JP2003017131A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法

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JP2003017131A
JP2003017131A JP2001195028A JP2001195028A JP2003017131A JP 2003017131 A JP2003017131 A JP 2003017131A JP 2001195028 A JP2001195028 A JP 2001195028A JP 2001195028 A JP2001195028 A JP 2001195028A JP 2003017131 A JP2003017131 A JP 2003017131A
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battery
porous polymer
fluid
polymer electrolyte
negative electrode
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Masazumi Segawa
全澄 瀬川
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電時に冷却が必要な大容量の非水電解質二次
電池の、有孔性ポリマー電解質と電極とを固着する簡単
な製造方法を提供する。 【解決手段】電池ケース表面に流体通路を設け、この電
池ケース内に正極と負極との間に有孔性ポリマー電解質
を備えた発電要素を収納した非水電解質二次電池の製造
方法において、前記流体通路に加熱用の第1の流体を注
入することにより、前記有孔性ポリマー電解質と前記正
極および前記有孔性ポリマー電解質と前記負極とを固着
した後、前記流体通路に冷却用の第2の流体を注入する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質二次電池
の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在市販されている非水電解質二次電池
は、携帯電話などの小型機器に搭載されている。そし
て、環境への負荷を緩和することを目的として、このリ
チウム二次電池を電気自動車用またはハイブリッド電気
自動車用の電源として用いることが期待されている。非
水電解質二次電池を電気自動車用などの電源として用い
る場合、例えば、100Ah級の大容量の単電池を複数
個直列に接続したものを一つのモジュールとし、さらに
このモジュールを複数個接続することになる。 【0003】大容量の非水電解質二次電池を放電する
と、その発熱量が大きいために、電池内部の温度が高く
なり、電池の性能低下をもたらす。そのため、何らかの
方法により、電池を冷却する必要がある。特に、大容量
の単電池を複数個接続して組電池として使用する場合、
放電時の電池内部の温度上昇を抑制するために、電池を
冷却する必要がある。 【0004】一方、非水電解質二次電池においては、有
機電解液が使用されているが、電池の安全性をより高め
るために、有孔性ポリマー電解質を用いることにより、
有機電解液の使用量を減らした電池が提案されている。 【0005】有孔性ポリマー電解質とは、イオン導電性
を有するポリマー電解質に多数の孔を形成し、この孔の
中に有機電解液を保持させたもので、ポリマー部分も孔
部分も、ともにイオン導電性を示すものである。この有
孔性ポリマー電解質を電池のセパレータとして用いるこ
とにより、電解液と同程度のイオンの拡散速度を維持す
ることができ、優れた非水電解質二次電池が得られる。 【0006】有孔性ポリマー電解質を用いた非水電解質
電池においては、有孔性ポリマー電解質と電極との間に
隙間が存在する。したがって、高率充放電特性に優れた
非水電解質二次電池を得るためには、電池組立て後、電
池全体を有孔性ポリマー電解質の融点以上の温度に加熱
し、有孔性ポリマー電解質と正極および有孔性ポリマー
電解質と負極とを固着することにより、有孔性ポリマー
電解質と電極との間の隙間をなくす方法が採られてい
る。 【0007】有孔性ポリマー電解質と電極とを固着する
ことにより、充放電サイクルに伴なう正極板と負極板と
の距離の増加が抑制され、その結果、充放電サイクルを
繰り返しても、優れた放電容量を示す。また、電池内部
の温度が高くなった場合においても、発生するガスによ
る電極の座屈が抑制されるため、短絡などの危険が回避
されやすくなる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】例えば、100Ah級
の大容量の非水電解質二次電池において、有孔性ポリマ
