JP2003022524A - 磁気記録材料用基板の製造方法及び磁気記録材料 - Google Patents

磁気記録材料用基板の製造方法及び磁気記録材料

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JP2003022524A
JP2003022524A JP2001205768A JP2001205768A JP2003022524A JP 2003022524 A JP2003022524 A JP 2003022524A JP 2001205768 A JP2001205768 A JP 2001205768A JP 2001205768 A JP2001205768 A JP 2001205768A JP 2003022524 A JP2003022524 A JP 2003022524A
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Toshimoto Sugimoto
敏司 杉本
Yasuaki Sakamoto
恭章 坂本
Masato Kiuchi
正人 木内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低価格で安定に供給されるガラス材料を基板材
料として用いて、高密度化、高速化に適した安価な磁気
記録材料用基板を提供する。 【解決手段】相互に対向状に配設された一対の電極にパ
ルス波形を有する交番電圧を印加して発生させたプラス
マを用いたスパッタリング法によってガラス基板表面に
バリアー層を形成することを特徴とする磁気記録材料用
基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録材料用基
板の製造方法及び磁気記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量のデジタル情報を高密度で記録す
る方法としては、大容量且つランダムアクセスが可能な
ハードディスクドライブ(HDD)を用いる方法が、既
に技術的に確立された方法として広く採用されている。
HDDとしては、普及タイプ(3.5インチディスク搭
載型)の生産量が最も多く、今後は、録画用として家庭
用の情報端末にも搭載されようとしており、低価格化、
小型化が急務となっている。
【0003】普及型HDDのディスク基板としては、通
常、アルミニウム合金製のディスクが用いられている
が、これは、その材料特性から、研磨加工などの処理を
施しても、塑性変形を伴うために平滑面を得ることが難
しく、しかも剛性が低いためにHDDの高密度化、高速
化には不適切である。
【0004】一方、ガラス製のディスク基板は、膨張率
が低く、軽量で剛性が高く、表面の硬度、平滑性に優れ
ており、しかも、ポリカーボネート等の合成樹脂とは異
なり、吸湿性がないために保存性がよく、添加剤による
環境汚染がない等の優れた特性を有するものであり、デ
ィスク基板のガラス材料への転換に注目が集まってい
る。
【0005】しかしながら、HDD用の基板としてソー
ダ石灰ガラス等の安価なガラス材料を用いる場合には、
ガラス中に含まれるアルカリ成分が基板表面に溶出し易
く、これが磁気記録層に拡散して磁気記録層の劣化が生
じるという問題がある。このため、HDD用の基板とし
ては、特殊な多成分ガラスが使用されており、このよう
なガラス自体の製造が難しく高価であるため、コストと
供給量の面でアルミニウム合金製ディスクに及ばない。
このため、現状では、ガラス材料は、コストよりも小型
化を要求されるHDD(2.5インチ以下)や、長期保
存用CD−Rメディアの基板として用いられているに過
ぎない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
低価格で安定に供給されるガラス材料を基板材料として
用いて、高密度化、高速化に適した安価な磁気記録材料
用基板を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ガラス材料の表
面にパルス波形を有する交番電圧を印加して発生させた
プラスマを利用したスパッタリング法によってバリアー
層を形成することによって、ソーダ石灰ガラス等の低価
格のガラス材料を基板材料としてた場合であっても、ガ
ラス中に含まれるナトリウムイオン等の溶出を防止して
磁気記録層の劣化を防止でき、しかも剛性が高く平滑性
に優れた基板となることから、高密度化、高速化に適し
た磁気記録材料用基板が得られることを見出し、ここに
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記の磁気記録材料用基
