JP2003024441A - ロック筒付きシリンジ - Google Patents

ロック筒付きシリンジ

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    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/31Details
    • A61M5/32Needles; Details of needles pertaining to their connection with syringe or hub; Accessories for bringing the needle into, or holding the needle on, the body; Devices for protection of needles
    • A61M5/34Constructions for connecting the needle, e.g. to syringe nozzle or needle hub
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンジがルアーテーパ部の基部で折れるのを
防止し、更にロック筒が傾くことなくシリンジに抜け止
めされて装着されるロック筒付きシリンジを提供する。 【解決手段】シリンジ10は、注射針Xの針基Yが外嵌
されるルアーテーパ部12の基部に、ルアーテーパ部1
2の最大外径dより外径Dが大きく且つ最大肉厚tより
肉厚T1が大きな筒状の首部16が形成され、首部16
の外周面に周方向の凹溝18,19が形成されている。
ロック筒30は、針基リムZを螺着される雌ネジ孔33
が内周面に形成された筒状の螺合部31の基部に、首部
16の外周面に沿って外嵌される筒状の嵌合部32が形
成され、嵌合部32の内周面に凹溝18,19に嵌合す
る周方向の各凸条35,36が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンジの筒先部
にロック筒が装着されたロック筒付きシリンジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4に示すように、従来のロック筒付き
シリンジは、ガラス製等のシリンジ1の筒先部2に形成
されたルアーテーパ部3の基部に、ルアーテーパ部3よ
り外径が小さく且つ肉薄なくびれ部4が全周にわたって
形成されている。また、合成樹脂製等のロック筒5の内
周面には、ルアーテーパ部3の最大外径より大径の雌ネ
ジ孔6が形成され、ロック筒5の後端には内向きフラン
ジ7が環状に形成されている。フランジ7の内周縁7a
の内径はルアーテーパ部3の最大外径より小さくなって
おり、ロック筒5のフランジ7側からルアーテーパ部3
の先端を押し込んでフランジ7をくびれ部4に外嵌させ
ることにより、ロック筒5がシリンジ1に抜け止めされ
て装着される。
【0003】ルアーテーパ部3は注射針の針基8を外嵌
可能に形成され、ロック筒5の雌ネジ孔6は注射針の針
基リム9を螺着可能に形成されている。注射針の針基8
をルアーテーパ部3に外嵌して、針基リム9を雌ネジ孔
6に螺着することにより、注射針がロック筒5に抜け止
めされてシリンジ1に装着される。
【0004】しかし、前記のロック筒付きシリンジで
は、シリンジ1のくびれ部4がルアーテーパ部3より肉
薄であり、強度が弱い。そのため、ロック筒5をシリン
ジ1に装着するときや、そのロック筒5に注射針を装着
するときなどにくびれ部4に加わる力によって、シリン
ジ1がくびれ部4で折れ易い不都合がある。
【0005】また、ロック筒5は、そのフランジ7とシ
リンジ1のくびれ部4とが嵌合した狭い範囲のみによっ
てシリンジ1に支持されているので、ロック筒5がルア
ーテーパ部3の中心軸に対して傾いて装着されやすい。
そのため、注射針をロック筒5に装着する際に、ロック
筒5の傾きを直して姿勢を調整しなければならない場合
が生じる不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解決す
るため、本発明は、シリンジがルアーテーパ部の基部で
折れるのを防止し、更にロック筒が傾くことなくシリン
