JP2003031656A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JP2003031656A
JP2003031656A JP2001212029A JP2001212029A JP2003031656A JP 2003031656 A JP2003031656 A JP 2003031656A JP 2001212029 A JP2001212029 A JP 2001212029A JP 2001212029 A JP2001212029 A JP 2001212029A JP 2003031656 A JP2003031656 A JP 2003031656A
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wiring
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insulating film
manufacturing
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Hideki Mizuhara
秀樹 水原
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
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    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁層とその絶縁層への埋め込み配線とが接触
する界面における相互の密着強度を確実に確保すること
ができる半導体装置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】MOSFET(Metal Oxide Semiconducto
r Field Effect Transistor )素子が形成されたシリコ
ン基板11とその上層に形成されたゲート絶縁膜12と
を下地層として、その上層に有機SOG(Spin On Glas
s )膜13等からなる絶縁層が堆積され、その絶縁層に
溝15を形成する。そして、その溝15に銅(Cu)に
よるダマシン配線を行う。さらに、この膜面にシリコン
炭化膜からなるキャップ膜18を形成して、その上面か
らホウ素をイオン注入法により注入し、Cuの埋め込み
配線22とその周囲の絶縁膜との密着強度を強化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置および
その製造方法にかかり、詳しくは半導体装置を構成する
絶縁膜とその絶縁膜への埋め込み配線との界面における
界面特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路の高集積化をさら
にすすめるべく、半導体装置の配線等をいっそう微細
化、多層化することへの要求が高まっている。そして、
こうした要求に応えるために、半導体装置を構成する配
線材料や絶縁材料の選択、あるいはその構造や形成方法
の改良などについてさまざまな提案がなされている。
【0003】たとえば、配線の電気抵抗は、配線自体の
微細化にともなう断面積の縮小によりしだいに増加す
る。このため、配線材料として従来から利用されている
アルミニウム(Al)より抵抗率の低い銅(Cu)の使
用が注目されている。また、このCuを使った配線とし
ては、絶縁層に配線のための溝を設け、その溝に配線材
料を充填する、いわゆるダマシン法による配線(ダマシ
ン配線)が用いられることが多い。このダマシン配線で
あれば、Cuなど、エッチングによって加工しにくい金
属であっても、これを比較的容易に所望とする形状に形
成することができる。また、このダマシン法では通常、
絶縁層に形成した溝およびその膜面にメッキ法などによ
ってCu層を堆積させたのち、その膜面を化学機械研磨
(CMP:Chemical Mechanical Polish)法により膜表
面に絶縁層が露出するまで研磨して平坦化することで、
上記絶縁層に設けた溝に選択的に埋め込み配線を形成す
る。したがって、Cuによる低抵抗の配線が可能となる
うえに、配線を多層化するうえで重要となる膜面の平坦
性が確保されるようにもなる。
【0004】以下、上記Cuを用いて埋め込み配線を形
成する方法について、その積層構造の断面を模式的に示
す図7〜図9を参照して説明する。この埋め込み配線の
形成に際してはまず、図7(a)に示されるように、下
地となる層51および52の上層に形成された絶縁層5
3およびシリコン酸化膜54に、溝55を形成する。こ
の溝55の形成は、一般に利用されているリソグラフィ
技術およびドライエッチング技術に基づく、レジスト塗
布、露光、エッチング等の一連の処理によって行われる
(図示略)。なおこの下地となっている層のうち、下地
層51はMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Fi
eld Effect Transistor )のソース領域とドレイン領域
とが形成されているシリコン基板である。また、その上
層に形成されている層52は、それらの素子のゲートを
絶縁するためのシリコン酸化膜である。そして、それら
素子の配線を行うために、矩形の断面形状を有する溝5
5が、図面について手前から奥の方向に絶縁層53およ
び54の膜面に沿って形成されている。また、この下地
層51の素子が形成された部位に対応して、ゲート絶縁
膜52にはその素子との接触をとるための図示しないコ
ンタクトホールが形成されている。
【0005】一方、上記絶縁層53は有機SOG(Spin
On Glass )膜により構成されている。この有機SOG
膜は、有機官能基を含むシリコン化合物をモノマとして
重合形成される二酸化シリコンを主成分とする絶縁膜で
ある。この有機SOG膜は、誘電率が低いため配線間容
量を低減させることができる。また、モノマの有機溶液
を塗布することにより膜を堆積させるため、下地の段差
を吸収して、比較的膜厚の厚い、しかも平坦化された絶
縁膜が容易に得られる。
【0006】この有機SOG膜は通常、次のような
(イ)および(ロ)の過程を経て形成される。 (イ)膜面を上に向けて回転している基板上に、モノマ
であるシリコン化合物の有機溶液を滴下する。
