JP2003017374A - チップ状電子部品における端部電極形状制御方法 - Google Patents

チップ状電子部品における端部電極形状制御方法

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JP2003017374A JP2001203304A JP2001203304A JP2003017374A JP 2003017374 A JP2003017374 A JP 2003017374A JP 2001203304 A JP2001203304 A JP 2001203304A JP 2001203304 A JP2001203304 A JP 2001203304A JP 2003017374 A JP2003017374 A JP 2003017374A
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Akira Onodera
晃 小野寺
Satoru Kurimoto
哲 栗本
Hiroki Sato
博樹 佐藤
Osamu Hirose
修 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体である電子部品素地と液体である電極ペ
ーストとの濡れ性を解明し、電子部品素地側の濡れ性を
制御することにより端部電極の形状の制御を容易かつ確
実に実行する。 【解決手段】 チップ状電子部品素地2に紫外線ランプ
LPにより紫外線を照射後、該素地2の端部に電極ペー
ストを塗布して、電極端縁が前記素地の幅方向中央部で
頂点を持つ円弧状となった端部電極を形成するか、ある
いはチップ状電子部品素地2を有機物浮遊粒子が存在す
る雰囲気中に置いた後に、該素地の端部に電極ペースト
を塗布して、電極端縁が前記素地を幅方向に横断する直
線状となった端部電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ状電子部品
(コンデンサ、インダクター、サーミスタ、抵抗、複合
素子)の端部電極形成を電極ペーストに浸す方法により
形成する場合、その電極形状をチップ状電子部品のサイ
ズに合わせて所望形状に制御するための電子部品におけ
る端部電極形状制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チップ状のコンデンサ、インダク
ター、サーミスタ、抵抗、複合素子等のチップ状電子部
品の端部電極形成を電極ペーストに浸す方法により形成
する場合、電極ペースト液面がその形状の最終端とな
る。この時、セラミック等である電子部品素地と電極ペ
ーストの濡れ性、液面の状態、浸す速度、時間の違いに
よりその形状は、図6(A)〜(C)のように様々な形
状を示す。図6において、1はチップ状電子部品、2は
その素地、3は電極ペーストによる端部電極である。電
極ペーストは銅、銀等の金属粉を主成分とする導電成分
と有機バインダと溶剤とを少なくとも含むものであり、
塗布後に乾燥し、最終的には焼成して製品とする。図6
(A)は例えばチップ状電子部品素地2と電極ペースト
との濡れ性が悪い場合等で、端部電極3が円弧状に凹ん
だ状態、同図(B)は例えば素地2と電極ペーストとの
濡れ性が適度の場合等で、端部電極3と素地2との境界
(電極端縁)が直線状である状態、同図(C)は例えば
電子部品素地2と電極ペーストとの濡れ性が極めて良い
場合等で、端部電極3の電極端縁が素地2の幅方向中央
部で頂点を持つ円弧状となった状態である。
【0003】チップ状電子部品1が一般的なサイズの場
合においては、端部電極3の形状に直線性を求められる
ため、その電極端縁の形状を図7(A)の直線状とする
(直線型電極形状とする)。また、極小化したサイズの
場合においては、同図(B)のように電極端縁が幅方向
中央部に頂点を持つ円弧状の端部電極(円弧型電極形
状)が求められる。
【0004】従来方法では、端部電極形状を制御するた
めに、チップ状電子部品素地表面の濡れ性を制御する方
法は取っておらず、円弧状の端部電極形状を阻止するた
めに、電極ペーストの組成によりチップ状電子部品素地
に対する濡れ性を制御し、電極ペーストの粘度、温度、
組成を最適化することにより対処している。また、装置
としては、図8(A)の電極ペースト4に対するチップ
状電子部品1(電子部品素地)の浸け込み速度(液面進
入速度)、同図(B)の浸け込み時間(液内滞在時
間)、同図(C)の電極ペースト4からチップ状電子部
