JP2003025126A - 硬質焼結体付ドリル - Google Patents

硬質焼結体付ドリル

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JP2003025126A
JP2003025126A JP2001218511A JP2001218511A JP2003025126A JP 2003025126 A JP2003025126 A JP 2003025126A JP 2001218511 A JP2001218511 A JP 2001218511A JP 2001218511 A JP2001218511 A JP 2001218511A JP 2003025126 A JP2003025126 A JP 2003025126A
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Japan
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drill
sintered body
hard sintered
cutting edge
chip discharge
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JP2001218511A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Fukuda
博芳 福田
Hitoshi Mizutani
仁 水谷
Taichi Aoki
太一 青木
Masatake Kawano
正剛 川野
Yuji Kusakabe
祐次 日下部
Mitsuo Nishikawa
光生 西川
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Honda Motor Co Ltd
MMC Kobelco Tool Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
MMC Kobelco Tool Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切屑排出性を良好に保ち、切刃強度を高くす
る。 【解決手段】 軸線O回りに一定のねじれ角αでねじれ
る一対の切屑排出溝4,4の先端外周側に、ダイヤモン
ド焼結体6,6を取り付けて、切刃5,5の切刃外周部
5A,5Aをダイヤモンド焼結体6,6上に形成する。
切刃外周部5Aに連なるすくい面6Aに与えられるすく
い角βを、切屑排出溝4のねじれ角αよりも小さく設定
する。切屑排出溝4のねじれ角αを、40゜以下に設定
する。切屑排出溝4のねじれ角αと、ダイヤモンド焼結
体6上を通る切刃外周部5Aのすくい角βとの差α−β
を、30゜以下に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリル本体先端の
切刃部分が、硬質焼結体によって形成された硬質焼結体
付ドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、穴明け加工に用いられるドリル
は、例えば超硬合金やハイス鋼などの材料から構成さ
れ、軸線回りに回転される外形略円柱状のドリル本体の
先端部外周に、一対の切屑排出溝が形成されているもの
である。この切屑排出溝は、ドリル本体の先端逃げ面か
ら基端側に向けて、軸線回りにドリル回転方向の後方側
に一定のねじれ角でねじれる螺旋状をなしており、さら
に、切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面と、先端逃
げ面との交差稜線部に切刃が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のドリルの切刃は、超硬合金やハイス鋼などの
ドリル本体と同一の材料で構成されるため、その硬度を
十分に確保できないで、高い切刃強度を得ることができ
ず、また、耐摩耗性に乏しいという欠点がある。また、
切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側部分
が、切刃のすくい面をなすことになるため、この切刃に
与えられるすくい角が、切屑排出溝のねじれ角と同一と
なってしまう。それゆえ、切屑排出性を確保するため
に、切屑排出溝のねじれ角にある程度の大きさの角度を
設定してしまうと、これと同時に、切刃のすくい角も大
きくなって刃先角が小さくなってしまい、この切刃が超
硬合金やハイス鋼等の材料で構成されることとも相俟っ
