JP2003021474A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の低減とコストダウンを図るととも
に、漏洩検知を確実に行い得るようにする。 【解決手段】 中心部に形成された水通路2と、該水通
路2の周囲に形成され、前記水通路2より小さな通路断
面積を有する複数の冷媒通路3,3・・とを備えた1本
の管状部材1によって熱交換器を構成するとともに、前
記冷媒通路3,3・・相互間に、その底面と前記水通路
2との間の肉厚t1が前記冷媒通路3,3・・と前記水
通路2との間の肉厚t2より薄くなるように構成された
凹溝4,4・・をそれぞれ形成して、水通路2と冷媒通
路3,3・・と凹溝4,4・・とが1本の管状部材1内
外に形成できるようにするとともに、水通路2からの漏
洩検知を確実に行い得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、水と冷媒とを熱
交換させるための熱交換器(例えば、ヒートポンプ式給
湯機に用いられる水熱交換器)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から良く知られている給湯機用熱交
換器としては、水が流通する内管と、冷媒が流通する外
管とからなり、長円形状に屈曲形成して多数の段数重ね
合わせてなる二重管式熱交換器がある。
【0003】この二重管式熱交換器の場合、内管に腐食
による穴が空くと、水と冷媒とがまざりあってしまうた
め、水の漏洩を検知して、装置の運転を停止する必要が
あった。そこで、内管の外側に内管から漏洩した水を導
く漏洩検知溝を有する漏洩検知管を設け、水の漏洩をい
ち早く検知するようにしていた。つまり、実質的には、
内管、漏洩検知管および外管からなる三重管により構成
されることとなっているのである。従って、製造工程が
複雑化するとともに、コストの増大を免れがたいという
問題があった。
【0004】そこで、給湯機用熱交換器として、長い芯
管の外周にキャピラリチューブ等からなる巻管を所定ピ
ッチで螺旋状に巻き付け、これを、長円形状に屈曲形成
して多数の段数重ね合わせ、その後、鑞付けを施すこと
により一体形状とし、芯管側を水通路とし、巻管側を冷
媒通路とするように構成したものが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
ものの場合、芯管への巻管の鑞付けを前提とした複数部
品からなっているため、個々の部品の組立および鑞付け
工程が必要となるとともに、鑞付けのための鑞材が必要
となり、部品点数が多くなり且つコストダウンにも限界
があるという不具合があった。
【0006】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、部品点数の低減とコストダウンを図るとともに、
漏洩検知を確実に行い得るようにすることを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記課題を解決するための手段として、中心部に形成され
た水通路2と、該水通路2の周囲に形成され、前記水通
路2より小さな通路断面積を有する複数の冷媒通路3,
3・・とを備えた1本の管状部材1によって熱交換器を
構成するとともに、前記冷媒通路3,3・・相互間に、
その底面と前記水通路2との間の肉厚t1が前記冷媒通
路3,3・・と前記水通路2との間の肉厚t2より薄く
なるように構成された凹溝4,4・・をそれぞれ形成し
ている。
【0008】上記のように構成したことにより、水通路
2と冷媒通路3,3・・と凹溝4,4・・とが1本の管
状部材1の内外に形成できるところから、鑞付け工程が
不要となる。従って、鑞材も不要となる結果、部品点数
が低減し且つコストダウンを図ることができる。しか
も、冷媒通路3,3・・相互間に、その底面と前記水通
路2との間の肉厚t1が前記冷媒通路3,3・・と前記
水通路2との間の肉厚t2より薄くなるように構成され
た凹溝4,4・・をそれぞれ形成するようにしているの
で、水通路2の周りに腐食等が発生した場合、水通路2
から冷媒通路3,3・・へと腐食が進行する前に、水通
路3,3・・から凹溝4,4・・底面へと腐食が進行す
ることとなり、当該部位から水が漏れることで漏洩検知
が行えることとなる。
【0009】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の熱交換器において、前記冷媒通路3,3・・同士
の周方向間隔を等しくした場合、冷媒通路3,3・・を
流れる冷媒から水通路2を流れる水への熱伝達が周方向
に均等となり、熱交換効率が向上する。
【0010】請求項3の発明におけるように、請求項1
および2のいずれか一項記載の熱交換器において、前記
凹溝4,4・・を、前記冷媒通路3,3・・相互間の中
心部に形成した場合、凹溝4,4・・を挟む冷媒通路
3,3から凹溝4,4・・側への放熱量が等しくなり、
熱交換効率が向上する。
【0011】請求項4の発明におけるように、請求項
1、2および3のいずれか一項記載の熱交換器におい
て、前記冷媒通路3,3・・を、前記水通路2の中心に
対して所定の捩り角度αを有する螺旋形状となした場
合、冷媒通路3,3・・から水通路2への熱伝達面積が
飛躍的に増大することとなり、熱交換効率が大幅に増大
する。
【0012】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の熱交換器にお
いて、前記冷媒通路3,3・・の断面形状を円形とした
場合、冷媒通路3,3・・における耐圧性能が増大する
こととなり、冷媒として高圧冷媒(例えば、炭酸ガス
