JP2003025713A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2003025713A
JP2003025713A JP2001210555A JP2001210555A JP2003025713A JP 2003025713 A JP2003025713 A JP 2003025713A JP 2001210555 A JP2001210555 A JP 2001210555A JP 2001210555 A JP2001210555 A JP 2001210555A JP 2003025713 A JP2003025713 A JP 2003025713A
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ink receiving
particles
recording sheet
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JP2001210555A
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Kiichiro Yamauchi
喜一郎 山内
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色が鮮明でにじみがなく、かつ点状の抜け
がない画像の印画を可能とする、バックプリント用のイ
ンクジェット記録用シートを提供すること。 【解決手段】 透明性を有する基材上に、ポリプロピレ
ン粒子、ポリエチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒
子及びスチレン−メタクリル酸メチル共重合体粒子から
選ばれる1種以上の高分子粒子を含有するインク受理層
(A)とその他のインク受理層(B)とが設けられ、且
つインク受理層(B)はインク受理層(A)の基材とは
反対の側に設けられていることを特徴とするインクジェ
ット記録用シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、さらに詳しくは、発色が鮮明でにじ
みがなく、かつ点状の抜けがない画像の印画を可能とす
る、バックプリント用のインクジェット記録用シートに
関する。
【0002】
【従来の技術】印画方式の一つであるインクジェット記
録方式は、高画質のフルカラー画像が容易に得られるこ
と、ランニングコストが低いこと、プリントアウト時の
機械的騒音がほとんどないことなどの利点により、用途
が広がりつつある。用途の拡大に伴い、印画されるイン
クジェット記録用シートやその使われ方にも種々のタイ
プのものが出現しており、その中の一つに、バックプリ
ントがある。
【0003】バックプリントとは、記録が行われた記録
面とは反対の面から画像を観察するものである。バック
プリントタイプのうち、最も一般的なものは、プラスチ
ックフィルムなどの透明な基材上に、インク受理層が設
けられてなり、このインク受理層側から印画を行うもの
である。インクの一部又は全部が、インク受理層の中を
浸透し、インク受理層と透明な基材の界面付近に達す
る。このインク像を、透明基材側から反射光または透過
光によって観察するものである。バックプリントの利点
としては、透明な基材の光沢および平滑さにより観察さ
れる画像が高級感を持つこと、画像が透明な基材で保護
されることなどが挙げられる。
【0004】このようなバックプリントタイプのインク
ジェット記録用シートは、これまでに種々のものが提案
されている。しかし、従来のバックプリントタイプのイ
ンクジェット記録用シートには、次のような問題点があ
る。すなわち、インクの噴射量が少ない場合は、噴射さ
れたインクの多くの部分がインク受理層の表面や中間部
分にとどまってしまい、インク受理層と透明な基材の界
面付近に達する量が少ないために、基材側から観察した
際にインク受理層に遮られて、発色が不鮮明となる。逆
に、インクの噴射量が多い場合は、インク受理層と透明
な基材の界面付近に達するインクの量が多過ぎ、基材は
インクを吸収しないことから、インクが界面で横方向
(噴射方向と垂直の方向)に広がってしまい、にじみが
発生して画像の精度が不十分となる。通常は、絵柄の中
に、多量のインクで印画すべき部分と少量のインクで印
画すべき部分が有るため、両方に同時に適応する必要が
ある。特に、フルカラー画像では、多色の掛け合わせの
部分と単色の部分では単位面積あたりのインクの噴射量
に大きな差が生じるため、より適応力が要求されるが、
その要求を充分に満たすものは、これまでに存在しなか
った。また、特に、油性インクを用いる場合において、
前記の問題点は顕著であり、これを解決するものは、こ
れまでに存在しなかった。
【0005】また、従来のバックプリントタイプのイン
クジェット記録用シートの中にはインク受理層が2層の
ものもあり、これらはインク吸収能力に優れている為に
