JP2003019915A - 車両用シート装置 - Google Patents

車両用シート装置

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JP2003019915A
JP2003019915A JP2001207521A JP2001207521A JP2003019915A JP 2003019915 A JP2003019915 A JP 2003019915A JP 2001207521 A JP2001207521 A JP 2001207521A JP 2001207521 A JP2001207521 A JP 2001207521A JP 2003019915 A JP2003019915 A JP 2003019915A
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Japan
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seat
seat cushion
occupant
vehicle
fatigue
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Yuji Murakami
祐二 村上
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Toyo Seat Co Ltd
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Toyo Seat Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用シート装置において、車両運転上にお
ける安全性を確保しつつ疲労軽減を図る。 【解決手段】 シートクッション2の後端部2b側を第
1支軸5によりシート支持機構4に枢支させる一方、そ
の前端部2a側を昇降機構10により昇降可能にシート
支持機構4側に支持させ、昇降機構10の作動に伴って
シートクッション2が第1支軸5を傾動中心として連続
的に又は間歇的に往復傾動するように構成する。かかる
構成とすることで、乗員の骨盤周りの姿勢保持筋がシー
トクッション2の往復傾動に伴って伸縮しその持続的な
緊張が緩和され、乗員の長時間の着座に伴う疲労感が軽
減されるとともに、シートクッション2の傾動に伴う乗
員のアイポイントの変化が可及的に抑制され、車両運転
上の安全性の向上と乗員の精神的疲労の軽減が図られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、シートクッショ
ンを連続的にあるいは間歇的に前後方向へ傾動可能とし
た車両用シート装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に車両用シート装置においては、乗
員の疲労軽減を図るための手法として、シートクッショ
ンに対する着座ポイントを、乗員の好みとか体格等に応
じて最適に設定し得るようにしている。例えば、シート
クッションの前後方向の位置調整、シートクッションの
高さ調整、あるいはシートクッションの傾斜角度の調整
等がこれである。これら各手法は、共に、シートクッシ
ョンに対する乗員の適正な着座ポイントを確保し、不適
正な着座ポイントに起因する疲労感の発生を抑制するこ
とを狙ったものであり、調整後は、再度の調整を行わな
い限り、その位置が保持されるものである。
【0003】ところで、シートクッションに着座した乗
員が感じる疲労感は、上記の如き不適正な着座ポイント
に起因する疲労感のみではなく、例えば長時間同じ着座
姿勢を維持することに起因する疲労感もある。即ち、長
時間同じ着座姿勢を維持すると、体の姿勢保持筋群(脊
椎起立筋とか腸腰筋とか下肢筋等)の持続的な筋収縮に
よって筋疲労が発生するとか、椎間板の新陳代謝が阻害
され椎間板部分に栄養障害等が発生し、これによって筋
肉性腰痛とか腰椎ヘルニア等の健康障害が引き起こさ
れ、これが疲労感として乗員に認識されるものである。
【0004】従って、着座に伴う疲労感の軽減を図ると
いう観点からすれば、不適正な着座姿勢に起因する疲労
感の外に、長時間同じ着座姿勢を維持することに起因す
