JP2003027375A - 繊維処理剤組成物および繊維処理方法 - Google Patents

繊維処理剤組成物および繊維処理方法

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JP2003027375A
JP2003027375A JP2001214840A JP2001214840A JP2003027375A JP 2003027375 A JP2003027375 A JP 2003027375A JP 2001214840 A JP2001214840 A JP 2001214840A JP 2001214840 A JP2001214840 A JP 2001214840A JP 2003027375 A JP2003027375 A JP 2003027375A
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fiber
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Hideo Sawada
英夫 沢田
Takashige Maekawa
隆茂 前川
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極性有機溶剤に対する溶解性に優れた撥水撥油
処理用の繊維処理剤組成物の提供および繊維の品質を低
下させることなく、洗濯耐久性に優れた撥水撥油性を繊
維に付与する方法の提供。 【解決手段】両末端にポリフルオロアルキル基またはポ
リフルオロシクロアルキル基を有し、アミド基および/
またはアセチルアセトキシ基を有するモノマ単位を全重
合単位に対し50mol%以上有する重合体を含有する
繊維処理剤組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維の撥水撥油処
理に用いる繊維処理剤組成物に関する。また、本発明
は、繊維に撥水撥油性を付与することを目的とする繊維
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料等の繊維製品に撥水撥油性や
耐水耐油性を付与するために、フッ素系の撥水撥油剤で
処理することが盛んに行われている。このような撥水撥
油剤のうち、フッ素を含有する基を有する重合体を、有
機溶媒に溶解させた溶剤型のフッ素系撥水撥油剤は、簡
単に加工ができ、常温で処理できる等の利点がある。溶
剤型のフッ素系撥水撥油剤に関しては、以下の例が知ら
れている。
【0003】(1)ペルフルオロアルキル基を含有する
(メタ)アクリレートの重合した単位とシクロヘキシル
基を含有する(メタ)アクリレートの重合した単位を含
む共重合体からなる溶剤型撥水撥油剤(特開昭50−1
9687号公報)。 (2)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレートの重合した単位、シクロヘキシルメタクリレー
トの重合した単位、ポリエチレングリコールジアクリレ
ートの重合した単位、およびN−メチロールアクリルア
ミドの重合した単位を含む共重合体からなる溶剤型撥水
撥油剤(特開平1−26614号公報)。 (3)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレートとアルキル基を含有する(メタ)アクリレート
との共重合体、無水フタル酸、炭化水素系溶剤を含む繊
維処理剤(特開平5−262948号公報)。 (4)ポリフルオロオキシアルキル基含有(メタ)アク
リレートの重合した単位、ジカルボン酸無水物基含有
(メタ)アクリレートの重合した単位、およびオクタデ
シルメタクリレートの重合した単位を含む共重合体、お
よび、炭化水素系溶剤と酢酸エチルを含む撥水撥油剤
(特開平7−197018号公報)。 (5)ペルフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレートの重合した単位を含む重合体、および、環状無
水カルボン酸基含有重合体を含む溶剤型撥水撥油剤組成
物(特開平7−197379、特開平7−216347
号公報)。 (6)ポリフルオロアルキル基を含有する(メタ)アク
リレートの重合した単位と、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルの重合した単位を含む重合体と、炭化水素系
溶剤および極性溶剤の混合溶剤を含む溶剤型撥水撥油剤
組成物(特開平9−118876号公報)。 (7)ポリフルオロアルキル基含有(メタ)アクリレー
トの重合した単位、炭化水素基を含有する(メタ)アク
リレートの重合した単位、不飽和基を含有する酸無水物
の重合した単位、およびトリシアヌレートの重合した単
位を含む共重合体、および有機溶剤を含む撥水撥油剤組
成物(特開平9−95516号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなフッ素系の
溶剤型撥水撥油剤を製造する場合、ペルフルオロアルキ
ル基等のフッ素を含有する基を有する重合性化合物は、
アルコールやN,N’−ジメチルホルムアミド(DM
F)等の極性有機溶剤に対する溶解性が低く、そのた
め、これらの重合性化合物に対する溶解性に優れた塩素
化フッ素化炭化水素類、トリクロロエタン等の塩素化炭
化水素類、フッ素化炭化水素類等のハロゲン系溶剤が重
合媒体として用いられてきた。しかし、これらハロゲン
