JP2001203093A - 除電方法及び除電装置 - Google Patents

除電方法及び除電装置

Info

Publication number
JP2001203093A
JP2001203093A JP2000008236A JP2000008236A JP2001203093A JP 2001203093 A JP2001203093 A JP 2001203093A JP 2000008236 A JP2000008236 A JP 2000008236A JP 2000008236 A JP2000008236 A JP 2000008236A JP 2001203093 A JP2001203093 A JP 2001203093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire electrode
positive
negative
charged object
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000008236A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Matsunaga
浩一 松永
Takashi Yamawaki
孝 山脇
Ken Yukimura
建 行村
Juntaro Tsuji
順太郎 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAIDEN KENKYUSHO KK
Original Assignee
HAIDEN KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAIDEN KENKYUSHO KK filed Critical HAIDEN KENKYUSHO KK
Priority to JP2000008236A priority Critical patent/JP2001203093A/ja
Publication of JP2001203093A publication Critical patent/JP2001203093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電物体を逆帯電させるような過度な除電で
はなく、帯電物体の帯電状況に応じた適度のしかも広範
囲にわたりムラの無い綺麗な除電が効率良く行えるよう
にする。 【解決手段】 導電性のワイヤー電極1と帯電物体Fと
の間の空間に、ワイヤー電極に対する対向電極を設ける
ことなく電界を生じさせ、ワイヤー電極1と帯電物体F
との間で暗流状態を維持しながら、帯電物体Fの電荷と
異極性の電荷を暗流状態から引き出し、帯電物体Fにク
ーロン力により吸引させて除電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤー電極を用
いて帯電物体を除電する除電方法及び除電装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、帯電物体を除電するには、多数の
針状電極と接地電極を対向させ、これらの間のコロナ放
電による電離によってプラス・マイナスのイオンを生成
し、そのイオンにて帯電物体を中和除電する方法が一般
的であった。
【0003】図9はその従来例の除電装置を示す。この
従来の除電装置は、針状電極51を植設した多数の金属
リング52を高圧ケーブル53の被覆53aの外周に嵌
め、これらを樹脂54にてケース55内に固定し、この
ケース55に板状又は棒状の一対の接地電極56を平行
に設けて、針状電極51に対する対向電極としたもので
ある。そして、高電圧電源57から高圧ケーブル53の
芯線53bに交流高電圧を供給して、針状電極51に静
電誘導により交流高電圧を印加することにより、針状電
極51と接地電極56との間の空間が絶縁破壊し、針状
電極51の先端から接地電極56へ向かって自続放電で
あるコロナ放電が生じるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この除電装置の場合、
イオン生成量は、針状電極51と接地電極56との間に
流れる有効な放電電流に依存しているが、その有効な放
電電流を実際に測定してみると僅かであって、他は無効
な漏洩電流、つまり芯線53bから被覆53aへ、更に
誘電体である樹脂54から接地電極56へ流れる漏洩電
流であり、非常に効率が悪い。また、この漏洩電流のた
めに、長時間使用すると、接地電極56の表面に沿面リ
ークしたり、樹脂54が焼損する問題があった。
【0005】更に、針状電極51と接地電極56との間
の空間の、強制的な絶縁破壊によるコロナ放電にてイオ