等)を採用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0014】第1の実施の形態 図1および図2には、本願発明の第1の実施の形態にか
かる熱交換器が示されている。
【0015】この熱交換器は、中心部に形成された断面
形状が円形の水通路2と、該水通路2の周囲に形成さ
れ、前記水通路2より小さな通路断面積を有する断面形
状が円形の複数(例えば、6本)の冷媒通路3,3・・
とを備えた1本の管状部材1によって構成されている。
本実施の形態においては、前記水通路2および前記冷媒
通路3,3・・は、管軸方向に平行に形成されている。
また、前記冷媒通路3,3・・は、周方向に等間隔で形
成されている。
【0016】そして、前記冷媒通路3,3・・相互間に
おける中心部には、凹溝4,4・・がそれぞれ形成され
ている。該各凹溝4は、本実施の形態においては周方向
の幅が狭い切り込み形状とされており、その底面と前記
水通路2との間の肉厚t1が前記冷媒通路3と前記水通
路2との間の肉厚t2より薄くなるように構成されてい
る(図3参照)。
【0017】上記のような構成の管状部材1は、例え
ば、銅の連続鋳造加工により製造されるが、熱良導体で
あれば銅以外でもよく、連続鋳造以外の加工法を採用す
ることもできる。。
【0018】上記のように構成された熱交換器において
は、次のような作用効果が得られる。
【0019】即ち、水通路2と冷媒通路3,3・・と凹
溝4,4・・とが1本の管状部材1の内外に形成できる
ところから、従来例の熱交換器において必要とされてい
た鑞付け工程が不要となる。従って、鑞材も不要となる
結果、部品点数が低減し且つコストダウンを図ることが
できる。
【0020】しかも、前記冷媒通路3,3・・相互間
に、その底面と前記水通路2との間の肉厚t1が前記冷
媒通路3,3・・と前記水通路2との間の肉厚t2より
薄くなるように構成された凹溝4,4・・をそれぞれ形
成するようにしているので、水通路2の周りに腐食等が
発生した場合、水通路2から冷媒通路3,3・・へと腐
食が進行する前に、水通路2から凹溝4,4・・底面へ
と腐食が進行することとなり、当該部位から水が漏れる
ことで漏洩検知が行えることとなる。
【0021】また、本実施の形態においては、前記冷媒
通路3,3・・同士の周方向間隔を等しくしているの
で、冷媒通路3,3・・を流れる冷媒から水通路2を流
れる水への熱伝達が周方向に均等となり、熱交換効率が
向上することとなる。
【0022】また、前記凹溝4,4・・を、前記冷媒通
路3,3・・相互間の中心部に形成するようにしている
ので、凹溝4,4・・を挟む冷媒通路3,3・・から凹
溝4,4・・側への放熱量が等しくなり、熱交換効率が
向上することとなる。
【0023】さらに、前記冷媒通路3,3・・の断面形
状を円形としているので、冷媒通路3,3・・における
耐圧性能が増大することとなり、冷媒として高圧冷媒
(例えば、炭酸ガス等)を採用することができることと
なる。
【0024】ところで、本実施の形態にかかる熱交換器
は、図4(イ)に示すように、4本の冷媒通路3,3・
・を有するように構成してもよく、図4(ロ)に示すよ
うに、2本の冷媒通路3,3を有するように構成しても
よい。また、凹溝4,4・・の底面は、図5(イ)およ
び(ロ)に示すように、所定の周方向幅を有するように
形成してもよく、この場合、凹溝4の底面の周方向幅が
広くなるところから、漏洩検知がより確実に行えること
となる。また、図6(イ)〜(ハ)に示すように、各冷
媒通路3の周囲の肉部分3aを円弧形状として、各冷媒
通路3の周囲の肉厚がほぼ均等となるようにしてもよ
い。この場合にも、凹溝4,4・・は、所定の周方向幅
を有するように形成される。
【0025】第2の実施の形態 図7および図8には、本願発明の第2の実施の形態にか
かる熱交換器が示されている。
【0026】この場合、2本の冷媒通路3,3が、水通
路2の中心Oに対して所定の捩り角度αを有する螺旋形
状とされている。この場合、凹溝4,4は、所定の周方
向幅の底面を有する螺旋形状となる。また、この場合、
各冷媒通路3の周囲の肉部分3aは円弧形状とされてお
り、各冷媒通路3の周囲の肉厚がほぼ均等となるように
されている。この場合にも、管状部材1は、例えば、銅
の連続鋳造加工により製造されるが、鋳造時において捩
りを加える必要がある。このようにすると、冷媒通路
3,3から水通路2への熱伝達面積が飛躍的に増大する
こととなり、熱交換効率が大幅に増大する。なお、この
場合においても、水通路および冷媒通路の形状、冷媒通
路の本数については、第1の実施の形態におけると同様
に適宜選定できる。その他の構成および作用効果は、第
1の実施の形態におけると同様なので説明を省略する。
【0027】ところで、上記各実施の形態においては、
水通路2および冷媒通路3の断面形状を円形としている
が、これらは、四角形、六角形等の多角形形状あるいは
星形等の異形形状とすることもできる。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、中心部に形成
された水通路2と、該水通路2の周囲に形成され、前記
水通路2より小さな通路断面積を有する複数の冷媒通路
3,3・・とを備えた1本の管状部材1によって熱交換
器を構成するとともに、前記冷媒通路3,3・・相互間
に、その底面と前記水通路2との間の肉厚t1が前記冷
媒通路3,3・・と前記水通路2との間の肉厚t2より
薄くなるように構成された凹溝4,4・・をそれぞれ形
成して、水通路2と冷媒通路3,3・・と凹溝4,4・
・とが1本の管状部材1の内外に形成できるようにした