じみの発生は抑制される。しかし、これらは、通常は基
材に近い層に無機填料を含有するが、一般的に無機填料
は不透明度が高く、これに遮られることによって、画像
の中に点状の抜けがしばしば発生するという問題点もあ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に対
し、本発明は、発色が鮮明でにじみがなく、かつ点状の
抜けがない画像の印画を可能とするバックプリント用の
インクジェット記録用シートの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の末、次の構成によって上記課題を解決できることを見
出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、透明
性を有する基材上に、高分子粒子を含有するインク受理
層(A)とその他のインク受理層(B)の2種類のイン
ク受理層が、インク受理層(B)がインク受理層(A)
の基材とは反対の側に位置するように設けられているこ
とを特徴とするインクジェット記録用シートである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用シ
ートにおいては、インク受理層(A)は、ポリプロピレ
ン粒子、ポリエチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒
子及びスチレン−メタクリル酸メチル共重合体粒子から
選ばれる1種以上の高分子粒子を含有し、且つインク受
理層(B)がインク受理層(A)の基材とは反対の側に
位置すること、言い換えれば、基材とインク受理層
(B)との間にインク受理層(A)が位置することを必
須要件とする。インク受理層(A)及びインク受理層
(B)は各々単一の層であっても組成が同一又は異なっ
た複数の層から構成されていてもよいが、インク受理層
(B)が、インク受理層(A)の基材とは反対の側に位
置することが必要である。基材上には、インク受理層
(A)及びインク受理層(B)以外の層を設けることも
できる。例えば、接着力を強化する目的で、基材とイン
ク受理層(A)との間にアンカーコート層を設けてもよ
い。アンカーコート層は、透明なものが好ましい。
【0009】本発明の基材は、透明性を有するものであ
れば、特に限定されるものではなく、種々の素材が使用
可能である。特に、透明度の高さや耐水性の点から、プ
ラスチックフィルムが好適であり、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネートなどの一般的な熱可塑性樹脂フィルムを用いるこ
とができる。本発明の基材は、JIS P−8138に
よる不透明度が7%以下のものが好ましい。また、基材
の厚みは特に限定されないが、強度や取扱いやすさなど
の面から、通常25〜250μm程度のものが用いられ
る。
【0010】また、密着性や漏れ性を向上させるなどの
目的で、所望により、基材に酸化法や凹凸法などにより
表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例
えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風
処理、オゾン・紫外線処理などが挙げられ、また凹凸法
としては、例えば溶剤処理法などの公知の方法が挙げら
れる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選
択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果および操
作性などの面から好ましく用いられる。また易接着処理
を施すこともできる。
【0011】本発明のインク受理層(A)は、上記高分
子粒子のいずれか1種以上を含有することが必須要件で
ある。これらの高分子粒子は粒子状であるために、粒子
間に空隙を生じさせ、この空隙がインクを適度に浸透さ
せる機能とインクの吸収容量を増大させる機能を持つ。
また、当該高分子粒子はインクに対する濡れ性が良いた
め、インクを該粒子の表面にとどめることなく、空隙に
浸透させる機能を持つ。なお、インク受理層(A)は後
述するように不透明度が低いほうが好ましいが、これら
の高分子粒子はインク受理層(A)の不透明度を低く保
つことができるという点からも優れている。これらの高
分子粒子は、それ自体の不透明度が低い為、一般的な無
機填料が発生させる点状の画像の抜けを発生させない
が、それのみならず、層を形成させた際に層全体の不透
明度を低く保つ性質を持つ。
【0012】本発明のインク受理層(A)において、高
分子粒子は、成膜化しておらず粒子状であることが必要
であるが、このような状態にするための方法は特に限定
されない。例えば、インク受理層(A)を形成する際
に、真球状のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメタ
クリル酸メチル、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体を用いることによって可能となる。特に、製造工程中
に粒子が達する最高温度に於いても真球状を保つものを
選択すると容易である。例えば水を溶媒とする塗液を塗
工した後に100℃の熱風で乾燥させて製造する場合、
100℃が工程中に粒子が達する最高温度であるなら
ば、100℃に於いても真球状を保つものを選択すると
容易である。
【0013】上記高分子粒子の平均粒子径は大きいほ
ど、形成される空隙が増大し、インクの吸収容量が増大
するという利点があるが、平均粒子径が大きすぎると、
上記インク受理層(A)の表面が粗くなり、当該インク
受理層(A)の上部に存在するインク受理層の厚みむら
を生じさせ、画像ムラの原因となる場合がある。一方、
インク受理層(A)の表面を平坦化するために、含有す
る高分子粒子の平均粒子径を小さくすると本発明の効果
を示さない場合がある。インクの吸収容量、インク受理
層(A)の表面粗さを考慮すると、当該高分子粒子の平
均粒子径は5〜25μmが好ましい。
【0014】本発明のインク受理層(A)には、層の強
度を向上させる目的で、バインダーを含有させることが
好ましい。バインダーとしては、種々のものが使用で
き、例えば塩素化ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ゼラチン、
ポリビニルアセタール、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン
ゴム、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ
る。これらは単独、又は混合して使用できる。尚、バイ
ンダーに対する上記高分子粒子の比率を、固形分重量比
で0.1〜1.0とすることが好ましい。0.1未満で
あるとインク吸収能力が不足することがあり、1.0を
超えると層の強度が不足することがある。
【0015】本発明のインク受理層(A)は、不透明度
が低い方が好ましいが、基材とインク受理層(A)を合
わせて測定した場合に、JIS P−8138による不
透明度が17%以下となるようにすることが好ましい。
このようなインク受理層(A)であると、特に発色が鮮
明となり、顕著な効果を発揮するからである。また、イ
ンク受理層(A)の厚みは、10〜50μmが好まし
い。インク受理層(A)の厚みが50μmを超えると、
インクの吸収容量を増大させるためには好ましいが、不
透明度が増大してしまうからである。一方、インク受理
層(A)の厚みが10μm未満であると、透明度が増大
する点では有利であるが、十分なインク吸収能を有さな
い場合があるからである。
【0016】また、インク受理層(A)の透明性を向上
させるためには、バインダーも透明性が高いものを使用
することが好ましい。さらには、上記高分子粒子がイン
クをインク受理層(A)内の空隙に浸透させる機能を充
分に持っているため、バインダーはインクをある程度吸
収し、インク受理層(A)内にインクを適度にとどめる
性質を持つものを選択することが好ましい。こうした観
点から特に好ましいバインダーとしては、塩素化ポリプ
ロピレン(例えば東洋化成社製「ハードレンEH20
2」)などが挙げられる。このような特に好ましいバイ
ンダーを用いると、インク受理層(A)のインク吸収容
量が更に増大する。また、このような特に好ましいバイ
ンダーと、層の強度の向上を主目的とするバインダーを
適宜混合して用いることも、好ましい態様の一つであ
る。
【0017】インク受理層(B)は、インクを浸透させ
てインク受理層(A)に到達させる性質が大きいものが
好ましい。なぜなら、インクの大部分がインク受理層
(B)でとどまりインク受理層(A)に殆ど達しない場
合は、本発明の効果が十分に発揮されないからである。
インクをインク受理層(A)に到達させやすくすること
は、例えばインク受理層(B)の厚みを薄くすることな
どによって可能である。また、インク受理層(B)の組
成の選択によっても可能である。例えば、インク受理層
(B)を主に填料とバインダーによって構成し、填料と
して塗工液中での平均粒子径が3μm以上のものを用い
た上で、バインダーに対する填料の固形分重量比を0.
5以上とすると、インクを浸透させる性質に優れ、イン
クをインク受理層(A)に到達させやすくなる。
【0018】インク受理層(B)は、填料とバインダー
とを含む層である。填料としては、有機、無機の制限は
なく、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、珪藻
土、水酸化アルミニウム、ポリスチレン、ポリメタクリ
レート、酸化チタン、焼成カオリンなどが挙げられ、こ
れらは単独で、または混合して使用できる。
【0019】バインダーとしては、スチレン−ブタジエ
ンゴム、ウレタン、アクリル、ポリビニルアルコールな
どが挙げられる。バインダーの含有量は、該インク受理
