JP2003018109A - デジタル放送の電波品質観測方法、その装置及び電波品質観測システム - Google Patents

デジタル放送の電波品質観測方法、その装置及び電波品質観測システム

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JP2003018109A
JP2003018109A JP2001285876A JP2001285876A JP2003018109A JP 2003018109 A JP2003018109 A JP 2003018109A JP 2001285876 A JP2001285876 A JP 2001285876A JP 2001285876 A JP2001285876 A JP 2001285876A JP 2003018109 A JP2003018109 A JP 2003018109A
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章 俵
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勝弘 新田
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Junichi Kuranuki
順一 倉貫
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敬三 戸田
Ikuhiro Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観測時間帯に制約を受けることなく容易に電
波品質を観測することができるようにする。 【解決手段】 基準となる第1のデジタル受信機231
と、受信状態を第1のデジタル受信機231と比較する
ための第2のデジタル受信機242と、受信アンテナ2
1で受信した放送信号を第1のデジタル受信機231と
第2のデジタル受信機242とに分配供給する高周波分
配器22と、第2のデジタル受信機に分配供給される放
送信号のレベルを減衰させる可変アッテネータ241
と、第1のデジタル受信機231により復調した放送信
号と第2のデジタル受信機242により復調した放送信
号との差成分を出力する比較器251と、比較器251
から出力される差成分のレベルを検出する破綻検出器2
52とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル放送の電
波品質を観測する電波品質観測方法、その装置及び電波
品質観測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信衛星を利用したデジタルテレ
ビジョン放送(CSデジタル放送)や放送衛星を利用し
たデジタルテレビジョン放送(BSデジタル放送)のよ
うに宇宙に打ち上げられた衛星を利用したデジタルテレ
ビジョン放送が行なわれている。一方、地上の放送送信
所から送信される電波を直接受信する地上デジタルテレ
ビジョン放送についてもその放送開始に向けて種々の準
備が進められている。
【0003】これらのデジタルテレビジョン放送では、
アナログテレビジョン放送と違って電波品質を劣化させ
る電波障害(電波の電界強度を低下させる障害物や雑音
の発生源等)が存在してもその電波障害が軽微な場合に
は正常な受信状態を維持することができるが、電波障害
が所定の限界点を超えると急激に受信状態が悪化し、画
像が部分的に欠落してモザイク状になるブロックノイズ
が生じたり、映像や音声が途切れてしまったりするとい
うアナログテレビジョン放送では生じない現象が生じる
ことになる。
【0004】このため、CSデジタル放送やBSデジタ
ル放送とは異なり放送送信所とデジタル放送受信機との
間に電波障害となるものが多く存在する地上デジタルテ
レビジョン放送の場合では、安定した状態で放送電波を
受信できるように電波品質を常に観測しておき、電波品
質が劣化して受信状態が悪化する虞が生じたときにその
対応を迅速に取ることができるようにしておくことが望
まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、日本で
はまだ地上デジタルテレビジョン放送が開始されていな
いこともあってその電波品質を観測する具体的な方法は
確立されていない。一般的には、地上の放送送信所から
テスト信号(PN信号)を送信し、そのテスト信号を所
定の観測ポイントで受信し、その受信状態をBER測定
器や雑音干渉テスト計等を用いて測定することでその観
測ポイントにおける電波品質を評価することが考えられ
る。ところが、このような方法では、テスト信号を送信
する必要があることから放送電波が送信されている時間
帯では電波品質の観測ができないことになり、観測時間
帯に制約を受けることになるという問題がある。なお、
このような問題は、デジタルテレビジョン放送だけでは
なく、デジタル音声放送等の場合にも同様に生じる得る
ものである。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、観測時間帯に制約を受けることなく容易に電
波品質を観測することができるデジタル放送の電波品質
観測方法、その装置及び電波品質観測システムを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、デジタル放送の電波品質を観測
する電波品質観測方法であって、受信した放送信号を第
1のデジタル放送受信機に分配供給すると共に、この第
1のデジタル放送受信機に分配供給する信号よりも信号
品質を劣化させた状態で第2のデジタル放送受信機に分
配供給し、前記第1のデジタル放送受信機により復調し
た放送信号と前記第2のデジタル放送受信機により復調
した放送信号とに基づいてデジタル放送の電波品質を観
測するようにしたことを特徴としている。
【0008】この方法によれば、第1のデジタル放送受
信機により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信
機により復調した放送信号とに基づいて観測ポイントに
おけるデジタル放送の電波品質の劣化状態を観測するこ
とができる。すなわち、電波品質の劣化が小さい場合は
第1のデジタル放送受信機により復調した放送信号と第
2のデジタル放送受信機により復調した放送信号との間
に差異が存在しないが、電波品質の劣化が大きい場合は
2つの放送信号の間に差異が生じる。このため、この2
つの放送信号の差異を確認することで電波品質を観測す
ることができる。
【0009】また、請求項2の発明は、請求項1に係る
方法において、前記第2のデジタル放送受信機に分配供
給する放送信号の品質を所定の固定されたレベルで劣化
させることによりデジタル放送の電波品質を観測するこ
とを特徴としている。
【0010】この方法によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号の品質が所定の固定された
レベルで劣化された状態とすることでデジタル放送の電
波品質が観測される。すなわち、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号を劣化させるレベルを適切
な値に設定しておくことで、現在受信している放送電波
の品質が劣化してはいるが視聴者の受信画像が破綻する
までには至っていない場合であっても受信画像が乱れ始
めるよりも前に破綻発生の兆しを捉えることができる。
【0011】また、請求項3の発明は、請求項1に係る
方法において、前記第2のデジタル放送受信機に分配供
給する放送信号の品質を所定時間内に複数のレベルで順
次劣化させると共に、各劣化に対応してデジタル放送の
電波品質を観測することを特徴としている。
【0012】この方法によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号の品質が所定時間内に複数
のレベルで順次劣化されるようにすることでデジタル放
送の電波品質が観測される。すなわち、第2のデジタル
放送受信機に分配供給する放送信号を受信画像が破綻す
るまで順次劣化させていき、各劣化レベルでの破綻発生
時間率(一定時間内に破綻が発生する割合)を算出する
等することで、現在受信している放送電波の品質があと
どの程度劣化すると受信画像が破綻するかという受信マ
ージンを求めることができる。
【0013】また、請求項4の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係る方法において、前記第2のデジタル放
送受信機に分配供給する放送信号を減衰させることで信
号品質を劣化させることを特徴としている。
【0014】この方法によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号を減衰させることで信号品
質が劣化され、第1のデジタル放送受信機により復調し
た放送信号と第2のデジタル放送受信機により復調した
放送信号とに基づいて観測ポイントにおけるデジタル放
送の電波品質の劣化状態が観測される。
【0015】また、請求項5の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに係る方法において、前記第2のデジタル放
