JP2003017466A - パーティクル除去システム - Google Patents

パーティクル除去システム

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JP2003017466A
JP2003017466A JP2002186064A JP2002186064A JP2003017466A JP 2003017466 A JP2003017466 A JP 2003017466A JP 2002186064 A JP2002186064 A JP 2002186064A JP 2002186064 A JP2002186064 A JP 2002186064A JP 2003017466 A JP2003017466 A JP 2003017466A
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particles
processing chamber
processing
particle
positrons
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JP2002186064A
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Takeshi Moriya
剛 守屋
Fumihiko Uesugi
文彦 上杉
Natsuko Ito
奈津子 伊藤
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理装置内で発生するパーティクルを電気的
に中性にして排除する。 【解決手段】 処理装置100は、基板に所定の処理を
施す。線源200は、処理装置100内で基板に所定の
処理を施すことによって発生し、帯電しているパーティ
クルに、正又は負の電荷を有する粒子を照射し、パーテ
ィクルを電気的に中性にする。その後、コンピュータ3
00は、図示せぬ真空装置等を制御して、電気的に中性
となったパーティクルを吸引して排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理チャンバ内で
発生する不純物質の存在を検知して除去するパーティク
ル除去システム、不純物質検出システム、パーティクル
検出システム、パーティクル除去方法、不純物質検出方
法、及び、パーティクル検出方法に関し、特に、パーテ
ィクルを電気的に中性にしてから排除するパーティクル
除去システム、不純物質検出システム、パーティクル検
出システム、パーティクル除去方法、不純物質検出方
法、及び、パーティクル検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI(大規模集積回路)の電極等を、
プラズマを使用したエッチング(ドライエッチング)に
よって形成する場合、処理チャンバ内に多数のパーティ
クルが発生する。このパーティクルは、エッチングによ
って生じた反応生成物が処理チャンバの内壁に付着し、
剥離することによって発生する。半導体基板のエッチン
グ処理では、半導体基板を処理チャンバの所定位置に静
電吸着した後、処理チャンバ内に処理ガスを導入し、高
周波電圧を印加して半導体基板をエッチングする。エッ
チング終了後は、高周波電圧の印加、処理ガスの供給、
及び、半導体基板の静電吸着を停止し、処理ガスを速や
かに排出するために、エッチングに寄与しない不活性ガ
ス(パージガス)を供給する。
【0003】エッチング処理で発生するパーティクル数
は、処理チャンバ内にレーザを照射し、パーティクルか
らの散乱光をCCD(Charge Coupled Device )カメラ
で撮影して得ることができる。このようにして得られた
測定結果では、エッチング中にはパーティクルはほとん
ど存在しないが、高周波電圧の印加を停止すると、一時
的に多くのパーティクルが発生し、その後のパージガス
導入時にも、パーティクルの発生頻度が高いことがわか
った。また、パーティクルに照射したレーザの散乱光を
捉えた画像を詳細に調べると、高周波電圧の印加終了時
には、パーティクルは基板に向かう傾向があり、パージ
ガス導入時は排気口方向へ向かう傾向があった。即ち、
高周波電圧の印加によって帯電したパーティクルは、エ
ッチング中は高周波電圧によって浮遊しているが、処理
ガスの粘性が小さいために、高周波電源の停止によって
重力や残留電荷のある半導体基板等に引きつけられて落
下し、その後に導入されるパージガスによって排気口へ
向かうと考えられる。
【0004】以上のようなパーティクルが半導体基板に
付着すると、製品となるLSI等の性能が低下する原因
となるため、パーティクルの付着を防止、抑制する技術
が、特開平5−29272号公報、特開平5−2672
34号公報、特開平6−216087号公報、特開平7
−22400号公報、特開平7−58033号公報、特
開平8−115903号公報、及び、特開平9−306
892号公報に開示されている。特開平5−29272
号公報に開示されている技術では、エッチング対象物を
覆うためのカバー及び駆動装置を、エッチング対象物近
傍に設けている。そして、エッチング終了後、この駆動
装置によりカバーを真空チャンバ内へ移動させ、エッチ
ング対象物にパーティクルが付着することを抑制してい
る。
【0005】特開平5−267234号公報に開示され
ている技術では、一対の高周波電極の間に浮遊するパー
ティクルを集めるために、一対のパーティクル対策電極
を、高周波電極に対して垂直に設けている。そして、パ
ーティクル対策電極に吸着させたパーティクルが再浮遊
しないようにするために、パーティクル対策電極に開閉
式カバーを設けている。特開平6−216087号公報
に開示されている技術では、半導体基板の処理終了後、
非反応プラズマを発生させ、半導体基板の表面に弱い力
で付着したパーティクルを引き上げる。そして、半導体
基板から引き上げたパーティクルを不活性ガスによって
押し流して除去している。
【0006】特開平7−22400号公報に開示されて
いる技術では、半導体基板を処理するために、処理チャ
ンバ内にプラズマを発生させる一対の高周波電極と、高
周波電極に付着した物質を剥がすための剥離電極を備え
ている。そして、エッチング処理後、一方の高周波電極
に付着した反応生成物を除去するために、一対の高周波
電極間に剥離電極を配置し、反応生成物が付着した一方
の高周波電極と剥離電極との間に高周波電圧を印加し、
高周波電極に付着した反応生成物を除去している。特開
平7−58033号公報に開示されている技術では、半
導体基板の上部に、開閉可能なシャッターを、半導体基
板に近接するように設けている。そして、半導体基板の
処理終了後に、シャッターを閉めて半導体基板上にパー
ティクルが付着することを防止している。
【0007】特開平8−115903号公報に開示され
ている技術では、処理チャンバ内の一対の電極をタング
ステン(W)のハロゲン化合物と反応して揮発性の生成
物を生じるような材質で覆い、この電極に反応生成物が
付着しないようにしている。また、処理ガスが半導体基
板に直接当たらないように、その流れる方向を制御する
ことによって、パーティクルが半導体基板に付着しない
ようにしている。特開平9−306892号公報に開示
されている技術では、処理チャンバ内に紫外線源を設
け、半導体基板の処理が終了する毎に紫外線を放射さ
せ、処理チャンバ内に堆積した有機化合物を除去してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のように、エッチ
ング終了後にパージガスを導入して処理チャンバ内のガ
スやパーティクルを除去する方法では、パーティクルの
電荷をなくすことはできない。そのため、高周波電源を
オフした後、パーティクルは、重力と静電力によって半
導体基板等に引き寄せられるので、パーティクルを半導
体基板に付着させずに除去するためには、パージガスの
供給スピードを早くしなければならないという問題があ
る。
【0009】特開平5−29272号公報に開示されて
いる技術では、エッチング対象物の近傍に、エッチング
対象物を覆うカバーとその駆動装置を設けている。その
ため、カバーを駆動する際に、カバーやその駆動部分に
堆積、付着しているパーティクルが舞い上がる場合があ
る。従って、上記のようなカバーを設けることによっ
て、半導体基板にパーティクルが付着してしまう場合が
あるという問題がある。特開平5−267234号公報
