JP2003020444A - 新規コーティング剤、コーティング剤の安定化剤及び安定なコーティング剤を得る方法 - Google Patents

新規コーティング剤、コーティング剤の安定化剤及び安定なコーティング剤を得る方法

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JP2003020444A
JP2003020444A JP2001209067A JP2001209067A JP2003020444A JP 2003020444 A JP2003020444 A JP 2003020444A JP 2001209067 A JP2001209067 A JP 2001209067A JP 2001209067 A JP2001209067 A JP 2001209067A JP 2003020444 A JP2003020444 A JP 2003020444A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】希釈時の安定性を高め、洗車機配管等を詰まら
せることの無い車両表面処理用コーティング剤、そのよ
うな希釈安定性を向上させる安定化剤及び安定なコーテ
ィング剤を得る方法を提供する。 【解決手段】アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
アミド化したアミド誘導体の乳化物と、カチオン基を有
する水溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメチルア
ンモニウムエトサルフェートとを含有することによっ
て、撥水性等のコーティング剤としての効果を低下させ
ることなく、希釈時の安定性を高め、洗車機配管等を詰
まらせることのない優れたコーティング剤を提供する。
上記カチオン基を有する水溶性高分子化合物又はジアル
キルエチルメチルアンモニウムエトサルフェートはコー
ティング剤を安定化し、安定化剤として用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の表面、特に
塗装面、ガラス面を含む自動車表面の新規コーティング
剤、コーティング剤の安定化剤及び安定なコーティング
剤を得る方法に関し、更に詳しくはアミノ変性シリコー
ンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコーンオイ
ルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体の乳化
物を含むコーティング剤を安定化した新規コーティング
剤、その安定化剤及びそのような安定なコーティング剤
を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車体面に対して噴霧、
塗布作業のみで撥水性を付与するコーティング剤として
は塗装面への吸着のしやすさ、撥水性からアミノ変性シ
リコーンオイルの乳化物が使用されている。例えばアミ
ノ変性シリコーンオイルを非イオン界面活性剤で乳化し
た乳化液にアルキルアンモニウム塩を含有してなる自動
塗布方法によるコーティング剤及びコーティング方法
(特開平8−188745号公報参照)及び、カチオン
界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤によるアミノ
変性シリコーンオイルの乳化物又はミクロエマルジョン
化物を0.1〜20重量%含有させたことを特徴とする
水性コーティング剤(特開2001−49189号公報
参照)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のコーティン
グ剤に使用されているアミノ変性シリコーンオイルはそ
の吸着性から撥水性に欠かざるものであるが、反応性が
高いため、その乳化物を水で希釈使用する場合に希釈水
中に含まれるリン酸イオン、硫酸イオン、ケイ酸イオ
ン、炭酸イオン等と反応し、生成した反応物が析出しや
すく、洗車機用撥水剤(コーティング剤)に使用した場
合、洗車機配管中で析出した反応物が配管を詰まらせる
など、希釈時の安定性が悪いことが問題となっている。
【0004】アミノ変性シリコーンオイルのアミノ当量
を上げることで反応性を弱くすることは可能であるが、
それと同時に撥水性、吸着性も低下しコーティング剤と
して十分な効果が得られない。
【0005】従って本発明は、撥水性を落とすことな
く、希釈時の安定性を高め、配管等を詰まらせることの
ない車両表面処理用コーティング剤を提供することを目
的とする。また、このようなアミノ変性シリコーンオイ
ルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのア
ミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物を含
有するコーティング剤の安定化剤並びにそのような安定
なコーティング剤を得る方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アミノ変性シリコ
ーンオイルのアミノ基の一部をアミド化することによ
り、撥水性等のコーティング剤としての効果を低下させ
ることなく、アミノ基の反応性を有効に低下させること
を見出した。更に、アミノ変性シリコーンオイルの乳化
物及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の
一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物に、カチオン
基を有する水溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメ
チルアンモニウムエトサルフェートを添加することによ
り有効に上記課題を解決しうることを見出し、これ等の
知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0007】すなわち、本発明の第一の視点において、
アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ
変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化した
アミド誘導体の乳化物と、カチオン基を有する水溶性高
分子化合物とを含有することを特徴とするコーティング
剤を提供する。
【0008】本発明の好ましい態様において、前記アミ
ド誘導体は、アミノ変性シリコーンオイルの5〜70%
のアミノ基を炭素数が1〜20の脂肪酸又はその誘導体
によりアミド化したものであることを特徴とする。
【0009】また、別の好ましい態様において、前記カ
チオン基を有する水溶性高分子化合物の含有率は、前記
アミノ変性シリコーンオイル及び/又はアミノ変性シリ
コーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘
導体に対して0.01〜100重量%であることを特徴
とする。
【0010】本発明の第二の視点において、アミノ変性
シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコ
ーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導
体の乳化物と、ジアルキルエチルメチルアンモニウムエ
トサルフェートとを含有することを特徴とするコーティ
ング剤を提供する。
【0011】本発明の好ましい態様において、前記アミ
ド誘導体は、アミノ変性シリコーンオイルの5〜70%
のアミノ基を炭素数が1〜20の脂肪酸又はその誘導体
によりアミド化したものであることを特徴とする。
【0012】また、別の好ましい態様において、前記ジ
アルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェートの
含有率は、前記アミノ変性シリコーンオイル及び/又は
アミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド
化したアミド誘導体に対して1〜100重量%であるこ
とを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の第三の視点において、ア
ミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変
性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したア
ミド誘導体の乳化物を含有するコーティング剤の安定化
剤であって、カチオン基を有する水溶性高分子化合物及
び/又はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサル
フェートを含有することを特徴とする。
【0014】また、本発明の第四の視点において、アミ
ノ変性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性
シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミ
ド誘導体の乳化物を含有するコーティング剤に、カチオ
ン基を有する水溶性高分子化合物及び/又はジアルキル
エチルメチルアンモニウムエトサルフェートを添加して
安定なコーティング剤を得る方法であって、該アミノ変
性シリコーンオイル及び/又はアミノ変性シリコーンオ
イルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体に対
して、該カチオン基を有する水溶性高分子化合物を0.
01〜100重量%、及び/又は該ジアルキルエチルメ
チルアンモニウムエトサルフェートを1〜100重量%
添加することを特徴とする安定なコーティング剤を得る
方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0016】本発明には、二つの形態、即ち、アミノ変
性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シリ
コーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘
導体の乳化物に対し、カチオン基を有する水溶性高分子
化合物又はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサ
ルフェートを添加することを特徴とするコーティング剤
が含まれる。
【0017】アミノ変性シリコーンオイルとしては市販
されているものを使用することができるが、例えば、ジ
メチルポリシロキサンのメチル基の一部をアミノアルキ
ル基、例えば、アミノメチル、アミノエチル、アミノプ
ロピル、アミノブチル、アミノアルキル置換アミノアル
キル基、例えば、アミノエチル置換アミノプロピル等、
アミノ基又は置換アミノ基を有する有機基の少なくとも
1種で置換した(他の置換基を含んでいても良い。)ポ
リシロキサンのアミノ変性物を使用できる。
【0018】上記アミノ変性物において、アミノ当量と
して好ましくは600g/mol以上、より好ましくは
1000〜7000g/mol程度で、動粘度が600
mm /s以上、より好ましくは800〜20000m
/s程度のアミノ変性シリコーンオイルを使用する
のがより優れたコーティング効果を示す上で好ましい。
【0019】上記アミノ変性シリコーンオイルのアミド
化は、例えば、アミノ変性シリコーンオイルに無水酢酸
や酸塩化物を反応させる方法(特開昭57−10107
6号公報参照。)、高級脂肪酸を反応させる方法(特開
平1−306683号公報参照。)及びカルボン酸ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルを反応させる方法
(特開平1−306682号公報参照。)等により行う
ことができる。
【0020】本発明では反応させるカルボン酸は上記の