【0007】(ロ)膜面に溶液が回転塗布された上記基
板を熱処理して、重合反応を進行させるとともに有機溶
剤を蒸発させる。また、上記シリコン酸化膜54はプラ
ズマCVD法等により形成されたものである。このシリ
コン酸化膜54は、有機SOG膜からなる絶縁層53に
対して絶縁性能と機械的強度とを補強する役割を担って
いるほか、外部から絶縁層53への水分の侵入を抑制し
ている。さらに、同シリコン酸化膜54は、絶縁層53
をエッチングするためのレジスト形成の際に、同レジス
トのぬれ性の改善にも寄与している。
【0008】これら絶縁層53およびシリコン酸化膜5
4に対する上記溝55の形成後は、図7(b)に示され
るように、同溝55およびシリコン酸化膜54の膜面
に、Cu層を堆積させて溝55にCuを充填し、さらに
は図7(c)に示されるように、その表面をシリコン酸
化膜54が露出するまでCMP法を用いて研磨する。こ
うした研磨によって、Cuは埋め込み配線62を残して
除去され、溝55の上面にCuが露出されたかたちで平
坦な膜面57が形成される。
【0009】その後は図7(d)に示されるように、上
記Cuのダマシン配線を含む膜面57の上層に絶縁層か
らなるキャップ膜58を形成する。このキャップ膜58
には、プラズマCVD法等により形成されるシリコン窒
化膜やシリコン炭化膜が用いられる。これらシリコン窒
化膜やシリコン炭化膜のキャップ膜58は、先に配線材
料として溝55に埋め込んだCuの原子がマイグレーシ
ョン等によりその上層に拡散していくことを抑制するよ
う機能する。
【0010】こうしてキャップ膜58を形成したのち
は、このキャップ膜58の上層に、層間絶縁膜とその層
間を貫通する埋め込み配線(プラグ)を、図8および図
9に示す次のような手順にて形成する。
【0011】まず、キャップ膜58の上層に、上記
(イ)および(ロ)の過程を経て有機SOG膜からなる
絶縁層59を形成し、さらにその上にプラズマCVD法
等によりシリコン酸化膜60を形成する(図8
(a))。
【0012】次に、リソグラフィ技術およびドライエッ
チング技術により、絶縁層59および60に、これらの
層を上下に貫通する埋め込み配線(プラグ)を形成する
ためのビアホール61を形成する(図8(b))。この
図8(b)に示した例においては、2つのビアホール6
1が各々の底面においてその下層に設けられた水平方向
の埋め込み配線62と接触している状態を示している。
【0013】そして、このビアホール61およびシリコ
ン酸化膜60の膜面にCuを堆積させて、ビアホール6
1にCuを充填させ(図8(c))、その表面をシリコ
ン酸化膜60が露出するまでCMP法を用いて研磨する
(図9)。こうした研磨によって、Cuはビアホール6
1内への埋め込み配線部分、すなわちプラグ63を残し
て除去され、ビアホール61の上面にCuが露出された
かたちで平坦な膜面64が形成される。
【0014】このようにして、Cuの埋め込み配線62
およびプラグ63による縦横の配線が完成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体装置
の製造に際し、上記さまざまな材料や構造およびその形
成方法等が採用されるにつれて、異種材料が接触する界
面におけるそれら材料相互の密着強度を必ずしも十分に
確保することができなくなりつつある。たとえば、上記
に例示したように、絶縁層に形成した溝にCuを配線と
して埋め込む場合、それらCuと絶縁層との界面におけ
る密着強度は必ずしも十分に余裕をもって確保されてい
るわけではない。このため、図9に示されるCuの埋め
込み配線62と絶縁層52、53、54、および58と
の接触面、あるいはプラグ63と絶縁層54、58、5
9、および60との接触面などが剥離してしまい、半導
体装置としての性能や品質に悪影響を及ぼすおそれもあ
る。
【0016】なお、上記CuやSOG膜等を利用して埋
め込み配線を形成する場合に限らず、絶縁膜とその絶縁
膜への埋め込み配線との界面にあっては、その密着強度
不足に起因して剥離が生じる懸念のあるこうした実情も
おおむね共通したものとなっている。
【0017】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、絶縁層とその絶縁層への埋め込み
配線とが接触する界面における相互の密着強度が好適に
確保される半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、半導体基板上方の絶縁膜に埋め込み配線が形成され
てなる半導体装置において、少なくとも前記絶縁膜側に
前記埋め込み配線との接触界面の界面特性を改質させる
不純物が導入されてなることをその要旨とする。
【0019】上記構成によれば、上記埋め込み配線と上
記絶縁膜とが接触する界面の少なくとも絶縁膜側に、そ
の界面の界面特性を改質させる不純物が導入される。こ
のため、埋め込み配線と絶縁膜との密着強度が強化され
て、同界面における剥離の発生が抑制されるようにな
る。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の半導体装置において、前記不純物がホウ素であること
をその要旨とする。上記構成によれば、上記不純物とし
て原子量の小さい元素であるホウ素を用いることで、積
層形成されている膜の深部への不純物の導入がより容易
に行われるようになる。
【0021】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の半導体装置において、前記絶縁膜が、有機S
OG膜とその膜上に積層されたシリコン酸化膜とを有し
てなることをその要旨とする。
【0022】上記構成によれば、厚い膜厚の絶縁層が容
易に得られる有機SOG膜により、上記絶縁膜として膜
面に存在する大きな段差を平坦化しつつも、その絶縁膜
とそこに形成された埋め込み配線との密着強度が強化さ
れるようになる。また、有機SOG膜の全面にわたって
不純物が導入される場合には、同膜内の水分や水酸基の
含有量が低減されて、誘電率の低い特性をもつ有機SO
G膜からなる絶縁層の誘電率がいっそう低減されるよう
になる。このため、配線間容量が小さく素子特性の良好
な半導体装置とすることができる。さらには、上記有機
SOG膜上にはシリコン酸化膜が積層されているため、
上記絶縁膜として絶縁性能と機械的強度を向上させたも