ンを生成するため、イオン生成量が過度になり勝ちで、
帯電物体を元の帯電極性とは逆極性に帯電(逆帯電)さ
せてしまったり、除電しようとする帯電物体以外のもの
を帯電又は除電させたり、針状電極51の先端付近は電
界が強く針と針との間は電界が弱いというムラのため
に、帯電物体を均一かつ緻密に除電できなかった。ま
た、コロナ放電によりオゾンが発生するため、オゾンに
よる弊害もあった。
【0006】また、針状電極51と接地電極56との間
で強制的にコロナ放電をさせると、大気中でのコロナ放
電により火花が発生するため、引火性のあるところで使
用する場合には、つまり防爆仕様とする場合には、針状
電極51を樹脂パイプで覆い、その内部をエアーパージ
して樹脂パイプに設けられたスリットからイオンを吹き
出す必要があり、高価になっていた。
【0007】このような針状電極を用いた除電装置のほ
か、ワイヤー電極を用いたものも従来提供されている
が、ワイヤー電極を用いたものでも、従来はワイヤー電
極に対する対向電極(接地電極)が有り、ワイヤー電極
と対向電極との間に、自続放電であるコロナ放電を起こ
して電離によるプラス・マイナスのイオンを生成し、そ
のイオンにて帯電物体を中和除電するもので、針状電極
に比べて除電ムラは少なく経済的でもあるが、イオン生
成量が過度になり、帯電物体を元の帯電極性とは逆極性
に帯電させてしまうことは避けられず、またオゾンによ
る問題もあった。
【0008】このように従来は、針状電極を用いる場合
も、ワイヤー電極を用いる場合も、対向する電極間で、
帯電物体の帯電状況とは無関係に自続放電を起こしてプ
ラス・マイナスのイオンを生成し、そのイオンにて帯電
物体を中和除電しなければ、除電できないというのが通
念であった。そして、この通念の域から脱することがで
きず、大半は、帯電物体の電位の大小や極性などの帯電
状況とは無関係に、プラス・マイナスのイオンを強制的
にかつ過度に帯電物体に与えており、消費電力が大きい
割には不完全な除電に終わっていた。また、帯電物体を
均一かつ緻密に除電するには、種々の付加的手段が必要
で、除電装置として高価になっていた。
【0009】本発明は、上記のような従来の通念から脱
して、従来における種々の問題点を一掃できる全く斬新
な除電方法及び除電装置を提案したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、自続放電に至
らない前段階の暗流に着目し、ワイヤー電極と帯電物体
との間で、電位差による暗流状態を起こして、暗流を持
続させるという手法により除電するもので、その特徴
は、導電性のワイヤー電極と帯電物体との間の空間に、
ワイヤー電極に対する対向電極を設けることなく電界を
生じさせ、ワイヤー電極と帯電物体との間で暗流状態を
維持しながら、帯電物体の電荷と異極性の電荷を暗流状
態から引き出し、帯電物体にクーロン力により吸引させ
て除電することにある。
【0011】暗流状態を維持するため、ワイヤー電極に
高電圧を間欠的に印加する。その高電圧は、正負交互の
パルス、更に立ち上がりの速いパルスが良い。立ち上が
りの速いパルスにすると、空間の絶縁破壊を招くことな
く、すなわちコロナ放電を起こすことなく、瞬時に高い
電界にして電子の放出をより促進し、正負イオン密度を
高くすることができる。
【0012】正負のパルスの電圧を正負個別に可変する
と、簡単にイオンバランスさせることができる。
【0013】長尺な帯電物体の場合には、帯電物体をワ
イヤー電極に対して移動させながら除電する。
【0014】本発明の除電装置は、帯電物体との間に、
対向電極によることなく電界を生じさせる導電性のワイ
ヤー電極と、このワイヤー電極と帯電物体との間に暗流
状態が維持されるように、ワイヤー電極に高電圧を間欠
的に印加する電源とを有する。
【0015】ワイヤー電極の直径は0.2mm以下であ
ることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面に従って詳細に説明する。
【0017】図1及び図2に本発明の一実施形態の概要
構成を示す。同図において、導電性のワイヤー電極1
が、樹脂パイプである電気絶縁性の保護ケース2内にお
いて、その軸線に沿って真っ直ぐ緊張架設されている。
すなわち、ワイヤー電極1の一端は、コイルスプリング
3を介して保護ケース2の一端に固定されるとともに、
他端は、保護ケース2の他端部にねじ込んだコネクタプ
ラグ4に固定され、コイルスプリング3の収縮力により
常に緊張状態を保持されるようになっている。保護ケー
ス2の胴部には、多数のスリット5がワイヤー電極1と
平行に設けられている。
【0018】ワイヤー電極1は、コネクタプラグ4に接
続された高圧ケーブル6を介して、正負パルス式高電圧
電源7から、図3(A)に示すような立ち上がり/立ち
