JP2003019404A - ヒ素吸着材及びそれを用いたヒ素の除去処理方法 - Google Patents

ヒ素吸着材及びそれを用いたヒ素の除去処理方法

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Naoya Kanno
直也 官野
Yoshikimi Watanabe
義公 渡辺
Genzo Ozawa
源三 小澤
Kunio Iwase
国男 岩瀬
Kenji Watari
謙二 亘
Koichi Mizutani
浩一 水谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理水中のヒ素を迅速に効率よく除去し、
なおかつ安価で維持、管理が容易な浄化方法を提供す
る。 【解決手段】 無機凝集剤の水溶液であって、pHが
5.8〜8.6の範囲内であり、該無機凝集剤の濃度が
0.00001〜50重量%の範囲に調製されてなるヒ
素吸着材を、ヒ素を含む被処理水に添加し接触させる吸
着処理を行うことにより、効率的にヒ素の除去された処
理水を得ることができる。この際、吸着処理の際にpH
を5.8〜8.6に調整すると、凝集フロックがより安定
する。さらに、ヒ素を含む被処理水の濁質を予め除去し
た後吸着処理を行うと、必要な吸着材量が少なくするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種の水処理の分野
で、ヒ素を除去するための吸着材、及びヒ素の除去方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湖沼や河川、及び地下水における
水質悪化、特に有害な重金属化合物による水質汚染が大
きな問題として認識されている。重金属化合物の中でも
特に問題とされているのがヒ素である。ヒ素は、発ガン
性を有し、長期には慢性中毒を引き起こす。自然界でヒ
素は温泉水、鉱山流出水中に一時的に高濃度で検出され
る場合や、地下水、湧水中に恒常的に水質基準値以上検
出される場合がある。水道法における水質基準値ではヒ
素濃度は、0.01mg/L以下とされており、被処理
水中のヒ素濃度がこれを超える場合は、水中よりヒ素を
除去する必要がある。
【0003】従来のヒ素の除去処理方法としては、凝集
沈殿法(共沈法)、吸着法が主に挙げられる。凝集沈殿
法(共沈法)は、アルミニウム塩や鉄塩などの無機凝集
剤を添加し、pHを調整して金属水酸化物の凝集フロッ
クが形成することにより、濁質、重金属イオン等を除去
する。濁質、重金属イオン等はこのフロックと共に沈殿
する。この時、ヒ素も凝集フロックに取り込まれ沈殿す
る。沈殿物は重力分離等により除去される。吸着法は、
ヒ素を含む被処理水と吸着材を接触させ、ヒ素を吸着さ
せることによりヒ素を除去する方法が一般に用いられて
いる。吸着材には、天然土壌、活性炭、活性アルミナ、
チタン酸、ジルコニウム水和物、ランタン、イットリウ
ム、セリウム等の遷移金属化合物類が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ヒ素の除去処理方法と
して、一般に用いられている凝集沈殿法(共沈法)は、
被処理水の濁質量に応じてアルミニウム塩や鉄塩等の無
機凝集剤を添加するため、濁質量が多い場合には、多量
の凝集剤の投与を必要とする。さらに、ヒ素を取り込ん
だ凝集フロックが沈殿池や沈殿槽内で沈殿するまでに長
時間を要し、また沈殿池や沈殿槽の設置面積が大きくな
るなどの問題がある。沈降を促進させる目的で高分子凝
集剤等を添加する場合もあるが、無機凝集剤、高分子凝
集剤の添加により、被処理水の濁質量以上にヒ素を含む
スラッジが発生し、その処理にさらに煩雑な作業が必要
となる。
【0005】特開平8−206663号公報には、凝集
剤添加による共沈法で生じる金属水酸化物とヒ素から成
る凝集フロックを限外濾過膜、もしくは精密濾過膜で分
離する処理方法が記載されている。この方法は、処理施
設の設置面積がコンパクト化出来る反面、凝集剤投入量
は従来の凝集沈殿法と変わらず、濁質と、金属水酸化物