る疲労感をも同時に軽減させることが必要となる。
【0005】ここで、長時間同じ着座姿勢を維持するこ
とに起因する疲労感の軽減には、腰背部を中心とする骨
盤回りの筋肉の持続的緊張を緩和することが有効である
ことが知られている。かかる知見に基づく従来技術とし
て、例えば特開平11−151129号公報には、作業
用椅子において、座面を連続的に傾動させて着座姿勢に
おける乗員の股関節角度とか腰仙角等を連続的に変化さ
せることで骨盤回りの筋肉の持続的緊張を緩和しもって
着座姿勢における疲労軽減を図る思想が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上掲公知例
の技術思想は、これをそのまま車両用シート装置に適用
した場合、骨盤回りの筋肉の持続的緊張を緩和して乗員
の着座姿勢における疲労軽減を図るという点においては
それなりの効果を発揮するものの、車両用シート装置に
特有の要請には対応できず、結果的に車両用シート装置
への適用が困難であった。
【0007】即ち、車両用シート装置は、そのシートク
ッションに着座した乗員が着座姿勢のまま走行方向前方
を注視しながら運転を行うものであるため、運転中、シ
ートクッションの傾動に伴って乗員のアイポイントが連
続的に変化すると、視認性の低下によって運転の安全性
が損なわれるとともに、視線の連続的な変更によって乗
員の精神的疲労(主として、眼精疲労)が増長され、こ
の結果、シートクッションを連続的に傾動させることで
長時間の着座に起因する疲労の軽減を図る構成を採用し
たにも拘わらず、十分な疲労軽減効果が得られないとい
うことになる。
【0008】そこで本願発明は、車両運転上の安全性を
確保しつつ疲労軽減を図り得るようにした車両用シート
装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0010】本願の第1の発明では、シートクッション
2とシートバック3とをそれぞれシート支持機構4を介
して車体側に支持させてなる車両用シート装置におい
て、上記シートクッション2を、その後端部2b側にお
いてはシート幅方向に軸線をもつ第1支軸5を介して上
記シート支持機構4に枢支させる一方、その前端部2a
側においては昇降機構10を介して昇降可能に上記シー
ト支持機構4側に支持させ、上記昇降機構10の作動に
伴って上記シートクッション2が上記第1支軸5を傾動
中心として連続的に又は間歇的に上下方向へ往復傾動す
るように構成したことを特徴としている。
【0011】本願の第2の発明では、上記第1の発明に
かかる車両用シート装置において、上記昇降機構10
を、駆動手段28と該駆動手段28の駆動力を上記シー
トクッション2の前端部2aにその昇降変位として伝達
する伝達手段20とで構成したことを特徴としている。
【0012】本願の第3の発明では、上記第2の発明に
かかる車両用シート装置において、上記駆動手段28を
モータ28とするとともに、該モータ28にはこれを冷
却する冷却手段32を付設したことを特徴としている。
【0013】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0014】 本願の第1の発明にかかる車両用シー
ト装置では、シートクッション2とシートバック3とを
それぞれシート支持機構4を介して車体側に支持させて
なる車両用シート装置において、上記シートクッション
2を、その後端部2b側においてはシート幅方向に軸線
をもつ第1支軸5を介して上記シート支持機構4に枢支
させる一方、その前端部2a側においては昇降機構10
を介して昇降可能に上記シート支持機構4側に支持さ
せ、上記昇降機構10の作動に伴って上記シートクッシ
ョン2が上記第1支軸5を傾動中心として連続的に又は
間歇的に往復傾動するように構成している。
【0015】従って、この発明の車両用シート装置によ
れば、上記シートクッション2は、その前端部2aの昇
降動作に伴ってその後端部2b側の上記第1支軸5を中
心として連続的に又は間歇的に上下方向へ往復傾動する
が、この場合、該シートクッション2の傾動に拘わらず
上記シートバック3は所定の位置で姿勢保持されている
ことから、該シートクッション2の往復傾動に伴って該
シートクッション2とシートバック3との交角は所定角
