JP4633283B2 - イオンバランス制御機能付軟x線式イオナイザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟X線を照射してイオン化生成したプラスイオンおよびマイナスイオンが所望のイオンバランスとなるように制御できる機能を有するイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体等の電子デバイス(以下、単に電子デバイスという)の製造プロセスにおいて、この電子デバイスに静電気が発生すると、電子デバイスが高電圧静電気により静電破壊されるという障害、または、気体中に浮遊する微粒子が電子デバイスの半導体回路に吸引付着して半導体回路の短絡を引き起こすという障害(以下、これらを単に静電気障害という)が起こる。このような静電気障害が、電子デバイスの製造歩留りを低下させる大きな原因となっている。
【0003】
この問題は、電子デバイスに帯電する静電気を除電することにより解決される。除電には従来からコロナ放電型イオナイザが広く用いられている。コロナ放電型イオナイザは、プラスイオンまたはマイナスイオンを製造中の電子デバイスに吹き付けて異極同士を結合させることで除電し、静電気障害の発生を未然に防止するというものである。
【0004】
しかし、コロナ放電型イオナイザは、エミッタと呼ばれる放電電極に高電圧を印加してイオンを生成するが、エミッタ自体が自己発塵するため、コロナ放電型イオナイザ自体がコンタミネーション(被除電物の汚染を引き起こすような異物)を発生させるという問題がある。
【0005】
現在開発中のギガビットレベルのULSI(Ultra Large Scale Integration)メモリは、半導体回路の配線ピッチが0.15μmレベルという超微細加工を駆使して製造され、酸化膜の厚さは 10nm程度になっている。シリコンウェハ上の酸化膜形成プロセスにおいて、原子レベルのコンタミネーションがシリコンウェハに付着しただけで、酸化膜の静電耐圧は著しく低下する。したがって、イオナイザはコンタミネーションを発生させないことが望ましい。
【0006】
この問題を解決するためにコンタミネーションフリーを実現する軟X線を用いるイオナイザの採用が検討されている。
軟X線式イオナイザの原理は、波長が長いため透過力の弱いX線(軟X線)を空気又は非反応性ガスに照射し、これらの気体分子から電子を放出させてイオン化し、プラスイオンとマイナスイオンとを均等量発生させるというものである。コンタミネーションフリーであることに加えて、一つの気体分子からプラスイオンとマイナスイオンが生成されるため、プラスイオンおよびマイナスイオンは等しい数で生成され、正負のイオン濃度が常に等しくイオンバランスが良いという利点がある。
【0007】
しかしながら、このような軟X線式イオナイザも万能でなく、以下に説明するような問題点があった。
例えば、軟X線式イオナイザが設置される電子デバイスの製造工場において、製造ラインを流れる電子デバイスなどの被除電物(以下、単に被除電物という。)は、正電荷あるいは負電荷の何れか一方に帯電するという傾向が知られている。この傾向は製造装置や製造ライン等の機械に起因するものである。ここでは、説明の具体化のため、製造ライン上を流れる多数の被除電物には負電荷が多く帯電しているものとして説明する。
【0008】
軟X線式イオナイザによりイオンバランスが等しい雰囲気下に、負電荷が帯電している被除電物が搬入されてきた場合、被除電物上の負電荷と空中のプラスイオンとが結合して除電されるが、先に説明したように被除電物の多くに負電荷が帯電しているため、多数の被除電物の搬入が続くとプラスイオンの濃度が低い状態となり、除電効果が低くなるという問題があった。
【0009】
このように、従来ではプラスイオンとマイナスイオンとが等量となるようにイオンバランスを調節することが善とされていたが、実際には製造ラインの実状に応じてプラスイオン又はマイナスイオンの何れかの濃度を増加させるようにイオンバランスを調整できることが好ましいことが判明した。
そこで、軟X線式イオナイザでもイオンバランスが制御できるようにするため、鋭意研究開発が進められている。
【0010】
続いて、このようなイオンバランスが制御できる軟X線式イオナイザの従来技術について概略説明する。図16は、従来技術によるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ(以下、従来技術の説明中で単に軟X線式イオナイザという)の原理図である。
【0011】
図16で示す軟X線式イオナイザは、軟X線を照射する軟X線照射装置100、および、電界を発生させる極板200a,200bを備えている。この軟X線式イオナイザは、図示しない遮蔽カバーが設けられており、外界へ軟X線が漏れないように配慮されている。この軟X線式イオナイザ中には被除電物300が図示しない製造ラインにより搬入される。説明のため、被除電物300に負電荷が帯電しているものとする。
【0012】
続いて、軟X線式イオナイザ動作原理について説明する。軟X線照射装置100が、軟X線を照射すると軟X線照射領域にある空気あるいは非反応性ガスに含まれる気体分子はイオン化し、プラスイオンとマイナスイオンとを生成する。この場合、一つの気体分子をイオン化しているため、プラスイオンとマイナスイオンとは等量である。
【0013】
極板200aに正電圧が印加され、また、極板200bは接地されているため、極板200aと極板200bとの間には電界(図16中の矢印Aが電界の方向である)が生じている。