品1を離脱させる液面離脱速度等で制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来方法
では、チップ状電子部品の端部電極形状を完全には制御
しきれず、その不良率が大きくなる問題があった。つま
り、電極ペーストの組成と素地の組み合わせにより、
濡れ性は大きく変化するため、精密な制御が不可能、
電極ペーストが表面張力により素地表面に広がる距離
を、時間と速度で制御するため、困難を極めるという問
題点があった。
【0006】本発明は、固体である電子部品素地と液体
である電極ペーストとの濡れ性を解明し、電子部品素地
側の濡れ性を制御することにより端部電極の形状の制御
を容易かつ確実にすることが可能で、ひいては製品歩留
まりの向上を図ったチップ状電子部品における端部電極
形状制御方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るチップ状電子部品におけ
る端部電極形状制御方法は、チップ状電子部品素地に紫
外線を照射後、該素地の端部に電極ペーストを塗布し
て、電極端縁が前記素地の幅方向中央部で頂点を持つ円
弧状となった端部電極を形成することを特徴としてい
る。
【0009】本願請求項2の発明に係るチップ状電子部
品における端部電極形状制御方法は、請求項1におい
て、前記紫外線は波長250nm以下を主とし、180
nm以下の波長成分をも含むものであることを特徴とし
ている。
【0010】本願請求項3の発明に係るチップ状電子部
品における端部電極形状制御方法は、チップ状電子部品
素地を有機物浮遊粒子が存在する雰囲気中に置いた後
に、該素地の端部に電極ペーストを塗布して、電極端縁
が前記素地を幅方向に横断する直線状となった端部電極
を形成することを特徴としている。
【0011】本願請求項4の発明に係るチップ状電子部
品における端部電極形状制御方法は、請求項3におい
て、前記有機物浮遊粒子がシロキサンであることを特徴
としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るチップ状電子
部品における端部電極形状制御方法の実施の形態を図面
に従って説明する。
【0013】図1乃至図3で本発明に係るチップ状電子
部品における端部電極形状制御方法の第1の実施の形態
を説明する。
【0014】図1において、1はチップ状電子部品であ
り、その外面に露出しているチップ状電子部品素地2は
例えばセラミックである。これらのチップ状電子部品1
は粘着テープ等の搬送媒体5に一端が固着、保持された
状態にて搬送されるようになっている。
【0015】10は、紫外線ランプLPを内部に配置し
たケースであり、該ケース10の一方の開口から他方の
開口に向けて前記搬送媒体5で一端が保持されたチップ
状電子部品1が搬送される。ここで、紫外線ランプLP
がチップ状電子部品1に照射する紫外線は波長250n
m以下を主とし、180nm以下の波長成分をも含むも
のである。
【0016】そして、図1の紫外線照射手段を利用し
て、電極ペースト塗布前のチップ状電子部品1の素地2
に均一に紫外線を照射し、紫外線による表面改質処理を
行い、素地表面の有機物の除去を行う。この紫外線の照
射は搬送媒体5にてチップ状電子部品1がケース10内
を通過する期間継続的に行われる。この紫外線表面改質
処理(紫外線オゾン洗浄)では、紫外線(波長=250
nm以下)の照射により、有機物は分子間結合エネルギ
ーを上回るエネルギーを付加され分解する。また、18
0nm以下の波長は酸素を活性化しオゾン(活性酸素)
を発生させ、発生したオゾンは、有機物と結びつき酸化
分解する。
【0017】その後、図8に示したように電極ペースト
4中にチップ状電子部品1(電子部品素地2)の端部を
浸して電極ペースト4の塗布を行う(図示しないが図1
のように搬送媒体5にてチップ状電子部品1の一端を保
持した状態にて行う)。前記紫外線による表面改質効果
により、チップ状電子部品素地2の表面の有機物が除去
されているため、電極ペースト4の濡れ性が極めて良好
となり、図2(A)の平面図、(B)の側面図のように
電極ペースト4自身の表面張力による円弧形状形成がな
され、図7(B)に示した端部電極3の形状、つまり電
極端縁がチップ状電子部品素地2の幅方向中央部で頂点
を持つ円弧状となった端部電極形状を実現できる。そし
て、紫外線の照射時間を制御することにより前記電極端
縁の円弧の大きさは、容易に制御可能となる。
【0018】この第1の実施の形態は、例えば長さ0.