送受信機に分配供給する放送信号に雑音を重畳させるこ
とで信号品質を劣化させることを特徴としている。
【0016】この方法によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号に雑音を重畳させることで
信号品質が劣化され、第1のデジタル放送受信機により
復調した放送信号と第2のデジタル放送受信機により復
調した放送信号とに基づいて観測ポイントにおけるデジ
タル放送の電波品質の劣化状態が観測される。
【0017】また、請求項6の発明は、デジタル放送の
電波品質を観測する電波品質観測装置であって、基準と
なる第1のデジタル放送受信機と、受信状態を前記第1
のデジタル放送受信機と比較するための第2のデジタル
放送受信機と、受信した放送信号を前記第1のデジタル
放送受信機と前記第2のデジタル放送受信機とに分配供
給する高周波分配器と、前記第2のデジタル放送受信機
に分配供給される放送信号の品質を劣化させる信号劣化
手段と、前記第1のデジタル放送受信機により復調した
放送信号と前記第2のデジタル放送受信機により復調し
た放送信号とに基づいて電波品質を観測する電波品質観
測手段とを備えたことを特徴としている。
【0018】この構成によれば、第1のデジタル放送受
信機により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信
機により復調した放送信号とを電波品質観測手段で観測
することで観測ポイントにおけるデジタル放送の電波品
質の劣化状態を判別することができる。すなわち、電波
品質の劣化が小さい場合は第1のデジタル放送受信機に
より復調した放送信号と第2のデジタル放送受信機によ
り復調した放送信号との間に差異が存在しないが、電波
品質の劣化が大きい場合は2つの放送信号の間に差異が
生じる。このため、この2つの放送信号の差異を観測す
ることで電波品質を観測することができる。
【0019】また、請求項7の発明は、請求項6に係る
ものにおいて、前記信号劣化手段が、前記第2のデジタ
ル放送受信機に分配供給される放送信号の品質を所定の
固定されたレベルで劣化させるものであり、前記電波品
質観測手段が、その劣化に対応して電波品質を観測する
ものであることを特徴としている。
【0020】この構成によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号の品質が信号劣化手段によ
り所定の固定されたレベルで劣化された状態とすること
でデジタル放送の電波品質が観測される。すなわち、第
2のデジタル放送受信機に分配供給する放送信号を信号
劣化手段により劣化させるレベルを適切な値に設定して
おくことで、現在受信している放送電波の品質が劣化し
てはいるが視聴者の受信画像が破綻するまでには至って
いない場合であっても受信画像が乱れ始めるよりも前に
破綻発生の兆しを捉えることができる。
【0021】また、請求項8の発明は、請求項6に係る
ものにおいて、前記信号劣化手段が、前記第2のデジタ
ル放送受信機に分配供給される放送信号の品質を所定時
間内に複数のレベルで順次劣化させるものであり、前記
電波品質観測手段が、各劣化に対応して電波品質を観測
するものであることを特徴としている。
【0022】この構成によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号の品質が信号劣化手段によ
り所定時間内に複数のレベルで順次劣化されるようにす
ることでデジタル放送の電波品質が観測される。すなわ
ち、第2のデジタル放送受信機に分配供給する放送信号
を受信画像が破綻するまで順次劣化させていき、各劣化
レベルでの破綻発生時間率(一定時間内に破綻が発生す
る割合)を算出する等することで、現在受信している放
送電波の品質があとどの程度劣化すると受信画像が完全
に破綻するかという受信マージンを求めることができ
る。
【0023】また、請求項9の発明は、請求項6乃至8
のいずれかに係るものにおいて、前記信号劣化手段が、
前記第2のデジタル放送受信機に分配供給される放送信
号を減衰させることで信号品質を劣化させる減衰器から
なることを特徴としている。
【0024】この構成によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号を減衰器により減衰させる
ことで信号品質が劣化され、第1のデジタル放送受信機
により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信機に
より復調した放送信号とに基づいて観測ポイントにおけ
るデジタル放送の電波品質の劣化状態が観測される。
【0025】また、請求項10の発明は、請求項6乃至
8のいずれかに係るものにおいて、前記信号劣化手段
が、前記第2のデジタル放送受信機に分配供給される放
送信号に雑音を重畳させることで信号品質を劣化させる
雑音信号発生器からなることを特徴としている。
【0026】この構成によれば、第2のデジタル放送受
信機に分配供給する放送信号に雑音信号発生器により雑
音を重畳させることで信号品質が劣化され、第1のデジ
タル放送受信機により復調した放送信号と第2のデジタ
ル放送受信機により復調した放送信号とに基づいて観測
ポイントにおけるデジタル放送の電波品質の劣化状態が
観測される。
【0027】また、請求項11の発明は、請求項6乃至
10のいずれかに係るものにおいて、前記電波品質観測
手段が、前記第1のデジタル放送受信機により復調した
放送信号と前記第2のデジタル放送受信機により復調し
た放送信号とを比較する比較器と、この比較器から出力
される差分信号のレベルを検出するレベル検出器とから
なるものであることを特徴としている。
【0028】この構成によれば、第1のデジタル放送受
信機により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信
機により復調した放送信号との差分信号が比較器から出
力され、この差分信号をレベル検出器で検出することに
より電波品質が観測される。すなわち、電波品質の劣化
が小さい場合は第1のデジタル放送受信機により復調し
た放送信号と第2のデジタル放送受信機により復調した
放送信号との間に差分信号は存在しないが、電波品質の
劣化が大きい場合は2つの放送信号の間に差分信号が生
じる。このため、この2つの放送信号の差分信号のレベ
ルを観測することで電波品質を観測することができる。
【0029】また、請求項12の発明は、請求項6乃至
11のいずれかに係るものにおいて、前記第1のデジタ
ル放送受信機により復調した放送信号及び前記第2のデ
ジタル放送受信機により復調した放送信号の位相を同期
させる信号同期手段をさらに備えたことを特徴としてい
る。
【0030】この構成によれば、第1のデジタル放送受
信機により復調した放送信号及び第2のデジタル放送受
信機により復調した放送信号の位相が信号同期手段によ
り同期される。このため、2つのデジタル放送受信機か
ら出力される放送信号間に位相のずれが生じた場合でも
電波品質を正確に観測することができる。
【0031】また、請求項13の発明は、請求項6乃至
12のいずれかに係るものにおいて、前記電波品質観測
手段が観測情報を出力するものであり、この電波品質観
測手段から出力される観測情報を管理センタに送信する
送信手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0032】この構成によれば、電波品質観測手段から
出力される観測情報が送信手段により管理センタに送信
される。このため、管理センタで電波品質観測手段から
出力される観測情報を管理することができる。
【0033】また、請求項14の発明は、請求項13に
係るものにおいて、前記観測情報を記憶する情報記憶手
段と、この情報記憶手段に記憶される観測情報を読み出
す読出手段とをさらに備え、前記送信手段が、前記読出
手段により前記情報記憶手段から読み出された観測情報
を前記管理センタに送信するものであることを特徴とし
ている。
【0034】この構成によれば、電波品質観測手段から
出力される観測情報が情報記憶手段に記憶され、この記
憶された観測情報が読出手段で読み出されて送信手段に
より管理センタに送信される。このため、必要なときに
情報記憶手段から観測情報を読み出して管理センタに送
信することができる。
【0035】また、請求項15の発明は、デジタル放送
の電波品質を観測する電波品質観測システムであって、
請求項13又は14記載のデジタル放送の電波品質観測
装置と、前記管理センタに設置されると共に、前記デジ
タル放送の電波品質観測装置から送信される観測情報を
受信し、この受信した観測情報を用いてデジタル放送の
電波品質を管理する管理装置とを備えたことを特徴とし
ている。
【0036】この構成によれば、電波品質観測装置によ
り第1のデジタル放送受信機により復調した放送信号と
第2のデジタル放送受信機により復調した放送信号とに
基づいて電波品質が観測され、この観測情報が管理セン
タに送信される。管理センタでは管理装置により受信し
た観測情報を用いてデジタル放送の電波品質が管理され
る。これにより、観測ポイントから離間した場所での電
