JP2003022725A - タッチパネルの製造方法 - Google Patents

タッチパネルの製造方法

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JP2003022725A JP2001207921A JP2001207921A JP2003022725A JP 2003022725 A JP2003022725 A JP 2003022725A JP 2001207921 A JP2001207921 A JP 2001207921A JP 2001207921 A JP2001207921 A JP 2001207921A JP 2003022725 A JP2003022725 A JP 2003022725A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のタッチパネルでは厚い固定基板と薄い
可動基板に挟まれた抵抗膜のスイッチでオン、オフを行
っていた。このために薄い可動基板はガラスを用いると
変形し易く、固定基板と可動基板に設けたスイッチスト
ロークを均一にすることが困難であった。 【解決手段】 本発明のタッチパネルの製造方法によれ
ば、開口部から窒素ガスN2を注入して可動基板2を外
側に膨らませた後に、テンションゲージを用いて一定の
圧力でタッチパネルの複数個所を押圧して両抵抗膜3、
4が接触するスイッチストロークを均一化し、開口部に
UV硬化性樹脂を塗布し、UV照射して硬化させて閉口
する。従ってタッチパネル内には適量の窒素ガスN2
残存し、両抵抗膜3、4を酸化から防止し、耐湿性を維
持して良好なタッチパネルを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶や有機EL等の
ディスプレイ素子の上に配置されて、表示素子の表示内
容に対応して指やペンを用いた押圧操作で情報を入力す
る抵抗膜方式のタッチパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のタッチパネルを図4を参照して説
明する。図4(A)は上面図を示し、図4(B)は断面
図を示している。
【0003】このタッチパネルは固定基板1と、可動基
板2と、固定基板1の一主面に形成された第1抵抗膜3
と、可動基板2の一主面に形成された第2の抵抗膜4
と、固定基板1の周辺に延在された配線パターン5と、
固定基板1と可動基板2と周端で貼り合わせる接着剤6
とで構成される。
【0004】固定基板1としては1.1mmの透明なガ
ラス基板を用い、周端を除く全面に酸化インジューム等
を蒸着して形成されたITO膜からなる第1抵抗膜3が
形成される。
【0005】可動基板2としてはスイッチとしての弾力
を得るために可撓性を有する透明なガラスやフィルムを
用い、周端を除く全面に第1抵抗膜3と同様の第2抵抗
膜4が形成されている。なお、第2抵抗膜4の上辺およ
び下辺に沿ってY方向の抵抗値を検出するための配線電
極7が設けられている。
【0006】配線パターン5は固定基板1の周辺に延在
され、第1抵抗膜3の左辺および右辺に設けた配線電極
8と一体に形成され、固定基板1の端部まで引き回され
て外部のフレキシブルフィルム基板等と接続される。ま
た可動基板2に設けた配線電極7は配線パターン5の対
応する個所で導電接着剤からなる接続電極9で電気的に
接続されている。
【0007】固定基板1と可動基板2とは配線パターン
5より外側の周端で接着剤6により貼り合わせられ、対
向する第1抵抗膜3と第2抵抗膜4とが30μm程度の
間隔を保つ。
【0008】可動基板2の表面には偏向フィルム10が
貼り付けられている。
【0009】かかる構成において、可動基板2の上面を
指またはペンで押圧操作すると、可動基板2が撓んで第
2抵抗膜4と第1抵抗膜3とが接触し、第1抵抗膜3の
抵抗値は配線電極8から配線パターン5を介して外部で
検出され、第2抵抗膜4の抵抗値は配線電極7から接続
電極9および配線パターン5を介して外部で検出され
る。押圧操作を止めると可動基板2はその弾性により元
の状態に戻り、第1抵抗膜3と第2抵抗膜4とが離れて
オフ状態になる。
【0010】かかる従来のタッチパネルの製造方法につ
いて説明する。
【0011】まず固定基板1および可動基板2に全面に
酸化インジューム等を蒸着してITO膜を形成する。通
常は固定基板1および可動基板2は大判のガラスあるい
はフィルムを用い、タッチパネルを完成後に割って個別
のタッチパネルに分離される。
【0012】続いて固定基板1および可動基板2はIT
O膜全面をホトレジスト層で覆い、配線パターン5およ
