JP2003020206A - オゾン発生装置 - Google Patents

オゾン発生装置

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JP2003020206A
JP2003020206A JP2001206347A JP2001206347A JP2003020206A JP 2003020206 A JP2003020206 A JP 2003020206A JP 2001206347 A JP2001206347 A JP 2001206347A JP 2001206347 A JP2001206347 A JP 2001206347A JP 2003020206 A JP2003020206 A JP 2003020206A
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electrode
charge
dielectric layer
discharge gap
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Kenichi Inoue
憲一 井上
Akira Kobayashi
明 小林
Yoshihiro Yokota
嘉宏 横田
Takashi Tanioka
隆 谷岡
Yuzo Mori
勇藏 森
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電荷付与用電極により放電電極の誘電体層表
面に電荷を付与し、該電荷を放電電極の回転により放電
間隙位置へ運ぶことにより、放電間隙にかかる電圧を増
大しうることで、放電間隙を大きくして放電による放電
間隙への放出エネルギーを増大することができて、電力
効率良くオゾンを発生させること。 【解決手段】 少なくとも一方の円筒状外周面が誘電体
層12aで形成された一対の放電電極12,13を、放
電間隙を介して対向配置して互いに反対方向に回転さ
せ、酸素を含む原料ガスを放電間隙に導入することによ
りオゾンを発生させるオゾン発生装置であって、誘電体
層12aを有する放電電極12に対して放電間隙の放電
電極12回転方向上流側の位置に配置され、接地電位又
は該放電電極12とは逆極性の電位が印加されて、該放
電電極12の誘電体層表面に電荷を付与するチャージン
グローラ14を備えていることを特徴する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素を含む原料ガ
スを放電間隙に導入することによりオゾンを発生させる
オゾン発生装置に関し、一対の放電電極の少なくとも一
方の円筒状外周面が誘電体層で形成された該一対の放電
電極を、放電間隙を介して対向配置するとともに、互い
に反対方向に回転させるようにしたオゾン発生装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】上水処理、産業排水及び排ガスの漂白・
脱臭、及び半導体の製造等に用いられるオゾンは、近年
様々な装置を用いて生成されている。そのなかで、酸素
を含む原料ガス(酸素または乾燥空気)を放電領域に導
入することによってオゾンを発生させる無声放電式のオ
ゾン発生装置が一般的によく用いられている。
【0003】この無声放電式のオゾン発生装置における
代表例として、図6にその基本構成を示す平行平板型の
オゾン発生装置が知られている。同図に示すように、平
行平板型のオゾン発生装置は、一対をなし、放電間隙
(放電領域)を介して平板状放電面を対向させて配置さ
れ、該一対のうちの少なくとも一方の平板状放電面が誘
電体層で形成されている一対の放電電極32,33と
(図6では、各放電電極32,33の平板状放電面が誘
電体層32a,33aでそれぞれ形成されている。)
と、この放電電極32,33間に交流の電圧を印加する
交流電圧源31とを備え、放電電極32,33間に交流
電圧源31から電圧を印加して放電間隙にて大気圧下で
無声放電を行わせ、この状態で放電間隙に酸素を含む原
料ガスを導入することによりオゾンを発生(生成)させ
るように構成されている。
【0004】無声放電によるオゾン生成は2段階のプロ
セスよりなっている。その第1段階は、無声放電で生成
される高エネルギー(数eV)の電子と放電間隙に導入
された酸素分子との衝突電離による酸素原子の生成であ
り、その反応時間は1〜10ns程度と極めて短い。次
いで第2段階は、酸素分子と前記生成された酸素原子と
が、他の酸素分子を介した3体衝突による結合によって
オゾンに変わるに反応であり、前記第1段階に比べてそ
の反応時間は1ms程度と長い。なお後述するように、
オゾン発生効率を高めるポイントの一つは、放電によっ
て発生したオゾンを放電間隙(放電領域)から速やかに
排出する点にある。
【0005】さて、無声放電などのような大気圧下での
放電現象においては、初期には絶縁破壊で生じる電子に
よって気体分子(オゾン発生装置では酸素分子)がイオ
ン化され、その電子と気体イオンとで放電が維持される
コロナ放電に始まり、最後はイオン衝突や電子加熱によ
って電極表面物質の蒸発とそのイオン化が同時に起こ
り、これによる電流キャリアによって放電が維持される
アーク放電に移行する。前記のコロナ放電においては電
極間電圧は高く、高エネルギーを持つ電子が広域空間に
広がるため、オゾン発生装置ではオゾンが効率的に発生
する。これに対して、前記アーク放電に移ると、アーク
放電特性から電極間電圧は大幅に低下し、また放電経路
も局所的となるためオゾンの発生効率は低下してしま
う。
【0006】そこで、このアーク放電への移行を防ぐた
め、交流電圧源を用いる無声放電のオゾン発生装置で