のとすることができる。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の半導体装置において、前記絶縁膜が、CVD
法にて形成された次式
【0024】
【化3】 の構造式にて表される絶縁膜を有してなることをその要
旨とする。
【0025】上記構成によれば、上記絶縁膜は、上記構
造式の組成比が調整されて絶縁性能や誘電率などの特性
が適切に設定されたものとして得られるようになる。そ
して得られた絶縁膜とそこに形成された埋め込み配線と
の密着強度が強化されるようになる。
【0026】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の半導体装置において、前記絶縁膜が、
前記埋め込み配線のキャップ膜として、シリコン窒化膜
およびシリコン炭化膜のいずれかを含むことをその要旨
とする。
【0027】一般に、上記埋め込み配線が形成された膜
面上には、外部からの水分等の侵入を抑制したり、上記
埋め込み配線の絶縁膜中への拡散を抑制したりするため
に、キャップ膜といわれる絶縁層が設けられることがあ
る。この点、上記構成によれば、それらの抑制効果に優
れたシリコン窒化膜やシリコン炭化膜が上記埋め込み配
線上層のキャップ膜として形成され、そのキャップ膜を
とおして上記不純物が導入される。このため、そのキャ
ップ膜と埋め込み配線との接触面においても、その密着
強度が強化されるようになり、上記埋め込み配線とその
周囲を取り囲む絶縁膜との密着強度をいっそう強固なも
のとすることができるようになる。
【0028】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の半導体装置において、前記埋め込み配
線に用いられる配線材料が銅を含むことをその要旨とす
る。上記構成によれば、埋め込み配線として銅が含まれ
る材料が用いられることで、上記埋め込み配線が微細化
される場合であってもその導電性が良好に保たれるよう
になる。さらに、同構成の、請求項5に記載の発明との
組み合わせにおいては、埋め込み配線を構成する銅原子
がその上層の絶縁層に拡散するのを好適に抑制すること
ができるようになる。
【0029】請求項7に記載の発明は、半導体装置の製
造方法として、半導体基板上に絶縁膜を堆積させてこの
絶縁膜に埋め込み配線を設けるための開口溝を形成し、
その開口溝に配線材料を充填して埋め込み配線を形成し
たのち、少なくとも前記開口溝の溝面と前記埋め込み配
線とが接触する界面に、その界面特性を改質させる不純
物を導入する工程を有することをその要旨とする。
【0030】上記方法によれば、上記埋め込み配線とそ
れが設けられた絶縁膜の開口溝の溝面とが接触する界面
に上記不純物が導入されて、その界面特性が改質され
る。これにより、上記埋め込み配線と上記開口溝の溝面
との密着強度が強化され、その界面における両者の剥離
の発生が抑制されるようになる。なお、本発明において
半導体基板上とは、半導体基板の上方に堆積された任意
の層の膜面を指している。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の半導体装置の製造方法において、前記不純物としてホ
ウ素を導入することをその要旨とする。上記方法によれ
ば、上記不純物として原子量の小さい元素であるホウ素
を用いることで、同不純物を積層形成されている膜の深
部に導入することがより容易にできるようになる。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項7または
8に記載の半導体装置の製造方法において、前記絶縁膜
として、有機SOG膜とその膜上に積層されるシリコン
酸化膜とを用いることをその要旨とする。
【0033】上記方法によれば、上記絶縁膜として有機
SOG膜を用いることで、大きな段差を平坦化する必要
がある場合であっても、埋め込み配線との密着強度が強
化された膜厚の厚い絶縁層を容易に得ることができるよ
うになる。また、誘電率の低い有機SOG膜の全面にわ
たってその内部に不純物の拡散が行なわれる場合には、
絶縁層としての誘電率がいっそう低減され、配線間容量
が小さく素子特性の優れた半導体装置が得られるように
なる。また、上記有機SOG膜上にシリコン酸化膜が形
成されることで、絶縁膜としての絶縁性能と機械的強度
が向上されるようにもなる。
【0034】請求項10に記載の発明は、請求項7また
は8に記載の半導体装置の製造方法において、前記絶縁
膜として、CVD法にて形成される次式
【0035】
【化4】 の構造式を有する絶縁膜を用いることをその要旨とす
る。
【0036】上記方法によれば、CVD法にて上記絶縁
膜を形成するため、上記半導体装置の製造に際してドラ
イプロセス工程を連続して行うことで、同製造のための
総工程の短縮化を図ることができるようになる。また、
形成する絶縁膜の組成の制御を容易に行うことができる
ようになる。そして、こうして得られる絶縁膜に対し
て、埋め込み配線との密着強度の強化を行うことができ
るようになる。
【0037】請求項11に記載の発明は、請求項7〜1
0のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記開口溝への埋め込み配線を形成したのちに、該埋め
込み配線の上面を含む前記絶縁膜の膜面にキャップ膜を
形成する工程を有し、前記不純物の導入がそのキャップ
膜の上方から行われることをその要旨とする。
【0038】上記埋め込み配線が形成された膜面上に
は、外部からの水分等の侵入を抑制したり、上記埋め込
み配線の絶縁膜中への拡散を抑制したりするためにキャ
ップ膜といわれる絶縁層が設けられることがある。この
点、上記方法によれば、上記絶縁膜の上にキャップ膜が
形成される場合において、請求項7に記載の絶縁膜とそ
こに形成される埋め込み配線との界面での密着強度が強
化されるうえに、さらに同埋め込み配線とキャップ膜と
の界面についてもその界面特性が改質されて両者の密着
強度が強化される。このため、上記埋め込み配線とその
周囲をとりかこむ絶縁膜との密着強度をいっそう強固な
ものとすることができるようになる。
【0039】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の半導体装置の製造方法において、前記キャップ膜
