JP2003027906A - ガスタービン複合型原子力発電システム - Google Patents

ガスタービン複合型原子力発電システム

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JP2003027906A
JP2003027906A JP2001213307A JP2001213307A JP2003027906A JP 2003027906 A JP2003027906 A JP 2003027906A JP 2001213307 A JP2001213307 A JP 2001213307A JP 2001213307 A JP2001213307 A JP 2001213307A JP 2003027906 A JP2003027906 A JP 2003027906A
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exhaust
generation system
exhaust gas
gas turbine
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Application number
JP2001213307A
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English (en)
Inventor
Kosei Akiyama
孝生 秋山
Kiichi Hamaura
紀一 浜浦
Hidetoshi Koyama
英敏 小山
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0275Arrangements for coupling heat-pipes together or with other structures, e.g. with base blocks; Heat pipe cores

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱流体と加熱側流体とが直接接触する可
能性を抑制すること。 【解決手段】 原子炉で生成された主蒸気を高圧タービ
ン8から排熱回収ヒータ35a、35bを介して低圧タ
ービン9、10、11に供給し、各蒸気タービンによっ
て発電機12を駆動し、空気と燃料の燃焼による燃焼ガ
スをガスタービン36a、36bに与えて発電機37
a、37bを駆動し、燃焼に伴う排ガスをダクト40
a、40b内に排出し、排ガス中に配置された排熱回収
ヒータ35a、35b内の蒸気を排ガスによって加熱
し、復水器からの水を原子炉に戻す給水系に配置された
排熱回収ヒータ45a、47b内の水を排ガスによって
加熱するシステムにおいて、排熱回収ヒータ35a、3
5b、47a、47bをそれぞれ複数のヒートパイプ1
00で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン複合
型原子力発電システムに係り、特に、原子力発電および
ガスタービン発電を複合した発電システムとして用いる
に好適なガスタービン複合型原子力発電システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電所(BWR)や加圧
水型原子力発電所(PWR)などの軽水型原子力発電所
においては、効率を改善するために、例えば、「西川
毅:“原子力タービンの湿分分離除去方策改良による性
能向上の研究”pp64〜72,火力原子力発電,Vo
l.51,No.9,Sep.2000年」に記載され
ているように、主蒸気の一部を抽気し、湿分分離器を加
熱して乾き度を改善することにより、さらに1〜2%程
度の効率向上を図るようにしたものが提案されている。
【0003】軽水炉の更なる熱効率の向上策として、主
蒸気をガスタービンの排ガスで加熱し、次にその排ガス
で、給水を加熱する方式が提案されている。この方式を
採用したものとしては、例えば、特開昭62−2769
6号公報、特開平10−206590号公報に記載され
ているように、軽水型原子炉に対して、ガスタービン排
熱を利用して、主蒸気および給水を加熱し、熱効率を高
めるように構成されている。
【0004】具体的には、通常運転時においては、原子
炉圧力容器の内部で核加熱によって発生した蒸気を、主
蒸気管を経由して蒸気タービンの高圧タービンに導き、
高圧タービンの排気蒸気を、ガスタービンから排出され
る排ガスを用いて排ガスヒータにて加熱し、主蒸気を飽
和状態からさらに大幅な過熱状態としたあと低圧タービ
ンに送る方式である。この場合、湿分分離器あるいは湿
分分離加熱器を除外し、この代わりに、ガスタービンの
排気系を構成するダクト内に排ガスヒータとしての排熱
回収ヒータを設置し、高圧タービンと低圧タービンとを
結ぶ蒸気管の管路途中に排熱回収ヒータを挿入する構成
を採用している。
【0005】またガスタービン用発電機を備えたガスタ
ービンでは、吸気ダクトから外気を吸入し、この外気を
フィルタや消音器を介して圧縮機に取り込み、圧縮機で
外気を圧縮し、圧縮された圧縮空気を燃焼器で燃料とと
もに燃焼し、1000〜1500℃程度の燃焼ガスによ
ってガスタービンを回転させてガスタービン発電機を発
電させると同時に、約600℃程度の排ガスをダクト内
に排出し、この排ガスを排熱回収ヒータに導き、高圧タ
ービンの排気蒸気(定格で200℃前後)を加熱するよ
うになっている。排気蒸気を加熱した排ガスはさらに給
水用排熱回収ヒータに導かれたあと、スタック(煙突)
を経由して大気に放出される。このとき給水排熱回収ヒ
ータで昇温された給水は原子炉圧力容器に送られるよう
になっている。
【0006】したがって、ガスタービンに投入した燃料
のエネルギーは、直接ガスタービン発電機の出力として
取り出される一方で、その排ガスによるエネルギーは、
単に排熱回収ヒータを通じて主蒸気に加算され、蒸気タ
ービン出力を増大させるのみならず、蒸気タービンの効
