JP2012007073A - 表面改質処理剤及び表面改質処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易な方法で、アミノ変性シリコーンの車体表面吸着を自由に制御し、撥水性をコントロールできる新規な表面改質処理剤と表面改質処理方法を提供すること。
【解決手段】水で希釈して表面改質処理用塗布液として使用する表面改質処理剤。アミノ基を無機酸等で中和変性したアミノ変性シリコーンと界面活性剤を含む。界面活性剤を、1種以上の非イオン界面活性剤及び1種以上の両性界面活性剤との併用系とし、それらをそれぞれ1〜20%含有するものとする。
【選択図】なし
【解決手段】水で希釈して表面改質処理用塗布液として使用する表面改質処理剤。アミノ基を無機酸等で中和変性したアミノ変性シリコーンと界面活性剤を含む。界面活性剤を、1種以上の非イオン界面活性剤及び1種以上の両性界面活性剤との併用系とし、それらをそれぞれ1〜20%含有するものとする。
【選択図】なし
Description
本発明は、撥水性付与や表面保護を目的として使用される表面改質処理剤に関する。さらに詳しくは、水等で希釈して表面改質処理用塗布液とし、該塗布液を用いて、車両の塗装面やガラス面等へ洗車機又は手作業により、さらには、バスタブ等のプラスチック製品表面の美観維持のために機械又は手作業により、表面改質処理をするのに使用される表面改質処理剤に関する。
従来から、自動車等の車両表面に対して撥水性を付与する表面改質処理剤(コーティング剤)として、塗装面への吸着のしやすさや撥水性からアミノ変性シリコーン乳化物が使用されている。
例えば、特許文献1では、アミノ変性シリコーンを非イオン界面活性剤で乳化した乳化液にアルキルアンモニウム塩を含有させた液が提案されている。
特許文献2では、カチオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤によるアミノ変性シリコーンオイルの乳化物またはマイクロエマルションが提案されている。
特許文献3では、アミノ変性シリコーン及び/又はアミノ変性シリコーンのアミノ基の一部をアミド化したアミド誘導体の乳化物と、カチオン基を有する水溶性高分子化合物又はジアルキルエチルメチルアンモニウムエトサルフェートとを含有することで、コーティング剤の効果を損なうことなく、希釈時の安定性を高め、洗車機配管等を詰まらせることのないコーティング剤が提案されている。
特許文献4では、アミノ変性シリコーンとジメチルシリコーンを特定のHLBを有する非イオン界面活性剤で乳化した乳化物を含んだ光沢撥水付与組成物(コーティング剤)が開示されている。
特許文献5では、アミノ変性シリコーンとジアルキルシリコーンや変性アルキルシリコーン、粒子径を規定した疎水性表面を有するポリマー微粒子、非イオン界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤を含んだコーティング剤が提案されている。
上記各特許文献に記載された表面改質処理剤(コーティング剤)は、いずれもアミノ変性シリコーンの吸着性を活用し、車体表面に付着させる点において共通する。
しかし、各種含有成分により、表面への吸着の阻害や、撥水性が不安定という問題があった。
なお、特許文献3では、希釈時の安定性を高め、洗車機配管等を詰まらせることのないようにするため、アミノ基をカルボン酸でアミド化させるに際して、不活性ガス雰囲気下で反応させる必要がある。
本発明の目的は、上記の如く、不活性ガス雰囲気下で反応させなくても、比較的容易な方法で、アミノ変性シリコーンを中和変性でき、被処理面に対する表面吸着性を自由に制御して、撥水性をコントロールできる新規な表面改質処理剤および表面改質処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、鋭意、開発に努力をした結果、下記構成の表面改質処理剤に想到した。
水で希釈して表面改質処理用塗布液として使用する表面改質処理剤であって、
アミノ基を中和変性したアミノ変性シリコーンと界面活性剤を含有するものにおいて、
該界面活性剤が、1種以上の非イオン界面活性剤と1種以上の両性界面活性剤とを、それぞれ1〜20質量%含有するものであることを特徴とする。
アミノ基を中和変性したアミノ変性シリコーンと界面活性剤を含有するものにおいて、
該界面活性剤が、1種以上の非イオン界面活性剤と1種以上の両性界面活性剤とを、それぞれ1〜20質量%含有するものであることを特徴とする。
上記において、アミノ基の中和変性が、無機酸の添加により行なわれていることが望ましい。
表面改質処理剤を水で希釈したときの表面改質処理用塗布液の経時安定性を確保し、更に、アミノ変性シリコーンの中和変性を無機酸の添加で行なうことにより、撥水性等の表面改質処理効果を自由に制御することが可能となる。