そして、マイナスイオンは、電界から受ける力により、極板200aへ移動した後に吸引されるため、プラスイオンが多くなるようにイオンバランスが制御される。このプラスイオンが被除電物300に帯電する負電荷と結合するため、被除電物300は除電される。従来技術の軟X線式イオナイザの動作原理はこのようなものであった。
【0014】
さらに、このような動作原理に基づくイオンバランス制御機能付き軟X線式イオナイザの従来技術が、例えば、特開2000−21596号または特開2000−208293号においても開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、その動作原理に反して所望の効果が得られないという問題があった。
図16で示すように、軟X線照射領域で生成するプラスイオンおよびマイナスイオンのうち、極板200aの近傍にあるマイナスイオンは吸収されるが、極板200aから離れた位置にあるマイナスイオンは動作原理に反して吸収されず、このため被除電物300の近傍にあるマイナスイオンは吸収されないという問題があった。
【0016】
このため、被除電物300の近傍ではイオンバランスを制御できず、プラスイオンの濃度が低い状態となり、除電効果が高められないという問題が依然解消されなかった。
さらに、イオンバランスが効率的に制御できないため、被除電物300の除電時間の高速化制御が困難であり、製造工程の短縮化が求められる実際の製造ラインに投入できなかった。
【0017】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、所望のイオンバランスとなるような制御機能を有するイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
被除電物の除電に好適となるように、軟X線を用いてイオン化生成したプラスイオンまたはマイナスイオンのイオンバランスを制御する機能を有するイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
軟X線を照射する軟X線照射装置と、
軟X線照射装置が照射する軟X線照射領域内であって軟X線照射装置と被除電物との間に配置されるバイアス印加用電極と、
軟X線照射装置およびバイアス印加用電極を覆い、軟X線を外界へ透過させないように遮蔽する遮蔽カバーと、
接地によりグランド電位とされるグランド電極と、
を備え、
バイアス印加用電極とグランド電極との間に搬送されて被除電物が配置され、バイアス印加用電極にプラスのバイアス電圧を印加してマイナスイオンを吸引させるとともにプラスイオンの濃度を高めて被除電物へ到達させ、または、バイアス印加用電極にマイナスのバイアス電圧を印加してプラスイオンを吸引させるとともにマイナスイオンの濃度を高めて被除電物へ到達させることを特徴とする。
【0019】
バイアス印加用電極は、イオン化濃度が高い軟X線照射領域中に配置されているため、プラスイオンまたはマイナスイオンがバイアス印加用電極へ効率的に吸引されてイオンバランスの制御を確実に行う。
【0020】
また、請求項2に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
請求項1に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は前記被除電物の近傍に配置され、
バイアス印加用電極にバイアス電圧を印加して被除電物の近傍のプラスイオンまたはマイナスイオンを優先的に吸引させることを特徴とする。
【0021】
バイアス印加用電極を被除電物の近傍に配置し、イオン化濃度が高い軟X線照射領域中であって、特に、被除電物の近傍において、プラスイオンまたはマイナスイオンをバイアス印加用電極へ効率的に吸引してイオンバランスを制御し、被除電物の除電をより確実に行う。
【0022】
また、請求項3に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
請求項1または請求項2に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は開口部を有することを特徴とする。
【0023】
電極が開口部を有しているため、平板状の電極を用いたとしても、軟X線が開口部を通過して被除電物周辺まで到達し、被除電物近傍においてもイオン化を行うため、被除電物近傍においてイオン化が行われないという事態を防止するとともに電極の表面積を増加させてイオンの吸収能力を高めることができるようになる。
【0024】
また、請求項4に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
請求項3に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極はリング状形状を含むことを特徴とする。
【0025】
また、請求項5に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
請求項3に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は網状形状を含むことを特徴とする。
【0026】
開口部を有するバイアス印加用電極として特に好適であると発明者の実験作業により知見された電極形状は、リング状電極と網状電極が少なくとも軟X線照射領域に配置されるような形状である。なお、含むとは、例えば支持部材などは別形状でも良いということである。