層(B)の全固形分重量に対して、20〜50重量%の
範囲が好ましい。この含有量が20重量%未満ではイン
ク受理層(B)の強度が不十分となるおそれがあり、5
0重量%を超えるとインクを浸透させる性質が損なわ
れ、インク受理層(A)との界面に達しない場合があ
る。インク受理層(B)の強度およびインクの浸透など
を考慮すると、このバインダーのより好ましい含有量
は、25〜40重量%の範囲である。なお、これらのバ
インダーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0020】なお、填料とバインダーは、インク受理層
(B)の性能を調節する為に、使用するインクなどに応
じて適宜選択して用いることができる。例えば、インク
を浸透させる性質を強化したい場合には、インクの濡れ
性に優れた填料やバインダーを使用することが好まし
く、また、不透明度を調節するには、例えば不透明度の
高い無機填料を用い、その含有量を調整することで不透
明度を制御することができる。
【0021】本発明では、インク受理層(A)のインク
吸収容量が大きいため、インク受理層(B)にインクを
吸収させる必要がなく、インク受理層(B)は薄くする
ことが可能である。従って、受容したインクが少量であ
っても、インクはインク受理層(B)の下部、すなわち
インク受理層(B)とインク受理層(A)の界面付近に
達しやすい。インクが界面付近にまで達すれば、インク
受理層(A)は不透明度が低いので、基材側から観察し
た際に遮蔽されにくく、インクの色が鮮明に見える。従
来、油性インク用のインク受理層は厚みを要求される傾
向にあり、本発明がインク受理層(B)を薄くできるこ
とは、特に油性インクに対して利点となる。一方、受容
したインクが多量であっても、インク受理層(A)のイ
ンク吸収容量が大きいため、インク受理層(B)とイン
ク受理層(A)との界面、及びインク受理層(A)と基
材との界面で、インクが横方向に広がる現象が発生せ
ず、画像は高精細なものとなる。尚、インク受理層
(B)の厚みは、10μmから40μmが好ましく、よ
り好ましくは10〜25μmである。40μmを超える
と、インクが少量の場合、インク受理層(A)にまで達
しにくくなる。10μm未満では、不透明度の調整が困
難になる。
【0022】上記インク受理層(B)の不透明度は画像
の見栄えの良さや画像濃度に影響を与える。バックプリ
ント方式に於いては、基材側から観察する為、インク受
理層(B)は画像の背景となる。その為、インク受理層
(B)の不透明度を調整することにより、画像の見栄え
の良さを向上させたり、画像濃度を調節することが可能
である。これは画像を透過光で見る場合でも反射光で見
る場合でも同様である。例えば、電飾看板などの用途に
使用する際は、画像を透過光で見ることとなるが、この
ような場合、インク受理層(B)の不透明度が高すぎる
と透過光が殆ど遮断されて電飾の効果が得られず、一方
不透明度が低すぎると画像濃度が低く貧弱な面像とな
る。本発明に於いて、インク受理層(B)の不透明度を
適宜調整することにより、JIS P−8138による
インクジェット記録用シート全体の不透明度を60〜9
0%にすると、電飾看板用途に非常に好適であり、好ま
しい態様の一つである。より好ましくは、70〜90%
である。さらに、インク受理層(B)は印画部の保護の
役割を果たす点からも重要である。印画後の取り扱いの
際などに、印画部が擦られる場合があるが、その場合
に、インク受理層(A)のみの場合よりも画像の劣化が
抑制されるという効果がある。
【0023】上記インク受理層の各層の形成には、塗
工、散布、浸漬等、従来公知の種々の方法を用いること
が可能である。特に、リバースロールコート、エアナイ
フコート、グラビアコート、ブレードコートなどによる
塗工が望ましい。なお、塗工液などには、従来使用され
ている各種添加剤、例えば界面活性剤、潤滑剤、安定
剤、着色剤などを添加することができる。また、塗工な
どの後に乾燥処理することによって、所望のインク受理
層を形成するが、乾燥処理は、熱風乾燥などの通常の方
法によって、100〜120℃程度の温度で行なうのが
望ましい。
【0024】本発明のインクジェット記録用シートに
は、各種のインクで印画することが可能であるが、特
に、油性インクに対してバランスの良いインク浸透性を
発揮し、効果が顕著である。なお、油性インクは、溶剤
として主に石油系高沸点溶剤を用いたものである。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、この例によってなんら限定される
ものではない。評価は、実施例1〜6、比較例1に従っ
て作製したインクジェット記録用シートに市販の油性イ
ンクを用いたカラーインクジェットプリンターで印画
し、インク吸収容量、画像滲み、点状の抜けの有無、発
色の程度および不透明度に関し、以下に示す方法で評価
した。 (1)インク吸収容量 階調画像を印画して、1分間放置した後、印画部にPP