本発明による表面改質処理剤は、水で希釈して表面改質処理用塗布液としたときの経時安定性(所要の可使時間)を確保でき、また、洗車機等を用いての車両のガラス面や塗装面の表面改質処理(以下「車両の表面改質処理」という。)において、撥水付与性や撥水持続性、汚れ経時付着防止等の表面改質処理効果に優れる。本発明による表面改質処理剤は、車両の表面改質処理ばかりでなく、バスタブ等のプラスチック類製品の表面改質処理にも用いることができる。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。以下の説明で、組成を示す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
A.表面改質処理剤の組成
本発明の表面改質処理剤は、アミノ基を中和変性させたアミノ変性シリコーン(1)と、界面活性剤の組合わせにおいて、界面活性剤が、非イオン界面活性剤(2)と両性界面活性剤(3)とを、それぞれ1〜20%含有するものである。望ましい態様は、アミノ基の中和変性が、無機酸の添加により行なわれたものである。
本発明の表面改質処理剤は、アミノ基を中和変性させたアミノ変性シリコーン(1)と、界面活性剤の組合わせにおいて、界面活性剤が、非イオン界面活性剤(2)と両性界面活性剤(3)とを、それぞれ1〜20%含有するものである。望ましい態様は、アミノ基の中和変性が、無機酸の添加により行なわれたものである。
(1)アミノ変性シリコーン:
従来から車両の表面改質処理剤(コーティング剤)の主成分として用いられているアミノ変性シリコーンをいずれも使用できる。
従来から車両の表面改質処理剤(コーティング剤)の主成分として用いられているアミノ変性シリコーンをいずれも使用できる。
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ当量:500〜3000g/mol、動粘度(25℃):100〜3000mm2/sの特性を有する側鎖ジアミン型変性シリコーンから適宜選択することが望ましい。
アミノ当量が低い場合は、撥水付与性に乏しく、アミノ当量が高いと表面改質処理剤の品質安定性に問題が発生し易くなる。動粘度が低いと、被処理面の撥水性維持が困難となり、表面改質処理剤(表面改質処理用塗布液を含む。)の粘度が高くなって、塗布作業性を含むハンドリング性に問題が発生し易くなる。
アミノ基の中和変性のために添加する無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸などが挙げられ、それの内から1種以上選択して使用する。無機酸は、アミノ基の中和変性に際して、特許文献3の有機酸における如く、不活性雰囲気下で反応させる必要がないとともに、有機酸に比して、経済性に優れているほか、特異臭の問題も発生し難い。
このとき無機酸の添加量は、アミノ基に対して0.3〜2.0当量とすることが望ましい。
無機酸の添加量が少ないと、アミノ基の中和変性が十分に進まず、撥水付与性が強すぎることがある。このため、被処理面にシミ等が発生し被処理体(車両等)の美観を損なうおそれがある。また、表面改質処理用塗布液の経時安定性に欠け(可使時間が短い。)、さらには、撥水持続性や汚れ経時付着防止効果を得がたくなる。
無機酸の添加量が多くても、それ以上の効果を得難く、省資源の見地から望ましくない。
(2)非イオン界面活性剤:
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を挙げることができ、これらの内から1種以上を選択して、前述の如く、1〜20%含有させて使用する。これらの中で、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、経済性と生産性の観点から特に好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を挙げることができ、これらの内から1種以上を選択して、前述の如く、1〜20%含有させて使用する。これらの中で、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、経済性と生産性の観点から特に好ましい。
(3)両性界面活性剤:
ベタイン型(例えば、ラウリルジメチルベタイン)、カルボキシメチルアミン型(例えば、ラウリルアミノジ酢酸塩)、脂肪酸アミドプロピルベタイン型(例えば、ラウリン酸アミノプロピルベタイン)、およびイミダゾリニウム型を挙げることができ、これらの内から1種以上選択して、前述の如く、1〜20%含有させて使用する。
ベタイン型(例えば、ラウリルジメチルベタイン)、カルボキシメチルアミン型(例えば、ラウリルアミノジ酢酸塩)、脂肪酸アミドプロピルベタイン型(例えば、ラウリン酸アミノプロピルベタイン)、およびイミダゾリニウム型を挙げることができ、これらの内から1種以上選択して、前述の如く、1〜20%含有させて使用する。
これらの中でベタイン型、カルボキシメチルアミン型が、経済性と生産性の観点から特に好ましい。
(4)その他の成分
