JP5088914B2 - 半導体封入用ガラス及び半導体封入用外套管 - Google Patents

半導体封入用ガラス及び半導体封入用外套管 Download PDF

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体封入用ガラス、すなわち、シリコンダイオード、発光ダイオード、サーミスタなどの素子と、それに電気的に接続するジュメット線などの電極材料を気密封入するためのガラスと、これを用いて作製した半導体封入用外套管に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンダイオード、発光ダイオード、サーミスタなどの小型の電子部品は、それらの半導体素子をジュメット線などの電極材料で両側から挟み、ガラス製の外套管で囲んだ後に全体を所定の温度に加熱し、外套管を軟化変形させて気密封入した構造(DHD型)が広く採用されている。この加熱温度は、一般的にはガラスの粘度が106dPa・sとなる温度であり、封入温度と言う。ここで、ガラスの封入温度に求められる条件は、半導体の電気特性が封入温度で失われないように、封入する半導体の耐熱温度以下で有ることである。半導体の耐熱温度はその種類や設計に応じて多岐に渡るが、最も耐熱性の高いものでも710℃程度なので、封入温度は710℃以下で有ることが重要になる。また、ガラスに求められる特性として、熱膨張係数がある。これは、電極材料として最も一般的に用いられているジュメット線の熱膨張係数に整合することであり、85〜105×10-7/℃(30〜380℃間)の熱膨張係数が必要である。
【0003】
従来、このような条件を満たす半導体封入用ガラスとしては、PbOを45〜75重量%と多量に含む鉛ケイ酸塩ガラスが使われている。PbOは、ケイ酸塩ガラスにおいて安定したガラスを形成しつつ、ガラスの粘度を下げる効果が極めて大きいためである。例えばPbOを46%含有する半導体封入用ガラスの封入温度は約700℃、また、PbOを60%含有する半導体封入用ガラスの封入温度は約655℃である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、鉛やカドミニウム、砒素などの有害成分による環境汚染が問題視され、工業製品にそれらの有害成分を含まないことが要求されてきている。電子部品においても、先ず半田の無鉛化が積極的に取り組まれており、次いで、半導体封入用ガラスにもPbOを含まないことが望まれている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、実質的に鉛やその他の有害成分を含まないガラスでありながら、710℃以下の温度で半導体素子を封入可能な半導体封入用ガラスと、これを用いて作製した封入用外套管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体封入用ガラスは、SiO2−B23−RO(Rはアルカリ土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組成を有する無鉛ガラスからなり、R’2Oとして2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる1種以上を各々含有し、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)がモル比で0.4〜4.0の範囲にあり、質量百分率で、Li2Oを0.5〜15%、ZnOを1〜9%含む組成を有することを特徴とする。
【0007】
また本発明の半導体封入用外套管は、SiO2−B23−RO(Rはアルカリ土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組成を有し、R’2Oとして2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる1種以上を各々含有し、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)がモル比で0.4〜4.0の範囲にあり、質量百分率で、Li2Oを0.5〜15%、ZnOを1〜9%含む組成を有する無鉛ガラスからなることを特徴とする。
【0008】
【作用】
本発明の半導体封入用ガラスは、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスからなる。「実質的に鉛を含まない」とは、積極的にガラス原料に鉛を使用しないという意味であるが、不純物等からの混入も極力避けるべきである。鉛の許容範囲は、具体的にはPbOの含有量として5000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。
【0009】
また本発明のガラスは、2種以上のアルカリ金属酸化物と、SrO及びBaOの1種以上と、B23を必須成分として含むことにより、ガラスの粘度を低下させ、710℃以下で封入することを可能にしている。
【0010】