ので、鑞付け工程が不要となり、鑞材も不要となる結
果、部品点数が低減し且つコストダウンを図ることがで
きるという効果がある。しかも、冷媒通路3,3・・相
互間に、その底面と前記水通路2との間の肉厚t1が前
記冷媒通路3,3・・と前記水通路2との間の肉厚t2
より薄くなるように構成された凹溝4,4・・をそれぞ
れ形成するようにしているので、水通路2の周りに腐食
等が発生した場合、水通路2から冷媒通路3,3・・へ
と腐食が進行する前に、水通路3,3・・から凹溝4,
4・・底面へと腐食が進行することとなり、当該部位か
ら水が漏れることで漏洩検知が行えることとなるという
効果もある。
【0029】請求項2の発明におけるように、請求項1
記載の熱交換器において、前記冷媒通路3,3・・同士
の周方向間隔を等しくした場合、冷媒通路3,3・・を
流れる冷媒から水通路2を流れる水への熱伝達が周方向
に均等となり、熱交換効率が向上する。
【0030】請求項3の発明におけるように、請求項1
および2のいずれか一項記載の熱交換器において、前記
凹溝4,4・・を、前記冷媒通路3,3・・相互間の中
心部に形成した場合、凹溝4,4・・を挟む冷媒通路
3,3から凹溝4,4・・側への放熱量が等しくなり、
熱交換効率が向上する。
【0031】請求項4の発明におけるように、請求項
1、2および3のいずれか一項記載の熱交換器におい
て、前記冷媒通路3,3・・を、前記水通路2の中心に
対して所定の捩り角度αを有する螺旋形状となした場
合、冷媒通路3,3・・から水通路2への熱伝達面積が
飛躍的に増大することとなり、熱交換効率が大幅に増大
する。
【0032】請求項5の発明におけるように、請求項
1、2、3および4のいずれか一項記載の熱交換器にお
いて、前記冷媒通路3,3・・の断面形状を円形とした
場合、冷媒通路3,3・・における耐圧性能が増大する
こととなり、冷媒として高圧冷媒(例えば、炭酸ガス
等)を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
を示す斜視図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
の断面図である。
【図3】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
の要部を拡大した断面図である。
【図4】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
の変形例を示すもので、(イ)は変形例Iを示す断面図
であり、(ロ)は変形例IIを示す断面図である。
【図5】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
の変形例を示すもので、(イ)は変形例IIIを示す断
面図であり、(ロ)は変形例IVを示す断面図である。
【図6】本願発明の第1の実施の形態にかかる熱交換器
の変形例を示すもので、(イ)は変形例Vを示す断面図
であり、(ロ)は変形例VIを示す断面図であり、
(ハ)は変形例VIIを示す断面図である。
【図7】本願発明の第2の実施の形態にかかる熱交換器
の斜視図である。
【図8】本願発明の第2の実施の形態にかかる熱交換器
の断面図である。
【符号の説明】
1は管状部材、2は水通路、3は冷媒通路、4は凹溝、
1,t2は肉厚、αは捩り角度。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に形成された水通路(2)と、該
    水通路(2)の周囲に形成され、前記水通路(2)より
    小さな通路断面積を有する複数の冷媒通路(3),
    (3)・・とを備えた1本の管状部材(1)からなって
    おり、前記冷媒通路(3),(3)・・相互間には、そ
    の底面と前記水通路(2)との間の肉厚(t1)が前記
    冷媒通路(3),(3)・・と前記水通路(2)との間
    の肉厚(t2)より薄くなるように構成された凹溝
    (4),(4)・・をそれぞれ形成したことを特徴とす
    る熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記冷媒通路(3),(3)・・同士の
    周方向間隔を等しくしたことを特徴とする前記請求項1
    記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記凹溝(4),(4)・・を、前記冷
    媒通路(3),(3)・・相互間の中心部に形成したこ
    とを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記
    載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記冷媒通路(3),(3)・・を、前
    記水通路(2)の中心に対して所定の捩り角度(α)を
    有する螺旋形状となしたことを特徴とする前記請求項
    1、2および3のいずれか一項記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記冷媒通路(3),(3)・・の断面
    形状を円形としたことを特徴とする前記請求項1、2、
    3および4のいずれか一項記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013114435A1 (ja) * 2012-01-31 2013-08-08 三菱電機株式会社 熱交換器及びヒートポンプシステム

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