ー電解質を使用し、有孔性ポリマー電解質と電極とを加
熱によって固着する場合、加熱装置が問題となる。電池
を加熱する手段としては、例えば、電池を恒温槽内に配
置する方法が考えられるが、大容量の電池を加熱する場
合、大型の設備を準備する必要がある。さらに、多数の
大容量の電池を加熱処理する場合は、より大型の設備を
そろえる必要がある。 【0009】本発明の目的は、放電時に冷却が必要で、
有孔性ポリマー電解質を備えた大容量の非水電解質二次
電池の製造方法において、簡単な方法で、有孔性ポリマ
ー電解質と電極とを固着する製造方法を提供することに
ある。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電池
ケース表面に流体通路を設け、この電池ケース内に正極
と負極との間に有孔性ポリマー電解質を備えた発電要素
を収納した非水電解質二次電池の製造方法において、前
記流体通路に加熱用の第1の流体を注入することによ
り、前記有孔性ポリマー電解質と前記正極および前記有
孔性ポリマー電解質と前記負極とを固着した後、前記流
体通路に冷却用の第2の流体を注入することを特徴とす
る。 【0011】請求項1の発明によれば、簡単な方法で、
有孔性ポリマー電解質と電極とを固着する、非水電解質
二次電池の製造方法を提供することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の非水電解質二次電池の製
造方法は、正極と負極との間に有孔性ポリマー電解質を
備え、充放電に際しては冷却が必要な電池に関するもの
ある。特に、非水電解質二次電池が負極に金属リチウム
を使用したリチウム二次電池である場合には、放電に際
しては冷却が必要である。中でも本発明は、容量が1A
h以上の単電池あるいはこの単電池を複数個接続した組
電池に関して有効である。 【0013】本発明の製造方法によって得られる電池
は、例えば図1〜図4に外観を示したように、電池ケー
ス表面に流体通路が設けられている。図1〜図4におい
て、1は非水電解質二次電池、2は正極端子、3は負極
端子、4は電池ケース、5は流体通路、6は流体入口、
7は流体出口、8は電池ケースの外枠、9は仕切板であ
る。 【0014】図1では、管状の流体通路5が電池ケース
4の表面に巻きつけられており、流体は、流体入口6か
ら供給され、流体出口7から流出する。図2では、管状
の流体通路5が電池ケース4の表面に、蛇行する形で設
けられており、流体は、流体入口6から供給され、流体
出口7から流出する。なお、図1および図2において、
管状の流体通路5の断面は、円形、楕円形、多角形な
ど、種々の形状のものを使用することができる。 【0015】図3では、流体通路5は、電池ケース4と
電池ケースの外枠8との間の空間によって形成され、流
体は流体通路4に注入するだけでもよいし、図3の矢印
で示したように、一方から注入して、他方からオーバー
フローさせてもよい。図4は、図3に類似の構造である
が、流体通路5には仕切板9が多数設けられ、流体が図
4の矢印に示したように流れるようにしたものである。 【0016】流体通路は、流体の温度を調節する装置に
つなげてもよいし、あるいは、流体を供給する部分と、
流体の温度を調節する部分とが同一の装置として構成さ
れてもよい。この流体通路に、目的の温度に調節した流
体を循環させてもよいし、あるいは、循環させずに単に
注入するだけでもよい。 【0017】流体通路は電池ケースと必ずしも接触する
必要はないが、電池内部の温度を早く均一に加熱するた
めには、電池ケースに接触していることが望ましい。ま
た、流体通路は電池のすべての部位を覆う必要はない
が、電池内部の温度を早く、望むべき温度に保持できる
ように配置することが好ましい。 【0018】本発明の非水電解質二次電池の製造方法
は、発電要素を電池ケース内に収納した後、流体通路5
に加熱用の第1の流体を注入することにより、有孔性ポ
リマー電解質と正極および前記有孔性ポリマー電解質と
負極とを固着するものである。その後、前記流体通路5
に冷却用の第2の流体を注入するものである。 【0019】なお、発電要素を電池ケース内に収納する
順序と、電池ケース表面に流体通路を設ける順序は特に
限定されない。すなわち、発電要素を電池ケース内に収
納した後、電池ケース表面に流体通路を設けてもよい
し、あらかじめ電池ケース表面に流体通路を設けてお
き、その後発電要素を電池ケース内に収納してもよい。 【0020】本発明において、加熱用の第1の流体と冷
却用の第2の流体の種類は、同一でもよいし、異なって
いてもよい。加熱用の第1の流体と冷却用の第2の流体
の種類が異なる場合には、流体通路に加熱用の第1の流
体を注入して、有孔性ポリマー電解質と正極および有孔
性ポリマー電解質と負極板とを固着した後、流体通路か
ら第1の流体を除去し、その後、流体通路に第2の流体
