JP2002104369A - 紙製容器およびその製造方法 - Google Patents

紙製容器およびその製造方法

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JP2002104369A
JP2002104369A JP2000302075A JP2000302075A JP2002104369A JP 2002104369 A JP2002104369 A JP 2002104369A JP 2000302075 A JP2000302075 A JP 2000302075A JP 2000302075 A JP2000302075 A JP 2000302075A JP 2002104369 A JP2002104369 A JP 2002104369A
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JP
Japan
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paper
container
resin
impregnated
paper container
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JP2000302075A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kawasaki
浩志 河崎
Kenichi Niimi
健一 新見
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、プラスチックからなる内装容器の外
側が紙からなる外装容器で被覆接合されている紙製容器
において、外装容器を樹脂含浸紙を用いて形成すること
により、従来の紙製容器の容器強度を大幅に向上するの
みならず、紙製容器が濡れた場合においても外装紙容器
の強度低下を大幅に低減させ、十分な容器強度を確保
し、耐水性および耐熱水性を有する紙製容器を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】予め打ち抜き加工および罫線加工が施され
た成型前駆体となる板紙を折り曲げ加熱圧着成型(深絞
り成型)することにより、成型前駆体となる板紙の端面
が容器の開口部周辺にしか配されることのない紙製容器
において、成型前駆体となる板紙基材が、樹脂含浸加工
して得られた板紙基材であることを特徴とする紙製容器
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用洗剤などの
トイレタリー用品、および食料品、化粧品、などの内容
物を収納する、紙製容器、もしくはプラスチックからな
る内装容器と紙からなる外装容器で被覆接合されている
紙製容器に関するものであり、詳しくは樹脂含浸紙を用
いた紙製容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が深刻化し、容器類なら
びに包装材料の易廃棄性が必要とされ、易焼却性、リサ
イクル性、またはリサイクル材料使用の需要が高まって
いる。そこでプラスチック製の容器の外側を紙で被覆し
た紙製容器が提案されている。また、プラスチック使用
量を大幅に低減した紙製容器や、廃棄時には紙とプラス
チックの分別が可能な紙製容器が種々提案されている。
【0003】プラスチックと紙からなる紙製容器は、環
境問題、省資源化に対応するため、内装容器に使用する
プラスチックを極力少なくする傾向にある。そのため内
装容器自体の容器としての強度物性は大きく低下するの
で、紙製の外装容器とプラスチック製の内装容器を組み
合わせることにより、容器自体の強度物性を確保してい
る。
【0004】従来の紙製容器としては、ボトル、トレイ
が代表的で、この紙製容器は従来のプラスチックボトル
やプラスチックトレーと同等の容器物性、とりわけ容器
の座屈強度が要求される。内装容器と外装容器は、接着
剤等を介して接合することにより、一体化することが一
般的である。プラスチック樹脂の使用量が極限近くに減
量化された紙製容器において、座屈強度を確保するた
め、外装容器として比較的坪量の大きい紙部材、または
バージンパルプから製造され高強度な紙部材、例えば、
牛乳パック用途等に使用されるいわゆるミルク原紙など
の紙部材が一般的に使用されている。
【0005】しかしながら、従来の紙製容器において、
とりわけ紙部材の端面から吸水した場合に紙基材の強度
が著しく低下し、耐水性を有するとは言い難いものであ