び接着剤6を設ける周辺のITO膜のエッチング除去を
行う。
【0013】更に配線電極7および8、配線パターン5
を形成する導電ペーストをスクリーン印刷し、接着剤6
の塗布をしてから、固定基板1および可動基板2の貼り
合わせをする。その後、加圧加熱して導電ペーストおよ
び接着剤6の焼成および乾燥を行う。従って本工程では
加圧により可動基板2が薄いので内側に窪み、可動基板
2と固定基板1との間隔がパネルの中央部分で一番小さ
くなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のタッチパネルの製造方法では固定基板1が厚く、可動
基板2は可撓性を持たせるために薄く形成されるので、
可動基板2の変形が起こり、タッチパネルのスイッチス
トロークが不均一となる問題点があった。
【0015】また、これを防止するために固定基板1に
一定の間隔で設けたドットスペーサーで固定基板1と可
動基板2の間隔を均一にする提案が為されている(特開
平10−144177号公報)。しかしドットスペーサ
ーで両基板の間隔を維持すると両基板の貼り合わせ工程
での加圧により、薄いガラス板で形成された可動基板2
は割れてしまう恐れもあった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来の
問題点に鑑みてなされ、透明導電膜が片面に形成された
厚い固定基板と薄い可動基板とを準備する工程と、前記
固定基板および前記可動基板の前記透明導電膜を所望の
パターンにエッチングして抵抗膜を形成する工程と、前
記固定基板および前記可動基板を前記抵抗膜が対向する
ように前記固定基板と前記可動基板の周端を一個所に開
口部を設けて接着剤で貼り合わせる工程と、前記開口部
から不活性ガスを注入して前記可動基板を外側に膨らま
せてから複数個所を所定の値で押圧して前記抵抗膜が接
触するように調整し、前記開口部を樹脂で閉じる工程と
を具備することを特徴とする。
【0017】これにより薄い可動基板が製造工程中に変
形しても最後の工程で開口部から不活性ガスを注入して
可動基板を外側に膨らませてから複数個所を所定の値で
押圧して抵抗膜が接触するように調整し、開口部を樹脂
で閉じるので可動基板の変形があっても均一なスイッチ
ストロークを有するタッチパネルが製造できる利点があ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1から図
3を参照して説明する。
【0019】図1は本発明のタッチパネルの各製造工程
を説明する工程フローを示している。また図2および図
3は図1の各工程毎の固定基板および可動基板の断面図
を示している。図2において左側は固定基板1の製造工
程を示し、右側は可動基板2の製造工程を示している。
図2に示す(A)から(F)までの工程は図1に付した
AからFの工程と対応させている。また図3に示す
(G)から(I)までの工程は図1に付したGからIの
工程と対応させている。なお従来のタッチパネルと同一
構成要素には同一符号を付してある。
【0020】本発明のタッチパネルの製造方法は、図1
に示す如く固定基板1および可動基板2を準備する工程
と、ホトレジスト層をロールコーターで塗布する工程
と、ホトレジスト層を露光現像する工程と、ホトレジス
ト層をマスクとしてエッチングする工程と、固定基板1
および可動基板2を洗浄する工程と、固定基板1および
可動基板2に導電ペーストを印刷する工程と、固定基板
1の周端に接着剤を塗布する工程と、固定基板1および
可動基板2を貼り合わせる工程と、加圧加熱焼成する工
程と、両基板1、2から個別のタッチパネルに分割する
工程と、接着剤の1個所に設けた開口部から気体を注入
する工程と、タッチパネルの複数個所を押圧してスイッ
チストロークを均一化する工程と、開口部を閉口する工
程から構成されている。
【0021】第1に、図2(A)に示す如く、固定基板
1および可動基板2を準備する工程では、固定基板1お
よび可動基板2に全面に酸化インジューム等を蒸着して
ITO膜21を形成する。通常は固定基板1および可動
基板2は大判のガラスを用い、タッチパネルを完成後に
割って個別のタッチパネルに分離される。
【0022】固定基板1としては1.1mmの透明なガ
ラス基板を用い、可動基板2としては0.3mm以下の
透明なガラス基板を用いる。特に、可動基板2はタッチ
パネルの可撓性を考慮すると0.2mmの厚みが好まし
い。従って、可動基板2は固定基板1の1/5以下の厚
みしかなく欠けや割れを防ぐために極めて製造工程での
取り扱いが難しい。
【0023】第2に、図2(B)に示す如く、ホトレジ
スト層22をロールコーターで塗布する工程では、固定
