JP2003017632A - 半導体封入用ガラス及び半導体封入用外套管 - Google Patents

半導体封入用ガラス及び半導体封入用外套管

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JP2003017632A JP2001197340A JP2001197340A JP2003017632A JP 2003017632 A JP2003017632 A JP 2003017632A JP 2001197340 A JP2001197340 A JP 2001197340A JP 2001197340 A JP2001197340 A JP 2001197340A JP 2003017632 A JP2003017632 A JP 2003017632A
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders

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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質的に鉛やその他の有害成分を含まないガ
ラスでありながら、710℃以下の温度で半導体素子を
封入可能な半導体封入用ガラスを提供する。 【解決手段】 SiO2−B23−RO(Rはアルカリ
土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)
系の組成を有する無鉛ガラスからなり、R’2Oとして
2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる
1種以上を各々含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体封入用ガラス、
すなわち、シリコンダイオード、発光ダイオード、サー
ミスタなどの素子と、それに電気的に接続するジュメッ
ト線などの電極材料を気密封入するためのガラスと、こ
れを用いて作製した半導体封入用外套管に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンダイオード、発光ダイオード、
サーミスタなどの小型の電子部品は、それらの半導体素
子をジュメット線などの電極材料で両側から挟み、ガラ
ス製の外套管で囲んだ後に全体を所定の温度に加熱し、
外套管を軟化変形させて気密封入した構造(DHD型)
が広く採用されている。この加熱温度は、一般的にはガ
ラスの粘度が106dPa・sとなる温度であり、封入温
度と言う。ここで、ガラスの封入温度に求められる条件
は、半導体の電気特性が封入温度で失われないように、
封入する半導体の耐熱温度以下で有ることである。半導
体の耐熱温度はその種類や設計に応じて多岐に渡るが、
最も耐熱性の高いものでも710℃程度なので、封入温
度は710℃以下で有ることが重要になる。また、ガラ
スに求められる特性として、熱膨張係数がある。これ
は、電極材料として最も一般的に用いられているジュメ
ット線の熱膨張係数に整合することであり、85〜10
5×10-7/℃(30〜380℃間)の熱膨張係数が必
要である。
【0003】従来、このような条件を満たす半導体封入
用ガラスとしては、PbOを45〜75重量%と多量に
含む鉛ケイ酸塩ガラスが使われている。PbOは、ケイ
酸塩ガラスにおいて安定したガラスを形成しつつ、ガラ
スの粘度を下げる効果が極めて大きいためである。例え
ばPbOを46%含有する半導体封入用ガラスの封入温
度は約700℃、また、PbOを60%含有する半導体
封入用ガラスの封入温度は約655℃である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉛やカドミニウ
ム、砒素などの有害成分による環境汚染が問題視され、
工業製品にそれらの有害成分を含まないことが要求され
てきている。電子部品においても、先ず半田の無鉛化が
積極的に取り組まれており、次いで、半導体封入用ガラ
スにもPbOを含まないことが望まれている。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、実質的に鉛やその他の有害成分を含まないガラス
でありながら、710℃以下の温度で半導体素子を封入
可能な半導体封入用ガラスと、これを用いて作製した封
入用外套管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体封入用ガ
ラスは、SiO2−B23−RO(Rはアルカリ土類金
属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組
成を有する無鉛ガラスからなり、R’2Oとして2種以
上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる1種以
