JP2003019767A - 樹脂付き積層金属板の製造方法及び樹脂付き積層金属板 - Google Patents

樹脂付き積層金属板の製造方法及び樹脂付き積層金属板

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JP2003019767A
JP2003019767A JP2001205784A JP2001205784A JP2003019767A JP 2003019767 A JP2003019767 A JP 2003019767A JP 2001205784 A JP2001205784 A JP 2001205784A JP 2001205784 A JP2001205784 A JP 2001205784A JP 2003019767 A JP2003019767 A JP 2003019767A
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Shingo Kumamoto
晋吾 熊本
Tatsuya Shoji
辰也 庄司
Kentaro Yano
健太郎 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に十分実用可能な技術の範囲で、反り
変形の少ない樹脂付き積層金属板の製造方法及び樹脂付
き積層金属板を提供する。 【解決手段】 真空槽内で、第一の金属層と樹脂層との
二層からなる樹脂付き金属板の樹脂層側表面に、前記第
一の金属とは熱膨張係数が異なる板材の第二の金属を層
となるように形成する樹脂付き積層金属の製造方法にお
いて、被接合面となる前記樹脂層表面と前記第二の金属
板表面の少なくとも一方の面側に、乾式成膜法により、
前記板材の第二の金属と同種、もしくは異種の第三の金
属からなる乾式成膜層を付着形成させた後、前記樹脂付
き金属板と板材の第二の金属とを圧着接合する樹脂付き
積層金属板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
の配線基板用材料として用いられる、反りの少ない樹脂
付き積層金属板の製造方法及び樹脂付き積層金属板に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体パッケージの配線基板用材
料は、回路を形成する導電層、絶縁層から構成される。
導電層は一般に金属からなり、電解銅箔、圧延銅箔、銅
めっき等により形成される。また、絶縁層は一般に樹脂
からなり、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド
イミド樹脂等が用いられる。これらニ層構造の積層板は
樹脂付き金属板として、樹脂層の表面に金属層が積層さ
れた状態で、配線基板として用いられることがある。ま
た、例えば、銅箔の片面に樹脂ワニスを塗布し、乾燥さ
せ、必要に応じポストベークを行ったニ層構造の積層板
でなる樹脂付き金属板や、銅箔を貼りつけた樹脂テー
プ、或いは金属のスパッタまたは蒸着等により、樹脂テ
ープ表面に導電層を設けたニ層構造の積層板でなる樹脂
付き金属板もある。
【0003】上述の樹脂付き金属板は、例えば導電層と
なる金属層の厚さが12〜35μm、絶縁層となる樹脂層の
厚さが30〜80μm程度であり、それ自体の剛性では形状
を保持できない。そこで、キャリア層となる金属を樹脂
側に接合し、導体層/樹脂層(絶縁層)/キャリア層の積層
構造の材料が用いられている。(以下、本発明ではキャ
リア層を具備した樹脂付き金属板を、樹脂付き積層金属
板と表記する)ところで、導電層となる第一の金属層
と、キャリア層となる板材の第二の金属層は、必ずしも
同じ材質及び厚さに限定されない。例えば、第一の金属
としては銅または銅合金が主に使用され、第二の金属と
しては銅、銅合金、ステンレス鋼、鉄−ニッケル合金等
が使用される。上述の樹脂付き積層金属板を製造する場
合、予め第一の金属層(導電層)と樹脂層(絶縁層)とのニ
層構造の積層板でなる樹脂付き金属板の樹脂層表面に、
第二の金属層とを接合するが、この接合は、前述の樹脂
層とは異なる接着剤を新たに用いるか、硬化前の樹脂層
と金属を積層し、樹脂層の硬化反応と共に接着が行われ