は、前述したように放電面が誘電体層で形成された放電
電極を備え、放電電極の誘電体層表面に付与される電荷
によって尖頭状のパルス電流が流れる無声放電(コロナ
放電)を起こさせるようにしている。一対の放電電極間
に交流の電圧を印加するオゾン発生装置では、半周期後
には放電電極にかかる電圧の極性が反転し、繰り返し放
電することができる。
【0007】図7は図6に示す平行平板型のオゾン発生
装置における電流応答特性の一例を示す図である。同図
によると、入力電圧Vinすなわち放電間隙の電界が絶縁
限界(放電しきい値電圧Vd )を上回った瞬間、それま
でに誘電体層表面に付与されていた電荷がいっきに放電
間隙へ解放されることで、パルス電流が生じている様子
が示されている。
【0008】このパルス電流が流れる無声放電(コロナ
放電)の動作について説明する。図8は平行平板型のオ
ゾン発生装置の等価回路である。これは、一対の放電電
極のうちの接地側の放電電極には誘電体層が形成されて
いない場合の等価回路である。図8において、各符号
は、Vin:入力電圧、C:放電電極の誘電体層の静電容
量、Re :前記誘電体層の絶縁抵抗(漏れ抵抗)、Cg
:放電間隙の静電容量、Vz :放電現象を模擬するツ
ェナーダイオードのしきい値電圧、Rz :前記ツェナー
ダイオードの順抵抗、Rc :放電電極と給電ケーブルと
の接続抵抗等の接触抵抗、Cb :給電ケーブルや放電電
極・チャンバー間に存在する浮遊容量、をそれぞれ示し
ている。
【0009】まず、放電電極間にかかる入力電圧Vin
は、誘電体層による静電容量(コンデンサ)Cと放電間
隙による静電容量(コンデンサ)Cg とが直列接続され
た直列回路に印加される。この場合、通常、誘電体層は
厚みが100μm程度と薄く、かつ、アルミナ等のよう
に比誘電率が高い材料によって形成されているので、放
電間隙による静電容量Cgに入力電圧Vinのほんとどが
印加され、放電間隙にかかる電圧は入力電圧Vinにほぼ
等しい値となる。そして、入力電圧Vinがその最大振幅
値Vmax (正弦波交流のピーク値)に向かって電圧上昇
して放電しきい値電圧Vd を上回ると、その瞬間に放電
間隙で放電が起こり、これによって誘電体層の静電容量
Cへの電荷の充電が始まり、すなわち誘電体層表面が電
荷が与えられて帯電する。この誘電体層表面電荷Qは、
最大でQ=C(Vmax −Vd )にまで蓄積されることに
なる。ここで、(Vmax −Vd )は、誘電体層にかかる
電圧であって電荷充電電圧である。一方、前記放電によ
り放電間隙(放電領域)に放出されるエネルギーW1
は、それまで蓄積されていて該放電によって対向する放
電電極へ移動する移動電荷Qと放電間隙にかかる電圧
(この場合、放電しきい値電圧)Vd との積として、W
1=QVd =CVd (Vmax −Vd )と求められる。
【00010】次いで、入力電圧Vinの極性が反転して
負になると、放電間隙には、入力電圧(−Vin)と誘電
体層が持つ電荷充電電圧(−(Vmax −Vd ))とが加
え合わされた電圧(−(Vin+Vmax −Vd ))がかか
る。そして、該電圧が放電しきい値電圧(−Vd )を上
回るとその瞬間に放電間隙で再度放電が起こり、これに
よって放電間隙には、前記W1と同じく、W2=QVd
のエネルギーが放出される。
【0011】結局、1周期あたりの放電による放電間隙
への放出エネルギーWは、誘電体層表面に電荷を付与す
るための電極間放電と、誘電体層表面の電荷を対向電極
に放出させる電極間放電とが前後につながって実効的に
2サイクル分となり、次の式によって表される。
【0012】
【数1】
【0013】放電による放電間隙への放出エネルギーW
は、式2より、Vd =Vmax /2のとき、最大値である
C・Vmax 2 をとることがわかる。放電間隙に投入され
る時間当たりの電力は、(エネルギーW)×(入力電圧
の周波数)となる。
【0014】ところで、本出願人は、先に無声放電式の
オゾン発生装置を提案している(特願2000−189
44号)。このオゾン発生装置(以下、「従来の回転電
極型オゾン発生装置」という。)は、互いに反対方向に
回転される一対の放電電極を備えており、平行平板型の
オゾン発生装置に比べてオゾン発生効率を向上させるこ
とができるようにしたものである。
【0015】図9は従来の回転電極型オゾン発生装置の
基本構成を示す図である。同図に示すように、従来の回
転電極型オゾン発生装置は、一対をなしその各々が円筒
状外周面を有し、放電間隙を介して前記円筒状外周面を
対向させて配置されるとともに、前記円筒状外周面の少
なくとも一方が誘電体層で形成されている一対の放電電
極42,43(図9では、各放電電極42,43の円筒
状外周面が誘電体層42a,43aでそれぞれ形成され
ている。)と、この互いに反対方向に回転されるローラ
状(ドラム状)の放電電極42,43間に交流の電圧を
印加する交流電圧源41とを備えている。
【0016】そして、この従来の回転電極型オゾン発生
装置によれば、放電電極42,43間に交流電圧源41
から電圧が印加されたときには、該放電電極42,43
は放電間隙Sを放電領域として該電極42,43の軸心
方向に沿う筋状(ライン状)に放電する。そして、放電
電極42,43を放電させた状態で該放電電極42,4
3の側方から放電間隙Sに酸素を含む原料ガスを導入す
ると、放電間隙Sでオゾンが発生する。この場合、放電
電極42,43を回転させることにより前記オゾンを下
流側へ排出することができ、放電間隙Sで発生したオゾ
ンが酸素分子や酸素イオンに解離もしくは電離される前
に、放電間隙Sからオゾンを取り出すことができる。こ
のように、発生したオゾンが放電電極42,43の回転