上を各々含有することを特徴とする。
【0007】また本発明の半導体封入用外套管は、Si
2−B23−RO(Rはアルカリ土類金属元素)−
R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組成を有し、
R’2Oとして2種以上を、ROとしてSrO及びBa
Oから選ばれる1種以上を各々含有する無鉛ガラスから
なることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の半導体封入用ガラスは、実質的に鉛を
含まない無鉛ガラスからなる。「実質的に鉛を含まな
い」とは、積極的にガラス原料に鉛を使用しないという
意味であるが、不純物等からの混入も極力避けるべきで
ある。鉛の許容範囲は、具体的にはPbOの含有量とし
て5000ppm以下、好ましくは1000ppm以
下、より好ましくは500ppm以下である。
【0009】また本発明のガラスは、2種以上のアルカ
リ金属酸化物と、SrO及びBaOの1種以上と、B2
3を必須成分として含むことにより、ガラスの粘度を
低下させ、710℃以下で封入することを可能にしてい
る。
【0010】また半導体封入用ガラスの体積抵抗が低く
なってしまうと電極間にわずかに電気が流れるようにな
り、あたかもダイオードに平行して抵抗体を設置したよ
うな回路を生じてしまう。このため、ガラスの体積抵抗
は極力高いことが好ましい。本発明では2種以上のアル
カリ金属酸化物を使用するため、混合アルカリ効果によ
ってガラスの体積抵抗が高くなる。なお体積抵抗値は、
具体的には150℃でLogρ(Ω・cm)が11以
上、特に12以上であることが好ましい。また200℃
程度の高温でダイオードを好適に使用する場合には、2
50℃における抵抗値がLogρ(Ω・cm)で7以
上、特に8以上であることが好ましい。さらに350℃
での抵抗値がLogρ(Ω・cm)で7以上であれば3
00℃の作動温度に耐えることができる。
【0011】本発明において、(MgO+CaO+Sr
O+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)を、0.
2〜4.0の範囲に調整することが好ましい。この比を
0.2以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは
0.5以上に調整すれば、イオン伝導し易いLi、N
a、Kの移動が制限され、体積抵抗を高めることができ
る。またこの比が4.0以下、好ましくは3.0以下、
より好ましくは2.0以下であれば、安定性が高く、ブ
ツや脈理のないガラスが得やすくなる。
【0012】また本発明において、質量比で(SrO+
BaO)/SiO2が0.1以上、好ましくは0.2以
上、より好ましくは0.3以上であれば、封入温度を7
10℃以下に保つことが容易となる。またこの比が1.
5以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.9
以下であれば、結晶のないガラスが得易くなる。
【0013】同様に(SrO+BaO)/B23が0.
5以上、好ましくは1以上であれば、封入温度を710
℃以下保つことが容易となる。またこの比が10.0以
下、好ましくは9.0以下、より好ましくは7.0以下
であれば、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0014】上記半導体封入用ガラスの具体的な組成範
囲は、質量百分率で、SiO2 35〜60%、Al2
3 0〜15%、B23 1〜25%、MgO 0〜1
0%、CaO 0〜15%、SrO 0〜30%、Ba
O 0〜30%、SrO+BaO 5〜45%、ZnO
0〜20%、Li2O 0〜15%、Na2O 0〜1
5%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜20%、Cs
2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2O+Rb2
+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10%、ZrO
2 0〜10%である。
【0015】各成分の含有量を上記のように限定した理
由は以下の通りである。
【0016】SiO2は、ガラスの骨格を構成するため
に必要な主成分であり、その含有量は35〜60%、好
ましくは40〜57%、さらに好ましくは43〜53%
である。SiO2 が60%以下であれば熱膨張係数が小
さくなりすぎず、ジュメットのそれと適合するため良好
なシールができる。また35%以上であれば実用上十分
な化学的耐久性が得られる。化学的耐久性が悪化する
と、電子部品製造工程中の種々の薬液や、電子部品の長
期の使用においてガラスが変質して破損や気密が保てな