基板1および可動基板2のITO膜21全面にホトレジ
スト層22を均一な厚みに塗布する。
【0024】本工程は厚みの異なる固定基板1と可動基
板2とを共通のロールコーターに流すために、可動基板
2にはガラスの補助基板23を密着させて固定基板1と
の厚みをほぼ同等にしている。補助基板23としては固
定基板1を用いることで特別な補助基板23を準備しな
くても良い。すなわち、固定基板1の厚みが1.1mm
であるのに対して可動基板2と補助基板23との厚みは
1.3mmであり、厚み差を0.2mmまでに抑えるこ
とができる。なお可動基板2と補助基板23とはロール
コーターに通す前に重ねている。
【0025】第3に、図2(C)に示す如く、ホトレジ
スト層22を露光現像する工程では、ホトレジスト層2
2に予定の第1抵抗膜3および第2抵抗膜4の上にホト
レジスト層22が残るように露光し、現像をする。
【0026】本工程での露光後に、可動基板2に密着さ
れた補助基板23は剥離される。この剥離は可動基板2
と補助基板23の間にN2ガス等の気体を注入すること
で簡単に引き離すことができる。
【0027】第4に、図2(D)に示す如く、ホトレジ
スト層22をマスクとしてエッチングをする工程では、
残存したホトレジスト層22をマスクとしてITO膜2
1を塩酸および塩化第2鉄の溶液でエッチングして、固
定基板1の一主面には第1抵抗膜3が、可動基板2の一
主面には第2抵抗膜4が形成される。
【0028】第5に、固定基板1および可動基板2を洗
浄する工程では、まず残存するホトレジスト層22を水
酸化ナトリウム等の溶液で除去し、両基板1、2の洗浄
を行い、エッチング工程での薬品や汚れを除去する。
【0029】なお本工程では、上述した補助基板23の
洗浄も合わせて行い、洗浄された補助基板23は再びロ
ールコーターでの可動基板2への密着に利用される。
【0030】第6に、図2(E)に示す如く、固定基板
1および可動基板2に導電ペーストを印刷する工程で
は、まず固定基板1には配線パターン5および第1抵抗
膜3の左辺および右辺に設けた配線電極8とが一体に導
電ペーストのスクリーン印刷で形成される。また可動基
板2の第2抵抗膜4の上辺および下辺に沿ってY方向の
抵抗値を検出するための配線電極7も導電ペーストのス
クリーン印刷で形成される。
【0031】また固定基板1の配線パターン5で可動基
板2に設けた配線電極7と対応する配線パターン5の複
数個所には導電接着剤24を付着し、配線電極7と配線
パターン5を接続する接続電極9の形成を準備してお
く。
【0032】更に固定基板1の抵抗膜3の表面には図示
しないが一定の間隔で絶縁性樹脂を点在させた約7μm
の高さのドットスペーサーを設け、固定基板1と可動基
板2との貼り合わせ後に両者が密着することを防止す
る。なお固定基板1と可動基板2の設計上の間隔は30
μmとなっている。
【0033】第7に、同様に図2(E)に示す如く、固
定基板1の周端に接着剤6を塗布する工程では、固定基
板1の配線パターン5を設けた外側にエポキシ樹脂等の
熱硬化性樹脂を塗布する。
【0034】第8に、図2(F)に示す如く、固定基板
1および可動基板2を貼り合わせる工程では、両基板
1、2の位置合わせをしてから貼り合わせる。本工程で
は導電ペーストおよび接着剤6は硬化前であるので仮接
着できる。なお、接着剤6には一個所に開口部を設け、
全周を囲んでいる。
【0035】第9に、加圧加熱焼成する工程では、前工
程で貼り合わせられた固定基板1と可動基板2を加圧、
加熱して、導電ペーストおよび熱硬化性樹脂の加熱焼成
を行う。本工程で導電ペーストは配線パターン5、配線
電極7、8、接続電極9および硬化した接着剤6が完成
する。この際に可動基板2は加圧により内側に窪み、ド
ットスペーサーで固定基板1と可動基板2との密着を辛
うじて防止している。
【0036】第10に、両基板1、2から個別のタッチ
パネルに分割する工程では、固定基板1にダイアモンド
カッターで縦横に傷を入れて両基板1、2を割って個別
のタッチパネルに分離する。
【0037】第11に、図3(G)に示す如く、接着剤
の1個所に設けた開口部から気体を注入する工程では、
開口部から気体である窒素ガスN2を注入して可動基板
2を外側に膨らませている。本工程は本発明の特徴とす
るもので、前述した加圧加熱焼成工程で可動基板2が加
圧により固定基板1のドットスペーサーに当接するまで
窪んだ可動基板2を窒素ガスN2の圧力で大きく外側に
膨らませている。注入された窒素ガスN2は小さい開口
部から徐々に抜けるが、一気には抜けないので開口部を
閉口するまでは元の状態まで戻ることはない。
【0038】第12に、図3(H)に示す如く、本発明