【0027】
また、請求項6に係る発明のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、軟X線照射領域から被除電物へ向けて送風する送風手段を備えることを特徴とする。
【0028】
被除電物へ向かう風によりプラスイオンおよびマイナスイオンが加速された状態で、まずバイアス印加用電極へ吹き付けられる。そして、バイアス印加用電極がプラスに印加されているならマイナスイオンが、また、バイアス印加用電極マイナスに印加されているならばプラスイオンがそれぞれ吸引され、所望のイオンバランスにした後に被除電物へ吹き付けることとなり、除電効率を更に高めることができる。また、除電時間の短縮化にも寄与する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の請求項1に係る第1実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図1は第1実施形態の概略構成図である。図1で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ10は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4を備え、被除電物5を除電する装置である。
【0030】
軟X線照射装置1は、軟X線を照射する機能を有している。軟X線照射装置1による軟X線照射領域は、図1で示すような範囲である。
バイアス印加用電極2は、たとえば、この軟X線照射領域内であって、軟X線照射装置1と被除電物5との間に配置される。本実施形態のバイアス印加用電極2は針状の電極としている。なお針状に限定される趣旨でななく、コ字状あるいはヨ字状というように各種の形状が可能である。また、矢印B方向へ向けて広がる平板状の電極として表面積を広げることも可能である。このバイアス印加用電極2には本実施形態では正電圧が印加されるものとして説明する。
【0031】
遮蔽カバー3は、軟X線照射装置1およびバイアス印加用電極2を覆い、軟X線を遮蔽カバー外へ透過させないように設けられている。この遮蔽カバー3内は空気または非反応性ガス(例えば、アルゴンガス等)が充填されているものとする。
グランド電極4は、接地によりグランド電位としている。グランド電極4とバイアス印加用電極2との間に、図1中の矢印Bの方向に向かう電界を発生させている。なお、グランド電極4は、遮蔽カバー3と一体にして共通の構造としても良い。
被除電物5は、本実施形態では負電荷が帯電した状態で図示しない搬送ライン上を搬送されて来るものとする。
【0032】
続いて動作原理について説明する。
軟X線照射装置1は空気または非反応性ガスへ軟X線を照射する。そして、空気または非反応性ガスの気体分子はイオン化され、プラスイオンとマイナスイオンとが生成される。
このうち、マイナスイオンは、電界から受ける力によりバイアス印加用電極2へ吸引されるため、プラスイオンの濃度が高くなる。これらプラスイオンは被除電物に帯電する負電荷と結合して除電が完了する。
なお、当然ながらバイアス印加用電極2に負電圧を印加するときは、プラスイオンが吸引され、マイナスイオンの濃度が高くなる。このように、印加電圧を制御することで所望のイオンバランスとなるように制御できる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態では、濃度が高い軟X線照射領域中にバイアス印加用電極2が配置されているため、プラスイオンまたはマイナスイオンがバイアス印加用電極2へ効率的に吸引されてイオンバランスの制御を確実に行うことができるようになる。
【0034】
続いて、本発明の請求項2に係る第2実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図2は第2実施形態の概略構成図である。図2で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ20は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4を備え、被除電物5を除電する装置である点は第1実施形態と同様であるが、特にバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置している点を特徴としている。
軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5の機能および動作原理については第1実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0035】
本実施形態では、イオン濃度が高い軟X線照射領域中であって、さらに被除電物5の近傍にバイアス印加用電極2を配置することで、被除電物5の近傍のプラスイオンまたはマイナスイオンをバイアス印加用電極2へ効率的に吸引し、特にイオンバランスの制御時に被除電物5の近傍領域でプラスイオンまたはマイナスイオンのイオン濃度を高めることができるため、除電効果をより高めることができるという利点がある。
【0036】
