JP2003025740A - 熱転写記録媒体及び記録方法 - Google Patents

熱転写記録媒体及び記録方法

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JP2003025740A JP2002116736A JP2002116736A JP2003025740A JP 2003025740 A JP2003025740 A JP 2003025740A JP 2002116736 A JP2002116736 A JP 2002116736A JP 2002116736 A JP2002116736 A JP 2002116736A JP 2003025740 A JP2003025740 A JP 2003025740A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像転写性が優れるだけでなく、その転写
画像がガソリン、エタノール、ブレーキオイルといった
性質の異なる溶剤に共に耐久性が優れる熱転写記録媒体
を提供すること。 【解決手段】 支持体上に剥離層、着色剤を含有するイ
ンク層を順次積層した熱転写記録媒体であって、かつイ
ンク層がケン化度95mol%以上で、重合度が550
以下のポリビニルアルコールを含有することを特徴とす
る熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融転写記録媒
体に関し、詳しくは転写画像が耐薬品性に優れる熱転写
記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱融転写記録媒体は、その使用環境によ
っては、熱転写された画像がガソリンやエタノールのよ
うな有機溶剤によって消去しないことが要求される。
【0003】これらの要求に答えるために、インク層の
バインダーとして、耐溶剤性に優れる樹脂を用いること
が例示されている。例えば、特開平10−24660号
公報には、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂、特開
平8−132740号公報には、スチレン成分が50〜
90%であるスチレン−アクリル樹脂、特開平7−76
178号公報には、ガラス転移点温度が60〜90℃の
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を用いることがそ
れぞれ記載されているが、その耐溶剤性は充分なものと
はいえない。特開昭62−41087号公報には、受容
媒体である被転写媒体の表面凹凸に抗してムラなく転写
できるようにするため、ケン化度が20〜95mol%
で重合度が500以下のポリビニルアルコールを用いる
ことが示されている。ポリビニルアルコールは一般的に
有機溶剤に対して優れた耐性を有するが、転写性に劣り
シャープな画像が得られない欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来技術に鑑み、画像転写性が優れるだけでな
く、その転写画像がガソリン、エタノール、ブレーキオ
イルといった性質の異なる溶剤に共に耐久性が優れる熱
転写記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記課題は、
本発明の(1)「支持体上に剥離層、着色剤を含有する
インク層を順次積層した熱転写記録媒体であって、かつ
インク層がケン化度95mol%以上で、重合度が55
0以下のポリビニルアルコールを含有することを特徴と
する熱転写記録媒体」、(2)「ポリビニルアルコール
のケン化度が98mol%以上であることを特徴とする
前記第(1)項に記載の熱転写記録媒体」、(3)「イ
ンク層中にポリビニルアルコールを20〜80重量%含
有することを特徴とする前記第(1)項または第(2)
項に記載の熱転写記録媒体」、(4)「インク層の厚み
が0.5〜2.0μmであることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の熱転写記録
媒体」、(5)「剥離層がカルナウバワックスとエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含有することを特徴とす
る前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の熱
転写記録媒体」、(6)「剥離層の厚みが0.5〜1.
5μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(5)項の何れか1に記載の熱転写記録媒体」にによっ
て解決される。(7)「インク層中に耐水化剤及びまた
は非水溶性樹脂を含有することを特徴とする前記第
(1)項乃至第(6)項の何れか1に記載の熱転写記録
媒体」、(8)「前記第(1)項乃至第(7)項の何れ
か1に記載の熱転写記録媒体を用いて受容体に印字する
記録方法であって、前記受容体が支持体上にポリビニル
アルコールと耐水化剤及びまたは非水溶性樹脂を含む受
容層を形成してなることを特徴とする記録方法」、
(9)「前記第(1)項乃至第(7)項の何れか1に記
載の熱転写記録媒体を用いて受容体に印字する印字方法
であって、受容体がエチレン−ビニルアルコール共重合
体フィルムまたはポリプロピリンフィルムであることを
特徴とする記録方法」、(10)「前記第(8)項また
は第(9)項に記載の印字方法を用いて、受容体に画像
を形成した記録体」によって解決される。
【0006】以下に、本発明を詳細に説明する。上述の
ように本発明の熱転写記録媒体は、支持体上に剥離層、
着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒
体において、かつインク層がケン化度95mol%以上
で、重合度が550以下のポリビニルアルコールを含有