また半導体封入用ガラスの体積抵抗が低くなってしまうと電極間にわずかに電気が流れるようになり、あたかもダイオードに平行して抵抗体を設置したような回路を生じてしまう。このため、ガラスの体積抵抗は極力高いことが好ましい。本発明では2種以上のアルカリ金属酸化物を使用するため、混合アルカリ効果によってガラスの体積抵抗が高くなる。なお体積抵抗値は、具体的には150℃でLogρ(Ω・cm)が11以上、特に12以上であることが好ましい。また200℃程度の高温でダイオードを好適に使用する場合には、250℃における抵抗値がLogρ(Ω・cm)で7以上、特に8以上であることが好ましい。さらに350℃での抵抗値がLogρ(Ω・cm)で7以上であれば300℃の作動温度に耐えることができる。
【0011】
本発明において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)を、0.4〜4.0の範囲に調整することが好ましい。この比を0.4以上、より好ましくは0.5以上に調整すれば、イオン伝導し易いLi、Na、Kの移動が制限され、体積抵抗を高めることができる。またこの比が4.0以下、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下であれば、安定性が高く、ブツや脈理のないガラスが得やすくなる。
【0012】
また本発明において、質量比で(SrO+BaO)/SiO2が0.1以上、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であれば、封入温度を710℃以下に保つことが容易となる。またこの比が1.5以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.9以下であれば、結晶のないガラスが得易くなる。
【0013】
同様に(SrO+BaO)/B23が0.5以上、好ましくは1以上であれば、封入温度を710℃以下保つことが容易となる。またこの比が10.0以下、好ましくは9.0以下、より好ましくは7.0以下であれば、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0014】
上記半導体封入用ガラスの具体的な組成範囲は、質量百分率で、SiO2 35〜60%、Al23 0〜15%、B23 1〜25%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、SrO+BaO 5〜45%、ZnO 1〜9%、Li2O 0.5〜15%、Na2O 0〜15%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜20%、Cs2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2O+Rb2O+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%である。
【0015】
各成分の含有量を上記のように限定した理由は以下の通りである。
【0016】
SiO2は、ガラスの骨格を構成するために必要な主成分であり、その含有量は35〜60%、好ましくは40〜57%、さらに好ましくは43〜53%である。SiO2 が60%以下であれば熱膨張係数が小さくなりすぎず、ジュメットのそれと適合するため良好なシールができる。また35%以上であれば実用上十分な化学的耐久性が得られる。化学的耐久性が悪化すると、電子部品製造工程中の種々の薬液や、電子部品の長期の使用においてガラスが変質して破損や気密が保てない等、電子部品の信頼性の低下を招く。またガラスの熱膨張係数がジュメットのそれと適合するため良好なシールができる。
【0017】
Al23は、ガラスの耐久性を改善する成分であり、その含有量は0〜15%、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0〜3%である。Al23が15%以下であればガラスの溶融が容易であり、また失透性も低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。ガラスにブツや脈理があると、封入形状が不揃いになったり、破損の原因になり、電子部品の信頼性が大きく後退する。
【0018】
23は溶融性の向上、封入温度の低温化、化学的耐久性の向上、及び失透性の改善のために必要な成分であり、その含有量は1〜25%、好ましくは3〜20%、さらに好ましくは7〜15%である。B23が25%以下であればガラス融液からの蒸発が少なくなるために均質なガラスが得られる。また実用上十分な化学的耐久性が得られる。一方、1%以上であれば700℃付近での粘度が低くなり、封入温度の低温化が達成できる。
【0019】
MgOはガラス融液の粘度を下げて溶融を容易にし、ガラス構造を引き締めて耐候性を改善し封入温度をさげる。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜3%である。MgOが10%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0020】