て、さらなる切刃強度の低下を招いてしまう。
【0004】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、切屑排出性を良好に保つとともに、切刃強度の高い
硬質焼結体付ドリルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに
回転される外形略円柱状のドリル本体の先端部外周に、
前記軸線回りにねじれる切屑排出溝が形成され、この切
屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側の少なく
とも外周部に硬質焼結体が設けられて、前記ドリル本体
の先端中心部からこの硬質焼結体上を通って該ドリル本
体の外周に達する切刃が形成されるとともに、前記硬質
焼結体上を通る切刃のすくい角が、前記切屑排出溝のね
じれ角よりも小さくなっていることを特徴とする。この
ような構成とすると、切刃の少なくとも外周側部分が硬
度の高い硬質焼結体によって形成されるため、その切刃
強度を高く保つとともに、耐摩耗性の向上を図ることが
できる。なお、この硬質焼結体は、ダイヤモンド焼結体
であることが好ましい。また、硬質焼結体によって切刃
の少なくとも外周側部分を構成すると、この切刃に連な
るすくい面も硬質焼結体によって構成されることとな
り、このすくい面のすくい角のみを適宜自由に設定する
ことが可能となる。それゆえ、本発明では、硬質焼結体
上を通る切刃に連なるすくい面を、切屑排出溝のねじれ
角よりも小さく設定したことにより、切屑排出性を良好
に保つために切屑排出溝のねじれ角をある程度の大きさ
に設定したとしても、硬質焼結体上を通る切刃のすくい
角がさほど大きくならないので、この切刃の刃先角を大
きく確保できることとなって、より高い切刃強度を得る
ことが可能となる。
【0006】また、切屑排出溝のねじれ角を大きく設定
しすぎると、切り屑詰まりが発生してしまうおそれが生
じるので、切屑排出溝のねじれ角は、40゜以下に設定
されていることが好ましい。さらに、切屑排出溝のねじ
れ角と、硬質焼結体上を通る切刃のすくい角との差を大
きく設定しすぎてしまうと、硬質焼結体上を通る切刃の
すくい角が小さくなりすぎ、この切刃に過大な切削抵抗
がかかるので、切屑排出溝のねじれ角と、硬質焼結体上
を通る切刃のすくい角との差は、30゜以下に設定され
ていることが好ましい。
【0007】ここで、硬質焼結体は、略平板状をなして
いて、一方の面が該硬質焼結体上を通る切刃のすくい面
をなすとともに、この一方の面と、これに対向する他方
の面とが傾斜するように形成したならば、この硬質焼結
体をドリル本体に取り付ける前から、そのすくい面のす
くい角を所望の値に設定することが可能となる。それゆ
え、略平板状をなし、一方の面と、これに対向する他方
の面とが平行に形成された硬質焼結体をドリル本体に取
り付けてから研磨を施してすくい面を加工する場合と比
較すると、このような硬質焼結体付ドリルの製造工程を
簡略化できることとなる。また、硬質焼結体は、ドリル
本体における径方向の長さが、切刃の外径Dに対して、
D/3以下に設定されている、さらには、ドリル本体に
おける軸線方向の長さが、切刃の外径Dに対して、D/
3+5mm以下に設定されていることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付し
た図面を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態
による硬質焼結体付ドリルの側面図、図2は図1に示す
硬質焼結体付ドリルを軸線方向の先端側から見た先端面
図、図3は図2におけるA方向矢視図である。
【0009】本第1実施形態による硬質焼結体付ドリル
のドリル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって軸線
Oを中心とする外形略円柱状に形成されており、その基
端側(図1において右側)がシャンク部2とされて、こ
のシャンク部2が工作機械の回転軸に取り付けられるこ
とにより、図中に符号Tで示すドリル回転方向に回転さ
せられて穴明け加工に使用される。
【0010】また、ドリル本体1の先端部(図1におい
て左側部分)は刃先部3とされ、この刃先部3の外周に
は、軸線Oを挟んで互いに反対側に一対の切屑排出溝
4,4が、ドリル本体1の先端逃げ面1Aから刃先部3
の全長に亘って軸線Oに対して対称となるように形成さ
れている。なお、この刃先部3は、切屑排出溝4,4も
含めて軸線Oに関して対称となるように形成されてい