に開示されている技術では、パーティクルを吸着するた
めのパーティクル対策電極を、高周波電極間に設けてい
る。そのため、高周波電極間に浮遊しているパーティク
ルしか効率よく除去することができないという問題があ
る。また、パーティクルの再浮遊を防止するために開閉
式カバーを設けているが、このカバーの開閉によってパ
ーティクルが再浮遊する場合があるという問題がある。
【0010】特開平6−216087号公報に開示され
ている技術では、半導体基板に既に付着しているパーテ
ィクルを除去している。従って、半導体基板へのパーテ
ィクルの付着を防止することはできず、また、強い力で
付着しているパーティクルを除去することはできないと
いう問題がある。特開平7−22400号公報に開示さ
れている技術では、高周波電極と剥離電極との間に高周
波電圧を印加することによって、電極に付着した反応生
成物を除去している。従って、処理チャンバの内壁等に
付着した反応生成物を除去することができず、パーティ
クルの発生を防止できないという問題がある。
【0011】特開平7−58033号公報に開示されて
いる技術では、開閉可能なシャッターを半導体基板に近
接するように設けている。従って、シャッターの開閉時
に、シャッターやシャッターの駆動部分に付着している
パーティクルが再浮遊する場合があり、その再浮遊した
パーティクルが半導体基板に付着してしまうという問題
がある。特開平8−115903号公報に開示されてい
る技術は、電極に反応生成物が付着することを防止でき
るが、処理チャンバ内に反応生成物が堆積することを防
止できないため、パーティクルが発生するという問題が
ある。また、処理ガスが半導体基板に直接当たらない
と、パーティクルは静電力によって半導体基板等に引き
つけられてしまうという問題がある。
【0012】特開平9−306892号公報に開示され
ている技術では、紫外線により有機化合物を除去するよ
うにしている。しかし、エッチング等の処理では無機化
合物も反応生成物として処理チャンバ内に堆積し、この
無機化合物は、この技術によって除去されず、剥離して
パーティクルとなる場合があるという問題がある。従っ
て、本発明は、基板に所定の処理を施す際に発生するパ
ーティクル(微粒子)を効率よく排除し、高信頼性の装
置を製造可能なパーティクル除去システム、不純物質検
出システム、パーティクル検出システム、パーティクル
除去方法、不純物質検出方法、及び、パーティクル検出
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点にかかるパーティクル除去シス
テムは、処理チャンバ内で所定の処理を施す際に発生す
るパーティクルを除去するパーティクル除去システムで
あって、前記処理チャンバ内に正又は負の電荷を有する
粒子を照射し、該処理チャンバ内に存在するパーティク
ルを電気的に中性にする照射手段と、前記照射手段によ
る粒子の照射後に、前記処理チャンバ内にガスを導入
し、電気的に中性となったパーティクルを吸引して除去
する除去手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、処理チャンバ内に発生
したパーティクルを電気的に中性にしているので、処理
チャンバ内で所定の処理を施される基板等の残留電荷に
パーティクルが引きつけられることがない。従って、所
定の処理を施した後に、ガスを導入して効率よくパーテ
ィクルを排除することができ、製造される装置の性能や
信頼性を向上することができる。前記照射手段は、前記
粒子として、陽電子、電子、プラスイオン、マイナスイ
オン、の内の少なくとも1つを照射してもよい。
【0015】本発明の第2の観点にかかる不純物質検出
システムは、処理チャンバ内で所定の処理を施す際に発
生する不純物質の存在を検出する不純物質検出システム
であって、放射性同位元素から放出される陽電子を前記
処理チャンバ内に照射する照射手段と、前記陽電子と前
記処理チャンバ内の電子との対消滅によって発生したガ
ンマ線を検出する第1の検出手段と、前記検出手段の検
出結果から、前記処理チャンバ内に不純物質が存在する
か否かを判別する判別手段と、を備えることを特徴とす
る。この発明によれば、処理チャンバ内に陽電子を照射
し、対消滅によって放射されるガンマ線を検出すること
によって、不純物質の存在を検出することができる。従
って、処理チャンバを解放することなく不純物質の存在
を検出でき、処理チャンバの動作効率を向上することが
できる。
【0016】陽電子が放射性同位元素から放出される際
に放射されるガンマ線を検出する第2の検出手段をさら
に備え、前記判別手段は、前記第1の検出手段及び前記
第2の検出手段の検出結果から陽電子の寿命を求め、前
記処理チャンバ内に不純物質が存在するか否かを判別し
てもよい。前記判別手段は、前記第1の検出手段の検出
結果から前記ガンマ線が有するエネルギーのドップラー
広がりを求め、求めたドップラー広がりが基準となるド
ップラー広がりと一致するか否かを判別することによっ
て、前記処理チャンバ内に不純物質が存在するか否かを
判別してもよい。
【0017】前記処理チャンバ内に正又は負の電荷を有
する粒子を照射し、該処理チャンバ内に存在する不純物
質を電気的に中性にする照射手段と、前記照射手段によ
る粒子の照射後に、前記処理チャンバ内にガスを導入
し、電気的に中性となった不純物質を除去する除去手段
と、をさらに備え、前記判別手段が、前記処理チャンバ
内に不純物質が存在すると判別した場合に、前記照射手
段が前記粒子を照射し、前記照射手段による粒子の照射
後に、前記除去手段が不純物質を除去してもよい。この
ようにすると、不純物質の存在を検出した後に、不純物
質を除去することができる。従って、基板処理の中断を
最低限にすることができ、処理チャンバの動作効率を向
上することができる。前記判別手段は、前記不純物質と
して、前記処理チャンバ内に浮遊しているパーティク
ル、及び、該処理チャンバ内壁に付着している堆積物の
少なくとも一方が存在するか否かを判別してもよい。
【0018】本発明の第3の観点にかかるパーティクル
検出システムは、処理チャンバ内で所定の処理を施した
際に発生するパーティクルの存在を検出するパーティク
ル検出システムであって、前記処理チャンバ内に設置さ
れ、正又は負の電荷を有する粒子を放射する放射手段
と、前記処理チャンバ内に、前記放射手段と対向する位
置に設置され、該放射手段から放射された粒子の内、飛
来した粒子数を計数する計数手段と、前記計数手段が計
数した粒子数と基準となる粒子数との差が、所定の範囲
内で一致するか否かを判別し、一致しないと判別した場
合に、前記処理チャンバ内にパーティクルが存在すると
判別する判別手段と、を備えることを特徴とする。この
発明によれば、飛来した粒子数を検出することによっ
て、パーティクルの存在を検出することができる。従っ
て、処理チャンバを解放することなくパーティクルの存
在を検出でき、処理チャンバの動作効率を向上すること
ができる。
【0019】前記放射手段は、前記粒子として陽電子、
電子、プラスイオン、マイナスイオン、の内の少なくと
も1つを放射してもよい。前記処理チャンバ内に正又は
負の電荷を有する粒子を照射し、該処理チャンバ内に存
在するパーティクルを電気的に中性にする照射手段と、
前記照射手段による粒子の照射後に、前記処理チャンバ
内にガスを導入し、電気的に中性となったパーティクル
を吸引して除去する除去手段と、をさらに備え、前記判
別手段が、前記処理チャンバ内にパーティクルが存在す
ると判別した場合に、前記照射手段が前記粒子を照射
し、前記照射手段による粒子の照射後に、前記除去手段
がパーティクルを除去してもよい。このようにすると、
不純物質の存在を検出した後に、不純物質を除去するこ
とができる。従って、基板処理の中断を最低限にするこ
とができ、処理チャンバの動作効率を向上することがで
きる。
【0020】本発明の第4の観点にかかるパーティクル
除去方法は、処理チャンバ内で所定の処理を施す際に発
生するパーティクルを除去するパーティクル除去方法で
あって、前記処理チャンバ内に正又は負の電荷を有する
粒子を照射し、該処理チャンバ内に存在するパーティク
ルを電気的に中性にする照射工程と、前記照射工程にお
ける粒子の照射後に、前記処理チャンバ内にガスを導入
し、電気的に中性となったパーティクルを吸引して除去
する除去工程と、を備えることを特徴とする。前記照射
工程は、前記粒子として、陽電子、電子、プラスイオ
ン、マイナスイオン、の内の少なくとも1つを照射する
