JP2003026493A - ポリヒドロキシアルカノエートからなる徐放性肥料及びその製造方法 - Google Patents
ポリヒドロキシアルカノエートからなる徐放性肥料及びその製造方法Info
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- JP2003026493A JP2003026493A JP2001208702A JP2001208702A JP2003026493A JP 2003026493 A JP2003026493 A JP 2003026493A JP 2001208702 A JP2001208702 A JP 2001208702A JP 2001208702 A JP2001208702 A JP 2001208702A JP 2003026493 A JP2003026493 A JP 2003026493A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 肥料成分の徐放性を高度に制御し、施用後は
生分解されて環境に負荷を与える物質を残留させない徐
放性肥料、及び加熱処理や変性作用の強い化学物質を使
用せず、そのため生物肥料に対しても適用できるなど肥
料の種類を選ばない該徐放性肥料の簡便な製造方法を提
供すること。 【解決手段】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵素
を肥料組成物に固定化し、ここに3-ヒドロキシアシル補
酵素Aを加えて反応させることにより、ポリヒドロキシ
アルカノエートによって肥料組成物の表面の少なくとも
一部を被覆する。
生分解されて環境に負荷を与える物質を残留させない徐
放性肥料、及び加熱処理や変性作用の強い化学物質を使
用せず、そのため生物肥料に対しても適用できるなど肥
料の種類を選ばない該徐放性肥料の簡便な製造方法を提
供すること。 【解決手段】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵素
を肥料組成物に固定化し、ここに3-ヒドロキシアシル補
酵素Aを加えて反応させることにより、ポリヒドロキシ
アルカノエートによって肥料組成物の表面の少なくとも
一部を被覆する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の脂肪族ポリ
エステルで肥料組成物の少なくとも一部を被覆すること
により、目的に応じた任意の濃度で、任意の期間、肥料
成分を作物に供給する徐放性を有し、施用後は被膜成分
が分解し、環境に対して負荷を与える物質を残存させな
いことを特徴とする徐放性肥料に関する。
エステルで肥料組成物の少なくとも一部を被覆すること
により、目的に応じた任意の濃度で、任意の期間、肥料
成分を作物に供給する徐放性を有し、施用後は被膜成分
が分解し、環境に対して負荷を与える物質を残存させな
いことを特徴とする徐放性肥料に関する。
【0002】
【背景技術】現在、肥料は作物増産のために多く用いら
れているが、過剰供給による作物の肥やけや、流亡肥料
による水系環境の富栄養化を抑え、かつ安定した肥料効
果を発現するには、肥料成分を必要最低限の濃度で安定
かつ連続的に供給する必要がある。また、短期間で効力
を失うものは散布回数が多くなるため、作業性の点から
も長期間肥効が保たれることが望まれる。そこでこのよ
うな目的を達成するために、近年、徐放性肥料が注目さ
れてきている。
れているが、過剰供給による作物の肥やけや、流亡肥料
による水系環境の富栄養化を抑え、かつ安定した肥料効
果を発現するには、肥料成分を必要最低限の濃度で安定
かつ連続的に供給する必要がある。また、短期間で効力
を失うものは散布回数が多くなるため、作業性の点から
も長期間肥効が保たれることが望まれる。そこでこのよ
うな目的を達成するために、近年、徐放性肥料が注目さ
れてきている。
【0003】徐放性肥料とは、肥料成分にポリマー等の
添加物を加えることで肥料成分の表面積を低くする、あ
るいは肥料成分を添加物によって被覆し、その被膜を透
過させる等の方法によって肥料成分の外部環境中への放
出を制御するものである。
添加物を加えることで肥料成分の表面積を低くする、あ
るいは肥料成分を添加物によって被覆し、その被膜を透
過させる等の方法によって肥料成分の外部環境中への放
出を制御するものである。
【0004】この徐放性肥料は、無機肥料や有機肥料に
おいて主に用いられているが、例えば特開平6−189
745号公報や特開平8−157288号公報に記載さ
れているように、化学物質だけでなく、生物肥料に対し
ても、適用されてきている。
おいて主に用いられているが、例えば特開平6−189
745号公報や特開平8−157288号公報に記載さ
れているように、化学物質だけでなく、生物肥料に対し
ても、適用されてきている。
【0005】ところで、徐放性肥料は農林地等の環境中
に散布して用いることがほとんどであり、徐放性機能を
付与するために使用される添加剤が環境中に残留するよ
うな材質の場合、環境を汚染することになりかねない。
そこで、徐放性肥料の添加剤として、生分解性材料を用
いることが検討されている。また、添加剤の生分解性機
能によって徐放作用を発揮させることも検討されてい
る。
に散布して用いることがほとんどであり、徐放性機能を
付与するために使用される添加剤が環境中に残留するよ
うな材質の場合、環境を汚染することになりかねない。
そこで、徐放性肥料の添加剤として、生分解性材料を用
いることが検討されている。また、添加剤の生分解性機
能によって徐放作用を発揮させることも検討されてい
る。
【0006】このような生分解性の添加剤の例として、
例えば特開平10−101465号公報には、エステル
化澱粉、エーテル化澱粉等の変性澱粉、ポリ乳酸、ポリ
カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バレエー
ト、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル、
低分子量ナイロン等の生分解性ポリアミド、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸
セルロース等のセルロース誘導体、グアーガム、アルギ
ン酸、穀物グルテン、キチン、キトサン、カゼイン、ゼ
ラチン、キサンタンガム、プルラン等の生物高分子等が
挙げられている。これら生分解性材料の中でも肥料成分
の安定な放出特性や強度、耐水性、保存性の面から脂肪
族ポリエステルが徐放性肥料の添加剤として有望視され
ている。
例えば特開平10−101465号公報には、エステル
化澱粉、エーテル化澱粉等の変性澱粉、ポリ乳酸、ポリ
カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/バレエー
ト、ポリヒドロキシアルカノエート等のポリエステル、
低分子量ナイロン等の生分解性ポリアミド、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸
セルロース等のセルロース誘導体、グアーガム、アルギ
ン酸、穀物グルテン、キチン、キトサン、カゼイン、ゼ
ラチン、キサンタンガム、プルラン等の生物高分子等が
挙げられている。これら生分解性材料の中でも肥料成分
の安定な放出特性や強度、耐水性、保存性の面から脂肪
族ポリエステルが徐放性肥料の添加剤として有望視され
ている。
【0007】さらに肥料成分を添加剤で被覆し、被覆し
た添加剤の性質を変えることで肥料成分の徐放性をより
厳密に制御することも近年検討されている。例えば特開
平6−157181号公報には、生分解性高分子を結合
剤として成形した肥料をさらに生分解性高分子で被覆す
ることにより、また、特開平10−101465号公報
では、肥料を生分解性ポリマー及び鉱物成分と混合した
のち、生分解性ポリマーを可塑化させることにより、ま
た特開2000−256087号公報には、肥料を被覆
する乳酸系ポリエステルの被膜に膨潤性無機フィラーを
添加することにより、肥料成分の徐放性を制御してい
る。
た添加剤の性質を変えることで肥料成分の徐放性をより
厳密に制御することも近年検討されている。例えば特開
平6−157181号公報には、生分解性高分子を結合
剤として成形した肥料をさらに生分解性高分子で被覆す
ることにより、また、特開平10−101465号公報
では、肥料を生分解性ポリマー及び鉱物成分と混合した
のち、生分解性ポリマーを可塑化させることにより、ま
た特開2000−256087号公報には、肥料を被覆
する乳酸系ポリエステルの被膜に膨潤性無機フィラーを
添加することにより、肥料成分の徐放性を制御してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、脂肪族ポリエ
ステルによって被覆された肥料成分の徐放性は、肥料成
分の種類や使用する環境によって大きく影響され、また
使用目的によって制御すべき徐放性も大きく異なる。し
たがって、従来の方法に加え、さらに新たなメカニズム
を用いた徐放性の制御方法が求められている。
ステルによって被覆された肥料成分の徐放性は、肥料成
分の種類や使用する環境によって大きく影響され、また
使用目的によって制御すべき徐放性も大きく異なる。し
たがって、従来の方法に加え、さらに新たなメカニズム
を用いた徐放性の制御方法が求められている。
【0009】また、徐放性の制御に関し、肥料を被覆す
る脂肪族ポリエステルの膜厚が重要な因子となりうる
が、肥料の形状や大きさによっては、被膜の膜厚を均一
に制御することが困難であった。例えば、肥料の表面が
凹凸に富んだ構造をしている場合、溶剤に溶かした樹脂
を肥料活性物質に吹き付けて被膜を作るなどの従来の方
法では、均一な被膜を作ることは容易ではなかった。ま
た、樹脂の溶解した溶剤に微粒子状の肥料を分散させ、
それを噴霧・乾燥させることで肥料粒子に樹脂の被膜を
形成するスプレードライ法など、従来微粒子のマイクロ
カプセルを作成するのに用いられてきた方法では、数m
mといった大きさの肥料に被膜を形成することができな
かった。用途の多様化・高度化とともに、徐放性肥料の
形態はますます変化に富んできており、そのため肥料の
形状や大きさによらず、被膜の膜厚を均一に制御できる
ことが求められている。
る脂肪族ポリエステルの膜厚が重要な因子となりうる
が、肥料の形状や大きさによっては、被膜の膜厚を均一
に制御することが困難であった。例えば、肥料の表面が
凹凸に富んだ構造をしている場合、溶剤に溶かした樹脂
を肥料活性物質に吹き付けて被膜を作るなどの従来の方
法では、均一な被膜を作ることは容易ではなかった。ま
た、樹脂の溶解した溶剤に微粒子状の肥料を分散させ、
それを噴霧・乾燥させることで肥料粒子に樹脂の被膜を
形成するスプレードライ法など、従来微粒子のマイクロ
カプセルを作成するのに用いられてきた方法では、数m
mといった大きさの肥料に被膜を形成することができな
かった。用途の多様化・高度化とともに、徐放性肥料の
形態はますます変化に富んできており、そのため肥料の
形状や大きさによらず、被膜の膜厚を均一に制御できる
ことが求められている。
【0010】また、従来肥料成分を脂肪族ポリエステル
で被覆する徐放性肥料の製造過程において加熱処理や有
機溶媒、反応助剤等の変性作用の強い化学物質を使用す
る場合が多かったが、肥料の種類によっては、そうした
加熱処理や化学物質の使用によって活性が損なわれるも
のもある。最も典型的な例として、生物肥料を徐放性肥
料とする場合、製造過程の加熱処理や化学物質の使用に
よって生物剤に損傷を与えるおそれがある。そのため生
物剤を凍結乾燥したり、胞子形成させるなどの保存処理
を行うことで製造時の死滅や活性の低下を防ぐ必要があ
るが、そうした保存処理によっても損傷を防ぐことは容
易ではなく、また、保存処理自体によって活性の低下を
引き起こしたり、さらにそうした保存処理が適用できな
い生物剤も多い。そのため、従来生物肥料を徐放性肥料
とする場合には、添加剤として加熱処理や変成作用の強
い化学物質を使用しない材料、製造方法に限定され、徐
放性の制御が不十分なものとなっていた。そこで、製造
過程で肥料の活性を損なうおそれのある加熱処理や変成
作用の強い化学物質を使用せず、さらに徐放性の制御を
高度に行うことができる全く新しい徐放性肥料の製造方
法が求められている。
で被覆する徐放性肥料の製造過程において加熱処理や有
機溶媒、反応助剤等の変性作用の強い化学物質を使用す
る場合が多かったが、肥料の種類によっては、そうした
加熱処理や化学物質の使用によって活性が損なわれるも
のもある。最も典型的な例として、生物肥料を徐放性肥
料とする場合、製造過程の加熱処理や化学物質の使用に
よって生物剤に損傷を与えるおそれがある。そのため生
物剤を凍結乾燥したり、胞子形成させるなどの保存処理
を行うことで製造時の死滅や活性の低下を防ぐ必要があ
るが、そうした保存処理によっても損傷を防ぐことは容
易ではなく、また、保存処理自体によって活性の低下を
引き起こしたり、さらにそうした保存処理が適用できな
い生物剤も多い。そのため、従来生物肥料を徐放性肥料
とする場合には、添加剤として加熱処理や変成作用の強
い化学物質を使用しない材料、製造方法に限定され、徐
放性の制御が不十分なものとなっていた。そこで、製造
過程で肥料の活性を損なうおそれのある加熱処理や変成
作用の強い化学物質を使用せず、さらに徐放性の制御を
高度に行うことができる全く新しい徐放性肥料の製造方
法が求められている。
【0011】本発明の目的は、肥料成分を生分解性を有
する脂肪族ポリエステルによって被覆し、従来にはない
方式によって肥料成分の放出速度を制御した徐放性肥料
を提供することにある。また、本発明の目的は、肥料成
分の形状や大きさによらず、肥料成分を比較的均一に膜
厚を制御して被覆する徐放性肥料の製造方法を提供する
ことにある。さらに、本発明の目的は、製造過程で肥料
の活性を損なうおそれのある加熱処理や化学物質を使用
しない徐放性肥料の製造方法を提供することにある。
する脂肪族ポリエステルによって被覆し、従来にはない
方式によって肥料成分の放出速度を制御した徐放性肥料
を提供することにある。また、本発明の目的は、肥料成
分の形状や大きさによらず、肥料成分を比較的均一に膜
厚を制御して被覆する徐放性肥料の製造方法を提供する
ことにある。さらに、本発明の目的は、製造過程で肥料
の活性を損なうおそれのある加熱処理や化学物質を使用
しない徐放性肥料の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリヒドロキシア
ルカノエート(以下PHAと略す)合成酵素を肥料組成物
に固定化し、ここに3-ヒドロキシアシル補酵素Aを加え
て反応させることにより、PHAによって肥料組成物を容
易に被覆でき、さらに上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
に、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリヒドロキシア
ルカノエート(以下PHAと略す)合成酵素を肥料組成物
に固定化し、ここに3-ヒドロキシアシル補酵素Aを加え
て反応させることにより、PHAによって肥料組成物を容
易に被覆でき、さらに上記目的を達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明は、肥料組成物の表面の少
なくとも一部をPHAで被覆した徐放性肥料に関する。
なくとも一部をPHAで被覆した徐放性肥料に関する。
【0014】さらに、水性媒体に分散された肥料組成物
の表面に固定されたポリヒドロキシアルカノエート合成
酵素の存在下で、3-ヒドロキシアシルCoAを基質とし
て、ポリヒドロキシアルカノエート合成反応を行うこと
で該肥料組成物表面の少なくとも一部をポリヒドロキシ
アルカノエートで被覆することを特徴とする徐放性肥料
の製造方法に関する。
の表面に固定されたポリヒドロキシアルカノエート合成
酵素の存在下で、3-ヒドロキシアシルCoAを基質とし
て、ポリヒドロキシアルカノエート合成反応を行うこと
で該肥料組成物表面の少なくとも一部をポリヒドロキシ
アルカノエートで被覆することを特徴とする徐放性肥料
の製造方法に関する。
【0015】本発明の徐放性肥料は、PHAが肥料組成物
を被覆することで形成されるため、強度や耐水性、保存
性に優れ、施用後は生分解されて消失するため、環境に
負荷を与える物質を残留させることがない。
を被覆することで形成されるため、強度や耐水性、保存
性に優れ、施用後は生分解されて消失するため、環境に
負荷を与える物質を残留させることがない。
【0016】また、PHA合成酵素は肥料組成物の形状や
大きさによらず、その表面に均一に吸着・固定化できる
ため、固定化されたPHA合成酵素によってPHAを合成すれ
ば、徐放性機能の安定的な発現にとって十分均一な膜厚
によって肥料組成物を被覆することができる。また、PH
Aの合成量はPHA合成酵素の反応条件や反応時間によって
調整できるため、PHAの膜厚もある範囲で制御すること
ができる。また、肥料組成物表面に固定化する酵素の密
度とPHAの合成量を調整することで、PHAによって被覆さ
れる肥料組成物の表面積を任意に設定することができ、
肥料組成物の表面を完全に被覆するだけでなく、肥料組
成物表面の一部のみをパッチ状に被覆することも可能で
ある。さらにPHA合成酵素に与える3-ヒドロキシアシル
補酵素Aの種類を適宜選択することで、生分解性や肥料
成分の透過性等、徐放性に影響する物性を様々に選択で
きるのみならず、徐放性肥料の目的に則した様々な機能
を徐放性肥料に付与することが可能となる。以上のよう
な特長によって、被覆された肥料組成物の徐放性を目的
に応じて制御することが可能である。
大きさによらず、その表面に均一に吸着・固定化できる
ため、固定化されたPHA合成酵素によってPHAを合成すれ
ば、徐放性機能の安定的な発現にとって十分均一な膜厚
によって肥料組成物を被覆することができる。また、PH
Aの合成量はPHA合成酵素の反応条件や反応時間によって
調整できるため、PHAの膜厚もある範囲で制御すること
ができる。また、肥料組成物表面に固定化する酵素の密
度とPHAの合成量を調整することで、PHAによって被覆さ
れる肥料組成物の表面積を任意に設定することができ、
肥料組成物の表面を完全に被覆するだけでなく、肥料組
成物表面の一部のみをパッチ状に被覆することも可能で
ある。さらにPHA合成酵素に与える3-ヒドロキシアシル
補酵素Aの種類を適宜選択することで、生分解性や肥料
成分の透過性等、徐放性に影響する物性を様々に選択で
きるのみならず、徐放性肥料の目的に則した様々な機能
を徐放性肥料に付与することが可能となる。以上のよう
な特長によって、被覆された肥料組成物の徐放性を目的
に応じて制御することが可能である。
【0017】また、本発明の徐放性肥料をPHA合成酵素
の酵素反応によって製造することにより、40℃以上の
加熱処理や、有機溶媒等の変性作用の強い化学物質を使
用しないため、適用する肥料の種類を選ばず、特に生物
肥料に用いる生物剤を徐放性肥料とすることができる。
の酵素反応によって製造することにより、40℃以上の
加熱処理や、有機溶媒等の変性作用の強い化学物質を使
用しないため、適用する肥料の種類を選ばず、特に生物
肥料に用いる生物剤を徐放性肥料とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。
する。
【0019】<PHA>本発明に利用可能なPHAとしては、
PHAの生合成反応に関わるPHA合成酵素によって合成され
得るPHAであれば、特に限定はされない。
PHAの生合成反応に関わるPHA合成酵素によって合成され
得るPHAであれば、特に限定はされない。
【0020】ここで、PHAの生合成は、原料となる各種
アルカン酸から、生体内の様々な代謝経路(例えば、β
酸化系や脂肪酸合成経路)を経て生成された(R)-3-ヒ
ドロキシアシルCoAを基質とした、酵素による重合反応
によって行われる。この重合反応を触媒する酵素がPHA
合成酵素(PHAポリメラーゼ、PHAシンターゼともいう)
である。
アルカン酸から、生体内の様々な代謝経路(例えば、β
酸化系や脂肪酸合成経路)を経て生成された(R)-3-ヒ
ドロキシアシルCoAを基質とした、酵素による重合反応
によって行われる。この重合反応を触媒する酵素がPHA
合成酵素(PHAポリメラーゼ、PHAシンターゼともいう)
である。
【0021】なお、CoAとは補酵素A(coenzyme A)の
略称であり、その化学構造は下記式の通りである。
略称であり、その化学構造は下記式の通りである。
【0022】
【化37】
【0023】以下に、β酸化系およびPHA合成酵素によ
る重合反応を経て、アルカン酸がPHAとなるまでの反応
を示す。
る重合反応を経て、アルカン酸がPHAとなるまでの反応
を示す。
【0024】
【化38】
【0025】一方、脂肪酸合成経路を経る場合は、該経
路中に生じた(R)-3-ヒドロキシアシル-ACP(ACPとはア
シルキャリアプロテインのことである)から変換された
(R)-3-ヒドロキシアシルCoAを基質として、同様にPHA合
成酵素によりPHAが合成されると考えられる。
路中に生じた(R)-3-ヒドロキシアシル-ACP(ACPとはア
シルキャリアプロテインのことである)から変換された
(R)-3-ヒドロキシアシルCoAを基質として、同様にPHA合
成酵素によりPHAが合成されると考えられる。
【0026】さらに、上記のPHB合成酵素やPHA合成酵素
を菌体外に取り出して、無細胞系(in vitro)でPHAを
合成できることもわかっており、以下のような実例があ
る。例えば、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,6279-6283(19
95)では、アルカリゲネス・ユウトロファス(Alcaligen
es eutrophus)由来のPHB合成酵素に3-ヒドロキシブチ
リルCoAを作用させることにより、3-ヒドロキシ-n-酪酸
ユニットからなるPHBを合成することに成功している。
また、Int.J.Biol.Macromol.,25,55-60(1999)では、ア
ルカリゲネス・ユウトロファス由来のPHB合成酵素に、3
-ヒドロキシブチリルCoAや3-ヒドロキシバレリルCoAを
作用させることにより、3-ヒドロキシ-n-酪酸ユニット
や3-ヒドロキシ-n-吉草酸ユニットからなるPHAの合成に
成功している。さらにこの報告では、ラセミ体の3-ヒド
ロキシブチリルCoAを作用させたところ、酵素の立体選
択性によって、R体の3-ヒドロキシ-n-酪酸ユニットのみ
からなるPHBが合成されたとしている。Macromol.Rapid
Commun.,21,77-84(2000)においても、アルカリゲネス・
ユウトロファス由来のPHB合成酵素を用いた細胞外でのP
HB合成が報告されている。また、FEMS Microbiol.Let
t.,168,319-324(1998)では、クロマチウム・ビノサム
(Chromatium vinosum)由来のPHB合成酵素に3-ヒドロ
キシブチリルCoAを作用させることにより、3-ヒドロキ
シ-n-酪酸ユニットからなるPHBを合成することに成功し
ている。Appl.Microbiol.Biotechnol.,54,37-43(2000)
では、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas
aeruginosa)のPHA合成酵素に3-ヒドロキシデカノイルC
oAを作用させることにより、3-ヒドロキシデカン酸ユニ
ットからなるPHAを合成している。
を菌体外に取り出して、無細胞系(in vitro)でPHAを
合成できることもわかっており、以下のような実例があ
る。例えば、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,92,6279-6283(19
95)では、アルカリゲネス・ユウトロファス(Alcaligen
es eutrophus)由来のPHB合成酵素に3-ヒドロキシブチ
リルCoAを作用させることにより、3-ヒドロキシ-n-酪酸
ユニットからなるPHBを合成することに成功している。
また、Int.J.Biol.Macromol.,25,55-60(1999)では、ア
ルカリゲネス・ユウトロファス由来のPHB合成酵素に、3
-ヒドロキシブチリルCoAや3-ヒドロキシバレリルCoAを
作用させることにより、3-ヒドロキシ-n-酪酸ユニット
や3-ヒドロキシ-n-吉草酸ユニットからなるPHAの合成に
成功している。さらにこの報告では、ラセミ体の3-ヒド
ロキシブチリルCoAを作用させたところ、酵素の立体選
択性によって、R体の3-ヒドロキシ-n-酪酸ユニットのみ
からなるPHBが合成されたとしている。Macromol.Rapid
Commun.,21,77-84(2000)においても、アルカリゲネス・
ユウトロファス由来のPHB合成酵素を用いた細胞外でのP
HB合成が報告されている。また、FEMS Microbiol.Let
t.,168,319-324(1998)では、クロマチウム・ビノサム
(Chromatium vinosum)由来のPHB合成酵素に3-ヒドロ
キシブチリルCoAを作用させることにより、3-ヒドロキ
シ-n-酪酸ユニットからなるPHBを合成することに成功し
ている。Appl.Microbiol.Biotechnol.,54,37-43(2000)
では、シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas
aeruginosa)のPHA合成酵素に3-ヒドロキシデカノイルC
oAを作用させることにより、3-ヒドロキシデカン酸ユニ
ットからなるPHAを合成している。
【0027】このように、PHA合成酵素は、生物体内で
のPHA合成反応系における最終段階を触媒する酵素であ
り、従って、生物体内において合成され得ることが知ら
れているPHAであれば、いずれも該酵素による触媒作用
を受けて合成されていることになる。よって、所望のPH
Aに対応する3-ヒドロキシアシルCoAを、本発明における
基材に固定化された該酵素に作用させることによって、
生物体内において合成され得ることが知られているあら
ゆる種類のPHAで肥料組成物を被覆した徐放性肥料を作
成することが可能である。
のPHA合成反応系における最終段階を触媒する酵素であ
り、従って、生物体内において合成され得ることが知ら
れているPHAであれば、いずれも該酵素による触媒作用
を受けて合成されていることになる。よって、所望のPH
Aに対応する3-ヒドロキシアシルCoAを、本発明における
基材に固定化された該酵素に作用させることによって、
生物体内において合成され得ることが知られているあら
ゆる種類のPHAで肥料組成物を被覆した徐放性肥料を作
成することが可能である。
【0028】本発明で使用されるPHAとして、具体的に
は、下記式[1]から[10]で表されるモノマーユニッ
トを少なくとも1つ有するPHAを例示することができ
る。
は、下記式[1]から[10]で表されるモノマーユニッ
トを少なくとも1つ有するPHAを例示することができ
る。
【0029】
【化39】
【0030】(ただし、該モノマーユニットは、式中R1
およびaの組合せが下記のいずれかであるモノマーユニ
ットからなる群より選択される少なくとも一つである。
およびaの組合せが下記のいずれかであるモノマーユニ
ットからなる群より選択される少なくとも一つである。
【0031】R1が 水素原子(H)でありaが0から10の整
数のいずれかであるモノマーユニット、R1が ハロゲン
原子でありaが1から10の整数のいずれかであるモノマー
ユニット、R1が 発色団でありaが1から10の整数のいず
れかであるモノマーユニット、R1が、
数のいずれかであるモノマーユニット、R1が ハロゲン
原子でありaが1から10の整数のいずれかであるモノマー
ユニット、R1が 発色団でありaが1から10の整数のいず
れかであるモノマーユニット、R1が、
【0032】
【化40】
【0033】でありaが1から7の整数のいずれかである
モノマーユニット。)
モノマーユニット。)
【0034】
【化41】
【0035】(ただし、式中bは0から7の整数のいずれ
かを表し、R2は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
かを表し、R2は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
【0036】
【化42】
【0037】(ただし、式中cは1から8の整数のいずれ
かを表し、R3は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
かを表し、R3は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
【0038】
【化43】
【0039】(ただし、式中dは0から7の整数のいずれ
かを表し、R4は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
かを表し、R4は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-N
O2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。)
【0040】
【化44】
【0041】(ただし、式中eは1から8の整数のいずれ
かを表し、R5は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7,-CH3,-C2H5,-C3H
7からなる群から選ばれたいずれか1つを表す。)
かを表し、R5は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7,-CH3,-C2H5,-C3H
7からなる群から選ばれたいずれか1つを表す。)
【0042】
【化45】
【0043】(ただし、式中fは0から7の整数のいずれ
かを表す。)
かを表す。)
【0044】
【化46】
【0045】(ただし、式中gは1から8の整数のいずれ
かを表す。)
かを表す。)
【0046】
【化47】
【0047】(ただし、式中hは1から7の整数のいずれ
かを表し、R6は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2, -COOR',-SO2R'',-CH3,-C2H5,-C3H
7,-CH(CH3)2,-C(CH3)3からなる群から選ばれた
いずれか1つを表し、ここでR'は水素原子(H),Na,
K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''は-OH,-O
Na,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいず
れかである。)
かを表し、R6は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2, -COOR',-SO2R'',-CH3,-C2H5,-C3H
7,-CH(CH3)2,-C(CH3)3からなる群から選ばれた
いずれか1つを表し、ここでR'は水素原子(H),Na,
K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''は-OH,-O
Na,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいず
れかである。)
【0048】
【化48】
【0049】(ただし、式中iは1から7の整数のいずれ
かを表し、R7は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2,-COOR',-SO2R''からなる群から選ばれた
いずれか1つを表し、ここでR'は水素原子(H),Na,
K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''は-OH,-O
Na,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいず
れかである。)
かを表し、R7は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-
NO2,-COOR',-SO2R''からなる群から選ばれた
いずれか1つを表し、ここでR'は水素原子(H),Na,
K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''は-OH,-O
Na,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいず
れかである。)
【0050】
【化49】
【0051】(ただし、式中jは1から9の整数のいずれ
かを表す。)なお、前記のハロゲン原子の具体例として
は、フッ素,塩素,臭素などを挙げることができる。