することを特徴とする。
【0007】一般的にポリビニルアルコールはケン化度
が高くなるにつれ、耐溶剤性も良くなるが、転写性が低
下するためシャープな画像が得られないという欠点があ
った。そこで、本発明では、支持体とインク層の間に剥
離層を設けることにより、転写性を向上させることが可
能となった。すなわち、このような構成によれば、熱感
度など転写性能に優れるだけでなく、転写された画像が
耐薬品性に優れた熱転写記録媒体が得られることが判明
した。本発明において、ポリビニルアルコールは耐溶剤
性に優れるケン化度95mol%以上のものが用いられ
る。なかでもケン化度98mol%以上のものが好まし
い。耐溶剤性は、ポリビニルアルコールの重合度にほと
んど依存せず、また、高重合度のものは転写性に劣るこ
とが判明したため、本発明では重合度550以下のもの
を用いる。
【0008】本発明では、ポリビニルアルコールはイン
ク層中に20〜80重量%となるように添加させるのが
好ましい。20重量%以下では、充分な耐溶剤性が得ら
れず、80重量%を越えると転写性に劣るようになる。
【0009】本発明では、厚みが0.5〜2.0μmと
なるようにインク層を設けるのが好ましい。0.5μm
未満では、満足な耐溶剤性が得られず、2.0μmを越
えると、インク層のきれが悪くなり、シャープな画像が
得られない。
【0010】本発明では、インク層にポリビニルアルコ
ールのみならず、更に耐水化剤及びまたは非水溶性樹脂
を添加することもできる。耐水化剤の例としては、メチ
ロール化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ホ
ルマリン、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂、ケトンアルデヒド樹脂、ポリ
エチレンイミン樹脂、グリオキザール及びその誘導体、
アジリジン、グルタルアルデヒド、イソシアネート化合
物、ジルコニウム系金属架橋剤、ホウ酸、ホウ砂等が挙
げられるが、中でもポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
が好ましい。これらの耐水化剤はポリビニルアルコール
の5〜25重量%の範囲で添加するのが好ましい。
【0011】非水溶性樹脂の例としては、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタ
ジエン−アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−アクリル酸共重合体、ウレタン変性ポリエチ
レン、アクリル酸変性ポリエチレン、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、塩化ビニル(共)重合体、塩化
ビニリデン(共)重合体、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチ
レン−塩化ビニル共重合体、ポリエステル等のエマルジ
ョンや水分散体等が挙げられる。これらは、単独もしく
は、混合して使用される。これらの非水溶性樹脂はポリ
ビニルアルコールの25〜50重量%の範囲で添加する
のが好ましい。
【0012】本発明では、転写性を向上させるために支
持体とインク層の間に剥離層を設ける。本発明の剥離層
は、融点または軟化点が70〜120℃のワックスを主
体としている。この層は、熱印加時に支持体とインク層
間の剥離性をよくするために設けられる層であり、その
ためサーマルヘッドによる熱印加で溶融して低粘度液体
になるような成分で構成するのが望ましく、また加熱部
分と非加熱部分の界面近くで層が容易に切れるように層
成分を調整するとよい。
【0013】剥離層に使用されるワックスとしては、例
えば蜜ろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、カルナウバ
ワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等
の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリス
タリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシ
ン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成
ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、べへニン酸
等の高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、べへニル
アルコール等の高級飽和一価アルコール;ソルビタンの
脂肪酸エステル等の高級エステル;ステアリン酸アミ
ド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げら
れる。中でもカルナウバワックスを用いるのが好まし
い。
【0014】また、剥離層に弾力性を持たせて熱転写記
録媒体と被転写体との密着性をよくすることも可能であ
り、この目的を達成するため剥離層にイソプレンゴム、
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム等のゴム類が添加される。このほか、
転写層の脱落防止のため、接着性の強い樹脂類を該層に
添加することもよく行なわれるが、このために添加され
る樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチ
レン−エチルアクリレート共重合体等が好適である。な
かでもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を添加するの
が好ましい。
【0015】本発明では、剥離層を厚みが0.5〜1.