がシリコン窒化膜およびシリコン炭化膜のいずれかによ
り形成されることをその要旨とする。
【0040】シリコン窒化膜やシリコン炭化膜は、水分
の透過を抑制したり、同膜と接触している配線材料のマ
イグレーションによる拡散を抑制する機能を有する。し
たがって、上記方法によれば、請求項11に記載の発明
におけるキャップ膜として好適なものが得られるように
なる。
【0041】請求項13に記載の発明は、請求項7〜1
2のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記埋め込み配線が銅を含む配線材料によって形成され
ることをその要旨とする。
【0042】上記方法によれば、抵抗率の小さい銅を含
む配線材料により埋め込み配線を形成することで、配線
の微細化が促進された場合であってもその配線抵抗の増
加を抑制することができるようになる。また、上記方法
の、請求項11に記載の発明と組み合わせることによっ
て、配線材料に含まれる銅の絶縁層中に拡散する性質を
もつ配線材料により上記埋め込み配線が形成された場合
にあっても、その配線材料が上層の絶縁膜中に拡散する
ことが好適に抑制されるようになる。
【0043】請求項14に記載の発明は、請求項7〜1
3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物の導入を行ったのちに、前記不純物の導入部
位の特性を改質させる熱処理を施す工程を有することを
その要旨とする。
【0044】上記方法によれば、上記不純物の導入によ
って埋め込み配線を構成する結晶中に結合の切断が発生
しても、これを熱処理により再結晶化させて配線の抵抗
を低減させ、配線の信頼性を向上させることができるよ
うになる。
【0045】請求項15に記載の発明は、半導体装置の
製造方法として、半導体基板上に絶縁膜を堆積させてこ
の絶縁膜に埋め込み配線を設けるべく開口溝を形成した
のち、少なくともその開口溝の溝面に、該溝面が前記埋
め込み配線と接触する界面の界面特性を改質させる不純
物を前記埋め込み配線の形成に先立って導入する工程を
有することをその要旨とする。
【0046】上記方法によれば、上記埋め込み配線が設
けられる絶縁膜の開口溝の溝面に上記不純物が導入され
て、その溝面が上記埋め込み配線と接触する界面の界面
特性が改質される。これにより、そののちの工程にて設
けられる埋め込み配線と上記開口溝の溝面との密着強度
が強化され、その界面における両者の剥離の発生が抑制
されるようになる。なお、本発明において半導体基板上
とは、半導体基板の上方に堆積された任意の層の膜面を
指している。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる半導体装置
およびその製造方法を具体化した実施の形態について、
図1〜図6を使って説明する。
【0048】図1〜図5は、本実施の形態の銅(Cu)
を用いた埋め込み配線を含む半導体装置の断面構造を、
同実施の形態の製造方法により形成される順にしたがっ
て模式的に示す断面図である。
【0049】本実施の形態においても、この埋め込み配
線の形成に際しては、まず、図1(a)に示されるよう
に、下地となる層11および12の上層に形成された絶
縁層13とさらにその上層に形成されたシリコン酸化膜
14とに対して溝15を形成する。この下地となる層
は、先に図7(a)にて説明したものと同じ構造であ
る。また、溝15の形成過程も先に図7(a)にて説明
したものと同じである。すなわち、下地層11はMOS
FET素子の素子領域(ソース領域およびドレイン領
域)44とが形成されているシリコン基板である。ま
た、その上層に形成されている層12は、それら素子に
対応するゲートを素子領域44から絶縁するシリコン酸
化膜からなるゲート絶縁膜である。そして、これらの膜
の積層構造は本実施の形態においても先の図7(a)に
て説明した構造と同じ構造をなしており、それらの素子
の配線を行うために、溝15が図2にその平面構造が示
される態様で絶縁層13および14に形成されている。
また、同図2に示されるように、シリコン基板11の素
子領域44が形成された部位に対応して、ゲート絶縁膜
12にはその部位との接触をとるためのコンタクトホー
ル46が形成されている。なお、この図2のA−A線に
沿った断面が図1(a)以下の断面図として示されてい
る。
【0050】そして、絶縁層13および絶縁層14も、
先の図7において説明した方法と同じ方法にて形成され
ている。すなわち、絶縁層13は先に説明した(イ)お
よび(ロ)の過程を経て形成された有機SOG膜であ
り、また絶縁層14はプラズマCVD法等により形成さ
れたシリコン酸化膜である。
【0051】上記溝15の形成後は、同溝15およびシ
リコン酸化膜14の膜面に、まず、スパッタ法を用いて
バリアメタルとなる窒化タンタル膜とシード層となるC
u薄膜とをこの順に形成する(図示略)。ここでバリア
メタル層は、Cu原子がマイグレーションにより隣接す
る層との接触界面を越えて拡散するのを防止するために
設けられる。そののちに、上記シード層を電極として、
メッキ法を用いて膜面にCu層16を堆積させる(図1
(b))。次に、そのCu層16の膜面をシリコン酸化
膜14が露出するまでCMP法を用いて研磨する。こう
した研磨によって、Cuは埋め込み配線22を残して除
去され、溝15の上面にCuが露出したかたちで平坦な
膜面17が形成される(図1(c))。この埋め込み配
線22すなわちCuのダマシン配線を含む膜面17の上
層に、プラズマCVD法等によりシリコン炭化膜からな
る絶縁膜であるキャップ膜18を形成する(図1
(d))。
【0052】続いて、上記のように形成されたキャップ
膜18の上方から、図3(a)に示すようにイオン注入
法を用いてホウ素イオンを注入する。このときのホウ素
イオンの注入条件は、加速電圧「140kV」、注入量
「2×10^15 ions/cm2 」である。ここで記
号「^」はべき乗を意味するものであり、「^15」は
「15乗」を示すものである。このイオン注入により、
ホウ素イオンがキャップ膜18を通ってシリコン酸化膜
14を通過し、有機SOG膜などからなる絶縁層13と
埋め込み配線22との界面に到達するようになる。また
このホウ素イオンは、その飛程が埋め込み配線22の底
面とゲート絶縁膜12の上面との界面にも到達するよう