系溶剤のうち塩素系溶剤については、環境に悪影響を与
えることから、化学物質等審査規制法の指定化学物質と
され、現在使用が制限されている。フッ素系溶剤につい
ても、特定フロンに指定され、現在使用が禁止されてい
るものもあり、また、代替フロンに該当するものについ
ても、地球温暖化ガスとして作用することが懸念されて
いるものもある。そのため、アルコールやN,N’−ジ
メチルホルムアミド(DMF)等の極性有機溶剤に対し
て優れた溶解性または分散性を示し、これらを溶剤とし
て使用することができる撥水撥油処理用の繊維処理剤の
開発が求められていた。
【0005】また、最近、環境を意識した水を使用した
ドライクリーニングシステムの普及や家庭へのタンブラ
ー乾燥機の普及をうけて、水を用いた洗濯方法とタンブ
ラードライによる衣類の洗濯方法に対する撥水撥油性の
耐久性が評価されるようになってきた。これまで、この
ような洗濯耐久性の向上のために、加工時にフッ素系撥
水撥油剤組成物に加えて、メチロールメラミン樹脂また
はブロックイソシアネート樹脂などの架橋性樹脂プレポ
リマーおよびその架橋触媒を繊維との密着性を向上させ
るバインダー(架橋剤)として併用することが多く行わ
れていた。しかし、フッ素系撥水撥油剤組成物に、これ
らのバインダーを多量に導入すると、繊維の風合いが硬
くなるなど繊維の品質低下につながったり、撥水性が低
下するといった問題があった。また、メチロールメラミ
ン樹脂やブロックイソシアネートといったバインダー
と、フッ素系の撥水撥油剤とは、互いに相溶性を持たな
いため、架橋効率が低く、数回の洗濯により低下してし
まい、撥水撥油性の持続効果が低いという問題があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するためになされたものであり、アルコールやDMF
等の極性有機溶剤に対する溶解性が高く、これらの極性
有機溶剤を溶剤として使用することができる撥水撥油処
理用の繊維処理剤組成物を提供する。また、本発明の繊
維処理剤組成物は、メチロールメラミン樹脂やブロック
イソシアネートといったバインダーと相溶性を有するた
め、バインダーとの架橋効率が高く、バインダーを併用
して加工した場合でも撥水性の持続効果が優れている。
本発明は、また、特定のモノマ単位を含み、かつ特定の
構造を有し、極性有機溶剤に可溶な重合体をフッ素系の
溶剤型繊維処理剤に添加して繊維を処理する方法を提供
する。
【0007】本発明の第1の態様は、両末端にポリフル
オロアルキル基またはポリフルオロシクロアルキル基を
有し、アミド基および/またはアセチルアセトキシ基を
有するモノマ単位を構成単位として含み、アミド基およ
び/またはアセチルアセトキシ基を有するモノマ単位を
全モノマ単位に対し50mol%以上有する重合体を含
有する繊維処理剤組成物である。
【0008】本発明の第2の態様は、第1の態様の重合
体と、この重合体以外のフッ素系の撥水撥油剤との混合
物で繊維を処理して、繊維に撥水撥油性を付与する方法
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様の繊維処理剤
組成物は、両末端にポリフルオロアルキル基またはポリ
フルオロシクロアルキル基を有し、アミド基および/ま
たはアセチルアセトキシ基を有するモノマ単位を構成単
位として含み、アミド基および/またはアセチルアセト
キシ基を有するモノマ単位を全モノマ単位に対し50m
ol%以上有する重合体(以下、「本発明の重合体」と
いう。)を主成分として含有する。
【0010】本発明における重合体は、下式(1)で表
される重合体であることが好ましい。 Rf−(A)m −(B)n −Rf ・・・(1) 式(1)中、Rfはポリフルオロアルキル基またはポリ
フルオロシクロアルキル基、Aはアミド基および/また
はアセチルアセトキシ基を含むモノマ単位、BはA以外
のモノマ単位、mは1〜100、nは0〜100であ
る。なお、上式において、Rf基は両末端に存在するこ
とが必要であるが、片末端のみにRf基を任意の割合で
含んでいてもよく、モノマ単位A、Bはこの順序に存在
していることを示すものではない。すなわち、上式はモ
ノマ単位A、Bを構成単位として含むことを示すのであ
って、これらモノマ単位がブロック重合体であることに
は限定されず、ランダム重合体であってもよい。以下、
本明細書において、アクリレートとメタクリレートとを
総称して(メタ)アクリレートと記す。(メタ)アクリ
ルアミド等の表記においても同様である。また、本明細
書において、ポリフルオロアルキル基またはポリフルオ
ロシクロアルキル基をRf基と記す。
【0011】本発明において、Rf基とは、炭素−炭素
結合間に、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫
黄原子が介在していてもよく、塩素原子で置換されてい
てもよいアルキル基またはシクロアルキル基の水素原子
の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。Rf基
の炭素数は1〜10が好ましく、特に3〜8が好まし
い。Rf基は、アルキル基の場合、直鎖構造であっても
分岐構造であってもよく、直鎖構造が好ましい。分岐構
造である場合には、分岐部分がRf基の末端部分に存在
し、かつ炭素数1〜4の短鎖であるのが好ましい。ま
た、Rf基において、フッ素原子の一部が他のハロゲン
原子で置換されていてもよく、他のハロゲン原子として