を注入する必要がある。一方、加熱用の第1の流体と冷
却用の第2の流体の種類が同一の場合は、第1の流体を
除去した後、第2の流体を注入する工程を省略すること
ができる。 【0021】電池を加熱する方法は、上述の電池ケース
表面に備えた流体通路に、加熱用の第1の流体として
の、一定温度の溶媒、溶液または気体を流すことによ
り、電池内部の温度を高くして、正極板と負極板との間
に備えた有孔性ポリマー電解質の表面の一部を融解させ
る。これによって、正極板と負極板との間に備えた有孔
性ポリマー電解質と正極板および前記有孔性ポリマー電
解質と負極板とを固着する。 【0022】加熱用の第1の流体としては、正極板と負
極板との間に備えた有孔性ポリマー電解質を融解できる
ところまで電池内部を暖めることができる温度の溶媒、
溶液、または気体を使用することができる。具体的に
は、水、シリコンオイル、各種油などがある。 【0023】冷却用の第2の流体としては、電池の発熱
反応を伴なう放電時において、電池を冷却するための、
低温の溶媒、溶液、または気体を使用することができ
る。具体的には、水またはエチレングリコールと水との
混合溶媒などがある。 【0024】この方法により、放電時に電池を冷却する
ための流体通路を利用して、有孔性ポリマー電解質と正
極板および有孔性ポリマー電解質と負極板とを固着する
ことができ、大型の恒温槽等の設備を整える必要がなく
なる。さらに、単電池を複数個接続した組電池におい
て、組電池を構成する複数の電池の加熱処理を同時にお
こなうことができるため、特に有効である。 【0025】また、本発明は、冷却装置を備えた非水電
解質二次電池が、複数の電池から構成される組電池であ
る場合にとくに有効である。すなわち、電気自動車用や
ハイブリッド電気自動車用の電源では、大容量の電池を
複数個接続した組電池を構成する必要がある(例えば電
気自動車用の電源では、100Ah級の電池を8個接続
した一つのユニットを、8個接続して構成される)。 【0026】この場合、個々の電池を加熱した後に組電
池を構成すると、多大な時間を要する。ところが、本発
明では、まず、複数の単電池を接続して組電池を構成
し、その後、組電池に流体通路を取り付け、流体通路に
一定温度の溶媒、溶液または気体をゆきわたらせること
により、複数の電池の加熱処理を同時に実施できるた
め、きわめて効率的である。 【0027】なお、本発明の非水電解質二次電池の製造
方法においては、電解液の注液は、有孔性ポリマー電解
質と電極との固着の前でもよいし、固着の後でもよい。 【0028】次に、正極板と負極板との間に備える有孔
性ポリマー電解質について説明する。本発明における有
孔性ポリマー電解質とは、例えば相転移法のひとつであ
る湿式法による孔の形成されたポリマー電解質であっ
て、多数の孔を有した三次元網目構造を示すものであ
る。また、延伸法などによって形成される多数の貫通孔
を有した構造を示すものである。ポリマー電解質は、ポ
リマーそのものがイオン伝導性を有するものであっても
よい。また、電解液に浸漬されることによってポリマー
が湿潤または膨潤してイオン伝導性を有するようになる
ものであってもよい。 【0029】本発明において有孔性ポリマー電解質を正
極板と負極板との間に「備える」とは、有孔性ポリマー
電解質を正極板と負極板との短絡を防止するセパレータ
として用いることを意味する。あるいは、ポリオレフィ
ン等の材質からなる微細孔をもつ膜をセパレータとして
使用し、そのセパレータと正極板との間およびそのセパ
レータと負極板との間に有孔性ポリマー電解質を配置す
ることを意味する。 【0030】なお、ポリマー電解質の融点は、示差走査
熱測定の融解反応による吸熱ピークから決定するとよ
い。有孔性ポリマー電解質の材質としてポリビニリデン
フルオライドヘキサフルオロプレンコポリマー(P(V
dF/HFP))等を用いた場合は、流体通路に流す溶
媒、あるいは気体の温度を90℃以上150℃以下とす
るとよい。 【0031】なお、本発明に用いる有孔性ポリマー電解
質を構成するポリマーの材質としては、例えば、ポリビ
ニリデンフルオライド(PVdF)、ポリ塩化ビニル、
ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニ
ルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルア
セテート、ポリビニルピロリドン、もしくはこれらの誘
導体を、単独で、あるいは混合して用いることができ
る。また、上記ポリマーを構成する各種モノマーを共重
合させたポリマー、たとえばビニリデンフルオライド/
ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(P(VdF/H
FP))等を用いることもできる。なお、充放電による