無水酢酸、酸塩化物、高級脂肪酸、カルボン酸ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテルのうち何れでも良いが、
中でも炭素数が1〜20の脂肪酸又はその誘導体が好ま
しい。ここで、脂肪酸誘導体とは、脂肪酸の無水物やハ
ロゲン化物等をいう。
【0021】上記アミド誘導体のアミド化率は70%以
下が好ましい。アミド化が70%より大きいとアミノ基
が少なくなりすぎ、塗装面への吸着が弱く、撥水性、持
続性に十分なコーティング性能を付与することができな
いためである。ここでアミド化率とは、アミノ変性シリ
コーンオイル分子中に最初に存在したアミノ基のうち、
アミド化されたアミノ基の割合をいう。
【0022】本発明の第一の形態としてのアミノ変性シ
リコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコー
ンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体
の乳化物と、カチオン基を有する水溶性高分子化合物と
を含有するコーティング剤について説明する。
【0023】本発明で使用するカチオン基を有する水溶
性高分子化合物とは、分子構造中にカチオン性を有する
官能基を含む水溶性高分子化合物であり、従来より高分
子凝集剤や化粧品、帯電防止剤及び導電剤として用いら
れている。例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム
重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリル
アミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム−
アクリル酸共重合体、アルキルアミノメタクリレート4
級塩重合体、アルキルアミノアクリレート4級塩−アク
リルアミド共重合体、アルキルアミノアクリレート4級
塩−アクリルアミド−アクリル酸共重合体、第4級アン
モニウム塩型スチレン重合体、ポリ塩化ジメチルピペリ
ジニウム、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グ
アーガム、キトサン、ポリエチレンイミン、アミノ・ポ
リエーテル変性シリコーンオイル、ビニルピロリドン・
アルキルジアルキルアミノ(メタ)アクリレート共重合
体、ビニルピロリドン・ジメチルアミノメタクリレート
共重合体の4級化誘導体、ビニルピロリドン・メタクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩の共重合
体、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾールの第4級ア
ンモニウム塩との共重合体、アジピン酸・ジメチルアミ
ノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体、
アジピン酸・エポキシプロピルジエチレントリアミン共
重合体、アクリルアミド・β−メタクロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩共重合体、及び
アミノエチルアクリレートホスフェート・(メタ)アク
リレート共重合体等が挙げられる。これ等は1種用いて
も良いし、また2種以上組み合わせても良い。
【0024】また、上記カチオン基を有する水溶性高分
子化合物の含有率は、アミノ変性シリコーンオイル及び
/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
アミド化したアミド誘導体に対して0.01〜100重
量%が好ましい。0.01重量%以下であると希釈安定
化効果が低く、100重量%以上であると撥水性が低下
するためである。より好ましくは0.05〜20重量%
程度である。
【0025】次に、本発明の第二の形態としてのアミノ
変性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シ
リコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド
誘導体の乳化物と、ジアルキルエチルメチルアンモニウ
ムエトサルフェートとを含有するコーティング剤につい
て説明する。
【0026】前記ジアルキルエチルメチルアンモニウム
エトサルフェートは下記一般式(1)で示され、これを
含有する混合物は例えば、アーカード2HT−50ES
(製品名)として販売されている。
【0027】
【化1】 (1) 但し、上記式中、Rは炭素数が8〜30を有する飽和又
は不飽和炭化水素基を表す。
【0028】また、上記ジアルキルエチルメチルアンモ
ニウムエトサルフェートの含有率は、アミノ変性シリコ
ーンオイル及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのア
ミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体に対して1〜
100重量%が好ましい。1重量%以下であると希釈安
定化効果が低く、100重量%以上であると撥水性が低
下するためである。より好ましくは5〜40重量%程度
である。
【0029】カチオン基を有する水溶性高分子化合物又
はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェー
トの添加は、アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
アミド化したアミド誘導体の乳化物に添加しても良い
し、アミノ変性シリコーンオイル及び/又はアミノ変性
シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミ
ド誘導体を乳化する時点で添加しても良い。
【0030】前記コーティング剤に使用する乳化剤とし
ては、界面活性剤であれば何れも使用可能であるが、好
ましくは非イオン界面活性剤が使用される。その種類等