る。
【0011】切屑排出溝4,4は、軸線Oに直交する断
面において、ドリル回転方向Tを向く壁面4Aと、この
壁面4Aに滑らかに接続され、ドリル回転方向Tの後方
側を向いて、ドリル回転方向T側に凸となる断面曲線状
をなす壁面4Bとから構成されている。そして、これら
切屑排出溝4,4は、先端逃げ面1Aから基端側に向け
てドリル回転方向Tの後方側に一定のねじれ角αでねじ
れる螺旋状をなしている。このとき、切屑排出溝4,4
のねじれ角αは、5゜≦α≦40゜の範囲に設定されて
おり、本第1実施形態においては、α=15゜に設定さ
れている。
【0012】また、周方向において両切屑排出溝4,4
間に画成される刃先部3の外周面は、周方向で両切屑排
出溝4,4にそれぞれ隣接する部分が軸線Oを中心とし
た断面円弧状をなすマージン部とされるとともに、これ
らマージン部の間の部分は、このマージン部よりわずか
に小径の軸線Oを中心とする断面円弧状とされた2番取
り面が形成されている。
【0013】一方、先端逃げ面1Aは、軸線Oを中心と
した概略円錐面状とされるとともに、切屑排出溝4,4
の開口部から軸線O回りにドリル回転方向Tの後方側に
向かうにしたがい漸次後退するように形成されて、逃げ
が与えられている。さらに、この先端逃げ面1Aと両切
屑排出溝4,4のドリル回転方向Tを向く壁面4A,4
Aとの交差稜線部、すなわち壁面4A,4Aの先端縁に
は、先端逃げ面1A上における軸線O周辺の先端中心部
Cから外周側に向けて延びる略直線状の切刃5,5がそ
れぞれ形成されている。
【0014】また、先端逃げ面1Aが概略円錐面状とさ
れていることにより、切刃5,5は、先端逃げ面1A上
の先端中心部Cから外周側に向かうにしたがい略直線状
に基端側に向かうように傾斜させられ、これによって両
切刃5,5には所定の先端角が与えられる。
【0015】そして、これらの切刃5,5はその切刃外
周部5A,5Aが、それぞれダイヤモンド焼結体6,6
上(硬質焼結体)に形成されている。すなわち、本第1
実施形態では、切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く
壁面4Aの先端外周側の部分に、この壁面4Aから一段
凹んで先端逃げ面1A及び外周面に開口する凹部7が形
成され、この凹部7に、略平板状をなす硬質焼結体とし
てのダイヤモンド焼結体6が、その一方の面6Aをドリ
ル回転方向Tに向けた状態で、一方の面6Aに対向する
他方の面6Bをドリル本体1にろう付けすることにより
接合されて取り付けられている。
【0016】このダイヤモンド焼結体6のドリル回転方
向T側を向く一方の面6Aは、切刃外周部5Aのすくい
面とされるとともに、ダイヤモンド焼結体6の軸線O方
向の先端側を向く面は、先端逃げ面1Aと面一となるよ
うに逃げが与えられ、これらの面の交差稜線部に切刃外
周部5Aが形成されているのである。また、図3に示す
ように、ダイヤモンド焼結体6は、そのドリル回転方向
Tを向く一方の面6Aと、ドリル回転方向Tの後方側を
向き、ドリル本体1にろう付けされる他方の面6Bとが
傾斜するように形成されており、一方の面6Aと、これ
に対向する他方の面6Bとの間の距離が、軸線Oの基端
側に向かうにしたがい漸次小さくなっている。
【0017】さらに、ダイヤモンド焼結体6は、その他
方の面6Bが、軸線Oと平行になるようにドリル本体1
にろう付けされているため、上記のように一方の面6A
と他方の面6Bとの間の距離が、軸線Oの基端側に向か
うにしたがい漸次小さくなっていることにより、ドリル
回転方向Tを向いて切刃外周部5Aのすくい面をなす一
方の面6Aに傾きが付され、しかも、この一方の面6A
に与えられるすくい角β(切刃外周部5Aの軸方向すく
い角β)が、切屑排出溝4のねじれ角αよりも小さくな
っていて、かつ、α−β≦30゜となるように設定され
ている。ここで、本第1実施形態においては、切刃外周
部5Aのすくい角βが7゜に設定されており、切屑排出
溝4のねじれ角α(=15゜)よりも8゜だけ小さくな
っている。
【0018】また、このダイヤモンド焼結体6の大きさ
について説明すれば、ドリル本体1における径方向の長
さa、すなわち、図2に示すように、軸線O方向の先端
側から見たときにおいて、ダイヤモンド焼結体6の、ド
リル本体1の径方向における最大長さが、切刃5の外径
D(マージン部を円弧とする仮想の円の直径)に対し
て、3/D以下となるように設定され、さらに、ダイヤ
モンド焼結体6のドリル本体1の軸線O方向の長さb、
すなわち、図3に示すように、軸線Oに直交する方向か