活物質の体積膨張収縮に追随した形状変化の可能な柔軟
性を有するものが好ましい。 【0032】次に、本発明における電池の製造プロセス
について説明する。本発明電池の非水電解質二次電池の
正極活物質としては、リチウムの吸蔵放出が可能な化合
物を用いることができ、例えば、LiCoO、LiN
iO、LiMn24、Li 2Mn24、MnO2、Fe
2、V25、V613、TiO2、TiS2等のような、
組成式LixMO2、またはLiy24(ただし、Mは
遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2)で表される複合酸
化物、トンネル状の孔を有する酸化物、層状構造の金属
カルコゲン化物等を用いることができる。 【0033】また、LiNi0.80Co0.202、LiN
0.80Co0.17Al0.032、LiNi0.5Mn
1.5等のように、遷移金属Mの一部を他の元素で
置換した無機化合物を用いることもできる。さらには、
例えばポリアニリン等の導電性ポリマーのような有機化
合物を用いることもできる。なお、無機化合物、有機化
合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いることも
できる。 【0034】上記正極活物質、導電助剤、結着剤および
n−メチル-2−ピロリドン(NMP)等の分散媒とを
混合したものをアルミニウムなどの金属箔に塗付し、次
に乾燥して正極板が完成する。 【0035】本発明電池の非水電解質二次電池の負極活
物質としては、例えばAl、Si、Pb、Sn、Zn、
Cd等とリチウムの合金、LiFe23等の遷移金属複
合酸化物、WO2、MoO2等の遷移金属酸化物、コーク
ス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフ
ェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等の
易黒鉛化性炭素の熱処理物、フェノール樹脂焼成体、ポ
リアクリロニトリル系炭素繊維、擬等方性炭素、フルフ
リルアルコール樹脂焼成体等の難黒鉛化性炭素の熱処理
物、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化MCMB、黒鉛化メソ
フェーズピッチ系炭素繊維、黒鉛ウイスカー等の黒鉛質
材料、またはこれらの混合物からなる炭素材料、窒化リ
チウム、もしくは金属リチウム、またはこれらの混合物
を用いることができ、特に炭素材料が好ましい。 【0036】負極板についても正極板と同様に、上記負
極活物質、結着剤およびNMP等の分散媒との混合物を
銅箔に塗布し、次に乾燥して完成する。 【0037】次に、正極板と負極板との間に有孔性ポリ
マー電解質を介在させて巻き回した発電要素を電池ケー
スに挿入し、電解液を注入する。負極板活物質として、
グラファイトなどの炭素材料を使用した場合は、すみや
かに予備充電をおこなうことが好ましい。 【0038】次に、流体通路を電池ケースの表面に配置
する。次に、この流体通路に、有孔性ポリマー電解質を
融解できる温度にまで電池を暖めることができる溶媒、
溶液または気体をゆきわたらせる。なお、加熱温度とと
もに加熱時間も重要なファクターであるが、加熱時間
は、電池の大きさや使用するポリマーの種類、あるいは
加熱方法などに応じて、最適の時間を選択すればよい。 【0039】さらに、負極板材料としてグラファイト等
を使用した場合においては、放電状態(グラファイト層
間にリチウムイオンが極力挿入されていない状態)にお
いて加熱をおこなうのが好ましい。ただし、コバルト酸
リチウム/グラファイト系リチウム二次電池、ニッケル
酸リチウム/グラファイト系リチウム二次電池またマン
ガン酸リチウム/グラファイト系リチウム二次電池など
は放電時に発熱する。つまり、低レベルの充電状態にあ
る電池を極めて高率で放電すると、IRによって電池内
部の温度上昇が加速される。これを利用して、電池内部
をすみやかに所定の温度に到達させ、冷却管にゆきわた
らせる溶媒、または気体によって、その所定の温度に保
持するという方法も挙げられる。 【0040】また本発明において、正極板と負極板との
間に備える有孔性ポリマー電解質としては、上述したよ
うにあらかじめ電極とは独立したものを作製しておき、
電池組立時に正極板と負極板間に挟んでもよいし、ある
いは、電極表面に有孔性ポリマー電解質層を一体に形成
してもよい。また、ポリオレフィン製などのセパレータ
の両面に有孔性ポリマー電解質を形成しておいてもよ
い。 【0041】また、例えば、負極板表面に有孔性ポリマ
ー層を直接形成し、正極板と負極板とが有孔性ポリマー
層で電気的に絶縁された状態として積層し、巻き回し
て、角形、円筒形、または樹脂加工したアルミニウムシ
