JP2003031170A - 電子放射陰極とその製造方法 - Google Patents

電子放射陰極とその製造方法

Info

Publication number
JP2003031170A
JP2003031170A JP2001218064A JP2001218064A JP2003031170A JP 2003031170 A JP2003031170 A JP 2003031170A JP 2001218064 A JP2001218064 A JP 2001218064A JP 2001218064 A JP2001218064 A JP 2001218064A JP 2003031170 A JP2003031170 A JP 2003031170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
needle
tungsten
reservoir
single crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001218064A
Other languages
English (en)
Inventor
Morikazu Sakawa
盛一 坂輪
Yoshinori Terui
良典 照井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2001218064A priority Critical patent/JP2003031170A/ja
Publication of JP2003031170A publication Critical patent/JP2003031170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/063Electron sources
    • H01J2237/06308Thermionic sources
    • H01J2237/06316Schottky emission

Landscapes

  • Solid Thermionic Cathode (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】リザーバの単結晶ニードルからの離脱を抑制
し、安定化物質を添加した系においては一層のクラック
抑制をすることができる電子放射陰極を、リザーバ形成
工程を短縮化して安価に安定供給する方法を提供する。 【解決手段】タングステンまたはモリブテンの単結晶か
らなるニードルと、前記ニードルを加熱するためのフィ
ラメントと、前記ニードル上に設けられ、前記単結晶の
仕事関数を低下するための元素を含有するリザーバとか
らなる電子放射陰極であって、前記リザーバが2A族、
3A族、4A族及び5A族からなる群の少なくとも1つ
の元素を含む酸化物からなり、しかも前記リザーバが薄
膜状に形成されてなることを特徴とする電子放射陰極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡、電子
線露光機、電子ビームテスタ、ウエハ検査装置、オージ
ェ電子分光装置などの電子源、ことにオージェ電子分光
装置、電子ビームテスタ、または電子線露光用の電子源
として用いられる電子放射陰極とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、より高輝度の電子ビームを得るた
めに、タングステン単結晶の針状電極を用いた電子放射
陰極が利用されている。この電子放射陰極は、軸方位が
<100>方位からなるタングステン単結晶ニードル
に、ジルコニウム及び酸素からなる被覆層(以下、Zr
O被覆層という)を設け、該ZrO被覆層によってタン
グステン単結晶の(100)面の仕事関数を4.5eV
から約2.8eVに低下させたもので、前記ニードルの
先端部に形成された(100)面に相当する微小な結晶
面のみが電子放射領域となるので、従来の熱陰極よりも
高輝度の電子ビームが得られ、しかも長寿命である特徴
を有する。また冷電界放射陰極よりも安定で、低い真空
度でも動作し、使いやすいという特徴を有している。
【0003】また電子顕微鏡等の分解能低下に寄与する
放出される電子のエネルギー分布の半値幅の増大を抑制
するために、ジルコニウムの他に、チタニウム、イット
リウム、ニオブ、スカンジウム、バナジウム、ランタン
などの酸化物や窒化物をタングステン単結晶ニードル上
に被覆したものが提案されている(特開平8−2500
54)。
【0004】典型的な電子放射陰極は、図1に示すよう
に絶縁碍子4に固定された導電端子5に設けられたタン
グステン製のフィラメント3の所定の位置に電子ビーム
を放射するタングステンの<100>方位のニードル1
が溶接等により固着されている。ニードル1の一部に
は、ジルコニウムと酸素の供給源、即ち、リザーバが設
けられ、図示していないがニードル1の表面はZrO被
