JP2003027390A - 難黄変性および耐熱水性を有する紙とその紙を用いた複合容器 - Google Patents

難黄変性および耐熱水性を有する紙とその紙を用いた複合容器

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JP2003027390A JP2001219763A JP2001219763A JP2003027390A JP 2003027390 A JP2003027390 A JP 2003027390A JP 2001219763 A JP2001219763 A JP 2001219763A JP 2001219763 A JP2001219763 A JP 2001219763A JP 2003027390 A JP2003027390 A JP 2003027390A
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浩志 河崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、変色を防止し美粧性に優れ、かつ耐
水物性および耐熱水物性を有することを特徴とする紙に
より、従来の耐熱水紙の変色を防止でき外観を損なうこ
とがない、浴室で使用される紙容器やプラスチックボト
ルのラベル、浴室の壁紙、さらに熱水調理/殺菌される
食品の紙容器や紙ラベルに使用が可能な、変色が極めて
小さく美粧性に優れる耐水紙、耐熱水紙を提供すること
目的とするものである。 【解決手段】抄紙工程において、パルプスラリー中にア
ルキルケテンダイマーもしくはアルキルケテンダイマー
と硫酸バンドによる中性サイズがなされ、かつ、紙力増
強剤として添加されるエピクロルヒドリンがパルプに対
して0.3%以下であることを特徴とする紙である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧板、壁紙など
の建装材、トイレタリー用品や飲料、食料品などの包装
材、またラベルその他の産業資材として使用される耐水
紙に関するものである。詳しくは、温水や熱水にさらさ
れる条件下においても、高い耐水性、耐温水性、耐熱水
性に優れる耐水紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が重要視され、また容器
類ならびに包装材料の易廃棄性が必要とされ、易焼却
性、リサイクル性、またはリサイクル材料使用の需要が
高まっている。ボトル、トレイ形状の紙容器、および紙
容器とプラスチックとの複合容器や、化粧板や壁紙など
の建装材や、ラベルなどの産業資材分野においてもプラ
スチック使用量を大幅に低減した、いわゆる紙製品や、
容器分野においては廃棄時に紙とプラスチックの分別が
可能な複合容器等が種々提案されている。
【0003】しかしながら、従来の耐水紙は、例えば、
紙容器として使用した場合は、とりわけ紙部材の端面か
ら吸水し、紙基材の強度が著しく低下し、十分な強度を
維持できず、耐水性を有するとは言い難いものであっ
た。また従来の耐水紙からなる紙容器では、台所や洗面
台での一時的に水や温水にさらされる程度の耐水性しか
付与されておらず、浴室で常に温水にさらされる環境で
の使用に耐えるものではなかった。さらに食品類や飲料
類においては熱水による殺菌処理や加熱調理が必要とさ
れる容器用の耐水紙としては使用できないものであっ
た。
【0004】また、従来の耐水紙は、壁紙やラベルなど
の建装材や産業資材においても、浴室用の内装材や、浴
室で使用されるシャンプー、リンスなどのボトルに使用
されるラベルでも、使用に耐えるものではなく、プラス
チック材料からなる部材が使用されていた。
【0005】また、発明者らはポリイソシアネート樹脂
を含浸処理することにより、耐熱水性を備える含浸紙を
提案しているが(特願2000−11840)、その含
浸紙においても、温水に長時間さらされたり、ボイル殺
菌処理やレトルト殺菌処理などの調理工程では、耐熱水
紙が変色し、外観を損なう場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決することを課題として、変色を防止し美粧性に優
れ、かつ耐水物性および耐熱水物性を有することを特徴
とする紙により、従来の耐熱水紙の変色を防止でき外観
を損なうことがない、浴室で使用される紙容器やプラス
チックボトルのラベル、さらに熱水調理/殺菌される食
品の紙容器や紙ラベルに使用が可能な、変色が極めて小
さく美粧性に優れる耐水紙、耐熱水紙を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は以下の手段
によって解決できる。
【0008】本発明の第1発明は、抄紙工程において、
パルプスラリー中にアルキルケテンダイマーもしくはア
ルキルケテンダイマーと硫酸バンドによる中性サイズが