続いて、本発明の請求項3,請求項4に係る第3実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図3は第3実施形態の概略構成図である。図3で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ30は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4を備え、被除電物5を除電する装置である点は第1実施形態と同様であるが、特にバイアス印加用電極2の形状を変化させていることを特徴としている。
なお、軟X線照射装置1、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5の機能および動作原理については第1実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、バイアス印加用電極2は開口部を有するようにし、特にリング状の電極を含んでいる点が特徴である。
バイアス印加用電極2に開口部を持たせる理由としては、仮に開口部がない平面状の電極が被除電物5を覆うように配置されたとすると、電極が覆う箇所については軟X線が到達せずにイオン化されないこととなる。
しかしながら、開口部があれば、仮に平面上の電極を用いても被除電物周辺まで軟X線が到達して被除電物5の近傍においてもイオン化を行うこととなるため、被除電物5の近傍においてイオン化が行われないという事態を防止する。
また、図示しないが平板状で表面積が大きい電極としてイオンの吸収能力をさらに高めることもできるようになる。
【0038】
なお、本実施形態では1個のリング状の電極を含み、棒状の部材で支持するバイアス印加用電極2としている。しかしながらこのような形状のバイアス印加用電極2に限定するものではない。
たとえば、リング状の電極を1個に限定せず、上下方向に多段に配置するようにしてもよい。
また、円形リングに限定せず、例えば、楕円形状のリングにするなど、各種の形状を採用することができる。
さらに第2実施形態のように、リング状のバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置しても良い。
【0039】
続いて、本発明の請求項3,請求項5に係る第4実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図4は第4実施形態の概略構成図である。図4で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ40は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4を備え、被除電物5を除電する装置である点は第1実施形態と同様であるが、特にバイアス印加用電極2の形状を変化させている事を特徴としている。
なお、軟X線照射装置1、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5の機能および動作原理については第1実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0040】
本実施形態では、バイアス印加用電極2は開口を有するようにし、特に網状の電極を含んでいる点が特徴である。
バイアス印加用電極2に開口部を持たせる理由としては、第3実施形態における説明と同様であるが、特に網状にすると、気体中に接触する接触面の面積がさらに大きくなり、イオンの吸収能力をさらに高めることができるようになる。
【0041】
なお、本実施形態では1個の網状の電極を含み、棒状の部材で支持するバイアス印加用電極2としている。しかしながらこのような形状のバイアス印加用電極2に限定するものではない。
たとえば、網状の電極を1個に限定せず、上下方向に多段に配置するようにしてもよい。
また、棒状の支持部を除去し、全面網状の電極としてもよい。
さらに第2実施形態のように網状のバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置しても良い。
【0042】
なお、図4に示すような網状のバイアス印加用電極2において、角形開口部の開口面積が大きすぎるとイオンの吸収効率が悪くなり、また、開口面積が小さすぎると軟X線の透過量が減少するため、開口面積の決定は実験により決定されるが、1cm四方角の開口とすると特に望ましいことが判明した。
このようなバイアス印加用電極2とすれば、イオン吸収能力を高めることができ、さらにイオンバランス制御の速度を高めることができる。
【0043】
続いて、本発明の請求項6に係る第5実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図5は第5実施形態の概略構成図である。図5で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ50は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4を備え、被除電物5を除電する装置である点は第1実施形態と同様であるが、特に送風手段6を追加している点を特徴としている。
なお、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5の機能および動作原理については第1実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0044】
本実施形態では、送風手段6が図5の矢印Cの方向へ向けて送風しており、プラスイオンとマイナスイオンとをバイアス印加用電極2へ吹き付けてプラスイオン又はマイナスイオンの吸引を増進させ、イオン濃度を高めてから被除電物5に吹き付けるようにすることが特徴である。