覆層で覆われている。タングステンニードル1はタング
ステンフィラメント3により通電加熱され1800K程
度の温度下で使用されるので、前記タングステンニード
ル1表面のZrO被覆層は蒸発により消耗する。しか
し、前記リザーバよりジルコニウム及び酸素が拡散し、
前記タングステンニードル1の表面に連続的に供給され
るので、結果的にZrO被覆層が維持される。
【0005】前記ZrO被覆層を形成し、低仕事関数化
を達成する従来方法として、以下の3工程を経る方法が
公知である。即ち、 第一工程:ジルコニウム含有物の前駆体水素化ジルコニ
ウムの粉末体に有機溶剤などを添加してスラリー状にし
て<100>方位のタングステンニードルに付着させ水
素化ジルコニウムの溜まりを形成する。 第二工程:高真空下で、タングステンニードルを加熱し
水素化ジルコニウムをジルコニウムと水素に分解し、ジ
ルコニウムをタングステンニードル表面に拡散させる。 第三工程:10-4Pa程度の酸素雰囲気中でタングステ
ンニードルを加熱し、タングステンニードル表面上にZ
rO被覆層を形成させる。 というものである(米国特許第4,324,999号明
細書参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記第一工程にてスラ
リーをタングステンニードルに付着させる方法として、
例えば筆などを用いて塗布する方法があるが、塊状に付
着させることは、熟練と時間を要する。また、第三工程
における酸素中での加熱において、タングステンニード
ル先端までZrOを拡散させるために、約24時間を必
要とし、生産性が悪いという問題があった。
【0007】また塊状に形成されたZrOは、焼結時に
微小なクラックが入り、程度によっては、電子放射陰極
として使用時に剥離し、離脱・落下する場合がある。離
脱することによる電子放射陰極としてのライフエンドは
希ではあるが発生し、大きな問題となっている。
【0008】前記問題を回避するために、ZrOの相転
移に伴う体積変化によるクラックを防止する目的でCa
O、MgO及びY23などの安定化物質を添加すること
が提案されている(特開2001−52596)。しか
しながら、従来の形成方法によると、必ずしもリザーバ
全体の組成・組織が均一でなく、安定化物質無添加に比
べ、クラックの程度は低減するものの、局部的なクラッ
ク及び、それによるリザーバ離脱を完全に排除すること
は困難であった。
【0009】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、リザーバの単結晶ニードルからの
離脱を抑制し、安定化物質を添加した系においては、均
一な組成を得ることにより、クラックを抑制することが
できる電子放射陰極を、しかもリザーバ形成工程を短縮
化して安価に安定して供給できる方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、タング
ステンまたはモリブテンの単結晶からなるニードルと、
前記ニードルを加熱するためのフィラメントと、前記ニ
ードル上に設けられ、前記単結晶の仕事関数を低下する
ための元素を含有するリザーバとからなる電子放射陰極
であって、前記リザーバが2A族、3A族、4A族及び
5A族からなる群の少なくとも1つの元素を含む酸化物
からなり、しかも前記リザーバが薄膜状に形成されてな
ることを特徴とする電子放射陰極であり、好ましくは、
前記酸化物の厚さが50nm〜3μmであり、前記酸化
物中の金属がZrであることを特徴とする前記の電子放
射陰極である。
【0011】また、本発明は、タングステンまたはモリ
ブテンの単結晶ニードル上に、ゾル−ゲル法により形成
された、2A族、3A族、4A族及び5A族からなる群
の少なくとも1つの元素を含む酸化物を薄膜状に被覆形
成することを特徴とする電子放射陰極の製造方法であ
り、好ましくは、前記酸化物の出発物質が、金属アルコ
キシドであることを特徴とする前記の電子放射陰極の製
造方法である。
【0012】また、本発明は、タングステンまたはモリ
ブテンの単結晶ニードル上に、2A族、3A族、4A族
及び5A族からなる群の少なくとも1つの元素を含む金
属粉末を溜まりとして形成せしめ、その後、2A族、3
A族、4A族及び5A族からなる群の少なくとも1つの
元素を含む酸化物をゾル−ゲル法により薄膜状に被覆形
成することを特徴とする電子放射陰極の製造方法であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、従来技術の状況に鑑
みてさまざまな検討を重ねた結果、ゾル−ゲル法による
ときに、均一かつ薄膜状の金属酸化物が単結晶ニードル
上に形成でき、その結果得られた電子放射陰極が、使用
条件下で繰り返し受ける熱履歴を被ってもリザーバーに
クラックを生じ難く、その結果、長期の信頼性に優れる
表面被覆型電子放射陰極であることを見出し、本発明に