ら見たときにおいて、ダイヤモンド焼結体6の、ドリル
本体1の軸線O方向での最大長さが、切刃5の外径Dに
対して、3/D+5mm以下となるように設定されてい
る。
【0019】一方、切屑排出溝4のドリル回転方向Tを
向く壁面4Aと、ドリル回転方向Tの後方側を向く壁面
4Bとの交差部分の先端側には、図2に示すように、こ
れら壁面4A,4Bに対して鈍角に交差して先端側に向
かうにしたがい軸線O側に向けて傾斜するシンニング面
8が、ドリル本体1の先端中心部Cに向けて形成されて
いる。
【0020】このシンニング面8は、その先端逃げ面1
Aとの交差稜線部、すなわち、シンニング面8の先端逃
げ面1A側の開口縁が、軸線O方向の先端側から見たと
きに、図2に示すように、軸線Oに向けて凸となる曲線
を描いて軸線Oに接近する略円弧状の部分から、その両
端が、切屑排出溝4のドリル回転方向Tの後方側を向く
壁面4Bと、ドリル回転方向Tを向く壁面4Aとに略直
線状に切れ上がっており、この開口縁の切屑排出溝4の
ドリル回転方向Tを向く壁面4Aに略直線状に切れ上が
る部分が、切刃5の切刃内周部5Bの一部を構成してい
る。
【0021】これにより、切刃5は、シンニング面8の
開口縁、及び切屑排出溝4のドリル回転方向Tを向く壁
面4Aと先端逃げ面1Aとの交差稜線部に形成された切
刃内周部5Bと、この切刃内周部5Bに連続して、ダイ
ヤモンド焼結体6上に形成された切刃外周部5Aとによ
って構成されて、先端中心部Cからドリル本体1の外周
まで達することになる。また、両切刃5,5の切刃内周
部5B,5Bは、軸線O方向の先端側から見て軸線Oを
越えて反対側に突き出すことはなく、これら切刃内周部
5B,5B間には軸線Oに交差するチゼル部が画成され
ている。
【0022】上述のような構成とされた本第1実施形態
による硬質焼結体付ドリルによれば、切刃外周部5Aが
ダイヤモンド焼結体6上に形成されており、このダイヤ
モンド焼結体6が一般的な工具材料として用いられる超
硬合金やハイス綱などの比べて高硬度であって耐摩耗性
に優れるという性質を有することから、切刃外周部5A
に高い切刃強度を与えるとともに、その耐摩耗性を向上
させることができて、ドリル本体1の寿命を延長させる
ことができる。
【0023】また、本第1実施形態のように、ダイヤモ
ンド焼結体6によって切刃外周部5Aが構成され、この
切刃外周部5Aに連なるすくい面6Aもダイヤモンド焼
結体6によって構成される場合には、切屑排出溝4のね
じれ角αの大きさに関わらず、このすくい面6Aのすく
い角βのみを適宜自由に設定することが可能となる。そ
れゆえ、ドリル本体1の切屑排出溝4のねじれ角αは、
切屑排出性を考慮して、5゜≦α≦40゜の範囲に設定
し、切刃外周部5Aのすくい角βは、切屑排出溝4のね
じれ角αよりも小さく、かつ、α−β≦30゜の範囲に
設定したことによって、切屑排出性を良好に保ちつつ
も、ダイヤモンド焼結体6上を通る切刃外周部5Aのす
くい角βをさほど大きく設定せずに、切刃外周部5Aの
刃先角を大きく確保できることとなり、切刃外周部5A
により高い切刃強度を与えることが可能となる。
【0024】このとき、切屑排出溝4のねじれ角αが小
さくなりすぎると、良好な切屑排出性を得ることができ
なくなり、また、逆にねじれ角αが大きくなりすぎる
と、切り屑詰まりが発生してしまうおそれが生じるの
で、この切屑排出溝のねじれ角αは、40゜以下に設定
することが好ましい。さらに、切屑排出溝4のねじれ角
αと、切刃外周部5Aのすくい角βとの差α−βが大き
くなりすぎると、切刃外周部5Aのすくい角βが小さく
なりすぎることとなって、切刃外周部5Aに過大な切削
抵抗が加わってしまうので、このねじれ角αとすくい角
βとの差α−βは、30゜以下に設定することが好まし
い。
【0025】ここで、ダイヤモンド焼結体6は、略平板
状をなしていて、一方の面6Aと他方の面6Bとの間の
距離が、軸線O方向の基端側に向かうにしたがい漸次小
さくなっていくように形成したので、本第1実施形態の
ように、この他方の面6Bが装着される凹部7のドリル
回転方向Tを向く壁面を軸線Oと平行になるように形成
して、ダイヤモンド焼結体6の他方の面6Bを凹部7の
壁面にろう付けする場合、ダイヤモンド焼結体6をドリ
ル本体1に取り付ける前に、すくい面をなす一方の面6
Aに対して、そのすくい角βを容易に設定することが可
能となる。それゆえ、一方の面6Aと、これに対向する
他方の面6Bとが平行に形成されたダイヤモンド焼結体
6を、ドリル本体1の凹部7に取り付けてから、一方の
面6Aに研磨を施して、すくい角βを調整するような場