板の製造方法及び磁気記録材料を提供するものである。 1. 相互に対向状に配設された一対の電極にパルス波
形を有する交番電圧を印加して発生させたプラスマを用
いたスパッタリング法によってガラス基板表面にバリア
ー層を形成することを特徴とする磁気記録材料用基板の
製造方法。 2. ガラス基板がNa2Oを5〜20重量%含有する
ソーダ石灰ガラスである上記項1に記載の磁気記録材料
用基板の製造方法。 3. ターゲット側電極に印加される負電圧の絶対値が
ターゲット側電極に印加される正電圧の絶対値より大き
い値となる条件で、パルス波形を有する交番電圧を印加
する上記項1又は2に記載の磁気記録材料用基板の製造
方法。 4. 磁気記録材料がハードディスクである上記項1〜
3のいずれかに記載の磁気記録材料用基板の製造方法。 5. 上記項1〜4のいずれかの方法によって得られた
磁気記録材料用基板と、該基板上に形成された磁気記録
層とを備えていることを特徴とする磁気記録材料。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では、磁気記録材料の基板
材料としてはガラス材料を用いる。ガラス材料は、膨張
率が低く、軽量で剛性が高く、表面の硬度、平滑性に優
れており、磁気記録材料の高密度化、高速化に適した基
板材料である。更に、吸湿性がないために保存性も良好
である。
【0010】基板材料として使用できるガラス材料の種
類については特に限定は無いが、特に、安価で供給量の
多いソーダ石灰ガラスを用いる場合には、この様な低価
格のガラス材料を用いた場合であっても、アルカリ成分
の溶出を抑制して耐用性の長い良好な磁気記録材料を製
造できるので、高密度化、高速化に適した低価格な磁気
記録材料用基板として有用性が高いものとなる。
【0011】本発明で使用できるソーダ石灰ガラスは、
2O及びCaOを含有する公知の珪酸塩ガラスであれ
ばよく、組成については特に限定的ではないが、例え
ば、Na2Oを5〜20重量%程度含むソーダ石灰ガラ
スを用いることができる。本発明方法によれば、この様
なNa2Oを多量に含有するガラス材料であっても、ガ
ラス中に含まれるナトリウムイオン等の溶出を防止し
て、磁気記録層の劣化を防止できる。
【0012】ソーダ石灰ガラスの具体的な組成の一例と
して、SiO2を65〜75重量%、CaOを5〜15
重量%、及びNa2Oを5〜20重量%含み、その他に
Al23、MgO、Fe23等を含むガラスを挙げるこ
とができる。
【0013】本発明の磁気記録材料用基板の方法では、
まず、相互に対向状に配設された一対の電極にパルス波
形を有する交番電圧を印加して発生させたプラスマを用
いるスパッタリング法によって、ガラス基板上にバリヤ
ー層を形成する。
【0014】この様な交番電圧を印加することによっ
て、ターゲット側電極に負パルス電圧が印加された際
に、スパッタリング装置中に導入された気体の一部が放
電によって正イオンとなり、これが加速されてターゲッ
トに衝突してターゲットから原子を遊離させ、遊離した
原子の一部がターゲット側電極と対向して置かれたガラ
ス基板表面に付着して膜が形成される。
【0015】次いで、ガラス基板側電極に、ターゲット
側電極に印加した負パルスより低い電圧の負パルスが印
加された際に、上記した放電終了後に存在すると考えら
れる正イオンが加速されて、ガラス基板表面に入射す
る。これはいわゆるイオンアシスト効果と称されるもの
であり、基板表面に入射した正イオンが試料表面を活性
化して、形成された膜の密着性が向上し、膜の硬度、平
滑性等が改善される。
【0016】スパッタリングのための電極としては、一
対の平行平板電極を用いれば良く、一方の電極は膜材料
(ターゲット)で製作するか、或いは、膜材料を電極表
面に貼り付ければよい。対向する電極には、基板材料と
するガラス材料をセットする。
【0017】電極の大きさについては特に限定的ではな
く、処理対象とするガラス基板の大きさ、処理数等に応
じて適宜決めることができる。例えば、1cm2〜10
0m2程度という広い範囲の電極面積とすることができ
るが、実用的には、4cm2〜1m2程度の範囲の電極面
積が適当である。
【0018】電極間距離についても特に限定的ではない
が、例えば、0.1〜1000mm程度とすることがで
きるが、実用的には、1〜50mm程度とすればよい。
【0019】プラズマを発生させるために用いるパルス
波形を呈する交番電圧は、例えば、高圧直流電源とスイ
ッチング回路を有する電源を用いることによって発生さ
せることができる。スイッチング回路は、例えば、MO
SFET素子やTTL素子等の小型半導体素子で構成す
ることが可能である。
【0020】パルス波形を呈する交番電圧としては、タ
