JP2003027851A - ドアとドアの製造方法 - Google Patents

ドアとドアの製造方法

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JP2003027851A
JP2003027851A JP2001218863A JP2001218863A JP2003027851A JP 2003027851 A JP2003027851 A JP 2003027851A JP 2001218863 A JP2001218863 A JP 2001218863A JP 2001218863 A JP2001218863 A JP 2001218863A JP 2003027851 A JP2003027851 A JP 2003027851A
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door
adhesive
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water
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JP2001218863A
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Hiroshi Nomura
弘 野村
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FUJITEKKU KK
Fujitec Co Ltd
Original Assignee
FUJITEKKU KK
Fujitec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造直後から反りを極めて少なくできるドア
を、簡単かつ容易に能率よく多量生産する。 【解決手段】 ドアは、木製芯材1の両面に、水溶性接
着剤5でもって木製の表面板2を接着している。さら
に、ドアは、木製芯材1の接着面1aに、非水溶性接着
剤4で防湿シート3を接着して設けている。この防湿シ
ート3の表面と表面板2の内面を、水溶性接着剤5で接
着している。ドアの製造方法は、木製芯材1の両面の接
着面1aに非水溶性接着剤4を介して防湿シート3を接
着した後、この防湿シート3の表面に、水溶性接着剤5
でもって表面板2を接着して、木製芯材1の両面に表面
板2を接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造工程において
発生する反りを少なくできるドアとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】木製芯材の両面に木製の表面板を接着し
て製造される木製のドアは、製造された直後に反りやす
く、さらに、年月が経過するにしたがって反りが多くな
る性質がある。製造直後の反りは、製造工程で使用する
水溶性接着剤が原因で発生する。木製ドアは、表面板を
木製芯材に接着するために水溶性接着剤を使用する。水
溶性接着剤には多量の水分が含まれる。この水分は、木
製芯材を狂わせてドアを反らせる原因となる。表面板を
接着するために表面板や木製芯材に塗布される水溶性接
着剤は、木製芯材の両面から内部に浸透する。水溶性接
着剤に含まれる水分が内部に浸透される木製芯材は、水
分率が変動して伸縮する。水溶性接着剤の水分は、木製
芯材の両面に均等には浸透されず、木製芯材の両面にア
ンバランスに浸透する。このため、木製芯材の両面は必
ずしも同じ寸法で伸縮せず、伸縮差が原因で反りが発生
する。さらに、ドアの反りは年月が経過するにしたがっ
て増加する。この反りは、ドアが使用される環境の温度
や湿度等の外的条件の変動や相違によって表面板や木製
芯材の水分率が変化し、水分率の変化によって寸法が変
動することで発生する。
【0003】この弊害は寒冷地で甚だしくなる。暖房さ
れる室内と屋外の温度と湿度差が大きくなるからであ
る。この状態で使用されるドアは、室内側が暖かく加温
され、室外側は冷却されて内外の外的環境の差が大きく
なる。この状態は、必ずしも玄関ドアのように、室内と
室外の間に設けられるドアにおこるとは限らない。室内
に使用されるドアも、全ての部屋を暖房しないために、