に注入されるようになっている。こうして、ホウ素イオ
ンが注入された埋め込み配線22とそれが接触する絶縁
膜とは、各層を構成する膜が改質されて接触面の密着強
度が強化された界面23を形成する(図3(b)以下に
図示した太線)。併せて、このホウ素イオンの注入によ
り、有機SOG膜13は、同膜中に含まれる有機成分が
分解されるとともに、同膜内の水分および水酸基の含有
量が減少されたSOG膜(改質SOG膜)19に改質さ
れる(図3(b))。この改質SOG膜19は、絶縁層
として誘電率が先のSOG膜13よりも低減できるた
め、上記素子の配線間容量を低減させることができるよ
うにもなる。また、この改質SOG膜19では、同膜と
キャップ膜18との接触面の密着強度を強化するように
も機能する。
【0053】次に、こうしてシリコン基板11上に形成
されたこれらの積層膜を「200℃〜300℃」の温度
にて1分間熱処理する。これにより、先にホウ素イオン
が注入されたCuの埋め込み配線22の再結晶化が促進
されて、配線の信頼性が回復される。
【0054】上記のように形成された膜面の上層には、
通常、配線層間を絶縁する層間絶縁膜と、その絶縁膜を
貫通してそれら配線層間を接続する埋め込み配線(プラ
グ)が形成される。そして、こうして形成される配線層
間の絶縁膜に対しても、上記図1および図3の処理を再
度行うことにより埋め込み配線とその周囲の絶縁層との
密着強度を強化し、また絶縁層としての誘電率を低減す
ることができることができるようになる。
【0055】これらの絶縁膜およびプラグは、たとえば
以下に示す過程により形成される。まず、先に図3に示
したホウ素イオンの注入およびそれに続く熱処理が完了
したのち、その膜面(キャップ膜18の表面)に図4
(a)に示すように、有機SOG膜25およびシリコン
酸化膜26を形成する。有機SOG膜25は先に説明し
た(イ)および(ロ)の過程により、またシリコン酸化
膜26はプラズマCVD法等により形成される。続い
て、リソグラフィ技術およびドライエッチング技術によ
り、シリコン酸化膜26および有機SOG膜25に、配
線層間を接続する埋め込み配線としてのプラグを充填す
るためのビアホール31を形成する。このビアホール3
1は、そこに充填されるプラグが先に形成された埋め込
み配線22と接触面をもつように形成される(図4
(b))。次に、このビアホール31を含む絶縁層26
の膜面に、先の図1(b)および(c)にて説明したよ
うに、バリアメタル層としての窒化タンタルおよびシー
ド層としてのCuの薄膜層をスパッタ法などによりこの
順に形成する。次に、その膜面に上記シード層を電極と
してメッキ法を用いてCu層36を堆積させて、ビアホ
ール31にCuを充填させる(図4(c))。そして、
堆積させたCu層36をCMP法を用いてシリコン酸化
膜26が露出するまで研磨する。こうして、配線層間の
接続配線であるプラグ32が形成される(図5)。
【0056】さらに、プラグ32の上面が露出している
シリコン酸化膜26の膜面37に、シリコン炭化膜から
なるキャップ膜を形成する(図示略)。そして、形成さ
れたキャップ膜の上方から先の図3において説明したよ
うに、ホウ素イオンをイオン注入法により注入する。こ
のイオン注入は、先に示したものと同じ条件、すなわち
加速電圧「140kV」、注入量「2×10^15 io
ns/cm2 」にて行い、ホウ素イオンがプラグ32の
底面に到達するようにする。ホウ素イオンが注入された
範囲においては、各層を構成する膜が改質され、ビアホ
ール31への埋め込み配線であるプラグ32と絶縁層1
4、18、25、26、および上記図示を省略した絶縁
層26上層のキャップ膜との接触面の密着強度が強化さ
れる。また併せて、イオン注入された有機SOG膜から
なる絶縁層25内に含有される水分や水酸基が低減さ
れ、同絶縁層25の誘電率が低減された改質SOG膜と
なる(図示略)。さらに、こうして得られたシリコン基
板上の積層膜を、先に示した熱処理の条件、すなわち
「200℃〜300℃」の温度にて1分間熱処理する。
これにより、ホウ素イオンが注入されたCuからなるプ
ラグ32の再結晶化が促進されて、配線の信頼性が回復
される。
【0057】このように、水平方向の配線を行う絶縁層
のみならず、絶縁膜を貫通して配線層間を接続するプラ
グに対しても、キャップ膜を通して各々埋め込み配線が
埋め込まれた絶縁層にもホウ素イオンを注入すること
は、それら埋め込み配線とその周囲の構成層との接触面
の密着強度の強化もさることながら、配線を埋め込んだ
絶縁膜の誘電率低減による素子の配線間容量の低減の効
果がきわめて顕著なものとなる。これにより、素子動作
の高速化等、その性能の向上を図ることができるように
なる。
【0058】なお、上記に説明した不純物のイオン注入
および熱処理による膜の改質については、その詳細な内
容が、たとえば先に挙げた特許第2975934号公報
に記載されている。同公報には、有機SOG膜の水分等
の低減による誘電率の低減と有機SOG膜と接触する膜
の相互の密着強度の改善とについて開示されている。ま
た、配線材料へのイオン注入とそれに続く熱処理による
同配線材料の再結晶化の促進などについても開示されて
いる。
【0059】ところで、上記ゲート絶縁膜12の上層に
は、シリコン基板11に形成されている素子に対応して
ゲート電極が設けられる。そして、このゲート電極も、
集積回路に対する高集積化の要求からさらに微細化され
る傾向にある。このとき微細化による配線断面積の縮小
によりゲート電極の配線抵抗が増加すると、素子として
の性能は低下してしまうことになる。したがって、素子
性能を維持しながらもゲート電極の配線抵抗の増加を抑
制して、素子の微細化、ひいては集積回路のいっそうの
高集積化を実現することのできる半導体装置の製造方法
の提供が望まれている。
【0060】図6は、こうしたゲート電極の配線抵抗の
増加抑制と微細化とを併せて実現するための半導体装置
の製造方法によるゲート電極の形成過程の例を、同ゲー
ト電極付近を拡大して模式的に示す断面図である。
【0061】図6(a)に示されるように、まずシリコ
ン基板11およびその上層に形成されたゲート絶縁膜1
2上に、ゲート電極として非晶質シリコン薄膜41と多
結晶シリコン薄膜42とをこの順にそれぞれ「100n
m」形成する。この薄膜41および42は、たとえば減