工程を備えてもよい。
【0021】本発明の第5の観点にかかる不純物質検出
方法は、処理チャンバ内で所定の処理を施す際に発生す
る不純物質の存在を検出する不純物質検出方法であっ
て、放射性同位元素から放出される陽電子を前記処理チ
ャンバ内に照射する照射工程と、前記陽電子と前記処理
チャンバ内の電子との対消滅によって発生したガンマ線
を検出する第1の検出工程と、前記検出工程の検出結果
から、前記処理チャンバ内にパーティクルが存在するか
否かを判別する判別工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0022】陽電子が放射性同位元素から放出される際
に放射されるガンマ線を検出する第2の検出工程をさら
に備え、前記判別工程は、前記第1の検出工程及び第2
の検出工程の検出結果から陽電子の寿命を求め、前記処
理チャンバ内に不純物質が存在するか否かを判別する工
程を備えてもよい。前記判別工程は、前記第1の検出工
程の検出結果から前記ガンマ線が有するエネルギーのド
ップラー広がりを求め、求めたドップラー広がりが基準
となるドップラー広がりと一致するか否かを判別するこ
とによって、前記処理チャンバ内に不純物質が存在する
か否かを判別する工程を備えてもよい。
【0023】前記処理チャンバ内に正又は負の電荷を有
する粒子を照射し、該処理チャンバ内に存在するパーテ
ィクルを電気的に中性にする照射工程と、前記照射工程
における粒子の照射後に、前記処理チャンバ内にガスを
導入し、電気的に中性となったパーティクルを吸引して
除去する除去工程と、をさらに備え、前記判別工程で、
前記処理チャンバ内にパーティクルが存在すると判別し
た場合に、前記照射工程で前記粒子を照射し、前記照射
工程における粒子の照射後に、前記除去工程で不純物質
を吸引して除去する工程を備えてもよい。前記判別工程
は、前記不純物質として、前記処理チャンバ内に浮遊し
ているパーティクル、及び、該処理チャンバ内壁に付着
している堆積物の少なくとも一方が存在するか否かを判
別する工程を備えてもよい。
【0024】本発明の第6の観点にかかるパーティクル
検出方法は、処理チャンバ内で所定の処理を施した際に
発生するパーティクルの存在を検出するパーティクル検
出方法であって、前記処理チャンバ内に設置され、正又
は負の電荷を有する粒子を放射する放射工程と、前記処
理チャンバ内の前記粒子が放射される位置とは対向する
位置で、前記放射工程で放射された粒子の内、飛来した
粒子数を計数する計数工程と、前記計数工程で計数した
粒子数と基準となる粒子数との差が、所定の範囲内で一
致するか否かを判別し、一致しないと判別した場合に、
前記処理チャンバ内にパーティクルが存在すると判別す
る判別工程と、を備えることを特徴とする。
【0025】前記放射工程は、前記粒子として陽電子、
電子、プラスイオン、マイナスイオン、の内の少なくと
も1つを放射する工程を備えてもよい。前記処理チャン
バ内に正又は負の電荷を有する粒子を照射し、該処理チ
ャンバ内に存在するパーティクルを電気的に中性にする
照射工程と、前記照射工程における粒子の照射後に、前
記処理チャンバ内にガスを導入し、電気的に中性となっ
たパーティクルを吸引して除去する除去工程と、をさら
に備え、前記判別工程で、前記処理チャンバ内にパーテ
ィクルが存在すると判別した場合に、前記照射工程で前
記粒子を照射し、前記照射工程における粒子の照射後
に、前記除去工程でパーティクルを吸引して除去する工
程を備えてもよい。
【0026】本発明の第7の観点にかかるコンピュータ
読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、線源を制
御して処理チャンバ内に正又は負の電荷を有する粒子を
照射し、該処理チャンバ内に存在するパーティクルを電
気的に中性にする照射手段と、前記照射手段による粒子
の照射後に、ガス源を制御して前記処理チャンバ内にガ
スを導入するガス導入手段と、真空ポンプを制御して前
記ガス導入手段によって前記処理チャンバ内に導入され
たガスと共に、電気的に中性となったパーティクルを吸
引して除去する除去手段と、を備えるパーティクル除去
システムとして機能させるためのプログラムを記録す
る。
【0027】本発明の第8の観点にかかるコンピュータ
読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、線源を制
御して処理チャンバ内に陽電子を照射する照射手段と、
検出器を制御して、前記照射手段によって照射された陽
電子が、前記処理チャンバ内に存在する電子と対消滅す
ることによって放射されたガンマ線を検出する検出手段
と、前記検出手段の検出結果から、前記処理チャンバ内
にパーティクルが存在するか否かを判別する判別手段
と、を備えるパーティクル検出システムとして機能させ
るためのプログラムを記録する。
【0028】本発明の第9の観点にかかるパーティクル
除去システムは、処理チャンバ内で所定の処理を施す際
に発生するパーティクルを除去するパーティクル除去シ
ステムであって、前記処理チャンバ内に負の電荷を有す
る粒子を照射し、該処理チャンバ内に存在するパーティ
クルを負に帯電させる照射手段を備える、ことを特徴と
する。
【0029】前記照射手段は、前記粒子として、電子、
マイナスイオン、の内の少なくとも1つを照射してもよ
い。前記照射手段は、前記粒子を照射することにより、
前記処理チャンバ内に自然に発生した負の自己バイアス
電位によって弾き飛ばされるような電荷を該処理チャン
バ内のパーティクルに与えてもよい。負に帯電した前記
パーティクルを吸着するための電極と、前記電極に正の
電圧を印加することにより、負に帯電した前記パーティ
クルを前記電極に吸着させる電圧印加手段と、をさらに
備えてもよい。
【0030】本発明の第1の観点から第8の観点にかか
るパーティクル除去システム、不純物質検出システム、
パーティクル検出システム、パーティクル除去方法、不
純物質検出方法、パーティクル検出方法、及び、記録媒
体の内の少なくとも1つと、第9の観点にかかるパーテ
ィクル除去システムとを組み合わせることによって、パ
ーティクルを除去してもよい。
【0031】本発明の第10の観点にかかるパーティク
ル除去システムは、処理チャンバ内で所定の処理を施す
際に発生するパーティクルを除去するパーティクル除去
システムであって、高周波電源をオフにする際、高周波
電力を徐々に下げることにより、バルクプラズマ中にパ
ーティクルを入射させ、プラズマの電子電流により該パ
ーティクルを負に帯電させる帯電手段を備える、ことを
特徴とする。
【0032】前記帯電手段は、高周波電力を徐々に下げ
ることにより、前記処理チャンバ内に自然に発生した負
の自己バイアス電位によって弾き飛ばされるような電荷
を該処理チャンバ内のパーティクルに与えてもよい。負
に帯電した前記パーティクルを吸着するための電極と、
前記電極に正の電圧を印加することにより、負に帯電し
た前記パーティクルを前記電極に吸着させる電圧印加手
段と、をさらに備えてもよい。
【0033】本発明の第1の観点から第9の観点にかか
るパーティクル除去システム、不純物質検出システム、
パーティクル検出システム、パーティクル除去方法、不
純物質検出方法、パーティクル検出方法、及び、記録媒
体の内の少なくとも1つと、第10の観点にかかるパー
ティクル除去システムとを組み合わせることによって、
パーティクルを除去してもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)次に、本発
明の第1の実施の形態にかかるパーティクル除去方法に
ついて図面を参照して説明する。このパーティクル除去
方法で使用する処理システムは、図1に模式的に示すよ
うに、処理装置100と、線源200と、コンピュータ
300と、から構成されている。処理装置100は、図
示せぬ真空ポンプやガス供給装置等に接続されており、
半導体基板に所定の処理(例えば、ドライエッチング
等)を施す。処理装置100の詳しい構成は、後述す
る。線源200は、電子、陽電子、及び、イオン等の線
源を備え、電子、陽電子、及び、イオン等を処理装置1
00内に照射する。
【0035】コンピュータ300は、処理装置100や
線源200、図示せぬ真空ポンプやガス供給装置等の動
作を制御して、処理システム全体の動作を制御する。そ
して、コンピュータ300には、処理システム全体を制
御するためのプログラムやハードウェア等が予め提供さ