波品質の管理が可能になる。
【0037】また、請求項16の発明は、請求項15に
係るものにおいて、前記デジタル放送の電波品質観測装
置が複数の観測ポイントに設置されるものであり、前記
管理装置が各デジタル放送の電波品質観測装置から送信
される観測情報を用いて各観測ポイントにおけるデジタ
ル放送の電波品質を集中管理するものであることを特徴
としている。
【0038】この構成によれば、各観測ポイントに設置
された電波品質観測装置により第1のデジタル放送受信
機により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信機
により復調した放送信号とに基づいて電波品質が観測さ
れ、この観測情報が管理センタに送信される。管理セン
タでは管理装置により受信した各観測ポイントの観測情
報を用いてデジタル放送の電波品質が管理される。これ
により、各観測ポイントから離間した場所での電波品質
の集中管理が可能になる。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係るデジタル放送の電波品質観測システムの全体構成
を示すブロック図であり、図2は、本発明に係るデジタ
ル放送の電波品質観測システムにより構築される観測網
の概念図を示す図である。これらの図において、デジタ
ル放送の電波品質観測システム10は、複数の観測ポイ
ントに設置される電波品質観測装置としてのフィールド
モニタ20と、通信回線CLを介して各フィールドモニ
タ20との間で情報の送受信を行なうと共に、各観測ポ
イントにおけるデジタル放送の電波品質を集中的に管理
する管理装置としての管理モニタ30とを備えている。
なお、図1におけるフィールドモニタ20は、1の観測
ポイントに設置されるものだけを示している。
【0040】フィールドモニタ20は、地上テレビジョ
ン放送電波を受信する受信アンテナ21と、受信アンテ
ナ21で受信した放送信号(高周波信号)を第1の出力
端221と第2の出力端222とに均等分配する高周波
分配器22と、高周波分配器22の第1の出力端221
から分配供給される放送信号を復調する第1の受信部2
3と、高周波分配器22の第2の出力端222から分配
供給される放送信号を品質劣化させた状態で復調する第
2の受信部24と、第1の受信部23から出力されるビ
デオ信号及び第2の受信部24から出力されるビデオ信
号に基づいて地上デジタルテレビジョン放送の電波品質
を観測する電波品質観測部25と、フィールドモニタ2
0の動作を制御する装置制御部26と、管理モニタ30
との間で通信回線CLを介して情報の送受信を行なう送
受信部27とを備えている。
【0041】このフィールドモニタ20は、分配供給さ
れた放送電波を正常な状態で第1の受信部23により復
調して得たビデオ信号と、分配供給された放送電波を劣
化させた状態で第2の受信部24により復調して得たビ
デオ信号とに基づいてその観測ポイントにおける電波品
質を観測するものであり、第2の受信部24について所
定の固定されたレベルだけ放送信号の品質を劣化させた
状態で電波品質を常時観測する監視モードと、第2の受
信部24について劣化させるレベルを受信画像が破綻す
るまで所定時間内に順次増加させていくことで受信マー
ジンを測定する測定モードの何れか一方に選択設定され
るようになっている。
【0042】すなわち、監視モードにおいては、第2の
受信部24に分配供給する放送信号を劣化させるレベル
を適切な値に設定しておくことで、現在受信している放
送電波の品質が劣化してはいるが視聴者の受信画像が破
綻するまでには至っていない場合であっても受信画像が
乱れ始めるよりも前に破綻発生の兆しを捉えることがで
き、これにより迅速な対応をとることが可能になる。ま
た、測定モードにおいては、第2の受信部24に分配供
給する放送信号を受信画像が破綻するまで順次劣化させ
ていき、各劣化レベルでの破綻発生時間率(一定時間内
に破綻が発生する割合)を算出する等することで、現在
受信している放送電波の品質があとどの程度劣化すると
画像が完全に破綻するかという受信マージンを求めるこ
とができ、これにより迅速な対応をとることが可能にな
る。
【0043】なお、本実施形態で監視モードと測定モー
ドの2つのモードを設けるようにしているのは、両者の
観測結果を照らし合わせることで電波品質の観測をより
正確に行なうことができるようにするためと、監視モー
ドで設定される劣化レベルの適正値が季節等の種々の要
因で変動することがあり、測定モードで得たデータに基
づいてその適正値を得るようにするためである。
【0044】受信アンテナ21は、地上デジタルテレビ
ジョン放送の放送チャンネルに適合したUHFアンテナ
等からなるものである。高周波分配器22は、第1の出
力端221と第2の出力端222とから同一レベルの放
送信号(高周波信号)が出力されるように構成されたも
のである。
【0045】第1の受信部23は、高周波分配器22か
ら均等分配された放送信号を通常の状態で受信する基準
側受信部を構成するものであり、高周波分配器22の第
1の出力端221から出力された地上デジタルテレビジ
ョン放送の放送信号を復調して増幅するデジタルチュー
ナ等からなる第1のデジタル受信機231と、この第1
のデジタル受信機231から出力されるビデオ信号(ア
ナログ信号)の位相を後述する第2のデジタル受信機2
42から出力されるビデオ信号の位相と同期させるフレ
ームシンクロナイザ等からなる信号同期装置232とを
備えている。
【0046】第1のデジタル受信機231は、デジタル
信号を復調する復調回路部、復調されたデジタル信号を
増幅する増幅回路部、増幅されたデジタル信号をアナロ
グ信号に変換するD/A変換回路部等を備えたものであ
る。信号同期装置232は、第1のデジタル受信機23
1から出力される1フレーム分の画像信号を記憶するフ
レームメモリ、フレームメモリに記録された1フレーム
分の画像信号を第2のデジタル受信機242から出力さ
れる画像信号と同期させて出力する出力回路部等を備え
ている。
【0047】第2の受信部24は、高周波分配器22か
ら均等分配された放送信号を品質劣化させた状態で受信
する比較側受信部を構成するものであり、高周波分配器
22の第2の出力端222から出力された放送信号を減
衰させる信号品質劣化手段としての可変アッテネータ
(可変減衰器)241と、この可変アッテネータ241
から出力された地上デジタルテレビジョン放送の放送信
号を復調して増幅するデジタルチューナ等からなる第2
のデジタル受信機242と、この第2のデジタル受信機
242から出力されるビデオ信号(アナログ信号)の位
相を第1のデジタル受信機231から出力されるビデオ
信号の位相と同期させるフレームシンクロナイザ等から
なる信号同期装置243とを備えている。
【0048】可変アッテネータ241は、高周波分配器
22から分配供給された放送信号の減衰量が装置制御部
26から供給される制御信号により所定範囲内で連続的
に可変できるように構成されたものである。この可変ア
ッテネータ241は、フィールドモニタ20が監視モー
ドに選択設定されるときは、その減衰量が所定の固定さ
れたレベルに設定され、フィールドモニタ20が測定モ
ードに選択設定されるときは、その減衰量が所定時間内
に複数のレベルに順次切り換えられて増大されることに
なる。
【0049】第2のデジタル受信機242は、デジタル
信号を復調する復調回路部、復調されたデジタル信号を
増幅する増幅回路部、増幅されたデジタル信号をアナロ
グ信号に変換するD/A変換回路部等を備えたものであ
る。信号同期装置243は、第2のデジタル受信機24
2から出力される1フレーム分の画像信号を記憶するフ
レームメモリ、フレームメモリに記録された1フレーム
分の画像信号を第1のデジタル受信機231から出力さ
れる画像信号と同期させて出力する出力回路部等を備え
たものである。
【0050】電波品質観測部25は、第1の受信部23
から出力されるビデオ信号と第2の受信部24から出力
されるビデオ信号とを比較する比較器(差分出力器)2
51と、この比較器251から出力される差成分(差分
信号)に基づいて地上デジタルテレビジョン放送の電波
品質を観測する破綻検出器(レベル検出器)252とを
備えている。
【0051】比較器251は、本実施形態ではトランス
で構成され、位相の同期した第1のデジタル受信機23
1から出力されるビデオ信号と第2のデジタル受信機2
42から出力されるビデオ信号とを取り込んで両者の差
成分(差分信号)を出力するようにしたものである。す
なわち、図3に例示するように、第1のデジタル受信機
231から出力されるビデオ信号(図3(a))と、第
2のデジタル受信機242から出力されるビデオ信号
(図3(b))との差分信号(図3(c))が比較器2
51から出力される。電波品質が劣化している場合、こ
の図3(c)に示す差分信号のレベルが大きくなる。
【0052】破綻検出器252は、本実施形態ではデジ
タルオシロスコープで構成され、比較器251から出力
される差分信号のレベルを計測するものである。この破
綻検出器252は、比較器251から出力される差分信
号のレベルを波形で表示するCRT表示部と、差分信号
のレベル値を数値で表示する液晶表示部と、差分信号の