風により再結合が起こる前に多量のプラスイオン又はマイナスイオンを被除電物に吹き付けるため、除電効率が高められる。
【0045】
なお、本実施形態では1個の針状のバイアス印加用電極2としているが、1個に限定せず、例えば、上下方向に多段に配置するようにしてもよい。
また、針状に限定せず、例えば、コ字状またはヨ字状にするなど、各種の形状を採用することができる。
さらに第2実施形態のように針状のバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置しても良い。
【0046】
続いて、本発明の請求項6に係る第6実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図6は第6実施形態の概略構成図である。図6で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ60は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4、送風手段6を備え、被除電物5を除電する装置である点は第5実施形態と同様であるが、特にバイアス印加用電極2の形状を変化させている事を特徴としている。
なお、軟X線照射装置1、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5、送風手段6の機能および動作原理については第5実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0047】
本実施形態では、送風手段6により風が吹き付けられる場合にバイアス印加用電極2の開口部で風を通過させるため、特にリング状に形成している点が特徴である。
送風手段6によりプラスイオンとマイナスイオンとを含む風を開口部を有するバイアス印加用電極2へ吹き付けてプラスイオン又はマイナスイオンの吸引を増進させ、イオン濃度を高めた後に被除電物5に吹き付けるようにすることが特徴である。
風によりプラスイオン又はマイナスイオンの再結合が起こる前に多量のプラスイオン又はマイナスイオンを被除電物に吹き付けることができ、除電効率が高められる。
【0048】
なお、本実施形態では1個のリング状の電極を含み、棒状の部材で支持するバイアス印加用電極2としている。しかしながらこのような形状のバイアス印加用電極2に限定するものではない。
たとえば、リング状の電極を1個に限定せず、上下方向に多段に配置するようにしてもよい。
また、円形リングに限定せず、例えば、楕円形状のリングにするなど、各種の形状を採用することができる。
さらに第2実施形態のようにリング状のバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置しても良い。
【0049】
続いて、本発明の請求項6に係る第7実施形態であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて図面を参照しつつ説明する。
図7は第7実施形態の概略構成図である。図7で示すように、本実施形態のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ70は、軟X線照射装置1、バイアス印加用電極2、遮蔽カバー3、グランド電極4、送風手段6を備え、被除電物5を除電する装置である点は第5実施形態と同様であるが、特にバイアス印加用電極2の形状を変化させている事を特徴としている。
なお、軟X線照射装置1、遮蔽カバー3、グランド電極4、被除電物5、送風手段6の機能および動作原理については第5実施形態の説明と同様であり、その説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、送風手段6により風が吹き付けられる場合にバイアス印加用電極2の開口部を風が通過するようにするため、特に網状に形成している点が特徴である。
送風手段6によりプラスイオンとマイナスイオンとを含む風を網状のバイアス印加用電極2へ吹き付けてプラスイオン又はマイナスイオンの吸引を増進させ、イオン濃度を高めた状態とした後に被除電物5に吹き付けることが特徴である。
風によりプラスイオン又はマイナスイオンの再結合が起こる前に多量のプラスイオン又はマイナスイオンを被除電物に吹き付けることができ、除電効率が高められる。
【0051】
なお、本実施形態では1個の網状の電極を含み、棒状の部材で支持するバイアス印加用電極2としている。しかしながらこのような形状のバイアス印加用電極2に限定するものではない。
たとえば、網状の電極を1個に限定せず、上下方向に多段に配置するようにしてもよい。
また、棒状の支持部を除去し、全面網状の電極としてもよい。
さらに第2実施形態のように網状のバイアス印加用電極2を被除電物5の近傍に配置しても良い。
【0052】
なお、図7に示すような網状のバイアス印加用電極2において、角形開口部の開口面積が大きすぎるとイオンの吸収能力が低くなり、また、開口面積が小さすぎると軟X線の透過量が減少するため、開口面積の決定は実験により決定されるが、1cm四方角の開口とすると特に望ましいことが判明した。
このようなバイアス印加用電極2とすれば、イオン吸収能力を高めることができ、さらにイオンバランス制御の速度を高めることができる。
【0053】
【実施例】
続いて、本発明をより具体的に構成し、具体的な数値を以てその効果を検証するための実施例であるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザについて説明する。