ジに抜け止めされて装着されるロック筒付きシリンジを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のロック筒付きシリンジは、注射針の針基が
外嵌されるルアーテーパ部の基部に、前記ルアーテーパ
部の最大外径より外径が大きく且つ最大肉厚より肉厚が
大きな筒状の首部が形成され、前記首部の外周面に少な
くとも一つの周方向の凹溝が形成されたシリンジと、注
射針の針基リムを螺着される雌ネジ孔が内周面に形成さ
れた筒状の螺合部の基部に、前記首部の外周面に沿って
外嵌される筒状の嵌合部が形成され、前記嵌合部の内周
面に前記凹溝に嵌合する少なくとも一つの周方向の凸条
が形成されたロック筒とを備えることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、シリンジのルアーテーパ
部の基部に、ルアーテーパ部の最大外径より外径が大き
く且つ最大肉厚より肉厚が大きな筒状の首部が形成され
ているので、首部の強度が高くなっている。そして、こ
の首部にロック筒の嵌合部を外嵌させることによりロッ
ク筒がシリンジに装着される。従って、ロック筒をシリ
ンジに装着するときや、シリンジに装着されたロック筒
に注射針を装着するときなどに力が加わる部分の強度が
強化され、ルアーテーパ部が折れるのを防止することが
できる。
【0009】また、ロック筒の筒状の嵌合部がシリンジ
の筒状の首部の外周面に沿って外嵌するので、ロック筒
が傾いて装着されるのが防止される。これにより、シリ
ンジに装着されたロック筒に注射針を装着するときに、
ロック筒の傾きを直す手間なしに注射針を装着すること
ができる。
【0010】更に、首部の外周面に少なくとも一つの周
方向の凹溝が形成され、前記嵌合部の内周面に前記凹溝
に嵌合する少なくとも一つの周方向の凸条が形成されて
いるので、首部に嵌合部を外嵌させたときに凹溝と凸条
とを嵌合させて、ロック筒をシリンジに抜け止めして装
着することができる。
【0011】次に、本発明のロック筒付きシリンジは、
前記ルアーテーパ部と前記首部との境界にくびれ部が形
成され、前記螺合部と前記嵌合部との境界に前記くびれ
部に嵌合する内向きフランジが形成されていることが好
適である。内向きフランジがくびれ部に嵌合することに
より、ロック筒のシリンジからの抜け止めが一層強化さ
れる。また、内向きフランジが首部の先端面にあたって
ロック筒の傾動を防止することができる。
【0012】また、本発明のロック筒付きシリンジは、
前記首部の外周面及び前記嵌合部の内周面のいずれか一
方に少なくとも一つの凸部が形成され、他方に前記凸部
と係合して前記ロック筒の回転を防止する少なくとも一
つの凹部が形成されていることが好適である。前記首部
に前記嵌合部が外嵌されたときに前記凸部と前記凹部と
を係合させることにより、前記ロック筒が前記シリンジ
に対して回転するのを防止し、ロック筒の螺合部に注射
針の針基を容易に螺着させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の一の実施形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明のロック筒付きシリ
ンジの要部の断面図、図2は図1のシリンジの平面図、
図3(a)は図1のロック筒の断面図、図3(b)は図
1のロック筒の底面図である。
【0014】図1及び図2を参照して、シリンジ10は
ガラス等でできており、薬液を充填可能な筒状の胴部1
1を有している。シリンジ10の筒先部には、従来の注
射針Xの針基Yに外嵌される先細りのルアーテーパ部1
2が形成されている。ルアーテーパ部12はその後端部
の外径が最大外径dとなり、また該後端部の肉厚が最大
肉厚tとなっている。ルアーテーパ部12の先端面13
には、胴部11から連通する通路14が開口している。
【0015】ルアーテーパ部12の基部には、ルアーテ
ーパ部12と胴部11に形成された肩部15とを接続す
る筒状の首部16が形成されている。ルアーテーパ部1
2と首部16との境界には、くびれ部17が形成されて
いる。首部16の略中央部の外周面には、周方向に延び
る凹溝18が形成されている。首部16の後端部の肩部
15との境界には、周方向に延びる凹溝19が形成され
ている。凹溝18の一部には、凹溝18の底から首部1