CaOはガラス融液の粘度を下げて溶融を容易にする。その含有量は0〜15%、好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜3%である。CaOが15%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0021】
SrOとBaOは特にガラスを均質化させ安定化させる効果が大きく、ガラス融液の粘度を下げて溶融を容易にし、封入温度をさげる成分であるため、少なくとも何れか1種を含有する。その含有量は合計で5〜45%、好ましくは10〜45%、より好ましくは15〜45%である。これらの合量が5%以上であればガラスの均質性を大幅に向上でき、また粘度が低下して封入温度の低温化が達成できる。45%以下であれば失透性が低くなり、ブツや脈理のないガラスが得やすくなる。
【0022】
SrOの含有量は0〜30%、好ましくは5〜30%、より好ましくは5〜25%である。5%以上入れることがガラスの均質性向上の点で望ましく。30%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0023】
BaOの含有量は0〜30%、好ましくは5〜25%、より好ましくは11〜25%である。5%以上入れることがガラスの均質性向上の点で望ましく。30%以下であれば失透性が低くなるため、ブツや脈理のないガラスが得易くなる。
【0024】
なおこれらのアルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO、BaO)は、アルカリの移動を制限する働きがあり、体積抵抗の向上にも寄与する。
【0025】
ZnOは、ガラス融液の粘度を下げて溶融を容易にし、封入温度をさげる。さらに、ガラスの化学耐久性を向上させる効果があり、その含有量の合量は1〜9%、好ましくは3%である。1%以上入れることがガラスの均質性向上の点で望ましく、%以下であると失透や分相が殆どない均質性の高いガラスを得ることができる。
【0026】
アルカリ金属酸化物であるLi2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2Oはガラスの溶融を容易にし、710℃以下の封入温度の達成と、ジュメットシールに必要な熱膨張係数を得るのに必須の成分である。これらのアルカリ金属酸化物は2種以上混合して使用することが重要である。つまりアルカリ金属酸化物の含有量が多いほど封入温度が下がるが、逆に耐候性や電気絶縁性が悪化する傾向にある。そこでアルカリ金属酸化物の混合効果を利用するために、2種以上を混合して使用し、耐候性や電気絶縁性の悪化を防止する。
【0027】
各アルカリ金属酸化物の含有量は、それぞれLi20.5〜15%(好ましくは0.5〜10%、より好ましくは0.5〜6%)、Na2O 0〜15(好ましくは0〜8%、より好ましくは0〜6%)、K2O 0〜20%(好ましくは0〜15%、より好ましくは1〜15%)、Rb2O 0〜20%(好ましくは0〜15%)、Cs2O 0〜30%(好ましくは0〜25%)であることが好ましい。各成分の含有量がその範囲内にあれば、混合アルカリ効果により耐候性や電気絶縁性が悪化することがない。なお、Li2Oは、封入温度を低下させる効果が最も高いため、必須成分として含有させることが望ましい。
【0028】
またこれらアルカリ金属酸化物の合量は5〜35%、好ましくは7〜25%、さらに好ましくは8〜25%である。これら成分の合量が35%以下であれば熱膨張係数が高くなりすぎず、ジュメットシールが可能である。また化学的耐久性の低下が殆どない。一方、5%以上であれば低温封着が達成でき、また熱膨張係数が小さくなり過ぎない。
【0029】
TiO2とZrO2はガラスの耐薬品性を向上させるのに有効な成分で、半導体封入後のリード線メッキ工程や洗浄工程でガラスの劣化を防止できる。その含有量は各々0〜10%、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%である。TiO2やZrO2が10%以下であればブツや脈理のない均質なガラスを得ることができる。
【0030】
また上記以外にも、ガラスの粘度の調整や耐候性、溶融性、清澄性等を改善する目的で、P25、Fe23、SO3、Sb23、F、Cl等の成分を酸化物換算で各々8%以下添加することが可能である。
【0031】
なお本発明のガラスは、多成分であればあるほどガラスの安定性の面から好ましく、1%以上含有される成分が7種類以上、特に8種類以上、さらには10種類以上であることが望ましい。7種類以上の成分から構成されていればガラスが安定し、ブツのない均質なガラスが得やすくなる。
【0032】
上記組成を有する本発明の半導体封入用ガラスは、106dPa・sの粘度に相当する温度が710℃以下、150℃における体積抵抗がlogρ(Ω・cm)で11以上、30〜380℃における熱膨張係数が85〜105×10-7/℃の特性を有することができる。
【0033】
次に本発明の半導体封入用ガラスからなる半導体封入用外套管の製造方法を説明する。
【0034】