本発明の表面改質処理剤は、通常、各必須成分を水(必要により極性有機溶剤を追加)に溶解させた組成とする。表面改質処理用塗布液の調製を容易とするためである。
本発明の表面改質処理剤は、通常、各必須成分を水(必要により極性有機溶剤を追加)に溶解させた組成とする。表面改質処理用塗布液の調製を容易とするためである。
上記必須成分及び水に加えて、本発明の目的を妨げない範囲において、適宜、極性有機溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、水溶性高分子、防腐剤、色素、香料などを含有することができる。
B.表面改質処理剤の使用態様
本発明の表面改質処理剤は、アミノ変性シリコーンの濃度によるが、通常、水道水で約100〜500倍に希釈して使用する。
本発明の表面改質処理剤は、アミノ変性シリコーンの濃度によるが、通常、水道水で約100〜500倍に希釈して使用する。
本発明の表面改質処理剤は、水で希釈して、車両等の表面改質処理に使用する。
即ち、表面改質処理剤を水道水で希釈して表面改質処理用塗布液として、車両表面に塗布したり、ハンドスプレーを用いて手作業でスプレー塗布したりする。
本発明の表面改質処理剤は、車両の表面改質処理に限定されず、ハンドスプレーを用いてバスタブ等のプラスチック製品の表面改質処理にも使用することも勿論できる。
以下に、本発明の効果を確認するために比較例とともに行なった実施例について説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明で、組成を示す「%」は、特に断らない限り、「質量%」を意味する。
<表面改質処理剤の調製>
実施例および比較例で使用した側鎖ジアミン型変性シリコーンは、下記仕様のものを使用した。なお、参考のために表1に各実施例・比較例の組成を纏めて表示しておく。
実施例および比較例で使用した側鎖ジアミン型変性シリコーンは、下記仕様のものを使用した。なお、参考のために表1に各実施例・比較例の組成を纏めて表示しておく。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン・・・アミノ当量1800g/mol、25℃における動粘度700mm2/s
[実施例1]
下記各成分を下記組成となるように、常温・常圧下で、攪拌しながら調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン: 6%
・無機酸:塩酸 1.5当量
・非イオン界面活性剤:鎖長の異なるポリオキシエチレンアルキルエーテル2種類の混合物 5%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 2%
・両性界面活性剤(2):ベタイン型 3%
・極性有機系溶剤: 12%
・水 残部
下記各成分を下記組成となるように、常温・常圧下で、攪拌しながら調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン: 6%
・無機酸:塩酸 1.5当量
・非イオン界面活性剤:鎖長の異なるポリオキシエチレンアルキルエーテル2種類の混合物 5%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 2%
・両性界面活性剤(2):ベタイン型 3%
・極性有機系溶剤: 12%
・水 残部
[実施例2]
実施例1において、側鎖ジアミン型変性シリコーンとして、アミノ基中和剤(塩酸0.5当量)とした以外は、同様の組成として、且つ、同様にして調製した。
実施例1において、側鎖ジアミン型変性シリコーンとして、アミノ基中和剤(塩酸0.5当量)とした以外は、同様の組成として、且つ、同様にして調製した。
[実施例3]
下記各成分が下記組成となるように、実施例1と同様の方法で調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン 5%
・無機酸:硫酸 1.0当量
・非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル 4%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 4%
・極性有機系溶剤: 15%
・水 残部
下記各成分が下記組成となるように、実施例1と同様の方法で調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン 5%
・無機酸:硫酸 1.0当量
・非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル 4%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 4%
・極性有機系溶剤: 15%
・水 残部
[比較例1]
実施例3において、無機酸を添加しない以外は、同様の組成にして、且つ、同様の方法で調製した。
実施例3において、無機酸を添加しない以外は、同様の組成にして、且つ、同様の方法で調製した。
