領域221を形成する。
【0089】図8(b)の工程では、N- 型エピタキシ
ャル領域221の一主面の所定の領域に、例えば0.1
〜5μmの深さの溝360を形成する。
【0090】図8(c)の工程では、溝360に沿って
CVD法によりSiCをホモエピタキシャル成長させ、
P- 型ゲート半導体領域253を形成する。
【0091】なお、P- 型ゲート半導体領域は、例え
ば、ほう素等をイオン注入して形成してもよい。
【0092】図9(d)の工程では、N- 型エピタキシ
ャル領域221の表層部の所定の領域に例えば燐イオン
を注入し、N+ 型ソース領域242を形成する。N型不
純物となる不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを用
いてもよい。
【0093】図9(e)の工程では、N- 型エピタキシ
ャル領域221の表層部所定の領域に、例えば、ほう素
イオンを注入し、P+ 型ボディコンタクト領域350及
びP- 型ボディ半導体領域254を形成する。また、ゲ
ート半導体領域253とボディ半導体領域254の間の
エピタキシャル領域221の部分をN- 型埋込チャネル
領域262とする。
【0094】ここで、ゲート半導体領域253、埋込チ
ャネル領域262及びボディ半導体領域254の厚さ及
びキャリア濃度は、ゲート半導体領域253と埋込チャ
ネル領域262の接合に生じる第1の空乏層が、ボディ
半導体領域254と埋込チャネル領域262の接合に生
じる第2の空乏層に接触し、これにより埋込チャネル領
域262が完全に空乏化されるように設計される。
【0095】なお、イオン注入を行った後、例えば10
00〜1700℃での熱処理を行い、注入した不純物を
活性化する。こうして、ゲート半導体領域253、埋込
チャネル領域262、及びボディ半導体領域254から
なる、チャネル領域382が完成する。
【0096】図9(f)の工程では、P- 型ゲート半導
体領域253表面にゲート絶縁膜272を例えば900
〜1300℃での熱酸化により形成する。その後、例え
ばポリシリコンによりゲート電極282を形成する。
【0097】この後、特に図示しないが、ソース領域2
42の上面にソース電極302を形成し、また、ボディ
コンタクト領域350の上面にボディコンタクト電極3
11を形成する。そして、N+ 基板211の裏面にはド
レイン電極292を形成する。こうして、図7に示した
電界効果トランジスタが完成する。
【0098】なお、本実施例においては、ソース電極3
02及びボディコンタクト電極311は、少なくともN
+ 型ソース領域242およびボディ半導体領域350の
表面の一部に形成されていればよい。また、溝360の
底面は曲面で形成したが曲面でなくてもよい。溝の断面
形状はV字型溝のように底面が無い形状であってもよ
い。
【0099】次に、本実施例に係る電界効果トランジス
タの動作について説明する。ゲート電極282に電圧が
印加されていない状態では、ゲート半導体領域253と
埋込チャネル領域262の接合部からなるビルトイン電
圧に対応して広がる第1の空乏層が、ボディ半導体領域
254と埋込チャネル領域262の接合部からビルトイ
ン電圧に対応して広がる第2の空乏層に接触し、これに
より埋込チャネル領域262をピンチオフ状態とするこ
とができる。
【0100】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができ、ノーマリーオフとなる。また、
ワイドバンドギヤップ半導体基板としてSiCからなる
ものを用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が大
きく、このようなゲート電極に電圧が印加されていない
状態で電流が非導通状態となるような設計を容易に行う
ことができる。
【0101】次に、ゲート電極282に対して負のバイ
アスを供給すると、埋込チャネル領域262内に、N+
型ソース領域242からN- 型ドリフト領域(エピタキ
シャル領域)221方向へ延びる蓄積型のチャネル領域
が形成され、オン状態にスイッチングされる。このと
き、電子は、N+ 型ソース領域242から埋込チャネル
領域262内に形成される蓄積チャネルを経由し、N-
型エピタキシャル領域221に流れる。そして、N- 型
エピタキシャル領域221に達すると、電子は、N+ 型
SiC基板211へ垂直に流れる。
【0102】このように、ゲート電極282に負の電圧
を印加することにより、埋込チャネル領域262内に蓄
積チャネルを誘起させ、ソース電極302とドレイン電
極292との間にキャリアが流れる。
【0103】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
が得られる。特に、埋込チャネル領域262内に形成さ
れる蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜272とゲート半導
体領域253の界面に存在する不完全な結晶構造の影響
を受けないため、チャネル移動度を大きくすることがで
きる。これらの結果チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、
ドレイン・ソース間のオン抵抗を低減することができ
る。
【0104】また、ドレイン電極292とソース電極3
02との間に高電圧が印加された場合、溝360にそっ
て形成されるP- 型ゲート半導体領域253から延びる
空乏層によってゲート絶縁膜272にかかる電界がシー
ルドされるから、ゲート絶縁膜272の耐圧で決まらな
い、ワイドバンドギャップ半導体の高い絶縁破壊電界に
対応する高耐圧を実現することができる。
【0105】[第4実施例]図10は、本発明の第4実
施例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断
面図である。同図に示すように、ドレイン領域となるN
+ 型SiC基板212上に、N- 型SiCエピタキシャ
ル領域222が積層されたウエハにおいて、エピタキシ
ャル領域222の表層部における所定領域には、N+ 型
ソース領域243が形成されている。更に、N- 型エピ
タキシャル領域222の一主面の所定の領域には溝36
1が形成されており、この溝361にそってP- 型ゲー
ト半導体領域255が形成されている。
【0106】エピタキシャル領域222の一主面の所定
の領域には、溝362が形成されており、また、この溝
362内は絶縁膜370が埋め込まれている。ここで、
ゲート半導体領域255と絶縁膜370の間のエピタキ
シャル領域222の部分には、N- 型埋込チャネル領域
263が形成される。これらゲート半導体領域255、
及び埋込チャネル領域263から構成される領域を、チ
ャネル領域383とする。
【0107】なお、ゲート半導体領域255及び埋込チ
ャネル領域263の厚さおよびキャリア濃度は、ゲート
半導体領域255と埋込チャネル領域263の接合部か
らビルトイン電圧に対応して広がる空乏層により、埋込
チャネル領域263が完全に空乏化されるように設計さ
れている。
【0108】また、P- 型ゲート半導体領域255の表
面には、ゲート絶縁膜273を介してゲート電極283
が形成される。ソース領域243上にはソース電極30
3が形成される。そして、N+ 基板212の裏面には、
ドレイン電極293が形成されている。
【0109】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図11(a)〜(c)、図12
(d)〜(f)に示す断面図を参照しながら説明する。
【0110】まず、図11(a)の工程では、N+ 型S
iC基板212の上に、例えば不純物濃度が1E14〜
1E18/cm3 、厚さが1〜100μmのN- 型Si
Cエピタキシャル領域222を形成する。
【0111】図11(b)の工程では、N- 型エピタキ
シャル領域222の一主面の所定の領域に、例えば0.