率そのものを向上させることができる。さらに、その排
ガスで給水を加熱することで、残りのガスタービン排ガ
スエネルギーをも利用することができ、ひいては、給水
加熱器へのタービン抽気や主蒸気抽気蒸気の量を減らす
ことになり、その分効率の向上と蒸気タービン出力の増
大を図ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
ガスタービンの排気系に配置された排熱回収ヒータとし
て、伝熱管による熱交換器を用いているため、伝熱管を
構成する金属板の破損などによっては、被加熱流体と加
熱側流体とが直接接触する状況、すなわちリークが発生
する恐れがある。
【0008】具体的には、排熱回収ヒータからの漏洩の
可能性として、 (1)伝熱管自体の破損 (2)伝熱管と隔壁との接合部の破損 (3)高圧側側壁自体の破損 が考えられる。
【0009】(2)や(3)は、伝熱管の厚さや施工工
数を増加させるとともにコストをかけることで、機能を
損なうことなくその破損確率を低減することはできる。
しかし、(1)は、伝熱性能の確保という本来の機能を
損なうことなく破損確率を減らすためには、単に伝熱管
の厚みを増すことだけではできず、高価な新材料の採用
といった手段を取らねばならない。
【0010】本発明の課題は、被加熱流体と加熱側流体
とが直接接触する可能性を抑制することができるガスタ
ービン複合型原子力発電システムを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、第1の発電機を駆動する蒸気タービン
と、核反応を熱源として生成された蒸気を前記蒸気ター
ビンに供給する蒸気供給系と、燃料の燃焼に伴う燃焼ガ
スの熱エネルギーにより第2の発電機を駆動して排ガス
を排気系に排出するガスタービンと、前記蒸気タービン
から排出される蒸気を復水して前記熱源に給水する給水
系とを有するとともに、前記蒸気供給系の蒸気を前記排
ガスにより加熱する第1の排熱回収ヒータと前記給水系
の水を前記排ガスにより加熱する第2の排熱回収ヒータ
のうち少なくとも一方を備え、前記第1の排熱回収ヒー
タまたは前記第2の排熱回収ヒータはそれぞれ複数のヒ
ートパイプで構成されてなるガスタービン複合型原子力
発電システムを構成したものである。
【0012】前記ガスタービン複合型原子力発電システ
ムを構成するに際しては、以下の要素を付加することが
できる。
【0013】(1)前記複数のヒートパイプは、前記被
加熱流体が接触する面と前記排ガスが接触する面にそれ
ぞれ相異なる形状の伝熱促進フィンが形成されてなる。
【0014】(2)前記被加熱側流体の流路を形成する
第1の隔壁と、前記第1の隔壁を周回してなる第2の隔
壁とによって、前記排ガスの流路を形成し、前記各ヒー
トパイプは、前記第1の隔壁を貫通し、その一端側を前
記被加熱側流体中に、その他端側を前記排ガスの流路中
に、配置すること。
【0015】(3)前記排ガスの流路中に、前記第1の
隔壁の外周面に沿って、螺旋状に配置されたガイド板が
形成されてなる。
【0016】(4)前記排ガスの流路中に、前記排ガス
を処理する触媒を設置したこと。
【0017】(5)前記ヒートパイプの前記被加熱側流
路に挿入された一部の直径が、前記第1の隔壁の貫通口
の直径よりも大きく形成されてなる。
【0018】(6)前記ヒートパイプの前記排ガスの流
路中に挿入された部分の長さと前記被加熱流体中に挿入
された部分の長さは、前記排ガスから受ける有効伝熱量
と前記被加熱流体に与える伝熱量とが等しくなるように
設定されてなる。
【0019】(7)前記複数のヒートパイプは、前記被
加熱流体または前記排ガスの偏流の発生を抑制するピッ
チで配列されてなる。
【0020】(8)前記複数のヒートパイプは、前記被
加熱流体中で相対する2本のヒートパイプの軸方向端部
が互いに接合されてなる。
【0021】(9)前記複数のヒートパイプは、前記被
加熱流体の流路または前記排ガスの流路に挿入されたス
リーブ板で保持されてなる。
【0022】(10)前記排熱回収ヒータの排ガス出口
点に、前記ヒートパイプの中の作動媒体または作動媒体
に添加されたトレーサ用物質が前記排ガス中に存在する
ことを検出する第1の検出器と、前記排熱回収ヒータの
被加熱流体側出口点に、被加熱流体中に前記ヒートパイ
プの中の作動媒体または作動媒体に添加されたトレーサ
用物質が前記被加熱流体中に存在することを検出する第
2の検出器と、前記排熱回収ヒータの排ガス出口点に、
排ガス中に放射能が存在することを検出する第3の検出
器の全て、あるいは少なくともいずれか一つの検出器を
配置したこと。
【0023】(11)前記第3の検出器が規定値以上の
応答を示したときは、前記排ガスおよび前記被加熱流体
の前記排熱回収ヒータへの流入遮断および放射線漏洩対
応の指令信号を発する機能と、前記第2の検出器出力の
規定値以上の到達回数を累算し、ヒートパイプの排ガス
側の破損個数を推定し、監視強化を警告する機能と、前
記第1の検出器出力の規定値以上の到達回数を累算し、
ヒートパイプの被加熱流体側の破損個数を推定し、監視
強化を警告する機能の全て、あるいは少なくとも一つを
備えたこと。
【0024】前記した手段によれば、排熱回収ヒータを
複数のヒートパイプで構成しているため、被加熱流体
(蒸気または水)と加熱側流体(排ガス)とが直接接触
する可能性を抑制することができ、排熱回収ヒータから
被加熱流体、特に、放射能を含む被加熱流体が漏洩する
のを抑制することができる。
【0025】すなわち、排熱回収ヒータを伝熱管などの
熱交換器で構成した場合、BWRのように、被加熱流体
内に放射能が存在している場合、伝熱管の一部の隔壁が
破損することで排ガス中に放射能が流出するのに対し
て、排熱回収ヒータを複数のヒートパイプで構成する
と、各ヒートパイプのうち排ガス中に挿入された箇所と
被加熱流体中に挿入された箇所の合計2箇所が破損しな
ければ、排ガス中に放射能が漏洩することはなく、放射