る。これらの接着剤及び樹脂層の硬化には、120〜350℃
程度の加熱工程が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、樹脂
付き積層金属を構成する第一の金属層と第二の金属層
は、必ずしも同じ材質及び厚さでない場合が多い。ここ
で、材質の違いにより熱膨張係数が異なる場合、樹脂層
と第二の金属を接着する加熱工程を経て、その後の冷却
過程において、第一の金属層と第二の金属の収縮量が発
生し、樹脂付き積層金属に反り変形が生じる問題があ
る。また、加熱工程での樹脂層の硬化収縮に起因した反
り変形も発生する。第一の金属層と第二の金属層の熱膨
張係数が同じであっても厚さが異なる場合、収縮する樹
脂層が樹脂付き積層金属の板厚中心に配置されておら
ず、表裏面での対称性が崩れるため、反りが生じる。
【0005】例えば、厚さ12μmの電解銅箔(熱膨張係数
16.5ppm/℃)からなる第一の金属層と、厚さ30μmの熱硬
化性耐熱樹脂層の二層からなる樹脂付き金属板と、厚さ
100μmの鉄−42ニッケル合金(質量パーセントで42%のニ
ッケルを含有し、残部が実質的に鉄である合金、熱膨張
係数4.3ppm/℃)からなる板材の第二の金属層を、それぞ
れ40mmの幅の帯材で用意した後、前記樹脂付き金属板の
樹脂層側表面に前記第二の金属層が接するように揃えて
積層し、200℃で加熱圧着して樹脂付き積層金属板を作
製した場合、常温において第二の金属層側を凸とした形
状に反り変形が発生する。ここで、最も凸となる板幅中
央から幅端までの高さを反り量とすると、約2.5mmの反
り量が見られる。また、前記第二の金属層として厚さ10
0μmの鉄−50ニッケル合金(質量パーセントで50%のニッ
ケルを含有し、残部が実質的に鉄である合金、熱膨張係
数9.7ppm/℃)の板材を使用し、同様に加熱圧着により樹
脂付き積層金属板を作製した場合、その反り量としては
約1.3mmが観察される。
【0006】さらに、前記第一の金属層として厚さ12μ
mの無酸素銅圧延箔(熱膨張係数17.1ppm/℃)および厚さ3
0μmの熱硬化性耐熱樹脂層の二層からなる樹脂付き金属
板と、前記第二の金属層として厚さ100μmの無酸素銅
(熱膨張係数17.1ppm/℃)の板材を使用し、同様に加熱圧
着により樹脂付き積層金属板を作製した場合、その反り
量としては約0.4mmが観察される。
【0007】以上に示した反り量を持つ樹脂付き積層金
属板では、半導体パッケージの配線基板として加工を行
う場合に種々の問題が生じる。例えば、第一の金属層に
配線パターンをエッチング加工する場合、反り形状がエ
ッチングマスクの位置決めを阻害し、エッチング後の寸
法精度が悪くなる問題がある。また、配線基板への半導
体素子の搭載、半導体素子と配線基板との結線時におい
ても、前述の反り量では位置決め精度の確保が困難であ
り、製造効率を低下させる要因となる。また、以上に示
した反り量を持つ樹脂付き積層金属板を使用して作製し
た半導体パッケージにも反り量が現れることが懸念さ
れ、これらが搭載される回路基板との接続信頼性を損な
う恐れがある。従って、樹脂付き積層金属板の反り量
は、可能な限り低減させることが望ましい。本発明の目
的は、工業的に十分実用可能な技術の範囲で、反り変形
の少ない樹脂付き積層金属板の製造方法及び樹脂付き積
層金属板を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、樹脂層の硬
化収縮を伴う加熱工程を用いずに、樹脂層と第二の金属
を接合する生産性に優れた樹脂付き積層金属の製造方法
について鋭意検討を行った結果、加熱処理を用いること
のない乾式成膜法により新たな乾式成膜層を樹脂層と第
二の金属の界面に形成することにより接合を行い、反り
変形を大きく低減することが可能であることを見出し、
本発明に到達した。
【0009】即ち本発明は、真空槽内で、第一の金属層
と樹脂層との二層からなる樹脂付き金属板の樹脂層側表
面に、前記第一の金属とは熱膨張係数が異なる板材の第
二の金属を層となるように形成する樹脂付き積層金属の
製造方法において、被接合面となる前記樹脂層表面と前
記第二の金属板表面の少なくとも一方の面側に、乾式成
膜法により、前記板材の第二の金属と同種、もしくは異