レベル値を外部に出力する出力部とを備えている。すな
わち、CRT表示部には、横軸を時間軸とし、縦軸をレ
ベル値としたとき、比較器251から出力される差分信
号のレベルが小さい状態では図4(a)のように表示さ
れ、電波品質が不安定な状態では図4(b)のように表
示され、電波品質が劣化した状態では図4(c)のよう
に表示される。
【0053】なお、本実施形態では、第1のデジタル受
信機231から出力される音声信号が破綻検出器252
に直接入力され、放送送信所から放送電波が出力されて
いるか否かが監視できるようになっている。これによ
り、受信画像が途切れたときに電波品質の劣化によるも
のか、あるいはテレビジョン放送が中断されたことによ
るものかを判別できるようにしている。図4では、上段
の波形が音声信号を示しており、下段の波形がビデオ信
号の差成分を示している。従って、本実施形態では、破
綻検出器252として2チャンネルデジタルオシロスコ
ープが用いられる。
【0054】装置制御部26は、本実施形態ではパーソ
ナルコンピュータで構成されたもので、演算処理を実行
するCPU(Central Processing Unit)、制御プログ
ラムや識別情報等の各種データを記憶するROM(Read
Only Memory)、データを一時的に保存するRAM(Ra
ndom Access Memory)等からなる制御本体部261と、
破綻検出器252の出力部から出力される電波品質の観
測情報である差分信号のレベル値を記憶するEEPRO
M等の電気的に書き換え可能な観測情報記憶部262
と、管理モニタ30から送信されてくる設定情報(可変
アッテネータ241の減衰量や観測情報の通報時刻等)
を記憶するEEPROM等の電気的に書き換え可能な設
定情報記憶部263と、可変アッテネータ241の減衰
量を設定するための設定画面等の各種画像を記憶する画
像記憶部264と、可変アッテネータ241の減衰量を
設定するための設定画面を表示したりするCRT等から
なる表示部265と、可変アッテネータ241の減衰量
の設定値を入力したりするためのキーボード等の入力部
266とを備えている。
【0055】また、制御本体部261には、管理モニタ
30から送信されてくる識別情報(複数のフィールドモ
ニタ20のうち、1のフィールドモニタ20を特定する
ためのIDコード等)をROMに記憶されている識別情
報と照合して一致及び不一致を判別する照合部261a
と、識別情報が一致したときに管理モニタ30から送信
されてくる設定情報(可変アッテネータ241の減衰量
や観測情報の通報時刻等)を設定情報記憶部263に書
き込むと共に、破綻検出器252により得た観測情報を
観測情報記憶部262に書き込む情報書込部261b
と、可変アッテネータ241の減衰量を設定する設定制
御部261cと、観測情報記憶部262に記憶されてい
る観測情報及び設定情報記憶部263に記憶されている
設定情報を読み出す読出部261dと、観測情報記憶部
262に記憶されている観測情報の送信を指示する送信
制御部261eと、画像記憶部264に記憶されている
設定画面等の各種画像を表示部265に表示させる画像
表示制御部261fと、所定のデータ処理等を実行する
データ処理部261gしての各機能実現部を備えてい
る。
【0056】このデータ処理部261gは、監視モード
と測定モードの各開始時刻及び終了時刻と、監視モード
及び測定モードにおける破綻検出器252から出力され
る差分信号のレベル値が所定の閾値を超える場合(すな
わち、受信画像の破綻が生じる場合)にその差分信号の
出力が開始された時刻(異常時刻)と、その差分信号の
出力が終了した時刻(回復時刻)とを観測情報記憶部2
62に記憶させると共に、測定モード設定時における破
綻発生時間率(エラー時間率)を算出し、この算出した
破綻発生時間率を観測情報記憶部262に記憶させるも
のである。この破綻発生時間率は、可変アッテネータ2
41の各減衰量(各劣化レベル)での測定時間をTsと
し、その測定時間Ts内における所定の閾値を越える差
分信号の発生時間(回復時刻−異常時刻)である破綻発
生時間をThとしたとき、破綻発生時間率E=(Th/
Ts)×100(%)の式で算出されるものである。な
お、これら監視モードと測定モードの開始時刻及び終了
時刻、所定の閾値を越える差分信号の異常時刻及び回復
時刻、破綻発生時間率等は、電波品質の観測情報を構成
する。
【0057】送受信部27は、送信制御部261eから
の送信指令に基づいて読み出された観測情報記憶部26
2に記憶されている観測情報を制御本体部261のRO
Mから読み出された識別情報と共に通信回線CLを介し
て管理モニタ30に送信する送信部271と、管理モニ
タ30から通信回線CLを介して送信されてくる識別情
報及び指令情報を受信する受信部272とを備えてい
る。
【0058】管理モニタ30は、フィールドモニタ20
の設置されている観測ポイントから離間した放送送信所
(放送局)等の管理センタに設置されるもので、フィー
ルドモニタ20の可変アッテネータ241の減衰量を設
定したり、フィールドモニタ20で計測された電波品質
の観測情報を管理モニタ30に送信する時刻を指定した
り、フィールドモニタ20から送信されてくる電波品質
の観測情報をデータ処理してグラフ化したりする管理制
御装置31と、複数の観測ポイントに設置されたフィー
ルドモニタ20との間で通信回線CLを介して情報の送
受信を行なう送受信部32とを備えている。
【0059】管理制御装置31は、本実施形態ではパー
ソナルコンピュータで構成されたもので、演算処理を実
行するCPU(Central Processing Unit)、制御プロ
グラムや識別情報等の各種データを記憶するROM(Re
ad Only Memory)、データを一時的に保存するRAM
(Random Access Memory)等からなる本体制御部311
と、各フィールドモニタ20から送信されてくる電波品
質の観測情報を記憶するEEPROM等の電気的に書き
換え可能な情報記憶部312と、各フィールドモニタ2
0の可変アッテネータ241の減衰量を設定するための
設定画面や観測情報をグラフ化等した編集画面等の各種
画像を記憶する画像記憶部313と、フィールドモニタ
20の可変アッテネータ241の減衰量を設定するため
の設定画面等を表示したり、電波品質の観測情報をグラ
フ化等した編集画面を表示したり、電波品質が劣化した
ときに警報を表示したりするCRT等からなる表示部3
14と、フィールドモニタ20の可変アッテネータ24
1の減衰量の設定値を入力したりするキーボード等の入
力部315と、データ処理された電波品質の観測情報を
プリントアウトするプリンタ316とを備えている。
【0060】なお、フィールドモニタ20の可変アッテ
ネータ241の減衰量の設定値やフィールドモニタ20
で計測された電波品質の観測情報を管理モニタ30に送
信すべき時刻等のフィールドモニタ20に与える指示情
報は、フィールドモニタ20への送信指示が確定される
まで本体制御部311のRAMに一時的に記憶される。
【0061】また、本体制御部311には、画像記憶部
313に記憶されている設定画面等の各種画像を表示部
314に表示させる画像表示制御部311aと、設定画
面等で入力された設定内容をフィールドモニタ20に識
別情報と共に送信する送信制御部311bと、フィール
ドモニタ20から送信されてきた識別情報と観測情報と
を情報記憶部312に書き込む情報書込部311cと、
情報記憶部312に記憶されている観測情報や画像記憶
部313に記憶されている画像等を読み出す読出部31
1dと、情報記憶部312に書き込まれている観測情報
について識別情報単位(すなわち、フィールドモニタ2
0単位)で所定のデータ処理(例えば、データをテーブ
ル化したり、グラフ化したりする等のデータの加工処
理)を行なうデータ処理部311eとしての各機能実現
部を備えている。
【0062】送受信部32は、RAMから読み出された
フィールドモニタ20に対する指示情報であって、フィ
ールドモニタ20の可変アッテネータ241の減衰量の
設定値やフィールドモニタ20で計測された電波品質の
観測情報を管理モニタ30に送信すべき時刻等の指示情
報を通信回線CLを介して各フィールドモニタ20に送
信する送信部321と、各フィールドモニタ20から通
信回線CLを介して送信されてくる識別情報及び電波品
質の観測情報を受信する受信部322とを備えている。
【0063】次に、上記のように構成されたデジタル放
送の電波品質観測システム10の制御動作の一例につい
て説明する。すなわち、プログラムが立ち上がることで
管理モニタ30の表示部314に、フィールドモニタ2
0の観測条件等を入力設定するための初期画面が画像表
示制御部311aの制御動作により画像記憶部313か
ら読出部311dにより読み出されて表示される。この
初期画面は、例えば図5に示すように、各観測ポイント
に設置されているフィールドモニタ20の名称(フィー
ルドモニタA局、フィールドモニタB局、…)が縦横に
配列されたマス目内に表示された構成となっている。
【0064】この表示部314に表示されている初期画
面において、観測条件等を入力設定しようとするフィー
ルドモニタ20(例えば、フィールドモニタA局)を入
