JP2003017301A - 薄膜抵抗素子およびその製造方法 - Google Patents

薄膜抵抗素子およびその製造方法

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JP2003017301A
JP2003017301A JP2001201043A JP2001201043A JP2003017301A JP 2003017301 A JP2003017301 A JP 2003017301A JP 2001201043 A JP2001201043 A JP 2001201043A JP 2001201043 A JP2001201043 A JP 2001201043A JP 2003017301 A JP2003017301 A JP 2003017301A
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Kiyoshi Sato
清 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗値のばらつきが少なく、かつ、放熱性に
優れた薄膜抵抗素子を提供すること。 【解決手段】 基板1の表面に成膜した下地材料9上に
レジストパターン10を形成し、この下地材料9の表面
に導体材料11を電解めっきした後、レジストパターン
10を剥離して不要な下地材料9を除去することによ
り、基板1上に所望形状の下地層8と導体材料11の積
層体を形成する。次いで、この積層体を覆うように基板
1上に絶縁材料12を成膜した後、導体材料11と絶縁
材料12を研磨することにより、基板1上に上面が平坦
化されたヒートシンク部2と両電極部3および絶縁体層
4を形成する。しかる後、ヒートシンク部2と絶縁体層
4の平坦な上面に絶縁膜5をパターン形成し、この絶縁
膜5の上から抵抗膜6をパターン形成してその両端部を
それぞれ電極部3上に接続することにより、抵抗膜6の
真下に放熱用のヒートシンク部2が存在する薄膜抵抗素
子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の小型電子回
路に用いられる薄膜抵抗素子およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路技術の発達に伴って電子
回路がますます小型化されており、基板上に抵抗等の回
路素子を薄膜形成した小型の電子回路基板が開発されて
いる。このような電子回路基板において、基板としては
サファイア等の単結晶基板やアルミナ等の焼結体基板を
使用可能であるが、その中でもアルミナは比較的安価で
高周波特性に優れている材料であるため、高周波デバイ
ス用の電子回路基板にはアルミナ基板が広く使用されて
いる。
【0003】すなわち、従来より知られている一般的な
薄膜抵抗素子は、アルミナ基板上にTaNやTaSiO
等の抵抗材料からなる抵抗膜を薄膜形成し、その両端に
電極を薄膜形成することによって概略構成されている。
しかしながら、アルミナ基板は上記したような利点を有
する反面、サファイア等の単結晶基板に比べると表面の
平滑状態が悪く、例えば、純度99.5%のアルミナ基
板の表面は面粗度(Ra)が30〜100nm程度の凹
凸面となっている。このため、アルミナ基板上に抵抗膜
を薄膜形成すると、アルミナ基板の表面の微小な凹凸に
よって抵抗値がばらつきやすくなり、特にTaNのよう
に比抵抗が小さめな抵抗材料を用いた場合、抵抗値が著
しくばらつくという難点がある。
【0004】また、他の従来例として、アルミナ基板の
表面全体にガラス膜をコーティングしたグレーズドアル
ミナ基板を使用し、このグレーズドアルミナ基板上に抵
抗膜を薄膜形成した薄膜抵抗素子も知られている。この
ものは、アルミナ基板の表面の微小な凹凸がガラス膜に
よって平滑化されるため、アルミナ基板を用いた場合に
比べると抵抗値の著しい変動を抑えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、薄膜