[比較例2]
下記各成分が下記組成となるように、実施例1と同様の方法で調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン 6%
・無機酸:塩酸 1.0当量
・非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル 6%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 0.1%
(2):ベタイン型 0.1%
・極性有機系溶剤 15%
・水 残部
下記各成分が下記組成となるように、実施例1と同様の方法で調製した。
・側鎖ジアミン型変性シリコーン 6%
・無機酸:塩酸 1.0当量
・非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル 6%
・両性界面活性剤(1):カルボキシメチルアミン型 0.1%
(2):ベタイン型 0.1%
・極性有機系溶剤 15%
・水 残部
<評価試験>
上記実施例・比較例の表面改質処理剤を用いて下記各項目の評価試験を行なった。
上記実施例・比較例の表面改質処理剤を用いて下記各項目の評価試験を行なった。
(1)車両に対する撥水性付与・撥水持続性の評価試験
車両を洗浄剤を用いて洗浄した。続いて、門型洗車機に各実施例・比較例の表面改質処理剤をセットし、水道水で200倍に希釈して表面改質処理用塗布液を調製した。該塗布液を用いて3Lスプレー塗布した。さらに10Lの水で濯ぎ、直後の塗装表面の撥水状態を目視観察により比較した。その後、10日間、屋根のない空間に車両を置いた後、車体に10Lの水をかけて、10日後の塗装表面の撥水状態を目視観察により比較した。
車両を洗浄剤を用いて洗浄した。続いて、門型洗車機に各実施例・比較例の表面改質処理剤をセットし、水道水で200倍に希釈して表面改質処理用塗布液を調製した。該塗布液を用いて3Lスプレー塗布した。さらに10Lの水で濯ぎ、直後の塗装表面の撥水状態を目視観察により比較した。その後、10日間、屋根のない空間に車両を置いた後、車体に10Lの水をかけて、10日後の塗装表面の撥水状態を目視観察により比較した。
そして、評価基準は、それぞれ下記の通りとした。
1)撥水性付与の評価
・○ 良好な撥水性を示し、水滴が流れ落ちていく状態。
・△ やや良好な撥水性を示し、水滴は流れ落ちるが、その流れが遅い状態、又は良好な撥水性を示すが、塗布後乾燥表面にシミ等が認められる状態。
・× 撥水性にムラがあり、水滴が不均一である状態。
・○ 良好な撥水性を示し、水滴が流れ落ちていく状態。
・△ やや良好な撥水性を示し、水滴は流れ落ちるが、その流れが遅い状態、又は良好な撥水性を示すが、塗布後乾燥表面にシミ等が認められる状態。
・× 撥水性にムラがあり、水滴が不均一である状態。
2)撥水持続性の評価:
・○ 良好な撥水性を維持し、汚れの付着も軽度である状態。
・△ 良好な撥水性を維持するが、汚れの付着が重度である状態。
・× 撥水性を維持していない状態。
・○ 良好な撥水性を維持し、汚れの付着も軽度である状態。
・△ 良好な撥水性を維持するが、汚れの付着が重度である状態。
・× 撥水性を維持していない状態。
(2)表面改質処理用塗布液安定性の評価試験
イオン交換水にケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩をそれぞれ50mg/Lを加えた試験水を用意した。前記各実施例・比較例の表面改質処理剤を試験水で200倍に希釈し、24h放置した。放置後の溶液の状態を目視観察により比較した。
イオン交換水にケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩をそれぞれ50mg/Lを加えた試験水を用意した。前記各実施例・比較例の表面改質処理剤を試験水で200倍に希釈し、24h放置した。放置後の溶液の状態を目視観察により比較した。
そして評価基準は下記の通りとした。
・○ 清澄な溶液。
・△ やや白濁している傾向が認められる。
・× 明確に白濁が認められる。
・△ やや白濁している傾向が認められる。
・× 明確に白濁が認められる。
(3)各種被処理体に対する撥水性付与の評価試験
被処理体として、1)車両塗装テストプレート、2)バスタブ用FRPテストプレート、3)バスタブ用アクリルテストプレートを用意した。
被処理体として、1)車両塗装テストプレート、2)バスタブ用FRPテストプレート、3)バスタブ用アクリルテストプレートを用意した。
前記各実施例・比較例の表面改質処理剤を水道水で200倍に希釈して表面処理用塗布液とした。該塗布液を用いて、ハンドスプレーを用いて各テストプレートに吹きつけ、1分後に水で濯いだ。テストプレート表面の撥水、光沢状態を目視で比較評価した。
・○ 良好な撥水性を示し、水滴が流れ落ちていく状態。
・△ やや良好な撥水性を示し、水滴は流れ落ちるが、その流れが遅い状態、又は良好な撥水性を示すが、塗布後乾燥表面にシミ等が認められる状態。