は塩素原子が好ましい。この場合、他のハロゲン原子へ
の置換は、置換後のフッ素原子の数が、[(Rf基中の
フッ素原子数)/(Rf基と同一炭素数の対応するアル
キル基またはシクロアルキル基中に含まれる水素原子数
および他のハロゲン原子数の合計)]×100(%)で
表現した場合に、60%以上であることが好ましく、特
に80%以上であることが好ましい。さらに、Rf基
は、アルキル基またはシクロアルキル基の水素原子の全
てがフッ素原子に置換された基(すなわちペルフルオロ
アルキル基)、ペルフルオロアルキル基を末端部分に有
する基、またはペルフルオロシクロアルキル基を含む基
が好ましい。
【0012】Rf基は、好ましくは下式(2)で表され
る基であるか、またはペルフルオロシクロヘキシル基を
含む基である。 −(CF2 s X ・・・(2) 式(2)において、sは1〜10の整数であり、Xはフ
ッ素原子、塩素原子または水素原子のいずれかである。
式(2)で表される基については−(CF2 3 F、−
(CF2 4 F、−(CF2 5 F、−(CF2
6 F、−(CF2 7 F、−(CF2 8 F、−(CF
2 9 F、−(CF2 10Fで示されるペルフルオロア
ルキル基が特に好ましい。Rf基がこれらであると、重
合体の撥水撥油性が優れており、また溶剤への溶解性が
優れている。
【0013】モノマ単位Aは、アミド基および/または
アセチルアセトキシ基を1つ以上有し、重合性不飽和基
を1個または2個有する重合性モノマのモノマ単位であ
ればいずれであってもよい。モノマ単位Aは、好ましく
は下式(4)で表されるモノマ単位である。 −(CH2 CD1 2 )− ・・・(4) 式(4)において、D1 は水素原子またはメチル基であ
り、D2 は下式(5)または(7)で表されるアミド基
または下式(6)で表されるアセチルアセトキシ基であ
る。 −C(O)NR1 2 ・・・(5) −C(O)OR5 OC(O)R4 C(O)R3 ・・・(6) −C(O)NR6 ・・・(7)
【0014】式(5)において、R1 、R2 は相互に独
立して水素原子、アルコキシル基若しくは水酸基若しく
はアシル基を有していてもよいアルキル基、アリール基
またはシクロアルキル基である。式(5)において、ア
ルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ま
しく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イ
ソプロピル基が特に好ましい。アルキル基の有するアル
コキシル基としては、炭素数1〜4のアルコキシル基が
好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基、ブトキシ基が特に好ましい。アシル基を有するアル
キル基としては、1,1−ジメチル−3−オキソブチル
基が好ましく挙げられる。アリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、ベンジル基等が好ましく、アルキル
基、アルコキシル基、スルホニル基、カルボキシル基等
の置換基を有していてもよい。シクロアルキル基として
は、シクロヘキシル基、アルキルシクロヘキシル基等が
好ましい。
【0015】式(6)において、R3 は炭素数1〜8の
アルキル基であり、R4 は炭素数1〜4のアルキレン基
であり、R5 は炭素数1〜4のアルキルレン基である。
式(6)中、R3 としてはメチル基、エチル基、プロピ
ル基が好ましい。R4としては、メチレン基、エチレン
基が好ましい。R5 としては、メチレン基、エチレン基
が好ましい。式(7)において、R6 はヘテロ原子を含
んでもよい2価の有機基である。本発明の重合体に含ま
れるモノマ単位Aは、1種単独でも2種以上でもよい。
【0016】アミド基を有するモノマ単位Aに相当する
ビニル系モノマとしては、N−メチロール(メタ)アク
リルアミド、N−モルホリノ(メタ)アクリルアミド、
N−アルキル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アク
リルアミド、N−アルコキシアルキル(メタ)アクリル
アミド、N−シクロアルキル(メタ)アクリルアミド、
N−アルコキシメチロール(メタ)アクリルアミド、N
−アリール(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中で
も、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリ
ルアミドが特に好ましい。
【0017】アセチルアセトキシ基を有するモノマ単位
Aに相当するビニル系モノマとしては、アセチルアセト
キシ(メタ)アクリレート、アセチルアセトキシエチル
(メタ)アクリレート等が好ましい。このように、構成
単位としてアミド基および/またはアセチルアセトキシ
基を有することにより繊維との反応性、密着性が特に優
れ、また、極性有機溶剤に対する溶解性が優れる。
【0018】モノマ単位Bは、上記モノマ単位A以外
の、重合性の不飽和基を1個または2個有する重合性モ
ノマであればいずれであってもよい。但し、モノマ単位
Bは、任意の構成単位であって、必ずしも含まれている
必要はない。このようなモノマ単位Bに相当するビニル
系モノマとしては、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ) アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ) アクリレート、オクチ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレ
ート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、
モノオレフィン、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリ
デン、カルボン酸ビニルエステル、スチレン、置換スチ
レン、アルキルビニルエーテル、(置換アルキル)ビニ
ルエーテル、ビニルアルキルケトン、ジオレフィン、グ
リシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)
アクリレート、アジリジニルアルキル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリオ
キシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエ
ーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレー
ト、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリ
レート、トリアリルシアヌレート、アリルグリシジルエ
ーテル、カルボン酸アリルエステル、N−ビニルカルバ
ゾール、N−メチルマレイミド、マレイン酸ジアルキル
エステル、置換アミノアルキル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。また、モノマ単位Bに相当するビニル系
モノマとして、ブロックイソシアネート基を有するモノ
マを使用することもできる。ここで、ブロックイソシア
ネート基とは、イソシアネート基がブロック化された構
造の基であり、具体的には、特開2000−25630
2号公報に例示されるモノマが挙げられる。モノマ単位
Bは、上記例示したものから目的に応じて適宜選択して
よく、重合体の極性有機溶剤への溶解性、被処理物への
接着性、架橋性、造膜性、柔軟性、防汚性、または汚れ
落ち性を調節したり、改善したりする。例えば、側鎖の
長い(メタ)アクリレートを使用すれば、繊維に柔軟性
を付与することができ、ポリオキシエチレン鎖を有する
(メタ)アクリレートを使用すれば汚れ落ち性を改善で
きる。
【0019】上式(1)で表す重合体において、モノマ
単位Aは、全モノマ単位すなわちモノマ単位Aとモノマ
単位Bとの合計に対し、50mol%以上含まれ(すな
わち、m/(m+n)≧0.5)、70mol%以上含
まれることが好ましく、80mol%以上含まれること
が特に好ましい。モノマ単位Aが重合体中に80mol
%以上存在すると、繊維に対する密着性、反応性が特に
優れる。また、極性有機溶剤に対する溶解性が特に優
れ、フッ素系の撥水撥油剤との相溶性が特に優れる。こ
のため、効率よく撥水撥油性を付与でき、優れた洗濯耐
久性が得られる。
【0020】また、上式(1)において、mは1〜10
0であり、好ましくは1〜50であり、特に好ましくは
1〜20である。nは0〜100であり、好ましくは0
〜20であり、特に好ましくは0〜10である。m、n
が上記範囲であると、撥水撥油性と極性有機溶剤に対す
る溶解性のいずれにおいても優れている。
【0021】以下に本発明の重合体の好ましい製造方法
を説明する。上式(1)で表す重合体は、両末端にポリ
フルオロアルキル基またはポリフルオロシクロアルキル
基を有する過酸化アシルと、上記のモノマ単位A、Bに
相当するビニル系モノマを反応させることにより得るこ
とができる。両末端にポリフルオロアルキル基またはポ
リフルオロシクロアルキル基を有する過酸化アシルは、
具体的には、下式(8)で表される。 RfC(=O)OOC(=O)Rf ・・・(8) 式中、Rfは、上式(1)のRfと同一である。式
(8)で表される過酸化アシルと、モノマA、Bを反応
させる際、モノマA、Bの合計は、過酸化アシルに対し
(仕込み)モル比で1〜500、特に2〜100の範囲
とするのが好ましい。この比が2〜100であると、過
酸化アシルの自己分解に起因する生成物が大量に発生せ
ず、目的とする両末端にポリフルオロアルキル基が存在
する本発明の重合体の収率が高いため好ましい。また、
この比を調整することにより、得られる重合体の分子量
を調節することができる。例えばこの比を小さくして、
過酸化アシルの使用量(仕込み量)を合計モノマのそれ
に対し高くすると低分子量の重合体を得ることができる
し、またこの比を大きくして過酸化アシルの使用量(仕
込み量)を合計モノマのそれに対し低くすると高分子量
の重合体を得ることができる。
【0022】反応条件については、各種原料の種類や使
用割合などにより変動するが、通常、常圧下、−20〜
150℃、好ましくは0〜100℃の範囲の反応温度が
用いられる。この反応温度が−20℃未満では反応時間
が長くなるし、また150℃を超えると反応時の圧力が
高くなりすぎたり、過酸化アシルの分解が促進されたり
して、反応系の制御が困難となるので好ましくない。ま
た、反応時間は通常1〜10時間が望ましい。このよう
な反応条件下において、前記過酸化アシルと前記モノマ
を反応させることにより、目的の重合体を直接一段階反
応で得ることができるが、反応をより円滑に行うために
1種以上の有機溶媒を用いることが好ましい。