工業的規模での外套管の製造方法は、ガラスを形成する成分を含有する鉱物や精製結晶粉末を計測混合し、炉に投入する原料を調合する調合混合工程と、原料を溶融ガラス化する溶融工程と、溶融したガラスを管の形に成形する成形工程と、管を所定の寸法に切断する加工工程からなっている。
【0035】
まずガラス原料を調合混合する。原料は、酸化物や炭酸塩など複数の成分からなる鉱物や不純物からなっており、分析値を考慮して調合すればよく、原料は限定されない。これらを重量で計測し、Vミキサーやロッキングミキサー、攪拌羽根のついたミキサーなど規模に応じた適当な混合機で混合し、投入原料を得る。
【0036】
次に原料をガラス溶融炉に投入し、ガラス化する。溶融炉はガラス原料を溶融しガラス化するための溶融槽と、ガラス中の泡を上昇除去するための清澄槽と、清澄されたガラスを成形に適当な粘度まで下げ、成形装置に導くための通路(フィーダー)よりなる。溶融炉は、耐火物や内部を白金で覆った炉が使用され、バーナーによる加熱やガラスへの電気通電によって加熱される。投入された原料は通常1300℃〜1600℃の溶解槽でガラス化され、さらに1400℃〜1600℃の清澄槽に入る。ここでガラス中の泡を浮上させて泡を除去する。清澄糟から出たガラスは、フィーダーを通って成形装置に移動するうちに温度が下がり、ガラスの成形に適した粘度104〜106dPa・Sになる。
【0037】
次いで成形装置にてガラスを管状に成形する。成形法としてはダンナー法、ベロ法、ダウンドロー法、アップドロー法が適用可能である。
【0038】
その後、ガラス管を所定の寸法に切断することにより、半導体封入用外套管を得ることができる。ガラス管の切断加工は、管1本ずつをダイヤモンドカッターで切断することも可能であるが、大量生産に適した方法として、多数の管ガラスを1本に結束してからダイヤモンドホイールカッターで切断する方法のように、一度に多数の管ガラスを切断する方法が一般的に用いられている。
【0039】
次に本発明のガラスからなる外套管を用いた半導体素子の封入方法を述べる。
【0040】
まず外套管内でジュメット線などの電極材料が半導体素子を両側から挟み込んだ状態となるように冶具を用いてセットする。その後、全体を710℃以下の温度に加熱し、外套管を軟化変形させて気密封入する。このような方法でシリコンダイオード、発光ダイオード、サーミスタなどの小型の電子部品を作製することができる。
【0041】
なお本発明の半導体封入用ガラスは、ガラス管として使用する以外にも、例えば、粉末状にしてペースト化し、半導体素子に巻き付けて焼成することで半導体素子を封入することもできる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0043】
表1〜3は本発明のガラスの実施例(試料No.1〜4、6〜12)、参考例(試料No.5)、及び比較例(試料No.13)を示している。なおNo.13の試料は鉛を含む従来の半導体封入用ガラスである。
【0044】
まず、石粉、酸化アルミニウム、硼酸、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、リン酸アンモニウム、三酸化アンチモンを所定の割合になるように、得率や不純物量を考慮して決定された原料調合表に基づいて500kgの原料を調合し、V型ミキサーでよく混合した。
【0045】
この原料を容量500リットルのガラス溶融炉で溶融し、ダウンドロー法で管状に成形した。ガラス溶融炉の溶融糟は1450℃であり、溶融槽からでたガラスは清澄槽を通り、フィーダーに入る。フィーダー内のガラスは成形装置であるフィーダー底面の開口リング(Orifice ring)と同心上に配置されたベル軸(Bel shaft)の隙間から炉外に流出し、ベル軸から吹き込まれた空気圧を管内部に受けながら、下方に引きのばされ管に成形される。必要な管寸法(内径と管肉厚)は、ガラスの流下速度と空気圧と引っ張り速度で決定される。
【0046】
このようにして得られた管状ガラスを切断し、適当な長さ(例えば1m)のガラス管を得た。
【0047】
次に結束器具を用いてガラス管1000本を一体的に固定し、松ヤニなどの樹脂が管の間に入り込むように樹脂槽につけ、取り出して冷却することで、1本の棒状体とした。これをダイヤモンドカッターで所定の長さに切断し、一度の切断で1000本の管ガラスが一体化したペレットを得た。その後、樹脂を除去して管同士の結束を外し、洗浄、乾燥することで所定の長さの外套管を得た。なおこのようにして得られる外套管は、例えばダイオード用外套管の場合、内径0.6〜2.1mm、肉厚0.2〜0.8mm、長さ1〜4mmである。
【0048】
また各試料について、106dPa・sの粘度に相当する温度(封入温度)、熱膨張係数、及び体積抵抗率(150℃、250℃、350℃)を測定した。結果を各表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜4、6〜12の各試料は、封入温度が710℃以下、熱膨張係数が88.0〜101.6×10-7/℃であり、従来の鉛系半導体封入用ガラスと同等の特性を有していた。
【0053】