により次々に放電間隙Sから速やかに排出されるので、
酸素分子からオゾンが生成される反応が促進されて次々
にオゾンが発生することになる。その結果、オゾンの発
生効率を平行平板型のオゾン発生装置に比べて大幅に向
上しうるものである。
【0017】そして、この従来の回転電極型オゾン発生
装置においては、放電間隙Sにて放電してから放電電極
42,43が1回転する間に、放電電極42,43間に
印加される電圧の位相が180°の奇数倍だけ進むよう
に、つまり、電極42の極性が放電時に例えば正であっ
たときには1回転したときには反転して負になるよう
に、放電電極42,43の回転数と放電電極42,43
間に印加される電圧の周波数とが設定される。これによ
り半周期毎に放電間隙Sにおいて放電が起こることにな
る。なお、この従来の回転電極型オゾン発生装置におい
ても、放電による放電間隙Sへの放出エネルギーWは前
記した式1,式2で表される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した平
行平板型や従来の回転電極型のオゾン発生装置では、誘
電体層表面に電荷を付与するための放電と誘電体層表面
電荷を対向する放電電極へ放出するための放電とが、逐
次連続的に放電間隙にて行われるようにしたものである
から、オゾンを発生させるための、放電による放電間隙
への放出エネルギーが小さいという不具合が生じてい
る。
【0019】すなわち、誘電体層表面に電荷を与えるに
は、間隙寸法が1mm前後という比較的大きな放電電極
間の間隙をまたがる放電を介さなければならないことか
ら、誘電体層表面に電荷を付与する電荷充電電圧(誘電
体層による静電容量に電荷を充電する電圧)は、放電電
極間にかかる入力電圧Vin(その最大振幅値:Vmax)
そのものではなく、入力電圧Vinから放電しきい値電圧
Vd の分だけ差し引いた値となってしまう。その結果、
オゾンを発生させる放電の主体となる誘電体層表面電荷
Qが、Q=C(Vmax −Vd )のように放電しきい値電
圧Vd の分だけ少なくなり、よってその分だけ、放電に
よって放電間隙に放出されるエネルギーWも小さくなっ
てしまう。
【0020】そして、前記した式のW=4QVd =4C
Vd (Vmax −Vd )によれば、放電による放出エネル
ギーWを増加させようとして放電間隙の間隙寸法を大き
くすると(放電しきい値電圧Vdを大きくすると)、そ
の一方で誘電体層表面電荷Q=C(Vmax −Vd )が減
ってしまい、結局、放電による放電間隙への放出エネル
ギーWがそれほど増えないというジレンマが存在するこ
とがわかる。なお、この場合、与えられた交流入力電圧
Vinの最大振幅値Vmax に対して、Vd =Vmax /2と
なる最適な放電間隙寸法値が存在し、このとき、放出エ
ネルギーWはW=C・Vmax2 なる最大値をとる。
【0021】本発明はこのような事情の下になされたも
のであって、本発明の目的は、回転電極型のオゾン発生
装置において、放電電極に対して電荷付与用電極を放電
間隙の放電電極回転方向上流側の位置に配置し、この電
荷付与用電極により該放電電極の誘電体層表面に電荷を
付与し、その電荷を放電間隙位置へ運ぶようにすること
により、放電間隙にかかる電圧を増大することができ、
これによって放電間隙の間隙寸法を大きくして放電によ
る放電間隙への放出エネルギーを増大することができ
て、電力効率良くオゾンを発生させることができるオゾ
ン発生装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、酸素を含む原料ガスを放電間
隙に導入することによりオゾンを発生させるオゾン発生
装置であって、各々が円筒状外周面を有し、放電間隙を
介して前記円筒状外周面を対向させて配置されるととも
に、前記円筒状外周面の少なくとも一方が誘電体層で形
成されている一対の放電電極と、該一対の放電電極をそ
れぞれ自軸を中心として互いに反対方向に回転駆動する
回転駆動手段と、前記放電電極間に交流の電圧を印加す
ることにより前記放電間隙にて放電を起こさせる交流電
圧源と、前記一対の放電電極の側方から前記放電間隙に
原料ガスを導入するガス導入手段と、各放電電極の回転
により前記放電間隙からガス流路の下流側へ排出された
オゾンを収集するオゾン収集手段とを備えるとともに、
前記誘電体層を有する放電電極に対して前記放電間隙の
放電電極回転方向上流側の位置に配置され、接地電位又
は該放電電極とは逆極性の電位が印加されて、該放電電
極の誘電体層表面に電荷を付与する電荷付与用電極を備
えていることを特徴するオゾン発生装置である。
【0023】請求項2の発明は、前記請求項1記載のオ
ゾン発生装置において、前記電荷付与用電極によって付
与された電荷が放電電極の回転により該電荷付与用電極
の位置から前記放電間隙の位置に運ばれる間に、前記交
流電圧源によって放電電極間に印加される電圧の位相が
180°の奇数倍進むように、前記一対の放電電極の回
転数と該放電電極間に印加される電圧の周波数とが設定
されていることを特徴とするものである。
【0024】請求項3の発明は、前記請求項2記載のオ
ゾン発生装置において、前記電荷付与用電極は、誘電体
層を有する放電電極に対して、前記放電間隙の位置より
電極回転角度で表して360°/m(mは3以上の奇
数)の位置において電荷を付与するように配置されてい
ることを特徴とするものである。
【0025】請求項4の発明は、前記請求項1、2又は
3記載のオゾン発生装置において、前記電荷付与用電極
は、誘電体層を有する放電電極の軸心方向に沿って該放
電電極にその誘電体層に接触させた状態で対向配置され
たチャージングローラであることを特徴とするものであ
る。
【0026】本発明によるオゾン発生装置においては、