能の漏洩を抑制することで、信頼性の向上を図ることが
できる。
【0026】また、放射能の漏洩を早期に検出するため
に、ヒータパイプ中には検出が容易なトレーサ用物質が
作動媒体とともに混入されているため、トレーサ用物質
と放射能を検出することで、放射能の漏洩を早期に検出
することができる。
【0027】また排ガスの流路の圧力はほぼ大気圧であ
るのに対して、被加熱流体の流路における圧力は、BW
Rでは7MPa(70kg/cm)以上、PWRでは
15MPa(150kg/cm)に及び、被加熱流体
の流路と排ガスの流路との間では大きな圧力差があり、
各ヒートパイプには排ガス側に向かって大きな力が作用
する。このため、各ヒートパイプを溶接で固定した場
合、溶接欠損が生じると、各ヒートパイプが圧力差によ
って排ガス側に射出されることが考えられる。そこで、
各ヒートパイプのうち被加熱流体の流路中に挿入された
一部の直径を隔壁の貫通口の直径よりも大きく形成する
ことで、各ヒートパイプが圧力差によって排ガス側に射
出されるのを防止することができる。また各ヒートパイ
プをスリーブ板で保持することで各ヒートパイプの振動
を防止することができる。さらに、ヒートパイプは伝熱
管よりも熱伝達特性を良くすることができるため、熱効
率の向上を図ることができる。
【0028】また、運用性の向上と非常用電源の確保の
観点から、ガスタービン単独での運転が可能である。す
なわち、核加熱系を停止し、ガスタービンの排ガスをバ
イパスダクトを経由して放出しながらガスタービンの運
転を継続することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
ガスタービン複合型発電システムの要部構成図である。
図1において、本実施形態においては、原子炉として、
電気出力1100MWe〜1350MWeクラスの標準
化された沸騰水型原子炉(BWR)を用い、この原子炉
で生成された主蒸気および原子炉への給水をガスタービ
ンの排ガスによって加熱することを基本としており、コ
モンヘッダ23には、沸騰水型原子炉(図示省略)で生
成された蒸気が主蒸気として供給されている。沸騰水型
原子炉は、格納容器内に収納された圧力容器を備えて構
成されており、給水系から水の供給を受け、圧力容器内
で核反応を熱源として水を沸騰させて蒸気を生成し、生
成した蒸気を主蒸気として主蒸気管を介してコモンヘッ
ダ23に供給するように構成されている。このコモンヘ
ッダ23は主蒸気管とともに蒸気供給系を構成してお
り、原子炉から供給された主蒸気をA系統とB系統の2
系統に分けて高圧タービン8に供給するようになってい
る。
【0030】コモンヘッダ23と高圧タービン8はA系
統とB系統ごとにそれぞれ2本の配管を介して接続され
ており、各配管には止め弁24a、25a、24b、2
5b、制御弁26a、27a、26b、27bがそれぞ
れ設けられている。
【0031】高圧タービン8は、3台の低圧タービン
9、10、11および蒸気タービン発電機(第1の発電
機)12とタンデム形式で連結されており、高圧タービ
ン8は、低圧タービン9〜11とともに、蒸気の供給を
受けて蒸気タービン発電機12を回転駆動する蒸気ター
ビンとして構成されている。高圧タービン8の出力によ
る蒸気は2本の配管を介してそれぞれコモンヘッダ31
a、31bに供給されるようになっている。コモンヘッ
ダ31a、31bにそれぞれ集められた蒸気は、ダクト
40a、40b内に配置された排熱回収ヒータ35a、
35bを介してそれぞれコモンヘッダ32a、32bに
供給されるようになっている。コモンヘッダ32a、3
2bには、蒸気を復水器(図示省略)に逃す逃し弁29
a、29bが接続されているとともに、3系統の配管を
介して低圧タービン9、10、11に接続されている。
各3系統の配管にはそれぞれ入口弁28a、28b、2
9a、29b、30a,30bが挿入されている。各低
圧タービン9、10、11から排出される蒸気はそれぞ
れ給水系に排出されるようになっている。
【0032】この給水系には復水器が設けられており、
各低圧タービン9〜11から排出された蒸気は復水器に
よって水に戻され、この水は復水ポンプ(図示省略)、
給水加熱器(図示省略)、給水ポンプ(図示省略)を介
してダクト40a、40b内の排熱回収ヒータ47a、
47bに供給され、給水配管5a、5bを介して原子炉
の圧力容器内に供給されるようになっている。
【0033】一方、蒸気タービンに隣接して、2台のガ
スタービン36a、36bが配置されており、各ガスタ
ービン36a、36bはそれぞれガスタービン発電機
(第2の発電機)37a、37bにそれぞれ接続されて
いる。各ガスタービン36a、36bは、吸気ダクト
(図示省略)から外気(空気)を吸入し、吸入した空気
をフィルタ、消音器を介して圧縮機内に取り込み、圧縮
機で空気を圧縮し、圧縮した空気を燃焼器内で燃料とと
もに燃焼し、燃焼ガスによってガスタービン発電機37
a、37bをそれぞれ回転駆動するとともに、燃焼に伴
う排ガスを排気系に排出するように構成されている。
【0034】この排気系は排気ダクト39a、39b、
ダクト40a、40b、41a、41bから構成されて
いる。排気ダクト39a、39b内には脱硝器44a、
44bが配置されており、排気ダクト39a、39bの
端部にダクト40a、40bが接続されている。ダクト
41a、41bはダクト40a、40bから分岐した分
岐用のダクトとして構成されている。ダクト40a、4
0bとダクト40a、41bとの間には隔離用の扉42
a、42bが開閉自在に配置されており、ダクト40a
の下流側には隔離用の扉45a、45bが開閉自在に配
置されている。さらにダクト40a、40b内には排熱
回収ヒータ35a、35b、47a、47bがそれぞれ
配置されている。排熱回収ヒータ35a、35bは、被
加熱流体として、コモンヘッダ31a、31bからコモ
ンヘッダ32a、32bに供給される蒸気を排ガスによ
って加熱し、排熱回収ヒータ47a、47bは、復水器