度範囲内で連続的に又は間歇的に変化することになる。
【0016】このため、上記シートクッション2に乗員
が着座し且つその背中を上記シートバック3に凭せかけ
た状態においては、乗員の骨盤周りの脊椎起立筋とか腸
腰筋とか下肢筋等の姿勢保持筋は、上記シートクッショ
ン2の往復傾動に伴う上記交角の変化に対応して連続的
に又は間歇的に伸縮し、その持続的な緊張が緩和され、
筋の持続的な緊張に起因する腰痛等の健康障害の発生が
抑制されることになる。この結果、乗員は、例え長時間
同じ姿勢でシートクッション2に着座していたとして
も、着座に伴う疲労を感じることが少なく、疲労感の少
ない快適な着座感を得ることができる。
【0017】一方、上記シートクッション2に乗員が着
座した場合、該乗員のヒップポイントは該シートクッシ
ョン2の後端部2b寄りに位置することになるが、この
場合、上記シートクッション2の傾動中心となる上記第
1支軸5が該シートクッション2の後端部2b側に設け
られているので、乗員のヒップポイントとシートクッシ
ョン2の傾動中心とは可及的に接近した状態となる。こ
のため、上記シートクッション2の傾動に伴う乗員のヒ
ップポイントの上下移動幅は極めて小さく、従って乗員
のアイポイントも上記シートクッション2の傾動動作に
拘わらず殆ど上下方向に変動しないことになる。この結
果、上記シートクッション2の傾動に拘わらず、車両運
転中における乗員の上下方向における視線変更の必要性
が可及的に少なくなり、それだけ車両運転上の安全性が
向上するとともに、乗員の精神的疲労(主として眼精疲
労)の軽減が図られることになる。
【0018】このように、この発明の車両用シート装置
によれば、シートクッション2を傾動させて乗員の持続
的な筋緊張を緩和することによる疲労軽減と、該シート
クッション2の傾動に伴う乗員のアイポイントの変化を
抑制することによる車両運転上の安全性の確保と精神的
疲労の軽減とを、同時に達成することができるものであ
り、車両用シート装置として好適なものとなる。
【0019】 本願の第2の発明にかかる車両用シー
ト装置によれば、上記に記載の効果に加えて次のよう
な特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記昇
降機構10を、駆動手段28と該駆動手段28の駆動力
を上記シートクッション2の前端部2aにその昇降変位
として伝達する伝達手段20とで構成しているので、上
記昇降機構10はシートクッション2の前端部2aの支
持機能と該前端部2aの昇降機能とを併せもつことにな
り、例えばこれら両機能をそれぞれ専用の機構で実現す
る構成とする場合に比して、構造の簡略化と軽量化、及
び低コスト化を図ることができる。
【0020】 本願の第3の発明にかかる車両用シー
ト装置によれば、上記に記載の効果に加えて次のよう
な特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記駆
動手段28をモータ28とするとともに、該モータ28
にはこれを冷却する冷却手段32を付設しているので、
上記モータ28の過熱による作動不良あるいは作動不能
が未然に回避され、延いては車両用シート装置の使用上
の信頼性と耐久性が確保されるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1には、本願発明の実施形態に
かかる車両用のシート装置1を示している。このシート
装置1は、車両床面7側に配置されたシートクッション
2と該シートクッション2の後端部2b側においてシー
ト前後方向に傾動可能に配置されたシートバック3とを
備えて構成されるものであって、特に上記シートクッシ
ョン2をその後端部2b側を傾動中心として上下方向に
往復傾動させることで、該シートクッション2に着座し
ての車両の運転の安全性を損ねることなく、着座による
疲労感の軽減を実現し得るようにしたものである。以
下、このシートクッション2を傾動させるための具体的
構成等について説明する。
【0022】図2〜図4には、上記シートクッション2
の構造及び該シートクッション2を往復傾動可能とする
ための構造を示している。上記シートクッション2は、
樹脂製あるいは金属製のクッションフレーム21と、該