い等、電子部品の信頼性の低下を招く。またガラスの熱
膨張係数がジュメットのそれと適合するため良好なシー
ルができる。
【0017】Al23は、ガラスの耐久性を改善する成
分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは0〜5
%、さらに好ましくは0〜3%である。Al23が15
%以下であればガラスの溶融が容易であり、また失透性
も低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くな
る。ガラスにブツや脈理があると、封入形状が不揃いに
なったり、破損の原因になり、電子部品の信頼性が大き
く後退する。
【0018】B23は溶融性の向上、封入温度の低温
化、化学的耐久性の向上、及び失透性の改善のために必
要な成分であり、その含有量は1〜25%、好ましくは
3〜20%、さらに好ましくは7〜15%である。B2
3が25%以下であればガラス融液からの蒸発が少な
くなるために均質なガラスが得られる。また実用上十分
な化学的耐久性が得られる。一方、1%以上であれば7
00℃付近での粘度が低くなり、封入温度の低温化が達
成できる。
【0019】MgOはガラス融液の粘度を下げて溶融を
容易にし、ガラス構造を引き締めて耐候性を改善し封入
温度をさげる。その含有量は0〜10%、好ましくは0
〜8%、より好ましくは0〜3%である。MgOが10
%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のな
いガラスが得易くなる。
【0020】CaOはガラス融液の粘度を下げて溶融を
容易にする。その含有量は0〜15%、好ましくは0〜
8%、より好ましくは0〜3%である。CaOが15%
以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のない
ガラスが得易くなる。
【0021】SrOとBaOは特にガラスを均質化させ
安定化させる効果が大きく、ガラス融液の粘度を下げて
溶融を容易にし、封入温度をさげる成分であるため、少
なくとも何れか1種を含有する。その含有量は合計で5
〜45%、好ましくは10〜45%、より好ましくは1
5〜45%である。これらの合量が5%以上であればガ
ラスの均質性を大幅に向上でき、また粘度が低下して封
入温度の低温化が達成できる。45%以下であれば失透
性が低くなり、ブツや脈理のないガラスが得やすくな
る。
【0022】SrOの含有量は0〜30%、好ましくは
5〜30%、より好ましくは5〜25%である。5%以
上入れることがガラスの均質性向上の点で望ましく。3
0%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理の
ないガラスが得易くなる。
【0023】BaOの含有量は0〜30%、好ましくは
5〜25%、より好ましくは11〜25%である。5%
以上入れることがガラスの均質性向上の点で望ましく。
30%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理
のないガラスが得易くなる。
【0024】なおこれらのアルカリ土類金属酸化物(M
gO、CaO、SrO、BaO)は、アルカリの移動を
制限する働きがあり、体積抵抗の向上にも寄与する。
【0025】ZnOは、ガラス融液の粘度を下げて溶融
を容易にし、封入温度をさげる。さらに、ガラスの化学
耐久性を向上させる効果があり、その含有量の合量は0
〜20%、好ましくは1〜15%、より好ましくは3〜
15%である。1%以上入れることがガラスの均質性向
上の点で望ましく、20%以下であると失透や分相が殆
どない均質性の高いガラスを得ることができる。
【0026】アルカリ金属酸化物であるLi2O、Na2
O、K2O、Rb2O、Cs2Oはガラスの溶融を容易に
し、710℃以下の封入温度の達成と、ジュメットシー
ルに必要な熱膨張係数を得るのに必須の成分である。こ
れらのアルカリ金属酸化物は2種以上混合して使用する
ことが重要である。つまりアルカリ金属酸化物の含有量
が多いほど封入温度が下がるが、逆に耐候性や電気絶縁
性が悪化する傾向にある。そこでアルカリ金属酸化物の
混合効果を利用するために、2種以上を混合して使用
し、耐候性や電気絶縁性の悪化を防止する。
【0027】各アルカリ金属酸化物の含有量は、それぞ
れLi2O 0〜15%(好ましくは0.5〜10%、
より好ましくは0.5〜6%)、Na2O 0〜15
(好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜6%)、K
2O 0〜20%(好ましくは0〜15%、より好まし
くは1〜15%)、Rb2O 0〜20%(好ましくは
0〜15%)、Cs2O 0〜30%(好ましくは0〜
25%)であることが好ましい。各成分の含有量がその
範囲内にあれば、混合アルカリ効果により耐候性や電気
