JP2003029642A - 塗料色見本カード及び塗料色見本帳 - Google Patents

塗料色見本カード及び塗料色見本帳

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JP2003029642A
JP2003029642A JP2001212579A JP2001212579A JP2003029642A JP 2003029642 A JP2003029642 A JP 2003029642A JP 2001212579 A JP2001212579 A JP 2001212579A JP 2001212579 A JP2001212579 A JP 2001212579A JP 2003029642 A JP2003029642 A JP 2003029642A
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color
black
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pigment
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JP2001212579A
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Taketomo Ideguchi
賢智 井手口
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Kuboko Paint Co Ltd
Original Assignee
Kuboko Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熟練者でなくても、比較的容易に色の判別が
できるように、類似の原色の発色特性の違いを際立たせ
た色見本カード及び複数枚の色見本カードを1つに纏め
た色見本帳を提供する。 【解決手段】 基板;該基板上に塗工された原色塗料の
塗膜;及び該基板上に塗工された、原色塗料と黒色塗料
の混合塗料の黒色混合第1塗膜、又は原色塗料と黒色塗
料と光輝性顔料含有塗料の混合塗料の黒色混合第2塗膜
とを含む色見本カード。さらに、前記基板上に塗工され
た、原色塗料と白色塗料の混合塗料の塗膜や原色塗料と
光輝性顔料含有塗料の混合塗料の塗膜を含むことが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料の色見本カー
ド及び塗料色見本帳に関し、特にメタリックカラーやパ
ールカラーを調色する際に、最適な原色を速やかに且つ
的確に選定するのに有用な塗料色見本カード及び複数枚
の色見本カードを1つに纏めた塗料色見本帳に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車の塗装鋼板を補修する場合、補修
部分が目立たないように、塗装鋼板と同一の色に調色し
た塗料を用いる必要がある。
【0003】ここで、自動車に塗装されている塗色は、
本来各自動車メーカー毎に異なり、また同じ自動車メー
カーであっても、車種毎に異なっている。このため、各
自動車メーカーは、各車種について使用している塗色を
公表している。
【0004】しかしながら、各社が公表している塗色及
び原色の調合比率は、新車製造時に用いられる塗料の場
合である。一方、現実に塗装された実車の塗色は、塗料
ロット、塗装条件等によって、個々に微妙なばらつきが
でることは避けられない。また、塗装鋼板の補修は新車
購入時からある程度の期間を経てから行われる場合が多
く、長い間、風雨、紫外線等に曝されているため、塗色
は新車時より変色している場合が多い。このような理由
から、各社が公表している原色及びその調合比率に基づ
いて調整した色と、補修しようとする塗装鋼板の色とが
一致している場合はほとんどないため、補修時に、補修
しようとする塗装鋼板の色に合うように、塗料を微調色
する必要がある。
【0005】このような微調色の作業は、補修現場にお
いて、各塗料メーカーが作成した塗料色見本カード又は
塗料色見本帳を参照しつつ微調色用の原色を選択するこ
とにより行われる。
【0006】ここで、色見本カードとは、例えば図5に
示すように、プラスチック製又は硬質紙製のカード10
上に、左側から順に、原色塗膜11、原色に白色塗料を
混合した塗膜(白色混合塗膜)12、原色と光輝性顔料