5μmとなるように設けるのが好ましい。0.5μm未
満では、剥離性が充分でなく、転写画像にぬけが発生す
る。また1.5μmを越えると、層がきれにくくなりシ
ャープな画像が得られない。
【0016】本発明のインク層には、熱転写性や解像度
の向上を目的として、各種の添加物質が添加されてよ
い。例えば、ワックス状の脂肪酸アミド、各種滑剤、パ
ラフィンワックスのような合成ワックス類、キャンデリ
ラワックスやカルナウバワックス等の天然ワックス類等
の添加によって熱転写性や解像度を向上させることがで
きる。なお、この場合の滑剤にはシリカ等の無機滑剤も
使用可能である。
【0017】本発明で用いられる着色剤としては、要求
される色調などに応じて、カーボンブラック、有機顔
料、無機顔料または各種染料から適当なものを選択して
用いることができる。
【0018】支持体は、公知のフィルムや紙をそのまま
使用すればよく、例えばポリエチレンテレフタレート等
のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセル
ロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的耐熱性
のよいプラスチックフィルム;セロハン;硫酸紙等が好
ましく使用される。
【0019】また、本発明の熱転写記録媒体には、必要
に応じて支持体の裏面に保護層を設けてもよい。保護層
は、サーマルヘッドによる熱印加時に支持体を高温から
保護するための層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や
熱硬化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性
樹脂も使用可能である。なお、保護層形成に好適な樹脂
はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等であり、こ
れらの樹脂を薄膜状で使用すればよい。また、保護層の
設置によって支持体の耐熱性を著しく向上させることが
できるため、該層の設置によって従来は不適とされてい
た支持体を用いることもできる。
【0020】以上に詳記した熱転写層は、ホットメルト
塗工法、水性塗工法、有機溶媒を用いた塗工法等で支持
体上に積層して設けることができる。
【0021】本発明の熱転写記録媒体を用いる記録方法
で使用する受容体は、図1に示すように支持体上にポリ
ビニルアルコールと耐水化剤及びまたは非水溶性樹脂を
含む受容層を形成してなる受容体であると好ましい。
【0022】受容層のポリビニルアルコールとしては、
例えば部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポ
リビニルアルコール、カルボキシル基、スルホン酸Na
基、アセトアセチル基、カチオン基などで変性されたポ
リビニルアルコール等が用いられる。これらのポリビニ
ルアルコールの重合度は500以上であることが好まし
い。500未満では受容層の強度が低下する。
【0023】受容層に添加する耐水化剤、非水溶性樹脂
としては、インク層に添加する例として挙げた物質を同
様に用いることができる。添加量についても同様であ
る。受容層にはポリビニルアルコール、耐水化剤、非水
溶性樹脂の他に必要に応じて添加剤を加えることもでき
る。
【0024】添加剤としては、例えば、シリカ、酸化亜
鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫
酸バリウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、タル
ク、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末やステアリ
ン酸アミド、パルチミン酸アミド等の脂肪酸アミド類、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステア
リン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛等
の脂肪酸金属塩類や界面活性剤等を用いることができ
る。受容層は、1〜20μm程度の厚みで形成するのが
好ましい。また受容層表面の平滑度は100秒(JIS
P−8119)以上にするのが好ましい。100秒未
満では画像の白ぬけなどが発生してしまう。
【0025】受容体の支持体としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリイミド、ナイロン、ビニロン、ポリオレフィン
合成紙等のプラスチックフィルムや紙、不織布等が用い
られる。
【0026】また、本発明の熱転写記録媒体を用いる記
録方法で使用する受容体が、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体フィルムまたはポリプロピレンフィルムであ
ると好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体と
ポリプロピレンはともに適度な極性と熱変形性を有して
いるので、インクが熱転写されたときの定着性に優れ
る。
【0027】本発明では、エチレン−ビニルアルコール
共重合体フィルムまたはポリプロピレンフィルムはイン
クが定着する表面に露出していればよく、すなわち、図
2に示すように受容体がエチレン−ビニルアルコール共
重合体フィルムまたはポリプロピレンフィルムそのもの
であったり、図3に示すようにインクが定着する反対側
に紙、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ナイロンフィルム等の支持体を貼り合わ
せて用いることもできる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、ここでの部は固形分重量基準であ
る。
【0029】実施例1 支持体としては4.5μm厚のポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを用意し、熱転写記録層を塗工する側の反
対側にシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製SD7226)を乾燥後塗工量が0.2g/m
となるように塗布乾燥して耐熱滑性層を有する支持体
を作成した。 (剥離層処方) カルナウバワックスのトルエン分散液(固形分10%) 93部 エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のトルエン溶液(固形分10%)7部 上記処方の剥離液を支持体の熱転写記録層側に厚みが
0.9μmとなるように塗布乾燥して剥離層を設けた。 (インク液処方) ポリビニルアルコール (クラレ製PVA−105 ケン化度98.5mol% 重合度550) の水溶液(固形分10%) 67部 カーボンブラックの水分散液(固形分38%) 9部 水 24部 上記組成のインク液を前記中間層上に厚みが約1.0μ
mとなるように塗布乾燥し、インク層を設け、熱転写記
録媒体を作成した。
【0030】実施例2 実施例1において、インク液のポリビニルアルコールと
してクラレ製PVA−103(ケン化度98.5mol
% 重合度350)を用いた以外は、実施例1と同様に
して熱転写記録媒体を作成した。
【0031】比較例1 実施例1において、インク液のポリビニルアルコールと