ーゲット側電極に印加する負パルス電圧の絶対値を、タ
ーゲット側電極に印加する正パルス電圧、即ち、ガラス
基板に印加する負パルス電圧の絶対値より大きい値とす
る。
【0021】パルス波形を呈する交番電圧の波形の一例
を示す図1に基づいて、電極に印加する電圧について具
体的に説明する。
【0022】ターゲット側電極に印加する負パルス電圧
1は、−100V〜−100kV程度の範囲とするこ
とができるが、実用的には、−300V〜−5kV程度
とすれることが適当である。また、ターゲット側電極に
印加する正パルス電圧V2は、10V〜100kV程度
の範囲とすることができるが、実用的には、30V〜1
kV程度が適当である。この様な条件において、ターゲ
ット側電極に印加する負パルス電圧V1の絶対値は、正
パルス電圧V2の絶対値より大きい値とする。
【0023】負パルスのパルス幅T1と正パルスのパル
ス幅T2については、負パルス幅T1が長い程成膜速度が
速くなり、正パルス幅T2が長い程イオンアシスト効果
が大きくなって膜の改質効果が大きくなるので、目的と
する成膜速度やイオンアシスト効果の程度を考慮して適
宜決めればよい。実用的には、0.1μs≦T1≦1m
s程度、1μs≦T2≦10ms程度とすればよく、好
ましくは0.5μs≦T1≦10μs程度、1μs≦T2
≦50μs程度とすればよい。尚、負パルス幅T1と正
パルス幅T2の各パルス期間中、電圧値は一致値でなく
ても良く、上記した各範囲内で多少変動してもよい。
【0024】この様なパルス波形を呈する交番電圧の周
波数f=1/T3(T3=T1+T2)は、1Hz〜100
MHz程度とすることができるが、実用的には、100
Hz〜1MHz程度が適当であり、1kHz〜50kH
z程度が好ましい。
【0025】また、図2に示すように、負パルス期間T
1と正パルス期間T2の間に、無電圧期間T4及びT5が存
在しても良い。この場合にも、負パルス電圧V1、正パ
ルス電圧V2、負パルス幅T1、正パルス幅T2、周波数
f=1/T3(T3=T1+T2+T4+T5)等について
は、図1の場合と同程度とすればよい。
【0026】更に、負パルス電圧と正パルス電圧を交互
に印加しなくても良く、図3に示すように、負パルス電
圧V1をn回連続して印加した後、正パルス電圧V2を印
加しても良い。また、複数の正パルス電圧を連続して印
加しても良い。この場合にも、負パルス電圧V1、正パ
ルス電圧V2、負パルス幅T1、正パルス幅T2、周波数
f=1/T3等については、図1の場合と同程度とすれ
ばよい。
【0027】具体的な各パラメーターの決定方法の一例
を挙げると、まず、ターゲット側電極に印加する負パル
ス電圧V1とパルス幅T1を決める。両者とも大きくすれ
ばスパッタ量が増え、成膜速度が上がるが、放電は不安
定になり、局所的な放電(アーク放電)に移行しやすく
なる。このため、V1を大きくした場合には、T1を小さ
くする等適宜調整すればよい。次に、イオンアシスト効
果が生じるように、V 2とT2を決める。これらの条件
は、良質な膜が形成されるように適宜決めればよい。更
に、最後にT3を決める。この値を小さくすれば、単位
時間当たりのパルス数が増加して成膜速度が上がるが、
消費電力が増えるために、電源の出力容量を超える値と
することはできない。また、T3を大きくして成膜速度
を低下させて膜質を調整することも可能である。これら
の点を考慮して、各パラメーターを適宜決定することが
できる。
【0028】スパッタリング装置内に導入する気体とし
ては、Ar、Kr、Xe等の希ガス、N2、O2等を用い
ることができ、これらの気体を一種単独又は適宜混合し
て用いることができる。特に、Arガスを単独で用いる
か、ArガスとO2ガスの混合ガスを用いることが好ま
しい。ArガスとO2ガスの混合ガスを用いる場合に
は、両者の比率は特に制限はないが、好ましくはO2
比率を70%程度以下とすればよい。
【0029】スパッタリング装置内の圧力は、0.01
〜1,000,000Pa程度とすることができ、実用
的には、10〜1,000Pa程度とすることが適当で
ある。
【0030】ターゲット側電極に設置する膜材料として
は、Cu、Ag、Au、Pb、Pd、Pt等の重金属、
Al、Ti等の軽金属、これらの金属の合金、これらの
金属の酸化物、炭素等を用いることができる。
【0031】上記した条件でスパッタリングを行うこと
によって、ガラス基板の表面にバリアー層を形成するこ
とができる。バリアー層の種類としては、ターゲット側
電極に設置する膜材料として金属を用いた場合には金属
膜、金属酸化物を用いた場合には金属酸化物膜、炭素材
料を用いた場合には炭素膜が形成されるが、スパッタリ
ング装置内にO2を導入した場合には膜材料として金属