れている。図2は、上記した処理装置100の断面構造
と処理装置100に線源200、ガス供給装置、及び、
真空ポンプが接続された状態を示す概略図である。図2
に示すように、処理装置100は、処理チャンバ11
と、加工用上部電極12と、加工用下部電極13と、吸
着板14と、ガス送路15と、排気口16と、導入口1
7と、ガス吹出口18と、高周波電源19と、絶縁板2
0と、直流電源21と、搬送口22と、照射口23と、
から構成されている。
【0036】処理チャンバ11には、ガス送路15、排
気口16、導入口17、搬送口22、及び、照射口23
が設けられている。ガス送路15は、ガス供給装置に接
続されており、半導体基板に所定の処理を施すための処
理ガスを導入するために設けられている。排気口16
は、真空ポンプに接続されており、処理チャンバ11内
のガスやパーティクル(不純物質)を外部へ排出するた
めに設けられている。導入口17は、ガス供給装置に接
続されており、処理チャンバ11内のガスやパーティク
ルを外部へ排出するための不活性ガス(パージガス)を
導入するために設けられている。搬送口22は、半導体
基板を処理チャンバ11の内外へ搬送するために設けら
れている。照射口23は、上記線源200に直接接続さ
れ、線源200からの電子、陽電子、イオン等を処理チ
ャンバ11内に照射するために設けられている。
【0037】加工用下部電極12及び加工用上部電極1
3は、処理チャンバ11内に対向するように配置されて
いる。加工用上部電極12は、処理チャンバ11のガス
送路15と一体的に形成されており、ガス吹出口18を
備え、接地されている。即ち、ガス送路15は加工用上
部電極12のほぼ中央を通っており、ガス送路15から
供給された処理ガスは、ガス吹出口18によって半導体
基板上にほぼ均等に吹出される。加工用下部電極13
は、高周波電源19に接続されており、ガス吹出口18
から吹出された処理ガスに高周波電圧を印加して、プラ
ズマを発生させる。吸着板14は、加工用下部電極13
上に絶縁板20を介して設置され、直流電源21に接続
されている。また、吸着板14は、直流電源21から電
圧を印加されることによって、半導体基板を静電吸着す
る。
【0038】次に、以上のような構成の処理システムを
使用して、半導体基板にドライエッチング等の処理を施
した後、処理チャンバ11内に発生した不純物質である
パーティクルを除去する方法について説明する。なお、
以下で述べる処理システムの動作(高周波電源19及び
直流電源21のオンオフ、真空ポンプによるガスの排
気、ガス供給装置による処理ガスの供給、及び、基板の
搬送等)は、コンピュータ300によって制御されてい
る。半導体基板のエッチングは、従来と同様にして行わ
れる。図3は、半導体基板をプラズマエッチングする際
の代表的な1サイクルにおいて、処理チャンバ11内の
ガスの流量、及び、印加される高周波電圧の変化を示し
ている。
【0039】初め、半導体基板は、搬送口22から処理
チャンバ11内に搬送され、吸着板14の所定位置に載
置される。次に、塩素等の反応性の高い処理ガスが、ガ
ス送路15及びガス吹出口18より処理チャンバ11内
に導入される。そして、真空ポンプによって処理チャン
バ11内が所定圧力となるように排気され、処理チャン
バ11内が所定圧力となると、直流電源21及び高周波
電源19がオンされる。これによって、半導体基板が吸
着板14上に固定され、処理チャンバ11内にプラズマ
が発生し、半導体基板がエッチングされる。エッチング
が終了すると、高周波電圧の印加、処理ガスの供給、及
び、半導体基板の静電吸着を停止する。
【0040】エッチングによって発生した反応生成物
は、処理チャンバ11の内壁等に堆積、付着する。そし
て、この反応生成物が剥離することによって、製造され
る半導体装置の性能等を劣化させる原因となるパーティ
クルが発生する。以上のようなエッチング処理の1サイ
クルでは、高周波電源19をオフすると、一時的に多量
のパーティクルが発生する。従って、パージガスを導入
口17より導入して、上記パーティクルを処理チャンバ
11外へ排出する。しかし、これらのパーティクルは帯
電しており、吸着板14や半導体基板の残留電荷によっ
て引きつけられる。そのため、パージガスによってパー
ティクルを効率よく排出するために、以下に示すように
してパーティクルを電気的に中性にする。
【0041】パーティクルはエッチング処理に使用され
るプラズマの状態、即ち使用する処理ガスの種類や処理
方法等によって正又は負に帯電する。従って、パーティ
クルを電気的に中性にするためには、まずパーティクル
が正負のどちらに帯電しているかを調べなければならな
い。パーティクルが正負のどちらに帯電しているかを調
べるために、排気口16にポンプを接続し、さらにポン
プに平行平板電極を備える帯電検出器を接続する。そし
て、差動排気法で一部のパーティクルを排気口16から
取り出し、帯電検出器に入射させる。帯電検出器は、平
行平板電極に直流電圧を印加して入射されたパーティク
ルの軌跡や、正負のどちらの電極にパーティクルが引き
つけられるか等を測定し、パーティクルの帯電状態を検
出する。
【0042】パーティクルの帯電状態は、上記したよう
に、使用する処理ガスの種類や処理方法等によって決ま
るので、パーティクルが正負のどちらに帯電しているか
ということは、1つの処理について1度測定しておけば
よい。以上のようにして、パーティクルの帯電状態が明
らかになると、以下に示す方法により、チャンバ内で発
生するパーティクルを電気的に中性にすることができ
る。以下では、パーティクルの帯電状態を負から中性に
する場合について説明する。パーティクルの帯電状態を
負から中性にする方法としては、(1)白色陽電子の照
射、(2)可変エネルギー単色陽電子の照射、(3)高
エネルギー陽電子の照射、(4)プラスイオンの照射が
ある。以下では、これら(1)〜(4)について順次説
明する。
【0043】(1)白色陽電子の照射この場合、処理シ
ステムの線源200は、22Na、58Co、64Cu
等の放射性同位元素を備え、様々なエネルギーを有する
白色陽電子を、処理チャンバ11内の所定領域に照射す
る。なお、陽電子は、正の電荷を有する素粒子であり、
電子と対消滅する。線源200は処理チャンバ11の照
射口23に直接接続されているため、陽電子は、大気中
にある様々な物質の電子と対消滅することなく、直接処
理チャンバ11内に照射される。また、照射される白色
陽電子は、様々なエネルギーを有する、即ち、パーティ
クルとの衝突断面積が様々であるので、処理チャンバ内
の様々な位置に存在するパーティクルと衝突する。負に
帯電しているパーティクルは中性の場合よりも多くの電
子を有するため、上記白色陽電子が照射されると、この
陽電子はパーティクルの電子と対消滅する。即ち、パー
ティクルの電子数が減少していき、パーティクルは電気
的に中性となる。
【0044】(2)可変エネルギー単色陽電子の照射こ
の場合、処理システムの線源200は、22Na、58
Co、64Cu等の放射性同位元素と、放射性同位元素
が放出する白色陽電子を所定エネルギーを有する単色陽
電子に変換するコンバータと、単色陽電子を加速する平
行平板電極と、を備えている。なお、平行平板電極間の
電位差を変化させることによって、単色陽電子のエネル
ギーを変えることができる。単色陽電子は、ある所定の
エネルギーを有する、即ち、パーティクルとの衝突断面
積がほぼ一定であるので、処理チャンバ内の一定領域に
存在するパーティクルと衝突する。従って、上記平行平
板電極間の電位差を変化させることによって、単色陽電
子とパーティクルとが衝突する領域を設定することがで
きる。線源200から処理チャンバ11内へ照射された
単色陽電子は、(1)白色陽電子の照射と同様に、パー
ティクルの電子と対消滅する。従って、パーティクルは
電気的に中性となる。
【0045】(3)高エネルギー陽電子の照射この場
合、処理システムの線源200は、電子ライナック(リ
ニアック;線形加速器)と、コンバータと、平行平板電
極と、を備えている。また、線源200は、処理チャン
バ11の照射口23に直接接続されている。電子ライナ
ックは、電子を加速してコンバータに入射させる。電子
ライナックによって加速された電子は、タングステン、
タンタル、固体ネオン等から構成されているコンバータ
を通過することによって、電子陽電子対を生成する。こ
のようにして生成された陽電子は平行平板電極の電位差
によって加速され、高エネルギー陽電子となる。そし