には特に制限されないが、より好ましくは、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド
等、イオン性を含有していないものを採用することがで
き、その中でもポリオキシエチレンアルキルエーテルが
最も好ましい。これ等界面活性剤は1種用いても良い
し、また、2種以上組み合わせて用いても良い。なお、
市販のアミノ変性シリコーンオイルエマルジョンも使用
することができる。
【0031】上記乳化物の調製については特に困難は無
く、使用するアミノ変性シリコーンオイル又はアミノ変
性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したア
ミド誘導体に対し、非イオン界面活性剤を好ましくは1
0〜100重量%程度使用して攪拌及び乳化して水系乳
化剤とし、実際に使用する際、上記アミノ変性シリコー
ンオイル又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の
一部をアミド化したアミド誘導体分として好ましくは
0.01〜1重量%程度となるように濃度を調整すると
良い。
【0032】本発明は、アミノ変性シリコーンオイルの
乳化物及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ
基の一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物と、カチ
オン基を有する水溶性高分子化合物又はジアルキルエチ
ルメチルアンモニウムエトサルフェートとを含むコーテ
ィング剤であり、本発明の目的を阻害しない範囲で、必
要に応じて各種添加剤を含むこともできる。例えば、安
定化剤、凍結防止剤、防錆剤、防腐剤、紫外線吸収剤、
色素等を挙げることができる。
【0033】また、本発明は、上記カチオン基を有する
水溶性高分子化合物及び/又はジアルキルエチルメチル
アンモニウムエトサルフェートを含むコーティング剤の
安定化剤であって、これらを添加することによって、ア
ミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変
性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したア
ミド誘導体の乳化物を含むコーティング剤の希釈安定性
を向上することができ、例えば洗車機等の配管の目詰ま
りを起こすことなくコーティングすることができる。
【0034】本発明のコーティング剤について、車両表
面、特に自動車表面に塗布する場合のコーティング方法
については特に制限は無い。従って、噴霧、塗布等の通
常行われるコーティング剤による表面処理方法が採用可
能であるが、スプレー洗車機等の各種洗車機で自動塗布
することもできる。
【0035】以上、本発明のコーティング剤は有効成分
として、アミノ変性シリコーンオイル乳化物及び/又は
アミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド
化したアミド誘導体の乳化物と、カチオン基を有する水
溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメチルアンモニ
ウムエトサルフェートとを所定量均一に混合した状態で
目的とする製品を取得することができる。
【0036】本発明のコーティング剤の使用方法等につ
いては、上記において説明した通りである。従って、本
発明を実施するには特に困難は無く、一定濃度に希釈し
たものを車両表面、特に自動車表面に対し噴霧、塗布等
の通常行われるコーティング剤による表面処理を行うと
良い。また、スプレー洗車機等の各種洗車機で自動塗布
することもできる。その後、必要により乾燥することに
より、自動車の外部表面、特に塗装面、ガラス面、ゴム
製表面等を含めて自動車外部表面全体に撥水性、光沢性
(ツヤ)等において長期にわたって優れた塗装面への被
膜を形成することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例、及び比較例により本発明を詳
細に説明するが、本発明はこれ等の実施例、及び比較例
に限定されるものではない。
【0038】[実施例1]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84%を加えて乳化した後、マーコート550
(商品名)(カルゴン社製;塩化ジメチルジアリルアン
モニウム・アクリルアミド共重合体8%溶液)1%を加
えコーティング剤試料とした。
【0039】[実施例2]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84.8%を加えて乳化した後、マーコート10
0(商品名)(カルゴン社製、ポリ塩化ジメチルメチレ
ンピペリジウム40%溶液)0.2%を加えコーティン
グ剤試料とした。
【0040】[実施例3]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84.9%を加えて乳化した後、カチナールHC
−100(商品名)(東邦化学工業製;カチオン化セル
ロース誘導体)0.1%を加えコーティング剤試料とし
た。
【0041】[実施例4]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84%を加えて乳化し、ジオクタデシルエチルメ
チルアンモニアエトサルフェート1%を加えコーティン
グ剤試料とした。
【0042】[実施例5]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10重量部に無水酢酸0.057重量部(アミド化
率10%)を加えて反応容器に仕込み、チッソガス中で
昇温し100〜110℃の温度で約1時間反応させてア
ミド化した。このアミド誘導体10%にポリオキシエチ
レンアルキルエーテル5%、水84%を加えて乳化した
後、マーコート550(カルゴン社製;塩化ジメチルジ
アリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体8%溶