力部315の所定のキー操作(マウスでも操作可能)に
より選択すると、表示部314に指定したフィールドモ
ニタ20の入力設定画面が画像表示制御部311aの制
御動作により画像記憶部313から読出部311dによ
り読み出されて表示される。この入力設定画面は、例え
ば図6に示すように、測定器設定エリアA1、測定モー
ド設定エリアA2及び監視モード設定エリアA3の3つ
の設定エリアから構成されている。
【0065】測定器設定エリアA1では、信号品質劣化
手段として「プログラムATT」及び「雑音信号発生
器」の何れか一方を選択設定するようになっている。こ
こで、本発明の第1の実施形態では信号品質劣化手段と
して可変アッテネータ241を用いているので、「プロ
グラムATT」が選択される。なお、信号品質劣化手段
として「雑音信号発生器」が用いられる場合については
後述する。また、破綻検出器252から出力される差分
信号のレベルが所定値(mV)を超えるとブロックノイ
ズが発生して画像が破綻することになるが、この画像が
破綻する所定値(実験的に求めた値)が画像破綻閾値と
して設定される。
【0066】測定モード設定エリアA2では、測定モー
ドにおける予め設定した所定の時刻における受信マージ
ンを測定するための条件を入力設定するようになってい
る。この受信マージンとは、ブロックノイズが発生して
受信画像が破綻した状態になるまでの電波品質の余裕度
を予測するもので、予め設定された所定時間内に可変ア
ッテネータ241の減衰量を所定値単位(例えば1dB
単位)で順次増加させ、受信画像が破綻するまで信号品
質を順次劣化させていくことで測定することができる。
このため、この測定モード設定エリアA2では、可変ア
ッテネータ241の減衰量の「可変範囲」と、観測対象
となる放送電波のチャンネルである「測定チャンネル」
と、減衰量が変更されたときの各劣化レベル毎の測定時
間である「1ポイント測定時間」とが入力設定される。
【0067】また、この測定モード設定エリアA2の
「時刻設定」ボタンをクリックすることで測定時刻設定
画面が画像表示制御部311aの制御動作により画像記
憶部313から読出部311dにより読み出されて表示
され、この設定画面において「毎正時」及び「指定時
間」の何れか一方を選択するようになっている。「毎正
時」が選択されると、1時間毎(1時、2時、…)に受
信マージンの測定が実行されるように設定される。ま
た、「指定時間」が選択されると、例えば1日に6回ま
で指定した時刻に受信マージンの測定が実行されるよう
に設定される。
【0068】監視モード設定エリアA3では、監視モー
ドにおける可変アッテネータ241の固定された減衰量
である「監視時ATT」と、フィールドモニタ20で観
測した観測情報を管理モニタ30に送信する時刻を指定
する「通報オプション」とを設定するようになってい
る。この「監視時ATT」で設定される減衰量は、観測
ポイント毎に実験的に求めた最適の値が選定されること
になる。「通報オプション」では、「定時通報する」及
び「異常発生時通報」の何れか一方若しくはその両方が
選択設定される。
【0069】この「定時通報する」を選択したときに
は、毎日の通報時刻を入力するようになっており、毎日
設定された時刻になるとフィールドモニタ20から観測
情報が送信されることになる。また、「異常発生時通
報」を選択したときには、受信画像が破綻する異常が発
生したときにのみフィールドモニタ20から観測情報
(前回の異常発生時以降の観測情報)が送信されること
になる。さらに、それら両方を選択したときには、設定
された時刻になったときと受信画像が破綻する異常が発
生したときにフィールドモニタ20から観測情報が送信
される。
【0070】このように、各設定エリアA1,A2,A
3における入力設定が終了した後に下部に配設されてい
る「設定送信」ボタンをクリックすることにより設定情
報が確定され、この確定した設定情報が初期画面で指定
したフィールドモニタ20に対し識別情報と共に送信さ
れる。この送信は、送信制御部311bにより制御され
る送受信部32の送信部321により通信回線CLを介
して実行される。
【0071】フィールドモニタ20では、管理モニタ3
0から送信されてきた識別情報と設定情報とを送受信部
27の受信部272により受信する一方、送信されてき
た識別情報を照合部261aで照合し、識別情報が一致
している場合に管理モニタ30から送信されてきた設定
情報が情報書込部261bにより設定情報記憶部263
に書き込まれる。これにより、可変アッテネータ241
の減衰量が測定モード時及び監視モード時に設定制御部
261cの制御動作によって設定情報記憶部263から
読出部261dにより読み出されて設定される。
【0072】なお、フィールドモニタ20側において
も、図6に示す設定画面と同様の設定画面が画像記憶部
264に記憶されており、この設定画面を画像表示制御
部261fの制御動作によって画像記憶部264から読
出部261dにより読み出して表示部265に表示させ
る一方、入力部266のキー操作等により管理モニタ3
0と同様の設定を行なうことができる構成となってい
る。
【0073】フィールドモニタ20では、常時は監視モ
ードに設定されて電波品質の観測が行われる一方、設定
された時刻になると測定モードに設定されて受信マージ
ンが計測される。これらの監視モード時及び測定モード
時に得られた観測情報は情報書込部261bにより観測
情報記憶部262に書き込まれる。この観測情報記憶部
262に書き込まれた観測情報は、設定情報記憶部26
3に記憶されている送信時刻に達したときや異常発生時
に、送信制御部261eの制御動作により観測情報記憶
部262から読出部261dにより読み出されて識別情
報と共に管理モニタ30に送信される。この送信は、送
信制御部261eにより制御される送受信部27の送信
部271により通信回線CLを介して実行される。な
お、本実施形態では、管理モニタ30に送信した観測情
報は観測情報記憶部262から消去されるようになって
おり、これにより観測情報記憶部262の小型化が促進
されるようにしている。
【0074】管理モニタ30では、フィールドモニタ2
0から送信されてきた識別情報と観測情報とを送受信部
32の受信部322により受信すると、観測情報が識別
情報と対応付けられて(すなわち、フィールドモニタ2
0毎に)情報書込部311cにより情報記憶部312に
書き込まれる。この情報記憶部312に書き込まれた観
測情報は、入力部315の所定のキー操作により所定の
データ処理が指定されると、情報記憶部312から読出
部311dにより読み出され、データ処理部311eに
より指定されたデータ処理が実行されてグラフ化やテー
ブル化等が行われる。
【0075】例えば、図7は、所定のフィールドモニタ
20(例えば、フィールドモニタA局)の観測情報につ
いて「24時表示」が指定された場合にデータ処理部3
11eによりデータ処理が実行されて管理モニタ30の
表示部314に表示されるグラフを示す図である。すな
わち、この「24時表示」は、指定したフィールドモニ
タ20の一日の観測結果がグラフ表示されるもので、横
軸に測定時刻(観測時刻)が表示され、縦軸に観測結果
(正常又はエラー)が表示されたものである。
【0076】ここでは、各正時(1時、2時、…)に短
時間だけ測定モードに設定され、そ他の時間帯(但し、
3時〜5時は放送休止)は監視モードに設定されたもの
で、監視モードの観測結果と測定モードの観測結果とが
色分け表示(例えば、青色と灰色)されると共に、エラ
ーの発生(9時30分、12時50分、15時40分〜
16時00分、16時20分)は例えば赤色で表示され
るようになっている。これにより、所定のフィールドモ
ニタ20についての一日の観測結果を一目で確認するこ
とができる。
【0077】この図7に示す画面では、「受信指示」ボ
タンをクリックすることでフィールドモニタ20に対し
て最新の観測情報の送信を指示することができ、時間指
定をすることでその指定した時刻のグラフ表示も可能と
なっている。例えば、15時を指定すると、図8に示す
ように、15時の時間帯のグラフが表示され、これによ
りその時間帯の詳細な観測情報を確認することができる
ようになっている。この図8に示す所定の時刻でのグラ
フ表示は、図7における観測結果の表示個所を例えばダ
ブルクリックすることでも可能となっている。
【0078】なお、管理モニタ30では、所定のデータ
処理を指示しないときは図5に示す初期画面が常時表示
されており、所定のフィールドモニタ20(例えば、フ
ィールドモニタA局)に受信画像が破綻するエラーが発
生したとき、図9に示すように、初期画面のフィールド
モニタA局の表示されているマス目内にその旨が発生時
刻と共に表示されるようになっている。これにより、フ
ィールドモニタA局に対して詳細な観測情報の送信指示
をする等して迅速な対応をとることができるようになっ
ている。
【0079】また、図10は、所定のフィールドモニタ
20(例えば、フィールドモニタA局)の観測情報につ
いて「受信マージン」が指定された場合にデータ処理部
311eによりデータ処理が実行されて管理モニタ30
の表示部314に表示されるグラフを示す図である。す
なわち、この「受信マージン」は、指定したフィールド