て、この高エネルギー陽電子が処理チャンバ11内に入
射し、上記と同様に、パーティクルの電子と対消滅する
ことによって、パーティクルは電気的に中性となる。
【0046】(4)プラスイオンの照射この場合、処理
システムの線源200は、プラスイオンを生成するイオ
ン源と、イオンを加速して処理チャンバ11内に照射す
る平行平板電極と、を備えている。処理チャンバ11内
に照射されたプラスイオンは、負に帯電しているパーテ
ィクルと衝突し、負に帯電しているパーティクルが有す
る電子は、衝突したプラスイオンに奪われたり、プラス
イオンとパーティクルとで共有されたりする。従って、
プラスイオンを照射することによって、この場合もパー
ティクルは電気的に中性になる。
【0047】以上のようにして、処理チャンバ11内に
発生したパーティクルを電気的に中性にすることがで
き、パーティクルが吸着板14や半導体基板の残留電荷
によって引きつけられないようにすることができる。即
ち、高周波電源19をオフした後、パーティクルの落下
速度が、パーティクルを電気的に中性にしなかった場合
と比べて遅くなる。このため、以上の処理を行った直後
に、処理チャンバ11内にパージガスを導入すれば、効
率よく処理チャンバ11内のパーティクルを除去するこ
とができる。従って、半導体基板上にパーティクルが付
着することを防止でき、製造される半導体装置の性能や
信頼性を向上することができる。
【0048】なお、パーティクルが正に帯電している場
合は、陽電子、プラスイオンの代わりに電子やマイナス
イオンを使用し、上記(1)〜(4)と同様にして、電
子、マイナスイオンを処理チャンバ11内のパーティク
ルに照射すればよい。パーティクルが正に帯電している
場合、照射された電子は、正に帯電しているパーティク
ルと結合する。また、照射されたマイナスイオンの電子
は、パーティクルに奪われたり、マイナスイオンとパー
ティクルとで共有されたりする。このようにして、正に
帯電しているパーティクルは電気的に中性となる。従っ
て、この場合も、半導体基板の処理終了後、パーティク
ルは装置内の電位ポテンシャルによって引き寄せられる
ことなく、パージガスと共に真空ポンプによって効率よ
く排出される。
【0049】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態にかかるパーティクル検出方法について説
明する。このパーティクル検出方法は、陽電子の寿命を
測定することによって処理チャンバ11内に不純物質で
あるパーティクルが存在することを検出する。このパー
ティクル検出方法で使用する処理システムは、図4に模
式的に示すように、第1の実施の形態で示した処理シス
テムに検出器400,401を追加した構成となってい
る。
【0050】処理装置100は、第1の実施の形態で示
した構成に加え、検出器400を接続するための検出窓
を備えている。線源200は、陽電子を放出する放射性
同位元素、陽電子を加速するための平行平板電極、等を
備えており、処理チャンバ11の照射口23に直接接続
されている。そして、線源200は、陽電子を処理チャ
ンバ11内に照射する。また、線源200が備える放射
性同位元素は22Na、58Co、64Cu等である。
コンピュータ300は、検出器400,401から入力
された検出結果から陽電子の寿命を求め、処理チャンバ
11内にパーティクルが発生しているか否かを判別す
る。
【0051】検出器400,401は、ゲルマニウム等
を使用した半導体検出器から構成されるソリッド・ステ
ート・ディテクタ(SSD)を備えており、以下に示す
ようにして放射されたガンマ線を検出し、その検出結果
をコンピュータ300に出力する。また、検出器400
は、処理チャンバ11に設けられている検出窓に直接接
続され、検出器401は、線源200に設置されてい
る。次に、以上のような構成の処理システムを使用し
て、処理チャンバ11内に発生したパーティクルの存在
を検出する場合の、処理システムの動作について説明す
る。
【0052】線源200は、平行平板電極間に所定の電
圧を印加し、陽電子を加速して処理チャンバ11内へ照
射する。陽電子は線源200の放射性同位元素から放出
されるが、このとき、図5の概念図で示すように、約
1.28MeVのエネルギーを持つ光(ガンマ線)も放
出される。放出された陽電子は線源200内で加速さ
れ、処理チャンバ11内に入射して電子と対消滅し、約
511keVのエネルギーを持つ2つの光(ガンマ線)
を放出する。検出器401は、線源200で陽電子が放
出される際に放射されるガンマ線を検出し、その検出結
果をコンピュータ300に随時出力する。一方、検出器
400は、陽電子が処理チャンバ11内の電子と対消滅
する際に放射されるガンマ線を検出し、その検出結果を
コンピュータ300に随時出力する。
【0053】コンピュータ300は、それぞれの検出結
果から、線源200に備えられている検出器401がガ
ンマ線を検出した時間と、処理チャンバ11の検出窓に
設置されている検出器400がガンマ線を検出した時間
を求める。そして、コンピュータ300は、求めた2つ
の時間の差を取り、陽電子の寿命を求める。処理チャン
バ11内にパーティクルが存在しない場合、処理チャン
バ11内に照射された陽電子は、処理チャンバ11の内
壁等に存在する電子と対消滅してガンマ線を放出する。
この場合の陽電子の寿命は、処理装置100や線源20
0の設定を変更しなければほぼ一定である。
【0054】一方、処理チャンバ11内に負に帯電して
いるパーティクルが存在する場合、処理チャンバ11内
に照射された陽電子は、負に帯電しているパーティクル
に衝突し、パーティクルの電子と対消滅してガンマ線を
放出する。これは、陽電子と負に帯電しているパーティ
クルとの衝突断面積が、帯電していない又は正に帯電し
ているパーティクルとの衝突断面積よりも大きいためで
ある。また、パーティクルは処理チャンバ11内で様々
な位置に分布しているので、対消滅によるガンマ線の放
出時間、即ち、陽電子の寿命は様々である。以上のこと
から、パーティクルが存在しない場合での陽電子の寿命
を予め基準寿命として測定しておき、コンピュータ30
0は、求めた陽電子の寿命が基準寿命と一致するか否か
を判別し、処理チャンバ11内にパーティクルが存在す
るか否かを判別する。
【0055】従って、以上のように処理チャンバ11内
に陽電子を照射し、陽電子の寿命を測定することによっ
て、処理チャンバ11内にパーティクルが存在すること
を簡単に検出することができる。なお、上記パーティク
ル検出方法を、半導体基板のエッチング処理終了後に行
い、パーティクルの存在が検出された場合、そのまま陽
電子の照射を続けて、第1の実施の形態で示したパーテ
ィクル除去方法と同様にして、パーティクルを処理チャ
ンバ11外へ排出してもよい。このようにすると、エッ
チング処理終了後にパーティクルの存在を検出した場合
にのみパーティクルを除去することができる。即ち、処
理システムの動作効率を向上させ、効率よくパーティク
ルを除去することができる。
【0056】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態にかかるパーティクル検出方法について説
明する。このパーティクル検出方法は、陽電子が電子と
対消滅して放出するガンマ線のドップラー広がりを測定
することによって、処理チャンバ11内に不純物質であ
るパーティクルが存在することを検出する。このパーテ
ィクル検出方法で使用する処理システムは、第2の実施
の形態で示した処理システムと実質的に同一であるが、
検出器401は備えていない。即ち、検出器は、検出器
400のみである。
【0057】処理装置100及び線源200は、第2の
実施の形態と実質的に同一である。コンピュータ300
は、検出器400から入力された検出結果からガンマ線
のドップラー広がりを求め、処理チャンバ11内にパー
ティクルが発生しているか否かを判別する。検出器40
0は、第2の実施の形態と実質的に同一であり、以下に
示すようにして放射されたガンマ線を検出し、その検出
結果をコンピュータ300に出力する。また、検出器4
00は、処理チャンバ11に設けられている検出窓に直
接接続されている。
【0058】次に、以上のような構成の処理システムを
使用して、処理チャンバ11内に発生したパーティクル
の存在を検出する場合の、処理システムの動作について
説明する。線源200は、平行平板電極間に所定の電圧
を印加し、陽電子を加速して処理チャンバ11内へ照射