抵抗素子の基板としてグレーズドアルミナ基板を使用す
ると、アルミナ基板を使用した場合に比べて抵抗値のば
らつきを抑制できるというメリットがあるものの、抵抗
膜が熱伝導性の悪いガラス膜上に形成されているため、
抵抗膜から発生する熱の放熱性がガラス膜によって大き
く妨げられてしまう別の問題が生じる。
【0006】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その目的は、抵抗値のばらつきが
少なく、かつ、放熱性に優れた薄膜抵抗素子を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による薄膜抵抗素子では、基板上に形成され
たヒートシンク部および絶縁体層と、これらヒートシン
ク部および絶縁体層の平坦な上面に形成された絶縁膜
と、この絶縁膜上に形成された抵抗膜と、この抵抗膜の
両端に接続された一対の電極とを備え、前記ヒートシン
ク部と前記両電極とがめっき形成された導体材料からな
ることを特徴としている。
【0008】このように構成された薄膜抵抗素子にあっ
ては、ヒートシンク部と絶縁体層の平坦な上面に絶縁膜
を介して抵抗膜が形成されているため、抵抗膜形成面の
凹凸に起因する抵抗値のばらつきを低減することがで
き、しかも、抵抗膜の真下にめっき形成された金属製の
ヒートシンク部が存在するため、抵抗膜からの発熱をヒ
ートシンク部によって効率良く放熱することができる。
【0009】上記の構成において、両電極は抵抗膜の両
端部を覆うように絶縁体層上に形成することも可能であ
るが、基板上に両電極とヒートシンク部をめっき形成す
ると共に、これら両電極とヒートシンク部および絶縁体
層の上面に平坦化処理を施し、抵抗膜の両端を両電極の
上面に接続することが好ましい。このようにすると、ヒ
ートシンク部と両電極を同じめっき工程で簡単に形成す
ることができると共に、電極を厚膜形成して低抵抗化を
実現することができる。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明
による薄膜抵抗素子の製造方法では、基板上に一対のギ
ャップによって分割されたヒートシンク部および一対の
電極部をそれぞれめっき形成する導体めっき層形成工程
と、前記両ギャップの内部に絶縁体層を成膜する絶縁体
層形成工程と、前記ヒートシンク部と前記両電極部およ
び前記両絶縁体層の上面を同一平面にする平坦化処理工
程と、少なくとも前記ヒートシンク部から前記両絶縁体
層の上面にかけて絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
前記両電極部と前記絶縁膜の上面に抵抗膜を形成する抵
抗膜形成工程とを具備することを特徴としている。
【0011】このような構成によれば、めっきを用いて
厚膜の電極部とヒートシンク部を形成することにより、
抵抗膜の両端部に接続された電極の低抵抗化を実現する
ことができ、しかも、抵抗膜がヒートシンク部と電極部
および絶縁体層の平坦な上面に絶縁膜を介して形成され
ているため、抵抗膜形成面の凹凸に起因する抵抗値のば
らつきを低減することができ、さらに、抵抗膜の真下に
めっき形成された金属製のヒートシンク部が存在するた
め、抵抗膜からの発熱をヒートシンク部によって効率良
く放熱することができる。
【0012】上記の構成において、導体めっき層形成工
程として、基板上に下地層を形成した後、この下地層の
表面に所望形状のレジストパターンを形成して導体材料
をめっきし、しかる後、レジストパターンを剥離して露
出した下地層を除去する工程を採用すると、所望形状の
電極部とヒートシンク部を簡単に形成することができて
好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
図面を参照して説明すると、図1は第1実施形態例に係
る薄膜抵抗素子の断面図、図2と図3は該薄膜抵抗素子
の製造工程を示す説明図である。
【0014】図1に示すように、本実施形態例に係る薄