った。また紙製容器に耐水性を付与するために、内装容
器の樹脂使用量を大きく低減させずに、容器全体の湿潤
時の強度を確保するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題を
解決することを目的として、プラスチックからなる内装
容器の外側が紙からなる外装容器で被覆接合されている
紙製容器において、外装容器を樹脂含浸紙を用いて形成
することにより、従来の紙製容器の容器強度を大幅に向
上するのみならず、紙製容器が濡れた場合においても外
装紙容器の強度低下を大幅に低減させ、十分な容器強度
を確保し、耐水性および耐熱水性を有する紙製容器を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は以下の手段
によって解決できる。
【0008】本発明の第1発明は、予め打ち抜き加工お
よび罫線加工が施された成型前駆体となる板紙を、折り
曲げ加熱圧着成型(深絞り成型)することにより、成型
前駆体となる板紙の端面が、容器の開口部周辺にしか配
されることのない紙製容器において、成型前駆体となる
板紙基材が、樹脂含浸加工して得られた板紙基材である
ことを特徴とする紙製容器としたものである。
【0009】本発明の第2発明は、前記紙製容器に用い
る樹脂含浸紙が、抄紙段階で樹脂が内添、または層間に
噴霧された紙からなることを特徴とする請求項1記載の
紙製容器としたものである。
【0010】本発明の第3発明は、前記紙製容器に用い
る樹脂含浸紙が抄紙された後に樹脂が外添された紙から
なることを特徴とする請求項1記載の紙製容器としたも
のである。
【0011】本発明の第4発明は、前記樹脂含浸紙とし
て、含浸される樹脂がイソシアネート系樹脂であること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
記載の紙製容器としたものである。
【0012】本発明の第5発明は、前記イソシアネート
系樹脂が、キシリレンジイソシアネート、またはイソホ
ロジイソシアネートのいずれか、またはその混合物から
なる請求項4記載の紙製容器としたものである。
【0013】本発明の第6発明は、前記樹脂含浸紙にお
いて樹脂含浸量が含浸紙の重量比1%ないし10%であ
ることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載のい
ずれか1項に記載の紙製容器としたものである。
【0014】本発明の第7発明は、前記樹脂含浸紙の少
なくとも一方の面に少なくとも1種以上の樹脂が1層以
上の積層構成からなることを特徴とする請求項1ないし
請求項6に記載の紙製容器としたものである。
【0015】本発明の第8発明は、前記紙製容器内面に
熱可塑性樹脂シートを真空成形あるいは圧空成形して一
体化した内装容器を設けてなることを特徴とする請求項
1ないし請求項7記載のいずれか1項に記載の紙製容器
としたものである。
【0016】本発明の第9発明は、前記熱可塑性樹脂シ
ートが少なくとも2種以上の樹脂が2層以上の層構成か
らなることを特徴とする請求項8に記載の紙製容器とし
たものである。
【0017】本発明の第10発明は、前記内装容器に用
いられる樹脂と、前記外装容器に用いられる含浸紙に含
浸された樹脂の合計重量比率が、容器全体重量の50%
未満であることを特徴とする請求項1ないし請求項9の
いずれか1項に記載の紙製容器としたものである。
【0018】本発明の第11発明は、前記紙製容器が蓋
材を完全密封できるフランジを有するトレイ形状である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか
1項に記載の紙製容器としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、さらに詳細に説明する。
【0020】本発明の第1発明は、予め打ち抜き加工お
よび罫線加工が施された成型前駆体となる板紙を折り曲
げ加熱圧着成型(深絞り成型)することにより、成型前
駆体となる板紙の端面が容器の開口部周辺にしか配され
ることのない紙製容器において、成型前駆体となる板紙
基材が、樹脂含浸加工して得られた板紙基材であること
を特徴とする紙製容器としたものである。
【0021】本発明は、図1に示す予め打ち抜き加工お
よび罫線加工が施された成型前駆体となる板紙を、図2
に示すように折り曲げ加熱圧着成型(深絞り成型)する
ことにより、成型前駆体となる板紙の端面が容器の開口
部周辺にしか配されることのない紙製容器において、成
型前駆体となる板紙基材が、樹脂含浸加工して得られた
板紙基材であることを特徴とする紙製容器としたもので