する。処理チャンバ11内に照射された陽電子は、第2
の実施の形態で示したように、処理チャンバ11内で電
子と対消滅することによって2つの光(ガンマ線)を放
出する。そして、検出器400は、陽電子と電子の対消
滅で放射されたガンマ線のエネルギーを検出し、その検
出結果をコンピュータ300に出力する。
【0059】コンピュータ300は、検出器400の検
出結果からガンマ線のエネルギー分布を求める。そし
て、コンピュータ300は、そのエネルギー分布からガ
ンマ線のドップラー広がりを求め、以下に示すようにし
て、パーティクルの存在を検出する。処理チャンバ11
内にパーティクルが存在しない場合、処理チャンバ11
内に照射された陽電子は、処理チャンバ11の内壁等に
存在する電子と対消滅して約511keVのエネルギー
を持つガンマ線を放出する。しかし実際には、陽電子は
加速されており、即ち運動エネルギーを持っており、そ
の運動エネルギーはある一定の範囲内に分布している。
従って、対消滅によって放射されるガンマ線のエネルギ
ーは、511keVから陽電子の運動エネルギーに相当
する分だけずれ、一定の範囲内に分布している。このエ
ネルギー分布の幅はドップラー広がりと呼ばれ、処理装
置100や線源200の設定が変更されなければほぼ一
定である。
【0060】一方、処理チャンバ11内に負に帯電して
いるパーティクルが存在する場合、処理チャンバ11内
に照射された陽電子は、第2の実施の形態と同様に、負
に帯電しているパーティクルに衝突し、パーティクルの
電子と対消滅してガンマ線を放出する。この場合、パー
ティクルは処理チャンバ11内で様々な方向に運動して
いるので、対消滅によるガンマ線のドップラー広がり
は、パーティクルが存在しない場合とは異なる。従っ
て、パーティクルが存在しない場合に放射されるガンマ
線のドップラー広がりを、予め基準広がりとして測定し
ておき、コンピュータ300は、検出器400によって
検出されるガンマ線のドップラー広がりが基準広がりと
一致するか否かを判別する。そして、コンピュータ30
0は、処理チャンバ11内に負に帯電しているパーティ
クルが存在するか否かを判別する。
【0061】以上のようにして、処理チャンバ11内に
陽電子を照射し、対消滅で放射されるガンマ線のドップ
ラー広がりを測定することによって、処理チャンバ11
内にパーティクルが存在することを検出することができ
る。なお、上記パーティクル検出方法を、半導体基板の
エッチング処理終了後に行い、パーティクルの存在が検
出された場合、そのまま陽電子の照射を続けて、第1の
実施の形態で示したパーティクル除去方法と同様にし
て、パーティクルを処理チャンバ11外へ排出してもよ
い。このようにすると、エッチング処理終了後にパーテ
ィクルの存在を検出した場合にのみパーティクルを除去
することができる。即ち、処理システムの動作効率を向
上させ、効率よくパーティクルを除去することができ
る。
【0062】(第4の実施の形態)次に、本発明の第4
の実施の形態にかかるパーティクル検出方法について図
面を参照して説明する。このパーティクル検出方法は、
エッチング処理中に処理チャンバ11内を飛ぶ陽電子の
数を測定することによって、処理チャンバ11内に不純
物質であるパーティクルが存在することを検出する。こ
のパーティクル検出方法で使用する処理システムは、第
1の実施の形態で示した処理システムとほぼ同一である
が、処理装置100は、図6の左側に模式的に示すよう
に、加工用上部電極12の一部に線源201を備え、吸
着板14の一部に検出器402を備えている。
【0063】線源201は、陽電子を放出する放射性同
位元素、陽電子を加速するための平行平板電極等を備え
ている。そして、線源201は、平行平板電極により陽
電子を所定の電位差で加速し、加工用下部電極13の方
向に照射する。また、線源201は、放射性同位元素と
して22Na、58Co、64Cu等を備えている。コ
ンピュータ300は、検出器402から入力された検出
結果から、後述するようにして、処理チャンバ11内に
パーティクルが存在するか否かを判別する。検出器40
2は、MCP(マイクロ・チャンネル・プレート)やP
MT(フォト・マルチプライヤー・チューブ)等を備え
ており、線源201から照射された陽電子を検出し、検
出した陽電子の個数を検出結果としてコンピュータ30
0に出力する。
【0064】次に、以上のような構成の処理システムを
使用して、処理チャンバ11内に発生したパーティクル
の存在を検出する場合の、処理システムの動作について
説明する。なお、このパーティクル検出は、半導体基板
のエッチング処理中に行われる。線源201は、平行平
板電極間に所定の電圧を印加し、陽電子を加速して加工
用下部電極13の方向へ照射する。半導体基板のエッチ
ング処理中に発生しているプラズマの電位ポテンシャル
は、図6の右側に模式的に示すように、陽電子が線源2
01から検出器402に到達する際の妨げとなる、大き
さVpのポテンシャル障壁が存在する形となっている。
なお、加工用上部電極12と加工用下部電極13との間
に印加される電圧Vsは、直流の基準電圧VDCと交流
電圧VACを加えたものなっている(Vs=VDC+V
AC)。
【0065】線源200の平行平板電極によって加速さ
れた陽電子の内、上記ポテンシャル障壁を越えるエネル
ギーを有するものだけが、検出器401に到達する。検
出器402は、線源201から放射された陽電子を検出
し、検出した陽電子数を検出結果としてコンピュータ3
00に出力する。検出器402に到達する陽電子の数
は、処理チャンバ11内にパーティクルが存在しない場
合、処理装置100や線源201の設定を変更しなけれ
ばほぼ一定である。一方、処理チャンバ11内にパーテ
ィクルが存在する場合、パーティクルが帯電しているた
めに上記電位ポテンシャルの形状が変化し、検出器40
2に到達する陽電子の数が変化する。
【0066】従って、処理チャンバ11内にパーティク
ルが存在しない場合に検出される陽電子数を予め基準陽
電子数として測定しておき、コンピュータ300は、検
出器402から入力された陽電子数が基準陽電子数と誤
差の範囲内で一致するか否かを判別し、処理チャンバ1
1内にパーティクルが存在するか否かを判別する。以上
のようにして、処理チャンバ11内の電位ポテンシャル
変化によって変化する陽電子数から、パーティクルが発
生したことを検出できる。なお、エッチング処理中に、
上記パーティクル検出方法によってパーティクルの存在
が検出された場合、半導体基板のエッチング処理終了後
に、第1の実施の形態で示したパーティクル除去方法に
よって、パーティクルを処理チャンバ11外へ排出して
もよい。このようにすると、パーティクルの存在を検出
した場合にのみパーティクルを除去することができる。
即ち、処理システムの動作効率を向上させ、効率よくパ
ーティクルを除去することができる。
【0067】(第5の実施の形態)次に、本発明の第5
の実施の形態にかかる堆積物検出方法について図面を参
照して説明する。この堆積物検出方法は、陽電子が電子
と対消滅して放出するガンマ線のドップラー広がりを測
定することによって、処理チャンバ11内壁に不純物質
である堆積物が存在することを検出する。このパーティ
クル検出方法で使用する処理システムは、第2の実施の
形態で示した処理システムとほぼ同一であるが、処理装
置100は、処理チャンバ11内部、例えば図7に模式
的に示すように、加工用上部電極12の一部に、第2の
実施の形態で示した線源200と実質的に同一の線源2
01を備えている。
【0068】線源201は、陽電子を放出する放射性同
位元素等を備え、陽電子を処理チャンバ11内に放出す
る。また、線源201は、放射性同位元素として22N
a、58Co、64Cu等を備えている。コンピュータ
300は、検出器400から入力された検出結果から、
後述するようにして、処理チャンバ11内壁に堆積物が
存在するか否かを判別する。検出器400は、第2の実
施の形態と実質的に同一である。
【0069】次に、以上のような構成の処理システムを
使用して、処理チャンバ11内壁に付着した堆積物を検
出する方法について説明する。処理チャンバ11内に設
けられた線源201は、上記したように陽電子を放出す
る。そして、検出器400は、線源201から放出され
た陽電子が処理チャンバ11内の電子と対消滅した際に
放射されるガンマ線を検出する。そして、検出器400
は、この検出結果をコンピュータ300に出力し、コン
ピュータ300は、入力された検出結果から処理チャン