なされ、かつ、紙力増強剤として添加されるエピクロル
ヒドリンがパルプに対して0.3%以下であることを特
徴とする紙である。
【0009】本発明の第2発明は、上記パルプ中のリグ
ニン含有量が0.3%未満であることを特徴とする紙で
ある。
【0010】本発明の第3発明は、ポリイソシアネート
樹脂を含浸した請求項1または請求項2のいずれか1項
に記載の紙である。
【0011】本発明の第4発明は、ポリイソシアネート
樹脂のイソシアネート種がイソホロンジイソシアネート
または、キシリレンジイソシアネート、あるいはそれら
の混合物であることを特徴とする請求項3に記載の紙で
ある。
【0012】本発明の第5発明は、樹脂含浸量が紙基材
に対して6%以下であることを特徴とする請求項3また
は請求項4のいずれか1項に記載の紙である。
【0013】本発明の第6発明は、プラスチックからな
る内装容器を、耐熱水性を有するポリイソシアネート樹
脂含浸紙からなる外装容器で被覆接合した複合容器にお
いて、外装容器が請求項1乃至請求項5のいずれか1項
に記載の複合容器である。
【0014】本発明の第7発明は、上記外装紙容器がパ
ルプモールド成型体であることを特徴とする、請求項6
に記載の複合容器である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、さらに詳細に説明する。
【0016】本発明は、抄紙工程においてパルプスラリ
ーを原料とするものであるが、抄紙に用いるパルプは、
針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、など木材パルプに限定さ
れるものではない。また木材パルプ以外のケナフ、バン
ブー、バガスなどでもよく、これらの配合比など任意の
パルプ材料が使用できる。そして紙の坪量は、20g/
m2〜600g/m2の範囲で目的に応じて適宜選択す
れば良い。
【0017】また、上記のパルプ材料を抄紙、あるいは
パルプモールド成形する場合、パルプスラリーに、サイ
ズ剤および紙力増強剤を内添処理するが、アルキルケテ
ンダイマーや、アルケニル無水コハク酸、および定着剤
としての硫酸バンドを使用し、中性サイズを行う。この
場合のパルプスラリーのpHは6.5〜8.0程度が好
ましい。中性サイズのサイズ剤のアルキルケテンダイマ
ーやアルケニル無水コハク酸は熱安定性に優れ、レトル
ト処理などの120℃の熱水に30分程度さらされても
変色が起こりにくい。
【0018】また、ロジンおよび硫酸バンドによる酸性
サイズでは、一般的に硫酸バンドの添加量を比較的多く
する必要があるため、抄紙された紙やパルプモールド成
形体中に硫酸バンドが多く残る。ロジンは熱安定性は良
くなく変色を導きやすい。また硫酸が多く残ることか
ら、通常の大気中の水分による脱水作用等により変色が
起こる。
【0019】また、抄紙時のウエブの安定性を考慮する
と、湿潤紙力増強剤として使われるエピクロルヒドリン
系の内添剤を添加した方が好ましい。しかしエピクロル
ヒドリン系の薬剤も熱安定性に優れるものではない。特
に熱水中にさらされると変色を起こしやすく、添加量は
抄紙が安定し、抄紙後の紙力強度が所望の範囲で得られ
れば良く、エピクロルヒドリン系の薬剤添加量はパルプ
に対して0.3%以下とすることにより、熱水処理にお
ける変色を抑えることができる。
【0020】また本発明では、上記パルプ中のリグニン
含有量が0.3%未満としている。パルプ材料は、LB
KPやNBKPが一般的に使用されるが、これらのさら
しパルプの中にも少なからず、リグニン等の不純物がの
こる。このリグニン成分も、熱安定性に優れるものでな
く、レトルト処理で熱水にさらされると褐色に変色す
る。パルプのさらし工程で残留リグニンの量がパルプに
対し、0.3%未満までさらし処理をすることにより、
レトルト処理等の熱水条件下での変色を抑えることがで
きる。
【0021】さらに本発明は、ポリイソシアネート樹脂
を含浸した紙を用いている。一般的に、紙基材に含浸す
る樹脂として、紙基材の乾燥強度および耐水性、湿潤強
度を付与できるものとして、ポリビニルアルコール樹
脂、ポリアクリルアミド、でんぷん等が、また、湿潤時
紙力増強剤としては尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ンホムルアルデヒド樹脂、でんぷん、ポリアミドアミ
ン、そのエピクロルヒドリン変性体、さらには各種ラテ
ックス、例えば天然ゴムラテックス、SBR、NBR、
ポリクロロプレン等の合成ゴムラテックス、ポリ酢酸ビ
ニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デンもしくはこれらの共重合体の樹脂ラテックスなどが
用いられる。
【0022】さらに耐熱水性まで付与できる樹脂として