6と略面一になるまで隆起した一つの凸部20が形成さ
れている。
【0016】首部16の外径Dはルアーテーパ部12の
最大外径dより大きくなっている。また、首部16の肉
厚T1もルアーテーパ部12の最大肉厚tより大きくな
っており、更に、首部16の凹溝18が形成された部分
の肉厚T2及び凹溝19が形成された部分の肉厚T3
も、ルアーテーパ部12の最大肉厚tより大きくなって
いる。
【0017】図1、図3(a)及び図3(b)を参照し
て、ロック筒30は硬質で弾性のある合成樹脂製であ
り、筒状の螺合部31の基部に筒状の嵌合部32が形成
されている。螺合部31の内周面には、ルアーテーパ部
12に注射針Xの針基Yを外嵌させたときに針基リムZ
を螺着される雌ネジ孔33が形成されている。
【0018】螺合部31と嵌合部32との境界の内周面
には、ルアーテーパ部12と首部16との境界のくびれ
部17に嵌合する内向きフランジ34が形成されてい
る。フランジ34がくびれ部17に嵌合したとき、フラ
ンジ34は首部16の先端面16aにほぼ沿って伸びて
いる。図3(b)に示すように、フランジ34には4箇
所の切欠部34aが形成されている。
【0019】嵌合部32の内径はシリンジ10の首部1
6の外径Dより僅かに大きく形成されており、フランジ
34がくびれ部17に嵌合したとき、首部16の外周面
に沿って嵌合部32が嵌合される。嵌合部32の内周面
の略中央部には、首部16の前記凹溝18に嵌合する、
周方向に延びる凸条35が形成されている。嵌合部32
の内周面の後端部には、首部16の前記凹溝19に嵌合
する、周方向に延びる凸条36が形成されている。周方
向に延びる凸条35,36にはそれぞれ、4箇所の切欠
部35a,36aが形成されている。
【0020】凸条35の各切欠部35a(凹部)は、首
部16の凹溝18に形成された凸部20と嵌合するよう
に形成されており、この嵌合による凸部20との係合に
よって首部16に外嵌された嵌合部32が回転するのを
防止する。
【0021】次に、図1を参照して、シリンジ10にロ
ック筒30を装着する場合には、ロック筒30の凸条3
5に形成された切欠部35aの一つが、シリンジ10の
凹溝18に形成された凸部20と嵌合するように位置を
合わせて、ルアーテーパ部12が嵌合部32側から挿入
されるようにロック筒30をシリンジ10に押し込んで
ゆく。
【0022】この押し込みにより、ロック筒30の凸条
36は、シリンジ10の首部16の先端面16a及び凹
溝18を弾性変形しながら乗り越えて、凹溝19に嵌合
する。同様に、ロック筒30の凸条35は、シリンジ1
0の首部16の先端面16aを乗り越えて、凹溝18に
嵌合する。また、凸条35の切欠部35aの一つがシリ
ンジ10の凹溝18の凸部20と嵌合する。更に、ロッ
ク筒30の内向きフランジ34が、シリンジ10のくび
れ部17に嵌合する。このとき、合成樹脂製のロック筒
30のフランジ34及び凸条35,36はそれぞれ4箇
所の切欠部34a,35a,36aを形成されているの
で、小さな押圧力でもロック筒30をシリンジ10に装
着することができる。
【0023】シリンジ10の首部16の外周面に沿って
ロック筒30の嵌合部32が外嵌するので、ロック筒3
0の傾動が防止され、ロック筒30がルアーテーパ部1
2の軸に対して傾くことなくシリンジ10に装着され
る。また、首部16の凹溝18,19のそれぞれに嵌合
部32の凸条35,36が嵌合するので、ロック筒30
がシリンジ10に抜け止めされる。更に、ロック筒10
のフランジ34がシリンジ10のくびれ部17に嵌合す
ることにより、ロック筒30の抜け止めが一層強化され
ると共に、フランジ34が首部16の先端面16aにあ
たって、ロック筒30の傾動が防止される。
【0024】このロック筒付きシリンジに注射針を装着
する場合には、シリンジ10に装着されたロック筒30
の螺合部31に注射針Xの針基Yを挿入し、雌ネジ孔3
3に針基リムZを螺着させて、針基Yをルアーテーパ部
12に外嵌させる。雌ネジ孔33に針基リムZを螺着す
る際、ロック筒30の切欠部35a(凹部)がシリンジ
10の凸部20に係合してロック筒30が注射針Xと共
に回転するのを防止するので、雌ネジ孔33に針基リム
Zを容易に螺着することができる。