図8は、本実施例の概略構成図である。本実施例は、先に説明した第7実施形態を具体的に検証するために組み立てたものである。
【0054】
このイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザは、X線を遮へいするための塩化ビニル壁(第7実施形態の遮蔽カバー3に相当)、接地されたステンレスステージ(第7実施形態のグランド電極4に相当)、送風用ファン(第7実施形態の送風手段6に相当)、軟X線発生装置(第7実施形態の軟X線照射装置1に相当)、コントロールグリッド(第7実施形態の金網状のバイアス印加用電極2に相当)で構成されている。静電モニタ(第7実施形態の被除電物5に相当)では、このイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおける除電時間を測定する。
【0055】
静電モニタは、ステンレスステージ上に設置される。静電モニタの上方には軟X線発生装置の軟X線照射口下方が位置している。この軟X線照射口から静電モニタまではdp=1000mmの間隔がある。
この静電モニタは、150mm×150mmの金属プレートと静電電位計とで構成され、金属プレートは +5000Vまたは−5000V の電圧を印加して電荷を蓄電できる構造になっている。
【0056】
軟X線照射口と同一平面を基準面(0mm)とし、同一平面から下方 LG =150mmの位置にコントロールグリッドを設置した。このコントロールグリッドに印加する電圧Vcは、+5000Vから−5000Vの間の任意の値を設定できるようになされている。
また、イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザの送風用ファンによる送風はその送風速度VF が0m/sまたは1m/sの何れかが選択できるようにした。このような動作条件下で、イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザの除電時間を測定する。
【0057】
上記に示す測定を行うにあたり、−5000Vが印加されて金属プレートに帯電した負電荷と空中のプラスイオンとが結合して−500Vになるまでの時間を正の除電時間te+ とし、また、+5000Vが印加されて金属プレートに帯電した正電荷と空中のマイナスイオンとが結合して+500Vになるまでの時間を負の除電時間te− とした。
前述の測定方法によりイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ内の風速VFを0m/sまたは1m/sとした場合のプレート電位VP と時間 t との関係を求めた。これらの結果を図 9から図12に示す。
【0058】
まず、風がない場合の正の除電時間の測定について説明する。
図9は風速VF=0m/sとし、負電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
図9のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザでは風速VF =0m/sで除電を行い、時間が経過するにつれ、−5000Vが印加された金属プレートのプレート電位VPがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッドに印加する電圧VCをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
【0059】
プレート電位VP と時間tとの関係を示す図9において、時間tが経過するにつれて、軟X線が生成したプラスイオンが、金属プレートを除電する様子がわかる。
さらに、コントロールグリッドにVc = 0Vを印加した場合の正の除電時間 te+ は 7.9 秒であり、また、コントロールグリッドにVc=+5000Vを印加した場合正の除電時間te+ は 2.7秒である。
また、Vc = −2000Vから−5000Vの範囲の電圧を印加した場合は、正の除電時間te+ が60秒以上かかるため測定することは不可能であった。
【0060】
続いて、風がある場合の正の除電時間の測定について説明する。
図10は風速VF=1m/sとし、負電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
図10のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザでは、風速VF =1m/sとし、時間が経過するにつれ、−5000Vが印加されたプレート電位VPがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッドに印加する電圧VCをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
【0061】
プレート電位VP と時間tとの関係を示す図10において、時間tが経過するにつれて、軟X線が生成したプラスイオンが、金属プレートを除電する様子がわかる。
さらに、コントロールグリッドにVc = 0Vを印加した場合の正の除電時間te+ は5.4秒であり、また、コントロールグリッドにVc=+5000Vを印加した場合正の除電時間te+ は 2.5秒である。
また、Vc = −4000Vから−5000Vの範囲の電圧を印加した場合は、正の除電時間te+ が60秒以上かかるため測定することは不可能であった。