とヒ素から成る凝集フロックを多量に含むスラッジを限
外濾過膜、もしくは精密濾過膜で濾過するため、頻繁な
濾過膜の洗浄を要するという問題がある。また、ヒ素を
含む多量のスラッジの処理にさらに煩雑な作業が必要と
なる。さらに、この特開平8−206663号公報記載
のヒ素の除去処理方法は、多量に凝集剤を使用するため
凝集フロックpHが酸性側に移行し、凝集フロックが一
部加水分解を生じてヒ素を放出し、限外濾過膜、或いは
精密濾過膜を容易に通過するという問題もある。
【0006】吸着法では、活性アルミナ、活性炭、また
はチタン酸、ジルコニウム水和物、ランタン、イットリ
ウム、セリウム等の遷移金属化合物類を用いると、ヒ素
吸着能力には優れている反面、一般に高価であり、吸着
材の除去能力が低下した場合、定期的に吸着材の交換・
再生を行う必要があり、維持・管理にもコストがかか
る。また、吸着材のヒ素吸着速度を考慮すると出来るだ
け被処理水との接触時間を多くする必要があり、特殊な
カラムや吸着槽が必要となる、ヒ素の処理効率を高く出
来ない、という問題がある。本発明は、かかる状況に鑑
み、上記の問題点を解決し、被処理水中のヒ素を迅速に
効率よく除去し、なおかつ安価で維持、管理が容易な浄
化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルミニ
ウム塩や鉄塩などの無機凝集剤から中性領域で生成した
金属水酸化物の凝集フロックが、フロックを形成した後
でもヒ素に対して優れた吸着能力を示し、ヒ素を除去出
来るということに注目した。即ち本発明の第一の要旨
は、無機凝集剤の水溶液であって、pHが5.8〜8.6
の範囲内であり、該無機凝集剤の濃度が0.00001
〜50重量%の範囲に調製されてなるヒ素吸着材であ
る。また、ここで使用する無機凝集剤は、ポリ塩化アル
ミニウム、ポリ硫酸アルミニウム、硫酸バンド、塩化ア
ルミニウム、鉄を含む硫酸アルミニウム、カリミョウバ
ン、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第
二鉄、塩化第二鉄のうち、少なくとも1種類以上の凝集
剤であることが好ましい。さらに、この無機凝集剤の水
溶液を固形化してなるヒ素除去剤は、貯蔵、運搬等の取
り扱いに優れるため好ましい。さらに、固形物の少なく
とも一部がベーマイト構造からなる結晶構造を含むと、
ヒ素吸着性能が高く、より好ましい。また、本発明の第
二の要旨は、前述のヒ素吸着材を、ヒ素を含む被処理水
に添加し接触させる吸着処理を行うことを特徴とするヒ
素の除去方法である。この際、ヒ素を含む被処理水の濁
質を予め除去した後吸着処理を行うと、必要な吸着材量
が少なくてすむため好ましい。さらに、吸着処理の際に
pHを5.8〜8.6に調整すると、凝集フロックがより
安定するため好ましい。さらに、吸着処理の後、膜濾過
を行うと、良好な水質の処理水が得られるため好まし
い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
無機凝集材を高濃度で水に溶解させるとpH2〜4の酸
性になる。これに中和剤として、水酸化ナトリウムなど
のアルカリ性水溶液を添加し、pH5.8〜8.6の中性
領域にて、ヒ素吸着用凝集フロック懸濁液を得る。この
凝集フロック懸濁液は、浮遊したスラリー状であるため
ヒ素の吸着速度が顕著に速く、ヒ素吸着能力も著しく優
れている。無機凝集材としては、ポリ塩化アルミニウ
ム、ポリ硫酸アルミニウム、硫酸バンド、塩化アルミニ
ウム、鉄を含む硫酸アルミニウム、カリミョウバン、ポ
リ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、
塩化第二鉄等を用いることができる。
【0009】凝集フロック水溶液のpHとしては、アル
ミニウム塩系の凝集剤はpH4〜5以下、鉄塩系の凝集
剤はpH2〜3以下で凝集フロックの加水分解が生じ、
アルミニウム、鉄の溶出がおこり、吸着したヒ素を放出
するようになる。本発明の凝集フロック懸濁液は、pH