【0023】有機溶媒としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ジオ
キサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、メチル−t−ブチルエーテル等のエー
テル類、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル等のアルコール類、トルエン、キシレン、ヘキサン等
の炭化水素類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド
(DMF)、アセトアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、酢酸エチル、酢酸ブチル、マロン酸ジエチル
等のカルボン酸エステル類、ペンタフルオロジクロロプ
ロパン、トリデカフルオロヘキサン、塩化メチレン等の
含フッ素および/または含塩素炭化水素類等、およびこ
れら溶媒の混合物が挙げられ、これらの有機溶媒は水と
混合して使用してもよい。前記溶媒を使用する場合、通
常溶媒中のモノマの濃度が1〜50質量%、中でも1〜
20質量%であるのが望ましい。また、過酸化アシルの
過剰な分解を抑え、反応を制御する目的から、含フッ素
および/または含塩素炭化水素を使用することが好まし
い。
【0024】重合時に、両末端にポリフルオロアルキル
基またはポリフルオロシクロアルキル基を有する過酸化
アシルは、ラジカル開始剤として作用するが、これに加
えてアゾ系、アゾアミジン系、過酸化物系、レドックス
系等の他のラジカル開始剤を系内に含めてもよい。中で
もアゾ系およびアゾアミジン系のラジカル開始剤が好ま
しく、例えば2, 2' −アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等が挙げられる。これらのラジカル開始
剤は、過酸化アシルとともにラジカルを発生し、モノマ
のポリマへの転換効率を向上させる。
【0025】このようにして得られた本発明の重合体は
単離して用いてもよいが、単離せずに有機溶媒、未反応
物、副生成物および過酸化アシルの分解物を含んだもの
を繊維処理剤組成物として使うこともできる。ここで、
副生成物としては、両末端にポリフルオロアルキル基ま
たはポリフルオロシクロアルキル基を有するが、アミド
基および/またはアセチルアセトキシ基を有するモノマ
単位を全モノマ単位に対し50mol%未満でしか有さ
ない重合体等が挙げられる。
【0026】次に本発明の繊維処理剤組成物を説明す
る。本発明の繊維処理剤組成物は、少なくとも本発明の
重合体と極性有機溶剤とを含有するが、上述のようにし
て得られた本発明の重合体は単離して、または単離せず
に有機溶媒、未反応物、副生成物および過酸化アシルの
分解物を含んだ状態で、極性有機溶剤と混合する。ここ
で極性有機溶剤とは、分子構造中に極性基を有する溶剤
を意味し、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アシ
ル基、およびアルコキシル基等の極性基、またはエーテ
ル結合アミド結合等の極性部分を1個以上有する溶剤が
好ましい。極性基または極性部分の数は、1分子中に1
個または2個以上のいずれであってもよく、2個以上の
場合には、1分子中に異なる極性基または極性部分が存
在していてもよい。極性有機溶剤としては、公知の溶剤
のうち、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステ
ル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶
剤およびこれらの混合物が好ましく、これらの極性有機
溶媒は水と混合して使用してもよい。アルコール系溶剤
としては、エチルアルコール、ブチルアルコール、イソ
プロピルアルコール等が挙げられる。グリコール系溶剤
としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびそれ
らのアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル等が挙げられる。エステル系溶
剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等の二塩基酸エス
テル等が挙げられる。ケトン系溶剤としては、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン等が挙
げられる。エーテル系溶剤としては、ジオキサン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、メチル−t−ブチルエーテル等が挙げられる。アミ
ド系溶剤としては、ホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられ
る。これらのうち、本発明における極性有機溶剤として
は、アセトン、乳酸エチル、コハク酸ジエチル、アジピ
ン酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルのアセテート、プロピレングリ
コールモノエチルエーテルのアセテート、ジメチルホル
ムアミド、テトラヒドロフラン、およびこれらの溶剤と
水との混合物が好ましい。
【0027】さらに、本発明の繊維処理剤組成物は、上
記の化合物以外の他の化合物を含ませてもよい。他の化
合物としては、メチロールメラミン樹脂やブロックイソ