から原子炉に被加熱流体として供給される水を排ガスに
よって加熱するように構成されている。排熱回収ヒータ
35a、35b、47a、47bは、複数のヒータパイ
プ100によって構成されている。
【0035】各ヒートパイプ100は、図2に示すよう
に、パイプ状の密閉容器として、円筒状のパイプの両端
が閉塞されて構成されており、内部に作動媒体が封入さ
れている。すなわち、ヒートパイプ100は、パイプ状
の材料の両端が閉じられ、内部に長手方向空間を持ち、
この空間内に熱輸送に供する作動媒体が封入されたもの
である。この作動媒体としては、動作温度に応じて、ア
ンモニア、フレオン、アルコール、水、ナフタリン、硫
黄、水銀、セシウムなどが用いられる。さらに、各ヒー
トパイプ100の内部には、作動媒体の循環を促進させ
るために、溝を有し、多孔質の部材で構成されたウイッ
ク104が貼り付けられており、ウイック104の毛細
管現象を利用して作動媒体を循環させるようになってい
る。すなわち、各ヒータパイプ100は、断熱部103
を中心として、一端側に、排ガスによって加熱される蒸
発部101が形成され、他端側には、作動媒体による熱
を放熱させる凝縮部102が形成されており、蒸発部1
01で加熱された作動媒体が、蒸発部101内の領域か
ら断熱部103内の領域を介して凝縮部102内の領域
に移動し、凝縮部102で放熱されたあと液化され、ウ
イック104を介して蒸発部101に戻る循環流を形成
するようになっている。
【0036】各ヒートパイプ100を構成するに際して
は、ウイック104が装着されていないものを用いるこ
ともできる。ウイックのないものの代表としては、例え
ば、重力を利用した重力還流型のヒートパイプを用いる
ことができる。
【0037】重力還流型のヒートパイプを用いるに際し
ては、ヒートパイプを水平に設置したのでは作動媒体の
循環ができなくなるため、図3に示すように、ヒートパ
イプ100を傾斜させて設置する必要がある。この場
合、排ガスの流路を構成する隔壁202の一方の貫通口
内にヒートパイプ100の蒸発部101側を挿入し、蒸
気または水による被加熱流体の流路を構成する隔壁20
1の一方の貫通口内をヒートパイプ100の凝縮部10
2を通過させ、蒸発部101を排ガス中に挿入し、凝縮
部102を被加熱流体としての蒸気(主蒸気)または水
の中に挿入する。
【0038】この場合、長さLg、Lsは有効伝熱量に
対応した領域となる。また隔壁202で囲まれたA室と
隔壁201で囲まれたB室とでは温度差(Tg−Tf)
と圧力差(Pf−Pg)がある。特に、圧力の差が大き
く、A室は大気圧であるのに対して、B室内は2MPa
以上であるため、B室の隔壁201としては数cm以上
の厚さにする必要がある。さらにA室内よりB室内の圧
力が大きいため、ヒートパイプ100として断面が円形
に近いものを用いることが好ましい。また、流体慣性力
が大きく、質量流量GfがB室内の方が大きいため、ヒ
ートパイプ100がB室からA室側に移動するのを防止
するために、ヒートパイプ100に支持(保持)機構を
設ける必要がある。
【0039】重力還流型のヒートパイプ100を用いて
排熱回収ヒータを構成するに際しては、具体的には、図
4に示すように、水または蒸気による被加熱流体の流路
を構成する隔壁201の外周側を排ガスの流路を構成す
る隔壁202によって覆い、隔壁201と隔壁202と
の間の空間部に排ガスによる加熱室を形成する。そして
隔壁201の入口205側から水または蒸気を導入し、
導入した水または蒸気を出口206側から排出し、一
方、隔壁202の入口203から排ガスを導入し、導入
した排ガスを隔壁201の周りを循環させながら出口2
04から排出する。この場合、隔壁201の外周面にガ
イド板211を螺旋状に形成するとともに、各ヒートパ
イプ100を放射状に配置する。
【0040】この場合、高圧に耐え、小型にするため
に、図5および図6に示すように、隔壁202の断面形
状を円筒状にするとともに、隔壁201内の上部側の領
域を中心として各ヒートパイプ100を放射状に配置す
る。各ヒートパイプ100を配置するに際しては、ヒー
トパイプ100の有効長さLgと有効長さLsを等しく
することで、蒸発部101の加熱による有効伝熱量と凝
縮部102の放熱による有効伝熱量を等しくすることが
できる。また各ヒートパイプ100の外周側に、蒸発部
101と凝縮部102とでは形状の相異なる伝熱促進フ
ィンを巻き付けることもできる。例えば、排ガス中に挿
入された蒸発部101の外周側には、排熱回収ボイラな
どに用いられる螺旋状のセレイテッドフィンを巻き付
け、蒸気または水が流れる凝縮部102の外周側にはワ
イヤを巻き付けることができる。すなわち、凝縮部10
2と蒸発部101にそれぞれ流体に適した伝熱促進フィ
ンを付加することで、伝熱量を高めることができる。
【0041】また各ヒートパイプ100を設置するに際
しては、各ヒートパイプ100の傾斜角度の最適値は作
動媒体の循環力によって決定されるため、重力還流型の
ヒートパイプを用いる場合は、水平方向および垂直方向
における間隔を一定にし、被加熱流体または排ガスに偏
流が発生するのを抑制するピッチで配置することが望ま
しい。
【0042】また図5および図6では、隔壁202とし
て、その断面が円形形状のものについて述べたが、これ
は、排ガスを隔壁201に沿って直線させる場合に有効
である。一方、排ガスをガイド板211に沿って旋回さ
せるときには、空間を必要とするため、隔壁202とし
ては、破線で示すように、その断面が楕円形形状となる
ように構成することが望ましい。なお、隔壁202は、
厚さが薄いので、内部が排ガスであっても、引き回しや
形状は比較的自由に設定することができる。
【0043】各ヒートパイプ100を設置するに際して
は、各ヒートパイプ100が互いに干渉することのない
ように、且つ各流体に対して千鳥配列となるように、軸
方向および周方向とも一定のピッチで配列することが望
ましい。なお、図6において、ヒートパイプ100の貫