ある。
【0022】含浸紙を得るための板紙基材は、100%
バ−ジンパルプのものから古紙を含んだコ−トボ−ル、
片面にクレイコート処理されたものなど様々な種類の原
紙の紙基材を用いることが可能である。これらの紙基材
に、抄紙段階あるいは抄紙後の二次加工として外添によ
り、剛性、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸し
たものである。ただし、ここでの紙基材はパルプからな
る板状の繊維構造物を全て包含し、いわゆる紙の種類に
限定されるものではない。そして厚みは、80g/m2
〜600g/m2の範囲で目的に応じて適宜選択すれば
良い。
【0023】紙基材に含浸する樹脂は、紙基材の乾燥強
度および耐水性、湿潤強度を付与できるものとして、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷ
ん等が、また、湿潤時紙力増強剤としては尿素ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミンホムルアルデヒド樹脂、でんぷ
ん、ポリアミドアミン、そのエピクロルヒドリン変性
体、さらには各種ラテックス、例えば天然ゴムラテック
ス、SBR、NBR、ポリクロロプレン等の合成ゴムラ
テックス、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデンもしくはこれらの共重合体の
樹脂ラテックスなどが用いられる。
【0024】さらに耐熱水性まで付与できる樹脂として
は、シラン系樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂の
他に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチ
レン樹脂やポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂など
も要求される耐熱水温度により選択使用することが可能
である。また、付加機能としてはっ水性などが要求され
る場合においても、必要な耐熱水性を損なわない限り、
要求機能レベルに応じて上記の樹脂材料を複合もしくは
混合して使用することも可能である
【0025】また含浸紙の片面、あるいは紙の両面に樹
脂層を有する積層体を使用することも可能であり、外装
容器となる含浸紙の、外側面にポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂がラミネートされた構成のものが好まし
く用いられる。さらに、内面側にもポリエチレンやポリ
プロピレンのようなポリオレフィン系樹脂のほか、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアル
コ−ル共重合体のようなバリア性樹脂の単体やもしくは
これらの樹脂を組み合わせた複合フィルムなども使用可
能である。
【0026】すなわち、紙基材に剛性、耐水性、耐熱水
性を付与することによって、外装容器の乾燥時の剛性、
湿潤時および熱水湿潤時の剛性を高めることをはかる。
これにより紙製容器の容器強度を大幅に向上でき、紙製
容器が濡れた場合においても外装紙容器の強度低下を大
幅に低減させることにより十分な容器強度を確保し、耐
水性および耐熱水性を有する紙製容器を得る。
【0027】本発明の第2発明は、前記紙製容器に用い
る樹脂含浸紙が、抄紙段階で樹脂が内添、または層間に
噴霧された紙からなることを特徴とする請求項1記載の
紙製容器としたものである。
【0028】抄紙工程において樹脂を含浸すなわち内添
することにより、紙部材の厚み方向全体にわたり均等に
前述の樹脂を配することができる。さらには多層抄きの
場合には、任意の層または層間にのみ含浸薬剤を配する
ことができる。また抄紙段階で樹脂を含浸することで、
紙製容器として所望する紙部材の機能レベルに応じて、
含浸紙の密度や厚み、内添する樹脂量など任意に決定す
ることができる。
【0029】本発明の第3発明は、前記紙製容器に用い
る樹脂含浸紙が抄紙された後に、樹脂が外添された紙か
らなることを特徴とする請求項1記載の紙製容器とした
ものである。
【0030】含浸紙を外添により得る場合は、使用する
紙基材の種類として、100%バ−ジンパルプのものか
ら故紙からなるコ−トボ−ル、再生故紙を一部含むも
の、NBKP材やLBKP材の使用率、木材パルプ以外
のケナフ、バンブーから抄紙された紙、片面にクレイコ
ート処理された紙、など様々な種類の原紙を用いること
が可能である。ここでの紙基材はパルプからなる板状の