温度差が発生する。家屋全体を暖房して、室内で使用さ
れるドアの反りを少なくできる。ただ、使用しない部屋
を暖房することはなく、また、廊下や室内を区画するド
アは、廊下を室内のようには暖房しないので、ドアの反
りが大きくなってしまう。木材は水分率によって伸縮す
る性質がある。このため、表面板と芯材に木材を使用す
るかぎり、ドアの反りを皆無にすることは極めて難し
い。
【0004】ドアの反りを防止するために、枠体を強靭
な構造とする種々のドアが開発されている。たとえば、
特開昭57−77781号公報には、枠体に鋼製の反り
防止部材を固定するドアが記載される。この構造のドア
は、枠体を鋼製の反り防止部材で補強してドア全体の反
りを防止している。さらに、実開平3−47384号公
報には、枠体に補強材を挟着して積層し、補強材でもっ
て枠体の変形を防止してドアの反りを少なくするドアが
記載される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これ等の公報に記載さ
れるドアは、枠体の変形を完全に阻止できるなら、理論
的にはドアの反りを皆無にできる。しかしながら、実際
にはこの構造でドアの反りを有効に阻止するのは極めて
難しい。それは、ドアの反る力が極めて強いために、枠
体の変形を完全に阻止することができないからである。
【0006】ドアを、温度差のある境界に配設すると、
木製芯材の両面に接着している表面板の水分率が変化す
る。温度が高くて湿度の低い室内に対向する表面板は水
分率が小さく、温度が低くて湿度の高い室内の表面板は
水分率が高くなる。表面板の水分率の相違は、木製芯材
両面の水分率を変化させる。木製芯材の両面に接着して
いる表面板から木製芯材に水分が移行するからである。
木材は水分率が高くなると伸び、水分率が低くなると収
縮する性質がある。このため、木製芯材の両面で水分率
が相違すると、水分率の高い面が水分率の低い面よりも
長くなって変形する。変形した木製芯材はドアを反らせ
る原因となる。
【0007】さらに、実開平5−32680号公報に
は、芯材の乾燥状態を一定に保持するドアパネルが記載
される。また、特開平11−125075号公報には、
表面板の両面に防湿シートを接着するドアが記載され
る。これ等の公報に記載されるドアは、芯材と表面板と
の間に防湿シートを配設する。表面板と木製芯材との間
の防湿シートは、表面板から木製芯材への水分移行を少
なくする。にもかかわらず、実際にこの構造のドアを製
造すると、製造直後に反りが発生するのを少なくできな
い。とくに、防湿シートが製造直後の反りを少なくする
効果はほとんど期待できなかった。
【0008】後者の公報に記載しているドアは、表面板
の両面に防湿シートを接着しているにもかかわらず、製
造直後の反りを少なくできなかった。本発明者は、最初
この原因の究明ができなかった。表面板の両面に接着し
ている防湿シートが、表面板の水分率の変化を防止し、
さらに、表面板から木製芯材への水分の移行も防止する
にもかかわらず、製造直後からドアの反りを少なくでき
なかったからである。
【0009】以上の構造のドアは、広い表面板の両面に
防湿シートを接着するので、製造に手間がかかって製造
コストが高くなるにもかかわらず、製造直後からの反り
を少なくできる効果はほとんど期待できなかった。本発
明は、従来のこのような欠点を解決することを目的にさ
らに研究して開発されたもので、本発明の重要な目的
は、簡単かつ容易に能率よく多量生産できるにもかかわ
らず、製造直後から反りを極めて少なくできるドアとそ
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のドアは、木製芯
材1の両面に、水溶性接着剤5でもって木製の表面板2
を接着している。さらに、本発明のドアは、木製芯材1
の接着面1aに、非水溶性接着剤4で防湿シート3を接
着して設けている。この防湿シート3の表面と表面板2
の内面を、水溶性接着剤5で接着している。防湿シート
3を接着している非水溶性接着剤4は、たとえば溶液型
のポリ酢酸ビニルとその重合体、溶液型のアクリル共重
合体、ホットメルト系、合成ゴム系、エポキシ樹脂系、
ウレタン系の接着剤である。本明細書において「水溶性
接着剤」とは、未硬化状態で水分を含み、この水分を乾