・× 撥水性にムラがあり、水滴が不均一である状態。
・△ やや良好な撥水性を示し、水滴は流れ落ちるが、その流れが遅い状態、又は良好な撥水性を示すが、塗布後乾燥表面にシミ等が認められる状態。
・× 撥水性にムラがあり、水滴が不均一である状態。
上記撥水性付与評価・撥水持続性評価・表面改質処理用塗布液安定性評価の各試験結果を表2に、各種被処理体に対する撥水性付与評価の試験結果を表3に示す。
表2の試験結果から、実施例1〜3では、いずれも撥水性、持続性、溶液安定性の項目において、満足できる性能を有していた。
比較例1では、無機酸による中和を行わないことで、直後の撥水性は良好であったが、持続性において、汚れの付着が重度であった。表面改質処理剤としての性能が制御されていないことを意味している。
比較例2では非イオン界面活性剤とともに両性界面活性剤を含んでいるが、両性界面活性剤が不足しているため、表面改質処理用塗布液安定性の評価に問題があった。
表3の試験結果から、実施例1〜3の表面改質処理剤は車両塗装に限定されず、バスタブ等に使用されるFRPやアクリル表面にも撥水性、光沢性を付与することができることが確認できた。
Claims (8)
- 水で希釈して表面改質処理用塗布液として使用する表面改質処理剤であって、
アミノ基を中和変性したアミノ変性シリコーンと界面活性剤を含有するものにおいて、
該界面活性剤が、1種以上の非イオン界面活性剤と1種以上の両性界面活性剤とを、それぞれ1〜20質量%含有するものであることを特徴とする表面改質処理剤。 - 前記アミノ基の中和変性が、無機酸の添加により行なわれていることを特徴とする請求項1記載の表面改質処理剤。
- 前記アミノ変性シリコーンが、アミノ当量:500〜3000g/mol、動粘度(25℃):100〜3000mm2/sの特性を有する側鎖ジアミン型変性シリコーンであることを特徴とする請求項1又は2記載の表面改質処理剤。
- 前記アミノ変性シリコーンのアミノ基の中和変性が、0.3〜2.0当量の塩酸又は硫酸で中和変性されてなることを特徴とする請求項1〜3いずれか一記載の表面改質処理剤。
- 前記非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれるいずれか少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の表面改質処理剤。
- 前記両性界面活性剤が、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、カルボキシメチルアミン型およびイミダゾリニウム型からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の表面改質処理剤。
- 請求項1〜6いずれか一記載の表面改質処理剤を水で希釈して表面改質処理用の塗布液とし、該塗布液を、洗車機を用いて車両表面に塗布することを特徴とする車両の表面改質処理方法。
- 請求項1〜6いずれか一記載の表面改質処理剤を水で希釈して表面改質処理用の塗布液とし、該塗布液を、プラスチック類製品の表面に塗布して撥水性を向上させることを特徴とするプラスチック製品の表面改質処理方法。
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WO2016136811A1 (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 三井化学株式会社 | 変性アクリル樹脂硬化物、及びその積層体、並びに、これらの製造方法 |
-
2010
- 2010-06-24 JP JP2010144155A patent/JP2012007073A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016136811A1 (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 三井化学株式会社 | 変性アクリル樹脂硬化物、及びその積層体、並びに、これらの製造方法 |
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CN107250226A (zh) * | 2015-02-25 | 2017-10-13 | 三井化学株式会社 | 改性丙烯酸树脂固化物及其层叠体以及它们的制造方法 |
US10428194B2 (en) | 2015-02-25 | 2019-10-01 | Mitsui Chemicals, Inc. | Modified acrylic resin cured product, and laminate thereof, and production methods therefor |
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