特徴的構成として電荷付与用電極を備えており、円筒状
外周面が誘電体層で形成された放電電極に対して、放電
間隙の放電電極回転方向上流側の位置に、接地電位又は
該放電電極とは逆極性の電位が印加される電荷付与用電
極を設け、この電荷付与用電極によって前記放電電極に
おける放電間隙位置とは異なる位置にて該放電電極の誘
電体層表面に電荷を付与し、前記放電電極の回転により
該電荷を放電間隙位置へ運ぶようにしてある。
【0027】この場合、電荷付与用電極としては、誘電
体層を有する放電電極の軸心方向に沿って該放電電極に
その誘電体層に接触し且つ回転可能な状態で対向配置さ
れたチャージングローラ、あるいは、誘電体層を有する
放電電極の軸心方向に沿って該放電電極に放電間隙より
も狭い間隙を有して対向配置された針状放電電極をあげ
ることができる。このうち、放電電極の誘電体層表面に
該放電電極軸心方向に沿って電荷を均一に、且つ確実に
付与しうる点から、チャージングローラが好ましい。
【0028】このように構成することにより、従来とは
違って電荷充電電圧が放電しきい値電圧Vd 分だけ減少
するようなことがなく、従来に比べて、放電の主体とな
る誘電体層表面電荷を増大させることができて、オゾン
の発生量を増大させることができる。例えば、電荷付与
用電極が前記チャージングローラであって、該チャージ
ングローラが接地電位とされている場合、電荷充電電圧
は、従来の(Vmax −Vd )でなく、チャージングロー
ラが接触する放電電極に印加される入力電圧Vin(その
最大振幅値:Vmax )とすることができる。
【0029】また、本願発明によるオゾン発生装置にお
いては、電荷付与用電極によって放電電極の誘電体層表
面に付与された電荷が放電電極の回転により該電荷付与
用電極の位置から放電間隙の位置に運ばれる間に、一対
の放電電極間に印加される電圧の位相が180°の奇数
倍進むようにしてある。このことを同期条件という。そ
して、この同期条件を満たすように、一対の放電電極の
回転数と該放電電極間に印加される電圧の周波数とが設
定される。
【0030】このように構成することにより、誘電体層
を有する放電電極に印加される電圧が例えば負のときに
電荷付与用電極によって該放電電極の誘電体層表面に付
与された正の電荷が放電間隙位置に達したときには、該
放電電極に印加される電圧の極性が反転して正となって
おり、放電間隙には、放電電極間に印加される入力電圧
と誘電体層付与電荷に保持された前記電荷充電電圧とを
加えた電圧がかかることになる。よって、放電電極間に
印加される入力電圧を従来と同じにしても放電間隙にか
かる電圧を増大することができ、放電間隙の間隔寸法を
その分大きくして、放電による放電間隙への放出エネル
ギーを増加させることができる。例えば、電荷付与用電
極が前記チャージングローラであって、該チャージング
ローラが接地電位とされている場合、チャージングロー
ラによる誘電体層表面電荷が放電間隙位置に達したとき
に放電間隙にかかる電圧は、放電電極間に印加される入
力電圧Vin(その最大振幅値:Vmax )の2倍を得るこ
とができる(図4の(b)参照)。
【0031】また、本願発明によるオゾン発生装置にお
いては、電荷付与用電極は、誘電体層を有する放電電極
に対して、放電間隙の放電電極回転方向上流側であって
放電間隙の位置より電極回転角度で表して360°/n
(nは3以上の奇数)という位置(例えば、放電間隙の
位置より120°の位置)において電荷を付与するよう
に配置してある。このことを電荷補充条件という。
【0032】これにより、放電間隙での放電後に放電電
極間にかかる電圧によって誘電体層表面に付与された再
充電電荷(この再充電電荷の極性は、電荷付与用電極に
よって付与されて放電間隙位置へ運ばれてきた誘電体層
表面電荷とは極性が反対になる)が、放電電極の回転に
より電荷付与用電極のある位置に運ばれてきたときに、
電荷付与用電極によって誘電体層表面に前記再充電電荷
と同じ極性の電荷が付与されることになる(図4の
(d)参照)。よって、電荷付与用電極によって充電不
足分電荷(満充電電荷と前記再充電電荷との差)を補充
するだけでよく、電荷付与用電極による電荷付与に要す
る電力を必要最小限にすることができる。
【0033】したがって、本願発明によるオゾン発生装
置においては、前記同期条件の下においてさらに前記電
荷補充条件が成立するという共鳴条件となるように、一
対の放電電極の回転数F(rpm)と放電電極間に印加
される電圧の周波数f(Hz)とを設定することがよ
い。この共鳴条件を満たす場合の、放電電極の回転数F
(rpm)と放電電極間に印加される電圧の周波数f
(Hz)との関係は式3で示される。
【0034】
【数2】
【0035】式3において、(n/m)は共鳴係数であ
り、n,mは奇数である。ここで、m=1の場合は、従
来の回転電極型オゾン発生装置に相当し、運転条件で放
電間隙自体が電荷付与部(充電部)として機能し、実際
に共鳴現象が観察されている。m=3(120°に対
応)以上の場合が、電荷付与用電極を独立に備えてなる
本発明のオゾン発生装置での共鳴条件となる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施形態によるオゾン発
生装置の平面断面図、図2は同じくオゾン発生装置の正
面図である。
【0037】図1,図2に示すように、本実施形態によ
るオゾン発生装置は、酸素を多く含む原料ガス(例えば
純酸素ガス)が封入された、例えばステンレス鋼でなる
断面円形のチャンバー1と、該チャンバー1内に放電間
隙Sを介して立設された一対の放電電極12,13と、
該放電電極12,13間に交流の高電圧を印加すること