至ったものである。
【0014】本発明の電子放射陰極は、タングステンま
たはモリブテンの単結晶からなるニードルと、前記ニー
ドルを加熱するためのフィラメントと、前記ニードル上
に設けられ、前記単結晶の仕事関数を低下するための元
素を含有するリザーバとからなる構造を有する電子放射
陰極であって、前記リザーバが2A族、3A族、4A族
及び5A族からなる群の少なくとも1つの元素を含む酸
化物からなるもので、しかも前記リザーバが薄膜状に形
成されてなることを特徴としている。また、前記酸化物
の内Zrを用いたものは、電子放射特性が良く知られ、
いろいろな用途に適用しやすく、好ましい。
【0015】また、本発明の電子放射陰極は、前記の通
りに、リザーバが薄膜状であることから、リザーバにク
ラックが入ったり、脆いときにはリザーバが剥離、落下
して、電子放射特性が劣化したり、寿命が極度に短くな
るといった従来からの問題が防止できる効果が得られ
る。
【0016】薄膜状のリザーバの形成方法として、従来
公知の薄膜形成法が適用できる。薄膜形成法として、後
述するゾル−ゲル法、或いはCVDなどによる気相方
法、更に液状の金属化合物をスプレーする方法などを適
用し、その後高温で加熱することにより被膜形成するこ
とができるが、後述するとおりに、生産効率の観点から
ゾル−ゲル法が好ましい。
【0017】本発明において、前記酸化物の厚さが50
nm〜3μmであることが好ましい。本発明者は、後述
するとおりに、ゾル−ゲル法を適用して、リザーバとし
ていろいろな厚さの酸化物を形成し得られる電子放射陰
極の特性を調べた結果、50nm以上の膜厚の場合、リ
ザーバー中の電子放射陰極の仕事関数を低減化させうる
に表面被覆材成分が充分含まれること、また3μmを超
える厚さの膜を形成させることは生産面で不要なコスト
を必要となるだけで、前記範囲内で得られる効果以上の
効果が得られないことを見出したからである。
【0018】また、本発明は、タングステンまたはモリ
ブテンの単結晶ニードル上に、ゾル−ゲル法により形成
された、2A族、3A族、4A族及び5A族からなる群
の少なくとも1つの元素を含む酸化物を薄膜状に被覆形
成することを特徴とする電子放射陰極の製造方法であ
り、前記特徴を有する電子放射陰極を、容易に安定して
供給できる特徴を有している。
【0019】ゾル−ゲル法は、金属の有機及び無機化合
物の溶液から出発し、溶液中での化合物の加水分解・重
合によって溶液を金属酸化物または水酸化物の微粒子が
溶解したゾルとし、さらに反応を進ませてゲル化し、で
きた多孔質のゲルを加熱して非晶質、ガラス、多結晶体
をつくる方法である。最終的には金属酸化物が生成し、
工業的にはSiO2の形成方法として用いられるが、S
iO2に限らず、Al23、TiO2、ZrO2、Si3
4,TiNなどの単純化合物や、In23−SnO2、B
aTiO3、KTaO3、LiNbO3、PbTiO3、P
bZrO3、PbO−La23−ZrO2−TiO2系誘
導体などを形成させる方法であり、電子放射陰極の仕事
関数を低減化させうる表面被覆材として知られているZ
r、Ti、Y、Nb、Sc、V、Laなどの酸化物や窒
化物も形成することが可能である。
【0020】ゾル−ゲル法における出発金属化合物とし
ては、反応性がよく、加水分解と重合反応を受けて金属
−酸素の結合からできた重合体を生成しやすいという理
由から金属アルコキシドが好ましい。適当なアルコキシ
ドがない場合、アセチルアセトネートや酢酸塩のような
カルボキシ酸塩やオキシ酸塩を使用することも可能であ
る。無機金属化合物として、硝酸塩、オキシ塩化物、塩
化物などを出発金属化合物とすることも可能である。
【0021】ゾル−ゲル法のメリットの1つとして、理
論密度近くまで焼結するので、非常に緻密な焼結体が得
られるということがある。これにより一般的には強度、
硬度、弾性率の高いセラミックスが得られる。従って、
リザーバとして単結晶ニードル上に形成すると、リザー
バ自身の強度が大きく、かつ薄膜状に形成できるので、
ニードルとの付着力が大きく、電子放射陰極搬送及び取
り付け時の衝撃や、真空装置内での昇降温によるヒート
サイクル下においても、リザーバ離脱によるライフエン
ドという問題は回避できる。
【0022】ゾル−ゲル法で得られる薄膜は、その作成
条件、例えば、溶液濃度や、ディッピング時の引き上げ
速度、ディッピング回数等、を選択することで、孔の開
いた不連続の膜状態から、緻密で孔のない連続膜状態の
ものが得られるが、本発明に於いてはいずれの状態であ
っても、リザーバとして機能上問題ない。しかし、本発
明者の実験的検討結果に拠れば、連続膜状態のものが好
ましく、しかもその厚さは50nm〜3μmの範囲が好
ましく選択される。即ち、50nm以上の膜厚の場合、
リザーバー中の電子放射陰極の仕事関数を低減化させう
る表面被覆材成分が充分であること、3μmを超える厚
さの膜を形成させることは生産面で不要なコストを必要