【0062】
これら図9および図10の実験結果を考察すると、風がある場合に正の除電時間が短縮されることからも明らかなように、本発明の送風手段6は正の除電時間の短縮化に効果があるということができる。
【0063】
続いて、風がない場合の負の除電時間を測定について説明する。
図11は風速VF=0m/sとし、正電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
図11のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザでは、風速VF =0m/sであり、時間が経過するにつれて、+5000Vが印加されたプレート電位VPがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッドに印加する電圧VCをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
【0064】
プレート電位VP と時間tとの関係を示す図11において、時間tが経過するにつれて、軟X線が生成したマイナスイオンが、金属プレートを除電する様子がわかる。
さらに、コントロールグリッドにVc = 0Vを印加した場合の負の除電時間 te− は 6.5 秒であり、また、コントロールグリッドにVc=−5000Vを印加した場合正の除電時間te−は 2.3秒である。
また、Vc = +1000V から+5000Vの範囲の電圧を印加した場合は、負の除電時間te− が60秒以上かかるため測定することは不可能であった。
【0065】
続いて、風がある場合の負の除電時間を測定について説明する。
図12は風速VF=1m/sとし、正電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
図12のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザでは、風速VF =1m/sであり、時間が経過するにつれて、+5000Vが印加されたプレート電位VPがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッドに印加する電圧VCをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
【0066】
プレート電位VP と時間tとの関係を示す図12において、時間tが経過するにつれて、軟X線が生成したマイナスイオンが、金属プレートを除電する様子がわかる。
さらに、コントロールグリッドにVc =0Vを印加した場合の負の除電時間 te− は4.1 秒であり、また、コントロールグリッドにVc=−5000V を印加した場合負の除電時間te− は 2.1秒である。
また、Vc = +2000V から+5000Vの範囲の電圧を印加した場合は、負の除電時間te− が60秒以上かかるため測定することは不可能であった。
【0067】
これら図11および図12の実験結果を考察すると、風がある場合に負の除電時間が短縮されることからも明らかなように、本発明で送風手段6は負の除電時間の短縮化に効果があるということができる。
【0068】
続いて、図9〜図12の特性に基づいて、イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ内の風速VF を0m/sまたは 1m/sとした場合のグリッド電圧Vcと除電時間te との関係を特性図としてまとめる。図 13は、 印加電圧Vc と正の除電時間te+ との関係を示す特性図、図14は印加電圧Vc と負の除電時間te− との関係を示す特性図である。
【0069】
図13において、コントロールグリッドに電圧を印加することにより、正の除電時間を制御できることがわかる。また、送風することにより正の除電時間を短縮できることがわかる。
同様に、図14においても、コントロールグリッドに電圧を印加することにより、負の除電時間を制御できることがわかる。また、送風することにより負の除電時間を短縮できることがわかる。
【0070】
続いて、コントロールグリッドの電圧、送風の有無により除電時間を制御できる理由について考察する。イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザによる除電の原理を図15に示す。図15は、除電原理を説明する説明図である。軟X線によりイオン化されたプラスイオンとマイナスイオンは、図15中でも示すように(1)一方が静電モニタ(被除電物)の金属プレートに吸収される場合(イオンnE )、(2)両者が再結合して消滅する場合(イオンnR )、(3)一方がコントロールグリッドに吸収される場合(イオンnc)に分類できる。
【0071】
コントロールグリッドに印加する電圧により、除電時間を制御できた理由は、次のように考えられる。金属プレートが正に帯電している場合、コントロールグリッドに負の電圧を印加することにより、コントロールグリッド近傍で生成されたプラスイオンはグリッドに吸収される。したがって、システム内はプラスイオン濃度よりマイナスイオン濃度が高くなり、除電時間を制御することが可能となる。
すなわち、コントロールグリッドに印加する電圧によりコントロールグリッドで吸収されるイオンnc の濃度を制御することができるために除電時間を制御することが可能となる。
【0072】