膜抵抗素子は、基板1上に形成されたヒートシンク部2
と一対の電極部3および絶縁体層4と、これらの平坦な
上面に順次積層された絶縁膜5と抵抗膜6および保護層
7とで構成されており、ヒートシンク部2と一対の電極
部3は下地層8を介して基板1上に形成されている。ヒ
ートシンク部2と一対の電極部3とは絶縁体層4によっ
て分離されており、絶縁膜5はヒートシンク部2の上面
を覆ってその両側の絶縁体層4まで延びている。抵抗膜
6は絶縁膜5を覆って一対の電極部3の上面まで延びて
おり、この抵抗膜6は保護層7によって覆われている。
【0015】基板1にはグレーズドアルミナ基板やグレ
ーズの無いアルミナ基板が用いられ、本実施形態例では
純度99.5%のアルミナ基板を使用しているため、基
板1の表面の面粗度(Ra)は30〜100nm程度の
凹凸面となっている。下地層8としてはCr/Cu、T
i/Cu、Cr/Au、Ti/Au等が用いられ、これ
らの材料を基板1の表面にスパッタ法や蒸着法あるいは
イオンビームスパッタ等を用いて成膜することによって
形成される。この場合、基板1への密着層となる下層の
CrやTiの厚みは5〜50nm、上層のCuやAuの
厚みは50〜200nm程度が好ましい。ヒートシンク
部2と両電極部3にはCu、Au、Cu/Ni、Cu/
Ni−P等の導体材料が用いられ、これらの導体材料を
下地層8の表面に電解めっきすることによって形成され
る。下地層8とヒートシンク部2および両電極部3は同
一形状に形成されており、この場合、基板1上に成膜し
た下地層8の表面に所望形状のレジストパターンを形成
した後、上記した導体材料を下地層8の表面に電解めっ
きし、その後にレジストを剥離すれば所望形状のヒート
シンク部2と電極部3が形成される。そして、かかるレ
ジスト剥離後、レジストパターンによって覆われていた
下地層8をイオンミリング法を用いて除去すれば、ヒー
トシンク部2および両電極部3と同一形状の下地層8が
形成される。絶縁体層4にはAl等の絶縁材料が
用いられ、この絶縁材料をスパッタ法やCVD法により
ヒートシンク部2と両電極部3を覆うように基板1上に
成膜した後、ヒートシンク部2と両電極部3および絶縁
材料の表面をCMP(ChemicalMechanical Polish)法
を用いて平坦化することによって形成される。
【0016】絶縁膜5にはAlSiO,AlSiN,A
lSiON,AlN,Al,SiO等の絶縁材
料が用いられ、これらの絶縁材料をヒートシンク部2と
絶縁体層4上にスパッタ法やCVD法により成膜した
後、これを所望形状にパターニングすることによって形
成される。抵抗膜6にはTaNやTaSiO等の抵抗材
料が用いられ、これらの抵抗材料をスパッタ法により絶
縁膜5と両電極部3を覆うように成膜した後、これを所
望形状にパターニングすることによって形成される。保
護層7としてはポリイミドやレジスト等の有機系絶縁材
料またはSiO,Al等の無機系絶縁材料が用
いられ、これらの絶縁材料を抵抗膜6上にスパッタ法等
により成膜した後、これを所望形状にパターニングする
ことによって形成される。
【0017】次に、このように構成された薄膜抵抗素子
の製造工程について主として図2と図3を用いて説明す
る。
【0018】まず、導体めっき層形成工程として、図2
(a)に示すように、基板(アルミナ基板またはグレー
ズドアルミナ基板)1の表面にCr/Cu、Ti/C
u、Cr/Au、Ti/Au等の下地材料9をスパッタ
法や蒸着法あるいはイオンビームスパッタ等により成膜
した後、図2(b)に示すように、この下地材料9上に
塗布したフォトレジストを所望のパターン形状に露光・
現像してレジストパターン10を形成する。次に、図2
(c)に示すように、レジストパターン10が形成され
た下地材料9の表面にCu、Au、Cu/Ni、Cu/
Ni−P等の導体材料11を電解めっきする。この導体
材料11はヒートシンク部2と両電極部3を形成するも
ので、その膜厚は回路設計によって決定されるが、1.