通口の位置を丸印で示す。
【0044】また、各ヒートパイプ100内における作
動媒体のスムーズな流れを阻害しない程度の曲がりが各
ヒートパイプ100に許されるときには、各ヒートパイ
プ100のピッチを最適に変更することもできる。
【0045】また、図3では、各ヒートパイプ100を
各流体内でその一端を保持する片持ち梁構造を採用して
いるので、振動防止と強度確保の観点からみると実際上
は好ましくない。
【0046】そこで、図7に示すように、各ヒートパイ
プ100のうち相隣接する2本のヒートパイプ100の
軸方向の一端部を端点100として互いに接合し、軸方
向の他端部をスリーブ板207で保持させる両持ち梁構
造を採用することができる。両持ち梁構造を採用するこ
とで、振動防止を図ることができるとともに強度を確保
することができる。
【0047】なお、発生する振動の程度に応じて、加熱
流体内および排ガス流内の適切な位置に部分スリーブ板
を挿入することも有効である。またスリーブ板207
は、流体による誘起振動を防止する目的であるから、剛
構造とする必要はなく、薄板に孔を開け、孔の周囲を花
ビラ状に切り込んで、この切り込みのところにヒートパ
イプ100を挿入し、薄板の有するスプリング効果でヒ
ートパイプ100を保持する方法や、薄板の一部を凸状
部あるいは凹状部として加工し、凸状部あるいは凹状部
にヒートパイプ100を接触させて保持させる方法を採
用することができる。
【0048】次に、各ヒートパイプ100を設置するに
際して、被加熱流体側と排ガス側の圧力差が大きいこと
を考慮すると、図8に示すように、ヒートパイプ100
を隔壁201の貫通口内に単に挿入し、挿入した部位に
溶接を行って溶接部108を形成しただけでは、溶接部
108の劣化によりヒートパイプ100が低圧側、すな
わち排ガス側に引きぬかれて脱落する恐れがある。
【0049】そこで、本実施形態においては、ヒートパ
イプ100の脱落を防止するために、被加熱流体側に挿
入されたヒートパイプ100の一部の直径を貫通口の直
径よりも大きくすることとしている。
【0050】具体的には、高圧側に挿入されたヒートパ
イプ100の外周側の一部に断面が長方形形状の突起1
07または断面が半円弧状の突起106を環状に形成
し、溶接部101が劣化しても、突起106または突起
107が隔壁201と当接することで、ヒートパイプ1
00の脱落を防止することができる。
【0051】また隔壁201を方形状にした場合には、
図9に示すように、各ヒートパイプ100を側面20
8、209から傾斜させた状態で挿入して固定する方法
を採用することができる。
【0052】図9では、隔壁202として上部側は小さ
く、下部側は大きく形成したものを示しており、隔壁2
02の大きさに合わせてヒートパイプ100の長さを設
定することができる。すなわち、隔壁202の上部側に
ヒートパイプ100を配置するときには、各ヒートパイ
プ100の軸方向の一端側をそれぞれ端点109で接合
し、各ヒートパイプ100の軸方向他端部をスリーブ板
207で保持する。また隔壁202の下部側に、上部側
よりも長いヒートパイプ100を配置する場合、被加熱
流体内に挿入されたヒートパイプ100を互いに交差さ
せて配置し、その軸方向の端部をスリーブ板210で保
持させ、他端側をスリーブ板207で保持させる。この
場合、隔壁202は側面208、209に対して平行に
配列されるため、排ガスおよび被加熱流体はともに対向
流で直線的に流れる。
【0053】このように、ヒートパイプ100の被加熱
流体への挿入時の傾きや挿入深さや支持方向によって
は、隔壁202の大きさを上下で異なる大きさにするこ
ともできる。
【0054】一方、ヒートパイプ100として、ウイッ
ク104を有するものを用いるときには、重力還流型の
ヒートパイプよりもヒートパイプの性能が傾きや配置に
よって受ける影響が小さいため、図10、図11に示す
ように、ヒートパイプ100を傾斜させることなく、ヒ
ートパイプ100を隔壁201、202の一部に挿入し
て固定することができる。すなわち、ウイック104を
有するヒートパイプ100を用いることで、重力還流型
のヒートパイプを用いるときよりも、ヒートパイプを設
置する際の傾斜や配置の自由度が増え、設置作業が容易
になるとともに隔壁201、202の形状が簡単にな
る。
【0055】また、ウイック104を有するヒートパイ
プ100を用いるに際して、図12に示すように、被加
熱流体の流路を構成する隔壁201の断面形状が円形形
状の場合、隔壁202を円形形状に形成し、隔壁201
の周囲を隔壁202で囲み、2本のヒートパイプ100
の軸方向の一端部を端点109で互いに接合し、軸方向
の他端側をスリーブ207で保持する保持構造を採用す
ることができる。さらに、ヒートパイプ100の軸方向
一端側を、環状に配置されたスリーブ210で保持し、
軸方向の他端側をスリーブ207で保持する保持構造を
採用することもできる。
【0056】上述したように、排熱回収ヒータをヒート
パイプ100で構成したため、主蒸気や水が排気系に漏
洩するのを抑制することができる。
【0057】すなわち、ヒートパイプ100内の空間領
域は、被加熱流体が流れるB室や排ガスが流れるA室で
もなく、いわば第3の領域、すなわちタービン建屋など
のC室でもない。ここで、図3に示すように、さらに、
各排熱回収ヒータからの流体の漏洩の可能性を見ると、 (1)ヒートパイプ100自体の破損 (2)ヒートパイプ100と隔壁201との接合部10
8の破損 (3)隔壁201自体の破損 が考えられる。
【0058】(2)、(3)は、従来技術と同様に、コ
ストをかけることによって、破損確率を減らすことがで
きる。
【0059】これに対して、(1)については、被加熱
流体と排ガス(加熱側流体)とが直接接触する状況が発
生するが、A室、B室のそれぞれの領域に存在するヒー
トパイプ100の少なくとも1箇所、合計2箇所で同時
に破損しなければならない。
【0060】換言すれば、上記第3の領域を被加熱流体