1〜5μmの深さの溝361を形成する。
【0112】図11(c)の工程では、溝361に沿っ
てCVD法によりSiCをホモエピタキシャル成長さ
せ、P- 型ゲート半導体領域255を形成する。
【0113】なお、P- 型ゲート半導体領域は、例え
ば、ほう素等をイオン注入して形成してもよい。
【0114】図12(d)の工程では、N- 型エピタキ
シャル領域222の表層部の所定の領域に例えば燐イオ
ンを注入し、N+ 型ソース領域243を形成する。N型
不純物となる不純物としては燐の他に窒素、ヒ素などを
用いてもよい。
【0115】なお、イオン注入を行った後、例えば10
00〜1700℃での熱処理を行い、注入した不純物を
活性化する。
【0116】図12(e)の工程では、N- 型エピタキ
シャル領域222の一主面の所定の領域に、例えば0.
1〜5μmの深さの溝362を形成する。
【0117】図12(f)の工程では、例えばLPCV
D法を用いて厚みが0.1〜5μmの二酸化シリコンを
堆積し、溝362を埋め込む。その後、例えばCMP法
を用いて二酸化シリコン膜を機械的化学研磨し、二酸化
シリコン膜370を溝内部に残す。ここで、ゲート半導
体領域255と二酸化シリコン膜370の間のエピタキ
シャル領域222の部分には、N- 型埋込チャネル領域
263が形成される。
【0118】こうして、ゲート半導体領域255及び埋
込チャネル領域263からなるチャネル領域383が完
成する。なお、ゲート半導体領域255及び埋込チャネ
ル領域263の厚さおよびキャリア濃度は、ゲート半導
体領域255と埋込チャネル領域263が完全に空乏化
されるように設計される。
【0119】その後、P- 型ゲート半導体領域255表
面にゲート絶縁膜273を例えば900〜1300℃で
の熱酸化により形成する。そして、例えばポリシリコン
によりゲート電極283を形成する。
【0120】この後、特に図示しないが、ソース領域2
43の上面にソース電極303を形成する。また、N+
型SiC基板212の裏面にはドレイン電極293を形
成する。こうして、図10に示した電界効果トランジス
タが完成する。
【0121】なお、本実施例においては、ソース電極3
03は、少なくともN+ 型ソース領域243の表面の一
部に形成されていればよい。また、溝361の底面は曲
面で形成したが曲面でなくてもよい。溝の断面形状はV
字型溝のように底面が無い形状であってもよい。
【0122】次に、この電界効果トランジスタの動作を
説明する。ゲート電極283に電圧が印加されていない
状態では、ゲート半導体領域255と埋込チャネル領域
263の接合部からビルトイン電圧に対応して広がる空
乏層により、埋込チャネル領域263をピンチオフ状態
にできる。その結果、ソースSとドレインD間の電流を
遮断することができノーマリーオフとなる。
【0123】また、ワイドバンドギヤップ半導体基板と
してSiCからなるものを用いたときには、PN接合の
ビルトイン電圧が大きく、このようなゲート電極に電圧
が印加されていない状態で電流が非導通状態となるよう
な設計を容易に行うことができる。
【0124】次に、ゲート電極283に対して負のバイ
アスを供給すると、埋込チャネル領域263内に、N+
型ソース領域243からN- 型ドリフト領域(エピタキ
シャル領域)222方向へ延びる蓄積型のチャネル領域
が形成され、オン状態にスイッチングされる。このと
き、電子は、N+ 型ソース領域243から埋込チャネル
領域263内に形成される蓄積チャネルを経由し、N-
型エピタキシャル領域222に流れる。そして、N- 型
エピタキシャル領域222に達すると、電子は、N+ 型
SiC基板212へ垂直に流れる。
【0125】このように、ゲート電極283に負の電圧
を印加することにより、埋込チャネル領域263内に蓄
積チャネルを誘起させ、ソース電極303とドレイン電
極293との間にキャリアが流れる。
【0126】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
が得られる。特に、埋込チャネル領域263内に形成さ
れる蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜273とゲート半導
体領域255の界面に存在する不完全な結晶構造の影響
を受けないため、チャネル移動度を大きくすることがで
きる。これらの結果チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、
ドレイン・ソース間のオン抵抗を低減することができ
る。
【0127】また、ドレイン電極とソース電極との間に
高電圧が印加された場合、溝361に沿って形成される
P- 型ゲート半導体領域255から延びる空乏層によっ
てゲート絶縁膜273にかかる電界がシールドされるか
ら、ゲート絶縁膜273の耐圧で決まらない、ワイドバ
ンドギャップ半導体の高い絶縁破壊電界に対応する高耐
圧を実現することができる。
【0128】[第5実施例]図13は、本発明の第5実
施例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断
面図である。同図に示すように、ドレイン領域となるN
+ 型SiC基板213上に、N- 型SiCエピタキシャ
ル領域223が積層されたウエハにおいて、エピタキシ
ャル領域223の表層部における所定領域には、所定深
さを有するP- 型ボディ半導体領域257が形成されて
いる。
【0129】更に、エピタキシャル領域223の表層部
における所定領域には、N+ 型ソース電極244及びP
+ ボディコンタクト電極351が形成されている。ここ
で、N+ ソース領域244とエピタキシャル領域223
の間の、ボディ半導体領域257の部分には、P- 型ゲ
ート半導体領域256及びN- 型埋込チャネル領域26
4がそれぞれ形成されている。
【0130】そして、これらゲート半導体領域256、
埋込チャネル領域264及びボディ半導体領域257か
ら構成される領域を、チャネル領域384とする。な
お、ゲート半導体領域256、埋込チャネル領域264
及びボディ半導体領域257の厚さ及びキャリア濃度
は、N- 型埋込チャネル領域264に存在する伝導キャ
リアがゲート半導体領域256及びボディ半導体領域2
57との静電ポテンシャルにより空乏化されるように設
計されている。
【0131】さらに詳しくは、ゲート半導体領域256
と埋込チャネル領域264の接合に生じる第1の空乏層
が、ボディ半導体領域257と埋込チャネル領域264
の接合に生じる第2の空乏層に接触し、これにより埋込
チャネル領域264が完全に空乏化されるように設計さ
れている。
【0132】また、P- 型ゲート半導体領域256の表
面には、ゲート絶縁膜274を介してゲート電極284
が形成される。更に、ソース領域244の上面にはソー
ス電極304が形成される。ボディコンタクト領域35
1の上面にはボディコンタクト電極312が形成され
る。そしてN+ 基板213の裏面にはドレイン電極29
4が形成されている。
【0133】次に、この電界効果トランジスタの動作に
ついて説明する。ゲート電極284に電圧が印加されて
いない状態では、ゲート半導体領域256と埋込チャネ
ル領域264の接合部からビルトイン電圧に対応して広
がる第1の空乏層が、ボディ半導体領域257と埋込チ
ャネル領域264の接合部からビルトイン電圧に対応し
て広がる第2の空乏層に接触し、これにより埋込チャネ
ル領域264をピンチオフ状態とすることができる。
【0134】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができ、ノーマリーオフとなる。また、
ワイドバンドギャップ半導体基板としてSiCからなる
ものを用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が大
きく、このようなゲート電極に電圧が印加されていない
状態で電流が非導通状態となるような設計を容易に行う