により放電間隙Sにて放電を起こさせるための交流電圧
源11(図1,図2では図示せず)を備えている。な
お、チャンバー1内壁側には該内壁に沿って絶縁板5が
設けられており、放電電極12,13とチャンバー1と
の間で放電が生じるのを防止するようになっている。
【0038】ローラ状(ドラム状)の放電電極12,1
3は導電性材料である例えばアルミニウム合金からな
り、一方の放電電極12は、その表面が所定厚さ(例え
ば約100μm)の例えばアルミナ(酸化アルミニウ
ム)よりなる誘電体層12aで形成されている。アルミ
ナよりなる誘電体層12aは溶射法を用いて形成され
る。放電電極12,13の寸法例は、直径Dが10c
m、長さLが10cmである。この場合には、放電間隙
Sの長さは、0.5〜1mmの範囲において設定され
る。
【0039】前記放電電極12,13は、その回転軸1
2b,13bの一方側がチャンバー1の上面1aに取り
付けられた回転駆動手段としての各サーボモータ2(図
2にでは片方のみ図示)の駆動軸(図示せず)に、磁気
カップリング(図示せず)を介して絶縁された状態で連
結されており、矢印ア及び矢印イで示されるように、各
サーボモータ2の作動により互いに反対方向に回転する
ようになっている。これにより、放電電極12,13の
周囲に該電極12,13の回転方向の気流が生じるよう
になっている。放電電極12,13は、その直径Dが1
0cm、長さLが10cmの場合には、1000〜30
00rpmの範囲において回転される。なお、チャンバ
ー1の上面1aと下面1cの間には、電気絶縁性を持つ
4本の支持ポスト3に固定された電気絶縁性支持板4,
4が設けられており、放電電極12,13の回転軸12
b,13bは、この電気絶縁性支持板4,4に設けられ
た軸受け(図示せず)により支持されている。
【0040】そして、放電電極12,13の回転軸12
b,13bに、交流電圧源11に電気的に接続された接
触通電用ピン電極(図示せず)が接触するようになされ
ており、交流電圧源11により放電電極12,13間に
交流の高電圧が印加されるようになっている。
【0041】前記放電電極12,13の側方には、酸素
を含む原料ガスを前記チャンバー1内に導入するガス導
入部材6と、該ガス導入部材7により導入された原料ガ
スを放電間隙Sに導入するノズル部材7とが備えられて
いる。なお、ガス導入部材6は、チャンバー1の側壁1
bに設けられた貫通孔を介して取り付けられている。前
記ガス導入部材6及びノズル部材7は、一対の放電電極
12,13の側方から放電間隙Sに原料ガスを導入する
ガス導入手段を構成している。
【0042】また、前記放電電極12,13に対して前
記ガス導入部材6とは反対側の側方には、放電間隙Sで
発生したオゾンを収集する漏斗部材8と、該漏斗部材8
により収集されたオゾンを図示しないオゾン収集部に導
出するオゾン導出部材9とが備えられている。なお、オ
ゾン導出部材9は、前記のガス導入部材6と同様に、チ
ャンバー1の側壁1bに設けられた貫通孔を介して取り
付けられている。前記漏斗部材8及びオゾン導出部材9
は、放電間隙Sからガス流路の下流側へ排出されたオゾ
ンを収集するオゾン収集手段を構成している。
【0043】また、前記誘電体層12aを有する放電電
極12に対して、放電間隙Sの放電電極12回転方向上
流側で、かつ、放電間隙Sの位置より電極回転角度で表
して120°の位置に、電荷付与用電極としてのローラ
状をなすチャージングローラ14が、放電電極12の軸
心方向に沿って該放電電極12にその誘電体層12aに
接触し且つ回転可能な状態で対向配置されている。チャ
ージングローラ14は、放電電極12,13より径が小
さく、導電性材料であるアルミニウム合金からなる円柱
体(例えば、直径Dが3cm、長さLが10cm)の表
面に厚み2mmの導電性ゴムを被覆してなるものであ
る。
【0044】チャージングローラ14の回転軸14a
は、前記電気絶縁性支持板5,5に設けられた軸受け
(図示せず)により支持されている。そして、チャージ
ングローラ14の回転軸14aに接触する接触通電用ピ
ン電極(図示せず)が設けられており、該ピン電極を介
してチャージングローラ14が接地電位とされている。
【0045】図3は図1に示すオゾン発生装置を説明す
るための図である。同図において、交流電圧源11は、
所定周波数の交流電圧を出力しこれを増幅する発振・増
幅部(図示せず)と、該発振・増幅部からの交流電圧を
所定値に昇圧し、これを二次側から出力して放電電極1
2,13間に印加する変圧器(図示せず)とにより構成
されている。前記変圧器において一方側の放電電極13
に接続されている二次側端子は接地されている。また、
前述したように、チャージングローラ14は接地電位と
されている。
【0046】また、チャージングローラ14によって付
与された電荷が放電電極12の回転により該チャージン
グローラ14の位置から放電間隙Sの位置に運ばれる間
に、前記交流電圧源11によって放電電極12,13間
に印加される入力電圧Vinの位相がこの例では180°
進むように、放電電極12,13の回転数F(rpm)
と入力電圧Vinの周波数f(Hz)とが設定されてい
る。
【0047】次に、図1〜図4を参照して、本実施形態
によるオゾン発生装置の動作について説明する。図4は
図1に示すオゾン発生装置の動作を説明するための図で
ある。
【0048】まず、図4(a)に示すように、誘電体層
12aを有する放電電極12が負の電圧極性のとき、チ
ャージングローラ14の位置において誘電体層12a表
面に正の電荷が付与される。この場合、誘電体層12a
に電荷を充電し付与する電荷充電電圧は、放電電極1
2,13間に印加される入力電圧Vinの最大振幅値Vma