絶縁性が悪化することがない。なお、Li2Oは、封入
温度を低下させる効果が最も高いため、必須成分として
含有させることが望ましい。
【0028】またこれらアルカリ金属酸化物の合量は5
〜35%、好ましくは7〜25%、さらに好ましくは8
〜25%である。これら成分の合量が35%以下であれ
ば熱膨張係数が高くなりすぎず、ジュメットシールが可
能である。また化学的耐久性の低下が殆どない。一方、
5%以上であれば低温封着が達成でき、また熱膨張係数
が小さくなり過ぎない。
【0029】TiO2とZrO2はガラスの耐薬品性を向
上させるのに有効な成分で、半導体封入後のリード線メ
ッキ工程や洗浄工程でガラスの劣化を防止できる。その
含有量は各々0〜10%、好ましくは0〜5%、より好
ましくは0〜3%である。TiO2やZrO2が10%以
下であればブツや脈理のない均質なガラスを得ることが
できる。
【0030】また上記以外にも、ガラスの粘度の調整や
耐候性、溶融性、清澄性等を改善する目的で、P25
Fe23、SO3、Sb23、F、Cl等の成分を酸化
物換算で各々8%以下添加することが可能である。
【0031】なお本発明のガラスは、多成分であればあ
るほどガラスの安定性の面から好ましく、1%以上含有
される成分が7種類以上、特に8種類以上、さらには1
0種類以上であることが望ましい。7種類以上の成分か
ら構成されていればガラスが安定し、ブツのない均質な
ガラスが得やすくなる。
【0032】上記組成を有する本発明の半導体封入用ガ
ラスは、106dPa・sの粘度に相当する温度が71
0℃以下、150℃における体積抵抗がlogρ(Ω・
cm)で11以上、30〜380℃における熱膨張係数
が85〜105×10-7/℃の特性を有することができ
る。
【0033】次に本発明の半導体封入用ガラスからなる
半導体封入用外套管の製造方法を説明する。
【0034】工業的規模での外套管の製造方法は、ガラ
スを形成する成分を含有する鉱物や精製結晶粉末を計測
混合し、炉に投入する原料を調合する調合混合工程と、
原料を溶融ガラス化する溶融工程と、溶融したガラスを
管の形に成形する成形工程と、管を所定の寸法に切断す
る加工工程からなっている。
【0035】まずガラス原料を調合混合する。原料は、
酸化物や炭酸塩など複数の成分からなる鉱物や不純物か
らなっており、分析値を考慮して調合すればよく、原料
は限定されない。これらを重量で計測し、Vミキサーや
ロッキングミキサー、攪拌羽根のついたミキサーなど規
模に応じた適当な混合機で混合し、投入原料を得る。
【0036】次に原料をガラス溶融炉に投入し、ガラス
化する。溶融炉はガラス原料を溶融しガラス化するため
の溶融槽と、ガラス中の泡を上昇除去するための清澄槽
と、清澄されたガラスを成形に適当な粘度まで下げ、成
形装置に導くための通路(フィーダー)よりなる。溶融
炉は、耐火物や内部を白金で覆った炉が使用され、バー
ナーによる加熱やガラスへの電気通電によって加熱され
る。投入された原料は通常1300℃〜1600℃の溶
解槽でガラス化され、さらに1400℃〜1600℃の
清澄槽に入る。ここでガラス中の泡を浮上させて泡を除
去する。清澄糟から出たガラスは、フィーダーを通って
成形装置に移動するうちに温度が下がり、ガラスの成形
に適した粘度104〜106dPa・Sになる。
【0037】次いで成形装置にてガラスを管状に成形す
る。成形法としてはダンナー法、ベロ法、ダウンドロー
法、アップドロー法が適用可能である。
【0038】その後、ガラス管を所定の寸法に切断する
ことにより、半導体封入用外套管を得ることができる。
ガラス管の切断加工は、管1本ずつをダイヤモンドカッ
ターで切断することも可能であるが、大量生産に適した
方法として、多数の管ガラスを1本に結束してからダイ
ヤモンドホイールカッターで切断する方法のように、一
度に多数の管ガラスを切断する方法が一般的に用いられ
ている。
【0039】次に本発明のガラスからなる外套管を用い
た半導体素子の封入方法を述べる。
【0040】まず外套管内でジュメット線などの電極材
料が半導体素子を両側から挟み込んだ状態となるように
冶具を用いてセットする。その後、全体を710℃以下
の温度に加熱し、外套管を軟化変形させて気密封入す
る。このような方法でシリコンダイオード、発光ダイオ
ード、サーミスタなどの小型の電子部品を作製すること
ができる。
【0041】なお本発明の半導体封入用ガラスは、ガラ
ス管として使用する以外にも、例えば、粉末状にしてペ
ースト化し、半導体素子に巻き付けて焼成することで半
導体素子を封入することもできる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0043】表1〜3は本発明のガラスの実施例(試料
No.1〜12)及び比較例(試料No.13)を示し
ている。なおNo.13の試料は鉛を含む従来の半導体
封入用ガラスである。
【0044】まず、石粉、酸化アルミニウム、硼酸、酸