5〜5.0μm程度の膜厚が好ましい。次に、図2
(d)に示すように、レジストパターン10を剥離した
後、イオンミリング法にてArイオンを0〜30度の角
度で入射し、レジストパターン10の剥離によって露出
した下地材料9を除去すると、図2(e)に示すよう
に、ヒートシンク部2および両電極部3と同一形状の下
地層8が形成される。
【0019】次に、絶縁体層形成工程として、図3
(a)に示すように、Al等の絶縁材料12をス
パッタ法やCVD法により基板1上に成膜し、この絶縁
材料12によって導体材料11を完全に覆った後、平坦
化処理工程として、導体材料11と絶縁材料12をCM
P法により同図の破線位置まで研磨する。その結果、導
体材料11と絶縁材料12の上面が同一平面に平坦化さ
れ、図3(b)に示すように、基板1上に上面が平坦化
されたヒートシンク部2と両電極部3および絶縁体層4
が形成される。
【0020】次に、絶縁膜形成工程として、ヒートシン
ク部2と両電極部3および絶縁体層4の表面全体にAl
SiO,AlSiN,AlSiON,AlN,Al
,SiO等の絶縁材料をスパッタ法やCVD法ある
いはIBD法等により成膜した後、これをフォトリソ技
術を用いて所望形状にパターニングすることにより、図
3(c)に示すように、ヒートシンク部2と絶縁体層4
の上面に絶縁膜5を形成する。この絶縁膜5はヒートシ
ンク部2と抵抗膜6間の絶縁を確保するものであり、少
なくともヒートシンク部2よりも大きさなパターン形状
に形成する必要があるが、絶縁膜5の周縁を絶縁体層4
から両電極部3の上面まで延ばしても良い。ここで、絶
縁膜5の膜厚は絶縁確保の観点から50〜300nm程
度が好ましく、また、絶縁膜5としては上記した絶縁材
料の中でも熱伝導性に優れたAlSi系とAlNが好ま
しい。
【0021】次に、抵抗膜形成工程として、絶縁膜5の
上からTaNやTaSiO等の抵抗材料をスパッタ法に
より成膜(10〜100nm厚)した後、これをフォト
リソ技術を用いて所望形状にパターニングすることによ
り、図3(d)に示すように、長手方向の両端がそれぞ
れ電極部3に接続された抵抗膜6を形成する。最後に、
ポリイミドやレジスト等の有機系絶縁材料またはSiO
,Al等の無機系絶縁材料を抵抗膜6上にスパ
ッタ法等により成膜した後、これを所望形状にパターニ
ングすることにより、図3(e)に示すように、抵抗膜
6を覆うように保護層7を形成する。
【0022】このように本実施形態例に係る薄膜抵抗素
子では、めっきを用いて厚膜のヒートシンク部2と一対
の電極部3を形成することにより、抵抗膜6の両端部に
接続された両電極部3の低抵抗化を実現することがで
き、しかも、抵抗膜6がヒートシンク部2と両電極部3
および絶縁体層4の平坦面に絶縁膜5を介して形成され
ているため、抵抗膜形成面の凹凸に起因する抵抗値のば
らつきを低減することができ、さらに、抵抗膜6の真下
にめっきにより形成されたヒートシンク部2が存在する
ため、抵抗膜6からの発熱をヒートシンク部2によって
効率良く放熱することができる。
【0023】図4は第2実施形態例に係る薄膜抵抗素子
の断面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付
けてある。
【0024】この第2実施形態例が前述した第1実施形
態例と相違する点は、基板1上にめっき形成された両電
極部3を省略し、その代わりに抵抗膜6の両端部上面に
電極13を形成したことにあり、それ以外の構成は基本
的に同じである。すなわち、抵抗膜6の両端部はヒート
シンク部2の両側の絶縁体層4上に形成されており、こ
れら絶縁体層4上に形成した一対の電極13が抵抗膜6
の両端部上面に接続されている。これら電極13は前述
した導体めっき層形成工程と同様の工程で形成すること
ができる。
【0025】図5は第3実施形態例に係る薄膜抵抗素子
の断面図であり、同図に示すように、基板1上にヒート
シンク部2と一対の電極部3および絶縁体層4を形成
し、これら電極部3の上面にそれぞれ電極13を重ねて
形成しても良い。
【0026】図6は電子回路基板への適用例を示す断面
図であり、この電子回路基板は各種の高周波デバイスと
して使用されるものである。同図に示すように、この電
子回路基板の基板1上には、薄膜抵抗素子20と薄膜キ