ことができる。
【0135】次に、ゲート電極284に対して負のバイ
アスを供給すると、埋込チャネル領域264内に蓄積型
のチャネル領域が形成され、オン状態にスイッチングさ
れる。このとき、電子は、N+ 型ソース領域244から
埋込チャネル領域264内の蓄積チャネルを経由し、N
- 型エピタキシャル領域223に流れる。そして、N-
型エピタキシャル領域223に達すると、電子は、N+
型SiC基板213へ垂直に流れる。
【0136】このように、ゲート電極284に負の電圧
を印加することにより、埋込チャネル領域264内に蓄
積チャネルを誘起させ、ソース電極304とドレイン電
極294との間にキャリアが流れる。
【0137】その結果、ノーマリーオフの電圧駆動型
で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタ
が得られる。特に、埋込チャネル領域264内に形成さ
れる蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜274とゲート半導
体領域256の界面に存在する不完全な結晶構造の影響
を受けないため、チャネル移動度を大きくすることがで
きる。これらの結果チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、
ドレイン・ソース間のオン抵抗を低減することができ
る。
【0138】また、ドレイン電極とソース電極との間に
高電圧が印加された場合、P- 型ゲート半導体領域25
6とエピタキシャル領域223の接合に広がる空乏層、
及びP- 型ボディ半導体領域257とエピタキシャル領
域223の接合に広がる空乏層によって、ゲート絶縁膜
274にかかる電界がシールドされるから、ゲート絶縁
膜274の耐圧で決まらない、ワイドバンドギャップ半
導体の高い絶縁破壊電界に対応する高耐圧を実現するこ
とができる。
【0139】[第6実施例]図14は、本発明の第6実
施例に係るSiC(炭化珪素;ワイドバンドギャップ半
導体)電界効果トランジスタの単位セルの断面図であ
る。同図に示すように、この電界効果トランジスタは、
基板コンタクトをとるためのP+ 型SiC基板10上
に、P- 型エピタキシャル領域20が積層されたウエハ
(半導体基板)において、該P- 型エピタキシャル領域
20の所定の領域(図中右側)に、P+ 型ドレイン領域
(第1導電型のドレイン領域部)30とN+ 型ドレイン
領域(第2導電型のドレイン領域部)40が形成されて
いる。
【0140】また、同様に、P- 型エピタキシャル領域
20の所定の領域(図中左側)に、P+ 型ソース領域
(第1導電型のソース領域部)100とN+ 型ソース領
域(第2導電型のソース領域部)110が形成されてい
る。そして、P+ 型ドレイン領域30とP+ 型ソース領
域100の間に挟まれるP- 型エピタキシャル領域20
の部分には、P- 型表面チャネル領域(第1導電型の表
面チャネル領域部)60が配置される。
【0141】更に、N+ 型ドレイン領域40とN+ 型ソ
ース領域110の間の部分には、N- 型埋込チャネル領
域(第2導電型の埋込チャネル領域部)70が形成され
る。チャネル領域90は、これら表面チャネル領域60
と埋込チャネル領域70から構成される。また、N- 型
埋込チャネル領域70の下面の所定深さを有するエピタ
キシャル領域20の部分を、P- 型ボディ半導体領域8
0とする。
【0142】ここで、表面チャネル領域60、及び埋込
チャネル領域70の厚さ及びキャリア濃度は、表面チャ
ネル領域60と埋込チャネル領域70の接合に生じる第
1の空乏層により表面チャネル領域60が完全に空乏化
され、且つこの第1の空乏層が、ボディ半導体領域80
と埋込チャネル領域70の接合に生じる第2の空乏層に
接触し、これにより埋込チャネル領域70も完全に空乏
化されるように設計されている。
【0143】なお、N- 型領域50は、P+ 型ドレイン
領域30からP- 型エピタキシャル領域20へと電流が
流れるのを防ぐために形成したものである。
【0144】また、P- 型表面エピタキシャル領域60
の表面には、ゲート絶縁膜120を介してゲート電極1
30が形成される。P+ 型ドレイン領域30上には、ド
レイン電極140が形成される。P+ 型ソース領域10
0上にはソース電極150が形成される。また、N+ 型
ソース領域110は、図示されない部分から、ソース電
極150に接地されるようコンタクトを取っている。そ
して、P+ 基板10の裏面には基板コンタクト電極16
0が形成され、ソース電極150に接続されている。
【0145】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図15(a)〜(c)、及び図16
(d)〜(f)の断面図を用いて説明する。
【0146】まず、図15(a)の工程では、P+ 型S
iC基板10の上に、例えば不純物濃度が1E14〜1
E18/cm3、厚さが1〜50μmのP- 型SiCエ
ピタキシャル領域20を形成する。
【0147】図15(b)の工程(第1aのステップ)
では、マスク材170を用いて、P- 型SiCエピタキ
シャル領域20の所定の領域に、例えば100〜100
0℃の高温で燐イオンを100〜3MeVの加速電圧で
多段注入し、N+ 型ドレイン領域40、及びN+ 型ソー
ス領域110を形成する。
【0148】総ドーズ量は、例えば1E13〜1E16
/cm2 である。N型不純物としては燐以外に、窒素、
ヒ素などを用いてもよい。その後、燐イオン注入に引き
続きマスク材170を用いて、例えば100〜1000
℃の高温でアルミニウムイオンを100〜3MeVの加
速電圧で多段注入し、P+ 型ドレイン領域30及びP+
型ソース領域100を形成する。総ドーズ量は例えば1
E13〜1E16/cm2 である。P型不純物としては
アルミニウム以外に、ほう素、ガリウムなどを用いても
よい。
【0149】なお、本例ではN+ 型ドレイン領域40、
及びN+ 型ソース領域110を形成するための燐イオン
注入を先に行ったが、P+ 型ドレイン領域30及びP+
型ソース領域100を形成するためのアルミニウムイオ
ン注入を先に行った後に、N+ 型ドレイン領域40、及
びN+ 型ソース領域110を形成するための燐イオン注
入を行ってもよい。
【0150】図15(c)の工程(第2aのステップ)
では、マスク材171を用いて、例えば100〜100
0℃の高温で窒素イオンを注入し、N- 型埋込チャネル
領域70を形成する。加速電圧は、例えば30〜3Me
Vで多段注入を行い、総ドーズ量は例えば1E11〜1
E15/cm2 である。この時、注入された窒素原子
は、P- 型表面チャネル領域60よりも深いところに分
布する条件とする。
【0151】また、N- 型の埋込チャネル領域70の下
面の所定深さを有するエピタキシャル領域20の部分
は、P- 型ボディ半導体領域80とする。そして、表面
チャネル領域60、及び埋込チャネル領域70の厚さ及
びキャリア濃度は、表面チャネル領域60と埋込チャネ
ル領域70の接合に生じる第1の空乏層により、表面チ
ャネル領域60が完全に空乏化され、かつこの第1の空
乏層が、ボディ半導体領域80と埋込チャネル領域70
の接合に生じる第2の空乏層に接触し、これにより埋込
チャネル領域70も完全に空乏化されるように設計され
る。
【0152】チャネル領域90は、これらP- 型表面チ
ャネル領域60とN- 型埋込チャネル領域70とから構
成される。なお、N- 型埋込チャネル領域70はイオン
注入により形成したが、CVD法によりエピタキシャル
成長させて形成してもよい。
【0153】図16(d)の工程(第5aのステップ)
では、マスク材172を用いて、例えば100〜100
0℃の高温で窒素イオンを注入し、N- 型領域50を形
成する。加速電圧は例えば30〜3MeVで多段注入を
行い、総ドーズ量は例えば1E11〜1E15/cm2
である。イオン注入を行った後は、例えば100〜18