化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウ
ム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウ
ム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、リン酸ア
ンモニウム、三酸化アンチモンを所定の割合になるよう
に、得率や不純物量を考慮して決定された原料調合表に
基づいて500kgの原料を調合し、V型ミキサーでよ
く混合した。
【0045】この原料を容量500リットルのガラス溶
融炉で溶融し、ダウンドロー法で管状に成形した。ガラ
ス溶融炉の溶融糟は1450℃であり、溶融槽からでた
ガラスは清澄槽を通り、フィーダーに入る。フィーダー
内のガラスは成形装置であるフィーダー底面の開口リン
グ(Orifice ring)と同心上に配置されたベル軸(Bel
shaft)の隙間から炉外に流出し、ベル軸から吹き込
まれた空気圧を管内部に受けながら、下方に引きのばさ
れ管に成形される。必要な管寸法(内径と管肉厚)は、
ガラスの流下速度と空気圧と引っ張り速度で決定され
る。
【0046】このようにして得られた管状ガラスを切断
し、適当な長さ(例えば1m)のガラス管を得た。
【0047】次に結束器具を用いてガラス管1000本
を一体的に固定し、松ヤニなどの樹脂が管の間に入り込
むように樹脂槽につけ、取り出して冷却することで、1
本の棒状体とした。これをダイヤモンドカッターで所定
の長さに切断し、一度の切断で1000本の管ガラスが
一体化したペレットを得た。その後、樹脂を除去して管
同士の結束を外し、洗浄、乾燥することで所定の長さの
外套管を得た。なおこのようにして得られる外套管は、
例えばダイオード用外套管の場合、内径0.6〜2.1
mm、肉厚0.2〜0.8mm、長さ1〜4mmであ
る。
【0048】また各試料について、106dPa・sの
粘度に相当する温度(封入温度)、熱膨張係数、及び体
積抵抗率(150℃、250℃、350℃)を測定し
た。結果を各表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】表から明らかなように、本発明の実施例で
あるNo.1〜12の各試料は、封入温度が710℃以
下、熱膨張係数が88.0〜101.6×10-7/℃で
あり、従来の鉛系半導体封入用ガラスと同等の特性を有
していた。
【0053】なお各試料の評価に当たっては、まず表に
示す組成となるようにガラス原料を調合し、白金坩堝を
用いて1400℃で5時間溶融した後、融液を所定の形
状に成形、加工してから各評価に供した。
【0054】106dPa・sの粘度に相当する温度
(封入温度)は次のようにして求めた。先ず、ASTM
C338に準拠するファイバ法でガラスの軟化点を測
定し、白金球引き上げ法によって作業点領域の粘度に対
する温度を求めた。次いで、これらの温度と粘度の値を
Fulcherの式にあてはめて、粘度が106dPa
・sになる温度を算出して、封入温度とした。
【0055】熱膨張係数は、ガラスを直径約3mm、長
さ約50mmの円柱に加工した後に、自記示差熱膨張計
で、30〜380℃の温度範囲における平均線膨張係数
を測定したものである。
【0056】体積抵抗率は、ASTM C−657に準
拠する方法で測定した。なお半導体封入用ガラスは絶縁
性が高いことが望ましい。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明の半導体封入用ガラ
スは、PbOを全く含まないにも拘わらず、710℃以
下の温度で半導体素子を封入可能であるため、半導体封
入用外套管材質として好適である。
【0058】また本発明の半導体封入用外套管を用いれ
ば、シリコンダイオード、発光ダイオード、サーミスタ
などの小型の電子部品の無鉛化が可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C03C 3/093 C03B 23/04 H01L 23/31 H01L 23/30 G // C03B 23/04 Fターム(参考) 4G015 BA04 4G062 AA09 BB01 DA05 DA06 DB01 DB02 DB03 DB04 DC03 DC04 DD01 DD02 DD03 DE01 DE02 DE03 DE04 DF01 EA01 EA02 EA03 EA04 EA10 EB01 EB02 EB03 EB04 EC01 EC02 EC03 EC04 ED01 ED02 ED03 EE01 EE02 EE03 EE04 EF01 EF02 EF03 EF04 EG01 EG02 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FB02 FB03 FC01 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GB02 GB03 GC01 GD01 GE01 GE02 GE03 HH01 HH02 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM08 NN29 NN32 4M109 AA03 EA17 EA18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2−B23−RO(Rはアルカリ