の特徴であるタッチパネルの複数個所を押圧してスイッ
チストロークを均一化する工程では、テンションゲージ
を用いて約10〜100グラム重の一定の圧力でタッチ
パネルの複数個所を押圧して両抵抗膜3、4が接触する
スイッチストロークを均一化する。両抵抗膜3、4の接
触は配線パターン5に接続した直流電源に接続されたラ
ンプや発光ダイオードを点灯させることで容易に検出で
きる。この作業を数回繰り返すことで可動基板2はすべ
ての領域でのスイッチストロークが均一になるように注
入された窒素ガスN2を開口部から外部に押し出す。な
お押圧する個所は図3(I)に×印で示すように、中央
と4角である。
【0039】第13に、図3(I)に示す如く、開口部
を閉口する工程では開口部にUV硬化性樹脂を塗布し、
UV照射して硬化させて閉口する。従ってタッチパネル
内には適量の窒素ガスN2が残存し、両抵抗膜3、4を
酸化から防止し、耐湿性を維持して良好なタッチパネル
を提供する。
【0040】
【発明の効果】本発明に依れば、可撓性に富む薄いガラ
ス基板を可動基板として用い、その製造工程で可撓性の
ために大きく内側に窪んでも、気体を注入して可動基板
を大きく外側に膨らませることで平坦な状態以上に復元
でき、一定の圧力で複数個所を押圧してスイッチストロ
ークを均一化できる利点を有する。
【0041】また本発明では、気体として窒素ガスN2
を用いることでタッチパネルの両抵抗膜の酸化を防止
し、耐湿性も維持できるので、タッチパネルの信頼性を
大幅に向上できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネルの製造工程を説明する図
である。
【図2】本発明のタッチパネルの製造工程を説明する図
である。
【図3】本発明のタッチパネルの製造工程を説明する図
である。
【図4】従来のタッチパネルを説明する図である。
【符号の説明】
1 固定基板 2 可動基板 3 第1抵抗膜 4 第2抵抗膜 5 配線パターン 6 接着剤 7、8 配線電極 9 接続電極 10 偏向フィルム 21 ITO膜 22 ホトレジスト層 23 補助基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 36/00 H01H 36/00 G Fターム(参考) 5B087 AA04 CC13 CC14 CC37 5G006 AA01 AZ07 CD06 FB14 FB17 FB19 FD02 5G023 AA20 CA19 CA29 CA43 5G046 AB02 AC32 AD13 5G051 AA27 RA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明導電膜が片面に形成された厚い固定
    基板と薄い可動基板とを準備する工程と、 前記固定基板および前記可動基板の前記透明導電膜を所
    望のパターンにエッチングして抵抗膜を形成する工程
    と、 前記固定基板および前記可動基板を前記抵抗膜が対向す
    るように前記固定基板と前記可動基板の周端を一個所に
    開口部を設けて接着剤で貼り合わせる工程と、 前記開口部から不活性ガスを注入して前記可動基板を外
    側に膨らませてから複数個所を所定の値で押圧して前記
    抵抗膜が接触するように調整し、前記開口部を樹脂で閉
    じる工程とを具備することを特徴とするタッチパネルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記固定基板および前記可動基板はガラ
    スを用いることを特徴とする請求項1記載のタッチパネ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記固定基板のガラス厚は1.0mm以
    上とし、前記可動基板のガラス厚は0.3mm以下とす
    ることを特徴とする請求項2記載のタッチパネルの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記不活性ガスとしてN2ガスを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のタッチパネルの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 複数個所を所定の値で押圧して前記抵抗
    膜が接触を検知するのに配線パターンに接続された発光
    素子の点灯を用いることを特徴とする請求項1記載のタ
    ッチパネルの製造方法。
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