を混合した塗膜(光輝性塗膜)13が横一列に配置さ
れ、さらに必要に応じて、その原色の特性等の説明が記
載されたものである。このような原色塗膜11とその関
連塗膜である白色混合塗膜12、光輝性塗膜13の組み
合わせを、複数の原色について縦に配列されている。図
5では、原色A,B,C……Eの5種類の原色塗膜とそ
の関連塗膜の組み合わせが縦1列に並べられている。原
色A〜Eは、同系色の原色が並べられていてもよいし、
任意の原色が任意に配置されていてもよい。また、白色
混合塗膜12及び光輝性塗膜13が、各原色について、
それぞれ1種類づつ配置されている原色見本カードだけ
でなく、混合比率を変えた関連塗膜を複数配列した色見
本カードもある。このような色見本カードを原色の数に
応じた分だけ揃うように纏めたものが色見本帳である。
【0007】ところで、塗料の色には同系統の原色が多
々あるため、色見本帳から適切な微調色用の原色を選択
することは、熟練を要する作業である。また、一般に色
を見る場合、見る角度によって異なった色に見える。す
なわち、図6に示すように、観測位置が光源に対して反
対位置にあって塗膜の正反射光を見る場合(このような
位置関係で見る色を「正面色」という)と、図7に示す
ように、観測位置が光源と同じ側にあって塗膜を透過し
た光、換言すると塗膜中に含まれる着色顔料の散乱光を
見る場合(このような位置関係で見る色を「スカシ」と
いう)とでは、塗膜に含まれる着色顔料の性質に基づい
て微妙に色が異なる。正面色とスカシの色の相違は、同
系色の原色間の相違よりも大きい場合がある。特に、光
輝性顔料が混合されている塗膜の場合には、正面色とス
カシの相違が原色塗膜や白色混合塗膜の場合よりも大き
いために、適正な微調色用の原色を選択することは困難
を極め、熟練者であっても選択ミスを起こし易くなって
いる。一方、自動車用の上塗り塗料としては、近年、メ
タリックカラーやパールカラーのように光輝性顔料を混
合した塗料の使用が主流となっており、その塗装鋼板の
補修のための原色の選択を容易にできるような色見本帳
が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、熟練者でなくても、比較的容易に色の判別ができ
るように、類似の原色の発色特性の違いを際立たせた色
見本帳を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、原色に黒
色顔料を混合した塗料塗膜のスカシの色は、塗料に含ま
れる着色顔料の種類に応じた色調が現われることを見い
出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、第一発明の色見本カードは、基
板;該基板上に塗工された原色塗料の塗膜;及び該基板
上に塗工された、原色塗料と黒色塗料の混合塗料の黒色
混合第1塗膜とを含む。
【0011】第2発明の色見本カードは、基板;該基板
上に塗工された原色塗料の塗膜;及び該基板上に塗工さ
れた、原色塗料と黒色塗料と光輝性顔料含有塗料の混合
塗料の黒色混合第2塗膜とを含む。
【0012】上記本発明の塗料色見本カードにおいて、
さらに、前記基板上に塗工された、原色塗料と白色塗料
の混合塗料の塗膜を含むことが好ましく、またさらに前
記基板上に塗工された、原色塗料と光輝性顔料含有塗料
の混合塗料の塗膜を含むことが好ましい。
【0013】前記黒色混合塗膜に含まれる顔料中の黒色
顔料の含有率が0.5〜80.0質量%であることが好
ましく、前記黒色塗料に含有されている黒色顔料は、カ
ーボンブラックであることが好ましい。
【0014】本発明の色見本帳は、原色塗料の塗膜が互
いに異なっている複数枚の請求項1〜5のいずれかに記
載の塗料色見本カードが、結合手段により1つに纏めら
れたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的実施形態
を、図面を基に説明する。
【0016】図1は、本発明の色見本カードの一実施形
態を示す図である。
【0017】図1に示す色見本カード6には、カード基
板5の一面に、原色塗膜1、原色塗料に白色塗料を混合
してなる塗膜(白色混合塗膜)2、原色塗料に光輝性顔
料含有塗料を混合した塗膜(光輝性塗膜)3,3′、原
色塗料に黒色顔料及び光輝性顔料を混合した塗膜(黒色
混合塗膜)4,4′が塗工配置されている。
【0018】はじめに、黒色混合塗膜について説明す
る。
【0019】混合に用いられる黒色塗料にに含まれる黒