を用いて金属酸化物膜を形成することができる。
【0032】好ましいバリアー層の一例として、炭素
膜、酸化銅膜、酸化アルミニウム膜、酸窒化ケイ素膜等
を挙げることができる。
【0033】尚、スパッタリングの途中でターゲット側
電極に設置する膜材料を変更してスパッタリングを行う
ことによって、多層構造のバリアー層を形成することも
できる。
【0034】ガラス基板上に形成するバリアー層の厚さ
は、特に限定的ではないが、通常、0.01〜10μm
程度とすればよい。
【0035】本発明において採用するパルス波形を呈す
る交番電圧を用いたスパッタリング法は、直流放電方式
に近い方法であり、電源や電極の構造が比較的簡単で、
電源効率も高いために、装置コストやランニングコスト
の低減が可能である。また、試料側電極に印加する負パ
ルスの電圧やパルス幅を変更することによって、形成さ
れた膜の付着性や平滑性を容易に制御することができ
る。また、2枚の平行電極のみで構成され、各々の電極
にガラス基板及びターゲット材料をセットするだけの単
純な構造であり、2次元的に電極面積を大きくするだけ
で、大面積の基板や多数の基板を同時に処理することが
可能である。
【0036】上記した方法でガラス基板上にバリアー層
を形成することによって、安価なソーダ石灰ガラスを基
板材料として用いた場合であっても、ガラス中に含まれ
るナトリウムイオン等の溶出を防止して、磁気記録層の
劣化を防止することが可能となる。また、ガラス材料
は、剛性が高く平滑性に優れた材料であり、しかも上記
方法で形成されるバリアー層は、平滑性、密着性等が良
好であることから、高密度化、高速化に適した磁気記録
材料用の基板として有用なものとなる。
【0037】上記した方法でガラス基板上にバリアー層
を形成した後、磁気記録層を形成することによって、磁
気記録材料を得ることができる。磁気記録層を形成する
ために用いる材料、磁気記録層の形成方法等について
は、公知の磁気記録材料と同様とすれば良い。例えば、
鉄酸化物、コバルト酸化物等を含む膜をスパッタリング
法等によって形成することによって、磁気記録層を形成
することができる。磁気記録層の厚さについても、通常
の磁気記録材料と同様でよく、一般に0.1〜100μ
m程度とすればよい。
【0038】更に、磁気記録層の上には、常法に従っ
て、保護層等を形成することができる。
【0039】本発明方法によって得られる磁気記録材料
は、例えば、ハードディスク等として有効に利用でき
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の磁気記録材料用基板の製造方法
によれば、基板材料としてソーダ石灰ガラス等の低価格
のガラス材料を使用した場合であっても、ガラス中に含
まれるナトリウムイオン等の溶出を防止して、磁気記録
層の劣化を防止でき、剛性が高く平滑性にも優れた磁気
記録材料用基板を得ることができる。
【0041】得られる磁気記録材料用基板は、高密度
化、高速化に適した安価な基板材料として有用性が高い
ものである。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 図4に概略図として示すスパッタリング装置を用い、下
記の条件でパルス波形を有する交番電圧を印加してソー
ダ石灰ガラス基板上にバリアー層を形成した。
【0043】使用したソーダ石灰ガラスは、大きさが2
5×25×0.8mmであり、Na 2Oを12重量%、
CaOを重量10%、SiO2を70重量%、及びその
他の酸化物を8重量%含有するものであった。
【0044】スパッタリング装置におけるターゲット側
の上部電極(膜材料)としては無酸素銅を用い、電極間
距離を12mmとして、ソーダ石灰ガラス基板を下部電
極に設置した。スパッタリング装置内を排気し、アルゴ
ンガスを導入して内圧を230Paとし、図5に示す条
件1と条件2の二種類の波形のパルス電圧を印加して、
スパッタリングを行った。条件1は、パルス波形を有す
る交番電圧を印加した場合であり、条件2はターゲット
側電極に負のパルス電圧のみを印加した場合である。
尚、図5に示すパルス波形のチャートでは、ターゲット
側電極に印加した負電圧を縦軸の上向きに示す。
【0045】成膜時間は、各条件について、いずれも6
0分とした。条件1及び条件2の各成膜条件の概略を下
記表1に示す。繰り返し周波数は、いずれも10kHz
とした。
【0046】
【表1】
【0047】条件1及び条件2の何れの場合にも、ソー
ダ石灰ガラス基板上にCu酸化物からなる薄灰褐色の膜
が形成され、推定膜厚は約100オングストロームであ
った。
【0048】各試料について、形成された膜の表面に粘
着テープを貼り付けて、すぐに剥離する方法で密着性を