00℃で熱処理を行い、注入した不純物を活性化する。
【0154】図16(e)の工程(第3aのステップ)
では、P- 型表面チャネル領域60の上面を含むエピタ
キシャル領域20の表面にゲート絶縁膜120を例えば
900〜1300℃での熱酸化により形成する。その
後、例えばポリシリコンによりゲート電極130を形成
する。
【0155】図16(f)の工程(第4aのステップ)
では、基板裏面に基板コンタクト電極160として金属
膜を蒸着する。また、P+ 型ドレイン領域30上にドレ
イン電極140を、P+ 型ソース領域100上にソース
電極150を形成する。そして、例えば600〜140
0℃程度で熱処理してオーミック電極とする。また、N
+ 型ソース領域110は、図示されない部分から、ソー
ス電極150に接地されるようコンタクト電極を形成す
る。このようにして図14に示した電界効果トランジス
タが完成する。
【0156】なお、本実施例においては、P+ 型のSi
C基板10を用いて基板コンタクトを裏面からとる構造
としているが、N+ 型のSiC基板の上にP- 型のエピ
タキシャル層を成長させ、基板コンタクトをこのP- 型
エピタキシャル層の表面側に形成してもよい。また、P
- 型のSiC基板を用いてもよい。
【0157】次に、第6実施例に係る電界効果トランジ
スタの動作について説明する。ゲート電極130に電圧
が印加されていない状態では、表面チャネル領域60と
埋込チャネル領域70の接合部からビルトイン電圧に対
応して広がる第1の空乏層により、P- 型表面チャネル
領域60をピンチオフ状態とすることができる。
【0158】また、この第1の空乏層が、ボディ半導体
領域80と埋込チャネル領域70の接合部からビルトイ
ン電圧に対応して広がる第2の空乏層に接触し、これに
より埋込チャネル領域70をピンチオフ状態にできる。
【0159】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができ、ノーマリオフとなる。また、ワ
イドバンドギャップ半導体基板としてSiCからなるも
のを用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が大き
く、このようなゲート電極に電圧が印加されていない状
態で電流が非道通状態となるような設計を容易に行うこ
とができる。
【0160】更に、第1の空乏層と第2の空乏層により
挟み込むかたちで埋込チャネル領域70をピンチオフ状
態にできるため、このような設計を容易に行うことがで
きる。
【0161】次に、ゲート電極130に対して、負のバ
イアスを与えると、表面チャネル領域60の表層にはP
+ 型ドレイン領域30からP+ 型ソース領域100へと
延びるP型の蓄積チャネルが形成される。これと同時
に、埋込チャネル領域70内にはN+ 型ソース領域40
からN+ 型ソース領域110へと延びるN型蓄積チャネ
ル領域が形成され、トランジスタはオン状態にスイッチ
ングされる。
【0162】このように、ゲート電極130に負の電圧
を印加することにより、表面チャネル領域60の表層に
はP型蓄積チャネルを、埋込チャネル領域70内にはN
型の蓄積チャネルを誘起させ、ソース電極150とドレ
イン電極140との間にキャリアが流れる。
【0163】これらの結果から、ノーマリオフの電圧駆
動型で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジ
スタが得られる。特に、本発明によりP- 型表面チャネ
ル領域60表層にはP型の蓄積チャネルが、N- 型埋込
チャネル領域70内にはN型の蓄積チャネルが形成され
るWチャネル構造が可能となる。
【0164】また、埋込チャネル領域70内に形成され
る蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜120と表面チャネル
領域60の界面に存在する不完全な結晶構造の影響を受
けないため、チャネル移動度を大きくすることができ
る。その結果、チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ドレ
イン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【0165】[第7実施例]図17は、本発明の第7実
施例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断
面図である。図示のように、シリコン基板180の上に
は二酸化シリコン膜190が形成されている。この二酸
化シリコン膜190の上には、ソース、ドレイン、チャ
ネルを形成するためのSiC(ワイドバンドギャップ半
導体)単結晶層が形成されている。このSiC単結晶層
内の所定の領域にはP+ 型ドレイン領域31が形成され
ている。
【0166】そして、このP+ 型ドレイン領域(第1導
電型のドレイン領域部)31の下にはN+ 型ドレイン領
域(第2導電型のドレイン領域部)41が二酸化シリコ
ン膜190に達するまで形成されている。同様に、Si
C単結晶層内の所定の領域にP+ 型ソース領域(第1導
電型のソース領域部)101が形成されており、このソ
ース領域101の下にはN+ 型ソース領域(第2導電型
のソース領域部)111が、二酸化シリコン膜190に
達するまで形成されている。
【0167】そして、P+ 型ドレイン領域31とP+ 型
ソース領域101との間のSiC単結晶層の部分には、
P- 型表面チャネル領域(第1導電型の表面チャネル領
域部)61が配置される。また、N+ 型ドレイン領域4
1とN+ 型ソース領域111との間のSiC単結晶層の
部分には、N- 型埋込チャネル領域(第2導電型の埋込
チャネル領域部)71が形成される。チャネル領域91
は、これら表面チャネル領域61、及び埋込チャネル領
域71から構成される。
【0168】ここで、表面チャネル領域61、及び埋込
チャネル領域71の厚さ及びキャリア濃度は、表面チャ
ネル領域61と埋込チャネル領域71の接合部からビル
トイン電圧に対応して広がる空乏層により、表面チャネ
ル領域61、及び埋込チャネル領域71が完全に空乏化
されるように設計されている。
【0169】また、P- 型表面チャネル領域61の表面
には、ゲート絶縁膜121を介してゲート電極131が
形成される。P+ 型ドレイン領域31上にはドレイン電
極141が形成される。そして、P+ 型ソース領域10
1上にはソース電極151が形成される。また、N+ 型
ソース領域111は、図示されない部分から、ソース電
極151に接地されるようコンタクトを取っている。
【0170】次に、本実施例の電界効果トランジスタの
製造方法の一例を、図18(a)〜(c)、図19
(d)〜(f)に示す各断面図を用いて説明する。
【0171】まず、図18の(a)の工程(第1bのス
テップ)では、表面に厚みが例えば0.01〜3μmの
二酸化シリコン膜190が形成されたシリコン基板18
0を準備する。次いで、二酸化シリコン膜190に、厚
みが例えば0.1〜5μm、P型不純物を均一に例えば
1E14〜1E18/cm3 含有したP- 型SiC半導
体基板1を張り合わせる。
【0172】図18(b)の工程(第2bのステップ)
では、P- 型SiC半導体基板1を、例えば酸化温度9
00〜1300℃で熱酸化し、SiC半導体基板1の露
出した表面から例えば厚さ0.01〜4μm程度の厚さ
の二酸化シリコン膜2を形成する。これにより、二酸化
シリコン膜2と二酸化シリコン膜190との間に、厚み
が例えば0.1〜2μm程度のP- 型SiC半導体層3
が得られる。その後、二酸化シリコン膜2をフッ化アン
モニウム溶液により除去する。
【0173】図18(c)の工程(第3bのステップ)
では、マスク材173を用いて、P- 型SiC半導体層
3の所定の領域に、例えば100〜1000℃の高温で
燐イオンを100〜3MeVの加速電圧で多段注入し、
二酸化シリコン膜190に達するまで、N+ 型ドレイン
領域41、及びN+ 型ソース領域111を形成する。