下がりの速い歪みの無い正負交互のパルス状高電圧を間
欠的に印加される。ここで、正負交互のパルス状高電圧
をワイヤー電極1に間欠的に印加するのは、ワイヤー電
極1と除電対象物である帯電物体F(例えば、走行する
樹脂フィルム)との間で、非常に弱い電離状態である暗
流状態を生成してその状態を持続させ、帯電物体Fの帯
電極性が正負いずれであっても、その帯電電荷と異極性
の電荷を暗流状態から引き出し、その電荷を帯電物体F
にクーロン力により吸引させて除電するためであって、
パルス状高電圧の電圧、パルス幅、パルス間の時間幅
(周期)は、このような暗流状態の持続により、正負い
ずれの極性の除電も行えるような条件に高電圧電源7に
て設定する。
【0019】ワイヤー電極1に印加する正負交互のパル
ス状高電圧として、特に立ち上がりの速いパルスとする
のは、その印加電圧と帯電物体Fの帯電電位との電位差
を瞬間的に大きくして電界強度を高くするためである。
また、ワイヤー電極1の太さは、なるべく細い方が電界
強度を高くすることができる。
【0020】図4は実験結果のグラフであって、除電対
象物である帯電物体Fとして帯電電位が−30KVの樹
脂フィルムを用い、ワイヤー電極1の直径が0.2m
m、0.15mm、0.08mmの場合について、樹脂
フィルムに対するワイヤー電極1の設置高さを変え、そ
れぞれの場合における除電後の樹脂フィルムの電位を測
定したものである。ワイヤー電極1への正負交互のパル
スの印加電圧は、いずれの場合も正が+4.7KV、負
が−4.0KVで、周波数は250Hzとした。このよ
うな実験結果から、ワイヤー電極1の太さは直径が0.
2mm以下が好ましいことが分かった。
【0021】図5のグラフは、帯電電位が−10KVの
樹脂フィルムを用い、樹脂フィルムに対するワイヤー電
極1の設置高さを35mm、ワイヤー電極1への正負交
互のパルスの印加電圧を正負いずれも7KVに一定とし
て、その周波数を変えて樹脂フィルムの除電後の電位を
測定した実験結果を示す。
【0022】帯電物体Fが長尺の樹脂フィルムの場合、
それを走行させながら除電するが、その走行速度により
パルス状高電圧の印加態様を調整することが好ましい。
その理由について説明すると、図3(B)に示すように
印加するパルス幅が広いと、先ず正の電圧が印加された
とき、樹脂フィルムが負に帯電していれば、パルス幅に
対応する樹脂フィルムの通過時間分だけ除電されるもの
の、次に極性が反転して負の電圧が印加されると、樹脂
フィルムが負に帯電していれば、この時間分は除電され
ずに逆に帯電されてしまい、半サイクル毎に帯電ムラ
(除電ムラ)が発生することになる。樹脂フィルムの走
行速度が、印加する電圧の周波数よりはるかに速い場合
にも同様で、除電される長さと帯電される長さが、樹脂
フィルムの走行速度に比例して長くなる。
【0023】印加する電圧の周波数を樹脂フィルムの速
度よりはるかに高くすると、高速に除電できると思われ
るが、しかし速すぎると、印加電圧の極性の反転速度が
速いため、除電してもまた直ぐに帯電してしまう結果と
なる。
【0024】従って、印加する電圧の周波数を樹脂フィ
ルムの走行速度に適合したものとすることにより、的確
に除電できることになる。そのため、印加する電圧のパ
ルス幅は広く取る必要がなく、パルス幅を狭くして瞬間
的に除電する方が良い。また、パルス幅を広く取ると、
正負パルス式高電圧電源7のインバータのロスが多くな
り、効率が悪くなる。
【0025】ワイヤー電極1から出る電気力線は、ある
幅で放射状に出ているため、印加する電圧のパルスの周
波数は、樹脂フィルムの走行速度との関係から適切な周
波数を選ぶことが望ましい。今、周波数を250Hzと
仮定した場合、1/250=4msecなので、電気力
線の放射幅(図1及び図2におけるスリット5の幅)を
30mmとすると、4/30=0.133msecとな
るので、樹脂フィルムの走行速度Vは、V=1/0.1
33×1000×60÷1000=451m/minと
なる。すなわち、樹脂フィルムの走行速度が451m/
minの場合、印加する電圧のパルスの周波数を250
Hzとすれば、的確な除電を行えることになる。
【0026】図6に正負パルス式高電圧電源7の構成の
一例を示す。この高電圧電源7は、一般のAC電源を元
の電源として、起動回路8aを介してトランス9の一次
側にAC電圧を印加する。このトランス9の二次側に
は、正側のDC整流回路10Aと負側のDC整流回路1
0Bとが、それぞれ電圧可変手段であるスライダック1
1A・11Bを介して接続されており、これらDC整流
回路10A・10Bでそれぞれ整流された直流電圧が、
Hブリッジスイッチング回路(インバータ)12に対し
て正負それぞれの直流電源として供給される。その正負
の直流電圧は、スライダック11A・11Bにより正負