評価したところ、条件1で成膜した試料については膜が
全く剥がれなかったのに対して、条件2で成膜した試料
については膜が剥離した。
【0049】また、AFMによる表面観察の結果、条件
1で成膜した試料については、平均表面粗さ(Ra)が
70オングストロームであったのに対して、条件2で成
膜した試料については、平均表面粗さが130オングス
トロームであり、条件1で成膜した使用の方が平滑性が
良好であった。
【0050】また、条件1で成膜した試料について、N
a溶出試験として、純水100〜150ml中に試料を
完全に浸漬し、70℃の恒温器中に24時間静置した
後、液中のNaイオン濃度をICP発光分光分析法で定
量した結果、0.008ppmであり、未処理の試料に
ついてのNa溶出試験の結果が0.027ppmである
ことと比べて、Naの溶出が大きく抑制されていること
が確認できた。
【0051】更に、条件1で成膜した試料について、表
面に水滴を滴下たところ、未処理にガラス表面と比べて
水の接触角が小さくなり、親水性が向上していることが
判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット側電極に印加するパルス波形の一例
を示す図面。
【図2】ターゲット側電極に印加するパルス波形の一例
を示す図面。
【図3】ターゲット側電極に印加するパルス波形の一例
を示す図面。
【図4】実施例1で用いたスパッタリング装置の概略
図。
【図5】実施例1で用いた電圧及び電流のパルス波形を
示す図面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 恭章 東京都港区赤坂1丁目11番28号 ザーテッ クテクノロジー株式会社内 (72)発明者 木内 正人 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 独立行 政法人産業技術総合研究所関西センター内 Fターム(参考) 4G059 AA08 AB11 AC24 DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA08 DA09 DB02 EA01 EA04 EA11 EB04 4K029 AA09 AA24 BD11 CA05 DC35 EA09 5D006 CB04 CB08 DA03 EA03 FA02 5D112 AA02 AA11 BA03 BA05 BA09 FA04 FA05 FB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相互に対向状に配設された一対の電極にパ
    ルス波形を有する交番電圧を印加して発生させたプラス
    マを用いたスパッタリング法によってガラス基板表面に
    バリアー層を形成することを特徴とする磁気記録材料用
    基板の製造方法。
  2. 【請求項2】ガラス基板がNa2Oを5〜20重量%含
    有するソーダ石灰ガラスである請求項1に記載の磁気記
    録材料用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】ターゲット側電極に印加される負電圧の絶
    対値がターゲット側電極に印加される正電圧の絶対値よ
    り大きい値となる条件で、パルス波形を有する交番電圧
    を印加する請求項1又は2に記載の磁気記録材料用基板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】磁気記録材料がハードディスクである請求
    項1〜3のいずれかに記載の磁気記録材料用基板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかの方法によって得
    られた磁気記録材料用基板と、該基板上に形成された磁
    気記録層とを備えていることを特徴とする磁気記録材
    料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010031359A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Sulzer Metaplas Gmbh 大電力パルス化マグネトロンスパッタリング方法および大電力電気エネルギー源
WO2017003339A1 (en) * 2015-07-02 2017-01-05 Styervoyedov Mykola Pulse generation device and method for a magnetron sputtering system

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