は、シラン系樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂の
他に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチ
レン樹脂やポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂など
も要求される耐熱水温度により選択使用することが可能
である。
【0023】これらの耐水性を付与する含浸薬剤のなか
でも、ポリイソシアネート樹脂を用いると、耐熱水性を
著しく向上することができると発明者らは提案している
(特願2000−11840)。また、付加機能として
はっ水性などが要求される場合においても、必要な耐熱
水性を損なわない限り、要求機能レベルに応じて上記の
樹脂材料を複合もしくは混合して使用することも可能で
ある
【0024】このイソシアネート樹脂は紙に含浸するこ
とにより紙の湿潤強度が向上するもので、イソシアネー
トと紙中の水分で形成される尿素化合物により、イソシ
アネート含浸紙は極めて高い耐熱性、耐水性、耐熱水性
を有し、吸水性も著しく低減する。外装容器としてイソ
シアネート樹脂含浸紙を用いることにより、複合容器が
乾燥状態のみならず、湿潤状態にあっても、保形性、座
屈強度などが極めてすぐれた容器とすることができる。
またボイル殺菌やレトルト殺菌工程においても、イソシ
アネート樹脂含浸紙を外装容器として用いた複合容器で
あれば、それらの熱水条件下においても極めて高い保形
性を示し、耐熱水性を有する容器とすることができる。
【0025】含浸するイソシアネート樹脂として、ポリ
イソシアネート化合物として、これまで知られている各
種のもの、例えばフェニレンジイソシアネート(PD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレ
ンジイソシアネート(NDI)、4,4‘ジイソシアネ
ートジフェニルメタン(MDI)、等の芳香族ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の
芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XD
I、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の
脂肪族、若しくは脂環状ジイソシアネートおよびこれら
の誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体、3量
体である3官能以上のポリイソシアネート、リジントリ
イソシアネート(LTI)等の3官能イソシアネートの
他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマー
を使用することができる。
【0026】含浸紙は、抄紙段階で樹脂が紙基材に内添
された紙、紙基材に抄紙された後に樹脂が外添された紙
からなる。
【0027】含浸紙を抄紙工程において内添により含浸
することにより、紙部材の厚み方向全体にわたり均等に
前述の樹脂を配することができる。また抄紙段階で樹脂
を含浸することで、複合容器として所望する紙部材の機
能レベルに応じて、含浸紙の密度や厚み、内添する樹脂
量など任意に決定することができる。また含浸紙が多層
抄きにて抄紙される場合、あるいはパルプモールド成型
体に成型される場合においては、抄紙時の層間に噴霧し
てもよい。
【0028】また、紙を抄紙後の二次加工として含浸す
ることもできる。この外添による含浸方法としては、繊
維構造物を含浸剤中に浸し過剰量の含浸剤を一時的に付
与できるディッピング法や、繊維構造物に含浸剤を目的
とする量だけ噴霧する方法がある。さらに繊維構造物が
板紙状の場合には、好ましくは、含浸剤を一定量だけ塗
工または含浸させるグラビアコーティング法やロールコ
ーティング法などがあり、基材繊維構造物の表裏から含
浸剤を含浸することも可能である。
【0029】さらに2ユニット以上あるグラビア含浸方
法では、はじめに紙基材内部に含浸させる含浸剤を片面
もしくは両面より施し、基材内部にまで含浸材を浸透さ
せる。その後の最後のユニットで紙基材の表面にコーテ
ィング被膜層の形成等が可能となる。そこで得られた含
浸紙は、例えば含浸紙の内部全体にわたり湿潤紙力増強
剤などが含浸され高い湿潤強度を有し、含浸紙表層には
はっ水剤等を配することにより高いはっ水効果を有する
ことができる。すなわち紙基材に含浸剤を供給できる方
法であれば、使用される紙基材や含浸剤の種類にもよる
が、それらに応じて、いずれの方法を任意に選択するこ
とができる。さらにはこれらの加工は二次加工的に行わ
れるため、抄紙工程に比較すると少量の加工が安価に行
うことができる。
【0030】また本発明は、含浸剤としてポリイソシア
ネート樹脂のイソシアネート種がイソホロンジイソシア