6mm×幅0.3mm×厚み0.3mm(0603形状)以下の
極小チップ状電子部品の端部電極形成に適用するとよ
い。すなわち、極小チップ状電子部品においては、図7
(B)の電極形状=円弧形状であることが要望(はんだ
付け時のセフルアライメント効果の向上のため)されて
いるからである。また、電極精度の高精度化の実現を図
ることができ、例えば、図3の端部電極3の長さ寸法精
度:B寸法=±0.015mm以内(Rmax記述)、電極上
り制御寸法:B”(極小サイズ)=0.05±0.01mm
以内(Rmax記述)に制御可能である。また、前記紫外
線の照射時間の変化によるB”寸法の変化は比較的緩慢
であるため、制御は容易である。
【0019】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0020】(1) 電極ペースト4を塗布される前の電
子部品素地2に、波長250nm以下の紫外線を照射す
ることにより、電極形成部表面に付着している有機物を
分解し、180nm以下波長の紫外線により生じた活性
酸素が分解した有機物に結びつき、酸化物を生成する。
これにより素地表面から一切の有機物が除去され、濡れ
性が増大する。表面張力により電極ペースト4は、素地
表面に広がり易くなり円弧状の端部電極3を形成可能と
なる。
【0021】(2) チップ状電子部品素地2の電極形成
面から有機物が除去されることにより、形成した端部電
極3の固着強度の向上を図ることができる。つまり、素
地2と、端部電極3の界面から有機物を除去するため接
触面積が増加し剥がれにくくなり、電極ペーストを焼き
付けて最終製品とした時点で、基板搭載時にチップ状電
子部品の固着強度を増加させる。
【0022】(3) 極小チップである0603形状にお
いて、従来方法と本実施の形態とを比較した場合、下記
の結果が得られた。 従来方法:電極精度バラツキ B寸法=0.15±0.03mm B”=0±0.03mm 本実施の形態:電極精度バラツキ B寸法=0.15±0.01mm以下 (一般サイズ) B”=0±0.01mm以内 (極小サイズ) B”=0.05±0.01mm以内 これらから、本実施の形態により端部電極寸法のバラツ
キを低減可能であることが分かる。
【0023】図4及び図5で本発明に係るチップ状電子
部品における端部電極形状制御方法の第2の実施の形態
を説明する。
【0024】図4において、20はホットプレートHP
を内部に配置したケースであり、該ケース20の一方の
開口から他方の開口に向けて搬送媒体5で一端が保持さ
れたチップ状電子部品1が搬送されるようになってい
る。ホットプレートHP上には有機物揮発材としてのシ
リコンゴムシート21が載置されており、ホットプレー
トHPでシリコンゴムシート21を加熱することで、有
機物浮遊粒子(有機物分子)としての有機シロキサンを
揮発させる構成である。
【0025】そして、図4の有機物浮遊粒子が多数存在
する有機物雰囲気のケース20内に前記搬送媒体5にて
チップ状電子部品1を通過させることで、電極ペースト
塗布前の電子部品素地2の表面に図5(A)の平面図、
(B)の側面図のように均一に有機物の付着を施すこと
ができる。これにより、図7(A)のように電極端縁が
直線状となった端部電極3を形成可能となる。上記有機
物の濃度、チップ状電子部品1の雰囲気内滞在時間によ
り、電極端縁の直線形状を制御可能となる。
【0026】なお、素地2の表面に対して付着させる有
機物は、次工程の焼き付け工程において除去できる物質
を採用する必要がある。
【0027】第2の実施の形態のように、有機物揮発材
としてシリコンゴムシート21を用いホットプレートH
Pにて加熱する場合、ホットプレートHPの温度(10
0℃〜200℃の間で変化させる)の設定よってケース
内の有機物雰囲気の有機物濃度を制御可能であり、さら
にチップ状電子部品1の有機物雰囲気での滞在時間(2
0〜30秒の間で変化させる)を適度に設定すること
で、シリコンゴムシート内に存在する揮発性のシロキサ
ンの分子付着量の制御が可能である。
【0028】その後、図8に示したように電極ペースト
4中にチップ状電子部品1(電子部品素地2)の端部を
浸して電極ペースト4の塗布を行う(図示しないが図4
のように搬送媒体5にてチップ状電子部品1の一端を保
持した状態にて行う)。前記有機物付着工程により、電
子部品素地2の表面に有機物が適切量付着しているた
め、電極ペースト4の濡れ性が適度に調整され、図5の
ように電極ペースト4自身の表面張力が有機物付着によ
り阻害される結果、直線状に電極端縁の形成がなされ、
図7(A)に示した端部電極3の形状、つまり電極端縁
が電子部品素地2の幅方向に直線状に横断する端部電極
形状を実現できる。
【0029】この第2の実施の形態は、長さ1.0mm×