圧CVD法を用いて、それぞれ成膜温度「550℃」お
よび「630℃」にて形成される。
【0062】次にリソグラフィ法およびドライエッチン
グ法を用いて、非晶質シリコン薄膜41と多結晶シリコ
ン薄膜とをパターニングする(図6(b))。この処理
により、上記パターニングされたレジスト43の下層
の、ゲート絶縁膜12の上層には、ゲート電極41aお
よび42aが形成される。
【0063】続いて、上記のように形成された膜面を、
フッ酸(HF)、硝酸(HNO3 )、および酢酸(CH
3 COOH)の混合溶液(フッ硝酢酸)にてウェットエ
ッチングする。これにより、ゲート電極を構成する非晶
質シリコン薄膜層41aの側壁が部分的に除去されて、
図6(c)に示す形状のゲート電極が形成される。
【0064】上記のように形成されたゲート電極は2層
構造をなし、ゲート絶縁膜12の上層に形成されている
ゲート電極41bの素子面との対向面積が、さらにその
上層に形成されているゲート電極42aの同素子面との
対向面積より小さい縊れた形状となっている。こうして
形成されたゲート電極は、最終的には、シリコン基板1
1に形成された素子領域(ソース領域およびドレーン領
域)44と、その上層のゲート絶縁膜12aおよび保護
絶縁膜45と、その保護絶縁膜45に形成されたコンタ
クトホール46とを併せて図示した図6(d)に示すよ
うな断面構造を構成する。この段階では、ゲート電極の
下層を構成していた非晶質シリコン薄膜41bは、結晶
化して多結晶シリコン薄膜41cになっている。
【0065】こうした過程を経て形成される素子におい
ては、微細化にともなうゲート電極の配線抵抗の増加が
最小限に抑制される。これは、ゲート電極の配線断面積
の縮小が、ゲート絶縁膜に直接接触しているシリコン薄
膜についてのみに限られ、その上層に形成されるシリコ
ン薄膜については不変であるからである。また、ゲート
絶縁膜12aと直接接触して素子形成面に対向している
ゲート電極の面積を縮小させるため、素子の配線間容量
が低減される。これらゲート電極の配線抵抗の増加抑制
と配線間容量の低減とは、いずれも素子の高速動作等の
性能向上に寄与する効果を奏する。こうして、素子の微
細化とその性能の向上とを同時に実現することができる
ようになる。
【0066】以上説明したように、この実施の形態にか
かる半導体装置およびその製造方法によれば、以下のよ
うな効果を得ることができるようになる。 (1)有機SOG膜等の絶縁膜内に形成した溝に、Cu
による埋め込み配線を充填させる。そして、その上面を
キャップ膜で覆ったのち、そのキャップ膜の上方から、
埋め込み配線とそれに接触する絶縁膜との接触面にホウ
素イオンが到達するように同イオンをイオン注入法によ
り注入する。このため、その埋め込み配線とそれを取り
囲む絶縁層とが改質されて、両者の接触面における密着
強度がもれなく強化されるようになる。したがって、抵
抗率の小さい材料であるCuにより埋め込み配線が実現
されるとともに、その接触面における両者の剥離の発生
を確実に抑制することができるようになる。
【0067】(2)また、ホウ素イオンが注入される有
機SOG膜は、その内部に含まれる水分および水酸基が
減少されるため、その低い誘電率がいっそう低減される
ようになる。これによりシリコン基板に形成されている
素子の配線間容量を低減させることができ、素子動作の
高速化などの性能の向上を図ることができるようにな
る。
【0068】(3)上記ホウ素イオンを注入したのち熱
処理を行うため、埋め込み配線としてのCu層の再結晶
化が促進されて配線の信頼性を向上させることができる
ようになる。
【0069】(4)上記ホウ素イオンの注入によって、
埋め込み配線とそれに接触する絶縁膜との接触面の密着
強度が強化されるだけでなく、たとえば埋め込み配線以
外の配線とその周囲の絶縁膜との接触面や、有機SOG
膜とそのキャップ膜などの絶縁層間の接触面の密着強度
も併せて強化されるようになる。
【0070】なお、上記実施の形態は以下のように変更
して実施してもよい。 ・上記実施の形態においては、埋め込み配線を行う絶縁
層として有機SOG膜とその膜上に積層されたシリコン
酸化膜とにより構成する場合について説明したが、上記
絶縁層は必ずしもこの構成に限定されるものではない。
たとえば、この有機SOG膜に代えて無機SOG膜など
の他の絶縁膜により構成しても上記実施の形態に準じた
効果を得ることができる。また、上層にシリコン酸化膜
を積層したこれらの有機または無機SOG膜に代えて、
CVD法により形成される次式
【0071】
【化5】 の構造式を有する絶縁膜により上記絶縁層を構成しても
よい。
【0072】・上記実施の形態においては、有機SOG
膜の上層にキャップ膜としてシリコン炭化膜を形成する
場合について例示したが、シリコン炭化膜に代えてシリ
コン窒化膜を形成してもよい。Cuの拡散を抑制する効
果を有する絶縁膜であれば代用可能である。なお、配線
として使用する材料が絶縁膜中に拡散しないものである
場合には、キャップ膜の形成は割愛することもできる。
【0073】・上記実施の形態においては、素子形成層
とその上部配線層を絶縁する有機SOG膜について、そ
の埋め込み配線との密着強度を強化する例について説明
したが、これに限定されるものではない。たとえばさら
にその上層の絶縁膜とそこに形成される埋め込み配線と
の接触面など、いずれの層についても上記イオン注入に
よる両者の密着強度を強化する効果を得ることができ
る。
【0074】・上記実施の形態においては、Cuの埋め
込み配線の充填に先立って、絶縁層に形成した溝にバリ
アメタル層が形成される場合について例示したが、この
バリアメタル層は必ずしも必要ではない。バリアメタル
層がなくても、絶縁膜とそこに形成される埋め込み配線
との接触面の密着強度が強化される上記効果を得ること
ができる。
【0075】・上記実施の形態においては、埋め込み配
線がCuにより構成される場合について例示したが、埋
め込み配線の材料はCuに限定されるものではない。 ・上記実施の形態においては、絶縁層に形成した溝にメ
ッキ法によって埋め込み配線を充填する場合について例
示したが、この埋め込み配線の充填は他の方法によって
もよい。なお、埋め込み配線をメッキ法によらないで充
填する場合には、上記実施の形態において説明したシー
ド層の形成は不要である。
【0076】・上記埋め込み配線とその周囲の絶縁膜と