を5.8〜8.6の範囲に管理しフロックを生成させるこ
とにより、アルミニウム、或いは鉄の溶出がほとんど見
られない。また、凝集フロック水溶液のpHがこの範囲
にあると、吸着材として使用した際に処理水のpHが変
動しないため、処理水のpHを調整する必要が無いとい
う利点がある。ここでpHの管理に使用される中和剤と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム等や、それらのアルカリ性水溶液を用いること
が出来る。
【0010】凝集フロック水溶液中の無機凝集剤の濃度
としては、あまり低いと凝集フロック水溶液を多量に添
加する必要があり、0.00001重量%が下限とな
る。下限濃度は装置構成等を考慮すると、0.01%が
好ましく、1重量%がより好ましい。一方、濃度があま
り高いと粘性が高くなって取り扱いが難しくなること、
濃度を均一に保つのが困難になることから、上限は50
重量%である。また、上限濃度は30重量%が好まし
く、15重量%がより好ましい。凝集フロック水溶液
を、被処理水のヒ素濃度に応じて適量添加することによ
り、被処理水中のヒ素を吸着処理することができる。こ
の際、凝集フロック水溶液の添加量は、被処理水のヒ素
濃度に対し、無機凝集剤が100〜100万倍となるよ
うに添加すればよい。凝集フロック水溶液は、そのヒ素
吸着の効力を失わない限り、殺菌剤等、他の物質と併用
して使用することも出来る。
【0011】凝集フロック水溶液はスラリー状の溶液で
あるため被処理水に添加する時、送液し易く取り扱い性
に優れるという利点を有している反面、ほとんどが水分
であるため、持ち運びなどの搬送性に劣る。これに対
し、凝集フロック水溶液を固形化したものでも、ヒ素吸
着能力を有していることが本発明者らによって確認さ
れ、従来の固体の吸着材と同様に取扱うことが可能であ
ることがわかった。
【0012】一般に活性アルミナは一部がベーマイト構
造(AlO(OH))をしており、ヒ素吸着作用を有する
ことは広く知られている。凝集フロック水溶液の固形物
の結晶構造を、固形物の粉末X線回折パターンより調査
したところ、ブロードなベーマイト構造であることが確
認出来た。それ故、固形物もヒ素吸着能力を有している
と考えられる。
【0013】さらに、凝集フロック水溶液の固形物は、
同粒径の活性アルミナに比べ、ヒ素吸着量が2〜3倍優
れていることが本発明者らによって確かめられた。その
理由は定かではないが、結晶構造がブロードなベーマイ
ト構造のため、吸着サイトが多く存在しているのではな
いかと思われる。ただし、この固形物の結晶構造は、ベ
ーマイト構造に限定されるものでは無く、非晶質形でも
ヒ素吸着能力を有していることが確認されている。
【0014】凝集フロック水溶液を固形化する方法とし
ては、加熱乾燥、凍結乾燥等があげられる。また、乾燥
前に濾過、遠心分離等によって濃縮や、脱水を行っても
良い。そして、必要に応じて粉砕や成型を行って粉末
状、顆粒状、ブロック状などの形状にして使用すると、
取り扱い性に優れると共に、水に分散しやすいため好ま
しい。顆粒状、ブロック状に成型されている場合、吸着
処理後に水との分離が容易なため好ましい。この固形物
の吸着材を、ヒ素を含む被処理水と接触させる方法とし
ては、固形物を分散した状態で水と接触させても良い
し、これら粉末状、顆粒状、またはブロック状などに成
形したものをカラム等に充填し水を通液することも出来
る。
【0015】ヒ素の浄化方法としては、ヒ素を含む被処
理水の濁質をあらかじめ除去した後、ヒ素吸着用凝集フ
ロック懸濁液、或いはその固形物を吸着材として処理を
行う方法が、使用する吸着材の量を少なくできるため好
ましい。濁質の除去方法は特に限定されず、沈殿除去、
砂濾過、遠心分離、膜濾過等の方法を用いることができ
る。
【0016】分散した状態で水と接触させた際の、吸着
処理を行ったあとのヒ素を含む無機凝集剤の除去方法は
特に限定はされず、沈殿除去、砂濾過、遠心分離等の方
法を用いることができるが、膜を用いて濾過を行うと、