また、送風することにより除電時間が短縮できた理由は、次のように考えられる。送風しない場合には、再結合により高濃度のイオンnR が消滅する場合が多くなるが、送風することによって、これらのイオンは短時間で静電モニタの金属プレートに到達する。このために、金属プレートに到達するイオン濃度が高くなり、除電時間が短縮される。
すなわち、送風によって、再結合するイオン量が減少するため、除電時間が短縮されたと考えられる。
【0073】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、所望のイオンバランスとなるような制御機能を有するイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態の概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態の概略構成図である。
【図4】本発明の第4実施形態の概略構成図である。
【図5】本発明の第5実施形態の概略構成図である。
【図6】本発明の第6実施形態の概略構成図である。
【図7】本発明の第7実施形態の概略構成図である。
【図8】本発明の実施例の概略構成図である。
【図9】風速VF=0m/sとし、負電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
【図10】風速VF=1m/sとし、負電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
【図11】風速VF=0m/sとし、正電荷を蓄電した金属プレートをプレート電位VPを除電するときの時間 t との関係を示す特性図である。
【図12】風速VF=1m/sとし、正電荷を蓄電した金属プレートを除電するときのプレート電位VP と時間 t との関係を示す特性図である。
【図13】印加電圧Vc と除電時間te+ との関係を示す特性図である。
【図14】印加電圧Vc と除電時間te− との関係を示す特性図である。
【図15】除電原理を説明する説明図である。
【図16】従来の技術によるイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザの原理図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ
50、60、70 イオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ
1 軟X線照射装置
2 バイアス印加用電極
3 遮蔽カバー
4 グランド電極
5 被除電物
6 送風手段
Claims (6)
- 被除電物の除電に好適となるように、軟X線を用いてイオン化生成したプラスイオンまたはマイナスイオンのイオンバランスを制御する機能を有するイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
軟X線を照射する軟X線照射装置と、
軟X線照射装置が照射する軟X線照射領域内であって軟X線照射装置と被除電物との間に配置されるバイアス印加用電極と、
軟X線照射装置およびバイアス印加用電極を覆い、軟X線を外界へ透過させないように遮蔽する遮蔽カバーと、
接地によりグランド電位とされるグランド電極と、
を備え、
バイアス印加用電極とグランド電極との間に搬送されて被除電物が配置され、バイアス印加用電極にプラスのバイアス電圧を印加してマイナスイオンを吸引させるとともにプラスイオンの濃度を高めて被除電物へ到達させ、または、バイアス印加用電極にマイナスのバイアス電圧を印加してプラスイオンを吸引させるとともにマイナスイオンの濃度を高めて被除電物へ到達させることを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。 - 請求項1に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は前記被除電物の近傍に配置され、
バイアス印加用電極にバイアス電圧を印加して被除電物の近傍のプラスイオンまたはマイナスイオンを優先的に吸引させることを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。 - 請求項1または請求項2に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は開口部を有することを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。 - 請求項3に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極はリング状形状を含むことを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。 - 請求項3に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
バイアス印加用電極は網状形状を含むことを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。 - 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザにおいて、
軟X線照射領域から被除電物へ向けて送風する送風手段を、
備えることを特徴とするイオンバランス制御機能付軟X線式イオナイザ。
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