あるいは排ガスが貫通して初めて漏洩が発生する。ヒー
トパイプ100に2箇所で同時に破損する破損の発生確
率は、それぞれ単独の発生確率の積となるため、単独の
破損に比べて大幅に小さくなる。これは、新材料開発の
コストとその効果によって得られる破損確率低減より数
段上となる。したがって、排熱回収ヒータをヒートパイ
プ100で構成することで、破損確率の大幅な減少を図
ることができ、信頼性の向上に寄与することができる。
【0061】一方、各ヒートパイプ100内部の空間部
には第3の流体として作動媒体が封入されている。この
ため、各ヒートパイプ100から流体が漏洩するのを検
出するに際して、排ガス中あるいは被加熱流体中に作動
媒体が存在するか否かを検出することで、ヒートパイプ
100の破損の発生を早期に検出することができる。た
だし、ヒートパイプ100の作動媒体として水を用いる
場合には、ヒートパイプの外部に同種の物質が存在する
ため、上述した方法を用いることはできない。
【0062】そこで、本実施形態においては、ヒートパ
イプ100の挙動を損なわない程度の量の物質であっ
て、検出の容易なトレーサ用物質として、例えば、ナト
リウム、セシウム、水銀などの物質を作動媒体に混入さ
せ、トレーサ用物質の検出によりヒートパイプ100の
破損を早期に検出することができ、原子炉をより一層安
全に運転することができる。
【0063】具体的には、図13に示すように、排ガス
の流路を構成する隔壁202のうちヒートパイプ100
が挿入された領域よりも下流側の領域(排熱回収ヒータ
の排ガス出口点)に、ヒートパイプ100内の作動流体
または作動流体内に添加されたトレーサ用物質が排ガス
中に存在することを検出する第1の検出器としてのトレ
ーサ検出器97を設置するとともに、排ガス中に放射能
が存在することを検出する放射能検出器(第3の検出
器)26を設置し、トレーサ検出器97の出力をパルス
カウンタ99に出力する。また主蒸気または水の流路を
構成する隔壁201のうちヒートパイプ100が挿入さ
れた領域よりも下流側の領域(排熱回収ヒータの被加熱
流体側出口点)に、ヒートパイプ100内の作動媒体ま
たは作動媒体内に添加されたトレーサ用物質が被加熱流
体中に存在することを検出する第2の検出器としてのト
レーサ検出器98を設置し、トレーサ検出器98の出力
をパルスカウンタ99に出力する。
【0064】ここで、ヒートパイプ100の凝縮部10
2が破損したときには、ヒートパイプ100から一定量
のトレーサ用物質が放出されるため、トレーサ検出器9
8からパルス状の応答信号が出力される。しかし、この
ときは全体としての漏洩には至らない。同様に、ヒート
パイプ100のうち蒸発部101のみが破損したときに
はトレーサ検出器97からパルス状の応答信号が出力さ
れる。この場合にも、全体としての漏洩には至らない。
また放射能検出器96は、ヒートパイプ100の蒸発部
101と凝縮部102が同時に破損したときに、継続的
な検出信号を出力するようになっている。なお、断熱部
103から流体が漏洩したときには、建屋に設置された
放射線検出器(図示省略)によって放射能が漏れたこと
が検出される。
【0065】各パルスカウンタ99はそれぞれディスプ
レイ(図示省力)に接続されており、このディスプレイ
の画面上には、トレーサ検出器97、98の検出出力に
応じてヒートパイプの破損本数に関する推定結果が表示
されるようになっている。すなわち、各パルスカウンタ
99は、各トレーサ検出器97、98から出力されるパ
ルス状の応答信号を順次累算し、累算結果をディスプレ
イに出力するようになっている。そしてこのディスプレ
イにおいては、トレーサ検出器97から出力されるパル
スのうち規定値以上の到達回数を累算し、この累算結果
を基にヒートパイプの被加熱流体側の破損個数を推定
し、この推定結果と監視強化を警告する旨を表示するよ
うになっている。また、トレーサ検出器98から出力さ
れるパルスのうち規定値以上の到達回数を累算し、この
累算結果を基に、ヒートパイプの排ガス側の破損個数を
推定し、この推定結果と監視強化を警告する旨を表示す
るようになっている。
【0066】さらに、ディスプレイには、各トレーサ検
出器97、98、放射能検出器96の検出出力の状態に
応じて各種の情報を次の表1にしたがって表示するよう
になっている。なお、P+はパルス状の異常値が、+は
継続的な異常値が、−は平常値が検出されたことを示し
ている。また、A室、B室、C室は、図3に示すものと
同じ場所である。
【0067】
【表1】 具体的には、トレーサ検出器97のみから検出出力が発
生したときには監視強化と運転中補修可能の旨を表示
し、トレーサ検出器98のみから検出出力が発生したと
きには監視強化の旨を表示する。
【0068】さらに、各パルスカウンタ99と放射能検
出器96の出力は指令信号出力手段(図示省略)に接続
されており、指令信号出力手段からは、各検出器の状態
に応じて指令信号が出力されるようになっている。例え
ば、トレーサ検出器97またはトレーサ検出器98のう
ちいずれか一方から検出出力が発生するとともに、放射
能検出器96の検出出力が規定値以上になったときに
は、各ヒートパイプ100への排ガスの流入阻止と各ヒ
ートパイプ100への被加熱流体の流入遮断を伴う放射
線漏洩対応に関する指令信号が出力されるようになって
いる。
【0069】上述したように、本実施形態おいては、原
子炉として沸騰水型原子炉(BWR)を用いるものにつ
いて述べたが、本発明は、加圧水型原子炉(PWR)に
も適用することができる。加圧水型原子炉に本発明を適
用する場合、コモンヘッダ23と加圧水型原子炉との間
に熱交換器としての蒸気発生器を挿入することで、本発
明を加圧水型原子炉に適用することができる。
【0070】また、本発明は、加圧水型原子炉の他に、
タービン蒸気系を有する他の形式の原子力発電所などの
プラントにもそのまま適用することができ、プラントの
高効率化に寄与することができる。