効率的な処理ができるため好ましい。膜濾過にあたって
は、濾過膜と、濾過水を取り出せるように構成された集
水部とを備えた膜モジュールを使用するのが好ましい。
膜モジュールのタイプは、平膜タイプ、中空糸膜タイ
プ、管状タイプ、袋状タイプ等、任意の形態の濾過膜を
備えたものを用いることができるが、あらかじめ濁質が
除去されている場合には、微小な凝集フロックのみを分
離するため、分離性能が高くかつ集積効率に優れる多孔
質中空糸膜モジュールを使用することが特に好ましい。
【0017】膜モジュールに配設される濾過膜の素材と
しては、特に制限はなく、セルロース系、ポリオレフィ
ン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリビニル
アルコール、フッ素系ポリマー、セラミック等任意の素
材からなる膜を用いることが出来る。また、膜モジュー
ルに配設される濾過膜は、孔径は特に限定はされない
が、細菌等の分離も考慮すると、0.2μm以下の平均
孔径を有する精密濾過膜が好ましい。
【0018】以下、実施例および比較例によって、具体
的に詳しく説明する。なお、ヒ素濃度は、JIS K0
102における原子吸光法により測定した。 <実施例1>図1は、本実施例の処理方法を示す概略図
の1例である。容量0.1mのフロック生成槽1内
に、ポリ塩化アルミニウムを濃度10%となるように添
加して攪拌羽7でゆっくり攪拌(数回/分)し、それと
同時にpHが5.8〜8.6を維持するように監視しなが
ら中和剤(水酸化ナトリウム水溶液)の添加を行い、あ
らかじめ凝集フロックを生成させた。
【0019】次に容量3mの反応槽2内にヒ素(V)
濃度0.05mg/Lの被処理水を導入し、攪拌羽7で
ゆっくり攪拌(数回/分)しながら、反応槽2内のポリ
塩化アルミニウム濃度が50mg/Lになるように、あ
らかじめ生成させた凝集フロック水溶液を添加し、それ
と同時にpHが5.8〜8.6を維持するように監視しな
がら中和剤(水酸化ナトリウム水溶液)の添加を行っ
た。その上澄み液を膜浸漬槽3へ導入した。
【0020】容量1mの膜浸漬槽3には、多孔質膜8
として中空糸膜モジュールを浸漬した。ここで用いた中
空糸膜モジュールは、エチレン−ビニルアルコール共重
合体を表面に保持したポリエチレン製多孔質中空糸膜
(平均孔径0.1μm)をシート状に配列し、その両端
が、別々の集水管内で開口して樹脂固定された平型中空
糸膜モジュール(三菱レイヨン(株)製ステラポアL
F、有効膜面積8m)である。中空糸膜の長手方向が
水平方向に、そして中空糸膜のシート面が垂直方向にな
るように膜浸漬槽内に配設した。
【0021】中空糸膜モジュールに連通させた吸引ポン
プ13により、中空糸膜モジュールの二次側を吸引し、
膜浸漬槽3内の被処理水の濾過を行った。なお、濾過処
理は、0.042m/m・hの定流量濾過とし、反
応槽2と膜浸漬槽3内の水位を一定に保つように、反応
槽2内に被処理水の導入を行った。また、反応槽2内の
ポリ塩化アルミニウム濃度が50mg/Lに保たれるよ
うに、あらかじめ生成させた凝集フロック水溶液を反応
槽2へ連続的に添加した。なお、濾過処理は、25分間
の濾過、5分間の逆洗を1サイクルとし、これを繰り返
すことにより実施した。逆洗の間は濾過を停止し、中空
糸膜モジュールの下方に設置した散気管9からエアーバ
ブリングを行い、膜面の洗浄を行った。このエアー量は
4m/hで行い、中空糸膜モジュールの中空糸膜全体
に均一にエアーバブルが当たるようにスクラビングし
た。24時間後、膜浸漬槽内に導入し中空糸膜モジュー
ルにて濾過を行って得られた処理水のヒ素濃度は、0.
002mg/L以下であった。
【0022】<実施例2>実施例1において、ポリ塩化
アルミニウムの代わりに、ポリ硫酸鉄を用い、その他は
実施例1と同様に行った。その結果、24時間後の処理
水のヒ素濃度は、0.002mg/L以下であった。
【0023】<実施例3>ポリ塩化アルミニウムの濃度
が2000mg/Lとなるように水に溶解させ、中和剤
として水酸化ナトリウム溶液を使用しpHを5.8〜8.