種の第三の金属からなる乾式成膜層を付着形成させた
後、前記樹脂付き金属板と板材の第二の金属とを圧着接
合する樹脂付き積層金属板の製造方法である。
【0010】また本発明は、真空槽内で、第一の金属層
と樹脂層との二層からなる樹脂付き金属板の樹脂層側表
面に、前記第一の金属とは厚さが異なる板材の第二の金
属金属層を形成する樹脂付き積層金属の製造方法におい
て、被接合面となる前記樹脂層表面と前記第二の金属層
表面の少なくとも一方の面側に、乾式成膜法により、前
記板材の第二の金属と同種、もしくは異種の第三の金属
からなる乾式成膜層を付着形成させた後、前記樹脂付き
金属板と板材の第二の金属とを圧着接合する樹脂付き積
層金属板の製造方法である。
【0011】好ましくは、上述の乾式成膜法は物理蒸着
法である樹脂付き積層金属板の製造方法である。
【0012】また本発明は、第一の金属層と樹脂層との
二層からなる樹脂付き金属板の樹脂側表面に、前記第一
の金属と熱膨張係数が異なる板材の第二の金属が接合さ
れた樹脂付き積層金属板において、該樹脂付き積層金属
板の樹脂層と板材の第二の金属との間には乾式成膜層が
形成されている樹脂付き積層金属板である。
【0013】また本発明は、第一の金属層と樹脂層との
二層からなる樹脂付き金属板の樹脂側表面に、前記第一
の金属と厚さが異なる板材の第二の金属が接合された樹
脂付き積層金属板であって、該樹脂付き積層金属板の樹
脂層と板材の第二の金属との間には乾式成膜層が形成さ
れている樹脂付き積層金属板である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、樹脂付き
金属板の硬化収縮済みの樹脂層と第二の金属層となる板
材を真空槽中で乾式成膜した乾式成膜層を介して圧接す
ることにある。本発明で適用した乾式成膜層を介した圧
接では、特別な加熱処理を行わなくても、優れた接合強
度を得ることができるため、従来のように加熱工程に起
因した反りを抑制できる。そのため、第一の金属層(導
電層)と樹脂層(絶縁層)とが積層されたニ層構造樹脂付
き金属板を構成する第一の金属層と、これに接合する板
材の第二の金属との熱膨張係数が異なる材質であって
も、厚みが異なっていても反りが抑制された平坦度の高
い樹脂付き積層金属板を得ることができる。本発明の加
熱処理を行うことのない接合方法では、接合時の材料温
度は約80℃以下で材料同士を圧着接合することができる
ため、熱履歴に起因する反りを抑制できるのである。以
下に本発明の製造方法について詳しく説明する。
【0015】本発明では、予め樹脂層を硬化収縮させた
状態の樹脂付き金属板を準備する。この樹脂付き金属板
は、第一の金属層(導電層)と樹脂層(絶縁層)とが積層さ
れたニ層構造である。そして、樹脂層と接合して第二の
金属層となる板材と同種、或いは異種の第三の金属を、
乾式成膜法により樹脂層及び板材の第二の金属の被接合
面の少なくとも一方の面側に付着形成させて乾式成膜層
を形成する。圧接する方法としては、少なくとも加圧で
きれば良く、例えばロールによる圧着が適用できる。こ
の時、真空槽内で乾式成膜した金属は活性であり、互い
に接した状態で加圧することにより接着させることがで
きるため、好ましくは樹脂層及び板材の第二の金属の被
接合面の両方に金属を付着形成させると良いが、例えば
板材の第二の金属が金のような酸化がされ難い金属の場
合や、予め板材の第二の金属の接合面をドライエッチ等
で活性面を形成した場合等は、樹脂側のみに金属を付着
形成しても良い。樹脂層の接合面については、活性化ま
たは粗化した後、金属を乾式成膜により付着形成させる
ことにより、樹脂層と金属の接着力を高めることがで
き、より好ましい。具体的には乾式成膜による金属の付
着形成前に、アルカリ性溶液等により樹脂層表面を溶
解、または粗化させることが可能である。
【0016】本発明においては、樹脂付き金属板と第二
の金属を板の状態で供給することにより、連続してコイ
ル状に樹脂付き積層金属を製造可能となり、非常に優れ
た生産性を提供することが可能である。なお、本発明で
言う板材とは、厚みが薄いものを指し、長さを問うもの
ではなく、帯のように長さの長いものも板材と呼ぶ。
【0017】次に本発明において、乾式成膜層の第三の