ネートまたは、キシリレンジイソシアネート、あるいは
それらの混合物を用いている。キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)等の芳香族脂肪族ジイソシアネート、水
添XDI、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等
の脂肪族、若しくは脂環状ジイソシアネートおよびこれ
らの誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体、3
量体である3官能以上のポリイソシアネートは、イソシ
アネート樹脂自身が熱水による変色が小さく、好ましく
使用される。これらの中での末端イソシアネート種は、
XDI、またはIPDIは安定性に優れ変色を起こしに
くいため、このいずれかおよびそれらの混合体を用いる
ことが好ましい。
【0031】さらに本発明は、樹脂含浸量が紙基材に対
して6%以下であるとしている。これは、イソシアネー
ト樹脂の湿潤強度増強の効果が著しく、6%以下の含浸
量でも、著しい熱水下における湿潤強度の向上が認めら
れるからである。好ましくは2%から4%程度でよく、
含浸量を小さくした方がイソシアネート樹脂自体の変色
も幾分あるためさらに好ましい。
【0032】本発明の複合容器は、体熱水性にすぐれ、
外装紙容器の変色がきわめて小さいことから、食品のボ
イル殺菌工程やレトルト殺菌工程などの熱水処理がなさ
れる紙製一次容器として使用することができる。
【0033】本発明の内装容器となるプラスチック容器
の材料樹脂としては、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
やポリエチレンナフタレート樹脂あるいはそれらの混合
物やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリ
オレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、そしてポリ
アクリロニトリル樹脂など、真空成形、圧空成型、射出
成型、ブロ−成形など、成形可能な樹脂であれば何れを
選択することができる。さらには、EVOH、MXナイ
ロン等のバリア性に優れる層を設け、2層以上の多層構
成とするなど、いずれの製造方法によるプラスチック容
器を用いてもよい。
【0034】また含浸紙の片面、あるいは紙の両面に樹
脂層を有する積層体を使用することも可能であり、外装
容器となる含浸紙の外側面にポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂がラミネートされた構成のものが好ましく
用いられる。さらに、内面側にもポリエチレンやポリプ
ロピレンのようなポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコ
−ル共重合体のようなバリア性樹脂の単体やもしくはこ
れらの樹脂を組み合わせた複合フィルムなども使用可能
である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例を以下に詳細に
説明する。
【0036】<実施例1>パルプ原料として、リグニン
含有量0.28%のNBKPとLBKPの混合パルプを
用い、内添処理としてアルキルケテンダイマーと硫酸バ
ンドによる中性サイズを施し、湿潤紙力強度剤として、
エピクロルヒドリンをパルプ重量比で0.3%添加して
坪量300g/m2のノーコートカップ紙を抄造した。
このカップ原紙にIPDIアダクト体を主成分とするイ
ソシアネート樹脂をグラビアコーティング法による含浸
処理を行い含浸紙を得た。この含浸紙の一部に印刷を施
し、これをトレー形状の複合容器の外装容器となるよう
打ち抜き、製函し複合容器の外装容器を得た。これを真
空成形金型内部に挿入し、プラスチック樹脂シートを内
面に成形することにより複合容器を得た。プラスチック
シートの構成は、容器内面から、PP/接着樹脂/EV
OH/接着樹脂/PP/接着樹脂となり、最外層の接着
樹脂は、真空成形の熱により、前述の外装容器と接着し
複合容器となる。複合容器の容量は250mlである。
得られた複合容器は加工食品を収納し、121℃のレト
ルト殺菌処理に十分耐えうるものであった。またレトル
ト殺菌処理後の複合容器は、外装紙容器の変色が小さ
く、レトルト殺菌処理前後での変色はΔEが1.4以下
でり、容器変形のみならず変色の面からもレトルト耐性
に優れる複合容器で、容器外装に用いた紙はレトルト殺
菌の熱水処理に対して変色が著しく小さい紙といえるも
のであった。
【0037】<比較例1>パルプ原料として、実施例1
と同じ、リグニン含有量0.28%のNBKPとLBK
Pの混合パルプを用い、内添処理としてアルキルケテン
ダイマーと硫酸バンドによる中性サイズを施し、湿潤紙
力強度剤として、エピクロルヒドリンをパルプ重量比で