個別に可変できる。一方、Hブリッジスイッチング回路
12を構成している4個の半導体スイッチング素子SW
1、SW2、SW3、SW4のためのゲート制御回路1
3に対しては、基準電圧回路8bにて整流された基準電
圧が供給される。
【0027】ゲート制御回路13は、パルス発振回路1
4を4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、S
W3、SW4に対する共通のゲート信号発生源としてい
る。そして、このパルス発振回路14からのパルスを、
第1の半導体スイッチング素子SW1に対しては、AN
D回路15及び絶縁(ISO)されたドライブ回路16
にてゲート信号とし、第2の半導体スイッチング素子S
W2に対しては、NOR回路17及び絶縁されたドライ
ブ回路18にてゲート信号とし、第3の半導体スイッチ
ング素子SW3に対しては、NOR回路19及び絶縁さ
れたドライブ回路20にてゲート信号とし、第4の半導
体スイッチング素子SW4に対しては、AND回路21
及び絶縁されたドライブ回路22にてゲート信号とし
て、それぞれのゲートに供給するようになっている。
【0028】AND回路15及びNOR回路17には、
パルス発振回路14からのパルスと、その立ち上がりを
遅延回路23で遅延させたパルスが入力され、NOR回
路19及びAND回路21には、パルス発振回路14か
らのパルスと、その立ち上がりを遅延回路24で遅延さ
せたパルスが入力される。
【0029】パルス発振回路14のパルス幅はパルス幅
設定器25にて任意に可変でき、また周波数は周波数設
定器26にて任意に調整できる。
【0030】図7にゲート制御回路13の動作タイミン
グを示す。この図に示すように、NOR回路17から出
力されるパルスの幅は、AND回路15から出力される
パルスの幅よりも前後に長く、またNOR回路19から
出力されるパルスの幅は、AND回路21から出力され
るパルスの幅よりも前後に長くなっている。
【0031】AND回路15、NOR回路17、NOR
回路19、AND回路21からのこのようなパルスを、
絶縁された各ドライブ回路16、18、20、22を通
じてそれぞれの半導体スイッチング素子SW1、SW
2、SW3、SW4のゲートに供給することにより、こ
れら半導体スイッチング素子が後述のようにスイッチン
グ動作し、正負交互のパルスが得られる。この正負交互
のパルスはカップリングコンデンサ27を介しトランス
28から昇圧して出力される。
【0032】Hブリッジスイッチング回路12は、第
1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子
SW1、SW2、SW3、SW4をHブリッジ接続する
(FET等の2個入り半導体モジュールをHブリッジと
する)とともに、各半導体スイッチング素子にダイオー
ドD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したもの
である。トランス28の一次側は、第1と第2の半導体
スイッチング素子SW1・SW2の中点と第3と第4の
半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点との間に
接続されている。そして、このHブリッジスイッチング
回路12は、上述したゲート制御回路13にて、次の表
1に示す、、、、の5つのON/OFFの組
み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させるこ
とにより、正負のパルスを交互に間欠的に出力する。そ
の正負のパルスの電圧は、DC整流回路10A・10B
からの電圧にそれぞれ相当したものとなる。
【0033】
【表1】
【0034】ここで、第1の半導体スイッチング素子S
W1と第2の半導体スイッチング素子SW2との組、第
3の半導体スイッチング素子SW3と第4の半導体スイ
ッチング素子SW4の組がそれぞれ同時にONにならな
いように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOF
Fにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素
子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、
また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにす
るときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW
4をONにするときの時間幅よりも前後に長くすること
により、入力信号(ゲート信号)に比例した立ち上がり