合と比較して、このような硬質焼結体付ドリルの製造工
程を簡略化できることとなる。
【0026】また、ダイヤモンド焼結体6は、ドリル本
体1における径方向の長さaが、切刃5の外径Dに対し
て、D/3以下に設定され、さらに、ドリル本体1にお
ける軸線O方向の長さbが、切刃の外径Dに対して、D
/3+5mm以下に設定されていることにより、比較的
量の多い切り屑が生成される切刃外周部5Aにおいて、
切刃強度と切屑排出性を必要十分に確保して、高価であ
るダイヤモンド焼結体6を無駄に使用することがなく、
コストを低減させることができる。
【0027】次に、本発明の第2実施を説明するが、上
述の第1実施形態と同様の部分には同一の符号を用いて
その説明を省略する。図4は本発明の第2実施形態によ
る硬質焼結体付ドリルの側面図である。
【0028】本第2実施形態による硬質焼結体付ドリル
のドリル本体10は、その刃先部3が、軸線O方向の先
端側に位置する第1刃先部3Aと、この第1刃先部3A
より一段拡径するとともに、第1刃先部3Aの基端側に
連なる第2刃先部3Bとから構成されるものである。
【0029】さらに、第2刃先部3Bに形成された切屑
排出溝4,4のドリル回転方向Tを向く壁面4A,4A
の先端外周側の部分(第1刃先部3Aと第2刃先部3B
とによって形成される段差部11)に、この壁面4A,
4Aから一段凹んで、段差部11の先端側を向く面及び
外周面に開口する凹部12,12が形成され、この凹部
12に、上述した第1実施形態と同様の構成をなすダイ
ヤモンド焼結体13,13がろう付けによって取り付け
られている。
【0030】そして、このダイヤモンド焼結体13,1
3上を通るように、切刃14,14が形成されていて、
この切刃14においても、そのすくい角βが、切屑排出
溝4のねじれ角αよりも小さく、かつ、α−β≦30゜
となるように設定されている。このとき、第1刃先部3
Aと第2刃先部3Bとの段差部11に形成された切刃1
4,14は、軸線O方向から外周側に向かうにしたがい
略直線状に先端側に向かうように傾斜させられている。
【0031】なお、本第2実施形態においても、ダイヤ
モンド焼結体13の大きさについて、ドリル本体1にお
ける径方向の長さが、切刃5の外径Dに対して、3/D
以下となるように設定され、かつ、ドリル本体1の軸線
O方向の長さが、切刃5の外径Dに対して、3/D+5
mm以下となるように設定されているが、第2実施形態
における切刃5の外径Dとは、第1刃先部3Aに形成さ
れた切刃5の外径Dを示すものである。このような本第
2実施形態による硬質焼結体付ドリルは、例えば、ワー
クの座ぐり加工などに用いられるものであり、上述した
第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】なお、各実施形態において、硬質焼結体と
して、ダイヤモンド焼結体6,13を用いているが、こ
れに限定されることなく、cBN焼結体等の他の硬質焼
結体を用いることも可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
硬質焼結体上を通る少なくとも切刃の外周側部分を硬度
の高い硬質焼結体によって形成したため、その切刃強度
を高く保つとともに、耐摩耗性の向上を図ることができ
るしかも、硬質焼結体によって形成された切刃の少なく
とも外周側部分に与えられるすくい角が、切屑排出溝の
ねじれ角よりも小さく設定されていることにより、切屑
排出溝のねじれ角を切屑排出性を良好に保つためにある
程度の大きさに設定しつつも、硬質焼結体上を通る切刃
の刃先角が大きく確保できるので、切刃の少なくとも外
周側部分が硬質焼結体によって形成されていることとも
相俟って、より高い切刃強度を得ることが可能となり、
ドリル本体の一層の寿命の延長を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による硬質焼結体付
ドリルの側面図である。
【図2】 図1に示す硬質焼結体付ドリルを軸線方向
の先端側から見た先端面図である。
【図3】 図2におけるA方向矢視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態による硬質焼結体付
ドリルの側面図である。
【符号の説明】