金属としては、乾式成膜可能な金属であれば本発明にお
いて特に限定はないが、本発明では乾式成膜層が樹脂層
と第二の金属板材との接着剤としての作用を有すること
から、結合力の高い、例えばチタン、銀、ニッケル、銅
等の金属を主成分とする金属または合金を用いることが
望ましい。また、第三の金属として板材の第二の金属と
同種の金属を用いた場合、キャリア層として用いる第二
の金属をエッチングする際、境界無くエッチングが可能
なため樹脂層面を露出させることができ、また、第三の
金属として異種の金属を用いた場合、板材の第二の金属
をエッチングする際のバリア層として機能し、選択エッ
チングが可能となるため、例えば、第二の金属層をキャ
リア材としての機能と共に配線等のパターンをエッチン
グにより加工した後、露出した第三の金属をさらにエッ
チング加工し、第二の金属板にも配線パターンを形成す
ることも可能である。そのため、第三の金属の選択は、
接合力や第二の金属層をキャリアとしてのみ使用するの
か、或いは選択エッチングによって、配線までも形成す
るのか等を考慮して、適宜選択すると良い。
【0018】この本発明の樹脂付き積層金属板(1)
は、例えば図1に模式図として示すように、第一の金属
層(2)と樹脂層(3)からなる樹脂付き金属板(4)の樹脂層
(3)と、第二の金属層(5)に挟まれる第三の金属(乾式成
膜層)(6)を有する構造となる。また、これまで述べた方
法では、第三の金属は一種のものを付着形成するものと
して説明したが、例えば、樹脂層と第二の金属に、それ
ぞれ異なる金属を付着形成することも可能であり、第三
の金属層(乾式成膜層)を異種金属で構成することもでき
る。
【0019】本発明では、第三の金属を付着形成して層
とするが、このときの層の厚みを10μm以上に過剰に厚
くしようとすると、乾式成膜に要する時間が増えて生産
性が低下する場合がある。望ましくは、10μm未満(0は
含まない)の範囲で付着形成すると良く、生産性と第三
の金属層に求められる特性が、例えば選択エッチング時
のエッチングバリアとすれば、3μm以下の厚みで十分で
ある。
【0020】本発明でいう乾式成膜法は、物理蒸着や化
学蒸着法など、気相やプラズマを利用した乾式の成膜方
法全般のことである。この中には真空蒸着法は勿論、イ
オンプレーティングのように真空で加熱し蒸発させたも
のをイオン化、加速して成膜する方法や、スパッタのよ
うに気体イオンをぶつけて所望の原子をたたき出し成膜
する方法や、特殊なるつぼを用い、ある特定の材料を分
子線状に引き出して蒸発させる分子線蒸着法も含まれる
し(以上、物理蒸着法)、化学蒸着法のようにある種の気
体を加熱反応させる成膜法も含まれる。
【0021】本発明における第三の金属の付着形成に
は、近年の成膜技術の高速化が著しい、真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸
着法が好適である。真空蒸着法は蒸着速度が速く、生産
性が良い。スパッタリング法は、第三の金属が高融点金
属の場合も対応可能であり、第三の金属の選択範囲が広
い。イオンプレーティング法は真空蒸着法と同様生産性
が良く、さらに基板となる帯板と乾式成膜層との接合が
強固になるが、帯板にバイアス電圧を付加する必要があ
り、装置構成が煩雑になる。これらのことから、工業的
な生産をおこなう場合には、真空槽内において真空蒸着
法を用いれば良く、このときの真空槽内は1×10-1Pa以
下の低圧雰囲気とするのが良い。
【0022】この時、乾式成膜装置と対向する位置にガ
イドロールを設けておけば、乾式成膜装置と圧着ロール
との距離を離すことができ、圧着ロールの温度上昇や乾
式成膜金属の付着を低減することが可能であり、ガイド
ロールには冷却機構を備えても良い。特に本発明では、
加熱を行わずに樹脂付き金属板の樹脂層と第二の金属の
接合を行い、反り変形を低減させることが目的であるた
め、上述したガイドロールを設けることが好ましい。
【0023】なお、樹脂付き金属板の樹脂層および第二
の金属と、第三の金属からなる乾式成膜層との接着力を
向上させるために、樹脂層及び第二の金属の被接合表面
側にイオンエッチング処理を予め施すことが有効であ
る。更に、樹脂層の被接合表面側を機械的あるいは化学
的に粗し、第三の金属によるアンカー効果により接着力