繊維構造物を全て包含し、いわゆる紙の種類に限定され
るものではない。すなわち紙製容器の形状や内容物の種
類や重量により、基材として使用可能なものを任意に選
択すればよい。
【0031】そして、抄紙後の二次加工として剛性、耐
水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸するものであ
る。この外添による含浸方法としては、繊維構造物を含
浸剤中に浸し過剰量の含浸剤を一時的に付与できるディ
ッピング法や、好ましくは、含浸剤を一定量だけ塗工ま
たは含浸させるグラビアコーティング法や、ロールコー
ティング法などがあり、基材繊維構造物の表裏から含浸
処理することも可能である。
【0032】さらに2ユニット以上あるグラビア含浸方
法では、はじめに紙基材内部に含浸させる含浸剤を片面
もしくは両面より施し、基材内部にまで含浸剤を浸透さ
せる。その後の最後のユニットで紙基材の表面にコーテ
ィング被膜層の形成等が可能となる。そこで得られた含
浸紙は、例えば含浸紙の内部全体にわたり湿潤紙力増強
剤などが含浸され高い湿潤強度を有し、含浸紙表層には
はっ水剤等を配することにより高いはっ水効果を有する
ことができる。すなわち紙基材に含浸剤を供給できる方
法であれば、使用される紙基材や含浸剤の種類にもよる
が、それらに応じて、いずれの方法を任意に選択するこ
とができる。さらにはこれらの加工は二次加工的に行わ
れるため、抄紙工程に比較すると少量の加工が安価に行
うことができる。
【0033】本発明の第4発明は、前記樹脂含浸紙とし
て、含浸される樹脂がイソシアネート系樹脂であること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
記載の紙製容器としたものである。
【0034】含浸剤として紙基材に含浸させる樹脂に、
イソシアネート系樹脂を用いると、耐水性、耐熱性が向
上し、好ましい。
【0035】このイソシアネート樹脂は紙に含浸するこ
とにより紙の湿潤強度が向上するもので、イソシアネー
トと紙中の水分により形成される尿素化合物は極めて高
い耐熱性、耐水性、耐熱水性を有するものであり、この
イソシアネート含浸紙は、吸水性も著しく低減できる。
外装容器としてイソシアネート樹脂含浸紙を用いること
により、紙製容器が乾燥状態のみならす、湿潤状態にあ
っても、保形性、座屈強度などが極めてすぐれた外装容
器が得られる。またボイル殺菌やレトルト殺菌工程にお
いても、イソシアネート樹脂含浸紙を外装容器として用
いた紙製容器であれば、それらの熱水条件下においても
極めて高い保形性を示し、耐熱水性を有するものであ
る。
【0036】含浸するイソシアネート樹脂として、ポリ
イソシアネート化合物として、これまで知られている各
種のもの、例えばフェニレンジイソシアネート(PD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレ
ンジイソシアネート(NDI)、4,4‘ジイソシアネ
ートジフェニルメタン(MDI)、等の芳香族ジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等の
芳香族脂肪族ジイソシアネート、水添TDI、水添XD
I、水添MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の
脂肪族、若しくは脂環状ジイソシアネートおよびこれら
の誘導体であるポリオール付加物、ビュレット体、3量
体である3官能以上のポリイソシアネート、リジントリ
イソシアネート(LTI)等の3官能イソシアネートの
他、イソシアネートを含む各種のオリゴマー、ポリマー
を使用することができる。
【0037】本発明の第5発明は、前記イソシアネート
系樹脂が、キシリレンジイソシアネート、またはイソホ
ロジイソシアネートのいずれか、またはその混合物から
なる請求項4記載の紙製容器としたものである。
【0038】前記イソシアネート樹脂材料の中で、この
含浸紙を用いた紙製容器を食品用途に使用する場合は、
XDI、またはIPDI系のいずれかの樹脂を用いるこ
とが好ましい。
【0039】本発明の第6発明は、前記樹脂含浸紙にお
いて樹脂含浸量が含浸紙の重量比1%ないし10%であ
ることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載のい
ずれか1項に記載の紙製容器としたものである。
【0040】含浸紙に含浸する樹脂の量は、前述のイソ
シアネート樹脂などの高度に湿潤強度を向上できる薬剤
の場合でも含浸紙の重量比で1%ないし10%であるこ