/立ち下がりの急峻な歪みの無い正負交互のパルス信号
が図3(A)に示したように間欠的に得られる。
【0035】DC整流回路10A・10BからHブリッ
ジスイッチング回路12に供給される正負の直流電圧V
1とV2が、V1=V2のときトランス28の一次側の
電圧波形は正負対称(同電位)のパルス波形となり、ト
ランス28の二次側の高電圧E1とE2も図8(A)に
示すように同じく正負対称(E1=E2)のパルス波形
となる。
【0036】一方、V1<V2のときは図8(B)のよ
うにE1<E2の非対称波形、またV1>V2のときは
図8(C)のようにE1>E2の非対称波形となる。こ
こで、正負各々のパルス幅を図8(D)のように1周期
の50%ほどにすると、トランス28の二次側から出力
される高電圧は、カップリングコンデンサ27により正
負が平均化され、すなわち正負片方を可変するとそれに
つれて他方も変わるため、正負それぞれの電圧調整がで
きにくくなる。そこで、正負それぞれのパルス幅は、パ
ルス幅設定器25により1周期の5%以下に制限される
ようになっている。このようにしておけば、正負それぞ
れの電圧を、スライダック11A・11Bにより別々に
可変することにより、トランス28の二次側から出力さ
れる正負交互のパルス状高電圧を、図8(E)及び図8
(F)に示すように正負別々に任意に可変することがで
きる。また、周波数は周波数設定器26にて調整でき
る。
【0037】従って、ワイヤー電極1に印加する正負交
互のパルス状高電圧を正負別々に任意に可変できるとと
もに、周波数も可変できるので、暗流状態の維持及びイ
オンバランスを帯電物体Fの状況に応じて簡単に実現で
き、従来のコロナ放電による除電に比べて、帯電物体F
を逆帯電させるような過度な除電ではなく、帯電物体F
の帯電状況に応じた適度のしかも広範囲にわたりムラの
無い綺麗な除電が効率良く行える。
【0038】なお、除電対象である帯電物体Fとして走
行する樹脂フィルムを例にしたが、種々の物体を除電で
きることは言うまでもない。また、帯電物体Fに対して
ワイヤー電極1を移動させて除電することもできる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、導電性のワ
イヤー電極と帯電物体との間の空間に、ワイヤー電極に
対する対向電極を設けることなく電界を生じさせ、ワイ
ヤー電極と帯電物体との間で暗流状態を維持しながら、
帯電物体の電荷と異極性の電荷を暗流状態から引き出
し、帯電物体にクーロン力により吸引させて除電するの
で、対向電極を設けてコロナ放電により除電する従来の
方法に比べ次のような効果がある。
【0040】 帯電物体を逆帯電させるような過度な
除電ではなく、帯電物体の帯電状況に応じた適度のしか
も広範囲にわたりムラの無い綺麗な除電が効率良く行え
る。
【0041】 対向電極が無く、またワイヤー電極に
印加する電圧も、暗流状態を維持できれば足りる程度の
低い電圧でしかも間欠的な印加で良いので、電極部の構
造や電源が非常に簡素になるに加え、電力消費も少な
く、経済的である。
【0042】 コロナ放電のような強制的な絶縁破壊
による電離ではなく、非常に弱い電離状態で除電するた
め、火花の発生やオゾンの発生が無く、安全であり、引
火性のあるところで使用する場合にも防爆仕様とする必
要がない。 電極部のメンテナンスやワイヤー電極の交換も容易
になる。
【0043】 ワイヤー電極に印加する正負のパルス
の電圧を正負個別に可変することで、簡単にイオンバラ
ンスが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同上における電極部の断面図である。
【図3】ワイヤー電極に印加する正負交互のパルス状高
電圧のタイミングチャートである。
【図4】除電対象物である帯電物体として樹脂フィルム
を用い、ワイヤー電極の直径を変えて除電した場合の実
験結果を示すグラフである。
【図5】ワイヤー電極に印加する正負交互のパルス状高
電圧の周波数を変えて樹脂フィルムの除電後の電位を測
定した実験結果を示すグラフである。
【図6】正負パルス式高電圧電源の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図7】その動作のタイミングチャートである。
【図8】ワイヤー電極に印加され正負交互のパルス状高
電圧のタイミングチャートである。
【図9】従来の除電装置の断面図である。
【符号の説明】
F 帯電物体 1 ワイヤー電極 2 保護ケース 3 コイルスプリング 4 コネクタプラグ 5 スリット 6 高圧ケーブル 7 正負パルス式高電圧電源 8a 起動回路 8b 基準電圧回路 9 トランス 10A 正側のDC整流回路 10B 負側のDC整流回路 11A・11B スライダック 12 Hブリッジスイッチング回路 SW1、SW2、SW3、SW4 半導体スイッチング