かを表す。)なお、前記のハロゲン原子の具体例として
は、フッ素,塩素,臭素などを挙げることができる。
【0052】上記PHAを合成する基質として用いること
のできる3-ヒドロキシアシルCoAとして、具体的には、
下記式[12]から[21]で表される3-ヒドロキシア
シルCoAを例示することができる。
のできる3-ヒドロキシアシルCoAとして、具体的には、
下記式[12]から[21]で表される3-ヒドロキシア
シルCoAを例示することができる。
【0053】
【化50】
【0054】(ただし、前記式中-SCoA はアルカン酸に
結合した補酵素Aを表し、式中R1およびaの組合せが下記
のいずれかである群より選択される少なくとも一つであ
り、かつ、前記式[1]で表されるモノマーユニットに
おけるR1およびaと対応する。
結合した補酵素Aを表し、式中R1およびaの組合せが下記
のいずれかである群より選択される少なくとも一つであ
り、かつ、前記式[1]で表されるモノマーユニットに
おけるR1およびaと対応する。
【0055】R1が 水素原子(H)でありaが0から10の整
数のいずれかであるモノマーユニット、R1が ハロゲン
原子でありaが1から10の整数のいずれかであるモノマー
ユニット、R1が発色団でありaが1から10の整数のいずれ
かであるモノマーユニット、R1が、
数のいずれかであるモノマーユニット、R1が ハロゲン
原子でありaが1から10の整数のいずれかであるモノマー
ユニット、R1が発色団でありaが1から10の整数のいずれ
かであるモノマーユニット、R1が、
【0056】
【化51】
【0057】でありaが1から7の整数のいずれかである
モノマーユニット。)
モノマーユニット。)
【0058】
【化52】
【0059】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合
した補酵素Aを表し、bは前記式[2]で表されるモノマ
ーユニットにおけるbと対応する0から7の整数のいずれ
かを表し、R2は前記式[2]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR2と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選
ばれたいずれか1つを表す。)
した補酵素Aを表し、bは前記式[2]で表されるモノマ
ーユニットにおけるbと対応する0から7の整数のいずれ
かを表し、R2は前記式[2]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR2と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選
ばれたいずれか1つを表す。)
【0060】
【化53】
【0061】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合
した補酵素Aを表し、cは前記式[3]で表されるモノマ
ーユニットにおけるcと対応する1から8の整数のいずれ
かを表し、R3は前記式[3]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR3と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選
ばれたいずれか1つを表す。)
した補酵素Aを表し、cは前記式[3]で表されるモノマ
ーユニットにおけるcと対応する1から8の整数のいずれ
かを表し、R3は前記式[3]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR3と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選
ばれたいずれか1つを表す。)
【0062】
【化54】
【0063】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合
した補酵素Aを表し、dは前記式[4]で表されるモノマ
ーユニットにおけるdと対応する0から7の整数のいずれ
かを表し、R4は前記式[4]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR4と対応する、水素原子(H),ハロゲン
原子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から
選ばれたいずれか1つを表す。)
した補酵素Aを表し、dは前記式[4]で表されるモノマ
ーユニットにおけるdと対応する0から7の整数のいずれ
かを表し、R4は前記式[4]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR4と対応する、水素原子(H),ハロゲン
原子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から
選ばれたいずれか1つを表す。)
【0064】
【化55】
【0065】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結
合した補酵素Aを表し、eは前記化学式[5]で表される
モノマーユニットにおけるeと対応する1から8の整数
のいずれかを表し、R5は前記化学式[5]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR5と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3
F7,-CH3,-C2H5,-C3H7からなる群から選ばれたい
ずれか1つを表す。)
合した補酵素Aを表し、eは前記化学式[5]で表される
モノマーユニットにおけるeと対応する1から8の整数
のいずれかを表し、R5は前記化学式[5]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR5と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3
F7,-CH3,-C2H5,-C3H7からなる群から選ばれたい
ずれか1つを表す。)
【0066】
【化56】
【0067】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合
した補酵素Aを表し、fは前記式[6]で表されるモノマ
ーユニットにおけるfと対応する0から7の整数のいずれ
かを表す。)
した補酵素Aを表し、fは前記式[6]で表されるモノマ
ーユニットにおけるfと対応する0から7の整数のいずれ
かを表す。)
【0068】
【化57】
【0069】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合
した補酵素Aを表し、gは前記式[7]で表されるモノマ
ーユニットにおけるgと対応する1から8の整数のいずれ
かを表す。)
した補酵素Aを表し、gは前記式[7]で表されるモノマ
ーユニットにおけるgと対応する1から8の整数のいずれ
かを表す。)
【0070】
【化58】
【0071】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結
合した補酵素Aを表し、hは前記化学式[8]で表される
モノマーユニットにおけるhと対応する1から7の整数
のいずれかを表し、R6は前記化学式[8]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR6と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2, -COOR',-SO2
R'',-CH3,-C2H5,-C3H7,-CH(CH3)2,-C(CH
3)3からなる群から選ばれたいずれか1つを表し、ここ
でR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれ
かであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原
子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。)
合した補酵素Aを表し、hは前記化学式[8]で表される
モノマーユニットにおけるhと対応する1から7の整数
のいずれかを表し、R6は前記化学式[8]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR6と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2, -COOR',-SO2
R'',-CH3,-C2H5,-C3H7,-CH(CH3)2,-C(CH
3)3からなる群から選ばれたいずれか1つを表し、ここ
でR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれ
かであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原
子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。)
【0072】
【化59】
【0073】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結
合した補酵素Aを表し、iは前記化学式[9]で表される
モノマーユニットにおけるiと対応する1から7の整数
のいずれかを表し、R7は前記化学式[9]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR7と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-COOR',-SO2
R''からなる群から選ばれたいずれか1つを表し、ここ
でR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれ
かであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原
子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。)
合した補酵素Aを表し、iは前記化学式[9]で表される
モノマーユニットにおけるiと対応する1から7の整数
のいずれかを表し、R7は前記化学式[9]で表されるモ
ノマーユニットにおけるR7と対応する、水素原子
(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-COOR',-SO2
R''からなる群から選ばれたいずれか1つを表し、ここ
でR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれ
かであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原
子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。)
【0074】
【化60】
【0075】(ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結
合した補酵素Aを表し、jは前記化学式[10]で表される
モノマーユニットにおけるjと対応する1から9の整数
のいずれかを表す。) また、徐放性肥料を構成するPHAとして、親水性官能基
を有するものを用いることで、徐放性肥料の親水性、水
分散性、生分解性等の各種機能を付与することができ
る。親水性官能基としてはいかなるものでもよいが、ア
ニオン性官能基を用いることができ、また、アニオン性
官能基としてはいかなるものを用いてもよいが、特にカ
ルボキシル基を用いることができる。カルボキシル基を
有するPHAとしては、下記式[11]に示すモノマーユ
ニットの少なくとも1つによりカルボキシル基が導入さ
れたPHAを例示できる。
合した補酵素Aを表し、jは前記化学式[10]で表される
モノマーユニットにおけるjと対応する1から9の整数
のいずれかを表す。) また、徐放性肥料を構成するPHAとして、親水性官能基
を有するものを用いることで、徐放性肥料の親水性、水
分散性、生分解性等の各種機能を付与することができ
る。親水性官能基としてはいかなるものでもよいが、ア
ニオン性官能基を用いることができ、また、アニオン性
官能基としてはいかなるものを用いてもよいが、特にカ
ルボキシル基を用いることができる。カルボキシル基を
有するPHAとしては、下記式[11]に示すモノマーユ
ニットの少なくとも1つによりカルボキシル基が導入さ
れたPHAを例示できる。
【0076】
【化61】
【0077】(ただし、kは1から10の整数のいずれかで
ある。) また、上記PHAのうち、さらに具体的に、下記式[2
3]で示される3-ヒドロキシピメリン酸からなるモノマ
ーユニット有するPHA
ある。) また、上記PHAのうち、さらに具体的に、下記式[2
3]で示される3-ヒドロキシピメリン酸からなるモノマ
ーユニット有するPHA
【0078】
【化62】
【0079】を例示できる。
【0080】また、上記式[11]で示されるモノマー
ユニット導入用の基質として用いる3-ヒドロキシアシル
CoAとして、下記式[22]で表される3-ヒドロキシア
シルCoAを例示することができ、これらの少なくとも1
種を用いることができる。
ユニット導入用の基質として用いる3-ヒドロキシアシル
CoAとして、下記式[22]で表される3-ヒドロキシア
シルCoAを例示することができ、これらの少なくとも1
種を用いることができる。
【0081】
【化63】
【0082】(ただし、前記式中-SCoA はアルカン酸に
結合した補酵素Aを表し、式中kは前記式[11]で表さ
れるモノマーユニットにおけるkと対応し、1から10の整
数のいずれかである。) また、上記式[22]で示される3-ヒドロキシピメリン
酸を含有するPHAを合成する基質として用いる3-ヒドロ
キシアシルCoAとして、下記式[24]で表される3-ヒ
ドロキシピメリルCoA
結合した補酵素Aを表し、式中kは前記式[11]で表さ
れるモノマーユニットにおけるkと対応し、1から10の整
数のいずれかである。) また、上記式[22]で示される3-ヒドロキシピメリン
酸を含有するPHAを合成する基質として用いる3-ヒドロ
キシアシルCoAとして、下記式[24]で表される3-ヒ
ドロキシピメリルCoA
【0083】
【化64】
【0084】を示すことができる。
【0085】なお、前記のハロゲン原子の具体例として
は、フッ素,塩素,臭素などを挙げることができる。ま
た、前記の発色団としては、その3-ヒドロキシアシルCo
A 体がPHA合成酵素の触媒作用を受け得るものである限
り特に限定はされないが、高分子合成時の立体障害など
を考慮すると、3-ヒドロキシアシルCoA 分子内におい
て、CoAの結合したカルボキシル基と発色団との間に炭
素数1から5のメチレン鎖があるほうが望ましい。ま
た、該発色団を有するPHAによる徐放性肥料の着色組成
物としての用途としては、例えば、徐放性肥料の視認性
などが期待できる。このような発色団の例としては、ニ
トロソ、ニトロ、アゾ、ジアリールメタン、トリアリー
ルメタン、キサンテン、アクリジン、キノリン、メチ
ン、チアゾール、インダミン、インドフェノール、ラク
トン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、スチルベン、
アジン、オカサジン、チアジン、アントラキノン、フタ
ロシアニン、インジゴイドなどが挙げられる。
は、フッ素,塩素,臭素などを挙げることができる。ま
た、前記の発色団としては、その3-ヒドロキシアシルCo
A 体がPHA合成酵素の触媒作用を受け得るものである限
り特に限定はされないが、高分子合成時の立体障害など
を考慮すると、3-ヒドロキシアシルCoA 分子内におい
て、CoAの結合したカルボキシル基と発色団との間に炭
素数1から5のメチレン鎖があるほうが望ましい。ま
た、該発色団を有するPHAによる徐放性肥料の着色組成
物としての用途としては、例えば、徐放性肥料の視認性
などが期待できる。このような発色団の例としては、ニ
トロソ、ニトロ、アゾ、ジアリールメタン、トリアリー
ルメタン、キサンテン、アクリジン、キノリン、メチ
ン、チアゾール、インダミン、インドフェノール、ラク
トン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、スチルベン、
アジン、オカサジン、チアジン、アントラキノン、フタ
ロシアニン、インジゴイドなどが挙げられる。
【0086】本発明において用いられるPHAとしては、
上記モノマーユニットを複数含むランダム共重合体やブ
ロック共重合体を用いることも可能であり、各モノマー
ユニットや含まれる官能基の特性を利用したPHAの物性
制御や複数の機能の付与、官能基間の相互作用を利用し
た新たな機能の発現等が可能となる。
上記モノマーユニットを複数含むランダム共重合体やブ
ロック共重合体を用いることも可能であり、各モノマー
ユニットや含まれる官能基の特性を利用したPHAの物性
制御や複数の機能の付与、官能基間の相互作用を利用し
た新たな機能の発現等が可能となる。
【0087】また、基質である3-ヒドロキシアシルCoA
の種類や濃度などの組成を経時的に変化させることによ
って、肥料組成物が粒状体であればその半径方向におい
て、また肥料組成物が平板またはフィルム状であればそ
の垂直方向において、PHAのモノマーユニット組成を変
化させることも可能である。これによって、例えば外側
の被膜を生分解性の低いPHAによって、また内側の被膜
を生分解性の高いPHAによって多層構造あるいはグラデ
ィエント構造とし、肥料成分の徐放速度を調製すること
が可能となる。
の種類や濃度などの組成を経時的に変化させることによ
って、肥料組成物が粒状体であればその半径方向におい
て、また肥料組成物が平板またはフィルム状であればそ
の垂直方向において、PHAのモノマーユニット組成を変
化させることも可能である。これによって、例えば外側
の被膜を生分解性の低いPHAによって、また内側の被膜
を生分解性の高いPHAによって多層構造あるいはグラデ
ィエント構造とし、肥料成分の徐放速度を調製すること
が可能となる。
【0088】また、PHAを合成した後、PHAに化学修飾を
施すことにより、徐放性肥料の被膜の特性を改良するこ
とができる。例えば、該PHAにグラフト鎖を導入した
り、またPHAを架橋化することで、機械的強度、耐薬品
性、耐熱性等、各種の物理化学的性質を備えたPHA被膜
を形成することができる。なお、ここで言う化学修飾
(Chemical modification)とは、高分子材料の分子内
または分子間、あるいは高分子材料と他の化学物質との
間で化学反応を行わせることにより、該高分子材料の分
子構造を改変することを言う。また、架橋(crosslinki
ng)とは、高分子材料の分子内または分子間を化学的あ
るいは物理化学的にに結合せしめて網状構造をつくるこ
とを言い、架橋剤(crosslinking agent)とは、前記架
橋反応を行うために添加する、前記高分子材料と一定の
反応性を有する物質を言う。
施すことにより、徐放性肥料の被膜の特性を改良するこ
とができる。例えば、該PHAにグラフト鎖を導入した
り、またPHAを架橋化することで、機械的強度、耐薬品
性、耐熱性等、各種の物理化学的性質を備えたPHA被膜
を形成することができる。なお、ここで言う化学修飾
(Chemical modification)とは、高分子材料の分子内
または分子間、あるいは高分子材料と他の化学物質との
間で化学反応を行わせることにより、該高分子材料の分
子構造を改変することを言う。また、架橋(crosslinki
ng)とは、高分子材料の分子内または分子間を化学的あ
るいは物理化学的にに結合せしめて網状構造をつくるこ
とを言い、架橋剤(crosslinking agent)とは、前記架
橋反応を行うために添加する、前記高分子材料と一定の
反応性を有する物質を言う。
【0089】なお、本発明の構造体に用いる、PHA合成
酵素により合成されるPHAは、一般にR体のみから構成
されるアイソタクチックなポリマーである。
酵素により合成されるPHAは、一般にR体のみから構成
されるアイソタクチックなポリマーである。
【0090】PHAの合成基質である3-ヒドロキシアシルC
oAは、例えば、酵素を用いたin vitro合成法、微生物や
植物などの生物体を用いたin vivo合成法、化学合成法
等の中から適宜選択した方法で合成して用いることがで
きる。特に、酵素合成法は該基質の合成に一般に用いら
れている方法であり、市販のアシルCoAシンセターゼ
(アシルCoAリガーゼ、E.C.6.2.1.3)を用いた下記反
応、 を用いた方法などが知られている(Eur.J.Biochem.,25
0,432-439(1997)、Appl.Microbiol. Biotechnol.,54,37
-43(2000)など)。酵素や生物体を用いた合成工程に
は、バッチ式の合成方法を用いても良く、また、固定化
酵素や固定化細胞を用いて連続生産してもよい。
oAは、例えば、酵素を用いたin vitro合成法、微生物や
植物などの生物体を用いたin vivo合成法、化学合成法
等の中から適宜選択した方法で合成して用いることがで
きる。特に、酵素合成法は該基質の合成に一般に用いら
れている方法であり、市販のアシルCoAシンセターゼ
(アシルCoAリガーゼ、E.C.6.2.1.3)を用いた下記反
応、 を用いた方法などが知られている(Eur.J.Biochem.,25
0,432-439(1997)、Appl.Microbiol. Biotechnol.,54,37
-43(2000)など)。酵素や生物体を用いた合成工程に
は、バッチ式の合成方法を用いても良く、また、固定化
酵素や固定化細胞を用いて連続生産してもよい。
【0091】<PHA合成酵素およびその生産菌>本発明
に用いるPHA合成酵素は、該酵素を生産する微生物から
適宜選択された微生物、あるいは、それら微生物のPHA
合成酵素遺伝子を導入した形質転換体により生産された
ものを用いることができる。
に用いるPHA合成酵素は、該酵素を生産する微生物から
適宜選択された微生物、あるいは、それら微生物のPHA
合成酵素遺伝子を導入した形質転換体により生産された
ものを用いることができる。
【0092】PHA合成酵素を生産する微生物としては、P
HBやPHB/V生産菌を用いることができ、このような微生
物として、アエロモナス属(Aeromonas sp.)、アルカ
リゲネス属(Alcaligenes sp.)、クロマチウム属(Chr
omatium sp.)、コマモナス属(Comamonas sp.)、メチ
ロバクテリウム属(Methylobacterium sp.)、パラコッ
カス属(Paracoccus sp.)、シュードモナス属(Pseudo
monas sp.)などの他に、本発明者らにより分離され
た、バルクホルデリア・セパシア・KK01株(Burkholder
ia cepacia KK01)、ラルストーニャ・ユートロファ・T
B64株(Ralstonia eutropha TB64)、アルカリゲネス属
・TL2株(Alcaligenes sp. TL2)などを用いることがで
きる。なお、KK01株は寄託番号FERM BP-4235として、TB
64株は寄託番号FERM BP-6933として、TL2株は寄託番号F
ERM BP-6913として、経済産業省生命工学工業技術研究
所特許微生物寄託センターにそれぞれ寄託されている。
HBやPHB/V生産菌を用いることができ、このような微生
物として、アエロモナス属(Aeromonas sp.)、アルカ
リゲネス属(Alcaligenes sp.)、クロマチウム属(Chr
omatium sp.)、コマモナス属(Comamonas sp.)、メチ
ロバクテリウム属(Methylobacterium sp.)、パラコッ
カス属(Paracoccus sp.)、シュードモナス属(Pseudo
monas sp.)などの他に、本発明者らにより分離され
た、バルクホルデリア・セパシア・KK01株(Burkholder
ia cepacia KK01)、ラルストーニャ・ユートロファ・T
B64株(Ralstonia eutropha TB64)、アルカリゲネス属
・TL2株(Alcaligenes sp. TL2)などを用いることがで
きる。なお、KK01株は寄託番号FERM BP-4235として、TB
64株は寄託番号FERM BP-6933として、TL2株は寄託番号F
ERM BP-6913として、経済産業省生命工学工業技術研究
所特許微生物寄託センターにそれぞれ寄託されている。
【0093】また、PHA合成酵素を生産する微生物とし
て、mcl-PHAやunusual-PHAの生産菌を用いることがで
き、このような微生物として、シュードモナス・オレオ
ボランス,シュードモナス・レジノボランス,シュード
モナス属61-3株,シュードモナス・プチダ・KT2442株,
シュードモナス・アエルギノーサなどのほかに、本発明
者らにより分離された、シュードモナス・プチダ・P91
株(Pseudomonas putidaP91),シュードモナス・チコ
リアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45),シュー
ドモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii
YN2),シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseu
domonas jessenii P161)等のシュードモナス属微生物
や、特開2001-78753号公報に記載のバークホルデリア属
・OK3株(Burkholderia sp. OK3、FERM P-17370),特
開2001-69968号公報に記載のバークホルデリア属・OK4
株(Burkholderia sp. OK4、FERM P-17371)などのバー
クホルデリア属微生物を用いることができる。また、こ
れら微生物に加えて、アエロモナス属(Aeromonas s
p.),コマモナス属(Comamonas sp.)などに属し、mcl
-PHAやunusual-PHAを生産する微生物を用いることも可
能である。
て、mcl-PHAやunusual-PHAの生産菌を用いることがで
き、このような微生物として、シュードモナス・オレオ
ボランス,シュードモナス・レジノボランス,シュード
モナス属61-3株,シュードモナス・プチダ・KT2442株,
シュードモナス・アエルギノーサなどのほかに、本発明
者らにより分離された、シュードモナス・プチダ・P91
株(Pseudomonas putidaP91),シュードモナス・チコ
リアイ・H45株(Pseudomonas cichorii H45),シュー
ドモナス・チコリアイ・YN2株(Pseudomonas cichorii
YN2),シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseu
domonas jessenii P161)等のシュードモナス属微生物
や、特開2001-78753号公報に記載のバークホルデリア属
・OK3株(Burkholderia sp. OK3、FERM P-17370),特
開2001-69968号公報に記載のバークホルデリア属・OK4
株(Burkholderia sp. OK4、FERM P-17371)などのバー
クホルデリア属微生物を用いることができる。また、こ
れら微生物に加えて、アエロモナス属(Aeromonas s
p.),コマモナス属(Comamonas sp.)などに属し、mcl
-PHAやunusual-PHAを生産する微生物を用いることも可
能である。
【0094】なお、P91株は寄託番号FERM BP-7373とし
て、H45株は寄託番号FERM BP-7374として、YN2株は寄託
番号FERM BP-7375として、P161株は寄託番号FERM BP-73
76として、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関
するブタペスト条約に基づき、経済産業省産業技術総合
研究所(旧通商産業省工業技術院)生命工学工業技術研
究所特許微生物寄託センターに国際寄託されている。
て、H45株は寄託番号FERM BP-7374として、YN2株は寄託
番号FERM BP-7375として、P161株は寄託番号FERM BP-73
76として、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関
するブタペスト条約に基づき、経済産業省産業技術総合
研究所(旧通商産業省工業技術院)生命工学工業技術研
究所特許微生物寄託センターに国際寄託されている。
【0095】本発明にかかるPHA合成酵素の生産に用い
る微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作成、PHA
合成酵素の生産に必要とされる菌数や活性状態を確保す
るための増殖などには、用いる微生物の増殖に必要な成
分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生
物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般
的な天然培地(肉汁培地,酵母エキスなど)や、栄養源
を添加した合成培地など、いかなる種類の培地をも用い
ることができる。
る微生物の通常の培養、例えば、保存菌株の作成、PHA
合成酵素の生産に必要とされる菌数や活性状態を確保す
るための増殖などには、用いる微生物の増殖に必要な成
分を含有する培地を適宜選択して用いる。例えば、微生
物の生育や生存に悪影響を及ぼすものでない限り、一般
的な天然培地(肉汁培地,酵母エキスなど)や、栄養源
を添加した合成培地など、いかなる種類の培地をも用い
ることができる。
【0096】培養は液体培養や固体培養等、該微生物が
増殖する方法であればいかなる方法をも用いることがで
きる。さらに、バッチ培養,フェドバッチ培養,半連続
培養,連続培養等の種類も問わない。液体バッチ培養の
形態としては、振とうフラスコによって振とうさせて酸
素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通
気方式の酸素供給方法がある。また、これらの工程を複
数段接続した多段方式を採用してもよい。
増殖する方法であればいかなる方法をも用いることがで
きる。さらに、バッチ培養,フェドバッチ培養,半連続
培養,連続培養等の種類も問わない。液体バッチ培養の
形態としては、振とうフラスコによって振とうさせて酸
素を供給する方法、ジャーファーメンターによる攪拌通
気方式の酸素供給方法がある。また、これらの工程を複
数段接続した多段方式を採用してもよい。
【0097】前記したようなPHA生産微生物を用いて、P
HA合成酵素を生産する場合は、例えば、オクタン酸やノ
ナン酸等のアルカン酸を含む無機培地で該微生物を増殖
させ、対数増殖期から定常期初期にかけての微生物を遠
心分離等で回収して所望の酵素を抽出する方法などを用
いることができる。なお、上記のような条件で培養を行
うと、添加したアルカン酸に由来するmcl-PHAが菌体内
に合成されることになるが、この場合、一般に、PHA合
成酵素は菌体内に形成されるPHAの微粒子に結合して存
在するとされている。しかし、本発明者らの検討による
と、上記の方法で培養した菌体の破砕液を遠心分離した
上清液にも、相当程度の酵素活性が存在していることが
わかっている。これは、前記の如き対数増殖期から定常
期初期にかけての比較的培養初期には、菌体内で該酵素
が活発に生産され続けているため、遊離状態のPHA合成
酵素も相当程度存在するためと推定される。
HA合成酵素を生産する場合は、例えば、オクタン酸やノ
ナン酸等のアルカン酸を含む無機培地で該微生物を増殖
させ、対数増殖期から定常期初期にかけての微生物を遠
心分離等で回収して所望の酵素を抽出する方法などを用
いることができる。なお、上記のような条件で培養を行
うと、添加したアルカン酸に由来するmcl-PHAが菌体内
に合成されることになるが、この場合、一般に、PHA合
成酵素は菌体内に形成されるPHAの微粒子に結合して存
在するとされている。しかし、本発明者らの検討による
と、上記の方法で培養した菌体の破砕液を遠心分離した
上清液にも、相当程度の酵素活性が存在していることが
わかっている。これは、前記の如き対数増殖期から定常
期初期にかけての比較的培養初期には、菌体内で該酵素
が活発に生産され続けているため、遊離状態のPHA合成
酵素も相当程度存在するためと推定される。
【0098】上記の培養方法に用いる無機培地として
は、リン源(例えば、リン酸塩等)、窒素源(例えば、
アンモニウム塩,硝酸塩等)など、微生物が増殖し得る
成分を含んでいるものであればいかなるものでも良く、
例えば無機塩培地としては、MSB培地,E培地(J.Biol.