【0174】総ドーズ量は、例えば、1E13〜1E1
6/cm2 である。N型不純物としては燐以外に、窒
素、ヒ素などを用いてもよい。その後、燐イオン注入に
引き続きマスク材173を用いて、例えば100〜10
00℃の高温でアルミニウムイオンを100〜3MeV
の加速電圧で多段注入し、P+ 型ドレイン領域31及び
P+ 型ソース領域101を形成する。総ドーズ量は例え
ば1E13〜1E16/cm2 である。P型不純物とし
てはアルミニウム以外に、ほう素、ガリウムなどを用い
てもよい。
【0175】なお、本実施例ではN+ 型ドレイン領域4
1及びN+ 型ソース領域111を形成するための燐イオ
ン注入を先に行ったが、P+ 型ソース領域31及びP+
型ソース領域101を形成するためのアルミニウムイオ
ン注入を先に行った後に、N+ 型ドレイン領域41及び
N+ 型ソース領域111を形成するための燐イオン注入
を行ってもよい。
【0176】図19(d)の工程(第4bのステップ)
では、マスク材174を用いて、例えば100〜100
0℃の高温で窒素イオンを注入し、N- 型埋込チャネル
領域71を形成する。加速電圧は、例えば30〜3Me
Vで多段注入を行い、総ドーズ量は、例えば1E11〜
1E15/cm2 である。この時、注入された窒素原子
は、P- 型表面チャネル領域61よりも深いところに分
布する条件とする。
【0177】そして、表面チャネル領域61及び埋込チ
ャネル領域71の厚さ及びキャリア濃度は、表面チャネ
ル領域61と埋込チャネル領域71の接合部からビルト
イン電圧に対応して広がる空乏層により、表面チャネル
領域61及び埋込チャネル領域71が完全に空乏化され
るように設計される。
【0178】イオン注入を行った後、例えば100〜1
800℃での熱処理を行い、注入した不純物を活性化す
る。こうして、表面チャネル領域61及び埋込チャネル
領域71からなる、チャネル領域91が完成する。
【0179】図19(e)の工程(第5bのステップ)
では、P- 型表面チャネル領域61の上面を含む半導体
層表面にゲート絶縁膜121を例えば900〜1300
℃での熱酸化により形成する。その後例えばポリシリコ
ンによりゲート電極131を形成する。
【0180】図19(f)の工程(第6bのステップ)
では、P+ 型ドレイン領域31上にドレイン電極141
を形成し、更に、P+ 型ソース領域101上にソース電
極151を形成する。そして、例えば600〜1400
℃程度で熱処理してオーミック電極とする。また、N+
型ソース領域111は、図示されない部分から、ソース
電極151に接地されるようコンタクト電極を形成す
る。このようにして、図17に示す電界効果トランジス
タが完成する。
【0181】次に、第7実施例に係る電界効果トランジ
スタの動作を説明する。ゲート電極131に電圧が印加
されていない状態では、P- 型表面にチャネル領域61
とN- 型埋込チャネル領域71の接合部からビルトイン
電圧に対応して広がる空乏層により、表面チャネル領域
61及び埋込チャネル領域71をピンチオフ状態にでき
る。
【0182】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができ、ノーマリオフとなる。また、ワ
イドバンドギヤップ半導体基板としてSiCからなるも
のを用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が大き
く、このようなゲート電極に電圧が印加されていない状
態で電流が非導通状態となるような設計を容易に行うこ
とができる。
【0183】次に、ゲート電極131に対して負のバイ
アスを与えると、表面チャネル領域61の表層にはP+
型ドレイン領域31からP+ 型ソース領域101へと延
びるP型の蓄積チャネルが形成される。これと同時に、
埋込チャネル領域71内にはN+ 型ソース領域41から
N+ 型ソース領域111へと延びるN型蓄積チャネル領
域が形成され、トランジスタはオン状態にスイッチング
される。
【0184】このように、ゲート電極131に負の電圧
を印加することにより、表面チャネル領域61の表層に
はP型蓄積チャネルを誘起させ、且つ、埋込チャネル領
域71内にはN型蓄積チャネルを誘起させ、ソース電極
151とドレイン電極141との間にキャリアが流れ
る。
【0185】その結果、ノーマリオフの電圧駆動型で、
高いチャネル移動度を有する電界効果トランジスタが得
られる。特に、本発明によりP- 型表面チャネル領域6
1の表層にはP型の蓄積チャネルが形成され、N- 型埋
込チャネル領域71内にはN型の蓄積チャネルが形成さ
れるWチャネル構造が可能となる。
【0186】また、埋込チャネル領域71内に形成され
る蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜121と表面チャネル
領域61の界面に存在する不完全な結晶構造の影響を受
けないため、チャネル移動度を大きくすることができ
る。そのため、チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ドレ
イン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【0187】[第8実施例]図20は、本発明の第8実
施例に係るSiC電界効果トランジスタの単位セルの断
面図である。図示のように、ドレイン領域となるP+ 型
SiC基板11上に、P- 型SiCエピタキシャル領域
21が積層されたウエハ(半導体基板)において、エピ
タキシャル領域21の表層部における所定領域には、P
+ 型ソース領域(第1導電型のソース領域部)102、
及びN+ 型ソース領域(第2導電型のソース領域部)1
12が形成されている。
【0188】更に、P- 型エピタキシャル層21の一主
面の所定の領域には溝(溝部;第1の溝部)5が形成さ
れており、この溝5に沿ってP- 型表面チャネル領域
(第1導電型の表面チャネル領域部)62が形成され
る。また、エピタキシャル領域21の一主面の所定の領
域には溝(第2の溝部)6が形成されており、この溝6
内には絶縁膜191が埋め込まれている。
【0189】ここで、表面チャネル領域62と絶縁膜1
91の間のエピタキシャル領域21の部分には、N- 型
埋込チャネル領域(第2導電型の埋込チャネル領域部)
72が形成される。これら表面チャネル領域62および
埋込チャネル領域72から構成される領域を、チャネル
領域92とする。
【0190】なお、表面チャネル領域62、及び埋込チ
ャネル領域72の厚さおよびキャリア濃度は、表面チャ
ネル領域62と埋込チャネル領域72の接合部からビル
トイン電圧に対応して広がる空乏層により、表面チャネ
ル領域62及び埋込チャネル領域72が完全に空乏化さ
れるように設計されている。
【0191】また、溝5には、ゲート絶縁膜122を介
してゲート電極132が埋め込まれる。P+ 型ソース領
域102及びN+ 型ソース領域112上には、ソース電
極152が形成される。そして、P+ 基板11の裏面に
はドレイン電極142が形成されている。
【0192】次に、第8実施例の電界効果トランジスタ
の製造方法の一例を、図21(a)〜(c)、図22
(d)〜(f)の断面図を用いて説明する。
【0193】まず、図21の(a)の工程では、P+ 型
SiC基板11の上に、例えば、不純物濃度が1E14
〜1E18/cm3 、厚さが1〜100μmのP- 型S
iCエピタキシャル領域21を形成する。
【0194】図21(b)の工程では、マスク材175
を用いて、P- 型エピタキシャル領域21の表層部の所
定領域に、例えば100〜1000℃の高温でアルミニ
ウムイオンを100〜3MeVの加速電圧で多段注入
し、P+ 型ソース領域102を形成する。総ドーズ量
は、例えば1E13〜1E16/cm2 である。P型不
純物としてはアルミニウム以外に、ほう素、ガリウムな
どを用いてもよい。
【0195】図21(c)の工程では、マスク材176