の接触面に注入する不純物はホウ素イオンでなくてもよ
い。要は、両者の接触面の密着強度を強化する作用を奏
する不純物であればよい。
【0077】・上記埋め込み配線とその周囲の絶縁膜と
の接触面に注入するイオンは、必ずしも両者の接触面全
面に到達させる必要はない。要は、両者の密着強度が十
分得られ、接触面の剥離を確実に防止できればよい。た
とえば、上記実施の形態における上層の有機SOG膜2
5(プラグ32の埋め込み層)には、同層界面における
密着強度が十分あり、有機SOG膜25の誘電率の低減
が不要な場合には、イオン注入をする必要はない。
【0078】・上記埋め込み配線とその周囲の絶縁膜と
の接触面にイオン注入を行う際には、電子シャワーを併
用してもよい。これにより、イオン注入による半導体基
板の無用な帯電が抑制されるため、同基板内に形成され
ている素子の特性劣化あるいは破壊を防止することがで
きるようになる。
【0079】・上記実施の形態において、絶縁層とその
絶縁層内の埋め込み配線との界面への不純物の導入はイ
オン注入法により行っているが、イオンシャワーや不純
物拡散など他の方法により行ってもよい。
【0080】・上記実施の形態においては、シリコン基
板上に形成されている素子がMOSFETである場合に
ついて説明したが、バイポーラトランジスタなど他の素
子であってもよい。
【0081】・上記実施の形態においては、半導体基板
としてシリコン基板を使用した場合について例示した
が、上記半導体基板としてはシリコン基板に代えて、半
導体装置を形成することができるどのような半導体基板
を使用してもよい。
【0082】また、上記実施の形態の後半に示したゲー
ト電極形状の形成方法からは、次のような技術思想を把
握することができる。これらをそれぞれの技術思想によ
り得られる作用効果とともに以下に記載する。
【0083】(1)半導体基板上にMOSFET素子の
ゲート絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜上に前記素子
のゲート電極を形成するとともに、そのゲート電極に対
応して前記ゲート絶縁膜が除去された領域に不純物を注
入して前記素子のソース領域およびドレイン領域を形成
する半導体装置の製造方法において、前記ゲート電極と
して多層構造を有する導電層を形成し、その導電層の最
下層の側壁の一部を選択的にエッチング除去することに
より、前記ゲート電極が前記ゲート絶縁膜と当接する面
積を縮小せしめることを特徴とする半導体装置の製造方
法。
【0084】上記方法によれば、上記ゲート絶縁膜と当
接する最下層のゲート電極面積を縮小させつつも、その
上層のゲート電極の配線断面積の縮小を最小限にとどめ
たゲート電極構造を容易に形成することができる。この
ため、素子の微細化にともなう上記ゲート電極の配線抵
抗の増加が最小限に抑制され、また配線間容量が低減さ
れた素子を形成することができるようになる。したがっ
て、ゲート電極の微細化がよりすすめられた素子にあっ
ても、その動作速度等の性能を好適に確保することので
きる半導体装置を製造することができるようになる。
【0085】(2)前記ゲート電極の多層構造を構成す
る導電層の最下層として、非晶質シリコン薄膜を形成
し、同非晶質シリコン薄膜の側壁の一部を選択的にエッ
チング除去する前記(1)に記載の半導体装置の製造方
法。
【0086】上記方法によれば、非晶質シリコン薄膜が
上記ゲート電極の最下層として形成されるため、上記ゲ
ート電極の最下層を容易にエッチングすることができる
ようになる。
【0087】(3)前記ゲート電極は2層構造を有し、
前記最下層の導電層として非晶質シリコン薄膜を形成
し、その上層に多結晶シリコン薄膜を形成して、前記最
下層となる非晶質シリコン薄膜の側壁の一部を選択的に
エッチング除去する前記(1)に記載の半導体装置の製
造方法。
【0088】上記方法によれば、上記多層構造をなすゲ
ート電極が2層にて簡素に構成されるため、同ゲート電
極を容易に形成することができるようになる。なお、上
記上層の多結晶シリコン薄膜が上記エッチングにより損
傷を受けるのを防止する目的で、該多結晶シリコン薄膜
の上層にさらに保護膜を形成したうえでゲート電極形成
のためのドライエッチングを行ってもよい。この用途の
保護膜としては、たとえば二酸化ケイ素SiO2 やシリ
コン酸化窒化物SiONなどが用いられる。また、上記
非晶質および多結晶シリコン薄膜はともに、たとえば減
圧CVD法により形成される。この場合、上層の多結晶
シリコン薄膜の成膜温度を「620℃〜650℃」の範
囲とすることにより、下層の非晶質シリコン薄膜を結晶
化させることなく上層の多結晶シリコン薄膜を形成する
ことができる。
【0089】(4)前記最下層の非晶質シリコン薄膜の
側壁の一部の選択的エッチング除去は、フッ硝酢酸によ
るウェットプロセスにより行う前記(2)または(3)
に記載の半導体装置の製造方法。
【0090】上記方法によれば、ゲート電極の最下層を
構成する非晶質シリコン薄膜の側壁を好適にエッチング
除去することができる。なおフッ硝酢酸とは、フッ酸
(HF)、硝酸(HNO3 )、および酢酸(CH3 CO
OH)の混合溶液である。また、前記(3)に記載の下
層が非晶質シリコン薄膜により形成され、上層が多結晶
シリコン薄膜により形成される2層構造のゲート電極
は、同ゲート電極形成のためのドライエッチングによる
方法に代えて上記フッ硝酢酸によるウェットプロセスの
みによる方法にても形成することができる。すなわちま
ず、上記ゲート電極形成のためのレジストを通常の方法
にて塗布、パターニングする。次に、そのパターニング
されたレジストを含む膜面の上方からイオン注入を行
う。これにより、先に形成されたゲート電極を構成する
2層のシリコン薄膜のうち、上層の多結晶層はレジスト
が塗布されている部分を除き非晶質化される。さらに、
この膜面に対して上記フッ硝酢酸によるウェットエッチ
ングを行う。こうして、ゲート電極形成のためのドライ
エッチングを行うことなく、上記2層構造のゲート電極
を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体装置およびその製造方法
を具体化した一実施の形態について埋め込み配線の構造
とその形成過程の例を模式的に示す断面図。
【図2】同実施の形態について同埋め込み配線の水平方