バ11内壁に堆積物が存在するか否かを判別する。この
実施の形態では、第3の実施の形態で示したガンマ線の
ドップラー広がりを検出する。
【0070】線源201は、上記したように、処理チャ
ンバ11内に設置されているので、エッチング等の処理
によって発生する反応生成物は、線源201にも堆積す
る。即ち、堆積物がある場合とない場合でのガンマ線の
ドップラー広がりに差が生じる。具体的には、堆積物が
ない場合、線源201から放出された陽電子は、処理チ
ャンバ11内の様々な場所に照射されて電子と対消滅す
る。一方、堆積物がある場合、線源201から放出され
た陽電子の多くは、処理チャンバ11内に飛び出さず
に、線源201に堆積した堆積物の電子と対消滅する。
このため、堆積物が存在しない場合よりも、堆積物が存
在する場合の方が、ガンマ線のドップラー広がりが小さ
くなる。
【0071】従って、堆積物が存在しない場合に放射さ
れるガンマ線のドップラー広がりを、予め基準広がりと
して測定しておき、コンピュータ300は、検出器40
0によって検出されるガンマ線のドップラー広がりと基
準広がりとを比較し、処理チャンバ11内壁に堆積物が
存在するか否かを判別する。以上のようにして、処理チ
ャンバ11内に線源201を設置し、対消滅で放射され
るガンマ線のドップラー広がりを測定することによっ
て、処理チャンバ11内に堆積物が存在することを検出
することができる。処理チャンバ11内壁に堆積物が存
在すると、半導体基板を搬送する際の搬送口22の開閉
等によって堆積物が剥離し、パーティクルが発生しやす
くなる。そのため、上記堆積物検出方法によって堆積物
の存在が検出された場合は、コンピュータ300は、デ
ィスプレイや音声等を使用して、パーティクルが発生し
やすくなっていることを警告してもよい。
【0072】なお、上記堆積物検出方法によって堆積物
の存在が検出された場合、第1の実施の形態で示したパ
ーティクル除去方法によってパーティクルを除去した
り、プラズマや溶剤等を使用したクリーニングによって
処理チャンバ11内壁の堆積物を除去するようにしても
よい。このようにすると、堆積物が存在して、パーティ
クルが発生しやすくなった場合にのみ、パーティクルや
堆積物を除去することができる。即ち、処理システムの
動作効率を向上させ、効率よくパーティクル及び堆積物
を除去することができる。
【0073】(第6の実施の形態)次に、本発明の第6
の実施の形態にかかるパーティクル除去方法について図
面を参照して説明する。第6の実施の形態にかかるパー
ティクル除去方法は、パーティクルを負に帯電させるこ
とによって、以下に示すようにしてパーティクルを除去
する。具体的には、パーティクルを負に帯電させること
により、半導体基板上に自然に発生した負電位の自己バ
イアス電位によって、パーティクルを弾き飛ばし、パー
ティクルが半導体基板に到達しないようにする。なお、
自己バイアス電位とは、高周波電源を用いたプラズマ装
置において、電子とイオンの速度の違いによって、半導
体表面近傍に自然に発生するものであって、通常マイナ
ス200ボルトからマイナス300ボルト程度である。
【0074】第6の実施の形態にかかるパーティクル除
去方法で使用する処理システムには、例えば図1及び図
2に示したシステム及び装置を用いることができる。図
1及び図2に示したシステム及び装置を用いた場合、線
源200は、電子、マイナスイオン、又は、それらの両
方を処理装置100内のパーティクルに照射する。これ
により、パーティクルは負に帯電する。以上のようにし
て負に帯電したパーティクルが半導体基板の近傍に近づ
くと、図8に示すように、パーティクルは、半導体基板
表面に自然に発生した上記自己バイアス電位によって斥
力を受け、半導体基板(ウエハ)から弾き飛ばされる。
これにより、処理装置100内に発生したパーティクル
が半導体基板に付着することを防止できる。
【0075】また、処理装置100は、図9や図10に
示すように、負に帯電したパーティクルを集めるための
集塵用電極31と、集塵用電極31に正電圧を印加する
集塵用電源32と、を備えてもよい。なお、図9は、集
塵用電極31を備えた処理装置100の構成を上から見
た図であり、図10は、集塵用電極31を備えた処理装
置100の構成を横から見た図である。集塵用電極31
は、図9及び図10に示すように、処理装置100(処
理チャンバ11)の内壁に設置されている。集塵用電極
31の材質、形状等は、半導体の処理に問題の無い限り
任意である。ただし、負に帯電したパーティクルを静電
気力によって十分に引き寄せられるような十分な電圧を
印加できる電極材から形成されなければならない。集塵
用電源32は、集塵用電極31に接続され、負に帯電し
たパーティクルを静電気力によって十分に引き寄せるこ
とができる正電圧を集塵用電極31に印加する。
【0076】図9及び図10に示すように処理装置10
0が集塵用電極31及び集塵用電源32を備えている場
合、集塵用電極31に正の電圧を印加することにより、
上記したように、負に帯電し、自己バイアス電位によっ
て弾き飛ばされたパーティクルを、集塵用電極31に吸
着することができる。これにより、パーティクルが半導
体基板に到達して付着することを効率よく防止すること
ができる。ただし、集塵用電極31に電圧を印加するタ
イミングは、半導体の処理に悪い影響を与えないような
タイミングに設定されなければならない。例えば、プラ
ズマ装置の場合、プラズマに集塵用の電位が影響を与え
ないように、集塵用の電位を印加するタイミングは、半
導体の処理終了直前に設定される。以上のように、パー
ティクルを負に帯電させ、集塵用電極31でパーティク
ルを吸着することにより、半導体基板上にパーティクル
が付着することを効率よく防止することができ、製造さ
れる半導体装置の性能や信頼性を向上することができ
る。
【0077】(第7の実施の形態)次に、本発明の第7
の実施の形態にかかるパーティクル除去方法について図
面を参照して説明する。第7の実施の形態にかかるパー
ティクル除去方法は、第6の実施の形態と同様に、パー
ティクルを負に帯電させることによって除去する。ただ
し、第7の実施の形態にかかるパーティクル除去方法
は、パーティクルを負に帯電させる方法が第6の実施の
形態とは異なる。第1から第6の実施の形態では、パー
ティクルに荷電粒子を照射して、負に帯電させたり、電
気的にニュートラルな状態にしていた。第7の実施の形
態では、バルクプラズマ中の電子電流により、パーティ
クルを負に帯電させる。
【0078】第7の実施の形態にかかるパーティクル除
去方法では、例えば図1に示した処理装置100及びコ
ンピュータ300を用いることができる。プラズマ装置
(処理装置100)内では、高周波電力がかかっている
とき、すなわちプラズマが存在するとき、処理チャンバ
11内の電子密度は、図11に示すようになっている。
具体的には、電極の近傍、すなわち、イオンシースの中
では、電子密度が非常に小さく、プラズマ中では、イオ
ン密度が非常に高い状態になっている。また、プラズマ
装置内に生成されたプラズマの電位ポテンシャルは、図
8の右側(又は図6の右側)に示すようになっている。
以上のように高周波電力が印加されてプラズマが生成さ
れている場合、イオンシース内にトラップされているパ
ーティクルは、イオン流の流れ込みによって正に帯電す
る。そして、正のプラズマポテンシャルからの反発力に
よって、イオンシース内にトラップされる。しかし、高
周波電力を徐々に下げていくと、高周波電力が所定値以
下となった時に重力と静電気力の釣り合いが崩れ、パー
ティクルは重力によってイオンシースからプラズマ中へ
と落ちていく。そして、プラズマ中へ入射したパーティ
クルは、電子電流が流れ込むことによって負に帯電す
る。
【0079】コンピュータ300は、予め提供されたプ
ログラム等に従って、半導体の所定の処理が終了したと
き、または、終了する直前に、以上のように高周波電力
を徐々に小さくしてパーティクルを負に帯電させる。こ
れにより、半導体基板表面に自然に発生した上記自己バ
イアス電位によって、パーティクルが弾き飛ばされ、パ
ーティクルが半導体基板に付着することを防止できる。
また、第7の実施の形態でも、第6の実施の形態と同様
に、プラズマ装置内壁に備えた集塵用電極31によっ
て、自己バイアス電位によって弾き飛ばされたパーティ
クルを吸着してもよい。これにより、パーティクルが半
導体基板に到達して付着することを効率よく防止するこ
とができる。ただし、集塵用電極31に電圧を印加する