モニタ20の各正時(1時、2時、…)における受信マ
ージンがグラフ表示されるもので、横軸に測定時刻(観
測時刻)が表示され、縦軸に受信マージンが表示された
ものである。この図10に示すグラフにおいて、各時刻
におけるプロット個所(例えば、18時)を例えばダブ
ルクリックすると、図11に示すように、「エラー時間
率(破綻発生時間率)」のグラフが表示されるようにな
っている。これにより、指定した時刻における電波品質
の余裕度を確認することができる。図11では、減衰量
が25dBのときには破綻が生じていないが、減衰量が
26dBになると破綻が生じ始め、減衰量が27dBに
なると画像が完全に破綻してしまったことを示してい
る。
【0080】また、図12は、所定のフィールドモニタ
20(例えば、フィールドモニタA局)の観測情報につ
いて「受信マージン月間表示」が指定された場合にデー
タ処理部311eによりデータ処理が実行されて管理モ
ニタ30の表示部314に表示されるグラフを示す図で
ある。すなわち、この「受信マージン月間表示」は、指
定したフィールドモニタ20の月間の受信マージンの観
測結果がグラフ表示されるもので、横軸に測定日付が表
示され、縦軸に受信マージンが表示されたものである。
これにより、所定のフィールドモニタ20における受信
マージンの一月間の観測結果を一目で確認することがで
きる。なお、この「受信マージン月間表示」では、測定
日付毎に各測定時刻のデータがプロットされるようにな
っているが、図12ではその正確なプロットは図示を省
略している。
【0081】また、図13は、所定のフィールドモニタ
20(例えば、フィールドモニタA局)について「動作
情報」が指定された場合にデータ処理部311eにより
データ処理が実行されて管理モニタ30の表示部314
に表示されるテーブルを示す図である。すなわち、この
「動作情報」は、指定したフィールドモニタ20につい
ての監視モードの開始時刻及び終了時刻と、測定モード
の開始時刻及び終了時刻とを一覧で表示すると共に、受
信画像の破綻(異常)が生じたときの異常時刻及び回復
時刻を一覧で表示するものである。
【0082】このように、管理モニタ30では、データ
処理部311eにより各フィールドモニタ20について
予め設定されている種々のデータ処理が実行されてグラ
フ化やテーブル化等が行われ、各観測ポイントにおける
監視モード及び測定モードにおける観測情報を容易に集
中管理することができるようになっている。これらのグ
ラフ化したデータやテーブル化したデータは、必要に応
じてプリンタ316によりプリントアウトすることがで
きる。なお、電波品質の観測ポイントを、図14に示す
ように、親局送信所からの放送電波を受信する親局放送
区域内及び中継局送信所からの放送電波を受信する中継
局放送区域(図示では、第1〜第3中継局放送区域)内
に設ける観測網を構築することにより、親局放送区域内
と中継局放送区域間での観測情報の差異や各中継局放送
区域間での観測情報の差異等から各中継局送信所の異常
等を管理することも可能になる。
【0083】図15は、本発明の第2の実施形態に係る
デジタル放送の電波品質観測システムの全体構成を示す
ブロック図である。この実施形態では、信号品質劣化手
段として雑音信号発生器を用いると共に、この雑音信号
発生器から出力される雑音信号を放送信号に重畳させる
合成器とを用いた点において第1の実施形態とは相違す
るものであり、その他の点においては第1の実施形態と
同一の構成になるものである。このため、第1の実施形
態と同一の構成要素については同一の符号を付与するこ
とで詳細な説明を省略する。
【0084】すなわち、この第2の実施形態に係るデジ
タル放送の電波品質観測システム10’では、第2の受
信部24が信号品質劣化手段としての雑音信号発生器2
45と、高周波分配器22の第2の出力端222から出
力された放送信号に雑音信号発生器245から出力され
る雑音信号を重畳させる合成器246と、この合成器2
46から出力された放送信号を復調して増幅するデジタ
ルチューナ等からなる第2のデジタル受信機242と、
この第2のデジタル受信機242から出力されるビデオ
信号の位相を第1のデジタル受信機231から出力され
るビデオ信号の位相と同期させるフレームシンクロナイ
ザ等からなる信号同期装置243とを備えたものであ
る。
【0085】この電波品質観測システム10’で用いら
れる雑音信号発生器245は、出力される雑音信号のレ
ベル(雑音付加量)が装置制御部26から供給される制
御信号により所定範囲内で連続的に可変できるように構
成されたものである。この雑音信号発生器245は、フ
ィールドモニタ20が監視モードに設定されるときは、
その雑音信号が所定の固定されたレベル(雑音付加量)
に設定され、フィールドモニタ20が測定モードに設定
されるときは、その雑音信号が所定時間内に複数のレベ
ル(雑音付加量)に順次切り換えられて増大されること
になる。
【0086】このように構成された電波品質観測システ
ム10’は、第1の実施形態に係る電波品質観測システ
ム10と同様に、監視モードでは雑音信号発生器245
から出力される雑音信号のレベルを所定の固定された値
に設定して放送信号の品質を所定レベルで劣化させるこ
とにより電波品質を常時観測することができ、測定モー
ドでは所定時間内に雑音信号発生器245から出力され
る雑音信号のレベルを画像が破綻するまで順次増加させ
ることにより受信マージンを計測することができる。
【0087】この電波品質観測システム10’では、図
5に示す入力設定画面の測定器設定エリアA1で「雑音
信号発生器」が選択されると共に、画像破綻閾値が設定
される。また、測定モード設定エリアA2で雑音信号発
生器245から出力される雑音信号レベルの「可変範
囲」が設定されると共に、各レベル毎の測定時間である
「1ポイント測定時間」が設定される。その他の設定
(「通報オプション」等)は、電波品質観測システム1
0の場合と同様である。
【0088】このように、各設定エリアA1,A2,A
3における入力設定が終了した後に下部に配設されてい
る「設定送信」ボタンをクリックすることにより設定情
報が確定され、この確定した設定情報が初期画面で指定
したフィールドモニタ20に対し送信先を特定する識別
情報と共に送信される。フィールドモニタ20では、管
理モニタ30から送信されてきた識別情報と設定情報と
を受信する一方、送信されてきた識別情報が一致してい
る場合に管理モニタ30から送信されてきた設定情報が
設定情報記憶部263に書き込まれる。これにより、雑
音信号発生器245の雑音信号レベルが測定モード時及
び監視モード時に設定情報記憶部263から読み出され
て設定される。
【0089】フィールドモニタ20では、常時は監視モ
ードに設定されて電波品質の観測が行われる一方、設定
された時刻になると測定モードに設定されて受信マージ
ンが計測される。これらの監視モード時及び測定モード
時に得られた観測情報は観測情報記憶部262に書き込
まれ、送信時刻に達したときや異常発生時等に読み出さ
れて識別情報と共に管理モニタ30に送信される。管理
モニタ30では、データ処理部311eで指定されたデ
ータ処理が実行され、電波品質観測システム10の場合
と同様のグラフ化やテーブル化が行なわれる。
【0090】本発明は、上記第1,第2の実施形態にお
いて説明したように、受信アンテナ21で受信した放送
信号を第1のデジタル受信機231に分配供給すると共
に、この第1のデジタル受信機231に分配供給する信
号よりも信号品質を劣化させた状態で第2のデジタル受
信機242に分配供給し、第1のデジタル受信機231
により復調した放送信号と第2のデジタル受信機242
により復調した放送信号とに基づいてデジタル放送の電
波品質を観測するようにしたものである。
【0091】このように、本発明においては実際の放送
電波を用いてデジタル放送の電波品質を観測するもので
あることから放送電波が送信されている限りは観測時間
帯に特別な制約を受けることなく容易に電波品質を観測
することができる。また、簡単な回路構成で電波品質を
観測することができ、高価な専用の測定装置を必要とし
ないことから多くの観測ポイントを設けてもコストが大
きく嵩むような虞もない。
【0092】なお、本発明は、上記実施形態のものに限
定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形
態様を採用することができる。
【0093】(1)上記実施形態では、信号同期装置2
32,243を用いて第1のデジタル受信機231から
出力されるビデオ信号の位相と第2のデジタル受信機2
42から出力されるビデオ信号の位相とを同期させるよ
うにしているが、これに限るものではない。例えば、こ
れらの信号同期装置232,243は2つのビデオ信号
の位相が大きくずれない場合等では必ずしも必要とする
ものではない。
【0094】(2)上記実施形態では、測定モードにお
ける破綻発生時間率をフィールドモニタ20の装置制御
部26で算出するようにしているが、この破綻発生時間
率は管理モニタ30の管理制御装置31で算出するよう
にすることも可能である。この場合、フィールドモニタ
20は観測情報として差分信号のレベル値等を送信する
ようにすればよい。また、破綻発生時間率は、算出して