を用いて、P- 型エピタキシャル領域21の所定の領域
に、例えば100〜1000℃の高温で窒素イオンを1
00〜3MeVの加速電圧で多段注入し、N- 型埋込チ
ャネル領域72を形成する。総ドーズ量は、例えば、1
E11〜1E15/cm2 である。その後、窒素イオン
注入に引き続きマスク材176を用いて、例えば100
〜1000℃の高温で燐イオンを100〜3MeVの加
速電圧で多段注入し、N+ 型ソース領域112を形成す
る。総ドーズ量は、例えば1E13〜1E16/cm2
である。
【0196】なお、本実施例では、N- 型埋込チャネル
領域72を形成するための窒素イオン注入を先に行った
が、N+ 型ソース領域112を形成するための燐イオン
注入を先に行った後に、N- 型埋込チャネル領域72を
形成するための窒素イオン注入を行ってもよい。なお、
イオン注入を行った後、例えば1000〜1800℃で
の熱処理を行い、注入した不純物を活性化する。
【0197】図22(d)の工程では、マスク材177
を用いて、P+ 型ソース領域102の一主面の所定の領
域に、深さ方向にP+ 型ソース領域102を貫通して、
例えば0.1〜5μmの深さの溝5を形成する。ここ
で、溝5とN- 型埋込チャネル領域72との間のP- 型
エピタキシャル領域21の部分を、P- 型表面チャネル
領域62とする。
【0198】なお、表面チャネル領域62及び埋込チャ
ネル領域72の厚さ及びキャリア濃度は、表面チャネル
領域62と埋込チャネル領域72の接合部からビルトイ
ン電圧に対応して広がる空乏層により、表面チャネル領
域62及び埋込チャネル領域72が完全に空乏化される
ように設計される。
【0199】チャネル領域92は、こらP- 型表面チャ
ネル領域62とN- 型埋込チャネル領域72とから構成
される。
【0200】図22(e)の工程では、マスク材178
を用いて、P- 型エピタキシャル領域21の一主面の所
定の領域に、例えば0.1〜5μmの深さの溝6を形成
する。
【0201】図22(f)の工程では、例えばLPCV
D法を用いて厚みが0.1〜5μmの二酸化シリコン膜
を堆積し、溝6を埋め込む。その後、例えばCMP法を
用いて二酸化シリコン膜を機械的化学研磨し、二酸化シ
リコン膜191を溝6内部に残す。
【0202】次に、溝5の表面にゲート絶縁膜122を
例えば900〜1300℃での熱酸化により形成する。
その後、例えばポリシリコンによりゲート電極132を
形成する。P+ 型ソース領域102及びN+ 型ソース領
域112上には、ソース電極152を形成する。また、
P+ 基板11の裏面にはドレイン電極142を形成す
る。そして、例えば600〜1400℃程度で熱処理し
てオーミック電極とする。
【0203】このようにして、図20に示す電界効果ト
ランジスタが完成する。なお、溝5の底面は曲面でもよ
い。溝の断面形状はV字型溝のように底面が無い形状で
あってもよい。溝6についても同様である。
【0204】次に、第8実施例に係る電界効果トランジ
スタの動作について説明する。ゲート電極132に電圧
が印加されていない状態では、表面にチャネル領域62
と埋込チャネル領域72の接合部からビルトイン電圧に
対応して広がる空乏層により、表面チャネル領域62及
び埋込チャネル領域72をピンチオフ状態にできる。
【0205】その結果、ソースSとドレインD間の電流
を遮断することができノーマリオフとなる。また、ワイ
ドバンドギヤップ半導体基板としてSiCからなるもの
を用いたときには、PN接合のビルトイン電圧が大き
く、このようなゲート電極に電圧が印加されていない状
態で電流が非導通状態となるような設計を容易に行うこ
とができる。
【0206】次に、ゲート電極132に対して負のバイ
アスを与えると、表面チャネル領域62の表層にはP+
型ソース領域102からP- 型ドリフト領域(エピタキ
シャル領域)21方向へ延びるP型の蓄積チャネルが形
成される。これと同時に、埋込チャネル領域72内には
N+ 型ソース領域112からP- 型ドリフト領域(エピ
タキシャル領域)21方向へ延びるN型の蓄積チャネル
が形成され、トランジスタはオン状態にスイッチングさ
れる。
【0207】このように、ゲート電極132に負の電圧
を印加することにより、表面チャネル領域62の表層に
はP型蓄積チャネルを誘起させ、且つ、埋込チャネル領
域72内にはN型蓄積チャネルを誘起させ、ソース電極
152とドレイン電極142との間にキャリアが流れ
る。
【0208】これらの結果、高ドレイン耐圧を有する電
界効果トランジスタにおいても、ノーマリオフの電圧駆
動型で、高いチャネル移動度を有する電界効果トランジ
スタが得られる。特に、本発明によりP- 型表面チャネ
ル領域62の表層にはP型の蓄積チャネルが、N- 型埋
込チャネル領域72内にはN型の蓄積チャネルが形成さ
れるWチャネル構造が可能となる。
【0209】また、埋込チャネル領域72内に形成され
る蓄積チャネルは、ゲート絶縁膜122と表面チャネル
領域62の界面に存在する不完全な結晶構造の影響を受
けないため、チャネル移動度を大きくすることができ
る。そのため、チャネル抵抗を飛躍的に低減でき、ドレ
イン・ソース間のオン抵抗を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1実施例に係る電界効果トランジ
スタの単位セルの断面図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明の第1実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図3】(c)、(d)は、本発明の第1実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図4】本発明の、第2実施例に係る電界効果トランジ
スタの単位セルの断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、本発明の第2実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図6】(d)、(e)は、本発明の第2実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明の、第3実施例に係る電界効果トランジ
スタの単位セルの断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の第3実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図9】(d)〜(f)は、本発明の第3実施例に係る
電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図である。
【図10】本発明の、第4実施例に係る電界効果トラン
ジスタの単位セルの断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、本発明の第4実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図12】(d)〜(f)は、本発明の第4実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図13】本発明の、第5実施例に係る電界効果トラン
ジスタの単位セルの断面図である。
【図14】本発明の、第6実施例に係る電界効果トラン
ジスタの単位セルの断面図である。
【図15】(a)〜(c)は、本発明の第6実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図16】(d)〜(f)は、本発明の第6実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図17】本発明の、第7実施例に係る電界効果トラン
ジスタの単位セルの断面図である。