【0025】また、上記のロック筒30をシリンジ10
に装着するときや、ロック筒30を装着したシリンジ1
0に注射針Xを装着するときには、ロック筒30が外嵌
されたシリンジ10の首部16及び首部16と肩部15
との境界付近に力が加わる。しかし、首部16及び首部
16と肩部15との境界付近の肉厚T1,T2,T3は
いずれもルアーテーパ部12の最大肉厚tより大きく、
これらの部分のシリンジ10の強度が高くなっているの
で、シリンジ10がこれらの部分で折れることが防止さ
れる。
【0026】本発明の上記実施形態のロック筒付きシリ
ンジでは、シリンジ10の首部16の外周面に2個の凹
溝18、19が形成されたが、これに限らず、凹溝1
8,19の何れか一方のみを形成してもよく、また、首
部16の外周面に3つ以上の凹溝を形成することも可能
である。また、シリンジ10の製造上可能であれば、ル
アーテーパ部12と首部16との境界のくびれ部17が
形成されないようにしてもよい。
【0027】また、各凸条35,36と各凹溝18,1
9との嵌合が強固になるように、凸条35の内周縁35
bの内径及び凸条36の内周縁36bの内径を首部16
の外径Dより小さくしてもよい。また、ロック筒30の
弾力性に応じて、フランジ34、凸条35,36に各切
欠部35a,36aを設けないようにしてもよい。
【0028】また、ロック筒30の回転防止のため、凹
溝18に一つの凸部20が形成されたが、これに限ら
ず、凹溝18に2つ以上の凸部を形成することや、同様
の凸部を凹溝19に少なくとも一つ形成することも可能
である。この場合、各凸部は各凹溝18,19に嵌合す
る各凸条35,36の各切欠部35a,36aと嵌合す
る位置に形成される。更に、これらの凹溝18,19と
は別の位置に、首部16の外周面及び嵌合部32の内周
面の一方に凸部を形成し、他方に前記凸部と係合してロ
ック筒30の回転を防止する凹部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロック筒付きシリンジの要部の断面
図。
【図2】図1のロック筒を取り外したシリンジの平面
図。
【図3】(a)は図1のロック筒の断面図、(b)はそ
の底面図。
【図4】従来のロック筒付きシリンジの断面図。
【符号の説明】
10・・シリンジ、 11・・胴部、 12・・ルアー
テーパ部、 16・・首部、 17・・くびれ部、 1
8,19・・凹溝、 20・・凸部、 30・・ロック
筒、 31・・螺合部、 32・・嵌合部、 33・・
雌ネジ孔、 34・・フランジ、 35,36・・凸
条、 35a・・切欠部(凹部)、 X・・注射針、
Y・・針基、 Z・・針基リム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】注射針の針基が外嵌されるルアーテーパ部
    の基部に、前記ルアーテーパ部の最大外径より外径が大
    きく且つ最大肉厚より肉厚が大きな筒状の首部が形成さ
    れ、前記首部の外周面に少なくとも一つの周方向の凹溝
    が形成されたシリンジと、 注射針の針基リムを螺着される雌ネジ孔が内周面に形成
    された筒状の螺合部の基部に、前記首部の外周面に沿っ
    て外嵌される筒状の嵌合部が形成され、前記嵌合部の内
    周面に前記凹溝に嵌合する少なくとも一つの周方向の凸
    条が形成されたロック筒とを備えることを特徴とするロ
    ック筒付きシリンジ。
  2. 【請求項2】前記ルアーテーパ部と前記首部との境界に
    くびれ部が形成され、前記螺合部と前記嵌合部との境界
    に前記くびれ部に嵌合する内向きフランジが形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のロック筒付きシリ
    ンジ。
  3. 【請求項3】前記首部の外周面及び前記嵌合部の内周面
    のいずれか一方に少なくとも一つの凸部が形成され、他
    方に前記凸部と係合して前記ロック筒の回転を防止する
    少なくとも一つの凹部が形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のロック筒付きシリンジ。
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