色顔料としては、従来より塗料分野で黒色顔料として用
いられている顔料、具体的には、カーボンブラック、黒
鉛、鉄黒などが挙げられる。これらのうち、カーボンブ
ラックが好ましく用いられ、より好ましくは漆黒度の高
いカーボンブラックである。
【0020】混合に用いられる光輝性顔料含有塗料に含
まれる光輝性顔料としては、従来より塗料分野で用いら
れている光輝性顔料、具体的には、アルミニウム粉末、
ブロンズ粉末等のメタルカラー用顔料;所謂真珠光沢を
有するパール顔料などを用いることができる。
【0021】黒色混合塗膜における黒色顔料の含有率、
すなわち塗膜に含まれる顔料中の黒色顔料の含有率は、
0.5質量%以上とすることが好ましく、より好ましく
は2.0質量%以上である。また好ましい上限は、8
0.0質量%以下であり、より好ましくは60.0質量
%以下である。80.0質量%を超えると、黒色顔料の
割合が大きくなりすぎて、塗膜の明度が暗くなりすぎて
見づらいばかりか、光輝性顔料が入っているにも関わら
ず、正面色とスカシの相違が小さくなって、光輝性塗膜
特有の正面色とスカシの相違が見分けにくくなるからで
ある。一方、0.5質量%未満では、黒色顔料添加効果
が得られず、光輝性塗膜と同様になるからである。
【0022】また、黒色混合塗膜に含まれる顔料のうち
光輝性顔料の含有率は、0.5質量%以上とすることが
好ましく、より好ましくは1.0質量%以上である。ま
た好ましい上限は、70質量%以下であり、より好まし
くは50質量%以下である。70質量%を超えると、光
輝性顔料の割合が大きくなりすぎて、相対的に黒色顔料
の割合を下げざるを得ず、黒色顔料混合効果が得られな
いからである。一方、0.5質量%未満では、光輝性顔
料添加効果が得られず、光輝性顔料添加による正面色と
スカシの相違が現われにくいからである。
【0023】カード基板5としては、従来の色見本カー
ドの基板と同様のものを用いることができる。具体的に
は、プラスチック製板、金属薄板、硬質紙などで、持ち
運びに便利な程度の大きさのものを用いることができ
る。
【0024】図1に示す色見本カードに配置されている
黒色塗膜4,4′は、黒色顔料の含有割合が異なる塗膜
である。図1に示す色見本カードでは、黒色混合塗膜は
2種類配列されているだけであったが、1種類だけでも
よいし、必要に応じて3種類以上配列されていてもよ
い。
【0025】白色混合塗膜2は、原色塗料に白色顔料が
混合された塗料から形成される塗膜である。白色混合塗
膜に用いられる白色顔料は、従来より白色顔料として用
いられているものを使用でき、具体的には、酸化チタ
ン、亜鉛華、鉛白などが挙げられる。白色混合塗膜にお
ける白色顔料の含有率は、従来の色見本で採用されてい
る範囲内で適宜選択されればよい。具体的には、白色混
合塗膜に含まれる顔料全体に対する白色顔料の含有率が
1.0〜99.0質量%の範囲で選択される。
【0026】光輝性塗膜3は、原色に光輝性顔料が混合
された塗料から形成される塗膜である。光輝性塗膜に用
いられる光輝性顔料としては、黒色混合塗膜に用いるこ
とのできる光輝性顔料、すなわちメタルカラー用金属粉
末又はパール顔料を用いることができる。光輝性塗膜に
おける光輝性顔料の割合は、光輝性塗膜に含まれる顔料
における光輝性顔料の含有率は、1.0〜99.0質量
%の範囲で選択される。好ましくは、光輝性塗膜3及び
光輝性塗膜3′に用いられる光輝性顔料は、隣接配置さ
れている黒色塗膜で用いられている光輝性顔料と同じ種
類の光輝性顔料とすることが好ましい。黒色塗膜との比
較が容易になるからである。また、光輝性塗膜における
光輝性顔料の含有割合も上記範囲の中から適宜選択でき
るが、隣接配置されている黒色塗膜における光輝性顔料
の含有率と等しくすることが好ましい。隣接配置されて
いる黒色塗膜と対応するように、光輝性顔料の種類及び
含有率を合わせることで、黒色顔料添加による発色の違
いを認識し易くなるからである。
【0027】図1に示す態様において、白色混合塗膜は
1つだけ配置され、光輝性塗膜は黒色混合塗膜に対応す
るように2つ配置されていたが、本発明の色見本カード
はこれに限定されない。必要に応じて白色混合塗膜が複
数配列されていてもよいし、光輝性塗膜も1つでも又は
3つ以上でもよく、黒色混合塗膜と異なる数の光輝性塗
膜が配列されていてもよい。
【0028】また、上記実施態様における黒色混合塗膜
は、黒色顔料と光輝性顔料が混合されていたが、本発明
の色見本カードに配列される黒色混合塗膜は、光輝性顔