【図18】(a)〜(c)は、本発明の第7実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図19】(d)〜(f)は、本発明の第7実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図20】本発明の、第8実施例に係る電界効果トラン
ジスタの単位セルの断面図である。
【図21】(a)〜(c)は、本発明の第8実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図22】(d)〜(f)は、本発明の第8実施例に係
る電界効果トランジスタの製造工程を示す説明図であ
る。
【図23】従来におけるSiC電界効果トランジスタの
断面図である。
【符号の説明】
1 P- 型SiC半導体基板 2,190,191 SiO2 膜 3 P- 型SiC半導体層 5,6 溝 10,11 P+ 型SiC基板 20,21 P- 型SiCエピタキシャル領域 30,31 P+ 型ドレイン領域 40,41 N+ 型ドレイン領域 50 N- 型領域 60,61,62 P- 型表面チャネル領域 70,71,72 N- 型埋込チャネル領域 80 P- 型ボディ半導体領域 90,91,92 チャネル領域 100,101,102 P+ 型ソース領域 110,111,112 N+ 型ソース領域 120,121,122 ゲート絶縁膜 130,131,132 ゲート電極 140,141,142 ドレイン電極 150,151,152 ソース電極 160 基板コンタクト電極 170,171,172,173,174 マスク材 175,176,177,178 マスク材 180 Si基板 210 P+ 型SiC基板 211,212,213 N+ 型SiC基板 221,222,223 N- 型SiCエピタキシャル
領域 230,231 N+ 型ドレイン領域 240,241,242,243,244 N+ 型ソー
ス領域 250,251,253,255,256 P- 型ゲー
ト半導体領域 252,254,257 P- 型ボディ半導体領域 260,261,262,263,264 N- 型埋込
チャネル領域 270,271,272,273,274 ゲート絶縁
膜 280,281,282,283,284 ゲート電極 290,291,292,293,294 ドレイン電
極 300,301,302,303,304 ソース電極 310 基板コンタクト電極 311,312 ボディコンタクト電極 320,321,322,323 マスク材 340 Si基板 350,351 ボディコンタクト領域 360,361,362 溝 370 SiO2 絶縁層 380,381,382,383,384 チャネル領
域 401 P- 型SiC半導体基板 402,330 SiO2 膜 403 P- 型SiC半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 618F Fターム(参考) 5F110 AA07 AA11 BB12 CC02 CC10 DD05 DD13 DD22 EE09 EE22 FF02 FF23 GG01 GG12 GG22 GG30 GG32 GG34 GG36 GG42 GG44 GG52 GG60 HJ01 HJ04 HJ06 HJ13 HJ23 HK02 HK11 HK13 HK25 QQ17 5F140 AA05 AA25 AA30 AC02 AC22 AC23 AC36 AC40 BA02 BB06 BB15 BC06 BC12 BE01 BE03 BE07 BE15 BF01 BF04 BF43 BG27 BG37 BH05 BH21 BJ01 BJ05 BK13 BK21 CB04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体を有する半導体基板と、 前記半導体基板の表面の所定部位に形成されるドレイン
    領域、及びソース領域と、 前記ドレイン領域とソース領域との間に形成され、ゲー
    ト電圧によってチャネルが形成されるチャネル領域と、 前記ドレイン領域に形成されるドレイン電極と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記チャネル領域に対し、ゲート絶縁膜を介して形成さ
    れるゲート電極と、 を具備し、 前記チャネル領域は、第1導電型のゲート半導体領域
    と、第2導電型の埋込チャネル領域と、第1導電型のボ
    ディ半導体領域からなることを特徴とする電界効果トラ
    ンジスタ。
  2. 【請求項2】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体を有する半導体基板と、 前記半導体基板の表面の所定部位に形成されるドレイン
    領域、及びソース領域と、 前記ドレイン領域とソース領域との間に形成され、ゲー
    ト電圧によってチャネルが形成されるチャネル領域と、 前記ドレイン領域とソース領域の外側に形成される絶縁
    層領域と、 前記ドレイン領域に形成されるドレイン電極と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記チャネル領域に対し、ゲート絶縁膜を介して形成さ
    れるゲート電極と、 を具備し、 前記チャネル領域は、第1導電型のゲート半導体領域
    と、第2導電型の埋込チャネル領域と、を有し、前記第
    2の導電型の埋込チャネル領域は、前記第1導電型のゲ
    ート半導体領域と前記絶縁層領域との間に形成されたこ
    とを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体の基板上に、該ワイドバンドギャ
    ップ半導体のエピタキシャル領域を積層して構成される
    半導体基板と、 前記半導体基板の一方の表面の所定部位に形成される溝
    部と、 前記溝部の内面に形成される第1導電型のゲート半導体
    領域と、該ゲート半導体領域の外側となる前記エピタキ
    シャル領域に形成される第2導電型の埋込チャネル領域
    と、この埋込チャネル領域の外側に形成される第1導電
    型のボディ半導体領域と、からなるチャネル領域と、 前記埋込チャネル領域の上側に形成されるソース領域
    と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記ゲート半導体領域の内側に、ゲート絶縁膜を介して
    形成されるゲート電極と、 前記半導体基板の他方の表面に形成されるゲート電極
    と、 を有することを特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体の基板上に、該ワイドバンドギャ
    ップ半導体のエピタキシャル領域を積層して構成される
    半導体基板と、 前記半導体基板の一方の表面の所定部位に形成される溝
    部と、 前記溝部の内面に形成される第1導電型のゲート半導体
    領域と、該ゲート半導体領域の外側となる前記エピタキ
    シャル領域に形成される第2導電型の埋込チャネル領域
    と、からなるチャネル領域と、 前記埋込チャネル領域の上側に形成されるソース領域
    と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記ゲート半導体領域の内側に、ゲート絶縁膜を介して
    形成されるゲート電極と、 前記半導体基板の他方の表面に形成されるゲート電極
    と、 を有することを特徴とする電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記第1導電型のゲート半導体領域を、
    CVDエピタキシャル成長により形成することを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電界効
    果トランジスタ。