液)1%を加えコーティング剤試料とした。
【0043】[比較例1]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水85%を加えて乳化し、コーティング剤試料とし
た。
【0044】[比較例2]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84.9%を加えて乳化した後、サンフロックN
−500P(商品名)(三洋化成工業製;ポリアクリル
アミド)0.1%を加えコーティング剤試料とした。
【0045】[比較例3]動粘度1200mm/sでア
ミノ当量1800g/molのアミノ変性シリコーンオ
イル10%にポリオキシエチレンアルキルエーテル5
%、水84.9%を加えて乳化した後、ヒドロキシプロ
ピルセルロース(日本曹達製)0.1%を加えコーティ
ング剤試料とした。
【0046】[試験方法1]撥水性の評価 自動車を洗浄剤で洗浄した後、前記組成のコーティング
剤を水で200倍に希釈したものを3L噴霧し、10L
の水で濯いだ。自動車表面に得られた塗装面上に被膜の
撥水性を目視観察により比較した。
【0047】尚、評価基準は次のとおりである; ○:良好な撥水状態、 ×:撥水性無し。
【0048】[試験方法2]希釈安定性の評価前記組成の
コーティング剤をイオン交換水にケイ酸ナトリウム10
0ppm、炭酸ナトリウム100ppmを加えた水で2
00倍に希釈し、サンプル瓶に入れ24時間放置した。
放置後の溶液の状態を目視観察により比較した。
【0049】尚、評価基準は次のとおりである; ○:透明な溶液、 ×:白濁している。
【0050】上記試験方法1及び2により行った試験の
結果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】[試験結果]表1より、実施例のコーティン
グ剤試料は、撥水性において何れも比較例1と同等の撥
水性を有しており、更に希釈安定性が高いことが確認さ
れた。また、比較例2及び3のようにカチオン基を持た
ない水溶性高分子化合物を添加しても希釈安定性の向上
は見られなかった。
【0053】以上のことから、アミノ変性シリコーンオ
イルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコーンオイルの
アミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物を
コーティング剤として水で希釈使用するときに生ずる各
種反応物の析出、即ち希釈水中の不純物とアミノ基との
反応を抑え、希釈安定性を高めるためにカチオン基を有
する水溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメチルア
ンモニウムエトサルフェートを添加することが有効であ
ることは明らかである。よって、カチオン基を有する水
溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメチルアンモニ
ウムエトサルフェートを添加することにより、洗車機配
管等を詰まらせることの無い車両表面処理用コーティン
グ剤を提供することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、車両表面、特に自動車の
車体面、ガラス面、ゴム製品等に広く、長期間に渡って
撥水性及び光沢性に優れた効果を発揮する被膜を付与で
き、また、洗車機を用いた場合には配管を詰まらせるこ
と無く塗布できるコーティング剤、即ち、アミノ変性シ
リコーンオイルの乳化物及び/又はアミノ変性シリコー
ンオイルのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体
の乳化物と、カチオン基を有する水溶性高分子化合物又
はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェー
トとを有効成分として含有したコーティング剤を提供す
ることができる。
【0055】特に、アミノ変性シリコーンオイルの乳化
剤及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の
一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物が有する高い
撥水効果を維持したままで希釈時の安定性を著しく改善
できるので、洗車機等に使用したときの詰まりもなく且
つ撥水性の優れた被膜(コーティング膜)を形成するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA012 BA022 CC092 CD012 CG032 CG142 CG172 CH212 CK022 CK032 DJ012 DL081 DL082 GA09 GA13 GA14 JC13 KA02 MA08 MA09 MA10 NA07 NA25 PB07 PC02 PC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
    /又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
    アミド化したアミド誘導体の乳化物と、カチオン基を有
    する水溶性高分子化合物とを含有することを特徴とする
    コーティング剤。
  2. 【請求項2】前記アミド誘導体は、アミノ変性シリコー
    ンオイルの5〜70%のアミノ基を炭素数が1〜20の
    脂肪酸又はその誘導体によりアミド化したものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のコーティング剤。
  3. 【請求項3】前記カチオン基を有する水溶性高分子化合
    物は、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化
    ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合