Chem.,218,97-106(1956)),M9培地等を挙げることがで
きる。なお、本発明における実施例で用いるM9培地の組
成は以下の通りである。
は、リン源(例えば、リン酸塩等)、窒素源(例えば、
アンモニウム塩,硝酸塩等)など、微生物が増殖し得る
成分を含んでいるものであればいかなるものでも良く、
例えば無機塩培地としては、MSB培地,E培地(J.Biol.
Chem.,218,97-106(1956)),M9培地等を挙げることがで
きる。なお、本発明における実施例で用いるM9培地の組
成は以下の通りである。
【0099】Na2HPO4 : 6.2 g
KH2PO4 : 3.0 g
NaCl : 0.5 g
NH4Cl : 1.0 g
(培地1リットル中、pH7.0)
さらに、良好な増殖及びPHA合成酵素の生産のために
は、上記の無機塩培地に以下に示す微量成分溶液を0.3
%(v/v)程度添加するのが好ましい。
は、上記の無機塩培地に以下に示す微量成分溶液を0.3
%(v/v)程度添加するのが好ましい。
【0100】(微量成分溶液)
ニトリロ三酢酸: 1.5 g
MgSO4 : 3.0 g
MnSO4 : 0.5 g
NaCl : 1.0 g
FeSO4 : 0.1 g
CaCl2 : 0.1 g
CoCl2 : 0.1 g
ZnSO4 : 0.1 g
CuSO4 : 0.1 g
AlK(SO4)2 : 0.1 g
H3BO3 : 0.1 g
Na2MoO4 : 0.1 g
NiCl2 : 0.1 g
(1リットル中)
培養温度としては上記の菌株が良好に増殖可能な温度で
あれば良く、例えば 14〜40℃、好ましくは 20〜35℃程
度が適当である。
あれば良く、例えば 14〜40℃、好ましくは 20〜35℃程
度が適当である。
【0101】また、前述のPHA生産菌の持つPHA合成酵素
遺伝子を導入した形質転換体を用いて、所望のPHA合成
酵素を生産することも可能である。PHA合成酵素遺伝子
のクローニング、発現ベクターの作製、および、形質転
換体の作製は、定法に従って行うことができる。大腸菌
等の細菌を宿主として得られた形質転換体においては、
培養に用いる培地として、天然培地あるいは合成培地、
例えば、LB培地,M9培地等が挙げられる。また、培養温
度は25から37℃の範囲で、好気的に8〜27時間培養する
ことにより、微生物の増殖を図る。その後集菌し、菌体
内に蓄積されたPHA合成酵素の回収を行うことができ
る。培地には、必要に応じて、カナマイシン,アンピシ
リン,テトラサイクリン,クロラムフェニコール,スト
レプトマイシン等の抗生物質を添加しても良い。また、
発現ベクターにおいて、誘導性のプロモーターを用いて
いる場合は、形質転換体を培養する際に、該プロモータ
ーの対応する誘導物質を培地に添加して発現を促しても
良い。例えば、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノ
シド(IPTG),テトラサイクリン,インドールアクリル
酸(IAA)等が誘導物質として挙げられる。
遺伝子を導入した形質転換体を用いて、所望のPHA合成
酵素を生産することも可能である。PHA合成酵素遺伝子
のクローニング、発現ベクターの作製、および、形質転
換体の作製は、定法に従って行うことができる。大腸菌
等の細菌を宿主として得られた形質転換体においては、
培養に用いる培地として、天然培地あるいは合成培地、
例えば、LB培地,M9培地等が挙げられる。また、培養温
度は25から37℃の範囲で、好気的に8〜27時間培養する
ことにより、微生物の増殖を図る。その後集菌し、菌体
内に蓄積されたPHA合成酵素の回収を行うことができ
る。培地には、必要に応じて、カナマイシン,アンピシ
リン,テトラサイクリン,クロラムフェニコール,スト
レプトマイシン等の抗生物質を添加しても良い。また、
発現ベクターにおいて、誘導性のプロモーターを用いて
いる場合は、形質転換体を培養する際に、該プロモータ
ーの対応する誘導物質を培地に添加して発現を促しても
良い。例えば、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノ
シド(IPTG),テトラサイクリン,インドールアクリル
酸(IAA)等が誘導物質として挙げられる。
【0102】PHA合成酵素としては、微生物の菌体破砕
液や、硫酸アンモニウム等によりタンパク質成分を沈殿
・回収した硫安塩析物などの粗酵素を用いても良く、ま
た、各種方法で精製した精製酵素を用いても良い。該酵
素には必要に応じて、金属塩,グリセリン,ジチオスレ
イトール,EDTA,ウシ血清アルブミン(BSA)などの安
定化剤,付活剤を適宜添加して用いることができる。
液や、硫酸アンモニウム等によりタンパク質成分を沈殿
・回収した硫安塩析物などの粗酵素を用いても良く、ま
た、各種方法で精製した精製酵素を用いても良い。該酵
素には必要に応じて、金属塩,グリセリン,ジチオスレ
イトール,EDTA,ウシ血清アルブミン(BSA)などの安
定化剤,付活剤を適宜添加して用いることができる。
【0103】PHA合成酵素の分離・精製方法は、PHA合成
酵素の酵素活性が保持される方法であればいかなる方法
をも用いることができる。例えば、得られた微生物菌体
を、フレンチプレス,超音波破砕機,リゾチームや各種
界面活性剤等を用いて破砕したのち、遠心分離して得ら
れた粗酵素液、またはここから調製した硫安塩析物につ
いて、アフィニティクロマトグラフィー,陽イオンまた
は陰イオン交換クロマトグラフィー,ゲル濾過等の手段
を単独または適宜組み合わせることによって精製酵素を
得ることができる。特に、遺伝子組換えタンパク質は、
N末端やC末端にヒスチジン残基等の「タグ」を結合した
融合タンパク質の形で発現させ、このタグを介して親和
性樹脂に結合させることによって、より簡便に精製する
ことができる。融合タンパク質から目的のタンパク質を
分離するには、トロンビン,血液凝固因子Xa等のプロテ
アーゼで切断する、pHを低下せしめる、結合競合剤とし
て高濃度のイミダゾールを添加する等の方法を用いると
良い。あるいは、発現ベクターとしてpTYB1(New Engla
n Biolab社製)を用いた場合のようにタグがインテイン
を含む場合はdithiothreitolなどで還元条件として切断
する。アフィニティクロマトグラフィーによる精製を可
能とする融合タンパク質には、ヒスチジンタグの他にグ
ルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST),キチン結合
ドメイン(CBD),マルトース結合タンパク(MBP),あ
るいはチオレドキシン(TRX)等も公知である。GST融合
タンパク質は、GST親和性レジンによって精製すること
ができる。
酵素の酵素活性が保持される方法であればいかなる方法
をも用いることができる。例えば、得られた微生物菌体
を、フレンチプレス,超音波破砕機,リゾチームや各種
界面活性剤等を用いて破砕したのち、遠心分離して得ら
れた粗酵素液、またはここから調製した硫安塩析物につ
いて、アフィニティクロマトグラフィー,陽イオンまた
は陰イオン交換クロマトグラフィー,ゲル濾過等の手段
を単独または適宜組み合わせることによって精製酵素を
得ることができる。特に、遺伝子組換えタンパク質は、
N末端やC末端にヒスチジン残基等の「タグ」を結合した
融合タンパク質の形で発現させ、このタグを介して親和
性樹脂に結合させることによって、より簡便に精製する
ことができる。融合タンパク質から目的のタンパク質を
分離するには、トロンビン,血液凝固因子Xa等のプロテ
アーゼで切断する、pHを低下せしめる、結合競合剤とし
て高濃度のイミダゾールを添加する等の方法を用いると
良い。あるいは、発現ベクターとしてpTYB1(New Engla
n Biolab社製)を用いた場合のようにタグがインテイン
を含む場合はdithiothreitolなどで還元条件として切断
する。アフィニティクロマトグラフィーによる精製を可
能とする融合タンパク質には、ヒスチジンタグの他にグ
ルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST),キチン結合
ドメイン(CBD),マルトース結合タンパク(MBP),あ
るいはチオレドキシン(TRX)等も公知である。GST融合
タンパク質は、GST親和性レジンによって精製すること
ができる。
【0104】PHA合成酵素の活性測定は、既報の各種方
法を用いることができるが、例えば、3-ヒドロキシアシ
ルCoAがPHA合成酵素の触媒作用により重合してPHAにな
る過程で放出されるCoAを、5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ
安息香酸)で発色させて測定することを測定原理とす
る、以下に示す方法によって測定することができる。試
薬1:ウシ血清アルブミン(Sigma社製)を0.1 M トリ
ス塩酸バッファー(pH8.0)に3.0 mg/ml溶解、試薬2:3-
ヒドロキシオクタノイルCoAを0.1 M トリス塩酸バッフ
ァー(pH8.0) に3.0 mM溶解、試薬3:トリクロロ酢酸を
0.1 M トリス塩酸バッファー(pH8.0) に20 mg/ml溶解、
試薬4:5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)を0.1 M
トリス塩酸バッファー(pH8.0) に2.0 mM溶解。第1反応
(PHA合成反応):試料(酵素)溶液100μlに試薬1を1
00μl添加して混合し、30℃で1分間プレインキュベート
する。ここに、試薬2を200μl添加して混合し、30℃で
1〜30分間インキュベートしたのち、試薬3を400μl添
加して反応を停止させる。第2反応(遊離CoAの発色反
応):反応停止した第1反応液を遠心分離(15,000×g、
10分間)し、この上清500μlに試薬4を500μl添加し、
30℃で10分間インキュベートしたのち、412 nmの吸光度
を測定する。酵素活性の算出:1分間に1μmolのCoAを放
出させる酵素量を1単位(U)とする。
法を用いることができるが、例えば、3-ヒドロキシアシ
ルCoAがPHA合成酵素の触媒作用により重合してPHAにな
る過程で放出されるCoAを、5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ
安息香酸)で発色させて測定することを測定原理とす
る、以下に示す方法によって測定することができる。試
薬1:ウシ血清アルブミン(Sigma社製)を0.1 M トリ
ス塩酸バッファー(pH8.0)に3.0 mg/ml溶解、試薬2:3-
ヒドロキシオクタノイルCoAを0.1 M トリス塩酸バッフ
ァー(pH8.0) に3.0 mM溶解、試薬3:トリクロロ酢酸を
0.1 M トリス塩酸バッファー(pH8.0) に20 mg/ml溶解、
試薬4:5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)を0.1 M
トリス塩酸バッファー(pH8.0) に2.0 mM溶解。第1反応
(PHA合成反応):試料(酵素)溶液100μlに試薬1を1
00μl添加して混合し、30℃で1分間プレインキュベート
する。ここに、試薬2を200μl添加して混合し、30℃で
1〜30分間インキュベートしたのち、試薬3を400μl添
加して反応を停止させる。第2反応(遊離CoAの発色反
応):反応停止した第1反応液を遠心分離(15,000×g、
10分間)し、この上清500μlに試薬4を500μl添加し、
30℃で10分間インキュベートしたのち、412 nmの吸光度
を測定する。酵素活性の算出:1分間に1μmolのCoAを放
出させる酵素量を1単位(U)とする。
【0105】<徐放性肥料製造方法>本発明の徐放性肥
料は、肥料成分に添加物を加えて肥料組成物を調製す
る工程、肥料組成物を水性媒体に分散する工程、水
性媒体に分散された肥料組成物にポリヒドロキシアルカ
ノエート合成酵素を固定化する工程、基質である3-ヒ
ドロキシアシルCoAを添加する工程、PHA合成反応を行
う工程、徐放性肥料を使用形態に応じて調製する工
程、によって製造することができる。
料は、肥料成分に添加物を加えて肥料組成物を調製す
る工程、肥料組成物を水性媒体に分散する工程、水
性媒体に分散された肥料組成物にポリヒドロキシアルカ
ノエート合成酵素を固定化する工程、基質である3-ヒ
ドロキシアシルCoAを添加する工程、PHA合成反応を行
う工程、徐放性肥料を使用形態に応じて調製する工
程、によって製造することができる。
【0106】肥料成分に添加物を加えて肥料組成物を
調製する工程 本工程は、肥料成分の徐放性の調整や、粉体や液体の肥
料成分の固形製剤化、PHAの被膜形成時における肥料成
分の溶出の抑制などを目的として行う。特にこれらの目
的がなければ、本工程は省略することが可能である。
調製する工程 本工程は、肥料成分の徐放性の調整や、粉体や液体の肥
料成分の固形製剤化、PHAの被膜形成時における肥料成
分の溶出の抑制などを目的として行う。特にこれらの目
的がなければ、本工程は省略することが可能である。
【0107】肥料組成物の調製方法は、肥料成分に同時
にあるいは適当な順番で担体や結合剤、水等の添加物を
加え、必要に応じて粉砕しながらハンマーミル、ニーダ
ー等の既存の混合手段によって混合し、造粒機や押し出
し成形機、プレス成形機、射出成形機、フィルム作製機
等の既存の成形手段によって所望の形状に成形し、その
後必要に応じて篩別等によるサイズ調整や乾燥処理を施
すことによって行う。液体状の肥料成分の場合は、先に
肥料成分を担体に含浸・吸着させてから他の添加物を混
合することが好ましい。また、固体の肥料成分であって
も、水溶液としてから担体に含浸させてもかまわない。
にあるいは適当な順番で担体や結合剤、水等の添加物を
加え、必要に応じて粉砕しながらハンマーミル、ニーダ
ー等の既存の混合手段によって混合し、造粒機や押し出
し成形機、プレス成形機、射出成形機、フィルム作製機
等の既存の成形手段によって所望の形状に成形し、その
後必要に応じて篩別等によるサイズ調整や乾燥処理を施
すことによって行う。液体状の肥料成分の場合は、先に
肥料成分を担体に含浸・吸着させてから他の添加物を混
合することが好ましい。また、固体の肥料成分であって
も、水溶液としてから担体に含浸させてもかまわない。
【0108】本発明で使用されうる肥料成分には特に限
定はなく、例えば、硫安、塩安、硝安、尿素、アセトア
ルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素等の
窒素質肥料、過りん酸石灰、重過りん酸石灰、熔成りん
肥等のりん酸質肥料、硫酸加里、塩化加里等の加里質肥
料、魚かす、骨粉、大豆油かす、なたね油かす等の有機
質肥料、りん安、りん酸加里等の三要素系複合肥料、石
灰質肥料、珪酸質肥料、苦土肥料、マンガン質肥料、ほ
う素質肥料、微量要素複合肥料等が挙げられる。
定はなく、例えば、硫安、塩安、硝安、尿素、アセトア
ルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素等の
窒素質肥料、過りん酸石灰、重過りん酸石灰、熔成りん
肥等のりん酸質肥料、硫酸加里、塩化加里等の加里質肥
料、魚かす、骨粉、大豆油かす、なたね油かす等の有機
質肥料、りん安、りん酸加里等の三要素系複合肥料、石
灰質肥料、珪酸質肥料、苦土肥料、マンガン質肥料、ほ
う素質肥料、微量要素複合肥料等が挙げられる。
【0109】さらに本発明には生物肥料を用いることが
できる。生物肥料としては、本発明では、主に微生物肥
料において適用し、植物の生育に適したものであれば、
特に限定しない。そのような微生物肥料としては、例え
ばシュードモナス属、バチルス属、アスペルギルス属、
ストレプトミセス属、アルカリゲネス属、バチルス属、
トリコデルマ属、ダクティレラ属、サッカロマイセス属
などが挙げられる。
できる。生物肥料としては、本発明では、主に微生物肥
料において適用し、植物の生育に適したものであれば、
特に限定しない。そのような微生物肥料としては、例え
ばシュードモナス属、バチルス属、アスペルギルス属、
ストレプトミセス属、アルカリゲネス属、バチルス属、
トリコデルマ属、ダクティレラ属、サッカロマイセス属
などが挙げられる。
【0110】本発明に使用できる肥料は上記に限定され
るものではなく、また、形状もいかなるものでも良く、
担体を添加物として用いる場合には、液体状の肥料を用
いることもできる。また2種以上を混合して使用するこ
ともできる。
るものではなく、また、形状もいかなるものでも良く、
担体を添加物として用いる場合には、液体状の肥料を用
いることもできる。また2種以上を混合して使用するこ
ともできる。
【0111】肥料組成物中の肥料成分の含有量は、1〜
95重量%とすることができ、さらに10〜80重量%
が好ましい。また、肥料組成物として肥料成分を単独で
使用する場合は、肥料成分の含有量を100重量%とす
ることができる。
95重量%とすることができ、さらに10〜80重量%
が好ましい。また、肥料組成物として肥料成分を単独で
使用する場合は、肥料成分の含有量を100重量%とす
ることができる。
【0112】肥料組成物に使用する担体としては、例え
ば炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、クレー、タルク、ベントナイト、カオリン、
ケイソウ土、軽石、バーミキュライト、パーライト、ア
タパルジャイトおよびシリカ、ゼオライト、ラジオライ
ト、パーライト、シリカゲル、コロイダル・シリカ、非
晶質含水珪酸、酸性白土、活性白土、活性炭等の無機材
料や、デンプン、セルロース、ポリビニルアルコール等
の各種高吸水性樹脂等が挙げられる。また、PHA合成酵
素のアフィニティ担体を用いてもよい。例えば、実施例
に後述するように、形質転換によってグルタチオン-S-
トランスフェラーゼ(Glutathione S-transferase)をP
HA合成酵素に融合し、グルタチオン-S-トランスフェラ
ーゼのリガンドであるグルタチオンを導入したセファロ
ース(Sepharose)を担体として使用できる。これによ
って、後の工程であるPHA合成酵素の固定化を効率よく
行うことができる。
ば炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、クレー、タルク、ベントナイト、カオリン、
ケイソウ土、軽石、バーミキュライト、パーライト、ア
タパルジャイトおよびシリカ、ゼオライト、ラジオライ
ト、パーライト、シリカゲル、コロイダル・シリカ、非
晶質含水珪酸、酸性白土、活性白土、活性炭等の無機材
料や、デンプン、セルロース、ポリビニルアルコール等
の各種高吸水性樹脂等が挙げられる。また、PHA合成酵
素のアフィニティ担体を用いてもよい。例えば、実施例
に後述するように、形質転換によってグルタチオン-S-
トランスフェラーゼ(Glutathione S-transferase)をP
HA合成酵素に融合し、グルタチオン-S-トランスフェラ
ーゼのリガンドであるグルタチオンを導入したセファロ
ース(Sepharose)を担体として使用できる。これによ
って、後の工程であるPHA合成酵素の固定化を効率よく
行うことができる。
【0113】結合剤としては、ポリビニルアルコール、
デンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、リ
グニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カル
シウム、ワックスなどが挙げられる。
デンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、リ
グニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カル
シウム、ワックスなどが挙げられる。
【0114】添加剤としては以上のほかに、例えば、界
面活性剤、可塑剤、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、滑剤などを使用してもよい。
面活性剤、可塑剤、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、滑剤などを使用してもよい。
【0115】以上の添加剤は、1種、あるいは2種以上
を併用してもかまわないが、生分解性を有する材料や、
環境中に残留しても汚染を生じることのない材料を用い
ることが好ましい。
を併用してもかまわないが、生分解性を有する材料や、
環境中に残留しても汚染を生じることのない材料を用い
ることが好ましい。
【0116】肥料組成物中の添加物の含有量は、1〜9
5重量%とすることができ、さらに10〜80重量%が
好ましい。
5重量%とすることができ、さらに10〜80重量%が
好ましい。
【0117】目的とする徐放性肥料の肥料成分の徐放性
は、添加剤の種類・形状・サイズや肥料組成物の形状・
サイズ、肥料組成物中の肥料成分、添加剤の含有量によ
って大きな影響をうけるため、目的とする徐放性に応じ
てこれらを選択することが好ましい。
は、添加剤の種類・形状・サイズや肥料組成物の形状・
サイズ、肥料組成物中の肥料成分、添加剤の含有量によ
って大きな影響をうけるため、目的とする徐放性に応じ
てこれらを選択することが好ましい。
【0118】肥料組成物を水性媒体に分散する工程
本工程は、肥料組成物を水性媒体に添加し、必要であれ
ば分散処理を行った後、さらに必要であれば所望のサイ
ズ範囲に分級することによって行う。
ば分散処理を行った後、さらに必要であれば所望のサイ
ズ範囲に分級することによって行う。
【0119】肥料組成物の水性媒体中への分散処理は、
肥料の粒径や水分散性に応じて、ホモミキサー、水平ミ
ニミル、ボールミル、ロールミル、サンドグラインダ
ー、摩砕機、超音波処理、攪拌翼や攪拌子による攪拌等
によって行うことができるが、強度の分散処理によって
肥料組成物が破壊されるのを避ける場合や、分散性の良
いものを使用する場合には、特に分散処理を行わず、た
だ水性媒体に添加するだけでもよい。
肥料の粒径や水分散性に応じて、ホモミキサー、水平ミ
ニミル、ボールミル、ロールミル、サンドグラインダ
ー、摩砕機、超音波処理、攪拌翼や攪拌子による攪拌等
によって行うことができるが、強度の分散処理によって
肥料組成物が破壊されるのを避ける場合や、分散性の良
いものを使用する場合には、特に分散処理を行わず、た
だ水性媒体に添加するだけでもよい。
【0120】分散された肥料の粒径は、0.1μm以上、
より好ましくは、0.5μm以上とするのがよい。分散
された肥料粒子の粒径が所望の範囲に無い場合は、篩別
や、ろ過、沈降法などの分級手段によって調整すること
ができる。
より好ましくは、0.5μm以上とするのがよい。分散
された肥料粒子の粒径が所望の範囲に無い場合は、篩別
や、ろ過、沈降法などの分級手段によって調整すること
ができる。
【0121】10μm以下の微小な粒径の肥料粒子の粒径
は、吸光度法、静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降
法などの既知の方法により測定でき、例えば、コールタ
ーカウンターマルチサイザー等の粒径測定装置を用いる
ことができる。
は、吸光度法、静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降
法などの既知の方法により測定でき、例えば、コールタ
ーカウンターマルチサイザー等の粒径測定装置を用いる
ことができる。
【0122】本工程の水性媒体の組成は、肥料組成物を
所望の状態に分散させうるもので、さらに後の工程の、
酵素を肥料組成物に固定化する工程やPHA合成反応を行
う工程を妨げないものであればよいが、後の工程の省略
化を図るために、本工程の水性媒体の組成をPHA合成酵
素の活性を発揮させ得る組成としておくこともできる。
ここで、PHA合成酵素の活性を発揮させ得る組成とし
て、例えば緩衝液を用いることができる。緩衝液として
は、生化学的反応に用いられる一般的な緩衝液、例え
ば、酢酸バッファー,リン酸バッファー,リン酸カリウ
ムバッファー,3-(N-モルフォリノ)プロパンスルフォン
酸(MOPS)バッファー,N-トリス(ヒドロキシメチル)メ
チル-3-アミノプロパンスルフォン酸(TAPS)バッファ
ー,トリス塩酸バッファー,グリシンバッファー,2-
(シクロヘキシルアミノ)エタンスルフォン酸(CHES)バ
ッファーなどが好適に用いられる。PHA合成酵素の活性
を発揮させ得る緩衝液の濃度は、一般的な濃度、即ち5
mMから1.0Mの範囲で使用することができるが、望ま
しくは10〜200mMで行うことが好ましい。また、pHは
5.5から9.0、好ましくは7.0から 8.5となるように調製
するが、使用するPHA合成酵素の至適pHやpH安定性によ
っては、上記範囲以外に条件を設定することも除外され
ない。
所望の状態に分散させうるもので、さらに後の工程の、
酵素を肥料組成物に固定化する工程やPHA合成反応を行
う工程を妨げないものであればよいが、後の工程の省略
化を図るために、本工程の水性媒体の組成をPHA合成酵
素の活性を発揮させ得る組成としておくこともできる。
ここで、PHA合成酵素の活性を発揮させ得る組成とし
て、例えば緩衝液を用いることができる。緩衝液として
は、生化学的反応に用いられる一般的な緩衝液、例え
ば、酢酸バッファー,リン酸バッファー,リン酸カリウ
ムバッファー,3-(N-モルフォリノ)プロパンスルフォン
酸(MOPS)バッファー,N-トリス(ヒドロキシメチル)メ
チル-3-アミノプロパンスルフォン酸(TAPS)バッファ
ー,トリス塩酸バッファー,グリシンバッファー,2-
(シクロヘキシルアミノ)エタンスルフォン酸(CHES)バ
ッファーなどが好適に用いられる。PHA合成酵素の活性
を発揮させ得る緩衝液の濃度は、一般的な濃度、即ち5
mMから1.0Mの範囲で使用することができるが、望ま
しくは10〜200mMで行うことが好ましい。また、pHは
5.5から9.0、好ましくは7.0から 8.5となるように調製
するが、使用するPHA合成酵素の至適pHやpH安定性によ
っては、上記範囲以外に条件を設定することも除外され
ない。
【0123】また、水性媒体中での肥料粒子の分散状態
を保つために、後の工程を妨げない種類及び濃度、さら
には本発明の徐放性肥料の目的を妨げない種類及び濃度
であれば、適当な界面活性剤を添加してもよい。このよ
うな界面活性剤の例として、例えばオレイン酸ナトリウ
ム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム、コー
ル酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロ
デオキシコール酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピ
リジニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤、3−
〔(コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1
−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−〔(3−コ
ールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒド
ロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、パ
ルミトイルリゾレシチン、ドデシル−β−アラニン等の
両性イオン界面活性剤、オクチルグルコシド、オクチル
チオグルコシド、ヘプチルチオグルコシド、デカノイル
−N−メチルグルカミド(MEGA−10)、ポリオキ
シエチレンドデシルエーテル(Brij,Lubro
l)、ポリオキシエチレン−i−オクチルフェニルエー
テル(Triton X)ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(Nonidet P−40、Trit
on N)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(Sp
an)、ポリオキシエチレンソリビトールエステル(T
ween)等の非イオン界面活性剤などを挙げることが
出来る。
を保つために、後の工程を妨げない種類及び濃度、さら
には本発明の徐放性肥料の目的を妨げない種類及び濃度
であれば、適当な界面活性剤を添加してもよい。このよ
うな界面活性剤の例として、例えばオレイン酸ナトリウ
ム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシル−N−サルコシン酸ナトリウム、コー
ル酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロ
デオキシコール酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤、
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピ
リジニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤、3−
〔(コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1
−プロパンスルホン酸(CHAPS)、3−〔(3−コ
ールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒド
ロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、パ
ルミトイルリゾレシチン、ドデシル−β−アラニン等の
両性イオン界面活性剤、オクチルグルコシド、オクチル
チオグルコシド、ヘプチルチオグルコシド、デカノイル
−N−メチルグルカミド(MEGA−10)、ポリオキ
シエチレンドデシルエーテル(Brij,Lubro
l)、ポリオキシエチレン−i−オクチルフェニルエー
テル(Triton X)ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(Nonidet P−40、Trit
on N)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(Sp
an)、ポリオキシエチレンソリビトールエステル(T
ween)等の非イオン界面活性剤などを挙げることが
出来る。
【0124】PHA合成酵素を肥料組成物に固定化する
工程 本工程は、先の肥料組成物分散液にPHA合成酵素を添加
し、固定化処理を施すことによって行うことができる。
固定化処理は、該酵素の活性が保持され得るものであ
り、かつ、所望の肥料組成物において適用可能なもので
あれば、通常行われている酵素固定化方法の中から任意
に選択して行うことができる。例えば、共有結合法,イ
オン吸着法,疎水吸着法,物理的吸着法,アフィニティ
吸着法,架橋法,格子型包括法などを例示することがで
きるが、特にイオン吸着や疎水吸着を利用した固定化方
法が簡便である。
工程 本工程は、先の肥料組成物分散液にPHA合成酵素を添加
し、固定化処理を施すことによって行うことができる。
固定化処理は、該酵素の活性が保持され得るものであ
り、かつ、所望の肥料組成物において適用可能なもので
あれば、通常行われている酵素固定化方法の中から任意
に選択して行うことができる。例えば、共有結合法,イ
オン吸着法,疎水吸着法,物理的吸着法,アフィニティ
吸着法,架橋法,格子型包括法などを例示することがで
きるが、特にイオン吸着や疎水吸着を利用した固定化方
法が簡便である。
【0125】PHA合成酵素などの酵素タンパク質は、ア
ミノ酸が多数結合したポリペプチドであり、リシン,ヒ
スチジン,アルギニン,アスパラギン酸,グルタミン酸
などの遊離のイオン性基を有するアミノ酸によってイオ
ン吸着体としての性質を示し、またアラニン,バリン,
ロイシン,イソロイシン,メチオニン,トリプトファ
ン,フェニルアラニン,プロリンなどの遊離の疎水性基
を有するアミノ酸によって、また有機高分子であるとい
う点で疎水吸着体としての性質を有している。従って、
程度の差はあるが、イオン性や疎水性、もしくはイオン
性と疎水性の両方の性質を有する肥料組成物に吸着させ
ることが可能である。
ミノ酸が多数結合したポリペプチドであり、リシン,ヒ
スチジン,アルギニン,アスパラギン酸,グルタミン酸
などの遊離のイオン性基を有するアミノ酸によってイオ
ン吸着体としての性質を示し、またアラニン,バリン,
ロイシン,イソロイシン,メチオニン,トリプトファ
ン,フェニルアラニン,プロリンなどの遊離の疎水性基
を有するアミノ酸によって、また有機高分子であるとい
う点で疎水吸着体としての性質を有している。従って、
程度の差はあるが、イオン性や疎水性、もしくはイオン
性と疎水性の両方の性質を有する肥料組成物に吸着させ
ることが可能である。
【0126】イオン吸着法または疎水吸着法によるPHA
合成酵素の肥料組成物への固定化は、肥料組成物とPHA
合成酵素を所定の水性媒体中で所定の濃度となるように
混合することによって達成される。このとき、酵素が肥
料組成物の表面に均等に吸着されるよう、反応容器を適
当な強度で振盪あるいは攪拌することが望ましい。
合成酵素の肥料組成物への固定化は、肥料組成物とPHA
合成酵素を所定の水性媒体中で所定の濃度となるように
混合することによって達成される。このとき、酵素が肥
料組成物の表面に均等に吸着されるよう、反応容器を適
当な強度で振盪あるいは攪拌することが望ましい。
【0127】上記固定化処理において、肥料組成物と酵
素の混合された水性媒体の組成としては、水性媒体のpH
や塩濃度によって肥料組成物およびPHA合成酵素の表面
電荷の正負や電荷量、疎水性が変化することから、それ
を考慮した組成とするのが望ましい。例えば、肥料組成
物が主にイオン吸着性である場合には、塩濃度を下げる
ことにより、肥料組成物とPHA合成酵素との吸着に寄与
する電荷量を増やすことができる。また、pHを変える事
により、両者の反対電荷を増やすことができる。肥料組
成物が主に疎水吸着性である場合には、塩濃度を上げる
ことによって両者の疎水性を増やすことができる。ま
た、予め電気泳動やぬれ角等を測定し、肥料組成物やPH
A合成酵素の荷電状態や疎水性を調べることで、吸着に
適した組成を設定をすることもできる。さらに、肥料組
成物とPHA合成酵素との吸着量を直接測定して組成を求
めることもできる。吸着量の測定は、例えば、肥料組成
物が分散された溶液に濃度既知のPHA合成酵素溶液を添
加し、吸着処理を行った後、溶液中のPHA合成酵素濃度
を測定し、差し引き法により吸着酵素量を求める等の方
法を用いればよい。
素の混合された水性媒体の組成としては、水性媒体のpH
や塩濃度によって肥料組成物およびPHA合成酵素の表面
電荷の正負や電荷量、疎水性が変化することから、それ
を考慮した組成とするのが望ましい。例えば、肥料組成
物が主にイオン吸着性である場合には、塩濃度を下げる
ことにより、肥料組成物とPHA合成酵素との吸着に寄与
する電荷量を増やすことができる。また、pHを変える事
により、両者の反対電荷を増やすことができる。肥料組
成物が主に疎水吸着性である場合には、塩濃度を上げる
ことによって両者の疎水性を増やすことができる。ま
た、予め電気泳動やぬれ角等を測定し、肥料組成物やPH
A合成酵素の荷電状態や疎水性を調べることで、吸着に
適した組成を設定をすることもできる。さらに、肥料組
成物とPHA合成酵素との吸着量を直接測定して組成を求
めることもできる。吸着量の測定は、例えば、肥料組成
物が分散された溶液に濃度既知のPHA合成酵素溶液を添
加し、吸着処理を行った後、溶液中のPHA合成酵素濃度
を測定し、差し引き法により吸着酵素量を求める等の方
法を用いればよい。
【0128】イオン吸着法や疎水吸着法によって酵素を
固定化し難い肥料組成物の場合は、操作の煩雑さや酵素
の失活の可能性を考慮すれば共有結合法によってもかま
わない。例えば、芳香族アミノ基を有する肥料組成物を
ジアゾ化し、これに酵素をジアゾカップリングする方法
や、カルボキシル基,アミノ基を有する肥料組成物と酵
素の間にペプチド結合を形成させる方法、ハロゲン基を
有する肥料組成物と酵素のアミノ基等との間でアルキル
化する方法、肥料組成物のアミノ基と酵素のアミノ基と
の間を架橋する方法、アルデヒド基またはケトン基を有
する化合物とイソシアニド化合物の存在下、カルボキシ
ル基,アミノ基を有する肥料組成物粒子と酵素を反応さ
せる方法、ジスルフィド基を有する肥料組成物と酵素の
チオール基との間で交換反応させる方法などがある。
固定化し難い肥料組成物の場合は、操作の煩雑さや酵素
の失活の可能性を考慮すれば共有結合法によってもかま
わない。例えば、芳香族アミノ基を有する肥料組成物を
ジアゾ化し、これに酵素をジアゾカップリングする方法
や、カルボキシル基,アミノ基を有する肥料組成物と酵
素の間にペプチド結合を形成させる方法、ハロゲン基を
有する肥料組成物と酵素のアミノ基等との間でアルキル
化する方法、肥料組成物のアミノ基と酵素のアミノ基と
の間を架橋する方法、アルデヒド基またはケトン基を有
する化合物とイソシアニド化合物の存在下、カルボキシ
ル基,アミノ基を有する肥料組成物粒子と酵素を反応さ
せる方法、ジスルフィド基を有する肥料組成物と酵素の
チオール基との間で交換反応させる方法などがある。
【0129】また、アフィニティ吸着によって酵素をリ
ガンドが導入された肥料組成物に固定化してもよい。こ
の場合、リガンドとしてPHA合成酵素の酵素活性を維持
しながらアフィニティ吸着を行えるものであれば、いか
なるものも選択できる。また、PHA合成酵素にタンパク
質等の他の生体高分子を結合させ、結合した生体高分子
をアフィニティ吸着することで酵素を固定化してもよ
い。PHA合成酵素と生体高分子との結合は遺伝子組換え
等によって行ってもよいし、化学的に行ってもよい。例
えば、実施例に後述するように、形質転換によってグル
タチオン-S-トランスフェラーゼ(Glutathione S-trans
ferase)をPHA合成酵素に融合し、グルタチオン-S-トラ
ンスフェラーゼのリガンドであるグルタチオンを導入し
たセファロース(Sepharose)を工程における肥料組
成物の担体とし、これに融合タンパク質をアフィニティ
吸着させ、固定化することができる。
ガンドが導入された肥料組成物に固定化してもよい。こ
の場合、リガンドとしてPHA合成酵素の酵素活性を維持
しながらアフィニティ吸着を行えるものであれば、いか
なるものも選択できる。また、PHA合成酵素にタンパク
質等の他の生体高分子を結合させ、結合した生体高分子
をアフィニティ吸着することで酵素を固定化してもよ
い。PHA合成酵素と生体高分子との結合は遺伝子組換え
等によって行ってもよいし、化学的に行ってもよい。例
えば、実施例に後述するように、形質転換によってグル
タチオン-S-トランスフェラーゼ(Glutathione S-trans
ferase)をPHA合成酵素に融合し、グルタチオン-S-トラ
ンスフェラーゼのリガンドであるグルタチオンを導入し
たセファロース(Sepharose)を工程における肥料組
成物の担体とし、これに融合タンパク質をアフィニティ
吸着させ、固定化することができる。
【0130】上記方法により作製された、酵素を固定化
した肥料組成物は、そのままでも用いることができる
が、さらに凍結乾燥等を施した上で使用することもでき
る。
した肥料組成物は、そのままでも用いることができる
が、さらに凍結乾燥等を施した上で使用することもでき
る。
【0131】3-ヒドロキシアシルCoAの重合によりPHAが
合成される反応において放出されるCoA量が1分間に1μm
olとなるPHA合成酵素量を1単位(U)としたとき、肥料
組成物に固定する酵素の量は、肥料組成物1 gあたり10
単位(U)から1,000単位(U)、望ましくは50 単位(U)から5
00単位(U) の範囲内に設定すると良い。
合成される反応において放出されるCoA量が1分間に1μm
olとなるPHA合成酵素量を1単位(U)としたとき、肥料
組成物に固定する酵素の量は、肥料組成物1 gあたり10
単位(U)から1,000単位(U)、望ましくは50 単位(U)から5
00単位(U) の範囲内に設定すると良い。
【0132】酵素の固定化処理を行う時間は1分から24
時間が望ましく、より望ましくは10分から1時間であ
る。過剰な静置あるいは放置は肥料組成物の凝集及び酵
素活性の低下を招くので好ましくない。
時間が望ましく、より望ましくは10分から1時間であ
る。過剰な静置あるいは放置は肥料組成物の凝集及び酵
素活性の低下を招くので好ましくない。
【0133】また、前工程の肥料組成物を分散する工程
を省略して、水性媒体に分散する前の肥料組成物を、直
接酵素溶液に添加し、酵素溶液中で分散を行いながら、
酵素を肥料組成物に固定化してもよい。この場合、肥料
組成物に固定化された酵素が保有するイオン性官能基に
よる電気的反発や立体障害によって、肥料組成物が水性
媒体中で分散することを容易にし、水性媒体への界面活
性剤の添加を不要にする、もしくは少量化することが場
合によって可能となる。
を省略して、水性媒体に分散する前の肥料組成物を、直
接酵素溶液に添加し、酵素溶液中で分散を行いながら、
酵素を肥料組成物に固定化してもよい。この場合、肥料
組成物に固定化された酵素が保有するイオン性官能基に
よる電気的反発や立体障害によって、肥料組成物が水性
媒体中で分散することを容易にし、水性媒体への界面活
性剤の添加を不要にする、もしくは少量化することが場
合によって可能となる。
【0134】基質である3-ヒドロキシアシルCoAを添
加する工程 本工程は、前工程の酵素が固定化された肥料組成物の水
性分散液に対し、別途用意した3-ヒドロキシアシルCoA
の保存液を目的濃度に達するように添加することによっ
て達成される。基質である3-ヒドロキシアシルCoAは、
一般に0.1mMから1.0M、望ましくは0.2mMから0.2M、さら
に望ましくは0.2 mMから1.0mMの終濃度で添加される。
加する工程 本工程は、前工程の酵素が固定化された肥料組成物の水
性分散液に対し、別途用意した3-ヒドロキシアシルCoA
の保存液を目的濃度に達するように添加することによっ
て達成される。基質である3-ヒドロキシアシルCoAは、
一般に0.1mMから1.0M、望ましくは0.2mMから0.2M、さら
に望ましくは0.2 mMから1.0mMの終濃度で添加される。
【0135】目的とする徐放性肥料の肥料成分の徐放性
は、PHAのモノマーユニットの組成、すなわち本工程で
基質として添加する3-ヒドロキシアシルCoAの種類によ
って大きな影響をうけるため、本工程において徐放性肥
料の使用目的に応じて適当な3-ヒドロキシアシルCoAを
選択する。
は、PHAのモノマーユニットの組成、すなわち本工程で
基質として添加する3-ヒドロキシアシルCoAの種類によ
って大きな影響をうけるため、本工程において徐放性肥
料の使用目的に応じて適当な3-ヒドロキシアシルCoAを
選択する。
【0136】また本工程において、反応液中の3-ヒドロ
キシアシルCoAの種類や濃度などの組成を経時的に変化
させることによって、肥料組成物の半径方向もしくは垂
直方向に肥料組成物を被覆するPHAのモノマーユニット
組成を変化させることができる。
キシアシルCoAの種類や濃度などの組成を経時的に変化
させることによって、肥料組成物の半径方向もしくは垂
直方向に肥料組成物を被覆するPHAのモノマーユニット
組成を変化させることができる。
【0137】このモノマーユニット組成の変化した肥料
組成物の形態として、例えば、PHA被膜の組成変化が連
続的で、半径方向もしくは垂直方向に組成の勾配を形成
した1層のPHAが肥料組成物を被覆した形態を挙げるこ
とができる。製造方法としては、例えば、PHAを合成し
ながら反応液中に別組成の3-ヒドロキシアシルCoAを添
加するなどの方法によればよい。
組成物の形態として、例えば、PHA被膜の組成変化が連
続的で、半径方向もしくは垂直方向に組成の勾配を形成
した1層のPHAが肥料組成物を被覆した形態を挙げるこ
とができる。製造方法としては、例えば、PHAを合成し
ながら反応液中に別組成の3-ヒドロキシアシルCoAを添
加するなどの方法によればよい。
【0138】また別の形態として、PHA被膜の組成変化
が段階的で、組成の異なるPHAが肥料組成物を多層に被
覆した形態を挙げることができる。この製造方法として
は、ある3-ヒドロキシアシルCoAの組成でPHAを合成した
後、遠心分離などによって調製中の肥料組成物を反応液
からいったん回収し、これに異なる3-ヒドロキシアシル
CoAの組成からなる反応液を再度添加するなどの方法に
よればよい。
が段階的で、組成の異なるPHAが肥料組成物を多層に被
覆した形態を挙げることができる。この製造方法として
は、ある3-ヒドロキシアシルCoAの組成でPHAを合成した
後、遠心分離などによって調製中の肥料組成物を反応液
からいったん回収し、これに異なる3-ヒドロキシアシル
CoAの組成からなる反応液を再度添加するなどの方法に
よればよい。
【0139】PHA合成反応を行う工程
本工程は、合成するPHAによって肥料組成物が被覆され
るように、反応溶液の組成を前工程までに調製していな
い場合にはPHA合成酵素の活性を発揮させ得る組成とな
るように調製を行い、反応温度及び反応時間を調整する
ことによって行う。
るように、反応溶液の組成を前工程までに調製していな
い場合にはPHA合成酵素の活性を発揮させ得る組成とな
るように調製を行い、反応温度及び反応時間を調整する
ことによって行う。
【0140】PHA合成酵素の活性を発揮させ得る反応溶
液中の緩衝液の濃度は、一般的な濃度、即ち5mMから
1.0Mの範囲で使用することができるが、望ましくは10
〜200mMで行うことが好ましい。また、pHは5.5から9.
0、好ましくは7.0から 8.5となるように調製するが、使
用するPHA合成酵素の至適pHやpH安定性によっては、上
記範囲以外に条件を設定することも除外されない。
液中の緩衝液の濃度は、一般的な濃度、即ち5mMから
1.0Mの範囲で使用することができるが、望ましくは10
〜200mMで行うことが好ましい。また、pHは5.5から9.
0、好ましくは7.0から 8.5となるように調製するが、使
用するPHA合成酵素の至適pHやpH安定性によっては、上
記範囲以外に条件を設定することも除外されない。
【0141】反応温度は、使用するPHA合成酵素の特性
に応じて適宜設定するものであるが、通常、4℃から50
℃、好ましくは20℃から40℃に設定すると良い。ただ
し、使用するPHA合成酵素の至適温度や耐熱性によって
は、上記範囲以外に条件を設定することも除外されな
い。
に応じて適宜設定するものであるが、通常、4℃から50
℃、好ましくは20℃から40℃に設定すると良い。ただ
し、使用するPHA合成酵素の至適温度や耐熱性によって
は、上記範囲以外に条件を設定することも除外されな
い。
【0142】反応時間は、使用するPHA合成酵素の安定
性等にもよるが、通常、1分間から24時間、好ましくは
10分間から5時間の範囲内で適宜選択して設定する。
性等にもよるが、通常、1分間から24時間、好ましくは
10分間から5時間の範囲内で適宜選択して設定する。
【0143】目的とする徐放性肥料の肥料成分の徐放性
は、PHAのモノマーユニット組成や分子量、肥料組成物
の被覆量等によって大きな影響をうけるため、本工程に
おいて徐放性肥料の使用目的に応じて適当な反応条件を
選択する。
は、PHAのモノマーユニット組成や分子量、肥料組成物
の被覆量等によって大きな影響をうけるため、本工程に
おいて徐放性肥料の使用目的に応じて適当な反応条件を
選択する。
【0144】被膜として形成されたPHAのモノマーユニ
ット組成は、徐放性肥料からクロロホルムによってPHA
を抽出した後、ガスクロマトグラフィー等による組成分
析や、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)
とイオンスパッタリング技術を用いて判定することがで
きる。
ット組成は、徐放性肥料からクロロホルムによってPHA
を抽出した後、ガスクロマトグラフィー等による組成分
析や、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)
とイオンスパッタリング技術を用いて判定することがで
きる。
【0145】PHAの分子量は、徐放性肥料の目的とする
徐放性にとって適当な分子量を選択すればよいが、徐放
性肥料の物理的強度を維持するために、重量平均分子量
4万以上、さらに重量平均分子量(Mw)で4〜20万
が好ましく、6〜15万がより好ましい。PHAの分子量
の測定は、徐放性肥料からクロロホルムによってPHAを
抽出した後、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー)によって測定すればよい。
徐放性にとって適当な分子量を選択すればよいが、徐放
性肥料の物理的強度を維持するために、重量平均分子量
4万以上、さらに重量平均分子量(Mw)で4〜20万
が好ましく、6〜15万がより好ましい。PHAの分子量
の測定は、徐放性肥料からクロロホルムによってPHAを
抽出した後、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー)によって測定すればよい。
【0146】PHAの被覆量としては、徐放性肥料の目的
とする徐放性にとって適当な被覆量を選択すればよい
が、徐放性肥料全量に対して1〜30質量%の範囲の重
量組成比であり、好ましくは1〜20質量%の範囲、よ
り好ましくは1〜15質量%の範囲とする。
とする徐放性にとって適当な被覆量を選択すればよい
が、徐放性肥料全量に対して1〜30質量%の範囲の重
量組成比であり、好ましくは1〜20質量%の範囲、よ
り好ましくは1〜15質量%の範囲とする。
【0147】徐放性肥料を使用形態に応じて調製する
工程 本工程は、本発明によって得られた徐放性肥料を実用に
供するための最終工程にあたり、徐放性肥料を固形物と
して使用する場合と水分散液として使用する場合によっ
て区別される。
工程 本工程は、本発明によって得られた徐放性肥料を実用に
供するための最終工程にあたり、徐放性肥料を固形物と
して使用する場合と水分散液として使用する場合によっ
て区別される。
【0148】徐放性肥料を固形物として使用する場合、
前工程の反応液から徐放性肥料を、吸引ろ過、加圧ろ
過、あるいは遠心分離など公知の方法によって回収し、
さらにこれを必要に応じて洗浄し、必要に応じて乾燥す
ることによって得る。
前工程の反応液から徐放性肥料を、吸引ろ過、加圧ろ
過、あるいは遠心分離など公知の方法によって回収し、
さらにこれを必要に応じて洗浄し、必要に応じて乾燥す
ることによって得る。
【0149】得られた固形状の徐放性肥料は、さらに必
要に応じ、また使用する大きさに応じ、造粒を行うこと
もできる。
要に応じ、また使用する大きさに応じ、造粒を行うこと
もできる。
【0150】徐放性肥料を水分散液として使用する場
合、徐放性肥料を前工程の反応液に分散された状態のま
ま使用することもでき、あるいは反応液の存在が徐放性
肥料の使用上支障がある場合には、次のように反応液の
除去、さらに場合によっては洗浄を行った後、目的とす
る水性媒体に分散して使用することもできる。例えば、
反応液から徐放性肥料を、吸引ろ過、加圧ろ過、あるい
は遠心分離など公知の方法によって回収し、これを水あ
るいは水溶液に分散する工程を適当に繰り返すことによ
って行える。
合、徐放性肥料を前工程の反応液に分散された状態のま
ま使用することもでき、あるいは反応液の存在が徐放性
肥料の使用上支障がある場合には、次のように反応液の
除去、さらに場合によっては洗浄を行った後、目的とす
る水性媒体に分散して使用することもできる。例えば、
反応液から徐放性肥料を、吸引ろ過、加圧ろ過、あるい
は遠心分離など公知の方法によって回収し、これを水あ
るいは水溶液に分散する工程を適当に繰り返すことによ
って行える。
【0151】本発明では、徐放性肥料を構成するPHAと
して親水性のものを選択することで、水性媒体中で徐放
性肥料を自己分散させることが可能であり、徐放性肥料
を水分散液として用いる場合に水性媒体への界面活性剤
の添加を不要とする、もしくは少量化することが可能で
あるが、徐放性肥料を構成するPHAとして親水性でない
ものを使用する場合や、徐放性肥料を構成するPHAとし
て親水性のものを使用する場合であっても、徐放性肥料
の目的を妨げない種類及び濃度であれば、水性媒体への
徐放性肥料の分散を補助する目的で、界面活性剤や保護
コロイドなどを添加することができる。また防腐剤、粘
度調整剤、pH調整剤、キレート化剤等を添加することも
できる。
して親水性のものを選択することで、水性媒体中で徐放
性肥料を自己分散させることが可能であり、徐放性肥料
を水分散液として用いる場合に水性媒体への界面活性剤
の添加を不要とする、もしくは少量化することが可能で
あるが、徐放性肥料を構成するPHAとして親水性でない
ものを使用する場合や、徐放性肥料を構成するPHAとし
て親水性のものを使用する場合であっても、徐放性肥料
の目的を妨げない種類及び濃度であれば、水性媒体への
徐放性肥料の分散を補助する目的で、界面活性剤や保護
コロイドなどを添加することができる。また防腐剤、粘
度調整剤、pH調整剤、キレート化剤等を添加することも
できる。
【0152】本発明の徐放性肥料分散液に添加しても良
い界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性
イオン性、非イオン性のいずれの活性剤でも良く、また
生分解性を有するものが好ましい。このようなアニオン
性界面活性剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、
オレイン酸カリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム、等
の脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸
トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、オクタデ
シル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;ス
ルホコハク酸ジドデシルナトリウム、スルホコハク酸ジ
オクタデシルナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩
類;ドデシルリン酸カリウム、オクタデシルリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩類等が挙げられる。カチオ
ン性界面活性剤の例としては、酢酸オクタデシルアンモ
ニウム、ヤシ油アミン酢酸塩等のアルキルアミン塩類;
塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチ
ルアンモニウム、塩化ドデシルベンジルジメチルアンモ
ニウム等の第4級アンモニウム塩類が挙げられる。両性
イオン性活性剤の例としては、ドデシルベタイン、オク
タデシルベタイン等のアルキルベタイン類等が挙げられ
る。非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタンド
デカン酸エステル、ソルビタンヘキサデカン酸エステ
ル、ソルビタンオクタデカン酸エステル、ソルビタン
(9−オクタデセン酸)エステル、ソルビタン(9−オ
クタデセン酸)トリエステル等のソルビタン脂肪酸エス
テル類;グリセリンオクタデカン酸エステル、グリセリ
ン(9−オクタデセン酸)エステル等のグリセリン脂肪
酸エステル類が挙げられる。これら界面活性剤は、それ
ぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることが
できる。その使用量は特に限定しないが、徐放性肥料に
対して重量組成比で10%以下とするなど、できる限り
少ないことが望ましい。
い界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性
イオン性、非イオン性のいずれの活性剤でも良く、また
生分解性を有するものが好ましい。このようなアニオン
性界面活性剤の例としては、ステアリン酸ナトリウム、
オレイン酸カリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム、等
の脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸
トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、オクタデ
シル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;ス
ルホコハク酸ジドデシルナトリウム、スルホコハク酸ジ
オクタデシルナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩
類;ドデシルリン酸カリウム、オクタデシルリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩類等が挙げられる。カチオ
ン性界面活性剤の例としては、酢酸オクタデシルアンモ
ニウム、ヤシ油アミン酢酸塩等のアルキルアミン塩類;
塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシ
ルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチ
ルアンモニウム、塩化ドデシルベンジルジメチルアンモ
ニウム等の第4級アンモニウム塩類が挙げられる。両性
イオン性活性剤の例としては、ドデシルベタイン、オク
タデシルベタイン等のアルキルベタイン類等が挙げられ
る。非イオン性界面活性剤の例としては、ソルビタンド
デカン酸エステル、ソルビタンヘキサデカン酸エステ
ル、ソルビタンオクタデカン酸エステル、ソルビタン
(9−オクタデセン酸)エステル、ソルビタン(9−オ
クタデセン酸)トリエステル等のソルビタン脂肪酸エス
テル類;グリセリンオクタデカン酸エステル、グリセリ
ン(9−オクタデセン酸)エステル等のグリセリン脂肪
酸エステル類が挙げられる。これら界面活性剤は、それ
ぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いることが
できる。その使用量は特に限定しないが、徐放性肥料に
対して重量組成比で10%以下とするなど、できる限り
少ないことが望ましい。
【0153】本発明の徐放性肥料分散液に添加しても良
い保護コロイドとしては、生分解性のものが好ましく、
具体的には、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミ
ン、アラビアゴム、フィッシュグリューなどの天然タン
パク質やアルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、脂肪族