とが好ましい。使用する含浸薬剤の構造にもよるが、前
述のイソシアネート樹脂を重量比で1%ないし10%含
浸することにより、含浸紙の湿潤時引っ張り強度が、乾
燥時の30%以上有することができる。さらにボイル殺
菌処理やレトルト殺菌処理に相当する熱水処理後におい
ても、その湿潤時引っ張り強度が乾燥時の30%以上を
有することができる。このように設定することにより、
耐熱性、耐水性が向上し、湿潤時における容器の保形
性、剛性を維持することができる。
【0041】本発明の第7発明は、前記樹脂含浸紙の少
なくとも一方の面に少なくとも1種以上の樹脂が1層以
上の積層構成からなることを特徴とする請求項1ないし
請求項6に記載の紙製容器としたものである。
【0042】また、含浸紙の少なくとも一方の面に設け
られる樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレ−ト
樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂、あるいはそれら
の混合物やポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環
状ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、そし
てポリアクリロニトリル樹脂など選択することができ
る。
【0043】一方、前記樹脂材料は、単一の樹脂材料だ
けでなく、2種以上の樹脂材料で2層以上の積層構成と
することにより、各種機能を付与することができる。
【0044】さらに、含浸紙の少なくとも一方の面に設
けられる樹脂材料として、ポリエチレン樹脂やポリプロ
ピレン樹脂などポリオレフィン系の樹脂のほか、ポリエ
ステル樹脂なども使用される。これらの樹脂と、ポリア
ミド樹脂やエチレン−ビニルアルコ−ル共重合体のよう
なバリア性樹脂を、2層以上の多層構成として容器の内
面に設けることにより、紙製容器に酸素バリア性や保香
性を付与することができる。
【0045】本発明の第8発明は、前記紙製容器内面に
熱可塑性樹脂シートを真空成形あるいは圧空成形して一
体化した内装容器を設けてなることを特徴とする請求項
1ないし請求項7記載のいずれか1項に記載の紙製容器
としたものである。
【0046】本発明の第9発明は、前記熱可塑性樹脂シ
ートが少なくとも2種以上の樹脂が2層以上の層構成か
らなることを特徴とする請求項8に記載の紙製容器とし
たものである。
【0047】容器の最内層を真空成形あるいは圧空成形
したプラスチック容器とすることにより、容器の最内層
に接合部のないきわめて密封性に優れる容器を得ること
ができる。
【0048】一方、内装容器は、単一のプラスチック材
料だけでなく、2種以上の材料により、2層以上の積層
構成とすることにより、各種機能を付与することができ
る。
【0049】紙製容器の内装容器に使用される樹脂は、
ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などポリオレフ
ィン系の樹脂のほか、ポリエステル樹脂などが使用され
る。これらの樹脂と、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニ
ルアルコ−ル共重合体のようなバリア性樹脂を、2層以
上の多層構成とした内装容器を使用することにより、紙
製容器に酸素バリア性や保香性を付与することができ
る。
【0050】本発明の第10発明は、内装容器に用いら
れる樹脂と外装容器に用いられる含浸紙に含浸された樹
脂の合計重量比率が、容器全体重量の50%未満である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1
項に記載の紙製容器としたものである。ここで、本発明
の紙製容器において、内装容器と外装容器の紙に含浸な
いし積層された樹脂の重量比率を複合容器全体重量の5
0%未満とすると、廃棄時に可燃ゴミ、またはリサイク
ルゴミとして取り扱われるので好ましい。
【0051】外装容器として前述のように樹脂含浸紙を
用いることにより、乾燥時の容器剛性および湿潤時の容
器剛性が高められる。したがって、紙製容器は内装容器
としてのプラスチック容器の容器肉厚を著しく薄くする
ことができ、容器全体としての樹脂使用量を50%未満
としても、十分な容器強度を備える。さらに好ましく
は、充填される内容物や内装容器の成形方法にもよる
が、樹脂使用量を30%未満とすることが可能であり、
乾燥時や湿潤時においても十分な容器強度を備えること
ができる。
