JP2003020417A - 着色組成物及びその製造方法 - Google Patents

着色組成物及びその製造方法

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Hiroshi Nakayama
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義和 土屋
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誠三 木部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも銅フタロシアニン及び樹脂を含
む、印刷インキ、塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電
子写真用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写
記録用インキ、筆記具用インキ、カラーフィルター用着
色剤及び化粧品用着色剤などとして使用される着色組成
物において、鮮明性や着色力を改良し、しかも健康や環
境に影響しない着色組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも銅フタロシアニン及び樹脂を
含む着色組成物において、銅フタロシアニンが、フタル
酸誘導体類の含有率が1.0重量%以下の粗製銅フタロ
シアニン、またはこれを出発原料とするプレ顔料もしく
は顔料であることを特徴とする着色組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷インキ(オフ
セットインキ、グラビアインキなどの)、各種塗料、プ
ラスチック等の着色剤、顔料捺染剤、電子写真用(乾式
または湿式)トナー、インクジェット記録用インキ、熱
転写記録用インキ、筆記具用インキ、カラーフィルター
等の着色剤及び化粧品用着色剤などとして使用される着
色組成物およびその製造方法に関する。更に詳しくは、
少なくとも銅フタロシアニン及び樹脂を含む着色組成物
において、銅フタロシアニンがフタル酸誘導体類の含有
率が1.0重量%以下の粗製銅フタロシアニン、または
これを出発原料とするプレ顔料もしくは顔料を使用する
ことで、鮮明性や着色力に優れ、しかも健康、環境に影
響しない着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に銅フタロシアニン顔料は、例え
ば、フタル酸、またはその誘導体、尿素、またはその誘
導体を銅化合物、触媒の存在下に有機溶剤中で加熱反応
させる尿素法(ワイラー法)や、フタロジニトリルを銅
化合物の存在下に有機溶剤中で加熱反応させるニトリル
法などの方法で合成される。しかしながら、合成後の銅
フタロシアニンは粗製銅フタロシアニンとよばれ、一次
粒子が非常に粗大(10〜100μm)であることか
ら、そのまま顔料として使用することはできない。この
ため着色組成物の製造においては、粗製銅フタロシアニ
ンを乾式磨砕法や湿式磨砕法に代表される顔料化の方法
によって、一次粒子を微細に調整(1μm以下)し、顔
料としての適性を付与したものが使用されている。
【0003】印刷インキ、塗料、プラスチック、顔料捺
染剤、電子写真用トナー、インクジェット記録用イン
キ、熱転写記録用インキ、筆記具用インキ、カラーフィ
ルター用などの着色剤及び化粧品用の着色剤などとして
用いられる着色組成物は、通常、二本ロール、三本ロー
ル、加熱ニーダー、圧加熱ニーダー、一軸押出機、二軸
押出機などの混練分散機や、ボールミルやビーズミルな
どの分散機を使用し、顔料を樹脂、または樹脂溶液中に
均一に分散させることで製造される。また、印刷インキ
の製造では、顔料の水性プレスケーキを使用するフラッ
シング法も用いられる。
【0004】着色組成物の製造に関しては、さらに、種
々の合理化法も提案されており、特に印刷インキの製造
では、銅フタロシアニン合成後の反応スラリーをそのま
ま分散機で湿式分散して顔料化する方法(特開平8−3
02229号公報、特開平9−188828号公報)
や、粗製銅フタロシアニンを分散機で湿式分散して顔料
化する方法(特開平6−80898号公報、特開平11
−60982号公報)や、粗製銅フタロシアニンを乾式