タイミングは、上記したように、半導体の処理に悪い影
響を与えないようなタイミングに設定される。以上のよ
うに、パーティクルを負に帯電させ、集塵用電極31で
パーティクルを吸着することにより、半導体基板上にパ
ーティクルが付着することを効率よく防止することがで
き、製造される半導体装置の性能や信頼性を向上するこ
とができる。
【0080】なお、第2、第3、及び、第5の実施の形
態において、処理チャンバ11内で発生したガンマ線が
処理チャンバ11壁を透過可能である場合は、処理チャ
ンバ11に検出窓を設けず、検出器400を処理チャン
バ11外側の近傍に設置するだけでもよい。第2及び第
3の実施の形態において、処理チャンバ11内にパーテ
ィクルが存在することを検出した後、処理チャンバ11
内に陽電子を照射し続ける代わりに、第1の実施の形態
と同様に、電子や、正又は負のイオンを照射するように
してもよい。
【0081】第4の実施の形態で示した陽電子の加速
は、線源201ではなく加工用電極間で行うようにして
もよい。さらに、第4の実施の形態で示した線源201
は、陽電子以外の荷電粒子(例えば、電子やイオン等)
を照射してもよい。これによっても、検出器401で検
出される粒子数と、予め測定した基準粒子数とを比較す
ることによって、パーティクルの存在を検出することが
できる。
【0082】第5の実施の形態において、線源201か
ら陽電子が放出される際に放射されるガンマ線と、線源
201から放出された陽電子が電子と対消滅する際に放
射されるガンマ線の両方を検出し、その検出した時間の
差をとることによって陽電子の寿命を求めてもよい。堆
積物が存在する場合と存在しない場合とで、陽電子の寿
命に差が生じる。コンピュータ300は、この寿命の差
を求めて、堆積物が存在するか否かを判別してもよい。
【0083】第5の実施の形態で示した線源201は、
平行平板電極等を備えず、放射性同位元素からの陽電子
が、ある一定の方向に放射されるようにしただけのもの
でもよい。また、上記コンピュータ300の代わりに、
所定のプログラム等を記憶しているASIC(アプリケ
ーション・スペシファイド・IC)等を使用してもよ
い。これにより、ASICによって処理システムが制御
され、プログラムに従って自動的に処理が行われるの
で、人によって誤動作されることを防止することができ
る。
【0084】上記処理システムは、処理チャンバ11内
壁に堆積している反応生成物を除去する堆積物除去装置
を備え、上記第2乃至第5の実施の形態で示した処理に
よって、パーティクルや堆積物の存在が明らかになった
場合、堆積物除去装置を作動させるようにしてもよい。
このようにしても、パーティクルや堆積物の存在が明ら
かになってから堆積物除去装置を作動させるので、処理
システムの動作効率を向上することができる。
【0085】また、導入口17は半導体基板の載置位置
と同等の高さに設けられ、パージガスの導入方向が、半
導体基板の表面に平行かやや上向きとなるように形成さ
れてもよい。このようにすると、パージガスによってパ
ーティクルが半導体基板から離れる方向に押し流される
ので、パーティクルの半導体基板への付着をより効率よ
く防止することができる。なお、上記第1の実施の形態
で示したパーティクルを電気的に中性にする方法(1)
〜(4)は、その内のいくつかを組み合わせて使用され
てもよい。また、第1乃至第5の実施の形態に示した各
方法は、その内のいくつかを組み合わせて使用されても
よい。第6の実施の形態に記載のパーティクルの除去シ
ステムと第1から第5の実施の形態に記載のパーティク
ルの除去システムを組み合わせることにより、パーティ
クルの除去をさらに効果的に行なうことも可能である。
第7の実施の形態に記載のパーティクルの除去システム
と第1から第6の実施の形態に記載のパーティクルの除
去システムを組み合わせることにより、パーティクルの
除去をさらに効果的に行なうことも可能である。
【0086】上記第1乃至第7の実施の形態で示した方
法は、半導体基板だけでなく、所定の処理を施されるこ
とによって不純物質が発生するあらゆる基板(例えば、
液晶基板等)に適用することができ、上記と同様の効果
を得ることができる。なお、この発明のシステムは専用
のコンピュータを備える必要はなく、適切な周辺装置を
備えるコンピュータにより実現可能である。例えば、コ
ンピュータに上述の各処理を行うためのプログラム及び
データを記録媒体(CD−ROM等)に記録して配布
し、これをインストールしてOS上で実行することによ
り、この発明のシステムを実現できる。また、プログラ
ム及びデータを配布する方法は、CD−ROM等に限ら
ず、通信回線等を介して配布してもよい。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によって、処理チャンバ内に発生したパーティクルを電
気的に中性にすることができる。そのため、処理チャン
バ内で所定の処理を施される半導体基板等の残留電荷に
パーティクルが引きつけられることがなく、ガスによっ
て効率よくパーティクルを排除することができ、高性能
及び高信頼性の製品を製造することができる。また、本
発明によれば、パーティクルの存在を検出した後に、パ
ーティクルを除去することができる。従って、パーティ
クルを除去する装置を無駄に動作させることがなく、処
理システムの動作効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる処理システムの構成
を示す模式図である。
【図2】図1の処理システムの処理装置の構成を示す模
式図である。
【図3】ドライエッチング処理の代表的な稼働状態の1
サイクルを示す図である。
【図4】第2の実施の形態にかかる処理システムの構成
を示す模式図である。
【図5】陽電子が放出され、電子と対消滅するまでの状
態を示す概念図である。
【図6】第4の実施の形態にかかる処理装置の一部を示
す模式図である。
【図7】第5の実施の形態にかかる処理装置の一部を示
す模式図である。
【図8】第6の実施の形態にかかる処理装置の一部を示
す模式図である。
【図9】第6の実施の形態にかかる処理装置の一部を示
す模式図である。
【図10】第6の実施の形態にかかる処理装置の一部を
示す模式図である。
【図11】チャンバ内にプラズマが存在するときの電子
密度を示す図である。
【符号の説明】
11 処理チャンバ 12 加工用上部電極 13 加工用下部電極 14 吸着板 15 ガス送路 16 排気口 17 導入口 18 ガス吹出口 19 高周波電源 20 絶縁板 21 直流電源 23 照射口 31 集塵用電極 32 集塵用電源 100 処理装置 200 線源 201 線源 300 コンピュータ 400 検出器 401 検出器 402 検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 奈津子 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5F004 AA14 BA04 BC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理チャンバ内で所定の処理を施す際に
    発生するパーティクルを除去するパーティクル除去シス
    テムであって、 前記処理チャンバ内に負の電荷を有する粒子を照射し、
    該処理チャンバ内を浮遊しているパーティクルを負に帯
    電させる照射手段を備え、 前記照射手段は、前記粒子として、電子、マイナスイオ
    ン、の内の少なくとも1つを照射する、ことを特徴とす
    るパーティクル除去システム。
  2. 【請求項2】 前記照射手段は、前記粒子を照射するこ
    とにより、前記処理チャンバ内に自然に発生した負の自
    己バイアス電位によって弾き飛ばされるような電荷を該
    処理チャンバ内のパーティクルに与える、ことを特徴と
    する請求項1に記載のパーティクル除去システム。
  3. 【請求項3】負に帯電した前記パーティクルを吸着する
    ための電極と、 前記電極に正の電圧を印加することにより、負に帯電し
    た前記パーティクルを前記電極に吸着させる電圧印加手
    段と、 をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のパー
    ティクル除去システム。
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