シアネート樹脂などの架橋剤、防虫剤、難燃剤、帯電防
止剤、防しわ剤などの添加剤等が挙げられる。これら
は、繊維処理剤の処理目的や被処理物等に応じて適宜変
更できる。本発明の繊維処理剤組成物の固形分濃度は、
目的または用途、加工条件等に応じて調整することがで
きる。固形分濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、
0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜10質量
%が特に好ましい。なお、固形分濃度には、本発明の重
合体、ラジカル開始剤および上記他の化合物の濃度が含
まれるが、本発明の繊維処理剤組成物においては、固形
分濃度は本発明の重合体の濃度とほぼ等しいと考えられ
る。固形分濃度は極性有機溶媒の添加量によって調整さ
れる。
【0028】被処理物への適用方法は、被処理物の種類
または組成物の調製形態等に応じて、任意の方法が採用
されうる。例えば、浸漬塗布またはスプレー法等の被覆
加工方法により被処理物の表面に付着させ乾燥する方法
が採用される。また、必要ならば適当な架橋剤とともに
適用し、キュアリングなどの熱処理を行ってもよい。ナ
イロン、ポリエステル等の繊維織物に適用する場合に
は、適度な撥水撥油性を得るため、織物の風合いを保つ
ため、または経済的な見地から、固形分濃度は0.1〜
10質量%が好ましく、特に0.5〜5質量%が好まし
い。そして、充分な撥水撥油剤性の発現のため、キュア
リングなどの熱処理(温度は80〜200℃、時間は3
0〜300秒間)を行うことが好ましい。本発明の繊維
処理剤組成物で処理される被処理物は、主として繊維ま
たは繊維織物であるが、これら以外のもの、例えば、ガ
ラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、
金属およびその酸化物、窯業製品、プラスチック等の処
理に使用してもよい。繊維としては、ポリアミド、ポリ
エステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レ
ーヨン、アセテート等の半合成繊維、動植物性天然繊
維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊
維、またはこれらの混合繊維が挙げられる。
【0029】本発明の繊維処理剤組成物は、他の撥水撥
油効果を持つ他の繊維処理剤、具体的にはフッ素系の撥
水撥油剤と併用してもよい。本発明の重合体は、両末端
にポリフルオロアルキル基を含むため、従来のフッ素系
の撥水撥油剤と相溶性が高い。また、アミド基を有する
モノマ単位および/またはアセチルアセトキシ基を有す
るモノマ単位を含むため繊維との接着性、密着性が高
く、また、フッ素系の撥水撥油剤の重合体成分と繊維と
の架橋剤としても作用することができ、撥水撥油剤成分
の繊維への接着性を高められる。本発明者らは、アミド
基およびアセチルアセトキシ基が架橋剤として作用しう
るのは、これらの基の極性が高く、繊維上に存在する水
酸基、カルボニル基等の極性官能基との反応性に優れて
いるためと考えている。このため、従来のメチロールメ
ラミン樹脂やブロックイソシアネート樹脂を従来のフッ
素系撥水撥油剤に併用した場合に比べ、架橋効率が高
く、その結果、洗濯による撥水撥油効果の低下が少な
い。すなわち、本発明の繊維処理剤を従来のフッ素系の
撥水撥油剤と併用した場合、フッ素系の撥水撥油剤の洗
濯耐久性が向上する。
【0030】本発明の第2の態様の繊維を処理する方法
では、第1の態様で示した本発明の重合体と該重合体以
外のフッ素系の撥水撥油剤との混合物で繊維を処理して
繊維に撥水撥油性を付与する。本発明の第2の態様の繊
維処理方法において、フッ素系撥水撥油剤に添加する本
発明の重合体については、第1の態様の繊維処理剤組成
物において記載した通りである。フッ素系の撥水撥油剤
についても、公知のいずれであってもよく、溶剤系の撥
水撥油剤および水系の媒体に撥水撥油効果をもつ重合体
を分散させた水系の撥水撥油剤のどちらでもよい。この
ような撥水撥油剤としては、具体的には、アサヒガード
(AG480、AG5850等、旭硝子社)、ユニダイ
ン(ダイキン社)、スコッチガード(3M社)、ディッ
クガード(大日本インキ社)、テフロンファブリックプ
ロテクター(デュポン社)、オレオフォボール(チバス
ペシャリティ社)、フォラペル(Forapearl 、アトフィ
ナ社)等を使用できる。本発明の重合体と撥水撥油剤を
混合する方法は特に限定されず、本発明の第1の態様の
繊維処理剤組成物のように、本発明の重合体を溶剤で溶
かし溶液状にして添加して混合してもよく、また、製造
された本発明の重合体を単離して、または単離せずに直
接撥水撥油剤に添加して混合してもよい。本発明の重合
体と撥水撥油剤との混合比は、両者の固形分濃度で1:
100〜100:1が好ましく、10:100〜10
0:10が特に好ましい。また、本発明の重合体とフッ
素系の撥水撥油剤以外に他の成分、例えば、メチロール
メラミン樹脂やブロックイソシアネート樹脂等の架橋剤
を混合してもよい。
【0031】繊維を処理する方法は、公知の方法であっ
てよく、例えば、本発明の重合体と撥水撥油剤の混合物
に繊維を浸漬してもよいし、混合物を繊維にスプレーし
てもよい。また、混合物で繊維の表面をコーティングし
て乾燥させてもよい。さらに、必要ならば、繊維の処理
後にキュアリングを行ってもよい。本発明の繊維を処理