を高めることも有効である。
【0024】次に、上述の樹脂付き金属板と第二の金属
の乾式成膜層を対向させて、両者を圧着する。ロールを
用いて圧着を行うことにより、連続的に圧着を行なえる
ので、生産性が飛躍的に向上する。ただし、圧着時の圧
下率としては、好ましくは1%以下の低い圧下率で圧着
する。圧下率が高い場合、樹脂層の板厚が所望の値より
小さくなる不具合が生じる危険性がある。また、圧下率
が高いために材料が伸ばされた場合、接合を担う乾式成
膜層が破壊される恐れも有る。なお、ロールで圧着を行
う方式ではなく、巻き取りロールのようなものを用いて
張力をもって巻きつけ、圧着させる方式でも良く、本発
明中では圧着の方式を問わない。以上に示した圧着接合
方法により、本発明品である樹脂付き金属板と第二の金
属の中間に乾式成膜層を有する樹脂付き積層金属を得る
ことができ、樹脂層と第二の金属は、第三の金属により
接合された状態となる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明に基づく樹脂付き積層金属板
の具体例を示す。厚さ12μmの電解銅箔(熱膨張係数16.5
ppm/℃)からなる第一の金属層と、厚さ30μmの熱硬化性
耐熱樹脂層の二層からなる樹脂付き金属板と、厚さ100
μmの鉄−42ニッケル合金(質量パーセントで42%のニッ
ケルを含有し、残部が実質的に鉄である合金、熱膨張係
数4.3ppm/℃)からなる板材の第二の金属を、それぞれ40
mmの幅の帯材で用意した。
【0026】図2は本発明の積層金属帯製造装置の一例
を示す概略図である。図2に示すように真空槽(7)内に
配置された樹脂付き金属板の巻き出しリール(8)と、第
二の金属板材の巻き出しリール(9)から巻き出された樹
脂付き金属板(4)、第二の金属の板材(10)が乾式成膜装
置(11)と対峙する位置に設けられたガイドロール(12)上
を通過する時、樹脂付き金属板の樹脂層表面、第二の金
属板材の被接合表面に第三の金属が乾式成膜法により付
着形成され、圧着ロール(13)によって接合が完了し、樹
脂付き金属板の樹脂層と、第二の金属板材との間に乾式
成膜層を有する樹脂付き積層金属板(1)とすることがで
き、巻き取りリール(14)によって巻き取られることにな
る。なお、この圧着時の温度は約80℃である。
【0027】上述した製造装置を用いて、前記樹脂付き
金属板の樹脂層側表面と、それに対向する前記第二の金
属表面に、チタンからなる第三の金属の乾式成膜層をそ
れぞれ0.5μmの厚さで真空蒸着により形成した後、前記
樹脂付き金属板と前記第二の金属を乾式成膜層が対向す
る状態でロールにより圧着し、樹脂付き積層金属板を作
製した。
【0028】上述の本発明の樹脂付き積層金属板の場
合、常温での幅方向の反り変形は軽微であり、反り量は
第二の金属側を凸とした形状で約0.5mm以下となった。
これは、前述の従来例である200℃で加熱圧着した樹脂
付き積層金属板の反り量約2.5mmと比較して、大幅に反
りが低減されていた。
【0029】また、同じく上述の製造装置を用いて、第
二の金属板材を厚さ100μmの鉄−50ニッケル合金(熱膨
張係数9.7ppm/℃)を使用し、チタンからなる第三の金属
の乾式成膜層を介して圧着により樹脂付き積層金属板を
作製した場合、その反り量は約0.26mmとなり、前述の従
来例の反り量約1.3mmと比較して大きく改善されてい
た。
【0030】さらに、同じく上述の製造装置を用いて、
前記第一の金属層として厚さ12μmの無酸素銅圧延箔(熱
膨張係数17.1ppm/℃)、前記第二の金属層として厚さ100
μmの無酸素銅(熱膨張係数17.1ppm/℃)の板材を使用
し、チタンからなる第三の金属の乾式成膜層を介して圧
着により樹脂付き積層金属板を作製した場合、その反り
量は約0.13mmとなり、前述の従来例の反り量約0.4mmと
比較して反り量の低減が確認された。以上に示した製造
方法により、樹脂層を挟んで表裏で材質が異なる樹脂付
き金属板、または板厚が異なる樹脂付き積層金属板を、
優れた平坦度で製造することが可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明によると、第一の金属層と樹脂層