  6. 【請求項6】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体を有する半導体基板と、 前記半導体基板の表面の所定部位に形成されるドレイン
    領域、及びソース領域と、 前記ドレイン領域とソース領域との間に形成されるチャ
    ネル領域と、 前記ドレイン領域に形成されるドレイン電極と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記チャネル領域に対し、ゲート絶縁膜を介して形成さ
    れるゲート電極と、 を具備し、 前記チャネル領域は、第1導電型の表面チャネル領域部
    と、第2導電型の埋込チャネル領域部からなり、前記ド
    レイン領域は、第1導電型のドレイン領域部と、第2導
    電型のドレイン領域部からなり、前記ソース領域は、第
    1導電型のソース領域部と、第2導電型のソース領域部
    からなることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  7. 【請求項7】 前記半導体基板は、ワイドバンドギャッ
    プ半導体の基板上に、該ワイドバンドギャップ半導体の
    エピタキシャル領域が積層されて構成されることを特徴
    とする請求項6に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】 前記半導体基板は、珪素基板上に二酸化
    珪素膜を形成し、更に、該二酸化珪素膜上に前記ワイド
    バンドギャップ半導体の単結晶層を形成して構成される
    ことを特徴とする請求項6に記載の電界効果トランジス
    タ。
  9. 【請求項9】 珪素よりもバンドギャップの広いワイド
    バンドギャップ半導体の基板上に、該ワイドバンドギャ
    ップ半導体のエピタキシャル領域を積層して構成される
    半導体基板と、 前記半導体基板の一方の表面の所定部位に形成される溝
    部と、 前記溝部の周囲に、ゲート絶縁膜を介して形成されるゲ
    ート電極と、 前記溝部に沿って、前記半導体基板の一方の表面から内
    部に注入して形成されるソース領域と、 該ソース領域の下部に形成されるチャネル領域と、 前記ソース領域、及びチャネル領域の周辺部に形成され
    る二酸化珪素膜と、 前記ソース領域に形成されるソース電極と、 前記半導体基板の他方の表面に形成されるドレイン電極
    と、 を具備し、 前記チャネル領域は、第1導電型の表面チャネル領域部
    と、第2導電型の埋込チャネル領域部とからなり、前記
    ソース領域は、第1導電型のソース領域部と、第2導電
    型のソース領域部とからなることを特徴とする電界効果
    トランジスタ。
  10. 【請求項10】 前記ワイドバンドギャップ半導体は、
    炭化珪素半導体であることを特徴とする請求項1〜請求
    項9のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  11. 【請求項11】 前記第1導電型は、P型またはN型の
    うちの一方であり、前記第2導電型は、P型またはN型
    のうちの他方であることを特徴とする請求項1〜請求項
    10のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ。
  12. 【請求項12】 珪素よりもバンドギャップの広い第1
    導電型のワイドバンドギャップ半導体の基板上に、該ワ
    イドバンドギャップ半導体のエピタキシャル領域を積層
    して構成される半導体基板を用いた電界効果トランジス
    タを製造する方法であって、 前記半導体基板の表面に、少なくとも2箇所の開口部を
    有するマスク材を配置し、該マスク材の上から、第2導
    電型の不純物及び第1導電型の不純物を注入することに
    より、第1導電型のソース領域部と第2導電型のソース
    領域部からなるソース領域、及び第1導電型のドレイン
    領域部と第2導電型のドレイン領域部からなるドレイン
    領域を形成する第1aのステップと、前記半導体基板の
    表面に、前記ドレイン領域とソース領域とに挟まれる部
    位が開口部とされたマスク材を配置し、この開口部から
    第2導電型の不純物及び第1導電型の不純物を注入する
    ことにより、第1導電型の表面チャネル領域部と第2導
    電型の埋込チャネル領域部からなるチャネル領域を形成
    する第2aのステップと、 前記チャネル領域の表面にゲート絶縁膜、及びゲート電
    極を形成する第3aのステップと、 前記ソース領域の表面にソース電極を形成し、前記ドレ
    イン領域の表面にドレイン電極を形成する第4aのステ
    ップと、 を有することを特徴とする電界効果トランジスタの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記第2aのステップの後に、前記ド
    レイン領域の側部が開口部とされたマスク材を配置し、
    該開口部から第2導電型の不純物を注入することによ
    り、前記ドレイン領域から前記半導体基板側へ流れ込む
    電流を阻止する領域を形成する第5aのステップを具備
    し、その後、前記第3aのステップ以降の処理を行うこ
    とを特徴とする請求項12に記載の電界効果トランジス
    タの製造方法。
  14. 【請求項14】 珪素よりもバンドギャップの広い第1
    導電型のワイドバンドギャップ半導体を含む半導体基板
    を用いた電界効果トランジスタを製造する方法であっ
    て、 表面に二酸化珪素膜が形成された珪素基板の、前記二酸
    化珪素膜上に、前記ワイドバンドギャップ半導体基板を
    張り合わせる第1bのステップと、 前記ワイドバンドギャップ半導体基板の表面を熱酸化さ
    せて、ワイドバンドギャップ半導体層、及び二酸化珪素
    膜を形成し、その後、該二酸化珪素膜を除去する第2b
    のステップと、 前記二酸化珪素膜が除去された後のワイドバンドギャッ
    プ半導体層の表面に、少なくとも2箇所の所望部位が開
    口部とされたマスク材を設置し、この開口部から不純物
    を注入し、第1導電型のドレイン領域部と第2導電型の
    ドレイン領域部からなるドレイン領域、及び第1導電型
    のソース領域部と第2導電型のソース領域部からなるソ
    ース領域を形成する第3bのステップと、 前記ドレイン領域、及びソース領域の表面を覆設するマ
    スク材を設置し、該マスク材にて覆設されない部分から
    不純物を注入して、第1導電型の表面チャネル領域部と
    第2導電型の埋込チャネル領域部からなるチャネル領域
    を形成する第4bのステップと、 前記チャネル領域の表面にゲート絶縁膜、及びゲート電
    極を形成する第5bのステップと、 前記ドレイン領域の表面にドレイン電極を形成し、前記
    ソース領域の表面にソース電極を形成する第6bのステ
    ップと、 を具備したことを特徴とする電界効果トランジスタの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記ワイドバンドギャップ半導体は、
    炭化珪素半導体であることを特徴とする請求項12〜請
    求項14のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタ
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1導電型は、P型またはN型の
    うちの一方であり、前記第2導電型は、P型またはN型
    のうちの他方であることを特徴とする請求項12〜請求
    項15のいずれか1項に記載の電界効果トランジスタの
    製造方法。
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