する方法で処理される被処理物は、主として繊維または
繊維織物であるが、これら以外のもの、例えば、ガラ
ス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金
属およびその酸化物、窯業製品、プラスチック等の処理
に使用してもよい。繊維としては、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レ
ーヨン、アセテート等の半合成繊維、動植物性天然繊
維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊
維、またはこれらの混合繊維が挙げられる。
【0032】本発明の重合体は、両末端にポリフルオロ
アルキル基またはポリフルオロシクロアルキル基を有す
るため、従来のフッ素系の撥水撥油剤と相溶性が高い。
また、アミド基を有するモノマ単位および/またはアセ
チルアセトキシ基を有するモノマ単位を含むため、フッ
素系の撥水撥油剤の重合体成分と繊維との架橋剤として
作用しうる。このため、本発明の繊維を処理する方法
は、本発明の重合体を含む混合物を用いることにより、
従来のメチロールメラミン樹脂やブロックイソシアネー
ト樹脂をバインダーに使用した場合に比べ、架橋効率が
高く、その結果、洗濯による撥水撥油効果の低下が少な
い。すなわち、本発明の繊維を処理する方法は、被処理
物の撥水撥油性が優れており、特に撥水撥油効果の洗濯
耐久性が優れている。
【0033】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではない。 [例1]100mLのガラス製反応器に、N−メトキシ
メチルアクリルアミド(N−MAA)1.29g(10
mmol)を入れ、溶媒としてフッ素系の溶剤(AK−
225、旭硝子社製)20.0gを加えた。反応器を窒
素気流下35℃に温度制御し、これにポリフルオロアル
キル基を含有する過酸化アシルとして過酸化ジ(パーフ
ルオロヘプタノイル)1.8g(2.5mmol)をA
K−225に溶解した溶液20gをゆっくり滴下し、滴
下終了後、45℃で5時間反応させた。反応後、やや粘
性のある淡黄色の液体が得られた。この液体の固形分濃
度を測定したところ、6.5質量%であった。得られた
溶液を、DMFで希釈して固形分濃度1質量%の溶液を
調製した。この溶液にポリエステルトロピカル布を試験
布として浸漬し、2本のゴムローラの間で布を絞ってウ
ェットピックアップを80質量%にした後、ピンテンタ
ーにて110℃で90秒間、続いて170℃で60秒間
キュアリングを行った。得られた試験布について、AA
TCC−Test Method118−1997によ
り撥油性を評価したところ、表1に示す撥油性ナンバー
で3級であった。
【0034】
【表1】 表1中、部は質量部を表す。
【0035】また、上記試験布について、表2に示す濃
度の異なる2−プロパノール水溶液のキットの液滴(径
約4mm)を静かに試験片上におき、30秒間湿潤を生
じない最高のキット数によりアルコール撥水性を評価し
たところ4級であった。なお、キット数の大きい方が撥
水性に優れることを示す。
【0036】
【表2】
【0037】さらに、上記試験布について、洗濯後の撥
油性およびアルコール撥水性を評価した。洗濯は、JI
S L 1092:1998 5.2a)3)C法に従
い、家庭における洗濯5回相当の洗濯(「HL−5」と
記す。)を行った。洗濯には、全自動繰り返し洗濯試験
機((株)大栄科学性器製、商品名「AWS−30」)
と、洗剤(花王(株)製、商品名「アタック」)を用い
た。洗濯後の乾燥は、ピンテンターにて90℃3分間行
った。その結果、洗濯後の撥油性は2級、アルコール撥
水性は3級であった。
【0038】[例2]希釈する溶媒をDMFの代わり
に、エタノールに変えた以外は例1と同様に実施し、評
価した。撥油性は4級であり、アルコール撥水性は4級
であった。また、洗濯後の撥油性は3級であり、アルコ
ール撥水性は2級であった。
【0039】[例3]N−MAAの代わりに、N−ブト
キシメチルアクリルアミド(NBM)1.57g(10
mmol)を入れ、アゾ系のラジカル開始剤として2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(V65、和光社製)0.05gを加えた以外は例1と
同様に実施し、やや粘性のある淡黄色の液体が得られ
た。得られた液体の固形分濃度は7.0質量%であっ
た。得られた液体を例1と同様にDMFで希釈して固形
分濃度1質量%の溶液300gを調製して評価したとこ
ろ、撥油性は4級であり、アルコール撥水性は5級であ
った。また、洗濯後の撥油性は3級であり、アルコール
撥水性は3級であった。
【0040】[例4]N−MAAの代わりに、ジアセト
ンアクリルアミド(DAAM)1.66g(10mmo
l)を入れ、V65を0.05g加えた以外は例1と同
様に実施し、やや粘性のある淡黄色の液体が得られた。
得られた液体の固形分濃度は6.8質量%であった。得
られた液体を例1と同様にDMFで希釈して固形分濃度
1質量%の溶液300gを調製して評価したところ、撥
油性は4級であり、アルコール撥水性は5級であった。
また、洗濯後の撥油性は3級であり、アルコール撥水性
は4級であった。
【0041】[例5]N−MAAの代わりに、アセチル
アセトニルオキシエチルアクリレート(AAA)2.0
g(10mmol)を入れた以外は例1と同様に実施