向の構成例を示す図。
【図3】同実施の形態についてホウ素イオンを注入する
処理例を示す図。
【図4】同実施の形態について上記埋め込み配線の上層
の絶縁層に層間配線となるプラグを形成する過程の例を
模式的に示す断面図。
【図5】同実施の形態について上記埋め込み配線の上層
の絶縁層に層間配線となるプラグを形成する過程の例を
模式的に示す断面図。
【図6】同実施の形態についてゲート電極の形成過程の
例を、同ゲート電極付近を拡大して模式的に示す断面
図。
【図7】従来の埋め込み配線の形成過程例を模式的に示
す断面図。
【図8】上記埋め込み配線の上層の絶縁層に層間配線と
なるプラグを形成する過程の例を模式的に示す断面図。
【図9】上記埋め込み配線の上層の絶縁層に層間配線と
なるプラグを形成する過程の例を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
11…シリコン基板、12…シリコン酸化膜、13…有
機SOG膜、14…シリコン酸化膜、15…溝、16…
Cu層、18…キャップ膜、19…改質SOG膜、22
…埋め込み配線、25…有機SOG膜、26…シリコン
酸化膜、31…ビアホール、32…プラグ、41…非晶
質シリコン薄膜、41a、41b…非晶質シリコン薄膜
のゲート電極、41c、42a…多結晶シリコン薄膜の
ゲート電極、43…レジスト、44…ソース領域または
ドレイン領域、45…絶縁膜、46…コンタクトホー
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M104 AA01 BB01 CC05 DD43 FF07 FF13 GG09 GG10 GG14 HH16 5F033 HH04 HH11 HH32 MM01 MM12 MM13 MM18 PP27 QQ48 QQ60 QQ65 RR01 RR25 SS15 SS22 TT04 VV06 WW04 XX14 XX24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上方の絶縁膜に埋め込み配線が
    形成されてなる半導体装置において、 少なくとも前記絶縁膜側に前記埋め込み配線との接触界
    面の界面特性を改質させる不純物が導入されてなること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】前記不純物がホウ素である請求項1に記載
    の半導体装置。
  3. 【請求項3】前記絶縁膜が、有機SOG膜とその膜上に
    積層されたシリコン酸化膜とを有してなる請求項1また
    は2に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁膜が、CVD法にて形成された次
    式 【化1】 の構造式にて表される絶縁膜を有してなる請求項1また
    は2に記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】前記絶縁膜が、前記埋め込み配線のキャッ
    プ膜として、シリコン窒化膜およびシリコン炭化膜のい
    ずれかを含む請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】前記埋め込み配線に用いられる配線材料が
    銅を含む請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】半導体基板上に絶縁膜を堆積させてこの絶
    縁膜に埋め込み配線を設けるための開口溝を形成し、そ
    の開口溝に配線材料を充填して埋め込み配線を形成した
    のち、少なくとも前記開口溝の溝面と前記埋め込み配線
    とが接触する界面に、その界面特性を改質させる不純物
    を導入する工程を有する半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記不純物としてホウ素を導入する請求項
    7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記絶縁膜として、有機SOG膜とその膜
    上に積層されるシリコン酸化膜とを用いる請求項7また
    は8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記絶縁膜として、CVD法にて形成さ
    れる次式 【化2】 の構造式を有する絶縁膜を用いる請求項7または8に記
    載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、前記開口溝への埋め込み配
    線を形成したのちに、該埋め込み配線の上面を含む前記
    絶縁膜の膜面にキャップ膜を形成する工程を有し、前記
    不純物の導入がそのキャップ膜の上方から行われること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】前記キャップ膜がシリコン窒化膜および
    シリコン炭化膜のいずれかにより形成される請求項11
    に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記埋め込み配線が銅を含む配線材料に
    よって形成される請求項7〜12のいずれかに記載の半
    導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】請求項7〜13のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法において、前記不純物の導入を行った
    のちに、前記不純物の導入部位の特性を改質させる熱処
    理を施す工程を有することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  15. 【請求項15】半導体基板上に絶縁膜を堆積させてこの
    絶縁膜に埋め込み配線を設けるべく開口溝を形成したの
    ち、少なくともその開口溝の溝面に、該溝面が前記埋め
    込み配線と接触する界面の界面特性を改質させる不純物
    を前記埋め込み配線の形成に先立って導入する工程を有
    する半導体装置の製造方法。
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