素子 13 ゲート制御回路 14 パルス発振回路 15 AND回路 16 ドライブ回路 17 NOR回路 18 ドライブ回路 19 NOR回路 20 ドライブ回路 21 AND回路 22 ドライブ回路 23 遅延回路 24 遅延回路 25 パルス幅設定器 26 周波数設定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻 順太郎 京都府宇治市槙島町郡1丁目2番地 Fターム(参考) 5G067 DA01 DA14 DA19 DA21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性のワイヤー電極と帯電物体との間の
    空間に、ワイヤー電極に対する対向電極を設けることな
    く電界を生じさせ、ワイヤー電極と帯電物体との間で暗
    流状態を維持しながら、帯電物体の電荷と異極性の電荷
    を暗流状態から引き出し、帯電物体にクーロン力により
    吸引させて除電することを特徴とする除電方法。
  2. 【請求項2】ワイヤー電極に高電圧を間欠的に印加して
    暗流状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の
    除電方法。
  3. 【請求項3】ワイヤー電極に間欠的に印加する高電圧
    が、正負交互のパルスであることを特徴とする請求項2
    に記載の除電方法。
  4. 【請求項4】パルス状高電圧が立ち上がりの速いパルス
    であることを特徴とする請求項3に記載の除電方法。
  5. 【請求項5】正負のパルスの電圧を正負個別に可変する
    ことを請求項3又は4に記載の除電方法。
  6. 【請求項6】帯電物体をワイヤー電極に対して移動させ
    ながら除電することを特徴とする請求項1、2、3又は
    4に記載の除電方法。
  7. 【請求項7】帯電物体との間に、対向電極によることな
    く電界を生じさせる導電性のワイヤー電極と、このワイ
    ヤー電極と帯電物体との間に暗流状態が維持されるよう
    に、ワイヤー電極に高電圧を間欠的に印加する電源とを
    有することを特徴とする除電装置。
  8. 【請求項8】ワイヤー電極に間欠的に印加する高電圧
    が、立ち上がりの速い正負交互のパルスであることを特
    徴とする請求項7に記載の除電装置。
  9. 【請求項9】電源は、正負のパルスの電圧を正負個別に
    可変できることを特徴とする請求項8に記載の除電装
    置。
  10. 【請求項10】ワイヤー電極の直径が0.2mm以下で
    あることを特徴とする請求項7、8又は9に記載の除電
    装置。
JP2000008236A 2000-01-17 2000-01-17 除電方法及び除電装置 Pending JP2001203093A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008236A JP2001203093A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 除電方法及び除電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000008236A JP2001203093A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 除電方法及び除電装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001203093A true JP2001203093A (ja) 2001-07-27

Family

ID=18536545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000008236A Pending JP2001203093A (ja) 2000-01-17 2000-01-17 除電方法及び除電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001203093A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004177A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Shishido Seidenki Kk 高圧電源およびイオン生成装置
JP2009004162A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Shishido Seidenki Kk イオンバランスの調整方法