クッションフレーム21の上面側を覆うクッションパッ
ド部22とで構成されている。上記クッションフレーム
21は、その前部21aが浅く、後部21bが深くなっ
た略皿状形態を有しており、これを略水平に載置した状
態(図2に示す状態)では、上記前部2aの下方側に比
較的大きな空間部が形成されるようになっており、この
空間部に後述の昇降機構10等が配置される。そして、
上記シートクッション2は、次述のシート支持機構4及
び昇降機構10を介して車両床面7側に支持されてい
る。
【0023】上記シート支持機構4は、図3及び図4に
示すように、前後一対のブラケット43,44により車
両床面7に締着固定されたロアレール41と該ロアレー
ル41に対して相対摺動自在に嵌挿されたアッパレール
42とからなる左右一対のスライドレール40,40で
構成される。さらに、この左右一対のスライドレール4
0,40の各アッパレール42,42間には第1支軸5
と第2支軸6がそれぞれ取り付けられている。即ち、上
記第1支軸5は、上記各アッパレール42の後端部相互
間に跨がって配置され、且つ該各アッパレール42,4
2に対して相対回転自在とされている。また、上記第2
支軸6は、上記各アッパレール42の前端部相互間に跨
がって配置され、且つ該各アッパレール42,42に対
して相対回転自在とされている。
【0024】そして、この前後一対の支軸5,6に上記
シートクッション2が支持されている。即ち、上記シー
トクッション2の後端部2b側においては、上記クッシ
ョンフレーム21の後端部21bに固定したブラケット
52と上記レバー51に突設したレバー51とを枢支ピ
ン53によって連結している。従って、上記シートクッ
ション2は、上記第1支軸5を中心として上下方向へ回
動自在とされる。
【0025】一方、上記シートクッション2の前端部2
a側においては、次述の昇降機構10を介して該前端部
2aが上記第2支軸6側に連結されている。即ち、上記
昇降機構10は、上記シートクッション2の前端部2a
を昇降させるものであって、駆動手段としての可逆回転
形のモータ28と、このモータ28の回転力を上記シー
トクッション2の前端部2aの昇降変位として伝達する
伝達手段20とを備える。この伝達手段20は、図3及
び図5に示すように、ウォームギヤ機構25とナット部
材17及びボルト部材18を備えて構成され、上記モー
タ28の回転力を上記シートクッション2の前端部2a
の昇降変位として伝達する。
【0026】即ち、上記ウォームギヤ機構25は、上記
モータ28の回転軸に取り付けられたウォームギヤ27
と該ウォームギヤ27に噛合するウォームホィール26
とを備えており、そのギヤケースに突設したブラケット
30を支点ピン29を介して上記アッパレール42側の
ブラケット31に枢着することで該支点ピン29回りに
揺動可能とされている。また、上記ウォームギヤ機構2
5のウォームホィール26にはボルト部材18が取り付
けられるとともに、該ボルト部材18にはナット部材1
7が噛合されている。このナット部材17は、上記第2
支軸6に突設したレバー16の先端に軸着されている。
さらに、上記第2支軸6には、レバー13が固着される
とともに該レバー13の先端にはピン15を介してリン
ク12が連結され、またこのリンク12の他端はピン1
4を介して上記クッションフレーム21の前端部21a
側に固定したブラケット11に連結されている。尚、こ
のウォームギヤ機構25と上記モータ28とは、クラン
プ35及びブラケット36を介して一体化されている。
【0027】従って、上記モータ28と上記伝達手段2
0とで構成される上記昇降機構10においては、上記モ
ータ28の回転力が上記ウォームギヤ機構25において
上記ボルト部材18の回転力として変換されるととも
に、このボルト部材18の回転に伴って上記ナット部材
17が軸方向へ移動することで上記第2支軸6が回動さ
れる。そして、この第2支軸6と一体的に上記レバー1
3が回動することで、該レバー13の回動変位が上記リ
ンク12を介して上記シートクッション2側に伝達さ
れ、該シートクッション2の前端部2aは昇降動作を行
うことになる。この前端部2aの昇降によって、上記シ
ートクッション2はその後端部2b側の上記第1支軸5
を傾動中心として上下方向に傾動することとなる。