【0071】またヒートパイプ100としては、ウイッ
ク型、重量循環型の他に、振動流型、サーモサーフィン
型、ドリーム型、均質型、トンネル型、回転型、ディス
ク型、マイクロ型、ループ型、平板型、伸縮自在型、電
磁流体型、浸透圧型のものを用いることもできる。
【0072】本実施形態においては、核過熱型ではな
い、いわゆる軽水型原子炉で生成される蒸気を利用する
蒸気タービンとガスタービンとの複合発電システムにお
いて、ガスタービンから排出される排ガスによって主蒸
気を追加加熱し、蒸気タービンの入口の蒸気条件を改善
し、給水の一部を排ガスで加熱し、主蒸気管やタービン
からの抽気を削減することによって、熱エネルギーの高
効率化および電気出力の高出力化を達成することができ
る。
【0073】上述したように、本実施形態によれば、軽
水炉の発電効率の向上と温排水の環境へのインパクトの
低減を図る上で、キーコンポーネントとなる排熱回収ヒ
ータの構成と運用に関し、以下のような効果を奏するこ
とができる。
【0074】(1)ヒートパイプによる新たな圧力バウ
ンダリを設けたことにより、排熱ヒータから発生する放
射能の漏洩の発生確率を大幅に減少させることができ
る。
【0075】(2)ヒートパイプ内にトレーサ用物質を
導入するとともに、ヒートパイプより下流側の領域にト
レーサ用物質を検出するためのトレーサ検出器と放射能
検出器を設けることにより、早期のリークの検出とリー
ク発生場所の同定が可能になる。
【0076】(3)ヒートパイプの有する高い熱伝導性
能により、一層熱効率の向上が図れる。
【0077】(4)ヒートパイプの構造として、排ガス
側と被加熱流体との間の大きな圧力差に適用させるよう
にしたため、構造のコンパクト化を図ることができると
ともに耐震強度を高めることができる。
【0078】したがって、これら総合した効果により軽
水炉の高効率化を図るとともに信頼性を高めることがで
き、システムのコンパクト化に寄与することができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
排熱回収ヒータを複数のヒートパイプで構成しているた
め、排熱回収ヒータから被加熱流体が漏洩する可能性を
抑制することができ、信頼性の向上に寄与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すガスタービン複合型
発電システムの要部構成図である。
【図2】ヒートパイプの構成および動作を説明するため
の縦断面図である。
【図3】重力還流型ヒートパイプの設置方法を説明する
ための図である。
【図4】排熱回収ヒータに重力還流型ヒートパイプを用
いたときの斜視図である。
【図5】排熱回収ヒータに重力還流型ヒートパイプを用
いたときの縦断面図である。
【図6】排熱回収ヒータに重力還流型ヒートパイプを用
いたときの横断面図である。
【図7】排熱回収ヒータに重力還流型ヒートパイプとし
て両持ち梁構造のものを用いたときの縦断面図である。
【図8】ヒートパイプに突起を設けたときの構成を説明
するための縦断面図である。
【図9】隔壁を方形形状に形成したときの構成を説明す
るための縦断面図である。
【図10】排熱回収ヒータにウイック型ヒートパイプを
用いたときの横断面図である。
【図11】排熱回収ヒータにウイック型ヒートパイプを
用いたときの縦断面図である。
【図12】排熱回収ヒータにウイック型ヒートパイプを
用いたときの他の実施形態を示す縦断面図である。
【図13】排熱回収ヒータから流体が漏洩したことを検
出する方法を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
8 高圧タービン 9、10、11 低圧タービン 12 蒸気タービン発電機 35a、35b 排熱回収ヒータ 36a、36b ガスタービン 37a、37b ガスタービン発電機 40a、40b ダクト 47a、47b 排熱回収ヒータ 100 ヒートパイプ 101 蒸発部 102 凝縮部 103 断熱部 104 ウイック 201、202 隔壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜浦 紀一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所火力・水力事業部内 (72)発明者 小山 英敏 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所火力・水力事業部内 Fターム(参考) 3G081 BA02 BA11 BA20 BB00 BC01 BD00 DA03 DA23

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の発電機を駆動する蒸気タービン
    と、核反応を熱源として生成された蒸気を前記蒸気ター
    ビンに供給する蒸気供給系と、燃料の燃焼に伴う燃焼ガ
    スの熱エネルギーにより第2の発電機を駆動して排ガス
    を排気系に排出するガスタービンと、前記蒸気タービン
    から排出される蒸気を復水して前記熱源に給水する給水
    系とを有するとともに、前記蒸気供給系の蒸気を前記排
    ガスにより加熱する第1の排熱回収ヒータと前記給水系
    の水を前記排ガスにより加熱する第2の排熱回収ヒータ
    のうち少なくとも一方を備え、前記第1の排熱回収ヒー
    タまたは前記第2の排熱回収ヒータはそれぞれ複数のヒ
    ートパイプで構成されてなるガスタービン複合型原子力
    発電システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガスタービン複合型発
    電システムにおいて、前記複数のヒートパイプは、前記
    被加熱流体が接触する面と前記排ガスが接触する面にそ
    れぞれ相異なる形状の伝熱促進フィンが形成されてなる
    ことを特徴とするガスタービン複合型原子力発電システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のガスタービン