幅0.5mm×厚み0.5mm以上の一般的サイズのチップ状
電子部品の端部電極形成に適用するとよい。すなわち、
一般的なサイズのチップ状電子部品においては、図7
(A)の電極形状=直線形状であることが要望されてい
るからである。また、電極精度の高精度化の実現を図る
ことができ、例えば、図3の端部電極3の長さ寸法精
度:B寸法=±0.015mm以内(Rmax記述)、電極上
り制御寸法:B”(一般サイズ)=0±0.01mm以内
(Rmax記述)に制御可能である。
【0030】このように、第2の実施の形態によれば、
電極ペースト4を塗布する前の電子部品素地2を有機物
の雰囲気中を通し、電極形成面に有機物を付着させるこ
とにより、電極ペースト4に対する濡れ性を低下させ、
表面張力による円弧形状を阻止して端部電極3における
電極端縁の直線性を実現可能である。また、電極端縁の
直線性の制御は前記雰囲気中の有機物濃度及びチップ状
電子部品の滞在時間を変えることで容易にかつ正確に実
行できる。
【0031】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るチッ
プ状電子部品における端部電極形状制御方法によれば、
チップ状電子部品の端部電極の端縁形状を円弧型に制御
することも、直線型に制御することも可能であり、しか
も端部電極形状のばらつきを低減して高精度の端部電極
を形成可能である。
【0033】例えば、従来の素地の濡れ性を制御しない
方法による場合には、電極形状のバラツキ=±0.03m
mであったのが、素地表面の濡れ性を制御した本発明の
場合には、電極形状のバラツキ=±0.01mm以下に抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチップ状電子部品における端部電
極形状制御方法の第1の実施の形態であって、紫外線オ
ゾン洗浄による表面濡れ性改善を図った構成を示す説明
図である。
【図2】第1の実施の形態による電極ペースト付着状況
を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図3】チップ状電子部品の端部電極の寸法精度を説明
するための平面図である。
【図4】本発明に係るチップ状電子部品における端部電
極形状制御方法の第2の実施の形態であって、有機物付
着による濡れ性の低下を図った構成を示す説明図であ
る。
【図5】第2の実施の形態による電極ペースト付着状況
を示し、(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図6】チップ状電子部品に形成される端部電極形状の
例を示す説明図である。
【図7】チップ状電子部品のサイズと望ましい端部電極
形状との関係を示す斜視図である。
【図8】電子部品素地に対する電極ペーストの塗布工程
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チップ状電子部品 2 チップ状電子部品素地 3 端部電極 4 電極ペースト 5 搬送媒体 10,20 ケース HP ホットプレート LP 紫外線ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 博樹 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 廣瀬 修 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB03 EE04 EE35 FF05 FG04 FG26 FG46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ状電子部品素地に紫外線を照射
    後、該素地の端部に電極ペーストを塗布して、電極端縁
    が前記素地の幅方向中央部で頂点を持つ円弧状となった
    端部電極を形成することを特徴とするチップ状電子部品
    における端部電極形状制御方法。
  2. 【請求項2】 前記紫外線は波長250nm以下を主と
    し、180nm以下の波長成分をも含むものである請求
    項1記載のチップ状電子部品における端部電極形状制御
    方法。
  3. 【請求項3】 チップ状電子部品素地を有機物浮遊粒子
    が存在する雰囲気中に置いた後に、該素地の端部に電極
    ペーストを塗布して、電極端縁が前記素地を幅方向に横
    断する直線状となった端部電極を形成することを特徴と
    するチップ状電子部品における端部電極形状制御方法。
  4. 【請求項4】 前記有機物浮遊粒子がシロキサンである
    請求項3記載のチップ状電子部品における端部電極形状
    制御方法。
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