【0052】本発明の第11発明は、前記紙製容器が蓋
材を完全密封できるフランジを有するトレイ形状である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか
1項に記載の紙製容器としたものである。
【0053】レトルト処理やボイル処理がなされる内装
容器として使用される場合、容器の密封性が必要とな
る。そのためには、容器に完全密封ができるためのフラ
ンジ部分を設けることが好ましい。また、紙製容器の形
状や内容物やその重量にもよるが、熱水処理工程におい
ても外観や容器としての強度が少なからず低下する。そ
こで紙製容器の周方向の形状を拘束するための形状とし
て、容器の外周にフランジを設けることが好ましい。紙
製容器と蓋材を完全に接着することにより、紙製容器へ
の熱水の浸透を、紙製容器のフランジ端部のみとするこ
とができ、紙製容器の強度低下を大幅に低減することが
できる。さらに食品等の簡単なトレイとして使用する場
合においても、外装容器を構成する含浸紙と内装容器を
構成するプラスチック容器が完全に接着されていること
によりトレイとしての十分な強度を維持できるものであ
る。
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を示して詳細
に説明する。
【0054】<実施例1>外装容器として用いる含浸紙
の紙基材として坪量300g/m2のノーコートカップ
原紙を使用し、イソシアネート樹脂をグラビアコーティ
ング法により紙基材の両面から含浸処理を行い、含浸紙
を得た。この含浸紙にさらに印刷を施した。これをトレ
イ形状の紙製容器となるよう打ち抜き成型し、本発明の
紙製容器外装を得た。この外装容器を、真空シート成型
器の金型内に挿入し、内装容器の外面となる側に予め接
着剤を塗布したポリプロピレン/EVOH/ポリプロピ
レン構成のシートにて、真空成形を行うと同時に外装容
器と接着し、トレイ形状の紙製容器を得た。紙製容器の
容量は200mlである。得られた紙製容器に食品を充
填し、蓋材をシールした後にレトルト処理を行った。紙
製容器は、熱水処理においても十分な強度を有してお
り、含浸紙端面の層間剥離等の外観不良もなく、レトル
ト処理に十分耐えうるものであった。またトレイ形状の
紙製容器は、内容物を食するときの簡便なトレー容器と
して利用できるものであった。(EVOH:エチレン−
酢酸ビニルケン化物)
【0055】<実施例2>外装容器として用いる含浸紙
の紙基材として坪量300g/m2のノーコートカップ
原紙を使用し、イソシアネート樹脂をグラビアコーティ
ング法により紙基材の両面から含浸処理を行い、含浸紙
を得た。この含浸紙にポリプロピレン/EVOH/ポリ
プロピレン構成のシートをラミネートしさらに印刷を施
した。これをトレイ形状の外装容器となるよう打ち抜き
成型し、紙製容器を得た。紙製容器の容量は200ml
である。得られた紙製容器に食品を充填し、蓋材をシー
ルした後にレトルト処理を行った。紙製容器は、熱水処
理においても十分な強度を有しており、含浸紙端面の層
間剥離等の外観不良もなく、レトルト処理に十分耐えう
るものであった。またトレイ形状の紙製容器は、内容物
を食するときの簡便なトレー容器として利用できるもの
であった。(EVOH:エチレン−酢酸ビニルケン化
物)
【0056】<実施例3>外装容器として用いる含浸紙
の紙基材として坪量310g/m2のコートボールを使
用し、イソシアネート樹脂をディッピング法により含浸
処理を行い、含浸紙を得た。この含浸紙のノーコート面
にポリエチレン樹脂を押し出しラミネート法により貼り
合わせ、実施例2と同様に紙製容器を得た。得られた紙
製容器を固形石鹸容器として浴室で使用した。紙製容器
は、含浸紙端部の層間剥離等の外観不良もなく、また吸
水しても強度の大幅な低下もなく、浴室での使用に十分
耐えうるものであった。
【0057】<比較例1>外装容器として用いる紙とし
て坪量310g/m2のコートボール原紙を使用し、印
刷を施し表裏にポリエチレン樹脂を押し出しラミネート
により張り合わせ、実施例2と同様に紙製容器を得た。
得られた紙製容器を固形石鹸容器として浴室で使用し
た。しかし、外装容器の紙の端部からの吸水が大きく、
容器強度を失い、浴室での使用に耐えるものではなかっ
た。
【0058】
【発明の効果】本発明により、プラスチックからなる内
装容器の外側が紙からなる外装容器で被覆接合されてい
る紙製容器において、外装容器が樹脂含浸紙とすること
により、容器強度、耐水性、耐熱水性に極めて優れる紙
製容器を得ることが可能になった。さらには外装容器と