料が混合されることなく、黒色顔料だけが混合されてい
る場合でもよい。但し、光輝性顔料を含有していない
と、正面色とスカシの色の相違が判別しにくく、メタリ
ック塗装補修塗料選択用の色見本カードとしては、光輝
性顔料が黒色顔料とともに含有されることが好ましい。
【0029】さらにまた、上記各塗膜に、光沢を付与す
るために、クリアペイントを塗布し、クリア塗膜で被覆
するようにしてもよい。クリア塗膜で被覆されているこ
とにより、発色がよりはっきりとして見易くなる。
【0030】またさらに、本発明の色見本カードは、必
要に応じて、原色塗料に関する情報(隠蔽力、特性な
ど)が、基板の余白または裏面に記載されていてもよ
い。またさらに、1枚の色見本カードに、2種類以上の
原色とその関連塗膜とが配置されていてもよい。
【0031】本発明の色見本帳は、原色塗料の塗膜が互
いに異なっている複数枚の上記本発明の塗料色見本カー
ドを、結合手段で1つに纏めたものである。
【0032】1つの色見本帳には、必要な原色の種類が
揃うのに十分な数の色見本カードが含まれていることが
好ましい。
【0033】複数枚の色見本カードを1つに結合する手
段としては、特に限定しない。例えば、図2に示すよう
に、原色Aの色見本カード6a,原色Bの色見本カード
6b……の複数枚の色見本カードの夫々の基板の一隅に
穴7を開設し、その穴7に結合手段たるリング8を通し
て1つに纏めてもよいし、図3に示すように、原色A,
B,C……に対応する複数の色見本カード6a,6b,
6c……の一端を結合手段たるバインダー9で留めたも
のであってもよいし、さらにプラスチック製基板や紙製
の基板の場合には、色見本カードの一端を重ね合わせて
熱融着や縫合により一体化する方法も含まれる。
【0034】以上のような構成を有する色見本帳におい
て、黒色塗膜は、原色塗料で用いられている着色顔料の
特性に基づいた色が現われる。すなわち、着色顔料は、
その物質の特性に起因して、厳密には異なった色味を有
している。例えば青色顔料に分類されるものであっても
緑味を有する青色顔料と赤味を呈する青色顔料とがあ
る。この色味の違いが黒色混合塗膜の場合には顕著に表
れるので、原色塗膜では類似の色に見えるために判別が
困難であった場合も、黒色混合塗膜では判別することが
可能となる。
【0035】理由は明らかではないが、黒色を混合する
ことにより、塗膜表面の反射光が抑えられ、塗膜を透過
した光の色、すなわち顔料の特性に基づく色が現われ易
くなるためではないかと考えられる。特に、光輝性顔料
が含まれている場合には、光輝性顔料による乱反射光
で、塗膜に含まれる原色顔料の色が現われにくくなる
が、黒色混合塗膜の場合には黒色顔料が光輝性顔料に基
づく乱反射光を吸収して塗膜の透過光、すなわち塗膜に
含まれている着色顔料に基づく反射光が現われ易くなる
と考えられる。
【0036】従って、正面色とスカシでの色の相違が大
きい光輝性顔料入り塗膜の判別に関しては、光輝性顔料
がさらに混合された黒色光輝性塗膜で判別する方が容易
である。原色に光輝性顔料だけを混合した光輝性塗膜や
正面色だけでは判別しにくかったような類似の色であっ
ても、黒色光輝性塗膜ではスカシの色味が大きく異なっ
ているので、これに基づいて原色の相違を判別すること
ができるからである。
【0037】
【実施例】〔塗料の調製〕原色塗料として、久保孝ペイ
ント株式会社のブルー1(大日精化工業株式会社のシャ
ニンブルー5191で青色顔料としてC3216CuN8
を含有)及びブルー2(山陽色素株式会社のシャニンブ
ルーG−314で青色顔料としてC3216CuCl38
を含有)を用いた。各原色塗料について、黒色顔料含有
塗料(久保孝ペイント株式会社の黒色原色(キャボット
・スペシャルティ・ケミカルズ・インクで、黒色顔料と
して高級カーボンブラック含有)、光輝性塗料(久保孝
ペイント株式会社のメタリックベース原色、光輝性顔料
として旭化成メタルズ社のアルミペーストMH8802
を含有)、白色塗料(久保孝ペイント株式会社の白色原
色、白色顔料として酸化チタンを含有)を表1に示すよ
うな含有量比率(質量%)となるように混合して、黒色
及び光輝性顔料を含有する黒色光輝混合塗膜用塗料N
o.1、光輝性塗膜用塗料No.2、白色混合塗膜用塗
料No.3、黒色混合塗膜用塗料No.4を調製した。
塗料No.3,4については、原色塗料:添加塗料(質
量比)が5:5のものを調製し、塗料No.2について