x にまでしうる。よって、チャージングローラ14を用
いることで、Q=C・Vmaxで表される正の電荷Qを付
与することができる。ここで、Cは誘電体層12aによ
る静電容量である。
【0049】次に、図4(b)は、前記図4(a)のと
きから放電電極12,13が120°回転(1/3回
転)するとともに、入力電圧Vinの位相が180°進ん
だときの状態を説明するためのものである。チャージン
グローラ14位置にてこのチャージングローラ14によ
って付与された前記正の電荷Qが放電間隙S位置に到達
する一方、放電電極12の電圧極性が反転して正とな
り、放電間隙Sにかかる電圧は、(入力電圧Vin)+
(誘電体層12a付与電荷に保持されている電荷充電電
圧)であって、最大で2Vmaxとなる。そして、放電間
隙Sにおいて該2Vmaxの電圧値を放電しきい値電圧と
する放電が起こる。この放電後、放電電極12,13間
にかかる電圧Vinによって誘電体層12a表面に与えら
れる電荷の極性は負となり(図4(b)において放電間
隙Sの箇所に「−」の符号で示される極性が負の電
荷)、放電間隙S位置へ運ばれてきた前記正の電荷Qと
は極性が反転する。
【0050】次に、図4(c)は、前記図4(b)のと
きから放電電極12,13が120°回転(1/3回
転)するとともに、入力電圧Vinの位相が180°進ん
だときの状態を説明するためのものである。前記図4
(b)のときにチャージングローラ14位置にてチャー
ジングローラ14によって付与された負の電荷Qが放電
間隙S位置に到達する一方、放電電極12の電圧極性が
反転して負となり、放電間隙Sにかかる電圧は、[入力
電圧Vin(負の値)]+[誘電体層12a付与電荷に保
持されている電荷充電電圧(負の値)]であって、最大
で−2Vmaxとなる。そして、放電間隙Sにおいて該−
2Vmaxの電圧値を放電しきい値電圧とする放電が起こ
る。この放電後、図4(c)に示すように、放電電極1
2,13間にかかる電圧Vinによって誘電体層12a表
面に与えられる電荷の極性は正となり、放電間隙S位置
へ運ばれてきた前記負の電荷Qとは極性が反転する。
【0051】次いで、図4(d)は、前記図4(c)の
ときから放電電極12,13が120°回転(1/3回
転)するとともに、入力電圧Vinの位相が180°進ん
だときの状態、すなわち、前記図4(a)のときから放
電電極12,13が1回転し、入力電圧Vinの位相が1
80°ずれている状態を説明するためのものである。図
4(d)に示すように、前記図4(c)のときにチャー
ジングローラ14位置にてチャージングローラ14によ
って付与された正の電荷Qが放電間隙S位置に到達する
一方、放電電極12の電圧極性が反転して正となり、放
電間隙Sにかかる電圧は、(入力電圧Vin)+(誘電体
層12a付与電荷に保持されている電荷充電電圧)であ
って、最大で2Vmaxとなる。そして、放電間隙Sにお
いて該2Vmaxの電圧値を放電しきい値電圧とする放電
が起こる。
【0052】このように、放電電極12,13の電圧極
性が反転する半周期毎に放電間隙Sにて放電が行われ
る。そして、前記ガス導入部材7及びノズル部材8によ
り放電間隙Sに前記原料ガスを導入すると、オゾンが発
生することになる。その場合に、この発生したオゾン
は、放電電極12,13の回転により生じた気流に帯同
することによりガス流路の下流側へ排出され、前記漏斗
部材8及びオゾン導出部材9により図示しないオゾン収
集部に収集される。これにより、酸素分子からオゾンが
生成される反応とオゾンが酸素分子や酸素イオンに解離
もしくは電離する反応とが平衡状態となっても、オゾン
が次々に放電間隙S(放電領域)から取り出され、酸素
分子からオゾンが生成される反応が促進されるから、オ
ゾンが次々に生成され、その結果、オゾンの発生効率が
向上することになる。
【0053】そして、本実施形態によるオゾン発生装置
では、放電による放電間隙への放出エネルギーWは、W
=(Q・2Vmax )×2=(C・Vmax )×2Vmax ×
2=4C・Vmax 2となり、前記平行平板型のオゾン発
生装置および前記従来の回転電極型オゾン発生装置に比
べてその4倍の放出エネルギーを得ることができる。
【0054】また、図4(d)に示すように、放電間隙
Sにおける放電後に放電電極12,13間にかかる電圧
によって誘電体層12a表面に付与された再充電電荷
(本例では、図4(b)において放電間隙Sの箇所に
「−」の符号で示される極性が負の電荷)が、放電電極
12の回転によりチャージングローラ14の位置に運ば
れてきたとき、チャージングローラ14によって誘電体
層表面に前記再充電電荷と同じ極性の負の電荷が付与さ
れるように入力電圧Vinの位相が設定されている(本例
では、放電電極12の電圧極性が正となるように設定さ
れている)。これにより、チャージングローラ14によ
って充電不足分電荷(満充電電荷(C・Vmax )と前記
再充電電荷との差)を補充するだけでよく、チャージン
グローラ14による電荷付与に要する電力を必要最小限
にすることができる。
【0055】図5は本発明の他の実施形態によるオゾン
発生装置の基本構成を示す図である。
【0056】この実施形態によるオゾン発生装置は、図
5に示すように、その各々が誘電体層22a,23aで
形成された円筒状外周面を有し、放電間隙Sを介して前
記円筒状外周面を対向させて配置されるとともに、互い
に反対方向に回転される一対の放電電極22,23と、
放電電極22,23に対して放電間隙Sの放電電極回転
方向上流側で、かつ、放電間隙S位置より電極回転角度
で表して120°の位置に配置されたチャージングロー
ラ24,25と、放電電極22,23間に交流の電圧を