燥させながら硬化するタイプの接着剤を意味するものと
する。
【0011】さらに本発明のドアは、木製芯材1の表面
に、溶媒タイプの防湿塗料を塗布して防湿塗膜層6を設
け、この防湿塗膜層6の表面と表面板2の内面を、水溶
性接着剤5で接着する構造とすることもできる。
【0012】木製芯材1に設ける防湿シート3や防湿塗
膜層6は、好ましくは接着面1aから両側面1bまで延
長して設ける。表面板2から木製芯材1への水分移行を
より確実に阻止するためである。
【0013】本発明のドアの製造方法は、木製芯材1の
両面の接着面1aに非水溶性接着剤4を介して防湿シー
ト3を接着した後、この防湿シート3の表面に、水溶性
接着剤5でもって表面板2を接着して、木製芯材1の両
面に表面板2を接着する。木製芯材1に防湿シート3を
接着する非水溶性接着剤4には、ホットメルト系、合成
ゴム系、エポキシ樹脂系の接着剤を使用することができ
る。
【0014】さらに、本発明のドアの製造方法は、木製
芯材1の両面の接着面1aに溶媒タイプの防湿塗料を塗
布して防湿塗膜層6を設けた後、木製芯材1の防湿塗膜
層6に水溶性接着剤5でもって表面板2を接着して、木
製芯材1の両面に表面板2を接着することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するためのドアとその製造方法を例
示するものであって、本発明はドアとその製造方法を下
記のものに特定しない。
【0016】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0017】図1に示すドアは、縦枠と横枠からなる木
製芯材1を方形状に枠組みし、この木製芯材1の両面に
木製の表面板2を接着して固定している。図2は、内部
構造を判りやすくするために、片面の表面板2を除いた
ドアを示している。図1のドアは、表面板2の中央部に
開口部2aを設けている。開口部2aは額縁8を介して
鏡板7を固定している。鏡板7は、ガラスや木製板であ
る。本発明のドアは、図3に示すように、木製芯材1の
両面に開口部のない表面板2を固定するフラッシュドア
とすることもできる。
【0018】木製芯材1は、木材を製材した角材、ある
いは多数の木材を積層して接着しているLVLである。
木材を積層して接着している木製芯材は、木材の間に金
属板や合成樹脂板等の硬質板を接着して、反りを少なく
できる。木製芯材に硬質板を接着した角材を使用する
と、ドアの反りをより少なくできる。したがって、本明
細書において「木製芯材」は、木材に他の材質を積層し
ている芯材を含む意味に使用する。本発明のドアは、表
面板2から木製芯材1への水分の移行を防止し、木製芯
材1の伸縮を少なくしてドアの反りを効果的に防止する
ので、木製芯材1には、硬質板を接着しない木製の角材
を使用して反りを少なくできる。
【0019】複数の木材片9を積層して接着している木
製芯材1は、図4の断面図に示すように、積層面を接着
面1aとして表面板2を接着する。この木製芯材1は、
木材片9の木目が縦方向に伸びるように積層、接着され
るので、表面板2の伸縮によるドアの反りを少なくでき
る。各々の木材片9と、これを接着する接着層10が補
強リブの働きをして、木製芯材1の反りを少なくするか
らである。
【0020】図2のドアは、木製芯材1を方形状に連結
して、その両面に表面板2を接着している。図示しない
が、本発明のドアは、複数本の木製芯材を格子状に連結
して、その両面に表面板を接着することもできる。
【0021】木製芯材1は、接着面1aに直接には表面
板2を接着しない。木製芯材1は、図4と図5に示すよ
うに、接着面1aに防湿シート3を接着し、あるいは、
図6に示すように防湿塗膜層6を設けて、防湿シート3
や防湿塗膜層6を介して表面板2を接着する。
【0022】防湿シート3は、水分の透過を防止できる
全てのシート、たとえばプラスチックシートを使用す
る。プラスチックシートである防湿シート3は、ポリ塩
化ビニルシート、ポリエチレンシートである。複数のプ
ラスチックシートを積層したシート、たとえば、ポリ塩
化ビニルシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレン
シート、フッ素樹脂シート等を積層した多層構造のシー
トも使用できる。フッ素樹脂のシートは、水分の透過率