は、原色塗料:添加塗料(質量比)が7:3,1:1,
3:7の3種類を調製した。塗料No.1については、
原色塗料:黒色塗料(質量比)を7:3,1:1,3:
7の割合で混合した混合塗料100質量部に対して、光
輝性塗料を5質量部を添加することにより調製した。
【0038】各塗料の顔料含有比率を塗料の含有比率と
併せて表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】〔塗膜の発色〕上記で調製した塗料を、ミ
ラーコート紙板上に塗膜厚み30μmとなる量を塗装し
た後、70℃で30分間分間乾燥した。その後、クリア
ーコートを塗布して、各塗料に対応する塗膜を形成し
た。ミノルタ株式会社製の分光測色計CM−512m3
を用いて、各塗膜の正面色及びスカシを、CIEのLa
b表色系に基づくL値、a値、b値で測定した。ここ
で、正面色は、図2に示すおいて、受光器に対して25
°の位置に光源を設置し、この光源Pで塗膜に光を当て
たときの塗膜の発色を測定した。スカシは、図4におい
て、受光器に対して75°の位置に光源を設置し、この
光源Qで塗膜に光を当てたときの塗膜の発色を測定し
た。
【0041】ここで、Lab表色系による色の表示と
は、JIS Z8729に規定された色の表示方法であ
り、L値は明度(所謂「白さ」)、a,bは色相と彩度
を示す色度(所謂「色味」)を表わす。+aは赤方向、
−aは緑方向、+bは黄色方向、−bは青方向を示し、
各値が大きくなるほど、その色相が強いことを意味す
る。L、a、bの各値は、JIS Z8701又はJI
S Z8728に規定された三刺激線X,Y,Zを用い
て求められる。
【0042】測定結果であるL値、a値、b値、及び各
塗膜の正面色、スカシ夫々について、原色塗料がブルー
1の場合のL値、a値、b値と、ブルー2の場合のL
値、a値、b値の差を求めた(夫々ΔL、Δa、Δbと
する)。さらに、ΔEを下式に基づいて算出した。 ΔE=〔(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2 さらに、ブルー2を基準とした相違レベルを、Δa及び
Δbの増加率(Δa率、Δb率)として、下式に基づい
て算出した。 Δa率=Δa÷(ブルー2のa値) Δb率=Δb÷(ブルー2のb値) 結果を表2及び表3に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】表2からわかるように、黒色顔料及び光輝
顔料を含有するサンプルNo.1の塗膜は、原色塗料と
添加塗料(黒色塗料)の混合比率に関わらず、原色がブ
ルー1、ブルー2のいずれの場合も、正面色のa値は負
の値で緑味、b値は負の値で青味を示していた。しかし
ながら、スカシの場合、ブルー2では、a値、b値とも
に負の値で正面色と同様に緑味、青味を示すのに対し、
ブルー1ではa値が正の値で赤味を示した。従って、Δ
a率は、100以上の大きな値を示す。ブルー1のa値
(赤味の程度)は、塗膜における黒色顔料が多いほど高
くなり、原色:黒色の混合比率が3:7の場合には、Δ
a率は200以上もの値を示した。
【0046】一方、原色顔料に光輝性顔料だけを混合し
たサンプルNo.2の塗膜は、原色塗料と混合用塗料
(黒色塗料)の混合比率に関わらず、原色がブルー1、
ブルー2のいずれの場合も、正面色のa値は負の値で緑
味、b値は負の値で青味を示し、原色色間の差であるΔ
a、Δbは正面色ではかなり小さいため、判別が困難で
あることがわかる。スカシについては、正面色の値と相
違し、しかもその相違のレベルは原色塗料ブルー1とブ
ルー2の違いよりも大きく、光輝性顔料を入れた場合
に、正面色とスカシで観測者が感じる色味が違っている
ことがわかる。しかしながら、スカシの場合も正面色と
同様に、ブルー1、ブルー2のいずれも、a値は負の値
で緑味、b値は負の値で青味を示していた。Δa、Δb
の値は黒色光輝性塗膜No.1と比べて大きいが、a
値、b値の絶対値自体が大きいため、両原色間の差は判
別しにくかった。つまり、Δa率、Δb率は、No.1
の塗膜よりも小さく、最も高い場合(原色:光輝性顔料
の混合比率が7:3の場合)でも、50未満であった。
【0047】従って、ブルー1とブルー2塗料のよう
に、原色塗料が同系色の場合にはその判別が困難である
が、黒色顔料及び光輝顔料が混合された塗膜では、スカ
シの場合に原色顔料特有の色が現われるので、判別する
ことができる。
【0048】表3から、白色塗料を混合した塗膜No.