    複合型発電システムにおいて、前記被加熱側流体の流路
    を形成する第1の隔壁と、前記第1の隔壁を周回してな
    る第2の隔壁とによって、前記排ガスの流路を形成し、
    前記各ヒートパイプは、前記第1の隔壁を貫通し、その
    一端側を前記被加熱側流体中に、その他端側を前記排ガ
    スの流路中に、配置することを特徴とするガスタービン
    複合型原子力発電システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のガスタービン複合型発
    電システムにおいて、前記排ガスの流路中に、前記第1
    の隔壁の外周面に沿って、螺旋状に配置されたガイド板
    が形成されてなることを特徴とするガスタービン複合型
    原子力発電システム。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のガスタービン
    複合型発電システムにおいて、前記排ガスの流路中に、
    前記排ガスを処理する触媒を設置したことを特徴とする
    ガスタービン複合型原子力発電システム。
  6. 【請求項6】 請求項3から5のうちいずれか1項に記
    載のガスタービン複合型発電システムにおいて、前記ヒ
    ートパイプの前記被加熱側流路に挿入された一部の直径
    が、前記第1の隔壁の貫通口の直径よりも大きく形成さ
    れてなることを特徴とするガスタービン複合型原子力発
    電システム。
  7. 【請求項7】 請求項3から6のうちいずれか1項に記
    載のガスタービン複合型原子力発電システムにおいて、
    前記ヒートパイプの前記排ガスの流路中に挿入された部
    分の長さと前記被加熱流体中に挿入された部分の長さ
    は、前記排ガスから受ける有効伝熱量と前記被加熱流体
    に与える伝熱量とが等しくなるように設定されてなるこ
    とを特徴とするガスタービン複合型原子力発電システ
    ム。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のうちいずれか1項に記
    載のガスタービン複合型発電システムにおいて、前記複
    数のヒートパイプは、前記被加熱流体または前記排ガス
    の偏流の発生を抑制するピッチで配列されてなることを
    特徴とするガスタービン複合型原子力発電システム。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のうちいずれか1項に記
    載のガスタービン複合型発電システムにおいて、前記複
    数のヒートパイプは、前記被加熱流体中で相対する2本
    のヒートパイプの軸方向端部が互いに接合されてなるこ
    とを特徴とするガスタービン複合型原子力発電システ
    ム。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のうちいずれか1項に
    記載のガスタービン複合型発電システムにおいて、前記
    複数のヒートパイプは、前記被加熱流体の流路または前
    記排ガスの流路に挿入されたスリーブ板で保持されてな
    ることを特徴とするガスタービン複合型原子力発電シス
    テム。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のうちいずれか1項
    に記載のガスタービン複合型発電システムにおいて、前
    記排熱回収ヒータの排ガス出口点に、前記ヒートパイプ
    の中の作動媒体または作動媒体に添加されたトレーサ用
    物質が前記排ガス中に存在することを検出する第1の検
    出器と、前記排熱回収ヒータの被加熱流体側出口点に、
    被加熱流体中に前記ヒートパイプの中の作動媒体または
    作動媒体に添加されたトレーサ用物質が前記被加熱流体
    中に存在することを検出する第2の検出器と、前記排熱
    回収ヒータの排ガス出口点に、排ガス中に放射能が存在
    することを検出する第3の検出器の全て、あるいは少な
    くともいずれか一つの検出器を配置したことを特徴とす
    るガスタービン複合型原子力発電システム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載のガスタービン複合
    型発電システムにおいて、前記第3の検出器が規定値以
    上の応答を示したときは、前記排ガスおよび前記被加熱
    流体の前記排熱回収ヒータへの流入遮断および放射線漏
    洩対応の指令信号を発する機能と、前記第2の検出器出
    力の規定値以上の到達回数を累算し、ヒートパイプの排
    ガス側の破損個数を推定し、監視強化を警告する機能
    と、前記第1の検出器出力の規定値以上の到達回数を累
    算し、ヒートパイプの被加熱流体側の破損個数を推定
    し、監視強化を警告する機能の全て、あるいは少なくと
    も一つを備えたことを特徴とするガスタービン複合型原
    子力発電システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010031868A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 General Electric Co <Ge> 発電プラントの始動にヒートパイプを使用する装置及び方法
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CN113027610A (zh) * 2021-05-06 2021-06-25 中国航空发动机研究院 一种航空发动机、发动机的控制方法、飞行器

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