ポリエステル等の合成高分子等が挙げられる。保護コロ
イドは、作物個体への定着性や粘度調製、速乾性を挙げ
る目的で、必要に応じて使用されるものであり、徐放性
肥料分散液中の保護コロイドの含有割合は、30質量%
以下が好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
い保護コロイドとしては、生分解性のものが好ましく、
具体的には、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミ
ン、アラビアゴム、フィッシュグリューなどの天然タン
パク質やアルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、脂肪族
ポリエステル等の合成高分子等が挙げられる。保護コロ
イドは、作物個体への定着性や粘度調製、速乾性を挙げ
る目的で、必要に応じて使用されるものであり、徐放性
肥料分散液中の保護コロイドの含有割合は、30質量%
以下が好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
【0154】上記各種混合物の水性媒体への混合は、デ
ィスパー等の簡単な撹拌機や混練機などによって行うこ
とができる。
ィスパー等の簡単な撹拌機や混練機などによって行うこ
とができる。
【0155】本発明の水性媒体中の徐放性肥料の含有量
としては、1〜70質量%、好ましくは5〜50質量%
とするのがよい。
としては、1〜70質量%、好ましくは5〜50質量%
とするのがよい。
【0156】本発明の徐放性肥料の形状は、徐放性や使
用形態によって適当なものを選択すればよいが、例え
ば、粉末、球形、ペレット状、柱状、円盤状、紐状、フ
ィルム状、シート状などを用いることができる。このよ
うな成形には、熱可塑性樹脂分野で一般に採用されてい
る成形方法、例えば、圧縮成型、射出成形、押出成形等
を使用することができる。
用形態によって適当なものを選択すればよいが、例え
ば、粉末、球形、ペレット状、柱状、円盤状、紐状、フ
ィルム状、シート状などを用いることができる。このよ
うな成形には、熱可塑性樹脂分野で一般に採用されてい
る成形方法、例えば、圧縮成型、射出成形、押出成形等
を使用することができる。
【0157】本発明の徐放性肥料の粒径は、徐放性や使
用形態によって適当なものを選択すればよいが、0.1μ
m以上、より好ましくは、0.5μm以上とするのが好ま
しい。徐放性肥料の粒径が所望の範囲に無い場合は、篩
別や、ろ過、沈降法などの分級手段によって調整するこ
とができる。10μm以下の微小な粒径の肥料粒子の粒
径は、吸光度法、静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈
降法などの既知の方法により測定でき、例えば、コール
ターカウンターマルチサイザー等の粒径測定装置を用い
ることができる。
用形態によって適当なものを選択すればよいが、0.1μ
m以上、より好ましくは、0.5μm以上とするのが好ま
しい。徐放性肥料の粒径が所望の範囲に無い場合は、篩
別や、ろ過、沈降法などの分級手段によって調整するこ
とができる。10μm以下の微小な粒径の肥料粒子の粒
径は、吸光度法、静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈
降法などの既知の方法により測定でき、例えば、コール
ターカウンターマルチサイザー等の粒径測定装置を用い
ることができる。
【0158】また、本工程で得られた徐放性肥料のPHA
被膜に各種二次加工や化学修飾等の処理を施して使用す
ることもできる。
被膜に各種二次加工や化学修飾等の処理を施して使用す
ることもできる。
【0159】例えば、肥料組成物を被覆するPHAに化学
修飾を施すことにより、さらに有用な機能・特性を備え
た徐放性肥料を得ることができる。例えば、グラフト鎖
を導入することにより、該グラフト鎖に起因する各種の
特性を備えた徐放性肥料を得ることができる。例えば、
後述するポリシロキサンをグラフト鎖として導入すれ
ば、機械的強度、分散性、耐候性、撥(耐)水性、耐熱
性等が向上した徐放性肥料を得ることができる。また、
徐放性肥料を被覆するPHAを架橋化せしめることによ
り、該徐放性肥料の機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
を向上させることが可能である。
修飾を施すことにより、さらに有用な機能・特性を備え
た徐放性肥料を得ることができる。例えば、グラフト鎖
を導入することにより、該グラフト鎖に起因する各種の
特性を備えた徐放性肥料を得ることができる。例えば、
後述するポリシロキサンをグラフト鎖として導入すれ
ば、機械的強度、分散性、耐候性、撥(耐)水性、耐熱
性等が向上した徐放性肥料を得ることができる。また、
徐放性肥料を被覆するPHAを架橋化せしめることによ
り、該徐放性肥料の機械的強度、耐薬品性、耐熱性など
を向上させることが可能である。
【0160】化学修飾の方法は、所望の機能・構造を得
る目的を満たす方法であれば特に限定はされないが、例
えば、反応性官能基を側鎖に有するPHAを合成し、該官
能基の化学反応を利用して化学修飾する方法を、好適な
方法として用いることができる。
る目的を満たす方法であれば特に限定はされないが、例
えば、反応性官能基を側鎖に有するPHAを合成し、該官
能基の化学反応を利用して化学修飾する方法を、好適な
方法として用いることができる。
【0161】前記の反応性官能基の種類は、所望の機能
・構造を得る目的を満たすものであれば特に限定されな
いが、例えば、前記したエポキシ基を例示することがで
きる。エポキシ基を側鎖に有するPHAは、通常のエポキ
シ基を有するポリマーと同様の化学的変換を行うことが
できる。具体的には、例えば水酸基に変換したり、スル
ホン基を導入することが可能である。また、チオールや
アミンを有する化合物を付加することもでき、例えば、
末端に反応性官能基を有する化合物、具体的には、エポ
キシ基との反応性が高いアミノ基を末端に有する化合物
などを添加して反応させることにより、ポリマーのグラ
フト鎖が形成される。
・構造を得る目的を満たすものであれば特に限定されな
いが、例えば、前記したエポキシ基を例示することがで
きる。エポキシ基を側鎖に有するPHAは、通常のエポキ
シ基を有するポリマーと同様の化学的変換を行うことが
できる。具体的には、例えば水酸基に変換したり、スル
ホン基を導入することが可能である。また、チオールや
アミンを有する化合物を付加することもでき、例えば、
末端に反応性官能基を有する化合物、具体的には、エポ
キシ基との反応性が高いアミノ基を末端に有する化合物
などを添加して反応させることにより、ポリマーのグラ
フト鎖が形成される。
【0162】アミノ基を末端に有する化合物としては、
ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、アミノ変性ポ
リシロキサン(アミノ変性シリコーンオイル)などのア
ミノ変性ポリマーを例示することができる。このうち、
アミノ変性ポリシロキサンとしては、市販の変性シリコ
ーンオイルを使用しても良く、また、J.Amer.Chem.So
c.,78,2278(1956)などに記載の方法で合成して使用
することもでき、該ポリマーのグラフト鎖の付加による
機械的強度、分散性、耐候性、撥(耐)水性、耐熱性の
改善等の効果が期待できる。
ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、アミノ変性ポ
リシロキサン(アミノ変性シリコーンオイル)などのア
ミノ変性ポリマーを例示することができる。このうち、
アミノ変性ポリシロキサンとしては、市販の変性シリコ
ーンオイルを使用しても良く、また、J.Amer.Chem.So
c.,78,2278(1956)などに記載の方法で合成して使用
することもでき、該ポリマーのグラフト鎖の付加による
機械的強度、分散性、耐候性、撥(耐)水性、耐熱性の
改善等の効果が期待できる。
【0163】また、エポキシ基を有するポリマーの化学
的変換の他の例として、ヘキサメチレンジアミンなどの
ジアミン化合物,無水コハク酸,2-エチル-4-メチルイ
ミダゾールなどによる架橋反応が、物理化学的変換の例
として電子線照射などによる架橋反応が挙げられる。こ
のうち、エポキシ基を側鎖に有するPHAとヘキサメチレ
ンジアミンとの反応は、下記のスキームに示すような形
で進行し、架橋ポリマーが生成する。
的変換の他の例として、ヘキサメチレンジアミンなどの
ジアミン化合物,無水コハク酸,2-エチル-4-メチルイ
ミダゾールなどによる架橋反応が、物理化学的変換の例
として電子線照射などによる架橋反応が挙げられる。こ
のうち、エポキシ基を側鎖に有するPHAとヘキサメチレ
ンジアミンとの反応は、下記のスキームに示すような形
で進行し、架橋ポリマーが生成する。
【0164】
【化65】
【0165】本発明によって得られた徐放性肥料は、通
常の徐放性肥料を使用する場合と同様の方法で施用すれ
ばよく、例えば粒子状の場合、散粒機等によって、ま
た、水分散液の場合、噴霧器等によって作物葉面や土壌
表面に散布すればよい。
常の徐放性肥料を使用する場合と同様の方法で施用すれ
ばよく、例えば粒子状の場合、散粒機等によって、ま
た、水分散液の場合、噴霧器等によって作物葉面や土壌
表面に散布すればよい。
【0166】徐放性の評価方法としては、例えば水溶性
の肥料の場合、実土壌を充填した透水カラム上に徐放性
肥料を設置し、透水によってカラムから溶出する肥料成
分を経時的に測定する方法などによればよい。
の肥料の場合、実土壌を充填した透水カラム上に徐放性
肥料を設置し、透水によってカラムから溶出する肥料成
分を経時的に測定する方法などによればよい。
【0167】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。ただし、以下に述べる実施例は本発明の最良
の実施形態の一例ではあるが、本発明の技術的範囲はこ
れら実施例に限定されるものではない。なお、以下にお
ける「%」は特に標記した以外は質量基準である。
説明する。ただし、以下に述べる実施例は本発明の最良
の実施形態の一例ではあるが、本発明の技術的範囲はこ
れら実施例に限定されるものではない。なお、以下にお
ける「%」は特に標記した以外は質量基準である。
【0168】(参考例1) PHA合成酵素生産能を有す
る形質転換体の作製 YN2株を100 mlのLB培地(1%ポリペプトン(日本製薬
(株)製)、0.5%酵母エキス(Difco社製)、0.5%塩化
ナトリウム、pH7.4)で30℃、一晩培養後、マーマーら
の方法により染色体DNAを分離回収した。得られた染色
体DNAを制限酵素HindIIIで完全分解した。ベクターには
pUC18を使用し、制限酵素HindIIIで切断した。末端の脱
リン酸処理(Molecular Cloning,1,572,(1989); Cold S
pring Harbor Laboratory出版)ののち、DNAライゲーシ
ョンキットVer.II(宝酒造(株)製)を用いて、ベクター
の切断部位(クローニングサイト)と染色体DNAのHindI
II完全分解断片とを連結した。この染色体DNA断片を組
み込んだプラスミドベクターを用いて、大腸菌(Escher
ichia coli)HB101株を形質転換し、YN2株のDNAライブ
ラリーを作製した。次に、YN2株のPHA合成酵素遺伝子を
含むDNA断片を選択するため、コロニー・ハイブリダイ
ズ用のプローブ調製を行った。配列番号:2および配列
番号:3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを合成
し(アマシャムファルマシア・バイオテク(株))、この
オリゴヌクレオチドをプライマーに用いて、染色体DNA
をテンプレートとしてPCRを行った。PCR増幅されてきた
DNA断片をプローブとして用いた。プローブの標識化
は、市販の標識酵素系AlkPhosDirect(アマシャムファ
ルマシア・バイオテク(株)製)を利用して行った。得ら
れた標識化プローブを用いて、YN2株の染色体DNAライブ
ラリーからコロニーハイブリダイゼーション法によって
PHA合成酵素遺伝子を含む組換えプラスミドを有する大
腸菌菌株を選抜した。選抜した菌株から、アルカリ法に
よってプラスミドを回収することで、PHA合成酵素遺伝
子を含むDNA断片を得ることができた。ここで取得した
遺伝子DNA断片を、不和合性グループであるIncP、Inc
Q、あるいはIncWの何れにも属さない広宿主域複製領域
を含むベクターpBBR122(Mo Bi Tec)に組み換えた。こ
の組み換えプラスミドをシュードモナス・チコリアイYN
2ml株(PHA合成能欠損株)にエレクトロポレーション法
により形質転換したところ、YN2ml株のPHA合成能が復帰
し、相補性を示した。従って、選抜された遺伝子DNA断
片は、シュードモナス・チコリアイYN2ml株内におい
て、PHA合成酵素に翻訳可能な、PHA合成酵素遺伝子領域
を含むことが確認される。
る形質転換体の作製 YN2株を100 mlのLB培地(1%ポリペプトン(日本製薬
(株)製)、0.5%酵母エキス(Difco社製)、0.5%塩化
ナトリウム、pH7.4)で30℃、一晩培養後、マーマーら
の方法により染色体DNAを分離回収した。得られた染色
体DNAを制限酵素HindIIIで完全分解した。ベクターには
pUC18を使用し、制限酵素HindIIIで切断した。末端の脱
リン酸処理(Molecular Cloning,1,572,(1989); Cold S
pring Harbor Laboratory出版)ののち、DNAライゲーシ
ョンキットVer.II(宝酒造(株)製)を用いて、ベクター
の切断部位(クローニングサイト)と染色体DNAのHindI
II完全分解断片とを連結した。この染色体DNA断片を組
み込んだプラスミドベクターを用いて、大腸菌(Escher
ichia coli)HB101株を形質転換し、YN2株のDNAライブ
ラリーを作製した。次に、YN2株のPHA合成酵素遺伝子を
含むDNA断片を選択するため、コロニー・ハイブリダイ
ズ用のプローブ調製を行った。配列番号:2および配列
番号:3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを合成
し(アマシャムファルマシア・バイオテク(株))、この
オリゴヌクレオチドをプライマーに用いて、染色体DNA
をテンプレートとしてPCRを行った。PCR増幅されてきた
DNA断片をプローブとして用いた。プローブの標識化
は、市販の標識酵素系AlkPhosDirect(アマシャムファ
ルマシア・バイオテク(株)製)を利用して行った。得ら
れた標識化プローブを用いて、YN2株の染色体DNAライブ
ラリーからコロニーハイブリダイゼーション法によって
PHA合成酵素遺伝子を含む組換えプラスミドを有する大
腸菌菌株を選抜した。選抜した菌株から、アルカリ法に
よってプラスミドを回収することで、PHA合成酵素遺伝
子を含むDNA断片を得ることができた。ここで取得した
遺伝子DNA断片を、不和合性グループであるIncP、Inc
Q、あるいはIncWの何れにも属さない広宿主域複製領域
を含むベクターpBBR122(Mo Bi Tec)に組み換えた。こ
の組み換えプラスミドをシュードモナス・チコリアイYN
2ml株(PHA合成能欠損株)にエレクトロポレーション法
により形質転換したところ、YN2ml株のPHA合成能が復帰
し、相補性を示した。従って、選抜された遺伝子DNA断
片は、シュードモナス・チコリアイYN2ml株内におい
て、PHA合成酵素に翻訳可能な、PHA合成酵素遺伝子領域
を含むことが確認される。
【0169】このDNA断片について、サンガー法により
塩基配列を決定した。その結果、決定された塩基配列中
には、それぞれペプチド鎖をコードする、配列番号:4
および配列番号:5で示される塩基配列が存在すること
が確認された。これらのPHA合成酵素遺伝子について、
染色体DNAをテンプレートとしてPCRを行い、PHA合成酵
素遺伝子の完全長を再調製した。即ち、配列番号:4で
示される塩基配列のPHA合成酵素遺伝子に対する、上流
側プライマー(配列番号:6)および下流側プライマー
(配列番号:7)、配列番号:5で示される塩基配列の
PHA合成酵素遺伝子に対する、上流側プライマー(配列
番号:8)および下流側プライマー(配列番号:9)を
それぞれ合成した(アマシャムファルマシア・バイオテ
ク(株))。これらのプライマーを用いて、配列番号:4
および配列番号:5で示される塩基配列それぞれについ
てPCRを行い、PHA合成酵素遺伝子の完全長を増幅した
(LA−PCRキット;宝酒造(株)製)。次に、得られたPCR
増幅断片および発現ベクターpTrc99Aを制限酵素HindIII
で切断し、脱リン酸化処理(Molecular Cloning,1巻,
572頁,1989年;Cold Spring Harbor Laboratory出版)
したのち、この発現ベクターpTrc99Aの切断部位に、両
末端の不用な塩基配列を除いたPHA合成酵素遺伝子の完
全長を含むDNA断片を、DNAライゲーションキットVer.II
(宝酒造(株)製)を用いて連結した。
塩基配列を決定した。その結果、決定された塩基配列中
には、それぞれペプチド鎖をコードする、配列番号:4
および配列番号:5で示される塩基配列が存在すること
が確認された。これらのPHA合成酵素遺伝子について、
染色体DNAをテンプレートとしてPCRを行い、PHA合成酵
素遺伝子の完全長を再調製した。即ち、配列番号:4で
示される塩基配列のPHA合成酵素遺伝子に対する、上流
側プライマー(配列番号:6)および下流側プライマー
(配列番号:7)、配列番号:5で示される塩基配列の
PHA合成酵素遺伝子に対する、上流側プライマー(配列
番号:8)および下流側プライマー(配列番号:9)を
それぞれ合成した(アマシャムファルマシア・バイオテ
ク(株))。これらのプライマーを用いて、配列番号:4
および配列番号:5で示される塩基配列それぞれについ
てPCRを行い、PHA合成酵素遺伝子の完全長を増幅した
(LA−PCRキット;宝酒造(株)製)。次に、得られたPCR
増幅断片および発現ベクターpTrc99Aを制限酵素HindIII
で切断し、脱リン酸化処理(Molecular Cloning,1巻,
572頁,1989年;Cold Spring Harbor Laboratory出版)
したのち、この発現ベクターpTrc99Aの切断部位に、両
末端の不用な塩基配列を除いたPHA合成酵素遺伝子の完
全長を含むDNA断片を、DNAライゲーションキットVer.II
(宝酒造(株)製)を用いて連結した。
【0170】得られた組換えプラスミドで大腸菌(Esch
erichia coli HB101:宝酒造)を塩化カルシウム法によ
り形質転換した。得られた組換え体を培養し、組換えプ
ラスミドの増幅を行い、組換えプラスミドをそれぞれ回
収した。配列番号:4の遺伝子DNAを保持する組換えプ
ラスミドをpYN2-C1、配列番号:5の遺伝子DNAを保持す
る組換えプラスミドをpYN2-C2とした。pYN2-C1、pYN2-C
2で大腸菌(Escherichia coli HB101fB fadB欠損株)を
塩化カルシウム法により形質転換し、それぞれの組換え
プラスミドを保持する組換え大腸菌株、pYN2-C1組換え
株、pYN2-C2組換え株を得た。
erichia coli HB101:宝酒造)を塩化カルシウム法によ
り形質転換した。得られた組換え体を培養し、組換えプ
ラスミドの増幅を行い、組換えプラスミドをそれぞれ回
収した。配列番号:4の遺伝子DNAを保持する組換えプ
ラスミドをpYN2-C1、配列番号:5の遺伝子DNAを保持す
る組換えプラスミドをpYN2-C2とした。pYN2-C1、pYN2-C
2で大腸菌(Escherichia coli HB101fB fadB欠損株)を
塩化カルシウム法により形質転換し、それぞれの組換え
プラスミドを保持する組換え大腸菌株、pYN2-C1組換え
株、pYN2-C2組換え株を得た。
【0171】(参考例2) PHA合成酵素の生産1
pYN2-C1に対して、上流側プライマーとなる、オリゴヌ
クレオチド(配列番号:10)および下流側プライマーと
なる、オリゴヌクレオチド(配列番号:11)をそれぞれ
設計・合成した(アマシャムファルマシア・バイオテク
(株))。このオリゴヌクレオチドをプライマーとして、
pYN2-C1をテンプレートとしてPCRを行い、上流にBamHI
制限部位、下流にXhoI制限部位を有するPHA合成酵素遺
伝子の完全長を増幅した(LA−PCRキット;宝酒造(株)
製)。
クレオチド(配列番号:10)および下流側プライマーと
なる、オリゴヌクレオチド(配列番号:11)をそれぞれ
設計・合成した(アマシャムファルマシア・バイオテク
(株))。このオリゴヌクレオチドをプライマーとして、
pYN2-C1をテンプレートとしてPCRを行い、上流にBamHI
制限部位、下流にXhoI制限部位を有するPHA合成酵素遺
伝子の完全長を増幅した(LA−PCRキット;宝酒造(株)
製)。
【0172】同様にpYN2-C2に対して、上流側プライマ
ーとなる、オリゴヌクレオチド(配列番号:12)および
下流側プライマーとなる、オリゴヌクレオチド(配列番
号:13)をそれぞれ設計・合成した(アマシャムファル
マシア・バイオテク(株))。このオリゴヌクレオチドを
プライマーとして、pYN2-C2をテンプレートとしてPCRを
行い、上流にBamHI制限部位、下流にXhoI制限部位を有
するPHA合成酵素遺伝子の完全長を増幅した(LA-PCRキ
ット;宝酒造(株)製)。
ーとなる、オリゴヌクレオチド(配列番号:12)および
下流側プライマーとなる、オリゴヌクレオチド(配列番
号:13)をそれぞれ設計・合成した(アマシャムファル
マシア・バイオテク(株))。このオリゴヌクレオチドを
プライマーとして、pYN2-C2をテンプレートとしてPCRを
行い、上流にBamHI制限部位、下流にXhoI制限部位を有
するPHA合成酵素遺伝子の完全長を増幅した(LA-PCRキ
ット;宝酒造(株)製)。
【0173】精製したそれぞれのPCR増幅産物をBamHIお
よびXhoIにより消化し、プラスミドpGEX-6P-1(アマシ
ャムファルマシア・バイオテク(株)製)の対応する部位
に挿入した。これらのベクターを用いて大腸菌(JM10
9)を形質転換し、発現用菌株を得た。菌株の確認は、M
iniprep(Wizard Minipreps DNA Purification System
s、PROMEGA社製)を用いて大量に調製したプラスミドDN
AをBamHI、XhoIで処理して得られるDNA断片により行っ
た。得られた菌株をLB-Amp培地10 mlで一晩プレ・カル
チャーした後、その0.1 mlを、10 mlのLB-Amp培地に添
加し、37℃、170 rpmで3時間振とう培養した。その後IP
TGを添加 (終濃度 1 mM) し、37℃で4から12時間培養を
続けた。
よびXhoIにより消化し、プラスミドpGEX-6P-1(アマシ
ャムファルマシア・バイオテク(株)製)の対応する部位
に挿入した。これらのベクターを用いて大腸菌(JM10
9)を形質転換し、発現用菌株を得た。菌株の確認は、M
iniprep(Wizard Minipreps DNA Purification System
s、PROMEGA社製)を用いて大量に調製したプラスミドDN
AをBamHI、XhoIで処理して得られるDNA断片により行っ
た。得られた菌株をLB-Amp培地10 mlで一晩プレ・カル
チャーした後、その0.1 mlを、10 mlのLB-Amp培地に添
加し、37℃、170 rpmで3時間振とう培養した。その後IP
TGを添加 (終濃度 1 mM) し、37℃で4から12時間培養を
続けた。
【0174】IPTG 誘導した大腸菌を集菌(8,000×g, 2
分、4℃)し、1/10 量の 4℃ リン酸緩衝生理食塩水(P
BS;8 g NaCl,1.44 g Na2HPO4,0.24 g KH2PO4,0.2 g
KCl,1,000 ml精製水)に再懸濁した。凍結融解および
ソニケーションにより菌体を破砕し、遠心 (8,000×g,
10分、4℃)して固形夾雑物を取り除いた。目的の発現タ
ンパク質が上清に存在することをSDS-PAGEで確認した
後、誘導され発現されたGST融合タンパク質をグルタチ
オン・セファロース4B(アマシャムファルマシア・バ
イオテク(株)製)で精製した。使用するグルタチオンセ
ファロースは、予め非特異的吸着を抑える処理を行っ
た。すなわち、グルタチオンセファロースを同量のPBS
で3回洗浄(8,000×g、1分、4℃)した後、4%ウシ血
清アルブミン含有PBSを同量加えて4℃で1時間処理し
た。処理後同量のPBSで2回洗浄し、1/2量のPBSに再懸濁
した。前処理したグルタチオンセファロース 40μlを、
無細胞抽出液1 ml に添加し、4℃で静かに攪拌した。
これにより、融合タンパク質GST-YN2-C1およびGST-YN2-
C2をグルタチオンセファロースに吸着させた。吸着後、
遠心(8,000×g、1分、4℃)してグルタチオンセファロ
ースを回収し、400μlのPBSで3回洗浄した。その後、10
mMグルタチオン40μlを添加し、4℃で1時間攪拌して、
吸着した融合タンパク質を溶出した。遠心(8,000×g、
2分、4℃)して上清を回収した後PBSに対して透析し、G
ST融合タンパク質を精製した。SDS-PAGEにより、シング
ルバンドを確認した。
分、4℃)し、1/10 量の 4℃ リン酸緩衝生理食塩水(P
BS;8 g NaCl,1.44 g Na2HPO4,0.24 g KH2PO4,0.2 g
KCl,1,000 ml精製水)に再懸濁した。凍結融解および
ソニケーションにより菌体を破砕し、遠心 (8,000×g,
10分、4℃)して固形夾雑物を取り除いた。目的の発現タ
ンパク質が上清に存在することをSDS-PAGEで確認した
後、誘導され発現されたGST融合タンパク質をグルタチ
オン・セファロース4B(アマシャムファルマシア・バ
イオテク(株)製)で精製した。使用するグルタチオンセ
ファロースは、予め非特異的吸着を抑える処理を行っ
た。すなわち、グルタチオンセファロースを同量のPBS
で3回洗浄(8,000×g、1分、4℃)した後、4%ウシ血
清アルブミン含有PBSを同量加えて4℃で1時間処理し
た。処理後同量のPBSで2回洗浄し、1/2量のPBSに再懸濁
した。前処理したグルタチオンセファロース 40μlを、
無細胞抽出液1 ml に添加し、4℃で静かに攪拌した。
これにより、融合タンパク質GST-YN2-C1およびGST-YN2-
C2をグルタチオンセファロースに吸着させた。吸着後、
遠心(8,000×g、1分、4℃)してグルタチオンセファロ
ースを回収し、400μlのPBSで3回洗浄した。その後、10
mMグルタチオン40μlを添加し、4℃で1時間攪拌して、
吸着した融合タンパク質を溶出した。遠心(8,000×g、
2分、4℃)して上清を回収した後PBSに対して透析し、G
ST融合タンパク質を精製した。SDS-PAGEにより、シング
ルバンドを確認した。
【0175】各GST融合タンパク質500μgをPreScission
プロテアーゼ(アマシャムファルマシア・バイオテク
(株)製、5U)で消化した後、グルタチオン・セファロー
スに通してプロテアーゼとGSTとを除去した。フロース
ルー分画をさらに、PBSで平衡化したセファデックスG20
0カラムにかけ、発現タンパク質YN2-C1およびYN2-C2の
最終精製物を得た。SDS-PAGEによりそれぞれ60.8kDa、
および61.5kDaのシングルバンドを確認した。
プロテアーゼ(アマシャムファルマシア・バイオテク
(株)製、5U)で消化した後、グルタチオン・セファロー
スに通してプロテアーゼとGSTとを除去した。フロース
ルー分画をさらに、PBSで平衡化したセファデックスG20
0カラムにかけ、発現タンパク質YN2-C1およびYN2-C2の
最終精製物を得た。SDS-PAGEによりそれぞれ60.8kDa、
および61.5kDaのシングルバンドを確認した。
【0176】該酵素を生体溶液試料濃縮剤(みずぶとり
くんAB-1100、アトー(株)製)を用いて濃縮し、10 U/ml
の精製酵素溶液を得た。
くんAB-1100、アトー(株)製)を用いて濃縮し、10 U/ml
の精製酵素溶液を得た。
【0177】各精製酵素活性は前述の方法で測定した。
また、試料中のタンパク質濃度は、マイクロBCAタンパ
ク質定量試薬キット(ピアスケミカル社製)によって測
定した。各精製酵素の活性測定の結果を表1に示した。
また、試料中のタンパク質濃度は、マイクロBCAタンパ
ク質定量試薬キット(ピアスケミカル社製)によって測
定した。各精製酵素の活性測定の結果を表1に示した。
【0178】
表1
―――――――――――――――――――――――――
活性 比活性
―――――――――――――――――――――――――
pYN2-C1 2.1 U/ml 4.1 U/mgタンパク質
pYN2-C2 1.5 U/ml 3.6 U/mgタンパク質
―――――――――――――――――――――――――
(参考例3) PHA合成酵素の生産2
P91株、H45株、YN2株またはP161株を、酵母エキス(Dif
co社製)0.5%、オクタン酸0.1%とを含むM9培地200m
lに植菌して、30℃、125ストローク/分で振盪培養し
た。24時間後、菌体を遠心分離(10,000×g、4℃、10分
間)によって回収し、0.1M トリス塩酸バッファー(pH8.