3では、正面色、スカシの夫々について、原色塗料の違
い、すなわちブルー1とブルー2の違いは、元々の塗膜
の度合いに比べてそれ程大きくない。換言すると、Δa
率、Δb率としては小さく、特に正面色の差が小さい。
よって、メタリック塗料の場合の微調色用の原色を選択
するには、不十分である。
【0049】また、黒色塗料だけを混合したサンプルN
o.4では、Δa率、Δb率は大きかったが、光輝性顔
料が含有されていないためか、正面色とスカシの色の違
いが少なくなり、メタリック塗料の微調色用の原色を選
択するには、不十分である。
【0050】
【発明の効果】本発明の色見本帳は、黒色塗料を混合し
た塗膜が配列されていて、この黒色混合塗膜により、原
色塗料に含まれる原色顔料本来の色が判別しやすくなる
ので、従来の色見本帳よりも、同系色の類似の原色塗料
の選別が容易になる。特に、黒色塗料と光輝性顔料を混
合した塗膜では、光輝性塗膜特有の正面色とスカシの相
違を保持しつつ、原色塗料に含まれる原色顔料本来の色
が現われるので、メタリック塗装補修用の微調色用塗料
の選択に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の色見本カードの一実施形態を示す模
式図である。
【図2】 本発明の色見本帳の一実施形態を示す模式図
である。
【図3】 本発明の色見本帳の他の実施形態を示す模式
図である。
【図4】 実施例で行った測定方法を説明するための図
である。
【図5】 従来の色見本カードを示す模式図である。
【図6】 正面色を説明するための図である。
【図7】 スカシを説明するための図である。
【符号の説明】
1 原色塗膜 2 白色混合塗膜 3 光輝性塗膜 4,4′ 黒色混合塗膜 5 基板 6,6a,6b,6c 色見本カード 8,9 結合手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板;該基板上に塗工された原色塗料の
    塗膜;及び該基板上に塗工された、原色塗料と黒色塗料
    の混合塗料の黒色混合第1塗膜を含む塗料色見本カー
    ド。
  2. 【請求項2】 基板;該基板上に塗工された原色塗料の
    塗膜;及び該基板上に塗工された、原色塗料と黒色塗料
    と光輝性顔料含有塗料の混合塗料の黒色混合第2塗膜を
    含む塗料色見本カード。
  3. 【請求項3】 さらに、前記基板上に塗工された、原色
    塗料と白色塗料の混合塗料の塗膜を含む請求項1または
    2に記載の塗料色見本カード。
  4. 【請求項4】 さらに、前記基板上に塗工された、原色
    塗料と光輝性顔料含有塗料の混合塗料の塗膜を含む請求
    項1〜3のいずれかに記載の塗料色見本カード。
  5. 【請求項5】 前記黒色混合塗膜に含まれる顔料中の黒
    色顔料の含有率が0.5〜80.0質量%である請求項
    1〜4のいずれかに記載の塗料色見本カード。
  6. 【請求項6】 前記黒色塗料に含有されている黒色顔料
    は、カーボンブラックである請求項1〜5のいずれかに
    記載の塗料見本カード。
  7. 【請求項7】 原色塗料の塗膜が互いに異なっている複
    数枚の請求項1〜5のいずれかに記載の塗料色見本カー
    ドが、結合手段により1つに纏められている色見本帳。
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