し、透明の液体が得られた。得られた液体の固形分濃度
は7.1質量%であった。得られた液体を例1と同様に
DMFで希釈して固形分濃度1質量%の溶液300gを
調製して評価したところ、撥油性は3級であり、アルコ
ール撥水性は4級であった。また、洗濯後の撥油性は2
級であり、アルコール撥水性は3級であった。
【0042】[例6]N−MAAの代わりに、NBM
1.57g(10mmol)を入れ、V65を0.05
g加え、過酸化ジ(パーフルオロヘプチル)の代わりに
過酸化ジ(パーフルオロブチリル)を用いた以外は例1
と同様に実施し、透明の液体が得られた。得られた液体
の固形分濃度は6.1質量%であった。得られた液体を
例1と同様にDMFで希釈して固形分濃度1質量%の溶
液300gを調製して評価したところ、撥油性は3級で
あり、アルコール撥水性は3級であった。また、洗濯後
の撥油性は2級であり、アルコール撥水性は2級であっ
た。
【0043】[例7]100mLのガラス反応器に、パ
ーフルオロオクチルエチルアクリレート5.2gとN−
メトキシメチルアクリルアミド1.0gを入れ、AK2
25の50gを加えた。これに2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1gを入れ、
窒素気流下、45℃で10時間反応させた。重合物は凝
集沈殿しており溶液状で取り出すことはできなかった。
【0044】[例8]100mLのガラス反応器に、N
−MAM2.0g(19.8mmol)を入れ、エタノ
ール50gを加えた。これに2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)0.05gを入れ、窒素
気流下、45℃で10時間反応させた。重合物は凝集沈
殿しており溶液状で取り出すことはできなかった。
【0045】[例9]例1で得られた重合体のDMF溶
液(固形分濃度1質量%)20gおよび、フッ素系の水
系撥水撥油剤AG480(旭硝子社製)10gを水に加
えて300gの溶液を調製した。この溶液にポリエステ
ルトロピカル布を試験布として浸漬し、2本のゴムロー
ラで布を絞ってウェットピックアップを75質量%にし
た後、ピンテンターにて110℃で90秒間、続いて1
70℃で60秒間キュアリングを行って得られた試験布
について撥油性および撥水性を評価した。撥油性の評価
は例1と同様にして実施した。撥水性の評価は、JIS
−L1092 1992のスプレー試験により行い、表
3に示す撥水性ナンバーで表した。その結果、撥油性は
2級で、撥水性は80であった。また、例1と同様にし
て洗濯後の撥油性および撥水性を評価したところ、撥油
性は2級、撥水性は80であった。
【0046】
【表3】
【0047】[例10]例1のDMF溶液を使用せず、
フッ素系の水系撥水撥油剤(AG480)10gを水に
溶解して300gの溶液を調製した。この溶液を用いて
例9と同様に撥油性および撥水性を評価したところ、撥
油性は3級、撥水性100であった。例9と同様に洗濯
後の撥油性および撥水性を評価したところ、撥油性は1
級、撥水性は70に低下した。
【0048】
【発明の効果】本発明の繊維処理剤組成物は、アルコー
ルやDMFといった極性有機溶剤に溶解し、または分散
することから、これらに溶解して繊維の撥水撥油処理用
の処理剤として使用することができる。また、本発明の
繊維処理剤組成物は、従来のフッ素系の撥水撥油剤と相
溶性を有するため、フッ素系の撥水撥油剤の架橋剤とし
て好適に作用し、メチロールメラミン樹脂やブロックイ
ソシアネート樹脂といった従来のバインダーに比べて、
架橋効率が高く、洗濯による撥水撥油性の低下が少な
い。すなわち、フッ素系の撥水撥油剤の洗濯耐久性を向
上させる。本発明の繊維処理方法を用いれば、従来のフ
ッ素系の撥水撥油剤の洗濯によって撥水撥油性が低下す
る問題が解消される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 BA13 BA24 4J100 AB02R AE18R AL03R AL04R AL05R AL08Q AL08R AL09R AL10R AL62R AL66R AM15P AM17P AM19P AM21P AQ21R AQ26R BA02R BA03P BA03R BA04P BA08R BA12P BC04R BC54R BC65R BC75S BC79P CA05 FA03 JA11 4L033 AA07 AA08 AB05 AC03 AC04 CA22 CA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両末端にポリフルオロアルキル基またはポ
    リフルオロシクロアルキル基を有し、 アミド基および/またはアセチルアセトキシ基を有する
    モノマ単位を構成単位として含み、 アミド基および/またはアセチルアセトキシ基を有する
    モノマ単位を全重合単位に対し50mol%以上有する
    重合体を含有する繊維処理剤組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の重合体と、該重合体以外
    のフッ素系の撥水撥油剤との混合物で繊維を処理して繊
    維に撥水撥油性を付与する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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