求めるようにしているが、テーブルから読み出すことで
求めることも可能である。
【0095】(3)上記実施形態では、フィールドモニ
タ20側に破綻検出器252に設けるようにしている
が、この破綻検出器252は管理モニタ30側に設ける
ようにしてもよい。この場合、フィールドモニタ20か
らは、比較器251から出力される差分信号を管理モニ
タ30側に送信し、管理モニタ30側で受信した差分信
号のレベルを管理モニタ30側に設けた破綻検出器で計
測するようにすればよい。
【0096】(4)上記実施形態では、フィールドモニ
タ20で得た観測情報を通信回線CLにより管理モニタ
30側に送信するようにしているが、これに限るもので
はない。例えば、フィールドモニタ20で得た観測情報
を無線で管理モニタ30側に送信することもできる。
【0097】(5)上記実施形態では、複数の観測ポイ
ントの電波品質を管理モニタ30で集中的に管理するよ
うにしているが、これに限るものではない。例えば、日
常の監視モード及び測定モードでの観測は、各観測ポイ
ントに設置したフィールドモニタ20で行なうようにし
てもよい。この場合、フィールドモニタ20で得た観測
情報をフロッピディスクやCD-ROM等の持ち運び自
在の記録媒体に記憶させておき、例えば管理モニタ30
では運搬されてきた記録媒体に記憶されている観測情報
を用いて月単位等で各観測ポイントにおける観測情報を
管理したりすればよい。
【0098】(6)上記実施形態では、管理モニタ30
は複数のフィールドモニタ20を管理するようにしてい
るが、これに限るものではない。例えば、管理モニタ3
0は、1のフィールドモニタ20のみを管理するように
したものであってもよい。この場合、フィールドモニタ
20が複数存在するときは、管理センタにフィールドモ
ニタ20のセット数に対応する管理モニタ30を設けて
おけばよい。
【0099】(7)上記実施形態では、1のチャンネル
の放送電波について電波品質を観測するようにしている
が、これに限るものではない。例えば、装置制御部26
から出力される制御信号により第1のデジタル受信機2
31と第2のデジタル受信機242の受信チャンネルを
切り換え可能にしておき、受信チャンネルを切り換えて
複数のチャンネルの放送電波について電波品質を観測す
るようにしてもよい。
【0100】(8)上記実施形態では、監視モード及び
測定モードの2つのモードを設定することで電波品質の
観測をより正確に行なうことができるようにしている
が、これに限るものではない。例えば、監視モードだけ
で電波品質を観測するようにしてもよいし、測定モード
だけで電波品質を観測するようにしてもよい。また、測
定モードのときに破綻発生時間率を算出し、この破綻発
生時間率で電波品質を管理するようにしているが、監視
モードのときにも破綻発生時間率を算出することで電波
品質を管理することも可能である。
【0101】(9)上記実施形態では、本発明に係るデ
ジタル放送の電波品質観測10,10’は、地上デジタ
ルテレビジョン放送の電波品質を観測するものとして説
明しているが、これに限るものではない。本発明に係る
デジタル放送の電波品質観測方法、電波品質観測装置及
び電波品質観測システムは、CSデジタルテレビジョン
放送やBSデジタルテレビジョン放送にも適用可能であ
り、さらにはデジタル音声放送にも適用可能である。デ
ジタル音声放送の場合では、比較器251では第1の受
信部23と第2の受信部24とから出力される音声信号
が比較されることになる。
【0102】(10)上記実施形態では、第1の受信部
23と第2の受信部24とから出力されるD/A変換さ
れた後のビデオ信号の差成分(差分信号)を用いて画像
の破綻を検出するようにしているが、これに限るもので
はない。例えば、第1の受信部23と第2の受信部24
とから出力されるD/A変換される前のデジタル信号を
用いて受信画像の破綻を検出する構成とすることもでき
る。要は、第1のデジタル受信機231により復調した
放送信号と第2のデジタル受信機242により復調した
放送信号とに基づいて電波品質を観測する電波品質観測
部(電波品質観測手段)を備える構成とされておればよ
い。
【0103】(11)上記実施形態では、デジタル放送
の電波品質観測装置10,10’は、所定の観測ポイン
トにおける電波品質を観測することで受信画像が破綻す
る状態になる前にその対応をとることができるようにし
たものであるが、例えば次のような目的にも使用するこ
とが可能である。すなわち、地上デジタルテレビジョン
放送では、受信アンテナの向きを放送送信所に向けるだ
けでは最適の受信状態が得られない場合が生じる。この
ため、フィールドモニタ20の受信アンテナ21の向き
や高さを種々変更すると共に、そのときの複数チャンネ
ルの受信マージン等を測定することにより、それら各チ
ャンネルの観測結果に基づいてその観測ポイントにおけ
る受信アンテナの最適の向きや高さを求めることができ
る。これにより、視聴者の家屋等においてデジタル放送
受信機の受信アンテナを最適の状態で設置することが可
能になる。この場合、フィールドモニタ20のみを独立
したアンテナ設置用計測器として用いることも可能であ
る。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信した放送信号を第1のデジタル放送受信機に分配供
給すると共に、第1のデジタル放送受信機に分配供給す
る信号よりも信号品質を劣化させた状態で第2のデジタ
ル放送受信機に分配供給し、第1のデジタル放送受信機
により復調した放送信号と第2のデジタル放送受信機に
より復調した放送信号とに基づいてデジタル放送の電波
品質を観測するようにしているので、観測時間帯に制約
を受けることなく容易にデジタル放送の電波品質を観測
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るデジタル放送の
電波品質観測システムの全体構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明に係るデジタル放送の電波品質観測シス
テムにより構築される観測網の概念図を示す図である。
【図3】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおける電波品質観測部の動作を説明するための概略
波形図であり、(a)は第1のデジタル受信機から出力
されるビデオ信号の波形、(b)は第2のデジタル受信
機から出力されるビデオ信号の波形、(c)は第1のデ
ジタル受信機から出力されるビデオ信号と第2のデジタ
ル受信機から出力されるビデオ信号との差成分の波形を
示す図である。
【図4】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおける破綻検出器で表示される差成分のレベルを示
す波形図であり、(a)は電波品質が良好なときの波
形、(b)は電波品質が不安定なときの波形、(c)は
電波品質が劣化したときの波形を示す図である。
【図5】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおける管理モニタの表示部に表示される入力設定の
ための初期画面を示す図である。
【図6】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおける管理モニタの表示部に表示される入力設定画
面を示す図である。
【図7】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおけるフィールドモニタから得た観測情報をグラフ
化した図である。
【図8】図1に示すデジタル放送の電波品質観測システ
ムにおけるフィールドモニタから得た観測情報をグラフ
化した図である。
【図9】図5に示す初期画面に警告表示を行なうように
した図である。
【図10】図1に示すデジタル放送の電波品質観測シス
テムにおけるフィールドモニタから得た観測情報をグラ
フ化した図である。
【図11】図1に示すデジタル放送の電波品質観測シス
テムにおけるフィールドモニタから得た観測情報をグラ
フ化した図である。
【図12】図1に示すデジタル放送の電波品質観測シス
テムにおけるフィールドモニタから得た観測情報をグラ
フ化した図である。
【図13】図1に示すデジタル放送の電波品質観測シス
テムにおけるフィールドモニタから得た観測情報に基づ
いて所定のデータをテーブル化した図である。
【図14】本発明に係るデジタル放送の電波品質観測シ
ステムにより構築される観測網の概念図を示す図であ
る。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るデジタル放送
の電波品質観測システムの全体構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
10,10’ デジタル放送の電波品質観測システム 20 フィールドモニタ 22 高周波分配器 25 電波品質観測部(電波品質観測手段) 26 装置制御部 27 送受信部 30 管理モニタ 31 管理制御装置 32 送受信部 231 第1のデジタル受信機(第1のデジタル放送受