【0028】尚、この実施形態では、上述のように、上
記モータ28を可逆回転形としているので、上記シート
クッション2の前端部2aは、上記モータ28の一方側
への回転によって下降し(図5を参照)、他方側への回
転によって上昇する(図6を参照)。このようなシート
クッション2の前端部2aの下降動作と上昇動作とが交
互に繰り返されることで、該シートクッション2の前端
部2aの連続的な昇降が実現されるが、このシートクッ
ション2の前端部2aの最下降位置と最上昇位置の位置
検出は、上記クッションフレーム21の下面側にブラケ
ット33を介して取り付けた上下一対の位置センサ3
4,34によって上記第2支軸6に対する相対的な高さ
位置を検出することで行われる。
【0029】一方、上記モータ28の近傍には、冷却手
段としてブロア32を配置し、その吹出口32aから吹
き出される冷却風によって上記モータ28を適度に冷却
することで、その過熱を未然に防止するようにしてい
る。
【0030】尚、上記シートバック3は、上記シートク
ッション2とは別個独立した構成とされ、これ単独で上
記スライドレール40のアッパレール42側に支持され
ている。さらに、図3において、符号45は上記スライ
ドレール40のスライド調整を行うための操作レバーで
ある。
【0031】続いて、この実施形態のシート装置1の作
動等について説明する。図1に示すように、上記シート
装置1のシートクッション2に乗員Mが着座し且つその
背中を上記シートバック3側に凭せた着座姿勢において
は、該乗員MのヒップポイントP1は上記シート装置1
の後端部2bに近い位置にある。
【0032】この着座姿勢において、上記モータ28が
正逆双方へ可逆的に回転すると、このモータ28の回転
力が上記昇降機構10を介して上記シートクッション2
の前端部2aに伝達され該前端部2aが昇降駆動され
る。この前端部2aの昇降に伴って、上記シートクッシ
ョン2はその後端部2b側の上記第1支軸5を中心とし
て、図1に実線図示する下降位置と鎖線図示する上昇位
置との間で往復傾動することになる。
【0033】尚、この場合、上記シートクッション2の
往復傾動は、これを連続的に行わせることも、所定時間
毎に間歇的に行わせることも可能であり、その選択は乗
員Mの好み等に基づいて行われるが、ここでは、連続的
に往復傾動させる場合を例にとって説明する。
【0034】乗員Mが上記シートクッション2に着座し
た状態で該シートクッション2がその後端部2b側を傾
動中心として上下方向に連続的に往復傾動する場合、上
記シートクッション2の傾動に拘わらず上記シートバッ
ク3は所定の位置で姿勢保持されていることから、該シ
ートクッション2の往復傾動に伴って該シートクッショ
ン2とシートバック3との交角は所定角度範囲内で連続
的に変化することになる。この場合、上記シートクッシ
ョン2に着座した乗員Mにおいては、自己の意思とは無
関係に、上記シートクッション2の往復傾動に伴う上記
交角の変化に対応して、その上半身と下肢との屈曲角が
増減方向に連続的に変化し、その骨盤周りの脊椎起立筋
とか腸腰筋とか下肢筋等の姿勢保持筋が連続的に伸縮し
てその持続的な緊張が緩和されることになる。この結
果、乗員Mは、例えその着座時間が長時間に亙ったとし
ても、筋の持続的な緊張に起因する腰痛等の健康障害の
発生が抑制されることで、着座に伴う疲労を感じること
が少なく、疲労感の少ない快適な着座感を得ることがで
きるものである。
【0035】さらに、上記シートクッション2に乗員M
が着座した状態では、そのヒップポイントP1が該シー
トクッション2の後端部2b寄りに位置していることか
ら、該シートクッション2の傾動中心となる上記第1支
軸5と乗員MのヒップポイントP1とが可及的に接近し
た状態となる。このため、上記シートクッション2の傾
動に伴う乗員MのヒップポイントP1の上下移動幅は極
めて小さく、従ってそのアイポイントP2の上下方向へ
の変化も極めて少なくなる。この結果、上記シートクッ
ション2の傾動に拘わらず、車両運転中における乗員M
の上下方向への視線変更の必要性が可及的に少なくな
り、それだけ車両運転上の安全性が向上するとともに、
乗員の精神的疲労(主として眼精疲労)の軽減が図られ
ることになる。
【0036】このように、この実施形態のシート装置1