からなる樹脂付き金属板と、そのキャリア層となる第二
の金属の接合を、樹脂層と第二の金属の間に第三の金属
からなる乾式成膜層を設けることにより可能であり、従
来、第一と第二の金属間で熱膨張係数、あるいは板厚が
異なる場合に生じていた反り変形を大幅に低減した、樹
脂付き積層金属を提供することが出来る。また、前記樹
脂層と第二の金属は連続して圧着可能となり、生産性が
飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である樹脂付き積層金属板の断面
を示す模式図である。
【図2】本発明の樹脂付き積層金属板を製造する製造装
置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.樹脂付き積層金属板、2.第一の金属層、3.樹脂
層、4.樹脂付き金属板、5.第二の金属層、6.第三
の金属(乾式成膜層)、7.真空槽、8.樹脂付き金属板
の巻き出しリール、9.第二の金属板材の巻き出しリー
ル、10.第二の金属の板材、11.乾式成膜装置、1
2.ガイドロール、13.圧着ロール、14.巻き取り
リール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E067 AA02 AA07 AA19 AB01 AD10 BB01 BD01 DB01 EA05 EB00 EC03 4F100 AB00A AB00C AB00D AB002 AK01B BA04 BA07 EA031 EC01 EC013 EH66D EH662 EJ59 EJ592 GB43 JA02C JL04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内で、第一の金属層と樹脂層との
    二層からなる樹脂付き金属板の樹脂層側表面に、前記第
    一の金属とは熱膨張係数が異なる板材の第二の金属を層
    となるように形成する樹脂付き積層金属の製造方法にお
    いて、被接合面となる前記樹脂層表面と前記第二の金属
    板表面の少なくとも一方の面側に、乾式成膜法により、
    前記板材の第二の金属と同種、もしくは異種の第三の金
    属からなる乾式成膜層を付着形成させた後、前記樹脂付
    き金属板と板材の第二の金属とを圧着接合することを特
    徴とする樹脂付き積層金属板の製造方法。
  2. 【請求項2】 真空槽内で、第一の金属層と樹脂層との
    二層からなる樹脂付き金属板の樹脂層側表面に、前記第
    一の金属とは厚さが異なる板材の第二の金属金属層を形
    成する樹脂付き積層金属の製造方法において、被接合面
    となる前記樹脂層表面と前記第二の金属層表面の少なく
    とも一方の面側に、乾式成膜法により、前記板材の第二
    の金属と同種、もしくは異種の第三の金属からなる乾式
    成膜層を付着形成させた後、前記樹脂付き金属板と板材
    の第二の金属とを圧着接合することを特徴とする樹脂付
    き積層金属板の製造方法。
  3. 【請求項3】 乾式成膜法は物理蒸着法であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の樹脂付き積層金属板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 第一の金属層と樹脂層との二層からなる
    樹脂付き金属板の樹脂側表面に、前記第一の金属と熱膨
    張係数が異なる板材の第二の金属が接合された樹脂付き
    積層金属板において、該樹脂付き積層金属板の樹脂層と
    板材の第二の金属との間には乾式成膜層が形成されてい
    ることを特徴とする樹脂付き積層金属板。
  5. 【請求項5】 第一の金属層と樹脂層との二層からなる
    樹脂付き金属板の樹脂側表面に、前記第一の金属と厚さ
    が異なる板材の第二の金属が接合された樹脂付き積層金
    属板であって、該樹脂付き積層金属板の樹脂層と板材の
    第二の金属との間には乾式成膜層が形成されていること
    を特徴とする樹脂付き積層金属板。
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