を極めて少なくできる。また、プラスチックシートの間
にアルミニウム箔等の金属箔を積層して接着しているシ
ートも使用できる。さらに、防湿シート3は、プラスチ
ックシートの片面もしくは両面に紙間強化紙を貼着する
こともできる。プラスチックシートである防湿シート3
の厚さは、たとえば、50μm〜2mm、好ましくは1
00μm〜1mm、さらに好ましくは100μm〜50
0μmとする。防湿シート3に厚いプラスチックシート
を使用すると、水分透過をより効果的に防止できる。
【0023】防湿シート3は、図4のクロスハッチング
で示すように、非水溶性接着剤4で木製芯材1に接着さ
れる。防湿シート3を木製芯材1に接着するときに、接
着剤に含まれる水分を木製芯材1に含浸させないためで
ある。非水溶性接着剤4には、溶液型のポリ酢酸ビニル
とその重合体の接着剤を使用する。ただ、非水溶性接着
剤4には、溶液型のアクリル共重合体、合成ゴム系の接
着剤、熱可塑性合成樹脂であるホットメルト系の接着
剤、エポキシ樹脂系、ウレタン系、塩化ビニル系の接着
剤を使用することができる。
【0024】図6に示す木製芯材1は、接着面1aに防
湿塗膜層6を設けている。防湿塗膜層6は、溶媒タイプ
の防湿塗料を接着面1aに塗布して設けることができ
る。溶媒タイプの防湿塗料として、不飽和ポリエステル
樹脂塗料、または2液型ポリウレタン樹脂塗料を使用す
る。ただし、溶剤型の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系
塗料やラッカー等を接着面1aに塗布して、防湿塗膜層
6を設けることもできる。防湿塗膜層6の膜厚は約10
0μmとする。ただ、防湿塗膜層6は、膜圧を50μm
〜1mmとすることもできる。
【0025】さらに、木製芯材は、防湿塗膜層を介して
防湿シートを接着することもできる。この木製芯材は、
防湿塗膜層と防湿シートの両方で、表面板から木製芯材
への水分移行を有効に防止できる。
【0026】図5と図6の木製芯材1は、防湿シート3
や防湿塗膜層6からなる防湿層を、接着面1aから両側
面1bまで延長して設けている。この木製芯材1は、表
面板2から移行する水分を防湿層でより効果的に阻止で
きる特長がある。さらに、防湿層は、木製芯材の全周に
設けることができる。全周に設けた防湿層は、表面板か
ら水分移行を有効に防止できることに加えて、ドア内部
の空気中に含まれる水分が木製芯材に吸収されるのも少
なくできる。このため、木製芯材が変形してドアが反る
のを極めて少なくできる特長がある。ただ、防湿層を接
着面にのみ設けるドアも、表面板から木製芯材への水分
移行を阻止して反りを少なくできる。
【0027】接着面1aに防湿層を設けた木製芯材1に
木製の表面板2が接着される。表面板2は防湿層を介し
て木製芯材1に接着される。表面板2と木製芯材1を接
着するには、表面板2の内面にのみ接着剤を塗布する。
ただ、木製芯材1の接着面1aにのみ接着剤を塗布し、
あるいは木製芯材1の接着面1aと表面板2の内面の両
方に接着剤を塗布して接着することもできる。表面板2
は、水溶性接着剤5で木製芯材1に接着される。水溶性
接着剤5は、エマルジョンタイプのポリ酢酸ビニルとそ
の共重合体である。この接着剤は水で希釈できる接着剤
で30〜60重量%の水分を含有する。水溶性接着剤5
には、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、でんぷん等の接着剤も使用できる。
【0028】表面板2は合板である。合板にはベニヤ合
板が最適である。ただ、ベニヤ合板以外の木質板も使用
できる。さらに、合板に代わって単板を表面板2に使用
することもできる。
【0029】以上のドアは、以下の工程で製造される。 [実施例1]下記の条件で図3に示す構造のドアを試作
した。 ドアの外形…………………縦1860mm×横800mm×厚さ30mm 表面板………………………2.5mmのベニヤ合板 木製芯材の材質……………LVL 木製芯材の横断面形状……幅30mm、厚さはドア厚を30mmとする値 防湿シート…………………両面に紙間強化紙を貼ったポリエチレンシート 厚さは0.1mm 非水溶性接着剤……………エチレン酢酸ビニル 水溶性接着剤………………酢酸ビニルエマルジョン