によれば、シートクッション2を傾動させて乗員の持続
的な筋緊張を緩和することによる疲労軽減と、該シート
クッション2の傾動に伴う乗員のヒップポイントP1
変化を抑制することによる車両運転上の安全性の確保と
精神的疲労の軽減とを、同時に達成することができるも
のであり、車両用シート装置として好適なものとなる。
【0037】さらに、この実施形態のシート装置1で
は、上記昇降機構10を、モータ28と該モータ28の
駆動力を上記シートクッション2の前端部2aにその昇
降変位として伝達する伝達手段20とで構成しているの
で、上記昇降機構10はシートクッション2の前端部2
aの支持機能と該前端部2aの昇降機能とを併せもつこ
とになり、例えばこれら両機能をそれぞれ専用の機構で
実現する構成とする場合に比して、構造の簡略化と軽量
化、及び低コスト化を図ることができることになる。
【0038】また、この場合、上記モータ28をブロア
32からの冷却風によって適度に冷却してその過熱を未
然に防止するようにしているので、該モータ28の過熱
による作動不良あるいは作動不能が確実に防止され、延
いてはシート装置1の使用上の信頼性と耐久性が確保さ
れることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態にかかるシート装置の使用
状態における側面図である。
【図2】図1に示したシートクッションの要部拡大断面
図である。
【図3】図2のIII−III矢視図である。
【図4】図3のIV−IV矢視図である。
【図5】昇降機構の作動状態説明図である。
【図6】昇降機構の作動状態説明図である。
【符号の説明】
1はシート装置、2はシートクッション、3はシートバ
ック、4はシート支持機構、5は第1支軸、6は第2支
軸、7は車両床面、10は昇降機構、11はブラケッ
ト、12はリンク、13はレバー、14及び15はピ
ン、16はレバー、17はナット部材、18はボルト部
材、20は伝達手段、21はクッションフレーム、22
はクッションパッド部、25はウォームギヤ機構、26
はウォームホィール、27はウォームギヤ、28はモー
タ(駆動手段)、29しは支点ピン、30及び31はブ
ラケット、32はブロア(冷却手段)、33はブラケッ
ト、34は位置センサ、35はクランプ、36はブラケ
ット、40はスライドレール、41はロアレール、42
はアッパレール、43及び44はブラケット、45は操
作レバー、51はレバー、52はブラケット、53は枢
支ピン、P1はヒップポイント、P2はアイポイント、M
は乗員である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッション(2)とシートバック
    (3)とをそれぞれシート支持機構(4)を介して車体
    側に支持させてなる車両用シート装置であって、 上記シートクッション(2)が、その後端部(2b)側
    においてはシート幅方向に軸線をもつ第1支軸(5)を
    介して上記シート支持機構(4)に枢支される一方、そ
    の前端部(2a)側においては昇降機構(10)を介し
    て昇降可能に上記シート支持機構(4)側に支持され、 上記昇降機構(10)の作動に伴って上記シートクッシ
    ョン(2)が上記第1支軸(5)を傾動中心として連続
    的に又は間歇的に上下方向へ往復傾動するように構成さ
    れていることを特徴とする車両用シート装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記昇降機構(10)が、駆動手段(28)と該駆動手
    段(28)の駆動力を上記シートクッション(2)の前
    端部(2a)にその昇降変位として伝達する伝達手段
    (20)とで構成されていることを特徴とする車両用シ
    ート装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記駆動手段(28)がモータ(28)であって、該モ
    ータ(28)にはこれを冷却する冷却手段(32)が付
    設されていることを特徴とする車両用シート装置。
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