してクラレ製PVA−110(ケン化度98.5mol
% 重合度1000)を用いた以外は、実施例1と同様
にして熱転写記録媒体を作成した。
【0032】比較例2 実施例1において、インク液のポリビニルアルコールと
してクラレ製PVA−203(ケン化度88mol%
重合度350)を用いた以外は、実施例1と同様にして
熱転写記録媒体を作成した。
【0033】比較例3 実施例1において、下記処方のインク液を用いた以外
は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。 (インク液処方) ポリエステル(ユニチカ製UE3215)のMEK溶液 67部 (固形分20%) カーボンブラックのMEK分散液(固形分20%) 33部
【0034】比較例4 実施例1において、剥離層を設けなかった以外は、実施
例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
【0035】上記により得られた実施例1、2および比
較例1〜4の熱転写記録媒体について、以下の方法によ
る評価テストを行なった。なお、評価テストには受容紙
として裏面に糊付け処理されたラベル状の白PET(リ
ンテック社製 FR1415)を使用し、下記条件によ
り印字し評価した。
【0036】(印字条件) プリンター:ZEBRA社製 140Xi 印字速度:76mm/秒
【0037】評価した諸特性は以下の通りである。 画像転写性 3 力スレがなく、画像のエッジがシャープである。 2 ややカスレがある。 1 転写しない。 耐溶剤性 溶剤0.5ccを綿棒に含ませて転写画像に塗布後、こ
のサンプルについて10g/mm2の荷重下に30cm
/秒のスピードで往復ラブテストを30回行ない、被転
写紙(白PET)面を観察し次の基準で評価した。溶剤
はガソリンとエタノールおよびブレーキオイルを用い
た。 5 ラブテストの結果、テスト前と変化なし。 4 ラブテストの結果、画像の判読は可能だがやや傷が
できる。 3 ラブテストの結果、画像の判読は可能だが傷ができ
る。 2 ラブテストの結果、画像は残るが判読は不可能にな
る。 1 ラブテストの結果、画像が消去してしまう。 以上の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 ※比較例1および3、4は転写画像が形成されなかった
ため、耐溶剤性評価を実施していない。
【0039】表1から、実施例の熱溶融転写記録媒体は
画像転写性が優れているのみか、ガソリン、エタノー
ル、ブレーキオイルといった性質の異なる溶剤に共に優
れていることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、支持体上に剥離層、着色剤を含有するインク
層を順次積層し、かつインク層にケン化度95mol%
以上で、重合度が550以下のポリビニルアルコールを
含有させることにより、画像転写性が優れているのみ
か、その転写画像がガソリン、エタノール、ブレーキオ
イルといった性質の異なる溶剤に共に優れる熱転写記録
媒体を提供することができるという極めて優れた効果を
奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体上にポリビニルアルコールと耐水化剤及
びまたは非水溶性樹脂を含む受容層を形成してなる受容
体を示す図である。
【図2】エチレン−ポリビニルアルコール共重合体フィ
ルムまたはポリプロピレンフィルムからなる受容体を示
す図である。
【図3】エチレンビニルアルコール共重合体フィルムま
たはポリプロピレンフィルムと支持体からなる受容体を
示す図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 受容層 3 受容体 4 エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムまた
はポリピレンフィルムからなる受容体 5 支持体 6 エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムまた
はポリプロピレンフィルム 7 受容体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 貴之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H111 AA08 BA03 BA07 BA53 BA54 BA55 BA63 BA76 CA03 CA25 CA30 CA33 CA47

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に剥離層、着色剤を含有するイ
    ンク層を順次積層した熱転写記録媒体であって、かつイ
    ンク層がケン化度95mol%以上で、重合度が550
    以下のポリビニルアルコールを含有することを特徴とす
    る熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールのケン化度が98
    mol%以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 インク層中にポリビニルアルコールを2
    0〜80重量%含有することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 インク層の厚みが0.5〜2.0μmで
    あることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載
    の熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 剥離層がカルナウバワックスとエチレン
    −酢酸ビニル共重合体樹脂を含有することを特徴とする
    請求項1乃至4の何れか1に記載の熱転写記録媒体。
  6. 【請求項6】 剥離層の厚みが0.5〜1.5μmであ
    ることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1に記載の
    熱転写記録媒体。
  7. 【請求項7】 インク層中に耐水化剤及びまたは非水溶
    性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至6の何
    れか1に記載の熱転写記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れか1に記載の熱転
    写記録媒体を用いて受容体に印字する記録方法であっ
    て、前記受容体が支持体上にポリビニルアルコールと耐
    水化剤及びまたは非水溶性樹脂を含む受容層を形成して
    なることを特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7の何れか1に記載の熱転
    写記録媒体を用いて受容体に印字する印字方法であっ
    て、受容体がエチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
    ルムまたはポリプロピリンフィルムであることを特徴と
    する記録方法。
  10. 【請求項10】 請求項8または9に記載の印字方法を
    用いて、受容体に画像を形成した記録体。
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