ャパシタ素子30および薄膜インダクタ素子40等の薄
膜回路素子が形成されており、これらの薄膜回路素子2
0,30,40は必要とされる回路構成に応じて基板1
上の有効エリア内に多数形成されている。なお、薄膜抵
抗素子20は前述した第1〜第3実施形態例のいずれか
と同一構成であり、図6に示す電子回路基板の場合は第
1実施形態例と同様に構成されているため、ここでは重
複する説明を省略することとする。
【0027】薄膜キャパシタ素子30は、基板1上に形
成された導体めっき層31および絶縁体層32と、これ
らの平坦な上面に順次積層された誘電体層33と上部電
極34とで構成されており、誘電体層33と上部電極3
4は絶縁体層32によって分離された左右両側の導体め
っき層31上に順次積層されている。ここで、誘電体層
33は左側の導体めっき層31からその右隣の絶縁体層
32の上面まで延びており、この誘電体層33の真下に
位置する導体めっき層31は下部電極31Aとして機能
する。また、上部電極34は誘電体層33を覆って絶縁
体層32の右隣の導体めっき層31の上面まで延びてお
り、この上部電極34に接続する右側の導体めっき層3
1は中継電極31Bとして機能する。導体めっき層31
(下部電極31Aおよび中継電極31B)は薄膜抵抗素
子20のヒートシンク部2および両電極部3と同一材料
からなり、これらは同一工程で形成される。また、絶縁
体層32は薄膜キャパシタ素子30の絶縁体層4と同一
材料からなり、これらも同一工程で形成される。誘電体
層33はSiO、Ta、AlSiO等の絶縁
材料を下部電極31Aと絶縁体層32上にスパッタ法や
CVD法等により成膜した後、これを所望形状にパター
ニングすることによって形成される。上部電極34には
Cu、Cu/Ni、Cu/Ni−P、Cu/Ni/A
u、Cu/Ni−P/Au、Au等の導体材料が用いら
れ、これらの導体材料を導体めっき層31と同一プロセ
スで誘電体層33と中継電極31Bの表面に電解めっき
することによって形成される。
【0028】薄膜インダクタ素子40は、基板1上に形
成された導体層41および絶縁体層42と、これらの導
体層41と絶縁体層42の平坦な上面に形成された絶縁
層43と、導体層41の内端部上面から絶縁層43上を
通って外側へ導出する内側電極44、および導体層41
の外端部上面から絶縁層43上を通って引き回された外
側電極45とで構成されており、導体層41は平面視渦
巻き状に形成されている。導体層41は薄膜抵抗素子2
0のヒートシンク部2と両電極部3および薄膜キャパシ
タ素子30の導体めっき層31と同一材料からなり、こ
れらは同一工程で形成される。絶縁体層42は薄膜キャ
パシタ素子30の絶縁体層4および薄膜キャパシタ素子
30の絶縁体層32と同一材料からなり、これらも同一
工程で形成される。絶縁層43は、AlSiO、Si
、Ta等の無機系絶縁材料を導体層41と絶
縁体層42上にスパッタ法等により成膜した後、これを
所望形状にパターニングしたもの、またはレジスト等の
有機系絶縁材料をフォトリソ技術により形成して高温で
硬化させたもので、パターニング後の絶縁層43は導体
層41の内端部上面と外端部上面を露出する形状となっ
ている。内側電極44と外側電極45はCu、Cu/N
i、Cu/Ni−P、Cu/Ni/Au、Cu/Ni−
P/Au、Au等の導体材料からなり、これらの導体材
料を導体層41と同一プロセスで絶縁層43の表面に電
解めっきすることによって形成される。
【0029】このように構成された電子回路基板におい
ては、薄膜抵抗素子20のヒートシンク部2と両電極部
3および絶縁体層4と、薄膜キャパシタ素子30の下部
電極31Aと中継電極31Bおよび絶縁体層32と、薄
膜インダクタ素子40の導体層41および絶縁体層42
とを、前述した図2(a)〜図2(e)に示す導体めっ
き層形成工程と図3(a)に示す絶縁体層形成工程およ
び図3(b)に示す平坦化処理工程によって同一プロセ
スで形成できるため、電子回路基板の製造工程を簡略化
することができる。また、薄膜キャパシタ素子30の誘
電体層33と上部電極34は、平坦化処理された下部電
極31Aと中継電極31Bおよび絶縁体層32の上面に
積層形成されているため、めっきを用いて厚膜の下部電
極31Aを形成することにより電極の低抵抗化や高Q値
化を実現することができると共に、下部電極31Aと上