印加することにより放電間隙にて放電を起こさせる交流
電圧源21とを備えている。
【0057】交流電圧源21は、前述した発振・増幅部
21aと、この発振・増幅部21aからの交流電圧を所
定値に昇圧し、これを二次側より出力して放電電極2
2,23間に印加するセンタータップ付き変圧器21b
とにより構成されている。交流電圧源21の出力は、例
えば、周波数が220Hz〜数kHz、電圧値が500
V〜10kVにおいて調整可能で、最大電力は1kWの
ものである。
【0058】図5に示すように、一方の放電電極22と
センタータップ付き変圧器21bの二次側の一方端子と
が接続されるとともに、該放電電極22の誘電体層22
aに接触させて配置されたチャージングローラ24と該
変圧器21bの二次側の他方端子とが接続されており、
チャージングローラ24には、放電電極22に印加され
る入力電圧(+Vin)とは極性が逆の電圧(−Vin)が
印加されるようになっている。同様にして、他方の放電
電極23とセンタータップ付き変圧器21bの二次側の
他方端子とが接続されるとともに、該放電電極23の誘
電体層23aに接触させて配置されたチャージングロー
ラ25と該変圧器21bの二次側の一方端子とが接続さ
れており、チャージングローラ25には、放電電極23
に印加される入力電圧(−Vin)とは極性が逆の電圧
(+Vin)が印加されるようになっている。センタータ
ップ付き変圧器21bの二次側のセンタータップは接地
電位とされている。
【0059】前記放電電極22,23は、直径D及び長
さLが10cmのアルミニウム合金製円柱体の表面に厚
み約100μmアルミナよりなる誘電体層22a,23
aを形成してなるものである。チャージングローラ2
4,25は、直径Dが3cmで長さLが10cmのアル
ミニウム合金製円柱体の表面に厚み2mmの導電性ゴム
を被覆してなるものである。なお、放電電極22,23
及びチャージングローラ24,25がチャンバー内に設
けられ、さらに該チャンバー内にはガス導入手段及びオ
ゾン収集手段が設けられていること等については、前記
図1の実施形態と同一の構成であるので、その説明につ
いては省略する。
【0060】このように構成されるオゾン発生装置で
は、一方のチャージングローラ24の位置において放電
電極22の誘電体層22a表面に例えば負の電荷(−
Q)が付与される。この場合、誘電体層22aへの電荷
充電電圧は、放電電極22に印加される入力電圧(+V
in)の2倍の電圧値となり、これにより、C・2Vin
(最大でC・2Vmax )なる前記負の電荷(−Q)が付
与される。また同時に、他方のチャージングローラ25
の位置において放電電極23の誘電体層23a表面に正
の電荷(+Q)が付与される。この誘電体層23aへの
電荷充電電圧は、放電電極23に印加される入力電圧
(−Vin)の2倍の電圧値となり、これにより、C・2
Vin(最大でC・2Vmax )なる前記正の電荷(+Q)
が付与される。
【0061】そして、放電電極22,23の回転により
前記電荷充電電圧(2Vin)が保持された前記電荷(−
Q,+Q)が放電間隙S位置に到達したとき、放電電極
22の電圧極性は反転して負となっており(−Vin)、
また、放電電極23の電圧極性は反転して正となってお
り(+Vin)、放電間隙Sには、(Vin+2Vin)×2
=6Vinの電圧がかかることになる。よって、低い入力
電圧Vinであっても、効率的に放電が維持される。ま
た、同じ入力電圧Vinを用いても、図3に示すものに比
べて、誘電体層表面に付与される電荷は2倍となり、放
電間隙Sでは入力電圧Vinの6倍の電圧が得られるので
放電間隙Sの間隙寸法を3倍に大きくすることができ
て、放電による放電間隙への放出エネルギーWを6倍に
することができる。
【0062】また、チャージングローラ24,25によ
り、放電電極22,23の誘電体層22a,23aの表
面に該放電電極軸心方向に沿って電荷を均一に且つ確実
に付与することができる。これにより放電間隙Sにおい
て、この均一に付与された電荷によって未放電部分なく
放電が行われて該放電によるエネルギーが放電電極軸心
方向に沿って均一に放出されるので、放電間隙S全体を
用いて効率良くオゾンを発生させることができる。
【0063】放電間隙S位置より上流側の120°の位
置に配置されたチャージングローラ24,25を備えた
本実施形態によるオゾン発生装置において、前記した同
期条件の下においてさらに前記電荷補充条件を満たす場
合の、放電電極22,23の回転数F(rpm)と放電
電極22,23間に印加される電圧(+Vin,−Vin)
の周波数f(Hz)との一例は、回転数F:2400r
pm、周波数f:220Hzである。この例では、前記
式3における共鳴係数(n/m)の値が11となり、放
電電極22,23の各々においてチャージングローラ2
4,25の位置から放電間隙Sの位置までの誘電体層表
面に、正電荷模様と負電荷模様とを1組(1周期)とす
る11組(11周期)の縞模様が分布することになる。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1、2のオゾ
ン発生装置によれば、発生したオゾンが放電電極の回転
により次々に放電間隙から速やかに排出されるように構
成したから、オゾンの発生効率を従来の平行平板型のオ
ゾン発生装置に比べて向上させることができ、また、放
電電極に対して電荷付与用電極を放電間隙の放電電極回
転方向上流側の位置に配置し、この電荷付与用電極によ
り該放電電極の誘電体層表面に電荷を付与し、その電荷
を放電間隙位置へ運ぶように構成したものであるから、
放電間隙にかかる電圧を増大することができ、これによ
って放電間隙の間隙寸法を大きくして放電による放電間