【0030】以上の材料を使用して、下記の工程でフラ
ッシュドアを製作した。 図2に示すように、木製芯材1を方形状に連結す
る。 非水溶性接着剤4でもって木製芯材1の両面の接着
面1aに防湿シート3を接着する。非水溶性接着剤4に
は、エチレン酢酸ビニルを使用する。防湿シート3は、
図5に示すように、端縁が接着面1aから側面1bまで
延長する状態で接着する。 木製芯材1の防湿シート3の表面に、水溶性接着剤
5でもって表面板2を接着する。水溶性接着剤5には、
酢酸ビニルエマルジョンを使用する。図1と図2に示す
ドアを製造するときは、2枚の表面板2の間であって、
方形状の木製芯材1の中央部分の所定の位置に額縁8と
鏡板7を配設する。 表面板2は、プレスを使用して平面状に押圧する状
態で木製芯材1の両面に接着する。
【0031】[実施例2]木製芯材1の両面の接着面に
防湿シートを接着することなく、溶媒タイプの防湿塗料
を塗布して防湿塗膜層6を設ける以外、実施例1と同様
にしてドアを製作した。この実施例において、防湿塗膜
層6となる溶媒タイプの防湿塗料には、合成樹脂塗料を
使用した。
【0032】[比較例]本発明のドアが優れた特性を示
すことを明確にするために、木製芯材の両面に非水溶性
接着剤で防湿シートを接着することなく、また、木製芯
材の両面に溶媒タイプの防湿塗料を塗布して防湿塗膜層
を設けることなく、木製芯材の両面に水溶性接着剤で表
面板を接着してドアを製作した。ただし、表面板や木製
芯材には、実施例1に使用した部材と同じ材質で同サイ
ズのものを使用した。
【0033】実施例1と比較例のドアの環境による反り
試験を以下の条件で行った。2槽式環境試験室のA室と
B室の間の間仕切りにドアを設置し、A室とB室の環境
条件を、共に気温17度、湿度50%に保ち、2時間放
置して初期条件とした。このときのドアの高さ方向の反
り矢高を左右枠材において、それぞれ区間長1860m
mの中央で測定した。次に、A室側を、気温25度、湿
度40%、B室側を、気温10度、湿度80%に設定
し、この条件で6時間放置した。放置後、ドア枠材の高
さ方向の反り矢高の測定を初期条件と同様に行った。こ
のとき、高さ方向の反り矢高は、B室側に凸に生じた。
高さ方向の反り矢高は、左右枠材の反り矢高の平均値と
した。
【0034】以上のドアの反り試験の結果、実施例1で
試作したドアは、初期条件での反り矢高が0mmであ
り、試験後の反り矢高は1.0mmとなった。これに対
して、比較例のドアは、初期条件での反り矢高が2.5
mmと大きくなり、さらに試験後の反り矢高は3.0m
mにもなった。
【0035】以上のように、実施例1のドアと比較例の
ドアとを比較すると、実施例1のドアは、初期条件にお
ける反りが0mmになり、製造直後における反りが極減
され、試験後における反りも極めて小さくなった。さら
に、実施例2のドアについても、同様の試験を行った結
果、比較例のドアに比べて反りが極めて小さくなり、実
施例1のドアに勝るとも劣らない優れた特性を示した。
【0036】
【発明の効果】本発明のドアとドアの製造方法は、簡単
かつ容易に能率よく多量生産できるにもかかわらず、製
造直後から反りを極めて少なくできる優れた特長があ
る。それは、本発明のドアとその製造方法が、木製芯材
の両面の接着面に、非水溶性接着剤で防湿シートを接着
して設けて、あるいは、溶媒タイプの防湿塗料を塗布し
て防湿塗膜層を設けており、この防湿シートあるいは防
湿塗膜層の表面に、水溶性接着剤で表面板を接着して、
木製芯材の両面に表面板を接着しているからである。
【0037】本発明は、木製芯材の両面の接着面に、直
接に防湿シートや防湿塗膜層を設けるので、木製芯材自
体の外側をこれらでコーティングする状態として、木製
芯材に水分が透過するのを有効に阻止できる。しかも、
非水溶性接着剤や溶媒タイプの防湿塗料は、木製芯材に
水分を浸透させることなく防湿シートを接着し、あるい
は防湿塗膜層を設けることができるので、ドアの製造時
における木製芯材への水分の透過を極減して、製造直後
に発生する反りを極めて少なくできる。さらに、本発明
は、従来のように木製芯材に直接に水溶性接着剤を塗布
することなく、防湿シートや防湿塗膜層の表面に水溶性
接着剤を塗布して表面板を接着するので、表面板の接着
時においても、水溶性接着剤の水分が木製芯材に透過す