内装容器の接合部/非接合部の中で接合部分の面積の比
率を調整することにより使用時には強度的に問題のない
易分離性を有する紙製容器を得ることができ、使用を終
えた易分離性紙製容器は内装容器と外装容器を容易に分
離させることが可能となった。従来では内装容器は分別
廃棄されるところにとどまっていたが、内装容器と外装
容器が完全にかつ容易に分別できるため、外装容器だけ
でなく内装容器、すなわち容器の全部がリサイクル可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の展開図。
【図2】本発明の一実施例の斜視図。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め打ち抜き加工および罫線加工が施され
    た成型前駆体となる板紙を折り曲げ加熱圧着成型(深絞
    り成型)することにより、成型前駆体となる板紙の端面
    が容器の開口部周辺にしか配されることのない紙製容器
    において、成型前駆体となる板紙基材が、樹脂含浸加工
    して得られた板紙基材であることを特徴とする紙製容
    器。
  2. 【請求項2】前記紙製容器に用いる樹脂含浸紙が、抄紙
    段階で樹脂が内添、または層間に噴霧された紙からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の紙製容器。
  3. 【請求項3】前記紙製容器に用いる樹脂含浸紙が、抄紙
    された後に樹脂が外添された紙からなることを特徴とす
    る請求項1記載の紙製容器。
  4. 【請求項4】前記樹脂含浸紙として含浸される樹脂が、
    イソシアネート系樹脂であることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれか1項に記載の紙製容器。
  5. 【請求項5】前記イソシアネート系樹脂が、キシリレン
    ジイソシアネート、またはイソホロジイソシアネートの
    いずれか、またはその混合物からなる請求項4記載の紙
    製容器。
  6. 【請求項6】前記樹脂含浸紙において、樹脂含浸量が含
    浸紙の重量比1%ないし10%であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項5に記載のいずれか1項に記載の
    紙製容器。
  7. 【請求項7】前記樹脂含浸紙の少なくとも一方の面に、
    少なくとも1種以上の樹脂が1層以上の積層構成からな
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載の紙
    製容器。
  8. 【請求項8】前記紙製容器内面に、熱可塑性樹脂シート
    を真空成形あるいは圧空成形して一体化した内装容器を
    設けてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7記
    載のいずれか1項に記載の紙製容器。
  9. 【請求項9】前記熱可塑性樹脂シートが、少なくとも2
    種以上の樹脂が2層以上の層構成からなることを特徴と
    する請求項8に記載の紙製容器。
  10. 【請求項10】前記内装容器に用いられる樹脂と、前記
    外装容器に用いられる含浸紙に含浸された樹脂の合計重
    量比率が、容器全体重量の50%未満であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の
    紙製容器。
  11. 【請求項11】前記紙製容器が、蓋材を完全密封できる
    フランジを有するトレイ形状であることを特徴とする請
    求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の紙製容
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004028792A1 (ja) * 2002-09-25 2004-04-08 Deguchi, Hiroaki 食品収納容器およびその上蓋、食品収納用容器、食品収納用容器と上蓋の製造方法

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WO2004028792A1 (ja) * 2002-09-25 2004-04-08 Deguchi, Hiroaki 食品収納容器およびその上蓋、食品収納用容器、食品収納用容器と上蓋の製造方法

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