信機) 232,243 信号同期装置(信号同期手段) 241 可変アッテネータ(信号劣化手段) 242 第2のデジタル受信機(第2のデジタル放送受
信機) 245 雑音信号発生器(信号劣化手段) 251 比較器 252 破綻検出器(レベル検出器) 262 観測情報記憶部(情報記憶手段) 271 送信部(送信手段) 272 受信部(受信手段) 321 送信部(送信手段) 322 受信部(受信手段) 261d 読出部(読出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水川 毅 大阪市北区扇町2丁目1番7号 関西テレ ビ放送株式会社内 (72)発明者 俵 章 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 (72)発明者 新田 勝弘 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 (72)発明者 大達 倫一 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 (72)発明者 倉貫 順一 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 (72)発明者 戸田 敬三 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 (72)発明者 小林 育浩 大阪市北区堂島2丁目3番7号 日本エレ クトロニックシステムズ株式会社内 Fターム(参考) 5C061 BB03 BB05 BB13 CC03

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル放送の電波品質を観測する電波
    品質観測方法であって、受信した放送信号を第1のデジ
    タル放送受信機に分配供給すると共に、この第1のデジ
    タル放送受信機に分配供給する信号よりも信号品質を劣
    化させた状態で第2のデジタル放送受信機に分配供給
    し、前記第1のデジタル放送受信機により復調した放送
    信号と前記第2のデジタル放送受信機により復調した放
    送信号とに基づいてデジタル放送の電波品質を観測する
    ようにしたことを特徴とするデジタル放送の電波品質観
    測方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のデジタル放送受信機に分配供
    給する放送信号の品質を所定の固定されたレベルで劣化
    させることによりデジタル放送の電波品質を観測するこ
    とを特徴とする請求項1記載のデジタル放送の電波品質
    観測方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のデジタル放送受信機に分配供
    給する放送信号の品質を所定時間内に複数のレベルで順
    次劣化させると共に、各劣化に対応してデジタル放送の
    電波品質を観測することを特徴とする請求項1記載のデ
    ジタル放送の電波品質観測方法。
  4. 【請求項4】 前記第2のデジタル放送受信機に分配供
    給する放送信号を減衰させることで信号品質を劣化させ
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    デジタル放送の電波品質観測方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のデジタル放送受信機に分配供
    給する放送信号に雑音を重畳させることで信号品質を劣
    化させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載のデジタル放送の電波品質観測方法。
  6. 【請求項6】 デジタル放送の電波品質を観測する電波
    品質観測装置であって、基準となる第1のデジタル放送
    受信機と、受信状態を前記第1のデジタル放送受信機と
    比較するための第2のデジタル放送受信機と、受信した
    放送信号を前記第1のデジタル放送受信機と前記第2の
    デジタル放送受信機とに分配供給する高周波分配器と、
    前記第2のデジタル放送受信機に分配供給される放送信
    号の品質を劣化させる信号劣化手段と、前記第1のデジ
    タル放送受信機により復調した放送信号と前記第2のデ
    ジタル放送受信機により復調した放送信号とに基づいて
    電波品質を観測する電波品質観測手段とを備えたことを
    特徴とするデジタル放送の電波品質観測装置。
  7. 【請求項7】 前記信号劣化手段は、前記第2のデジタ
    ル放送受信機に分配供給される放送信号の品質を所定の
    固定されたレベルで劣化させるものであり、前記電波品
    質観測手段は、その劣化に対応して電波品質を観測する
    ものであることを特徴とする請求項6記載のデジタル放
    送の電波品質観測装置。
  8. 【請求項8】 前記信号劣化手段は、前記第2のデジタ
    ル放送受信機に分配供給される放送信号の品質を所定時
    間内に複数のレベルで順次劣化させるものであり、前記
    電波品質観測手段は、各劣化に対応して電波品質を観測
    するものであることを特徴とする請求項6記載のデジタ
    ル放送の電波品質観測装置。
  9. 【請求項9】 前記信号劣化手段は、前記第2のデジタ
    ル放送受信機に分配供給される放送信号を減衰させるこ
    とで信号品質を劣化させる減衰器からなることを特徴と
    する請求項6乃至8のいずれかに記載のデジタルの電波
    品質観測装置。
  10. 【請求項10】 前記信号劣化手段は、前記第2のデジ
    タル放送受信機に分配供給される放送信号に雑音を重畳
    させることで信号品質を劣化させる雑音信号発生器から
    なることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載
    のデジタル放送の電波品質観測装置。
  11. 【請求項11】 前記電波品質観測手段は、前記第1の
    デジタル放送受信機により復調した放送信号と前記第2
    のデジタル放送受信機により復調した放送信号とを比較
    する比較器と、この比較器から出力される差分信号のレ
    ベルを検出するレベル検出器とからなるものであること
    を特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載のデジ
    タル放送の電波品質観測装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のデジタル放送受信機により
    復調した放送信号及び前記第2のデジタル放送受信機に
    より復調した放送信号の位相を同期させる信号同期手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項6乃至11のい
    ずれかに記載のデジタル放送の電波品質観測装置。
  13. 【請求項13】 前記電波品質観測手段は観測情報を出
    力するものであり、この電波品質観測手段から出力され
    る観測情報を管理センタに送信する送信手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項6乃至12のいずれかに記
    載のデジタル放送の電波品質観測装置。
  14. 【請求項14】 前記観測情報を記憶する情報記憶手段
    と、この情報記憶手段に記憶される観測情報を読み出す
    読出手段とをさらに備え、前記送信手段は、前記読出手
    段により前記情報記憶手段から読み出された観測情報を
    前記管理センタに送信するものであることを特徴とする
    請求項13記載のデジタル放送の電波品質観測装置。
  15. 【請求項15】 デジタル放送の電波品質を観測する電
    波品質観測システムであって、請求項13又は14記載
    のデジタル放送の電波品質観測装置と、前記管理センタ
    に設置されると共に、前記デジタル放送の電波品質観測
    装置から送信される観測情報を受信し、この受信した観
    測情報を用いてデジタル放送の電波品質を管理する管理
    装置とを備えたことを特徴とするデジタル放送の電波品
    質観測システム。
  16. 【請求項16】 前記デジタル放送の電波品質観測装置
    は複数の観測ポイントに設置されるものであり、前記管
    理装置は各デジタル放送の電波品質観測装置から送信さ
    れる観測情報を用いて各観測ポイントにおけるデジタル
    放送の電波品質を集中管理するものであることを特徴と
    する請求項15記載のデジタル放送の電波品質観測シス
    テム。
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KR100562997B1 (ko) 2004-04-19 2006-03-22 주식회사 파인디지털 멀티미디어 방송 서비스의 수신 품질 측정 방법 및 장치
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