    土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)
    系の組成を有する無鉛ガラスからなり、R’2Oとして
    2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる
    1種以上を各々含有することを特徴とする半導体封入用
    ガラス。
  2. 【請求項2】 (MgO+CaO+SrO+BaO)/
    (Li2O+Na2O+K2O)が、モル比で0.2〜
    4.0の範囲にあることを特徴とする請求項1の半導体
    封入用ガラス。
  3. 【請求項3】 (SrO+BaO)/SiO2が、質量
    比で0.1〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求
    項1の半導体封入用ガラス。
  4. 【請求項4】 (SrO+BaO)/B23が、質量比
    で0.5〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求
    項1の半導体封入用ガラス。
  5. 【請求項5】 質量百分率で、SiO2 35〜60
    %、Al23 0〜15%、B23 1〜25%、Mg
    O 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO0〜30
    %、BaO 0〜30%、SrO+BaO 5〜45
    %、ZnO 0〜20%、Li2O 0〜15%、Na2
    O 0〜15%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜2
    0%、Cs2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2
    +Rb2O+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10
    %、ZrO2 0〜10%の組成を有することを特徴と
    する請求項1の半導体封入用ガラス。
  6. 【請求項6】 SiO2−B23−RO(Rはアルカリ
    土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)
    系の組成を有し、R’2Oとして2種以上を、ROとし
    てSrO及びBaOから選ばれる1種以上を各々含有す
    る無鉛ガラスからなることを特徴とする半導体封入用外
    套管。
  7. 【請求項7】 (MgO+CaO+SrO+BaO)/
    (Li2O+Na2O+K2O)が、モル比で0.2〜
    4.0の範囲にあるガラスからなることを特徴とする請
    求項6の半導体封入用外套管。
  8. 【請求項8】 (SrO+BaO)/SiO2が質量比
    で0.1〜1.5の範囲にあるガラスからなることを特
    徴とする請求項6の半導体封入用外套管。
  9. 【請求項9】 (SrO+BaO)/B23が質量比で
    0.5〜10.0の範囲にあるガラスからなることを特
    徴とする請求項6の半導体封入用外套管。
  10. 【請求項10】 質量百分率で、SiO2 35〜60
    %、Al23 0〜15%、B23 1〜25%、Mg
    O 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜3
    0%、BaO 0〜30%、SrO+BaO 5〜45
    %、ZnO0〜20%、Li2O 0〜15%、Na2
    0〜15%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜20
    %、Cs2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2O+
    Rb2O+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10
    %、ZrO2 0〜10%の組成を有するガラスからな
    ることを特徴とする請求項6の半導体封入用外套管。
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