となることの理由に基づく。
【0023】ゾル−ゲル法で得られた薄膜は、その後加
熱されてリザーバとするが、その加熱条件は、例えば、
電子放射陰極構造体を真空中にセットし、タングステン
ワイヤーに通電して単結晶チップを約1800Kに加熱
するという従来公知の方法で構わない。
【0024】また、従来行われていたリザーバ形成方法
にゾル−ゲル法を組み合わせるという選択肢もありう
る。前述したように例えばジルコニウム系においては、
ジルコニウムの粉末体を有機溶剤などを添加してスラリ
ー状にしてタングステンニードルに付着させ水素化ジル
コニウムの溜まりを形成し、その後高真空下でタングス
テンニードルを加熱し水素化ジルコニウムをジルコニウ
ムと水素に分解し、ジルコニウムをタングステンニード
ル表面に拡散させ、10-4Pa程度の酸素雰囲気中でタ
ングステンニードルを加熱し、タングステンニードル表
面上にZrO被覆層を形成させていたが、酸素中での加
熱において、タングステンニードル先端までZrOを拡
散させるために約24時間を必要とし、生産性が悪いと
いう問題があった。
【0025】ここでゾル−ゲル法を組み合わせることに
より、タングステンニードル先端までZrOを拡散させ
る工程をゾル−ゲル法における加熱による酸化物焼結工
程で置き換えることが可能となり、スループットを向上
させることができる。酸化物焼結に要する時間は2時間
あれば十分であり、前述したように、その加熱条件は、
例えば、電子放射陰極構造体を真空中にセットし、タン
グステンワイヤーに通電して単結晶チップを約1800
Kに加熱するという従来公知の方法で構わない。
【0026】これにより、生産性向上を図りながら、リ
ザーバとして十分な容量も確保できるので、長寿命なエ
ミッタを得ることができる。
【0027】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0028】
【実施例】〔実施例1〕図1に示すように、絶縁碍子4
にロウ付けされた金属支柱5にタングステンワイヤー3
をスポット溶接により固定した後、<100>方位の単
結晶タングステン細線を寸断したタングステンチップ1
を前記タングステンワイヤー3にスポット溶接により取
り付け、さらにタングステンチップ1の先端を電解研磨
により鋭利な先端とし、電子放射陰極中間体を得た。
【0029】一方、出発物質として安定化物質であるY
23を含有したZrのアルコキシドZr(OCH34
用い、水による加水分解により均質溶液を得た。
【0030】前記電子放射陰極中間体のタングステンチ
ップ先端の尖鋭部に、溶剤剥離型レジストをディッピン
グ法により塗布・乾燥してマスクとし、更に、前記均質
溶液にタングステンチップ及びタングステンワイヤーの
上部をディッピングすることで均質溶液をタングステン
チップ上に塗布した。
【0031】その後、1×10-7Paの真空中でタング
ステンワイヤー3に通電してタングステンチップ1を1
800Kで2時間加熱し、有機物を燃焼、蒸発させ、デ
ィッピング部分に膜厚が約0.2μmの薄膜状のZrO
2焼結体を得て(図2参照)、電子放射陰極とした。
【0032】前記操作で電子放射陰極5個を用意し、タ
ングステンワイヤーへの電流負荷をON/OFFを50
0回繰り返した後に、リザーバ部分を観察したが、いず
れもクラック、剥離は認められなかった。
【0033】〔実施例2〕実施例1と同様な手順によ
り、電子放射陰極中間体を形成した。
【0034】一方、粒度0.5〜5μmの水素化ジルコ
ニウム粉末に酢酸イソアミルを加えてスラリー状とし
た。前記電子放射陰極中間体のタングステンチップに、
前記スラリーを筆を用いて付着させ、その後、出発物質
としてZrのアルコキシドZr(OCH34を水により
加水分解した均質溶液に、実施例1と同様な手順によ
り、先端円錐部を除く部分に膜厚が約0.2μmの薄膜
状のZrO2焼結体を得て(図3参照)、電子放射陰極
とした。
【0035】〔比較例〕実施例1の電子放射陰極中間体
を用いて、酢酸イソアミルにZrH4粉を分散させたス
ラリーを刷毛で塗布し、その後1×10-7Paの真空中
でタングステンワイヤー3に通電してタングステンチッ
プ1を1800Kに加熱し、次いで該真空容器に酸素ガ
スを導入し、真空度を10-4Pa程度に保持し、該Wチ
ップの加熱を仕事関数が低下するまで実施したところ、
24時間を要した。このようにして電子放射陰極を作製
し、実施例と同じ評価を行ったところ、2個のリザーバ
にクラックが認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明の電子放射陰極は、リザーバが薄
膜状に形成され、後工程或いは使用時に被る熱履歴によ
っても、クラックが発生したり、剥離、落下することが
なく、信頼性の高い特徴がある。また、本発明の製造方
法によれば、リザーバの単結晶ニードルからの離脱を抑
制し、安定化物質を添加した系においては、均一な組成