なお各試料の評価に当たっては、まず表に示す組成となるようにガラス原料を調合し、白金坩堝を用いて1400℃で5時間溶融した後、融液を所定の形状に成形、加工してから各評価に供した。
【0054】
106dPa・sの粘度に相当する温度(封入温度)は次のようにして求めた。先ず、ASTM C338に準拠するファイバ法でガラスの軟化点を測定し、白金球引き上げ法によって作業点領域の粘度に対する温度を求めた。次いで、これらの温度と粘度の値をFulcherの式にあてはめて、粘度が106dPa・sになる温度を算出して、封入温度とした。
【0055】
熱膨張係数は、ガラスを直径約3mm、長さ約50mmの円柱に加工した後に、自記示差熱膨張計で、30〜380℃の温度範囲における平均線膨張係数を測定したものである。
【0056】
体積抵抗率は、ASTM C−657に準拠する方法で測定した。なお半導体封入用ガラスは絶縁性が高いことが望ましい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明の半導体封入用ガラスは、PbOを全く含まないにも拘わらず、710℃以下の温度で半導体素子を封入可能であるため、半導体封入用外套管材質として好適である。
【0058】
また本発明の半導体封入用外套管を用いれば、シリコンダイオード、発光ダイオード、サーミスタなどの小型の電子部品の無鉛化が可能となる。

Claims (8)

  1. SiO2−B23−RO(Rはアルカリ土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組成を有する無鉛ガラスからなり、R’2Oとして2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる1種以上を各々含有し、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)がモル比で0.4〜4.0の範囲にあり、質量百分率で、Li2Oを0.5〜15%、ZnOを1〜9%含む組成を有することを特徴とする半導体封入用ガラス。
  2. (SrO+BaO)/SiO2が、質量比で0.1〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1の半導体封入用ガラス。
  3. (SrO+BaO)/B23が、質量比で0.5〜10.0の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体封入用ガラス。
  4. 質量百分率で、SiO2 35〜60%、Al23 0〜15%、B23 1〜25%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO0〜30%、BaO 0〜30%、SrO+BaO 5〜45%、ZnO 1〜9%、Li2O 0.5〜15%、Na2O 0〜15%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜20%、Cs2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2O+Rb2O+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%の組成を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の半導体封入用ガラス。
  5. SiO2−B23−RO(Rはアルカリ土類金属元素)−R’2O(R’はアルカリ金属元素)系の組成を有し、R’2Oとして2種以上を、ROとしてSrO及びBaOから選ばれる1種以上を各々含有し、(MgO+CaO+SrO+BaO)/(Li2O+Na2O+K2O)がモル比で0.4〜4.0の範囲にあり、質量百分率で、Li2Oを0.5〜15%、ZnOを1〜9%含む組成を有する無鉛ガラスからなることを特徴とする半導体封入用外套管。
  6. (SrO+BaO)/SiO2が質量比で0.1〜1.5の範囲にあるガラスからなることを特徴とする請求項5の半導体封入用外套管。
  7. (SrO+BaO)/B23が質量比で0.5〜10.0の範囲にあるガラスからなることを特徴とする請求項5または6の半導体封入用外套管。
  8. 質量百分率で、SiO2 35〜60%、Al23 0〜15%、B23 1〜25%、MgO 0〜10%、CaO 0〜15%、SrO 0〜30%、BaO 0〜30%、SrO+BaO 5〜45%、ZnO 1〜9%、Li2O 0.5〜15%、Na2O 0〜15%、K2O 0〜20%、Rb2O 0〜20%、Cs2O 0〜30%、Li2O+Na2O+K2O+Rb2O+Cs2O 5〜35%、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%の組成を有するガラスからなることを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の半導体封入用外套管。
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