0) 200 mlに再懸濁して再度遠心分離することによって
洗浄した。菌体を0.1M トリス塩酸バッファー(pH8.0)
2.0 mlに再懸濁し、超音波破砕機にて破砕したのち、遠
心分離(12,000×g、4℃、10分間)して上清を回収して
粗酵素溶液を得た。
co社製)0.5%、オクタン酸0.1%とを含むM9培地200m
lに植菌して、30℃、125ストローク/分で振盪培養し
た。24時間後、菌体を遠心分離(10,000×g、4℃、10分
間)によって回収し、0.1M トリス塩酸バッファー(pH8.
0) 200 mlに再懸濁して再度遠心分離することによって
洗浄した。菌体を0.1M トリス塩酸バッファー(pH8.0)
2.0 mlに再懸濁し、超音波破砕機にて破砕したのち、遠
心分離(12,000×g、4℃、10分間)して上清を回収して
粗酵素溶液を得た。
【0179】各粗酵素活性は前述の方法で測定し、その
結果を表2に示した。
結果を表2に示した。
【0180】
該粗酵素溶液を生体溶液試料濃縮剤(みずぶとりくんAB
-1100、アトー(株)製)を用いて濃縮し、10 U/mlの粗酵
素溶液を得た。
-1100、アトー(株)製)を用いて濃縮し、10 U/mlの粗酵
素溶液を得た。
【0181】(参考例4) 3-ヒドロキシアシルCoAの
合成 (R)-3-ヒドロキシピメリルCoAは、Rehm BHA, Kruger N,
Steinbuchel A (1998) Journal of Biological Chemis
try 273 pp24044-24051に基づき、若干の変更を加え次
のように行った。アシル-CoA シンテターゼ(Sigma社製)
を、2 mM ATP,5 mM MgCl2, 2 mM コエンザイム A, 2mM
(R)-3-ヒドロキシピメリン酸を含むトリス塩酸緩衝液
(50 mM, pH 7.5)に溶解し、0.1ミリユニット/マイクロ
リットルとした。37℃の温浴中で保温し、適時サンプ
リングし反応の進行をHPLCで分析した。サンプリングし
た反応溶液に硫酸を0.02 Nになるように添加して酵素反
応を止めた後、n-ヘプタンで未反応の基質である (R)-3
-ヒドロキシピメリン酸を抽出して除去した。HPLCによ
る分析には、RP18カラム(nucleosil C18, 7μm, Knause
r)を用い、25 mMリン酸緩衝液(pH 5.3)を移動相とし
て、アセトニトリルの直線濃度勾配をかけて溶出し、ダ
イオードアレイ検出器で200から500nmの吸光スペクトル
をモニターすることによって、酵素反応によって生成し
たチオエステル化合物を検出した。
合成 (R)-3-ヒドロキシピメリルCoAは、Rehm BHA, Kruger N,
Steinbuchel A (1998) Journal of Biological Chemis
try 273 pp24044-24051に基づき、若干の変更を加え次
のように行った。アシル-CoA シンテターゼ(Sigma社製)
を、2 mM ATP,5 mM MgCl2, 2 mM コエンザイム A, 2mM
(R)-3-ヒドロキシピメリン酸を含むトリス塩酸緩衝液
(50 mM, pH 7.5)に溶解し、0.1ミリユニット/マイクロ
リットルとした。37℃の温浴中で保温し、適時サンプ
リングし反応の進行をHPLCで分析した。サンプリングし
た反応溶液に硫酸を0.02 Nになるように添加して酵素反
応を止めた後、n-ヘプタンで未反応の基質である (R)-3
-ヒドロキシピメリン酸を抽出して除去した。HPLCによ
る分析には、RP18カラム(nucleosil C18, 7μm, Knause
r)を用い、25 mMリン酸緩衝液(pH 5.3)を移動相とし
て、アセトニトリルの直線濃度勾配をかけて溶出し、ダ
イオードアレイ検出器で200から500nmの吸光スペクトル
をモニターすることによって、酵素反応によって生成し
たチオエステル化合物を検出した。
【0182】同様にして、Reformatsky反応により得ら
れた (R)-3-ヒドロキシオクタン酸エステルを加水分解
して (R)-3-ヒドロキシオクタン酸を得たのち、これを
基質として (R)-3-ヒドロキシオクタノイル-CoAを調製
した。
れた (R)-3-ヒドロキシオクタン酸エステルを加水分解
して (R)-3-ヒドロキシオクタン酸を得たのち、これを
基質として (R)-3-ヒドロキシオクタノイル-CoAを調製
した。
【0183】<実施例1> 硫安 膜厚制御
粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕した硫
酸アンモニウム10質量部に、同様に粒径が1μm程度
となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト 47
質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水25質量部
を卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合し、凍結乾燥
した後、粉砕機によって粉砕し、粒径を100〜200μmと
なるように篩で分級を行った。
酸アンモニウム10質量部に、同様に粒径が1μm程度
となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト 47
質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水25質量部
を卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合し、凍結乾燥
した後、粉砕機によって粉砕し、粒径を100〜200μmと
なるように篩で分級を行った。
【0184】この造粒物1質量部にpYN2-C1組換え株由来
のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸
バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分
間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着さ
せた。
のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸
バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分
間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着さ
せた。
【0185】これに(R)-3-ヒドロキシオクタノイルCoA
(Eur.J.Biochem.,250,432-439(1997) に記載の方法と
同様にして調製)1質量部を添加し、30℃で所定の反応
時間で緩やかに振盪して粒状物にPHAを被覆した。反応
時間は、0.5時間、1時間、2時間、5時間の4段階とし、
粒状物に被覆するPHAの膜厚を制御した。また反応時間0
時間をPHAによる被膜を形成しない対照とした。各反応
時間後、直ちに粒剤を反応溶液から篩を用いて回収し、
真空乾燥を行って徐放性肥料粒剤とした。
(Eur.J.Biochem.,250,432-439(1997) に記載の方法と
同様にして調製)1質量部を添加し、30℃で所定の反応
時間で緩やかに振盪して粒状物にPHAを被覆した。反応
時間は、0.5時間、1時間、2時間、5時間の4段階とし、
粒状物に被覆するPHAの膜厚を制御した。また反応時間0
時間をPHAによる被膜を形成しない対照とした。各反応
時間後、直ちに粒剤を反応溶液から篩を用いて回収し、
真空乾燥を行って徐放性肥料粒剤とした。
【0186】ここで、各粒剤のPHA被膜の膜厚を測定し
た。まず各粒剤をエポキシ樹脂で固めた後、ミクロトー
ムにより超薄切片を作製し、四酸化オスニウムにより染
色した後、透過型電子顕微鏡により被膜部分の厚さを計
測した。その結果、0.5時間、1時間、2時間、5時間の各
反応時間によるPHA被膜の厚さは、それぞれ0.3〜0.4、
0.5〜0.7、0.9〜1.1、1.7〜2.1μmであり、徐放性機能
を発現するのに十分均一な被膜を、反応条件によって膜
厚を制御しながら製造できることがわかった。
た。まず各粒剤をエポキシ樹脂で固めた後、ミクロトー
ムにより超薄切片を作製し、四酸化オスニウムにより染
色した後、透過型電子顕微鏡により被膜部分の厚さを計
測した。その結果、0.5時間、1時間、2時間、5時間の各
反応時間によるPHA被膜の厚さは、それぞれ0.3〜0.4、
0.5〜0.7、0.9〜1.1、1.7〜2.1μmであり、徐放性機能
を発現するのに十分均一な被膜を、反応条件によって膜
厚を制御しながら製造できることがわかった。
【0187】また、反応時間中に溶出した肥料成分を後
の試験において補正するため、反応後の反応液中の硫酸
アンモニウム濃度を液体クロマトグラフィーによって測
定し、各反応条件で調製した粒剤中の硫酸アンモニウム
濃度を求めた。
の試験において補正するため、反応後の反応液中の硫酸
アンモニウム濃度を液体クロマトグラフィーによって測
定し、各反応条件で調製した粒剤中の硫酸アンモニウム
濃度を求めた。
【0188】この徐放性肥料粒剤をクロロホルムに懸濁
し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出した。
抽出液を孔径 0.45μmのメンブレンフィルターでろ過
し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮したのち、常
法に従ってメタノリシスを行い、ガスクロマトグラフィ
ー−質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、EI法)で分析
し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定
を行った。その結果、該PHAは3-ヒドロキシオクタン酸
からなるPHAであることが確認された。
し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出した。
抽出液を孔径 0.45μmのメンブレンフィルターでろ過
し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮したのち、常
法に従ってメタノリシスを行い、ガスクロマトグラフィ
ー−質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、EI法)で分析
し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定
を行った。その結果、該PHAは3-ヒドロキシオクタン酸
からなるPHAであることが確認された。
【0189】次に直径30mm、長さ100mmのカラ
ムに畑地から採取した土壌を充填し、硫酸アンモニウム
成分として20mgとなるように土壌上に徐放性肥料を
積載し、これに間欠的にイオン交換水を24ml/da
yとなるように滴下してカラムからの排出液を集めた。
この排出液の液量と排出液中の硫酸アンモニウム濃度を
測定して溶出した硫酸アンモニウムの全量を求め、添加
した硫酸アンモニウム量に対する溶出率を求めた。硫酸
アンモニウム濃度は液体クロマトグラフィーによって測
定した。その結果を表1に示す。
ムに畑地から採取した土壌を充填し、硫酸アンモニウム
成分として20mgとなるように土壌上に徐放性肥料を
積載し、これに間欠的にイオン交換水を24ml/da
yとなるように滴下してカラムからの排出液を集めた。
この排出液の液量と排出液中の硫酸アンモニウム濃度を
測定して溶出した硫酸アンモニウムの全量を求め、添加
した硫酸アンモニウム量に対する溶出率を求めた。硫酸
アンモニウム濃度は液体クロマトグラフィーによって測
定した。その結果を表1に示す。
【0190】
【表1】表1
【0191】以上の結果から、本発明の方法による徐放
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、反応時間を選択することによって、肥料
の徐放性を制御できることがわかった。
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、反応時間を選択することによって、肥料
の徐放性を制御できることがわかった。
【0192】<実施例2> 硫安 架橋
粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕した硫
酸アンモニウム10質量部に、同様に粒径が1μm程度
となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト 47
質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水25質量部
を卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合し、凍結乾燥
した後、粉砕機によって粉砕し、粒径を100〜200μmと
なるように篩で分級を行った。
酸アンモニウム10質量部に、同様に粒径が1μm程度
となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト 47
質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水25質量部
を卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合し、凍結乾燥
した後、粉砕機によって粉砕し、粒径を100〜200μmと
なるように篩で分級を行った。
【0193】この造粒物1質量部にpYN2-C1組換え株由来
のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸
バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分
間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着さ
せた。
のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸
バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分
間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着さ
せた。
【0194】これに(R,S)−3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシバレリルCoA(3−フェノキシプロパナールとブロ
モ酢酸エチルとのReformatsky反応で得られた3−ヒドロ
キシ−5−フェノキシ吉草酸エステルを加水分解して3−
ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸を得たのち、Eur.
J.Biochem.,250,432−439(1997)に記載の方法で
調製)0.8質量部、(R,S)−3−ヒドロキシ−7,8−エ
ポキシオクタノイルCoA(Int.J.Biol.Macromol.,1
2,85−91(1990)に記載の方法で合成した3−ヒドロキ
シ−7−オクテン酸の不飽和部分を3−クロロ安息香酸で
エポキシ化したのち、Eur.J.Biochem.,250,432−4
39(1997)に記載の方法で調製)0.2質量部、ウシ血清
アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃で
2時間緩やかに振盪してPHAを合成した。反応後、直ちに
粒子を遠心分離(6500×g、5分間)により回収し、真
空乾燥を行い、粒剤(1)を得た。
ノキシバレリルCoA(3−フェノキシプロパナールとブロ
モ酢酸エチルとのReformatsky反応で得られた3−ヒドロ
キシ−5−フェノキシ吉草酸エステルを加水分解して3−
ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸を得たのち、Eur.
J.Biochem.,250,432−439(1997)に記載の方法で
調製)0.8質量部、(R,S)−3−ヒドロキシ−7,8−エ
ポキシオクタノイルCoA(Int.J.Biol.Macromol.,1
2,85−91(1990)に記載の方法で合成した3−ヒドロキ
シ−7−オクテン酸の不飽和部分を3−クロロ安息香酸で
エポキシ化したのち、Eur.J.Biochem.,250,432−4
39(1997)に記載の方法で調製)0.2質量部、ウシ血清
アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃で
2時間緩やかに振盪してPHAを合成した。反応後、直ちに
粒子を遠心分離(6500×g、5分間)により回収し、真
空乾燥を行い、粒剤(1)を得た。
【0195】また、反応時間中に溶出した肥料成分を後
の試験において補正するため、反応後の反応液中の硫酸
アンモニウム濃度を液体クロマトグラフィーによって測
定し、各反応条件で調製した粒剤中の硫酸アンモニウム
濃度を求めた。
の試験において補正するため、反応後の反応液中の硫酸
アンモニウム濃度を液体クロマトグラフィーによって測
定し、各反応条件で調製した粒剤中の硫酸アンモニウム
濃度を求めた。
【0196】また、粒剤(1)の一部をクロロホルムに
懸濁し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出
し、1H−NMR分析を行った(使用機器:FT−NMR:Bruker
DPX400、測定核種:1H,使用溶媒:重クロロホルム(T
MS入り))ところ、3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草
酸83%、3−ヒドロキシ−7,8−エポキシオクタン酸17
%のユニット組成となった。
懸濁し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出
し、1H−NMR分析を行った(使用機器:FT−NMR:Bruker
DPX400、測定核種:1H,使用溶媒:重クロロホルム(T
MS入り))ところ、3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草
酸83%、3−ヒドロキシ−7,8−エポキシオクタン酸17
%のユニット組成となった。
【0197】次に粒剤(1)50質量部を精製水50質量部
に懸濁し、該懸濁液に架橋剤としてヘキサメチレンジア
ミン0.5質量部を溶解させた。溶解を確認後、凍結乾燥
により水を除去した(これを粒剤(2)とする)。さら
に、粒剤(1)を70℃で4、8、12時間反応させた
(これらを粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)とす
る)。
に懸濁し、該懸濁液に架橋剤としてヘキサメチレンジア
ミン0.5質量部を溶解させた。溶解を確認後、凍結乾燥
により水を除去した(これを粒剤(2)とする)。さら
に、粒剤(1)を70℃で4、8、12時間反応させた
(これらを粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)とす
る)。
【0198】上記粒剤(2)、粒剤(3)、粒剤
(4)、粒剤(5)をクロロホルムに懸濁し、60℃で20
時間攪拌して外被を成すPHAを抽出し、真空乾燥により
クロロホルムを除去し、示差走査熱量計(DSC;パーキ
ンエルマー社製、Pyris 1、昇温:10℃/分)装置で測
定を行った。その結果、粒剤(2)では90℃付近に明確
な発熱ピークがみられ、ポリマー中のエポキシ基とヘキ
サメチレンジアミンとの反応が起こり、ポリマー同士の
架橋が進行していることが示された。また、粒剤
(3)、粒剤(4)では90℃付近の発熱ピークは次第に
減少し、さらに粒剤(5)では明確なヒートフローは見
られず、架橋反応がほぼ完了していることが示された。
(4)、粒剤(5)をクロロホルムに懸濁し、60℃で20
時間攪拌して外被を成すPHAを抽出し、真空乾燥により
クロロホルムを除去し、示差走査熱量計(DSC;パーキ
ンエルマー社製、Pyris 1、昇温:10℃/分)装置で測
定を行った。その結果、粒剤(2)では90℃付近に明確
な発熱ピークがみられ、ポリマー中のエポキシ基とヘキ
サメチレンジアミンとの反応が起こり、ポリマー同士の
架橋が進行していることが示された。また、粒剤
(3)、粒剤(4)では90℃付近の発熱ピークは次第に
減少し、さらに粒剤(5)では明確なヒートフローは見
られず、架橋反応がほぼ完了していることが示された。
【0199】さらに、同様のサンプルにつき、赤外吸収
を測定した(FT−IR;パーキンエルマー社製、1720
X)。その結果、粒剤(2)、粒剤(3)、粒剤(4)
で見られたアミン(3340 cm-1付近)及びエポキシ(822
cm-1付近)のピークが粒剤(5)では消失していた。
を測定した(FT−IR;パーキンエルマー社製、1720
X)。その結果、粒剤(2)、粒剤(3)、粒剤(4)
で見られたアミン(3340 cm-1付近)及びエポキシ(822
cm-1付近)のピークが粒剤(5)では消失していた。
【0200】以上より、粒剤(1)は硫酸アンモニウム
造粒物を3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒ
ドロキシ−7,8−エポキシオクタン酸の共重合体で被覆
したもの、粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)は3−
ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシ−
7,8−エポキシオクタン酸の共重合体を、ヘキサメチレ
ンジアミンで架橋したポリマーで被覆したものであるこ
とがわかった。
造粒物を3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒ
ドロキシ−7,8−エポキシオクタン酸の共重合体で被覆
したもの、粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)は3−
ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシ−
7,8−エポキシオクタン酸の共重合体を、ヘキサメチレ
ンジアミンで架橋したポリマーで被覆したものであるこ
とがわかった。
【0201】次に直径30mm、長さ100mmのカラ
ムに畑地から採取した土壌を充填し、硫酸アンモニウム
成分として20mgとなるように土壌上に粒剤(1)、
粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)及びPHAで被覆し
ていない無処理の造粒物を各々積載し、これに間欠的に
イオン交換水を24ml/dayとなるように滴下して
カラムからの排出液を集めた。この排出液の液量と排出
液中の硫酸アンモニウム濃度を測定して溶出した硫酸ア
ンモニウムの全量を求め、添加した硫酸アンモニウム量
に対する溶出率を求めた。硫酸アンモニウム濃度は液体
クロマトグラフィーによって測定した。その結果を表2
に示す。
ムに畑地から採取した土壌を充填し、硫酸アンモニウム
成分として20mgとなるように土壌上に粒剤(1)、
粒剤(3)、粒剤(4)、粒剤(5)及びPHAで被覆し
ていない無処理の造粒物を各々積載し、これに間欠的に
イオン交換水を24ml/dayとなるように滴下して
カラムからの排出液を集めた。この排出液の液量と排出
液中の硫酸アンモニウム濃度を測定して溶出した硫酸ア
ンモニウムの全量を求め、添加した硫酸アンモニウム量
に対する溶出率を求めた。硫酸アンモニウム濃度は液体
クロマトグラフィーによって測定した。その結果を表2
に示す。
【0202】
【表2】表2
【0203】以上の結果から、本発明の方法による徐放
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、PHA被膜の架橋処理を行うことによっ
て、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、PHA被膜の架橋処理を行うことによっ
て、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
【0204】<実施例3>葉面散布用ホウ素 水分散性
<実施例3−1>粉剤の調製1
ホウ素1部を水25部に溶解し、これを粒径が1μm程
度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト47
部に添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合
し、さらに真空乾燥した後、再度粒径が1μm程度とな
るようにサンドミルで粉砕した。
度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト47
部に添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合
し、さらに真空乾燥した後、再度粒径が1μm程度とな
るようにサンドミルで粉砕した。
【0205】この粉末1質量部にpYN2-C2組換え株由来の
PHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸バ
ッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分間
緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒子表面に吸着させ
た。
PHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸バ
ッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分間
緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒子表面に吸着させ
た。
【0206】これに(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血
清アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃
で1時間30分緩やかに振盪した。次いで(R)−3−ヒド
ロキシピメリルCoA(J.Bacteriol.,182,2753−2760
(2000) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血清アル
ブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃で30
分間緩やかに振盪し、粒子にPHAを被覆した。反応後、
直ちに粒子を反応溶液から遠心処理(6500rpm,5分)に
よって回収し、真空乾燥を行って徐放性肥料粉剤とし
た。また、反応時間中に溶出した肥料成分を後の試験に
おいて補正するため、反応後の反応液中のホウ素濃度を
液体クロマトグラフィーによって測定し、各反応条件で
調製した粉剤中のホウ素濃度を求めた。
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血
清アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃
で1時間30分緩やかに振盪した。次いで(R)−3−ヒド
ロキシピメリルCoA(J.Bacteriol.,182,2753−2760
(2000) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血清アル
ブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30℃で30
分間緩やかに振盪し、粒子にPHAを被覆した。反応後、
直ちに粒子を反応溶液から遠心処理(6500rpm,5分)に
よって回収し、真空乾燥を行って徐放性肥料粉剤とし
た。また、反応時間中に溶出した肥料成分を後の試験に
おいて補正するため、反応後の反応液中のホウ素濃度を
液体クロマトグラフィーによって測定し、各反応条件で
調製した粉剤中のホウ素濃度を求めた。
【0207】また、この粉剤の表面に形成されたポリマ
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、粉剤表面は3−ヒドロキシピメリン
酸と3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸の共重合体
(モル比14:1)で構成されていることがわかった。
また、イオンスパッタリングにより粉剤表面を少しずつ
削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトルを測
定していったところ、ポリ−3−ヒドロキシ-5-フェノキ
シ吉草酸のホモポリマーに変化することが確認された。
これより、本実施例の粉剤は、肥料粒子をポリ−3−ヒ
ドロキシ-5-フェノキシ吉草酸で被覆し、その上を親水
性官能基を有するポリ−3−ヒドロキシピメリン酸を主
要モノマーユニットとする共重合体によって被覆した粉
剤であることがわかった。
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、粉剤表面は3−ヒドロキシピメリン
酸と3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸の共重合体
(モル比14:1)で構成されていることがわかった。
また、イオンスパッタリングにより粉剤表面を少しずつ
削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトルを測
定していったところ、ポリ−3−ヒドロキシ-5-フェノキ
シ吉草酸のホモポリマーに変化することが確認された。
これより、本実施例の粉剤は、肥料粒子をポリ−3−ヒ
ドロキシ-5-フェノキシ吉草酸で被覆し、その上を親水
性官能基を有するポリ−3−ヒドロキシピメリン酸を主
要モノマーユニットとする共重合体によって被覆した粉
剤であることがわかった。
【0208】<実施例3−2>粉剤の調製2
ホウ素1部を水25部に溶解し、これを粒径が1μm程
度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト47
部に添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合
し、さらに真空乾燥した後、再度粒径が1μm程度とな
るようにサンドミルで粉砕した。
度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイト47
部に添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で混合
し、さらに真空乾燥した後、再度粒径が1μm程度とな
るようにサンドミルで粉砕した。
【0209】この粉末1質量部にpYN2-C2組換え株由来の
PHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸バ
ッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分間
緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒子表面に吸着させ
た。
PHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリン酸バ
ッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30分間
緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒子表面に吸着させ
た。
【0210】これに(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血
清アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30
℃で2時間緩やかに振盪し、粒子にPHAを被覆した。反
応後、直ちに粒子を反応溶液から遠心処理(6500rpm,5
分)によって回収し、真空乾燥を行って徐放性肥料粉剤
とした。また、反応時間中に溶出した肥料成分を後の試
験において補正するため、反応後の反応液中のホウ素濃
度を液体クロマトグラフィーによって測定し、各反応条
件で調製した粉剤中のホウ素濃度を求めた。
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)1質量部、ウシ血
清アルブミン(Sigma社製)0.1質量部を添加し、30
℃で2時間緩やかに振盪し、粒子にPHAを被覆した。反
応後、直ちに粒子を反応溶液から遠心処理(6500rpm,5
分)によって回収し、真空乾燥を行って徐放性肥料粉剤
とした。また、反応時間中に溶出した肥料成分を後の試
験において補正するため、反応後の反応液中のホウ素濃
度を液体クロマトグラフィーによって測定し、各反応条
件で調製した粉剤中のホウ素濃度を求めた。
【0211】また、この粉剤の表面に形成されたポリマ
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、粉剤表面はポリ−3−ヒドロキシ−5
−フェノキシ吉草酸のホモポリマーで構成されているこ
とがわかった。また、イオンスパッタリングにより粉剤
表面を少しずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマス
スペクトルを測定していったところ、ポリマーの組成に
変化はなかった。これより、本実施例の粉剤は、肥料粒
子をポリ−3−ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸で被覆し
た粉剤であることがわかった。
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、粉剤表面はポリ−3−ヒドロキシ−5
−フェノキシ吉草酸のホモポリマーで構成されているこ
とがわかった。また、イオンスパッタリングにより粉剤
表面を少しずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマス
スペクトルを測定していったところ、ポリマーの組成に
変化はなかった。これより、本実施例の粉剤は、肥料粒
子をポリ−3−ヒドロキシ-5-フェノキシ吉草酸で被覆し
た粉剤であることがわかった。
【0212】<実施例3−3>実施例3−1、3−2の
粉剤の評価 2リットルビーカー中の1000mlの蒸留水に実施例
2−1、2−2の各粉剤、及び対照としてPHAによる被
覆処理を行わなかった実施例3−1のホウ素粉末を、ホ
ウ素が全て溶出したときの液中濃度が50ppmとなるよう
に添加し、プロペラ攪拌機(φ50mm4枚羽根)を用いて6
rpmで緩やかに攪拌した。その後、所定日数の経過とと
もに、1mlずつ水を採取し、液体クロマトグラフィー
によって液中のホウ素濃度を測定し、添加量に対する溶
出率として粉剤の徐放性を評価した。各粉剤の溶出率の
経日的な変化を表3に示す。
粉剤の評価 2リットルビーカー中の1000mlの蒸留水に実施例
2−1、2−2の各粉剤、及び対照としてPHAによる被
覆処理を行わなかった実施例3−1のホウ素粉末を、ホ
ウ素が全て溶出したときの液中濃度が50ppmとなるよう
に添加し、プロペラ攪拌機(φ50mm4枚羽根)を用いて6
rpmで緩やかに攪拌した。その後、所定日数の経過とと
もに、1mlずつ水を採取し、液体クロマトグラフィー
によって液中のホウ素濃度を測定し、添加量に対する溶
出率として粉剤の徐放性を評価した。各粉剤の溶出率の
経日的な変化を表3に示す。
【0213】
【表3】表3
【0214】これから、実施例3−1、3−2の徐放性
肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわか
った。
肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわか
った。
【0215】また、実施例3−1、3−2の粉剤を5重
量%の割合で水に分散して水和剤を作製し、この水和剤
の分散安定性を評価した。分散安定性は相分離率として
1時間静置後に粉剤の沈降により生じた上層の半透明部
分の全分散液高さに対する割合を求めて評価した。その
結果、実施例3−1では相分離率16%、実施例3−2で
は相分離率52%となり、これから、親水性のPHAを徐放
性肥料の表面に構成することによって、本発明の方法に
よる粉剤を水和剤とした場合の分散安定性を向上できる
ことがわかった。
量%の割合で水に分散して水和剤を作製し、この水和剤
の分散安定性を評価した。分散安定性は相分離率として
1時間静置後に粉剤の沈降により生じた上層の半透明部
分の全分散液高さに対する割合を求めて評価した。その
結果、実施例3−1では相分離率16%、実施例3−2で
は相分離率52%となり、これから、親水性のPHAを徐放
性肥料の表面に構成することによって、本発明の方法に
よる粉剤を水和剤とした場合の分散安定性を向上できる
ことがわかった。
【0216】<実施例4>生物肥料
植物生長促進効果を有する糸状菌トリコデルマ・ハルジ
アナムを製剤とした微生物肥料アグロミックS・K10
(北海道グリーン興産社製、サカタのタネ社販売)10
質量部を15000rpm、5分間遠心処理し、沈殿に粒径が1
μm程度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイ
ト 58質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水3
0質量部を添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で
混合し、次いで湿式押出造粒機(不二パウダル社製)で
粒径0.5〜0.7mmとなるように造粒を行った。
アナムを製剤とした微生物肥料アグロミックS・K10
(北海道グリーン興産社製、サカタのタネ社販売)10
質量部を15000rpm、5分間遠心処理し、沈殿に粒径が1
μm程度となるようにサンドミルで粉砕したベントナイ
ト 58質量部、アルギン酸ナトリウム2質量部、水3
0質量部を添加し、卓上型ニーダー(入江商会社製)で
混合し、次いで湿式押出造粒機(不二パウダル社製)で
粒径0.5〜0.7mmとなるように造粒を行った。
【0217】この造粒物1質量部にYN2株由来のPHA合成
酵素溶液(10 U/ml)を所定量添加し、各々に0.1 Mリン
酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30
分間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着
させた。酵素溶液の添加量は、2.5、5、7.5、10質量部
の4段階とし、肥料粒状物に付着させる酵素の密度を制
御した。
酵素溶液(10 U/ml)を所定量添加し、各々に0.1 Mリン
酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、30℃にて30
分間緩やかに振盪してPHA合成酵素を粒状物表面に吸着
させた。酵素溶液の添加量は、2.5、5、7.5、10質量部
の4段階とし、肥料粒状物に付着させる酵素の密度を制
御した。
【0218】これに(R)-3-ヒドロキシオクタノイルCoA
(Eur.J.Biochem.,250,432-439(1997) に記載の方法と
同様にして調製)10質量部を添加し、30℃にて5時間
緩やかに振盪して粒状物にPHAを被覆した。また上記肥
料造粒物にPHA被膜を形成しないものを対照とした。反
応時間後、直ちに粒剤を反応溶液から篩を用いて回収
し、真空乾燥を行って徐放性肥料粒剤とした。
(Eur.J.Biochem.,250,432-439(1997) に記載の方法と
同様にして調製)10質量部を添加し、30℃にて5時間
緩やかに振盪して粒状物にPHAを被覆した。また上記肥
料造粒物にPHA被膜を形成しないものを対照とした。反
応時間後、直ちに粒剤を反応溶液から篩を用いて回収
し、真空乾燥を行って徐放性肥料粒剤とした。
【0219】この徐放性肥料粒剤をクロロホルムに懸濁
し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出した。
抽出液を孔径 0.45μmのメンブレンフィルターでろ過
し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮したのち、常
法に従ってメタノリシスを行い、ガスクロマトグラフィ
ー−質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、EI法)で分析
し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定
を行った。その結果、該PHAは3-ヒドロキシオクタン酸
からなるPHAであることが確認された。
し、60℃で20時間攪拌して外被を成すPHAを抽出した。
抽出液を孔径 0.45μmのメンブレンフィルターでろ過
し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮したのち、常
法に従ってメタノリシスを行い、ガスクロマトグラフィ
ー−質量分析装置(GC-MS,島津QP-5050、EI法)で分析
し、PHAモノマーユニットのメチルエステル化物の同定
を行った。その結果、該PHAは3-ヒドロキシオクタン酸
からなるPHAであることが確認された。
【0220】また、各粒剤のPHA被膜の形状を観察し
た。まず各粒剤をエポキシ樹脂で固めた後、ミクロトー
ムにより超薄切片を作製し、四酸化オスニウムにより染
色した後、透過型電子顕微鏡により被膜の形状を観察し
た。その結果、酵素添加量が2.5質量部の場合、被膜の
形成されている肥料表面と、形成されていない肥料表面
がおよそ1:3程度となった。5、7.5、10質量部の場合
は、それぞれ1:1、1:0.3、1:0となり、肥料
への酵素吸着量を調整することで、肥料表面の被覆密度
を制御できることがわかった。
た。まず各粒剤をエポキシ樹脂で固めた後、ミクロトー
ムにより超薄切片を作製し、四酸化オスニウムにより染
色した後、透過型電子顕微鏡により被膜の形状を観察し
た。その結果、酵素添加量が2.5質量部の場合、被膜の
形成されている肥料表面と、形成されていない肥料表面
がおよそ1:3程度となった。5、7.5、10質量部の場合
は、それぞれ1:1、1:0.3、1:0となり、肥料
への酵素吸着量を調整することで、肥料表面の被覆密度
を制御できることがわかった。
【0221】次に畑土壌に赤玉土を2:1の割合で配合
し、これを幅25cm、長さ80cm、深さ23cmの
栽培容器に充填し、チンゲンサイの種子を播種した。2
週間栽培後、均等に間引いて10本の苗を残し、調製し
た徐放性肥料10gを均等に散布した。潅水は、1日1回
2リットルの蒸留水を均等に散水することによって行っ
た。また、肥料を散布しない無処理区を設定した。この
栽培を4月から7月、及び8月から11月の二期にわた
って連続して行い、各月末にチンゲンサイの地上部を刈
り取って重量を測定し、無処理区に対する重量増加割合
を生長率とした。また、比較例としてアグロミックS・
K10をそのまま散布し同様の試験を行った。試験は各
々3連で行った。結果を表4に示す。
し、これを幅25cm、長さ80cm、深さ23cmの
栽培容器に充填し、チンゲンサイの種子を播種した。2
週間栽培後、均等に間引いて10本の苗を残し、調製し
た徐放性肥料10gを均等に散布した。潅水は、1日1回
2リットルの蒸留水を均等に散水することによって行っ
た。また、肥料を散布しない無処理区を設定した。この
栽培を4月から7月、及び8月から11月の二期にわた
って連続して行い、各月末にチンゲンサイの地上部を刈
り取って重量を測定し、無処理区に対する重量増加割合
を生長率とした。また、比較例としてアグロミックS・
K10をそのまま散布し同様の試験を行った。試験は各
々3連で行った。結果を表4に示す。
【0222】
【表4】表4
【0223】以上の結果から、本発明の方法による徐放
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、肥料への酵素添加量を選択することによ
って、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、肥料への酵素添加量を選択することによ
って、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
【0224】<実施例5> 平板
<実施例5−1>製剤の調製1
リン酸二アンモニウム10質量部を水100質量部に溶
解し、粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕
したベントナイト 47質量部、アルギン酸ナトリウム
2質量部、水25質量部を卓上型ニーダー(入江商会社
製)で混合し、次いでプレス成形機で厚さ5mm、幅1
0mm、長さ50mmの短冊形の平板を作製した。
解し、粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕
したベントナイト 47質量部、アルギン酸ナトリウム
2質量部、水25質量部を卓上型ニーダー(入江商会社
製)で混合し、次いでプレス成形機で厚さ5mm、幅1
0mm、長さ50mmの短冊形の平板を作製した。
【0225】この平板1質量部をシャーレにとり、H45株
由来のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリ
ン酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、平板を反
応液に浸漬しながら30℃にて30分間緩やかに振盪してPH
A合成酵素を平板表面に吸着させた。
由来のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリ
ン酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、平板を反
応液に浸漬しながら30℃にて30分間緩やかに振盪してPH
A合成酵素を平板表面に吸着させた。
【0226】これに(R)−3−ヒドロキシピメリルCoA
(J.Bacteriol.,182,2753−2760(2000) に記載の
方法で調製)5質量部、ウシ血清アルブミン(Sigma社
製)1質量部を添加し、30℃で1時間緩やかに振盪し
た。次いで(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノキシバレ
リルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1990)に
記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナール及びブ
ロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReformatsky反
応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸エス
テルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草
酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432−439(19
97) に記載の方法で調製)を1時間に1質量部の割合
で添加し、30℃で5時間反応させて平板にPHAを被覆し
た。
(J.Bacteriol.,182,2753−2760(2000) に記載の
方法で調製)5質量部、ウシ血清アルブミン(Sigma社
製)1質量部を添加し、30℃で1時間緩やかに振盪し
た。次いで(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノキシバレ
リルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1990)に
記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナール及びブ
ロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReformatsky反
応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸エス
テルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草
酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432−439(19
97) に記載の方法で調製)を1時間に1質量部の割合
で添加し、30℃で5時間反応させて平板にPHAを被覆し
た。
【0227】反応後、直ちに平板を反応溶液から回収
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
【0228】また、反応時間中に溶出した肥料成分を後
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
【0229】また、この製剤の表面に形成されたポリマ
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面は3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸と3−ヒドロキシピメリン酸の共重合体
(モル比15:1)で構成されていることがわかった。
また、イオンスパッタリングにより製剤表面を少しずつ
削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトルを測
定していったところ、前記共重合体における3−ヒドロ
キシ−5−フェノキシ吉草酸の割合が次第に減少して、
最終的にポリ−3−ヒドロキシピメリン酸のホモポリマ
ーに変化することが確認された。これより、本実施例の
徐放性肥料スティックは、肥料組成物の平板を、親水性
官能基を有し、生分解性の比較的高いポリ−3−ヒドロ
キシピメリン酸で被覆し、その上を3−ヒドロキシ−5−
フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシピメリン酸の共重合
体によって、表層に至るにつれて3−ヒドロキシ−5−フ
ェノキシ吉草酸の組成比率を高めながら被覆したもので
あることがわかった。
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面は3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸と3−ヒドロキシピメリン酸の共重合体
(モル比15:1)で構成されていることがわかった。
また、イオンスパッタリングにより製剤表面を少しずつ
削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトルを測
定していったところ、前記共重合体における3−ヒドロ
キシ−5−フェノキシ吉草酸の割合が次第に減少して、
最終的にポリ−3−ヒドロキシピメリン酸のホモポリマ
ーに変化することが確認された。これより、本実施例の
徐放性肥料スティックは、肥料組成物の平板を、親水性
官能基を有し、生分解性の比較的高いポリ−3−ヒドロ
キシピメリン酸で被覆し、その上を3−ヒドロキシ−5−
フェノキシ吉草酸と3−ヒドロキシピメリン酸の共重合
体によって、表層に至るにつれて3−ヒドロキシ−5−フ
ェノキシ吉草酸の組成比率を高めながら被覆したもので
あることがわかった。
【0230】<実施例5−2>製剤の調製2
リン酸二アンモニウム10質量部を水100質量部に溶
解し、粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕
したベントナイト 47質量部、アルギン酸ナトリウム
2質量部、水25質量部を卓上型ニーダー(入江商会社
製)で混合し、次いでプレス成形機で厚さ5mm、幅1
0mm、長さ50mmの短冊形の平板を作製した。
解し、粒径が1μm程度となるようにサンドミルで粉砕
したベントナイト 47質量部、アルギン酸ナトリウム
2質量部、水25質量部を卓上型ニーダー(入江商会社
製)で混合し、次いでプレス成形機で厚さ5mm、幅1
0mm、長さ50mmの短冊形の平板を作製した。
【0231】この平板1質量部をシャーレにとり、H45株
由来のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリ
ン酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、平板を反
応液に浸漬しながら30℃にて30分間緩やかに振盪してPH
A合成酵素を平板表面に吸着させた。
由来のPHA合成酵素溶液(10 U/ml)10質量部、0.1 Mリ
ン酸バッファー(pH7.0)38質量部を添加し、平板を反
応液に浸漬しながら30℃にて30分間緩やかに振盪してPH
A合成酵素を平板表面に吸着させた。
【0232】これに(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)10質量部、ウシ
血清アルブミン(Sigma社製)1質量部を添加し、30℃
で6時間緩やかに振盪した。
キシバレリルCoA(J.Org.Chem.,55,1490−1492(1
990)に記載の方法で合成した3-フェノキシプロパナー
ル及びブロモ酢酸エチルを原料とし、亜鉛によるReform
atsky反応で得られた3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉
草酸エステルを加水分解して3−ヒドロキシ−5−フェノ
キシ吉草酸を得たのち、Eur.J.Biochem.,250,432
−439(1997) に記載の方法で調製)10質量部、ウシ
血清アルブミン(Sigma社製)1質量部を添加し、30℃
で6時間緩やかに振盪した。
【0233】反応後、直ちに平板を反応溶液から回収
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
【0234】また、反応時間中に溶出した肥料成分を後
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
【0235】また、この製剤の表面に形成されたポリマ
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面は3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸のホモポリマーで構成されていることがわ
かった。また、イオンスパッタリングにより製剤表面を
少しずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペク
トルを測定していったところ、ポリマーの組成に変化は
なかった。これより、本実施例の徐放性肥料スティック
は、肥料組成物の平板をポリ−3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸で被覆したものであることがわかった。
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面は3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸のホモポリマーで構成されていることがわ
かった。また、イオンスパッタリングにより製剤表面を
少しずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペク
トルを測定していったところ、ポリマーの組成に変化は
なかった。これより、本実施例の徐放性肥料スティック
は、肥料組成物の平板をポリ−3−ヒドロキシ−5−フェ
ノキシ吉草酸で被覆したものであることがわかった。
【0236】<実施例5−3>製剤の調製
実施例5−2の(R)−3−ヒドロキシ−5−フェノキシ
バレリルCoAの代わりに(R)−3−ヒドロキシピメリルC
oA(J.Bacteriol.,182,2753−2760(2000)に記載
の方法で調製)10質量部を添加した他は同様の方法で肥
料組成物平板にPHAを被覆した。
バレリルCoAの代わりに(R)−3−ヒドロキシピメリルC
oA(J.Bacteriol.,182,2753−2760(2000)に記載
の方法で調製)10質量部を添加した他は同様の方法で肥
料組成物平板にPHAを被覆した。
【0237】反応後、直ちに平板を反応溶液から回収
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
し、シリカゲルを入れたデシケーターに1日入れて乾燥
を行い、徐放性肥料スティックとした。
【0238】また、反応時間中に溶出した肥料成分を後
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
の試験において補正するため、反応後の反応液中のリン
酸二アンモニウム濃度を後述する方法によって測定し、
各反応条件で調製した徐放性肥料中のリン酸二アンモニ
ウム濃度を求めた。
【0239】また、この製剤の表面に形成されたポリマ
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面はポリ−3−ヒドロキシピ
メリン酸のホモポリマーで構成されていることがわかっ
た。また、イオンスパッタリングにより製剤表面を少し
ずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトル
を測定していったところ、ポリマーの組成に変化はなか
った。これより、本実施例の徐放性肥料スティックは、
肥料組成物の平板を生分解性の比較的高いポリ−3−ヒ
ドロキシピメリン酸で被覆したものであることがわかっ
た。
ーの質量を、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF
−SIMS IV、CAMECA製)により測定した。得られたマ
ススペクトルから、製剤表面はポリ−3−ヒドロキシピ
メリン酸のホモポリマーで構成されていることがわかっ
た。また、イオンスパッタリングにより製剤表面を少し
ずつ削りながら同様にTOF−SIMSによりマススペクトル
を測定していったところ、ポリマーの組成に変化はなか
った。これより、本実施例の徐放性肥料スティックは、
肥料組成物の平板を生分解性の比較的高いポリ−3−ヒ
ドロキシピメリン酸で被覆したものであることがわかっ
た。
【0240】<実施例5−4>実施例5−1、実施例5
−2、実施例5−3の製剤の評価 直径30mm、長さ100mmのカラムに畑地から採取
した土壌を充填し、リン酸二アンモニウム濃度成分とし
て20mg相当の実施例5−1、実施例5−2、実施例
5−3の徐放性肥料スティックを、その全長の3/4の
部分が土壌中に埋没するように土壌に挿し、これに間欠
的にイオン交換水を24ml/dayとなるように滴下
してカラムからの排出液を集めた。この排出液の液量と
排出液中のリン酸二アンモニウム濃度を測定して溶出し
たリン酸二アンモニウムの全量を求め、添加したリン酸
二アンモニウム量に対する溶出率を求めた。リン酸二ア
ンモニウム濃度は液体クロマトグラフィーによって測定
した。また、比較例として、PHAで被覆していない肥料
組成物の平板をそのまま用いて実験を行った。その結果
を表5に示す。
−2、実施例5−3の製剤の評価 直径30mm、長さ100mmのカラムに畑地から採取
した土壌を充填し、リン酸二アンモニウム濃度成分とし
て20mg相当の実施例5−1、実施例5−2、実施例
5−3の徐放性肥料スティックを、その全長の3/4の
部分が土壌中に埋没するように土壌に挿し、これに間欠
的にイオン交換水を24ml/dayとなるように滴下
してカラムからの排出液を集めた。この排出液の液量と
排出液中のリン酸二アンモニウム濃度を測定して溶出し
たリン酸二アンモニウムの全量を求め、添加したリン酸
二アンモニウム量に対する溶出率を求めた。リン酸二ア
ンモニウム濃度は液体クロマトグラフィーによって測定
した。また、比較例として、PHAで被覆していない肥料
組成物の平板をそのまま用いて実験を行った。その結果
を表5に示す。
【0241】
【表5】表5
【0242】以上の結果から、本発明の方法による徐放
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、生分解性の違うPHAを組み合わせ、その
組成分布を立体的に制御しながら肥料を被覆すること
で、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
性肥料によって肥料成分が安定的に徐放されることがわ
かった。また、生分解性の違うPHAを組み合わせ、その
組成分布を立体的に制御しながら肥料を被覆すること
で、肥料の徐放性を制御できることがわかった。
【0243】
【発明の効果】本発明の徐放性肥料は、PHAが肥料組成
物を被覆することで形成されるため、強度や耐水性、保
存性に優れ、施用後は生分解されて消失するため、環境
に負荷を与える物質を残留させることがない。また、肥
料組成物を被覆する被膜の膜厚や肥料組成物の被覆度を
調整でき、さらに被膜であるPHAの組成を選択できるた
め、それによって肥料成分の徐放性を高度に制御するこ
とが可能である。また、本発明の徐放性肥料はその製造
工程において40℃以上の加熱処理や変性作用の強い化
学物質を使用しないため、適用する肥料の種類を選ば
ず、特に生物肥料に用いる生物剤を徐放性肥料とするこ
とができる。
物を被覆することで形成されるため、強度や耐水性、保
存性に優れ、施用後は生分解されて消失するため、環境
に負荷を与える物質を残留させることがない。また、肥
料組成物を被覆する被膜の膜厚や肥料組成物の被覆度を
調整でき、さらに被膜であるPHAの組成を選択できるた
め、それによって肥料成分の徐放性を高度に制御するこ
とが可能である。また、本発明の徐放性肥料はその製造
工程において40℃以上の加熱処理や変性作用の強い化
学物質を使用しないため、適用する肥料の種類を選ば
ず、特に生物肥料に用いる生物剤を徐放性肥料とするこ
とができる。
【0244】
【配列表】
SEQUENCE LISTING
<110> CANON INC.
<120> Coloring composition for a color filter containing a microcapsule
comprising a polyhydroalkanoate.