を得ることにより、クラックを抑制することができるば
かりでなく、リザーバ形成工程を短縮化でき、安価に前
記特徴を有する表面被覆型電子放射陰極を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子放射陰極の構造図。
【図2】本発明の実施例1に係る電子放射陰極のリザー
バ部分の拡大図。
【図3】本発明の実施例2に係る電子放射陰極のリザー
バ部分の拡大図。
【符号の説明】
1 ;タングステン又はモリブデンの単結晶チップ 2 ;サプレッサー電極 3 ;タングステンワイヤー 4 ;絶縁碍子 5 ;金属支柱 6 ;リザーバ 7 ;固定用ネジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンまたはモリブテンの単結晶か
    らなるニードルと、前記ニードルを加熱するためのフィ
    ラメントと、前記ニードル上に設けられ、前記単結晶の
    仕事関数を低下するための元素を含有するリザーバとか
    らなる電子放射陰極であって、前記リザーバが2A族、
    3A族、4A族及び5A族からなる群の少なくとも1つ
    の元素を含む酸化物からなり、しかも前記リザーバが薄
    膜状に形成されてなることを特徴とする電子放射陰極。
  2. 【請求項2】前記酸化物の厚さが50nm〜3μmであ
    ることを特徴とする請求項1記載の電子放射陰極。
  3. 【請求項3】前記酸化物中の金属がZrであることを特
    徴とする請求項1又は2記載の電子放射陰極。
  4. 【請求項4】タングステンまたはモリブテンの単結晶ニ
    ードル上に、ゾル−ゲル法により形成された、2A族、
    3A族、4A族及び5A族からなる群の少なくとも1つ
    の元素を含む酸化物を薄膜状に被覆形成することを特徴
    とする電子放射陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】前記酸化物の出発物質が、金属アルコキシ
    ドであることを特徴とする請求項4記載の電子放射陰極
    の製造方法。
  6. 【請求項6】タングステンまたはモリブテンの単結晶ニ
    ードル上に、2A族、3A族、4A族及び5A族からな
    る群の少なくとも1つの元素を含む金属粉末を溜まりと
    して形成せしめ、その後、2A族、3A族、4A族及び
    5A族からなる群の少なくとも1つの元素を含む酸化物
    をゾル−ゲル法により薄膜状に被覆形成することを特徴
    とする電子放射陰極の製造方法。
JP2001218064A 2001-07-18 2001-07-18 電子放射陰極とその製造方法 Pending JP2003031170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001218064A JP2003031170A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子放射陰極とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001218064A JP2003031170A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子放射陰極とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003031170A true JP2003031170A (ja) 2003-01-31

Family

ID=19052299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001218064A Pending JP2003031170A (ja) 2001-07-18 2001-07-18 電子放射陰極とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003031170A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070766A1 (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 電子源
JP2005032500A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Hitachi High-Technologies Corp 冷陰極とそれを用いた電子源及び電子線装置
JP2005222945A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 電子源の製造方法と使用方法
JP2008004411A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Denki Kagaku Kogyo Kk 電子源