C用紙を当ててその上で、巾4cm、重量2kgのロー
ラを2往復させて圧力を加え、画像の転写の有無を観察
した。その際の転写が発生しなかった最大の噴射量の値
を評価値とした。 (2)画像滲み 階調画像を印画したときの、滲みの発生の有無を目視で
確認した。滲みが発生しなかった最大の噴射量の値を評
価値とした。 (3)点状の抜けの有無 インクの噴射量をそれぞれ100%、200%および3
00%にして印画し、印画部を基材側から目視にて観察
し、白い点状の抜けの発生を確認した。評価は下記の要
領で行った。 ○:発生していない △:若干発生しているが実用上問題ない ×:発生が多く実用上問題がある (4)発色の程度 基材側から目視で観察し、下記要領で評価した。 ○:鮮明 ×:不鮮明 (5)不透明度 JIS P−8138に準拠して測定した。
【0026】実施例1 塩素化ポリプロピレン〔東洋化成工業社製「ハードレン
EH202」、固形分濃度20重量%〕76.39重量
部、ポリエステル〔東洋紡績社製「パイロナールMD1
200」、固形分濃度34重量%〕19.25重量部お
よびポリプロピレン粒子〔Shamrock Tech
nologies Inc.製「NONSKID538
9」、固形分濃度100重量%、平均粒子径15μm〕
4.36重量部を均質に混合して塗工液Aを調製した。
なお、塩素化ポリプロピレン、ポリエステル、ポリプロ
ピレン粒子の固形分重量比はそれぞれ58.35重量
%、25.00重量%、16.65重量%と計算され
る。バインダーとしてのスチレン・ブタジエンゴム〔日
本A&L社製「SN307」、固形分濃度48.0重量
%〕15.25重量部、水73.19重量部、フィラー
としての尿素系填料〔日本化成社製「有機フィラー」、
固形分濃度100重量%〕10.98重量部および添加
剤〔日信化学工業社製「オルフィンSTG」、固形分濃
度85.0重量%〕0.58重量部を均質に混合して塗
工液Bを調製した。なお、スチレン・ブタジエンゴム、
尿素系填料、添加剤の固形分重量比はそれぞれ39.0
重量%、58.4重量%、2.6重量%と計算される。
厚さ100μmの透明ポリエステルフィルム〔東洋紡績
社製「コスモシャインA8300」、JIS P−81
38による不透明度1.82〕の片面に塗工液Aを乾燥
後のインク受理層(A)の厚さが15μmになるように
塗工し、乾燥してインク受理層(A)を形成した後、塗
工液Bを乾燥後のインク受理層(B)の厚さが35μm
になるように塗工し、乾燥して、インク受理層(B)を
形成することにより、インクジェット記録用シートを作
製した。得られたインクジェット記録用シートについて
評価試験を行ったところ、第1表に記載する結果となっ
た。
【0027】実施例2 実施例1の塗工液Aを構成する要素のうち、ポリプロピ
レン粒子の代わりに、ポリエチレン粒子〔Shamro
ck Technologies Inc.製「TEX
TURE5378」、固形分濃度100重量%、平均粒
子径25μm〕4.36重量部を加え、均質に混合して
塗工液Cを調製した。次いで実施例1と同様の基材に、
インク受理層(A)の厚さが40μm、インク受理層
(B)の厚さが30μmとなるように、塗工液C,Bを
用いて、実施例1と同様にして、インクジェット記録用
シートを作製した。得られたインクジェット記録用シー
トについて評価試験を行ったところ、第1表に記載する
結果となった。
【0028】実施例3 実施例1の塗工液Aを構成する要素のうち、ポリプロピ
レン粒子の代わりに、ポリメタクリル酸メチル粒子〔積
水化成品工業社製「XX05AC」、固形分濃度100
重量%、平均粒子径18μm〕4.36重量部を加え、
均質に混合して塗工液Dを調製した。次いで実施例1と
同様の基材に、インク受理層(A)の厚さが25μm、
インク受理層(B)の厚さが30μmになるように、塗
工液D,Bを用いて、実施例1と同様にして、インクジ
ェット記録用シートを作製した。得られたインクジェッ
ト記録用シートについて評価試験を行ったところ、第1
表に記載する結果となった。
【0029】実施例4 実施例1の塗工液Aを構成する要素のうち、ポリプロピ
レン粒子の代わりに、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体粒子〔日清紡績社製「00511」、固形分濃度
100重量%、平均粒子径10μm〕4.36重量部を
加え、均質に混合して塗工液Eを調製した。次いで実施
例1と同様の基材に、インク受理層(A)の厚さが15
μm、インク受理層(B)の厚さが35μmになるよう
に、塗工液E,Bを用いて、実施例1と同様にして、イ
ンクジェット記録用シートを作製した。得られたインク
ジェット記録用シートについて評価試験を行ったとこ
ろ、第1表に記載する結果となった。
【0030】実施例5 実施例1の塗工液Aを構成する要素のうち、ポリプロピ
レン粒子の代わりに、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体粒子〔日清紡績社製「00515」、固形分濃度