るのを確実に阻止して、製造直後における反りを極減で
きる。
【0038】さらに、本発明のドアとその製造方法は、
従来のように、広い表面板の両面に広い面積の防湿シー
トを接着することなく木製芯材への水分の透過を防止す
るので、簡単かつ容易に、しかも低コストに多量生産で
きる特長がある。とくに、芯材の接着面に防湿シートを
接着する構造は、使用する防湿シートの面積を飛躍的に
小さくして、極めて効率よく水分の透過を確実に阻止で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるドアの斜視図
【図2】図1に示すドアの内部構造を示す正面図
【図3】本発明の他の実施例にかかるドアの斜視図
【図4】木製芯材の一例を示す断面斜視図
【図5】木製芯材の接着面に防湿シートを設けているド
アの一例を示す断面図
【図6】木製芯材の接着面に防湿塗膜層を設けているド
アの一例を示す断面図
【符号の説明】
1…木製芯材 1a…接着面 1
b…側面 2…表面板 2a…開口部 3…防湿シート 4…非水溶性接着剤 5…水溶性接着剤 6…防湿塗膜層 7…鏡板 8…額縁 9…木材片 10…接着層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木製芯材(1)の両面に、水溶性接着剤(5)
    でもって木製の表面板(2)を接着しているドアにおい
    て、 木製芯材(1)の接着面(1a)に非水溶性接着剤(4)で防湿シ
    ート(3)を接着して設けており、この防湿シート(3)の表
    面と表面板(2)の内面を、水溶性接着剤(5)で接着してな
    ることを特徴とするドア。
  2. 【請求項2】 防湿シート(3)を接着している非水溶性
    接着剤(4)が、溶液型のポリ酢酸ビニルとその重合体、
    溶液型のアクリル共重合体、ホットメルト系、合成ゴム
    系、エポキシ樹脂系、ウレタン系の接着剤である請求項
    1に記載されるドア。
  3. 【請求項3】 木製芯材(1)の両面に、水溶性接着剤(5)
    でもって木製の表面板(2)を接着しているドアにおい
    て、 木製芯材(1)の接着面(1a)に溶媒タイプの防湿塗料が塗
    布されて防湿塗膜層(6)が設けられ、この防湿塗膜層(6)
    の表面と表面板(2)の内面を、水溶性接着剤(5)で接着し
    てなることを特徴とするドア。
  4. 【請求項4】 防湿シート(3)または防湿塗膜層(6)を、
    接着面(1a)から両側面(1b)まで延長して設けている請求
    項1または3に記載されるドア。
  5. 【請求項5】 木製芯材(1)がLVLで、表面板(2)が合
    板である請求項1または3に記載されるドア。
  6. 【請求項6】 木製芯材(1)の両面の接着面(1a)に非水
    溶性接着剤(4)を介して防湿シート(3)を接着した後、木
    製芯材(1)の防湿シート(3)の表面に水溶性接着剤(5)で
    もって表面板(2)を接着して、木製芯材(1)の両面に表面
    板(2)を接着するドアの製造方法。
  7. 【請求項7】 防湿シート(3)を木製芯材(1)に接着する
    非水溶性接着剤(4)に、溶液型のポリ酢酸ビニルとその
    重合体、溶液型のアクリル共重合体、ホットメルト系、
    合成ゴム系、エポキシ樹脂系の接着剤を使用する請求項
    6に記載されるドアの製造方法。
  8. 【請求項8】 木製芯材(1)の両面の接着面(1a)に溶媒
    タイプの防湿塗料を塗布して防湿塗膜層(6)を設けた
    後、木製芯材(1)の防湿塗膜層(6)に水溶性接着剤(5)で
    もって表面板(2)を接着して、木製芯材(1)の両面に表面
    板(2)を接着するドアの製造方法。
  9. 【請求項9】 防湿シート(3)または防湿塗膜層(6)を、
    木製芯材(1)の接着面(1a)から両側面(1b)まで延長して
    設ける請求項6または8に記載されるドアの製造方法。
  10. 【請求項10】 木製芯材(1)にLVLを、表面板(2)に
    合板を使用する請求項6または8に記載されるドアの製
    造方法。
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