粉砕してその一次粒子の粒径を1μm以下に微細化して
プレ顔料とした後、このプレ顔料を分散機で湿式分散し
て顔料化する方法(特開平7−310024号公報)な
どの合理化された顔料化法から製造された顔料を使用す
る方法や、顔料の形態(顔料化工程)を経ることなく、
粗製銅フタロシアニンやプレ顔料から直接着色組成物を
製造する方法(特公昭55−6670号公報、特開平2
−294365号公報、特開平9−272833号公
報、特開平9−291222号公報、特開平11−16
54など号公報)が検討されている。
【0005】一般に、合成直後の銅フタロシアニンに
は、未反応原料や原材料中に含まれたあるいは合成時に
副成されたフタル酸誘導体類を中心とする化合物や銅化
合物などが、不純物(以下、反応不純物という)として
多量(20〜40重量%)に含まれている。これらの反
応不純物は、酸処理、アルカリ処理などの方法により粗
製銅フタロシアニンの段階である程度まで精製される
が、次の顔料化工程中でも精製は進み、最終的にはその
ほとんどが除去される。しかしながら、顔料中に残った
反応不純物は、それを使用して製造した各種着色組成物
にそのままの量で含有されることとなる。従来、銅フタ
ロシアニン製品中に含有される反応不純物量については
あまり配慮されてこなかった。
【0006】本発明者らは、これらの反応不純物が銅フ
タロシアニンの顔料化工程での効率や、またそれを使用
して製造された着色組成物の品質に大きな影響を及ぼす
ことを知得した。また、因果関係については明らかでは
ないものの、精製不十分な銅フタロシアニンはしばしば
変異原性や皮膚感作性に問題を生じることがあった。
【0007】銅フタロシアニンを使用した着色組成物に
は、印刷インキや塗料といった従来からの用途に加え
て、電子写真用トナー、インクジェット記録用インキや
化粧品用着色剤などの新たな用途が増加している。これ
らの用途に使用される銅フタロシアニンには、透明鮮明
性、着色力などの顔料本来の性能に加えて、特に、変異
原性、発癌性、皮膚感作性、生分解性等の生理学的な危
険性に対する高い安全性が、健康保護、環境保護の観点
から求められており、反応不純物への配慮が不可欠とな
っている。
【0008】この反応不純物の問題は、粗製銅フタロシ
アニン、あるい粗製銅フタロシアニンを出発原料とする
プレ顔料から直接着色組成物を製造するなどの前記合理
化法で特に影響が大きい。つまり、それらの製造法で
は、その工程中に銅フタロシアニンに含有されていた反
応不純物が従来の製造方法に比べ系外に逃げにくい欠点
がある。例えば、特開平9−272833号公報には、
粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂20〜80重
量%と共に乾式粉砕してプレ顔料とし、印刷インキ用溶
剤または印刷インキ用ワニス中で80〜170℃に加熱
することで、プレ顔料の顔料化と同時に印刷インキを製
造する方法が記載されている。
【0009】この方法は印刷インキの製造法として、合
理化された非常に優れた方法であるものの、欠点として
は印刷インキの品質が使用する粗製銅フタロシアニンの
純度に大きく影響される点があげられる。つまり、純度
の低い粗製銅フタロシアニンを使用した場合、反応不純
物はプレ顔料から顔料への転換を阻害し、得られる印刷
インキは色相が不鮮明(黄ぐすみ)で着色力の劣ったも
のとなる。また、この方法では粗製銅フタロシアニン中
に含有された反応不純物がそのままの量で印刷インキ中
に含まれるためインキ適性に重大な影響を及ぼすことと
なる。例えば、反応不純物のうちフタルイミドなどの化
合物は、インキ製造後、温度低下とともに結晶化してフ
ィルターの目詰まりの原因となるほか、インキ中で、場
合により数十μmの大きさにまで結晶成長し、版とれ、
版汚れなど耐刷性に問題を生ずる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、少な
くとも銅フタロシアニン及び樹脂を含む、印刷インキ、
塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用トナー、
インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆
記具用インキ、カラーフィルター用着色剤及び化粧品用
着色剤などとして使用される着色組成物において、鮮明
性や着色力を改良し、しかも健康や環境に影響しない着
色組成物を提供することにある。
【0011】これらの課題を改善するため鋭意研究した
結果、本発明者らは、少なくとも銅フタロシアニン及び
樹脂を含む着色組成物において、銅フタロシアニンとし
てフタル酸誘導体類の含有率が1.0重量%以下、好ま
しくは0.5重量%以下の粗製銅フタロシアニン、また
はこれらを出発原料とするプレ顔料もしくは顔料を使用
することで、鮮明性や着色力に優れ、しかも健康、環境
に影響しない着色組成物がえられることを見いだした。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、少なく
とも銅フタロシアニン及び樹脂を含む着色組成物におい
て、銅フタロシアニンがフタル酸誘導体類の含有率が
1.0重量%以下の粗製銅フタロシアニン、またはこれ
を出発原料とするプレ顔料もしくは顔料を使用すること
を特徴とする着色組成物である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて、
本発明を更に詳細に説明する。本発明で使用するフタル
酸誘導体類の含有率が1.0重量%以下の粗製銅フタロ
シアニン、好ましくは0.5重量%以下の高純度粗製銅
フタロシアニン、またはこれらを出発原料とするプレ顔
料もしくは顔料は、従来公知の方法を用いて製造するこ
とができ、粗製銅フタロシアニンの製造方法は特に限定
されない。
【0014】銅フタロシアニン中に含有される反応不純
物には非常に多くの種類があり、十分に解明された状況
には無いが、フタル酸誘導体類や尿素系化合物などの有
機性成分と、残塩類や遊離銅などの無機性成分とに大き
く分けられる。これらの反応不純物のうち、鮮明性や印
刷適性など着色組成物の品質に大きな影響を及ぼす成分
は、主にフタル酸誘導体類である。フタル酸誘導体類に
は、フタル酸、無水フタル酸、フタルアミド酸、フタル
イミド、イソインドリノンなどに代表される既知物質の
ほかにそれらの多量体や銅化合物などの数多くの不明物
質が含まれる。本発明では、後述の分析方法で検出され
る化合物を総称してフタル酸誘導体類とする。
【0015】例えば、フタル酸誘導体類の含有率が1.
0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下の粗製銅フ
タロシアニンは、前記の尿素法(ワイラー法)を0.2
〜0.7MPaの加圧条件下で行うか、またはニトリル
法で合成した銅フタロシアニンを、脱溶後水中に分散さ
せて酸またはアルカリの存在下加熱処理し、濾別後水洗
または湯洗してフタル酸誘導体類の含有率を1.0%重
量以下に調整するか、あるいは、反応条件に拘らずに合
成した銅フタロシアニンを、従来公知の精製方法、例え
ば、脱溶剤後有機溶剤に分散させ、必要により酸または
アルカリの存在下加熱処理し、目的の純度になるまでこ
の工程を繰り返すか、脱溶剤後、硫酸等の強酸中に溶解
させるか半溶解させ、水などの貧溶媒中に析出させ、再
結晶させるなどの方法で製造することできる。
【0016】工業的には、加圧条件下、尿素法(ワイラ
ー法)で合成した銅フタロシアニンを洗浄する方法が有
利である。加圧下で合成した銅フタロシアニンには、反
応不純物のうち有機性成分の比率が少ない特徴があり、
通常の洗浄方法により容易に高純度化できる利点があ
る。
【0017】また、フタル酸誘導体類の含有率が1.0
重量%以下の粗製銅フタロシアニン、好ましくは0.5
重量%以下の高純度粗製銅フタロシアニンを出発原料と
するプレ顔料もしくは顔料は、上記の粗製、または粗製
高純度銅フタロシアニンを、ボールミルや振動ミルを用
いる乾式磨砕法やニーダー等の混練分散機を用いる湿式
磨砕法などの公知の方法で製造できる。この際、必要に
より、顔料誘導体や高分子分散剤などの顔料処理剤や分
散剤あるいは界面活性剤、樹脂などを処理して調製でき
る点は従来公知の通りである。尚、本発明の着色組成物
を印刷インキ用に使用する場合には、上記の粗製、また
は高純度粗製銅フタロシアニンとその1〜100重量%
の印刷インキ用の従来公知の樹脂とを乾式摩砕して得ら
れるプレ顔料を着色組成物として使用することが好まし