100重量%、平均粒子径5μm〕4.36重量部を加
え、均質に混合して塗工液Fを調製した。次いで実施例
1と同様の基材に、インク受理層(A)の厚さが15μ
m、インク受理層(B)の厚さが35μmになるよう
に、塗工液F,Bを用いて、実施例1と同様にして、イ
ンクジェット記録用シートを作製した。得られたインク
ジェット記録用シートについて評価試験を行ったとこ
ろ、第1表に記載する結果となった。
【0031】実施例6 塩素化ポリプロピレン〔東洋化成工業社製「ハードレン
EH202」、固形分濃度20重量%〕65.03重量
部、ポリエステル〔東洋紡績社製「パイロナールMD1
200」、固形分濃度34重量%〕16.39重量部お
よびポリメタクリル酸メチル粒子〔積水化成品工業社製
「XX05AC」、固形分濃度100重量%、平均粒子
径18μm〕18.58重量部を加え、均質に混合して
塗工液Gを調製した。なお、塩素化ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリメタクリル酸メチル粒子の固形分重量
比はそれぞれ35.01重量%、14.99重量%、5
0.00重量%と計算される。次いで実施例1の塗工液
Aの代わりに、塗工液Gを用い、実施例1と同様の基材
に、インク受理層(A)の厚さが30μm、インク受理
層(B)の厚さが25μmになるように、塗工液G,B
を用いて、実施例1と同様にして、インクジェット記録
用シートを作製した。得られたインクジェット記録用シ
ートについて評価試験を行ったところ、第1表に記載す
る結果となった。
【0032】比較例1 実施例1の塗工液Aを構成する要素のうち、ポリプロピ
レン粒子の代わりに、シリカ〔水澤化学工業社製「ミズ
カシルP78F」、固形分濃度100重量%〕4.36
重量部を加え、均質に混合して塗工液Hを調製した。次
いで実施例1と同様の基材に、インク受理層(A)の厚
さが30μm、インク受理層(B)の厚さが35μmに
なるように、塗工液H,Bを用いて、実施例1と同様に
して、インクジェット記録用シートを作製した。得られ
たインクジェット記録用シートについて評価試験を行っ
たところ、第1表に記載する結果となった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、受容したインクが少量であっても、インク受理層
(A)の不透明度が低い為に、基材側から観察した際の
発色が良い。また、インク受理層(A)が大きいインク
吸収容量を持つために、インク受理層(B)の厚みを薄
くできることも、基材側から観察した際の発色に寄与し
ている。また、受容したインクが多量である場合、イン
ク受理層(A)が大きい吸収容量を持つために、インク
は大部分がインク受理層(A)に吸収され、インク受理
層と基材の界面にはほとんど達しない。従って、インク
がインク受理層と基材の界面で横方向(噴射方向と垂直
の方向)に広がってしまうことはなく、にじみが発生し
ない。さらに、本願における高分子粒子は、それ自体の
不透明度も低いため、通常の無機填料と異なり画像を遮
ることはなく、画像の中に点状の抜けを発生させないと
いう効果を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性を有する基材上に、ポリプロピレ
    ン粒子、ポリエチレン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒
    子及びスチレン−メタクリル酸メチル共重合体粒子から
    選ばれる1種以上の高分子粒子を含有するインク受理層
    (A)とその他のインク受理層(B)とが設けられ、且
    つインク受理層(B)はインク受理層(A)の基材とは
    反対の側に位置していることを特徴とするインクジェッ
    ト記録用シート。
  2. 【請求項2】 高分子粒子の平均粒子径が、5〜25μ
    mである請求項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 基材の不透明度が7%以下であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記
    録用シート。
  4. 【請求項4】 基材とインク受理層(A)を合わせた不
    透明度が17%以下であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 インク受理層(A)の厚さが10〜50
    μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 不透明度が60〜90%であることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェッ
    ト記録用シート。
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