JP2009009765A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 U-Tec Kk イオン発生方法及びイオン発生装置並びにこのイオン発生方法を用いた除電方法及び除電装置
JP2009099472A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Shishido Seidenki Kk 送風式イオン生成装置
JP2010092671A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Institute Of National Colleges Of Technology Japan イオン生成装置
CN101442870B (zh) * 2007-11-22 2013-06-19 Smc株式会社 电极丝式离子发生器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004177A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Shishido Seidenki Kk 高圧電源およびイオン生成装置
JP2009004162A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Shishido Seidenki Kk イオンバランスの調整方法
JP2009009765A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 U-Tec Kk イオン発生方法及びイオン発生装置並びにこのイオン発生方法を用いた除電方法及び除電装置
JP2009099472A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Shishido Seidenki Kk 送風式イオン生成装置
CN101442870B (zh) * 2007-11-22 2013-06-19 Smc株式会社 电极丝式离子发生器
JP2010092671A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Institute Of National Colleges Of Technology Japan イオン生成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2651478B2 (ja) 除電除塵方法及び除電除塵装置
JP4219451B2 (ja) 除電装置
US7652431B2 (en) Electrostatic fluid accelerator
KR20030003523A (ko) 고주파 교류 고전압을 이용한 정전기 제거장치
JPH0210426B2 (ja)
JP2001203093A (ja) 除電方法及び除電装置
JP2009021110A (ja) 高電圧発生回路、イオン発生装置、及び電気機器
JP3232511B2 (ja) 高周波高圧電源
JP2010044876A (ja) イオン生成装置
JPH11333244A (ja) 放電ガス処理装置
WO2001029857A2 (en) Ac corona charging arrangement
KR100489557B1 (ko) 대전물체의 제전방법 및 그의 제전장치
JP2007042287A (ja) イオン生成装置
JP2651476B2 (ja) フィルム等の除電方法及び除電装置
JP2789187B2 (ja) 移動体の除電方法
JPS6219033B2 (ja)
KR100205392B1 (ko) 공기조화기의 전기집진장치
KR100227128B1 (ko) 스트리머 코로나 방전에 의한 플라즈마 전리기체 발생장치
JP2003144985A (ja) 粉体塗装装置及び方法
JP5989020B2 (ja) イオン生成装置
Nakane et al. Current waveforms of electric discharge in air under high-intensity acoustic standing wave field
RU2763869C1 (ru) Способ формирования напряжения сложной формы
JP2001170522A (ja) 静電応用機器用パルス重畳型高電圧発生装置
KR0181552B1 (ko) 제전 및 제진방법과 제전 및 제진장치
JP5650768B2 (ja) イオン生成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040629