い。
【0018】銅フタロシアニン中には、前記の有機性成
分や無機性成分が反応不純物として含有されるものの、
その他の数多くの不明物質を含み、また顔料や着色組成
物の製造中に様々に分解して形を変えるため、その実態
はあまり明らかでないのが現状である。従って、本発明
においてはフタル酸誘導体類の含有率は、以下の高速液
体クロマトグラフ分析(以下HLPCと記載)条件にお
ける3.5分から20分までの間に溶出した化合物の総
量をフタルイミド量に換算し、絶対検量線法(単位pp
m)にてフタル酸誘導体類の含有率として求めた値をい
う。
【0019】〔フタル酸誘導体類の含有率測定法〕 (1)試料の前処理−1 試料(銅フタロシアニン)2.5gを、98%硫酸50
ml中で加熱溶解(90℃−60分)させ、冷却後、5
00mlの水に注入して再結晶させる。濾過(濾液)
して得たペースト試料を、0.5重量%アンモニア水2
0mlに解膠して濾過(濾液)し、pH7まで水洗
(濾液)する。水洗後のペースト試料を105℃にて
3時間乾燥する(試料a)。濾液〜を集め、HLP
C用の試料溶液(試料A)とする。
【0020】(2)試料の前処理−2 前処理−1にて得た試料aの2.0gを、100mlの
メタノールを用いて10時間ソックスレー抽出する。メ
ンブランフィルターを用いて濾過後、濾液1mlを採取
し、HLPC用の試料溶液(試料B)とする。
【0021】 HLPC測定条件 測定装置 :日本分光社製 カラム :Develosil PhA-5 4.6×150mm (野村化学社製) 移動相 :以下の、の脱気した混合溶媒を用いる 0.1mol/l CH3COOH(pH4.1) 70%(V/V) CH3CN 30%(V/V) 検出波長 :UV 290nm オーブン温度:40℃ 流 速 :1.0ml/min 試料A及びBの分析値の合計を、試料(銅フタロシアニ
ン)中のフタル酸誘導体類の含有率として計算する。
【0022】本発明の着色組成物は、従来公知の方法、
すなわち、顔料を樹脂または樹脂溶液中に均一に分散で
きる方法であれば、いずれの方法でも良く、特に制限さ
れない。通常この目的のために、二本ロール、三本ロー
ル、加熱ニーダー、加圧加熱ニーダー、一軸押出機、二
軸押出機等の混練分散機や、ボールミルやビーズミルな
どの分散機が使用される。
【0023】使用される樹脂、または樹脂溶液は、印刷
インキ、塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用
トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用イ
ンキ、筆記具用インキ、カラーフィルターなどの着色剤
や化粧品用の着色剤などの製造に従来から使用されてい
る樹脂がいずれも使用することができ、特に限定されな
い。また上記の各々の用途に合わせて、必要に応じて従
来公知の添加剤、例えば帯電制御剤、流動化剤など、あ
るいは媒体として溶剤、水系媒体等を使用することがで
きる。
【0024】尚、前記のごとく、本発明の着色組成物を
印刷インキ用に使用する場合、前記の粗製、または高純
度粗製銅フタロシアニンを印刷インキ用樹脂と共に乾式
摩砕し、得られる摩砕物を直接印刷インキ用溶剤、また
はワニスと加熱下に混合することでいずれの粗製銅フタ
ロシアニンも顔料化されると同時に印刷インキが得られ
るので好ましい。
【0025】
【実施例】次に顔料製造例、実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に具体的に説明する。文中、部または%とあ
るのは重量基準である。
【0026】顔料製造例1 5リットル容器に、無水フタル酸1000部、尿素20
00部、モリブデン酸アンモニウム10部、塩化第一銅
180部、およびハイゾールP(日本石油社製アルキル
ベンゼン系溶剤)2000部を加え、200℃で4時間
加熱反応させた。反応終了後、減圧蒸留して溶剤を除去
し、反応生成物を2%希硫酸水溶液20000部に投入
し、80℃で2時間加熱処理し、濾過、湯洗、水洗(濾
液が中性となるまで)して粗製銅フタロシアニンの水性
ペーストを得た。次に、この水性ペーストを90℃で乾
燥し、900部の粗製銅フタロシアニンを得た。この粗
製銅フタロシアニンのフタル酸誘導体類の含有率は1.