    体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共
    重合体、アルキルアミノメタクリレート4級塩重合体、
    アルキルアミノアクリレート4級塩・アクリルアミド共
    重合体、アルキルアミノアクリレート4級塩・アクリル
    アミド・アクリル酸共重合体、第4級アンモニウム塩型
    スチレン重合体、ポリ塩化ジメチルピペリジニウム、カ
    チオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、キ
    トサン、ポリエチレンイミン、アミノ・ポリエーテル変
    性シリコーンオイル、ビニルピロリドン・アルキルジア
    ルキルアミノ(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピ
    ロリドン・ジメチルアミノメタクリレート共重合体の4
    級化誘導体、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロ
    ピルトリメチルアンモニウム塩の共重合体、ビニルピロ
    リドン・ビニルイミダゾールの第4級アンモニウム塩と
    の共重合体、アジピン酸・ジメチルアミノヒドロキシプ
    ロピルジエチレントリアミン共重合体、アジピン酸・エ
    ポキシプロピルジエチレントリアミン共重合体、アクリ
    ルアミド・β−メタクロイルオキシエチルトリメチルア
    ンモニウムメチル硫酸塩共重合体、及びアミノエチルア
    クリレートホスフェート・(メタ)アクリレート共重合
    体からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性
    高分子化合物であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のコーティング剤。
  4. 【請求項4】前記カチオン基を有する水溶性高分子化合
    物の含有率は、前記アミノ変性シリコーンオイル及び/
    又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をア
    ミド化したアミド誘導体に対して0.01〜100重量
    %であることを特徴とする請求項1〜3何れか記載のコ
    ーティング剤。
  5. 【請求項5】アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
    /又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
    アミド化したアミド誘導体の乳化物と、ジアルキルエチ
    ルメチルアンモニウムエトサルフェートとを含有するこ
    とを特徴とするコーティング剤。
  6. 【請求項6】前記アミド誘導体は、アミノ変性シリコー
    ンオイルの5〜70%のアミノ基を炭素数が1〜20の
    脂肪酸又はその誘導体によりアミド化したものであるこ
    とを特徴とする請求項5記載のコーティング剤。
  7. 【請求項7】前記ジアルキルエチルメチルアンモニウム
    エトサルフェートの含有率は、前記アミノ変性シリコー
    ンオイル及び/又はアミノ変性シリコーンオイルのアミ
    ノ基の一部をアミド化したアミド誘導体に対して1〜1
    00重量%であることを特徴とする請求項5又は6記載
    のコーティング剤。
  8. 【請求項8】アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
    /又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
    アミド化したアミド誘導体の乳化物を含有するコーティ
    ング剤の安定化剤であって、カチオン基を有する水溶性
    高分子化合物及び/又はジアルキルエチルメチルアンモ
    ニウムエトサルフェートを含有することを特徴とする安
    定化剤。
  9. 【請求項9】アミノ変性シリコーンオイルの乳化物及び
    /又はアミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部を
    アミド化したアミド誘導体の乳化物を含有するコーティ
    ング剤に、カチオン基を有する水溶性高分子化合物及び
    /又はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフ
    ェートを添加して安定なコーティング剤を得る方法であ
    って、該アミノ変性シリコーンオイル及び/又はアミノ
    変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化した
    アミド誘導体に対して、該カチオン基を有する水溶性高
    分子化合物を0.01〜100重量%、及び/又は該ジ
    アルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェートを
    1〜100重量%添加することを特徴とする安定なコー
    ティング剤を得る方法。
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JP2007196612A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Seiko Epson Corp キャップ及び液体噴射装置
JP2016014101A (ja) * 2014-07-02 2016-01-28 エムケー精工株式会社 車両コーティング剤及びそれを用いた車体処理方法及び車体処理装置
CN105694723A (zh) * 2016-04-01 2016-06-22 云南佑琳生科技有限公司 一种内墙三合一干粉涂料

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