隙への放出エネルギーを増大することができて、電力効
率良くオゾンを発生させることができる。
【0065】請求項3のオゾン発生装置によれば、誘電
体層を有する放電電極に対して電荷付与用電極を、放電
間隙の位置より電極回転角度で表して360°/m(m
は3以上の奇数)の位置において電荷を付与するように
配置したから、電荷付与用電極によって充電不足分電荷
を補充するだけでよく、電荷付与用電極による電荷付与
に要する電力を必要最小限にすることができ、より電力
効率良くオゾンを発生させることができる。
【0066】請求項4のオゾン発生装置によれば、前記
請求項1、2及び3の何れかのオゾン発生装置による前
記効果に加えて、電荷付与用電極としてチャージングロ
ーラを用いるものであるから、放電電極の誘電体層表面
に該放電電極軸心方向に沿って電荷を均一に、且つ確実
に付与することができるので、放電間隙において未放電
部分なく放電が行われて放電によるエネルギーが放電電
極軸心方向に沿って均一に放出され、放電間隙全体を用
いて効率的にオゾンを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるオゾン発生装置の平
面断面図である。
【図2】同じくオゾン発生装置の正面図である。
【図3】図1に示すオゾン発生装置を説明するための図
である。
【図4】図1に示すオゾン発生装置の動作を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の他の実施形態によるオゾン発生装置の
基本構成を示す図である。
【図6】平行平板型のオゾン発生装置の基本構成を示す
図である。
【図7】図6に示す平行平板型のオゾン発生装置におけ
る電流応答特性の一例を示す図である。
【図8】図6に示す平行平板型のオゾン発生装置の等価
回路である。
【図9】従来の回転電極型オゾン発生装置の基本構成を
示す図である。
【符号の説明】
1…チャンバー 2…サーボモータ 3…支持ポスト
4…電気絶縁性支持板5…絶縁板 6…ガス導入部材
7…ノズル部材 8…漏斗部材 9…オゾン導出部材
11,21…交流電圧源 21b…センタータップ付き
変圧器 12,13、22,23…一対の放電電極 1
2a,22a,23a…誘電体層 14,24,25…
チャージングローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 明 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 横田 嘉宏 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 谷岡 隆 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所神戸本社内 (72)発明者 森 勇藏 大阪府交野市私市8丁目16番19号 Fターム(参考) 4G042 CA01 CC02 CC05 CC09 CC10 CC16 CC23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素を含む原料ガスを放電間隙に導入す
    ることによりオゾンを発生させるオゾン発生装置であっ
    て、各々が円筒状外周面を有し、放電間隙を介して前記
    円筒状外周面を対向させて配置されるとともに、前記円
    筒状外周面の少なくとも一方が誘電体層で形成されてい
    る一対の放電電極と、該一対の放電電極をそれぞれ自軸
    を中心として互いに反対方向に回転駆動する回転駆動手
    段と、前記放電電極間に交流の電圧を印加することによ
    り前記放電間隙にて放電を起こさせる交流電圧源と、前
    記一対の放電電極の側方から前記放電間隙に原料ガスを
    導入するガス導入手段と、各放電電極の回転により前記
    放電間隙からガス流路の下流側へ排出されたオゾンを収
    集するオゾン収集手段とを備えるとともに、前記誘電体
    層を有する放電電極に対して前記放電間隙の放電電極回
    転方向上流側の位置に配置され、接地電位又は該放電電
    極とは逆極性の電位が印加されて、該放電電極の誘電体
    層表面に電荷を付与する電荷付与用電極を備えているこ
    とを特徴するオゾン発生装置。
  2. 【請求項2】 前記電荷付与用電極によって付与された
    電荷が放電電極の回転により該電荷付与用電極の位置か
    ら前記放電間隙の位置に運ばれる間に、前記交流電圧源
    によって放電電極間に印加される電圧の位相が180°
    の奇数倍進むように、前記一対の放電電極の回転数と該
    放電電極間に印加される電圧の周波数とが設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のオゾン発生装置。
  3. 【請求項3】 前記電荷付与用電極は、誘電体層を有す
    る放電電極に対して、前記放電間隙の位置より電極回転
    角度で表して360°/m(mは3以上の奇数)の位置
    において電荷を付与するように配置されていることを特
    徴とする請求項2記載のオゾン発生装置。
  4. 【請求項4】 前記電荷付与用電極は、誘電体層を有す
    る放電電極の軸心方向に沿って該放電電極にその誘電体
    層に接触させた状態で対向配置されたチャージングロー
    ラであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のオ
    ゾン発生装置。
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