3%であった。
【0027】顔料製造例2 反応を5リットルの耐圧容器中で、0.4MPaの加圧
下で行った以外は顔料製造例1と同様にして、フタル酸
誘導体類含有率0.3%の粗製銅フタロシアニン890
部を得た。
【0028】顔料製造例3 顔料製造例1の粗製銅フタロシアニン560部、水32
00部、イソブタノール280部からなる混合物を、平
均直径0.3mmのジルコニアビーズ3700部を充填
したビーズミル(日本アイリッヒ社製:PM−DCP−
12)を用い、周速11.5m/secで、80〜90
℃で1時間循環粉砕した。得られた水性けん濁液に希硫
酸を加えて2%硫酸水溶液に調整した後、80℃で1時
間加熱処理し、濾過、水洗してβ型銅フタロシアニン顔
料の水性ペーストを得た。次に、この水性ペーストを乾
燥(90℃)、粉砕してβ型銅フタロシアニン顔料の粉
末を得た。
【0029】顔料製造例4 顔料製造例2で得た粗製銅フタロシアニンを使用した他
は、顔料製造例3と同様にして、顔料の水性プレスケー
キ、および粉末のβ型銅フタロシアニン顔料を得た。
【0030】実施例1 顔料製造例4で得たβ型銅フタロシアニン顔料17部を
印刷インキ用ワニス(ロジン変性フェノール樹脂系ワニ
ス、不揮発分70%)76部に混合し、3本ロールにて
3回練肉し、青色インキを得た。この青色インキを、銅
フタロシアニン顔料/酸化チタン=1/10の重量比率
で白インキと混合し、淡色インキ(着色力判定)を得
た。得られた青色インキ、淡色インキは後述の比較例1
のインキに比べて、赤味鮮明であり、着色力にも優れて
おり、実用に十分耐ええるものであった。
【0031】比較例1 顔料製造例3で得たβ型銅フタロシアニン顔料を使用し
た他は、実施例1と同様にして、青色インキ、淡色イン
キを得た。得られた印刷インキは顔料化が不十分であ
り、色相の鮮明度、着色力が不足していた。
【0032】実施例2 顔料製造例4で得た銅フタロシアニン顔料30部と、ス
チレン/メタクリレート系共重合樹脂(軟化点約110
℃、ガラス転移点約56℃、GPC法重量平均分子量約
5万)70部とを三本ロールにて十分混練して顔料を分
散させた後、冷却、粗砕して、顔料分を30%の濃度で
含有するシアン色の高濃度着色組成物の粗粉を得た。
【0033】次に、この様にして得た高濃度着色組成物
11.7部及びクロム錯塩系負帯電制御剤3部を、上記
で使用したスチレン/メタクリレート系共重合樹脂8
5.3部と常法に従って混練し、冷却、粉砕後、ジェッ
トミルで微粉砕し、更に分級して5〜20μmのシアン
色樹脂組成物の微粉末を得、続いて、常法に従い流動化
剤としてコロイダルシリカを添加して十分に混合した
後、キャリアの磁性鉄粉と混合してシアン色電子写真乾
式現像剤を得た。これを負電荷フルカラー現像用電子写
真複写機にて紙に複写したところ、複写画像は、比較例
2で作製したシアン色電子写真乾式現像剤を使用して複
写した複写画像に比較して、赤味鮮明で冴えた青色を呈
し、実用に十分耐ええるものであった。
【0034】比較例2 顔料製造例3で得た銅フタロシアニン顔料を使用した他
は、実施例1と同様にして顔料分を30%の濃度で含有
するシアン色の高濃度着色組成物の粗粉を得、さらに、
シアン色電子写真乾式現像剤を得た。これを負電荷フル
カラー現像用電子写真複写機にて紙に複写したところ、
複写画像は、色相が黄ぐすみであり、着色濃度も劣って
いた。
【0035】実施例3 乾式アトライターに、顔料製造例2で得た粗製銅フタロ
シアニン50部、印刷インキ用樹脂(ロジン変性フェノ
ール樹脂)15部を加えて1時間粉砕した。この粗製銅
フタロシアニン磨砕物のβ型結晶型の含有率は50%で
あった。次いで、得られた磨砕物50部、印刷インキ用
ワニス(ロジン変性フェノール樹脂:不揮発分70%)
90部、7号ソルベント(日本石油社製石油系溶剤)1
9部をジャケット付きディゾルバー中で110〜120
℃で2時間撹拌し、混合物を3本ロールにて2回練肉し
てベースインキを得た。このベースインキに、さらに印
刷インキ用ワニス52部、7号ソルベント26部を加え
て青色の印刷インキを調製した。この青色インキを、銅
フタロシアニン顔料/酸化チタン=1/10の重量比率
で白インキと混合し、淡色インキを得た。得られた青色
インキ、淡色インキは後述の比較例3のインキに比べ
て、赤味鮮明であり、着色力にも優れていた。また、フ
タルイミド結晶の発生が無く、フィルターの目詰まりや
耐刷性などのインキ適性への影響もなかった。
【0036】比較例3 顔料製造例1で得た粗製銅フタロシアニンを使用した他
は、実施例3と同様にして、青色インキ、淡色インキを