部電極34間の短絡を確実に防止することができる。さ
らに、薄膜インダクタ素子40の絶縁層43と内側電極
44は、平坦化処理された導体層41と絶縁体層42の
上面に積層形成されているため、めっきを用いて厚膜の
導体層41を形成することにより高Q値化を実現するこ
とができると共に、絶縁層43と内側電極44および外
側電極45の製造工程を簡略化することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】基板上にヒートシンク部と絶縁体層の平坦
な上面に絶縁膜を介して抵抗膜が形成されているため、
抵抗膜形成面の凹凸に起因する抵抗値のばらつきを低減
することができ、しかも、抵抗膜の真下にめっき形成さ
れた金属製のヒートシンク部が存在するため、抵抗膜か
らの発熱をヒートシンク部によって効率良く放熱するこ
とができる。また、基板上にめっきを用いて厚膜の電極
部とヒートシンク部を形成すると、抵抗膜の両端部に接
続された電極の低抵抗化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る薄膜抵抗素子の
断面図である。
【図2】該薄膜抵抗素子の製造工程を示す説明図であ
る。
【図3】該薄膜抵抗素子の製造工程を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態例に係る薄膜抵抗素子の
断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態例に係る薄膜抵抗素子の
断面図である。
【図6】本発明を適用した電子回路基板の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 ヒートシンク部 3 電極部 4 絶縁体層 5 絶縁膜 6 抵抗膜 7 保護層 8 下地層 9 下地材料 10 レジストパターン 11 導体材料 12 絶縁材料 13 電極 20 薄膜抵抗素子 30 薄膜キャパシタ素子 40 薄膜インダクタ素子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたヒートシンク部およ
    び絶縁体層と、これらヒートシンク部および絶縁体層の
    平坦な上面に形成された絶縁膜と、この絶縁膜上に形成
    された抵抗膜と、この抵抗膜の両端に接続された一対の
    電極とを備え、前記ヒートシンク部と前記両電極とがめ
    っき形成された導体材料からなることを特徴とする薄膜
    抵抗素子。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記両電極が
    前記基板上にめっき形成されると共に、これら両電極と
    前記ヒートシンク部および前記絶縁体層の上面に平坦化
    処理が施され、前記抵抗膜の両端部が前記両電極の上面
    に接続されていることを特徴とする薄膜抵抗素子。
  3. 【請求項3】 基板上に一対のギャップによって分割さ
    れたヒートシンク部および一対の電極部をそれぞれめっ
    き形成する導体めっき層形成工程と、前記両ギャップの
    内部に絶縁体層を成膜する絶縁体層形成工程と、前記ヒ
    ートシンク部と前記両電極部および前記両絶縁体層の上
    面を同一平面にする平坦化処理工程と、少なくとも前記
    ヒートシンク部から前記両絶縁体層の上面にかけて絶縁
    膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記両電極部と前記絶
    縁膜の上面に抵抗膜を形成する抵抗膜形成工程とを具備
    することを特徴とする薄膜抵抗素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の記載において、前記導体めっ
    き層形成工程が、前記基板上に下地層を形成した後、こ
    の下地層の表面に所望形状のレジストパターンを形成し
    て導体材料をめっきし、しかる後、前記レジストパター
    ンを剥離して露出した前記下地層を除去する工程を含む
    ことを特徴とする薄膜抵抗素子の製造方法。
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