0.5%添加して坪量300g/m2のノーコートカッ
プ紙を抄造した。このカップ原紙に、実施例1と同じI
PDIアダクト体を主成分とするイソシアネート樹脂を
グラビアコーティング法による含浸処理を行い含浸紙を
得た。さらに実施例1と同様の印刷、打ち抜き、製函し
複合容器の外装容器を得、実施例1と同じプラスチック
樹脂シートを内面に成形することにより、実施例1と同
じ形状の複合容器を得た。得られた複合容器は加工食品
を収納し、121℃のレトルト殺菌処理に十分耐えうる
ものであった。またレトルト殺菌処理後の複合容器は、
外装紙容器の変色がやや大きく、レトルト殺菌処理前後
での変色はΔEが2.8でり、容器変形の面からはレト
ルト耐性に優れる複合容器といえるが、変色の面から
は、レトルト耐性のある複合容器とはいえず、容器外装
に用いた紙はレトルト殺菌の熱水処理に対して変色が大
きく耐熱水紙とはいえないものであった。
【0038】<比較例2>パルプ原料として、実施例1
と同じ、リグニン含有量0.8%のNBKPとLBKP
の混合パルプを用い、内添処理は実施例1と同じ薬剤を
同じ処方により内添処理し、坪量300g/m2のノー
コートカップ紙を抄造した。このカップ原紙に、実施例
1と同じIPDIアダクト体を主成分とするイソシアネ
ート樹脂をグラビアコーティング法による含浸処理を行
い含浸紙を得た。さらに実施例1と同様の印刷、打ち抜
き、製函し複合容器の外装容器を得、実施例1と同じプ
ラスチック樹脂シートを内面に成形することにより、実
施例1と同じ形状の複合容器を得た。得られた複合容器
は加工食品を収納し、121℃のレトルト殺菌処理に十
分耐えうるものであった。またレトルト殺菌処理後の複
合容器は、外装紙容器の変色がやや大きく、レトルト殺
菌処理前後での変色はΔEが3.4でり、容器変形の面
からはレトルト耐性に優れる複合容器といえるが、変色
の面からは、レトルト耐性のある複合容器とはいえず、
容器外装に用いた紙はレトルト殺菌の熱水処理に対して
変色が大きく耐熱水紙とはいえないものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明により、耐熱水性にすぐれ、外観
の変色の小さい、耐熱水紙を得ることが可能になった。
さらにはこの変色の小さい耐熱水紙を複合容器の外装に
もちいることにより、外観美粧性に優れる耐熱水性紙容
器を得ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 19/24 D21J 3/10 D21J 3/10 B65D 1/00 A Fターム(参考) 3E033 AA10 BA10 BA26 BB04 CA07 CA09 EA11 FA01 3E060 AB12 BC04 CD10 CD20 DA21 3E086 AD05 BA02 BA14 BA15 BB41 BB71 4L055 AA02 AA03 AC06 AG08 AG40 AG85 AG87 AG99 AH09 AH12 AH17 BF06 EA02 EA32 FA12 FA30 GA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抄紙工程において、パルプスラリー中にア
    ルキルケテンダイマーもしくはアルキルケテンダイマー
    と硫酸バンドによる中性サイズがなされ、かつ、紙力増
    強剤として添加されるエピクロルヒドリンがパルプに対
    して0.3%以下であることを特徴とする紙。
  2. 【請求項2】上記パルプ中のリグニン含有量が0.3%
    未満であることを特徴とする紙。
  3. 【請求項3】ポリイソシアネート樹脂を含浸した請求項
    1または請求項2のいずれか1項に記載の紙。
  4. 【請求項4】ポリイソシアネート樹脂のイソシアネート
    種がイソホロンジイソシアネートまたは、キシリレンジ
    イソシアネート、あるいはそれらの混合物であることを
    特徴とする請求項3に記載の紙。
  5. 【請求項5】樹脂含浸量が紙基材に対して6%以下であ
    ることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれか
    1項に記載の紙。
  6. 【請求項6】プラスチックからなる内装容器を、耐熱水
    性を有するポリイソシアネート樹脂含浸紙からなる外装
    容器で被覆接合した複合容器において、外装容器が請求
    項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複合容器。
  7. 【請求項7】上記外装紙容器がパルプモールド成型体で
    あることを特徴とする、請求項6に記載の複合容器。
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