得た。得られた印刷インキは顔料化が不十分であり、色
相の鮮明度、着色力が不足していた。また、インキ製造
時フタルイミド類の結晶が発生し、インキ製造効率に大
きく影響したほか、版汚れ、版とれ、などのインキ適性
に問題があった。
【0037】
【発明の効果】以上の本発明によれば、鮮明性や着色力
に優れ、しかも健康、環境に影響しない、印刷インキ、
塗料、プラスチック、顔料捺染剤、電子写真用トナー、
インクジェット記録用インキ、熱転写記録用インキ、筆
記具用インキ、カラーフィルター用などの着色剤として
使用される着色組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 C09D 201/00 4J039 201/00 G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 B41M 5/26 K G03G 9/09 G03G 9/08 361 (72)発明者 庵原 一夫 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 中山 博史 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 土屋 義和 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 木部 誠三 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 高見 尚徳 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA21 CA22 2H048 BA47 BA57 BA64 BB42 2H086 BA01 BA56 BA60 BA62 2H111 AA05 AA11 AA26 BA38 BA55 BA74 BA78 4J038 JB27 KA08 NA01 4J039 BC61 BE01 GA06 GA24 GA27 GA28

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも銅フタロシアニン及び樹脂を
    含む着色組成物において、銅フタロシアニンが、フタル
    酸誘導体類の含有率が1.0重量%以下の粗製銅フタロ
    シアニン、またはこれを出発原料とするプレ顔料もしく
    は顔料であることを特徴とする着色組成物。
  2. 【請求項2】 銅フタロシアニンが、フタル酸誘導体類
    の含有率が0.5重量%以下の高純度粗製銅フタロシア
    ニン、またはこれを出発原料とするプレ顔料もしくは顔
    料である請求項1に記載の着色組成物。
  3. 【請求項3】 プレ顔料が粗製、または高純度粗製銅フ
    タロシアニン、もしくはこれと樹脂とを乾式粉砕してそ
    の一次粒子の粒径を1μm以下に微細化したものである
    請求項1、または2に記載の着色組成物。
  4. 【請求項4】 銅フタロシアニンが、ワイラー法を加圧
    条件下で行って製造されたものである請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の着色組成物。
  5. 【請求項5】 印刷インキ用である請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の着色組成物。
  6. 【請求項6】 電子写真用乾式トナー用である請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. 【請求項7】 樹脂、塗料、顔料捺染剤、電子写真用湿
    式トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写記録用
    インキ、筆記具用インキ、カラーフィルター、または化
    粧品用の着色剤である請求項1に記載の着色組成物。
  8. 【請求項8】 少なくとも銅フタロシアニン及び樹脂を
    含む着色組成物を製造するに際し、銅フタロシアニンと
    してフタル酸誘導体類の含有率が1.0重量%以下の粗
    製銅フタロシアニン、またはこれを出発原料とするプレ
    顔料もしくは顔料を使用することを特徴とする着色組成
    物の製造方法。
  9. 【請求項9】 印刷インキが、粗製銅フタロシアニンま
    たは請求項3に記載の着色組成物を用いて顔料化工程を
    経ることなく直接製造されたものである印刷インキ。
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