1,10 ドリル本体 1A 先端逃げ面 3 刃先部 4 切屑排出溝 4A 切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面 4B 切屑排出溝のドリル回転方向の後方側を向く壁面 5,14 切刃 5A 切刃外周部 5B 切刃内周部 6,13 ダイヤモンド焼結体(硬質焼結体) 6A ダイヤモンド焼結体の一方の面 6B ダイヤモンド焼結体の他方の面 a ダイヤモンド焼結体の径方向の長さ b ダイヤモンド焼結体の軸線方向の長さ O 軸線 T ドリル回転方向 α 切屑排出溝のねじれ角 β 切刃外周部のすくい角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 博芳 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 水谷 仁 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 青木 太一 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 川野 正剛 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 日下部 祐次 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 (72)発明者 西川 光生 兵庫県明石市魚住町金ヶ崎西大池179−1 エムエムシーコベルコツール株式会社内 Fターム(参考) 3C037 AA02 BB15 DD01 FF06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される外形略円柱状の
    ドリル本体の先端部外周に、前記軸線回りにねじれる切
    屑排出溝が形成され、 この切屑排出溝のドリル回転方向を向く壁面の先端側の
    少なくとも外周部に硬質焼結体が設けられて、前記ドリ
    ル本体の先端中心部からこの硬質焼結体上を通って該ド
    リル本体の外周に達する切刃が形成されるとともに、 前記硬質焼結体上を通る切刃のすくい角が、前記切屑排
    出溝のねじれ角よりも小さくなっていることを特徴とす
    る硬質焼結体付きドリル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬質焼結体付ドリル
    において、 前記硬質焼結体が、ダイヤモンド焼結体であることを特
    徴とする硬質焼結体付ドリル。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の硬質
    焼結体付ドリルにおいて、 前記切屑排出溝のねじれ角が、40゜以下に設定されて
    いることを特徴とする硬質焼結体付ドリル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記
    載の硬質焼結体付ドリルにおいて、 前記切屑排出溝のねじれ角と、前記硬質焼結体上を通る
    切刃のすくい角との差が、30゜以下に設定されている
    ことを特徴とする硬質焼結体付ドリル。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載の硬質焼結体付ドリルにおいて、 前記硬質焼結体は、略平板状をなしていて、一方の面が
    該硬質焼結体上を通る切刃のすくい面をなすとともに、 この一方の面と、これに対向する他方の面とが傾斜する
    ように形成されていることを特徴とする硬質焼結体付ド
    リル。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記
    載の硬質焼結体付ドリルにおいて、 前記硬質焼結体は、前記ドリル本体における径方向の長
    さが、前記切刃の外径Dに対して、D/3以下に設定さ
    れていることを特徴とする硬質焼結体付ドリル。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記
    載の硬質焼結体付ドリルにおいて、 前記硬質焼結体は、前記ドリル本体における軸線方向の
    長さが、前記切刃の外径Dに対して、D/3+5mm以
    下に設定されていることを特徴とする硬質焼結体付ドリ
    ル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007831A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Osg Corp 段付ドリル
WO2015027775A1 (zh) * 2013-08-26 2015-03-05 深圳市金洲精工科技股份有限公司 一种微型钻头

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