<130> 4459029
<160> 12
<170> Microsoft Word
<210> 1
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 1
tgctggaact gatccagtac 20
<210> 2
<211> 23
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<400> 2
gggttgagga tgctctggat gtg 23
<210> 3
<211> 1680
<212> DNA
<213> Pseudomonas cichorii YN2 ; FERM BP-7375
<400> 3
atgagtaaca agagtaacga tgagttgaag tatcaagcct ctgaaaacac 50
cttggggctt aatcctgtcg ttgggctgcg tggaaaggat ctactggctt 100
ctgctcgaat ggtgcttagg caggccatca agcaaccggt gcacagcgtc 150
aaacatgtcg cgcactttgg tcttgaactc aagaacgtac tgctgggtaa 200
atccgggctg caaccgacca gcgatgaccg tcgcttcgcc gatccggcct 250
ggagccagaa cccgctctat aaacgttatt tgcaaaccta cctggcgtgg 300
cgcaaggaac tccacgactg gatcgatgaa agtaacctcg cccccaagga 350
tgtggcgcgt gggcacttcg tgatcaacct catgaccgaa gccatggcgc 400
cgaccaacac cgcggccaac ccggcggcag tcaaacgctt tttcgaaacc 450
ggtggcaaaa gcctgctcga cggcctctcg cacctggcca aggatctggt 500
acacaacggc ggcatgccga gccaggtcaa catgggtgca ttcgaggtcg 550
gcaagagcct gggcgtgacc gaaggcgcgg tggtgtttcg caacgatgtg 600
ctggaactga tccagtacaa gccgaccacc gagcaggtat acgaacgccc 650
gctgctggtg gtgccgccgc agatcaacaa gttctacgtt ttcgacctga 700
gcccggacaa gagcctggcg cggttctgcc tgcgcaacaa cgtgcaaacg 750
ttcatcgtca gctggcgaaa tcccaccaag gaacagcgag agtggggcct 800
gtcgacctac atcgaagccc tcaaggaagc ggttgatgtc gttaccgcga 850
tcaccggcag caaagacgtg aacatgctcg gcgcctgctc cggcggcatc 900
acttgcaccg cgctgctggg ccattacgcg gcgattggcg aaaacaaggt 950
caacgccctg accttgctgg tgagcgtgct tgataccacc ctcgacagcg 1000
atgttgccct gttcgtcaat gaacagaccc ttgaagccgc caagcgccac 1050
tcgtaccagg ccggcgtact ggaaggccgc gacatggcga aggtcttcgc 1100
ctggatgcgc cccaacgatc tgatctggaa ctactgggtc aacaattacc 1150
tgctaggcaa cgaaccgccg gtgttcgaca tcctgttctg gaacaacgac 1200
accacacggt tgcccgcggc gttccacggc gacctgatcg aactgttcaa 1250
aaataaccca ctgattcgcc cgaatgcact ggaagtgtgc ggcaccccca 1300
tcgacctcaa gcaggtgacg gccgacatct tttccctggc cggcaccaac 1350
gaccacatca ccccgtggaa gtcctgctac aagtcggcgc aactgtttgg 1400
cggcaacgtt gaattcgtgc tgtcgagcag cgggcatatc cagagcatcc 1450
tgaacccgcc gggcaatccg aaatcgcgct acatgaccag caccgaagtg 1500
gcggaaaatg ccgatgaatg gcaagcgaat gccaccaagc ataccgattc 1550
ctggtggctg cactggcagg cctggcaggc ccaacgctcg ggcgagctga 1600
aaaagtcccc gacaaaactg ggcagcaagg cgtatccggc aggtgaagcg 1650
gcgccaggca cgtacgtgca cgaacggtaa 1680
<210> 4
<211> 1683
<212> DNA
<213> Pseudomonas cichorii YN2 ; FERM BP-7375
<400> 4
atgcgcgata aacctgcgag ggagtcacta cccacccccg ccaagttcat 50
caacgcacaa agtgcgatta ccggcctgcg tggccgggat ctggtttcga 100
ctttgcgcag tgtcgccgcc catggcctgc gccaccccgt gcacaccgcg 150
cgacacgcct tgaaactggg tggtcaactg ggacgcgtgt tgctgggcga 200
caccctgcat cccaccaacc cgcaagaccg tcgcttcgac gatccggcgt 250
ggagtctcaa tcccttttat cgtcgcagcc tgcaggcgta cctgagctgg 300
cagaagcagg tcaagagctg gatcgacgaa agcaacatga gcccggatga 350
ccgcgcccgt gcgcacttcg cgttcgccct gctcaacgat gccgtgtcgc 400
cgtccaacag cctgctcaat ccgctggcga tcaaggaaat cttcaactcc 450
ggcggcaaca gcctggtgcg cgggatcggc catctggtcg atgacctctt 500
gcacaacgat ggcttgcccc ggcaagtcac caggcatgca ttcgaggttg 550
gcaagaccgt cgccaccacc accggcgccg tggtgtttcg caacgagctg 600
ctggagctga tccaatacaa gccgatgagc gaaaagcagt attccaaacc 650
gctgctggtg gtgccgccac agatcaacaa gtactacatt tttgacctca 700
gcccccataa cagcttcgtc cagttcgcgc tcaagaacgg cctgcaaacc 750
ttcgtcatca gctggcgcaa tccggatgta cgtcaccgcg aatggggcct 800
gtcgacctac gtcgaagcgg tggaagaagc catgaatgtc tgccgggcaa 850
tcaccggcgc gcgcgaggtc aacctgatgg gcgcctgcgc tggcgggctg 900
accattgctg ccctgcaggg ccacttgcaa gccaagcgac agctgcgccg 950
cgtctccagc gcgacgtacc tggtgagcct gctcgacagc caactggaca 1000
gcccggccac actcttcgcc gacgaacaga ccctggaggc ggccaagcgc 1050
cgctcctacc agaaaggtgt gctggaaggc cgcgacatgg ccaaggtttt 1100
cgcctggatg cgccccaacg atttgatctg gagctacttc gtcaacaatt 1150
acctgatggg caaggagccg ccggcgttcg acattctcta ctggaacaat 1200
gacaacacac gcctgccggc cgccctgcat ggtgacttgc tggacttctt 1250
caagcacaac ccgctgagcc atccgggtgg cctggaagtg tgcggcaccc 1300
cgatcgactt gcaaaaggtc accgtcgaca gtttcagcgt ggccggcatc 1350
aacgatcaca tcacgccgtg ggacgcggtg tatcgctcaa ccctgttgct 1400
cggtggcgag cgtcgctttg tcctggccaa cagcggtcat gtgcagagca 1450
ttctcaaccc gccgaacaat ccgaaagcca actacctcga aggtgcaaaa 1500
ctaagcagcg accccagggc ctggtactac gacgccaagc ccgtcgacgg 1550
tagctggtgg acgcaatggc tgggctggat tcaggagcgc tcgggcgcgc 1600
aaaaagaaac ccacatggcc ctcggcaatc agaattatcc accgatggag 1650
gcggcgcccg ggacttacgt gcgcgtgcgc tga 1683
<210> 5
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 5
ggaccaagct tctcgtctca gggcaatgg 29
<210> 6
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 6
cgagcaagct tgctcctaca ggtgaaggc 29
<210> 7
<211> 29
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 7
gtattaagct tgaagacgaa ggagtgttg 29
<210> 8
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 8
catccaagct tcttatgatc gggtcatgcc 30
<210> 9
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 9
cgggatccag taacaagagt aacgatgagt 30
<210> 10
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 10
cgatctcgag ttaccgttcg tgcacgtacg 30
<210> 11
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 11
cgggatcccg cgataaacct gcgagggagt 30
<210> 12
<211> 30
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer for PCR multiplication
<400> 12
cgatctcgag gcgcacgcgc acgtaagtcc 30
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 本間 務
東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ
ン株式会社内
(72)発明者 野本 毅
東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ
ン株式会社内
Fターム(参考) 4G004 BA00
4H061 AA01 AA02 BB10 DD04 DD18
EE35 FF08 FF15 GG13 GG19
GG52 GG56 HH03
Claims (54)
- 【請求項1】 ポリヒドロキシアルカノエートによって
肥料組成物の表面の少なくとも一部が被覆された徐放性
肥料。 - 【請求項2】 ポリヒドロキシアルカノエートが、式
[1]から式[10]に示すモノマーユニットからなる
群より選択される少なくとも一つを有するポリヒドロキ
シアルカノエートである、請求項1に記載の徐放性肥
料。 【化1】 (ただし、該モノマーユニットは、式中R1およびaの組
合せが下記のいずれかであるモノマーユニットからなる
群より選択される少なくとも一つである。R1が水素原子
(H)でありaが0から10の整数のいずれかであるモノマ
ーユニット、R1が ハロゲン原子でありaが1から10の整
数のいずれかであるモノマーユニット、R1が 発色団で
ありaが1から10の整数のいずれかであるモノマーユニッ
ト、R1が、 【化2】 でありaが1から7の整数のいずれかであるモノマーユニ
ット。) 【化3】 (ただし、式中bは0から7の整数のいずれかを表し、R2
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化4】 (ただし、式中cは1から8の整数のいずれかを表し、R3
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化5】 (ただし、式中dは0から7の整数のいずれかを表し、R4
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化6】 (ただし、式中eは1から8の整数のいずれかを表し、R
5は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,
-C2F5,-C3F7,-CH3,-C2H5,-C3H7からなる群か
ら選ばれたいずれか1つを表す。) 【化7】 (ただし、式中fは0から7の整数のいずれかを表す。) 【化8】 (ただし、式中gは1から8の整数のいずれかを表す。) 【化9】 (ただし、式中hは1から7の整数のいずれかを表し、R
6は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2, -CO
OR',-SO2R'',-CH3,-C2H5,-C3H7,-CH(CH
3)2,-C(CH3)3からなる群から選ばれたいずれか1つ
を表し、 ここでR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のい
ずれかであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン
原子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。) 【化10】 (ただし、式中iは1から7の整数のいずれかを表し、R
7は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-COO
R',-SO2R''からなる群から選ばれたいずれか1つを
表し、ここでR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2
H5のいずれかであり、R''は-OH,-ONa,-OK,
ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。) 【化11】 (ただし、式中jは1から9の整数のいずれかを表す。) - 【請求項3】 該ポリヒドロキシアルカノエートが親水
性官能基を有する請求項1または2に記載の徐放性肥
料。 - 【請求項4】 該親水性官能基がアニオン性官能基であ
る請求項3に記載の徐放性肥料。 - 【請求項5】 該アニオン性官能基がカルボキシル基で
ある請求項4に記載の徐放性肥料。 - 【請求項6】 前記カルボキシル基が、式[11]に示
すモノマーユニットからなる群より選択される少なくと
も一つにより導入されている請求項5に記載の徐放性肥
料。 【化12】 (ただし、kが1から10の整数のいずれかである。) - 【請求項7】 前記肥料組成物が粒状体である、請求項
1から請求項6のいずれかに記載の徐放性肥料。 - 【請求項8】 前記肥料組成物が平板またはフィルム状
である、請求項1から請求項6のいずれかに記載の徐放
性肥料。 - 【請求項9】 前記ポリヒドロキシアルカノエートのモ
ノマーユニット組成が前記粒状体の肥料組成物の半径方
向において変化していることを特徴とする請求項7に記
載の徐放性肥料。 - 【請求項10】 前記ポリヒドロキシアルカノエートの
モノマーユニット組成が前記平板またはフィルム状の肥
料組成物の垂直方向において変化していることを特徴と
する請求項8に記載の徐放性肥料。 - 【請求項11】 前記ポリヒドロキシアルカノエートの
少なくとも一部が、化学修飾されたポリヒドロキシアル
カノエートであることを特徴とする請求項1から請求項
10のいずれかに記載の徐放性肥料。 - 【請求項12】 前記の化学修飾されたポリヒドロキシ
アルカノエートが、少なくともグラフト鎖を有するポリ
ヒドロキシアルカノエートであることを特徴とする請求
項11に記載の徐放性肥料。 - 【請求項13】 前記グラフト鎖が、エポキシ基を有す
るモノマーユニットを少なくとも含むポリヒドロキシア
ルカノエートの化学修飾によるグラフト鎖であることを
特徴とする請求項12に記載の徐放性肥料。 - 【請求項14】 前記グラフト鎖が、アミノ基を有する
化合物のグラフト鎖であることを特徴とする請求項12
または13に記載の徐放性肥料。 - 【請求項15】 前記アミノ基を有する化合物が、末端
アミノ変性化合物であることを特徴とする請求項14に
記載の徐放性肥料。 - 【請求項16】 前記末端アミノ変性化合物が、ポリビ
ニルアミン、ポリエチレンイミン、末端アミノ変性ポリ
シロキサンからなる群より選択される少なくとも一つで
あることを特徴とする請求項15に記載の徐放性肥料。 - 【請求項17】 前記ポリヒドロキシアルカノエートの
少なくとも一部が、架橋化されたポリヒドロキシアルカ
ノエートであることを特徴とする請求項11に記載の徐
放性肥料。 - 【請求項18】 前記架橋化されたポリヒドロキシアル
カノエートが、エポキシ基を有するモノマーユニットを
少なくとも含むポリヒドロキシアルカノエートが架橋化
されたポリヒドロキシアルカノエートであるであること
を特徴とする請求項17に記載の徐放性肥料。 - 【請求項19】 前記架橋化されたポリヒドロキシアル
カノエートが、ジアミン化合物、無水コハク酸、2-エチ
ル-4-メチルイミダゾール、電子線照射からなる群より
選択される少なくとも一つにより架橋化されたポリヒド
ロキシアルカノエートであることを特徴とする請求項1
7または18に記載の徐放性肥料。 - 【請求項20】 前記ジアミン化合物がヘキサメチレン
ジアミンであることを特徴とする請求項19に記載の徐
放性肥料。 - 【請求項21】 水性媒体に分散された肥料組成物の
表面に固定されたポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の存在下で、3-ヒドロキシアシル補酵素を基質とし
て、ポリヒドロキシアルカノエート合成反応を行うこと
で該肥料組成物表面の少なくとも一部をポリヒドロキシ
アルカノエートで被覆することを特徴とする徐放性肥料
の製造方法。 - 【請求項22】 ポリヒドロキシアルカノエートが、式
[1]から式[10]に示すモノマーユニットからなる
群より選択される少なくとも一つを有するポリヒドロキ
シアルカノエートであり、それぞれ対応する3-ヒドロキ
シアシル補酵素Aが式[12]から式[21]に示す3-
ヒドロキシアシル補酵素Aのいずれかである、請求項2
1に記載の徐放性肥料の製造方法。 【化13】 (ただし、該モノマーユニットは、式中R1およびaの組
合せが下記のいずれかであるモノマーユニットからなる
群より選択される少なくとも一つである。R1が 水素原
子(H)でありaが0から10の整数のいずれかであるモノ
マーユニット、 R1が ハロゲン原子でありaが1から10の整数のいずれか
であるモノマーユニット、 R1が 発色団でありaが1から10の整数のいずれかである
モノマーユニット、 R1が、 【化14】 でありaが1から7の整数のいずれかであるモノマーユニ
ット。) 【化15】 (ただし、式中bは0から7の整数のいずれかを表し、R2
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化16】 (ただし、式中cは1から8の整数のいずれかを表し、R3
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化17】 (ただし、式中dは0から7の整数のいずれかを表し、R4
は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,-C
2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化18】 (ただし、式中eは1から8の整数のいずれかを表し、R
5は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-CF3,
-C2F5,-C3F7,-CH3,-C2H5,-C3H7からなる群か
ら選ばれたいずれか1つを表す。) 【化19】 (ただし、式中fは0から7の整数のいずれかを表す。) 【化20】 (ただし、式中gは1から8の整数のいずれかを表す。) 【化21】 (ただし、式中hは1から7の整数のいずれかを表し、R
6は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2, -CO
OR',-SO2R'',-CH3,-C2H5,-C3H7,-CH(CH
3)2,-C(CH3)3からなる群から選ばれたいずれか1つ
を表し、 ここでR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2H5のい
ずれかであり、R''は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン
原子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。) 【化22】 (ただし、式中iは1から7の整数のいずれかを表し、R
7は水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO2,-COO
R',-SO2R''からなる群から選ばれたいずれか1つを
表し、ここでR'は水素原子(H),Na,K,-CH3,-C2
H5のいずれかであり、R''は-OH,-ONa,-OK,
ハロゲン原子,-OCH3,-OC2H5のいずれかである。) 【化23】 (ただし、式中jは1から9の整数のいずれかを表す。) 【化24】 (ただし、前記式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵
素Aを表し、式中R1およびaの組合せが下記のいずれかで
ある群より選択される少なくとも一つであり、かつ、前
記式[1]で表されるモノマーユニットにおけるR1およ
びaと対応する。R1が 水素原子(H)でありaが0から10
の整数のいずれかであるモノマーユニット、 R1が ハロゲン原子でありaが1から10の整数のいずれか
であるモノマーユニット、 R1が発色団でありaが1から10の整数のいずれかであるモ
ノマーユニット、 R1が、 【化25】 でありaが1から7の整数のいずれかであるモノマーユニ
ット。) 【化26】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素A
を表し、bは前記式[2]で表されるモノマーユニット
におけるbと対応する0から7の整数のいずれかを表し、R
2は前記式[2]で表されるモノマーユニットにおけるR
2と対応する、水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO
2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。) 【化27】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素A
を表し、cは前記式[3]で表されるモノマーユニット
におけるcと対応する1から8の整数のいずれかを表し、R
3は前記式[3]で表されるモノマーユニットにおけるR
3と対応する、水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,-NO
2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいずれ
か1つを表す。) 【化28】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素A
を表し、dは前記式[4]で表されるモノマーユニット
におけるdと対応する0から7の整数のいずれかを表し、R
4は前記式[4]で表されるモノマーユニットにおける
R4と対応する、水素原子(H),ハロゲン原子,-CN,
-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7からなる群から選ばれたいず
れか1つを表す。) 【化29】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素
Aを表し、eは前記化学式[5]で表されるモノマーユニ
ットにおけるeと対応する1から8の整数のいずれかを
表し、R5は前記化学式[5]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR5と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-CF3,-C2F5,-C3F7,-CH3,-C2
H5,-C3H7からなる群から選ばれたいずれか1つを表
す。) 【化30】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素A
を表し、fは前記式[6]で表されるモノマーユニット
におけるfと対応する0から7の整数のいずれかを表
す。) 【化31】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素A
を表し、gは前記式[7]で表されるモノマーユニット
におけるgと対応する1から8の整数のいずれかを表
す。) 【化32】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素
Aを表し、hは前記化学式[8]で表されるモノマーユニ
ットにおけるhと対応する1から7の整数のいずれかを
表し、R6は前記化学式[8]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR6と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2, -COOR',-SO2R'',-CH3,-C2
H5,-C3H7,-CH(CH3)2,-C(CH3)3からなる群か
ら選ばれたいずれか1つを表し、ここでR'は水素原子
(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''
は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-O
C2H5のいずれかである。) 【化33】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素
Aを表し、iは前記化学式[9]で表されるモノマーユニ
ットにおけるiと対応する1から7の整数のいずれかを
表し、R7は前記化学式[9]で表されるモノマーユニッ
トにおけるR7と対応する、水素原子(H),ハロゲン原
子,-CN,-NO2,-COOR',-SO2R''からなる群か
ら選ばれたいずれか1つを表し、ここでR'は水素原子
(H),Na,K,-CH3,-C2H5のいずれかであり、R''
は-OH,-ONa,-OK,ハロゲン原子,-OCH3,-O
C2H5のいずれかである。) 【化34】 (ただし、式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵素
Aを表し、jは前記化学式[10]で表されるモノマーユニ
ットにおけるjと対応する1から9の整数のいずれかを
表す。) - 【請求項23】 該ポリヒドロキシアルカノエートが親
水性官能基を有することを特徴とする、請求項21また
は22に記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項24】 該ポリヒドロキシアルカノエートがア
ニオン性官能基を有する請求項23に記載の徐放性肥料
の製造方法。 - 【請求項25】 該ポリヒドロキシアルカノエートがカ
ルボキシル基を有する請求項24に記載の徐放性肥料の
製造方法。 - 【請求項26】 前記カルボキシル基が、式[11]に
示すモノマーユニットからなる群より選択される少なく
とも一つにより導入されたものであり、それぞれ対応す
る3-ヒドロキシアシル補酵素Aが式[22]に示す3-ヒ
ドロキシアシル補酵素Aのいずれかである、請求項25
に記載の徐放性肥料の製造方法。 【化35】 (ただし、kは1から10の整数のいずれかである。) 【化36】 (ただし、前記式中-SCoA はアルカン酸に結合した補酵
素Aを表し、式中kは前記式[11]で表されるモノマー
ユニットにおけるkと対応し、1から10の整数のいずれか
である。) - 【請求項27】 前記肥料組成物が粒状であり、該肥料
組成物の少なくとも一部をポリヒドロキシアルカノエー
トで被覆して粒状の徐放性肥料を製造することを特徴と
する、請求項21から請求項26のいずれかに記載の徐
放性肥料の製造方法。 - 【請求項28】 前記肥料組成物が平板またはフィルム
状であり、該肥料組成物の少なくとも一部をポリヒドロ
キシアルカノエートで被覆して平板またはフィルム状の
徐放性肥料を製造することを特徴とする、請求項21か
ら請求項26のいずれかに記載の徐放性肥料の製造方
法。 - 【請求項29】 前記3-ヒドロキシアシル補酵素Aの組
成を経時的に変化させることにより、前記ポリヒドロキ
シアルカノエートの3-ヒドロキシアルカン酸ユニット組
成を前記粒状体の肥料組成物の半径方向において変化さ
せることを特徴とする請求項27に記載の徐放性肥料の
製造方法。 - 【請求項30】 前記3-ヒドロキシアシル補酵素Aの組
成を経時的に変化させることにより、前記ポリヒドロキ
シアルカノエートの3-ヒドロキシアルカン酸ユニット組
成を前記平板またはフィルム状の肥料組成物の垂直方向
において変化させることを特徴とする請求項28に記載
の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項31】 前記肥料組成物を被覆するポリヒドロ
キシアルカノエートの少なくとも一部に化学修飾を施す
工程をさらに有する請求項21から請求項30に記載の
徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項32】 前記の化学修飾を施す工程が、ポリヒ
ドロキシアルカノエートの少なくとも一部にグラフト鎖
を付加する工程であることを特徴とする請求項31に記
載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項33】 前記グラフト鎖を付加する工程が、ポ
リヒドロキシアルカノエートの少なくとも一部と、末端
に反応性官能基を有する化合物とを反応させる工程であ
ることを特徴とする請求項32に記載の徐放性肥料の製
造方法。 - 【請求項34】 前記ポリヒドロキシアルカノエート
が、エポキシ基を有するモノマーユニットを少なくとも
含むポリヒドロキシアルカノエートであることを特徴と
する請求項33に記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項35】 前記の末端に反応性官能基を有する化
合物が、アミノ基を有する化合物であることを特徴とす
る請求項33または34に記載の徐放性肥料の製造方
法。 - 【請求項36】 前記アミノ基を有する化合物が、末端
アミノ変性化合物であることを特徴とする請求項35に
記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項37】 前記末端アミノ変性化合物が、ポリビ
ニルアミン、ポリエチレンイミン、末端アミノ変性ポリ
シロキサンからなる群より選択される少なくとも一つで
あることを特徴とする請求項36に記載の徐放性肥料の
製造方法。 - 【請求項38】 前記の化学修飾を施す工程が、ポリヒ
ドロキシアルカノエートの少なくとも一部を架橋化する
工程であることを特徴とする請求項31に記載の徐放性
肥料の製造方法。 - 【請求項39】 前記架橋化工程が、ポリヒドロキシア
ルカノエートの少なくとも一部と架橋剤とを反応させる
工程であることを特徴とする請求項38に記載の徐放性
肥料の製造方法。 - 【請求項40】 前記ポリヒドロキシアルカノエート
が、エポキシ基を有するモノマーユニットを少なくとも
含むポリヒドロキシアルカノエートであることを特徴と
する請求項38または39に記載の徐放性肥料の製造方
法。 - 【請求項41】 前記架橋剤が、ジアミン化合物、無水
コハク酸、2-メチル−4−メチルイミダゾールからなる
群より選択される少なくとも一つであることを特徴とす
る請求項39または40に記載の徐放性肥料の製造方
法。 - 【請求項42】 前記ジアミン化合物がヘキサメチレン
ジアミンであることを特徴とする請求項41に記載の徐
放性肥料の製造方法。 - 【請求項43】 前記架橋化工程が、ポリヒドロキシア
ルカノエートに電子線を照射する工程であることを特徴
とする請求項38に記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項44】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素が、該酵素の生産能を有する微生物、または該生産能
に関与する遺伝子を宿主微生物に導入した形質転換体に
より生産されるポリヒドロキシアルカノエート合成酵素
である、請求項21〜43のいずれかに記載の徐放性肥
料の製造方法。 - 【請求項45】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、シュードモナス属(Pseu
domonas sp.)に属する微生物である、請求項44に記
載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項46】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、シュードモナス・プチダ
・P91株(Pseudomonas putida P91、FERM BP-7373)、
シュードモナス・チコリアイ・H45株(Pseudomonas ci
chorii H45、FERM BP-7374)、シュードモナス・チコリ
アイ・YN2株(Pseudomonas cichoriiYN2、FERM BP-737
5)、シュードモナス・ジェッセニイ・P161株(Pseudo
monasjessenii P161、FERM BP-7376)からなる群から
選択される少なくとも1つ以上の微生物である、請求項
45に記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項47】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、バークホルデリア属(Bu
rkholderia sp.)に属する微生物である、請求項44に
記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項48】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、バークホルデリア・セパ
シア・KK01株(Burkholderia cepacia KK01、FERM BP-4
235)、バークホルデリア属・OK3株(Burkholderia sp.
OK3、FERMP-17370)、バークホルデリア属・OK4株(Bu
rkholderia sp. OK4、FERM P-17371)からなる群から選
択される少なくとも1つの微生物である、請求項47に
記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項49】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、アルカリゲネス属(Alca
ligenes sp.)に属する微生物である、請求項44に記
載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項50】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、アルカリゲネス属・TL2
株(Alcaligenes sp. TL2、FERM BP-6913)である、請
求項49に記載の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項51】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、ラルストーニャ属(Rals
tonia sp.)に属する微生物である、請求項44に記載
の徐放性肥料の製造方法。 - 【請求項52】 ポリヒドロキシアルカノエート合成酵
素の生産能を有する微生物が、ラルストーニャ・ユート
ロファ・TB64株(Ralstonia eutropha TB64、FERM BP-6
933)である、請求項51に記載の徐放性肥料の製造方
法。 - 【請求項53】 前記ポリヒドロキシアルカノエート合
成酵素の生産能を有する形質転換体の宿主微生物が、大
腸菌(Escheichia coli)である、請求項44に記載の徐
放性肥料の製造方法。 - 【請求項54】 肥料組成物を用意する工程と、 前記肥料組成物の表面の少なくとも一部をポリヒドロキ
シアルカノエートで被覆する工程とを有することを特徴
とする徐放性肥料の製造方法。
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JP2001208702A JP2003026493A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | ポリヒドロキシアルカノエートからなる徐放性肥料及びその製造方法 |
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JP2001208702A JP2003026493A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | ポリヒドロキシアルカノエートからなる徐放性肥料及びその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7354995B2 (en) | 2003-05-02 | 2008-04-08 | Canon Kabushiki Kaisha | Magnetic substance-biosubstance complex structure, peptide fragment capable of linking to magnetic substance and gene therefor, and process for producing the complex structure |
KR101282440B1 (ko) * | 2005-10-14 | 2013-07-04 | 아처 다니엘 미드랜드 캄파니 | 비료 조성물 및 사용 방법 |
WO2016121354A1 (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 土壌病害防除の方法、植物栽培用土壌、および土壌病害防除剤 |
-
2001
- 2001-07-10 JP JP2001208702A patent/JP2003026493A/ja not_active Withdrawn
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US11000035B2 (en) | 2015-01-26 | 2021-05-11 | National Research And Development Agency National Agriculture And Food Research Organization | Soil-borne disease control method, soil for plant cultivation use, and soil-borne disease control agent |
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