6に調整し、凝集フロックを生成させた。ヒ素(V)濃
度5mg/Lの被処理水に、この凝集フロック懸濁液
を、ポリ塩化アルミニウム濃度が100mg/Lになる
ように添加して24時間振とうを行った後、0.22μ
mのフィルターで濾過し、濾液中の残留ヒ素濃度を測定
し、凝集フロックの乾燥重量あたりのヒ素吸着量を求め
たところ、20mg/gであった。
【0024】<実施例4>実施例3で生成させた凝集フ
ロック懸濁液を濾紙で濾過し、110℃で乾燥させた
後、乳鉢で粉砕し、粒径を45〜150μmに揃えた。
この固形物の濃度が500mg/Lになるように、ヒ素
(V)濃度5mg/Lの被処理水に添加して、実施例3
と同様に吸着処理を行った後、固形物の乾燥重量あたり
のヒ素吸着量を求めたところ、7mg/gであった。
【0025】<比較例1>中和剤を使用しないで、ポリ
塩化アルミニウム濃度が50mg/Lになるように添加
した以外は実施例1と同様の処理を行った。この場合、
凝集フロックは生成せず、pHは4.3であった。ま
た、24時間後の処理水のヒ素濃度は、0.023mg
/Lであった。
【0026】<比較例2>凝集フロック懸濁液の固形物
の代わりに、活性アルミナ(和光純薬製、粒子径45〜
150μm)を吸着材として使用した以外は実施例4と
同様に処理を行った。その結果、活性アルミナの重量あ
たりのヒ素吸着量は、3mg/gであった。
【0027】
【発明の効果】本発明の浄化方法は、ヒ素を含む被処理
水を、無機凝集剤の凝集フロック、或いはその固形物に
より浄化することが出来るので、複雑な装置を必要とせ
ず、低コストで効率よく、安全で高い水質の処理水を提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で好適に用いられる装置の例
を示した概略構成図である。
【符号の説明】
1 フロック生成槽 2 反応槽 3 膜浸漬槽 4 凝集剤 5 ヒ素吸着剤 6 中和剤 7 攪拌羽 8 多孔質膜 9 散気管 10 ブロア 11 引き抜きポンプ 12 引き抜きポンプ 13 吸引ポンプ 14 被処理水 15 処理水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/52 C02F 1/52 K 1/58 1/58 H (72)発明者 渡辺 義公 北海道札幌市豊平区西岡5条11丁目12番8 号 (72)発明者 小澤 源三 北海道札幌市北区北33条西12丁目3番23号 (72)発明者 岩瀬 国男 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 亘 謙二 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 水谷 浩一 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化成品開発研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA07 HA01 HA21 HA41 KA01 KB12 KB13 MC03 MC11 MC22 MC28 MC33 MC39 MC62 PB08 PB70 4D015 BA19 BA21 CA17 DA04 DA05 DA06 DA09 DA15 DA16 DA17 EA04 EA15 EA37 FA02 FA22 4D024 AA04 AB17 BA01 BB00 BB05 DB05 DB21 4D038 AA02 AB70 BB06 BB17 BB18 4G066 AA20 AA39 BA09 BA50 CA46 EA20 FA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機凝集剤の水溶液であって、pHが
    5.8〜8.6の範囲内であり、該無機凝集剤の濃度が
    0.00001〜50重量%の範囲に調製されてなるヒ
    素吸着材。
  2. 【請求項2】 前記無機凝集剤が、ポリ塩化アルミニウ
    ム、ポリ硫酸アルミニウム、硫酸バンド、塩化アルミニ
    ウム、鉄を含む硫酸アルミニウム、カリミョウバン、ポ
    リ硫酸鉄、ポリ塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、
    塩化第二鉄のうち、少なくとも1種類以上であることを
    特徴とする請求項1記載のヒ素材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の水溶液を固形化
    してなるヒ素吸着材。
  4. 【請求項4】 固形物の少なくとも一部に、ベーマイト
    構造からなる結晶構造を含むことを特徴とする請求項3
    記載のヒ素吸着材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載のヒ素吸着
    材を、ヒ素を含む被処理水に添加し接触させる吸着処理
    を行うことを特徴とするヒ素の除去方法
  6. 【請求項6】 ヒ素を含む被処理水の濁質を予め除去し
    た後、吸着処理を行うことを特徴とする請求項5記載の
    ヒ素の除去方法。
  7. 【請求項7】 吸着処理の際にpHを5.8〜8.6に調
    整することを特徴とする請求項5又は6に記載のヒ素の
    除去処理方法。
  8. 【請求項8】 吸着処理を行った後、膜濾過を行うこと
    を特徴とする請求項4〜7いずれかに記載のヒ素の除去
    処理方法。
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