KR20140049006A (ko) 2011-09-26 2014-04-24 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 전계 방출형 전자원
CN116559146A (zh) * 2023-07-10 2023-08-08 江苏奥文仪器科技有限公司 提升多基体火花直读光谱仪检测稳定性和拓展性的装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004070766A1 (ja) * 2003-02-03 2004-08-19 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha 電子源
US7556749B2 (en) 2003-02-03 2009-07-07 Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Electron source
JP2005032500A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Hitachi High-Technologies Corp 冷陰極とそれを用いた電子源及び電子線装置
JP2005222945A (ja) * 2004-02-03 2005-08-18 Denki Kagaku Kogyo Kk 電子源の製造方法と使用方法
JP2008004411A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Denki Kagaku Kogyo Kk 電子源
KR20140049006A (ko) 2011-09-26 2014-04-24 가부시키가이샤 히다치 하이테크놀로지즈 전계 방출형 전자원
US8866371B2 (en) 2011-09-26 2014-10-21 Hitachi High-Technologies Corporation Electric field discharge-type electron source
DE112012003268B4 (de) 2011-09-26 2023-03-23 Hitachi High-Tech Corporation Elektronenquelle vom elektrischen Feldentladungstyp
CN116559146A (zh) * 2023-07-10 2023-08-08 江苏奥文仪器科技有限公司 提升多基体火花直读光谱仪检测稳定性和拓展性的装置
CN116559146B (zh) * 2023-07-10 2023-09-19 江苏奥文仪器科技有限公司 提升多基体火花直读光谱仪检测稳定性和拓展性的装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794227B2 (ja) 電子放出素子
EP0755064B1 (en) Cathode having a reservoir and method of manufacturing the same
JP4662140B2 (ja) 電子放出素子
JP2003031170A (ja) 電子放射陰極とその製造方法
JP2014525991A (ja) バリウム−スカンジウム酸化物ディスペンサカソード用の標的
JP2002110176A (ja) カーボンナノファイバー複合体およびその製造方法
CN1037880C (zh) 放电管的阴极
KR100867149B1 (ko) 산화물 음극을 구비하는 음극선관
JP4471431B2 (ja) 綿状高融点金属材料の製造方法およびその材料を用いた陰極
CN1056465C (zh) 薄膜钪系阴极及其制备方法
KR920001337B1 (ko) 전자관음극 및 그 제조방법
JP2006278103A (ja) 電子管用コーティングゲッター膜の製造方法
JP3397570B2 (ja) 熱電界放射陰極
JP3260204B2 (ja) 熱電界放射陰極
KR102272156B1 (ko) 이트륨계 세라믹 및 그 제조 방법
CN1894032A (zh) 针状陶瓷体、针状陶瓷催化剂体及其制造方法
JP4040531B2 (ja) 拡散補給型電子源及び電子応用装置
JP2650638B2 (ja) 陰極線管
JP2010238384A (ja) 電子源及びその用途
JP2001357810A (ja) 電子放射陰極の使用方法
CN113936981A (zh) 一种浸渍型钨铼锇三元混合基扩散阴极的制备方法
CN115410880A (zh) 一种低维结构电子源及其制备方法
JP2003123620A (ja) 直熱型酸化物陰極及びそれを用いた蛍光表示管
JPS6334832A (ja) 含浸形カソ−ドの製造方法
CN85104881A (zh) 浸渍阴极