ート等の電池ケース内に配置し、リチウム二次電池用電
解液を注入して電池としてもよい。 【0042】電解液としては、その溶媒として、エチレ
ンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラク
トン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
1、2−ジメトキシエタン、1、2−ジエトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、も
しくはこれらの混合物を用いることができる。 【0043】また、電解液に含有させる塩としては、L
iPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、Li
SCN、LiI、LiCF3SO3、LiCl、LiB
r、LiCF3CO2等のリチウム塩、もしくはこれらの
混合物を用いることができる。 【0044】また、本発明の非水電解質二次電池の安全
性を向上させるために、正極板または負極板の少なくと
も一方の電極内部に有孔性ポリマー電解質を備えること
が好ましい。電極内部に有孔性ポリマー電解質を備える
ことにより、従来のリチウムイオン二次電池よりも電解
液量を少なくすることができるからである。また、電極
内部に備えた有孔性ポリマー電解質は、活物質粒子同士
の結着剤としても機能するために、そのサイクルにとも
なう放電容量の低下を著しく抑制できる。ここで、「電
極内部」とは、電極合剤層間の最表層に存在する間隙お
よび電極内部の電極合剤層の粒子間に存在する間隙を表
わすものとする。 【0045】なお、電極内部に有孔性ポリマー電解質を
備える場合は、たとえば、紫外線照射による貫通孔作成
方法や相転移法等を用いることができ、中でも先に述べ
た相転移法のひとつである湿式法による方法が好まし
い。湿式法とは、第1の溶媒にポリマーを溶解したポリ
マー溶液から、抽出用の第2の溶媒を用いて第1の溶媒
を抽出することにより有孔性ポリマーを得る方法であっ
て、ポリマー溶液を、ポリマーに対して不溶であり、第
1の溶媒と相溶性のある第2の溶媒中に浸漬することに
よって、第1の溶媒を抽出し、第1の溶媒が除去された
部分が孔となって、有孔性ポリマーが形成されるという
ものである。そして、この湿式法では、ポリマーに開口
部が円形の貫通孔を形成することができる。 【0046】ポリマーを溶解する第1の溶媒としては、
ポリマーに合わせて、例えば、ジメチルホルムアミド、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート等の炭酸エステル、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル、ジメチルアセトアミド、1−メ
チル−ピロリジノン、n−メチル−2−ピロリドンやこ
れらの混合物を用いることができる。 【0047】ポリマー溶液中の第1の溶媒を抽出する第
2の溶媒としては、第1の溶媒と相溶性のあるものが選
択され、例えば水、アルコール、アセトン、これらの混
合溶液を用いることができる。 【0048】 【実施例】以下、本発明の実施例について説明する [実施例1]正極活物質として、LiNi0.85Co0.15
2を使用し、負極活物質としてグラファイトを用い、
正極板と負極板との間に備える有孔性ポリマー電解質の
材質として13wt%のヘキサフルオロプロピレン(H
FP)を共重合させたP(VdF/HFP)(分子量約
30万)とを用いて、以下のような電池を製作した。な
お、P(VdF/HFP)の融点を示差走査熱測定によ
って求めたところ、およそ96℃であることがわかっ
た。 【0049】まず、次のようにして、正極板を作製し
た。LiNi0.85Co0.152粒子48.7wt%、ア
セチレンブラック2.7wt%、PVdF3.3wt
%、NMP45.3wt%を混合したペーストをアルミ
ニウム箔の両面に塗布し、90℃で乾燥してNMPを蒸
発させ、正極本体を準備した。 【0050】次に、6wt%のHFPを共重合させたP
(VdF/HFP)(分子量約30万)を、NMPに8
wt%溶解させたポリマー溶液を準備し、この中に上記
正極本体を浸漬し、正極本体にポリマー溶液を含浸し
た。そして、正極表面に余剰に付着したポリマー溶液を
ローラーに通して除去した後、正極板をイオン交換水
(25℃)に浸漬してNMPの抽出をおこなった。 【0051】この正極板を取り出し、130℃で乾燥を
おこない、その後プレスした。プレス後の正極の厚さは
160μmであった。正極単位面積当たりに充填された
活物質の質量は20mg/cm2であった。 【0052】次に、負極板活物質としてグラファイトを
使用し、以下のようにして負極板を作製した。グラファ
イト81wt%、PVdF9wt%、NMP10wt%
を混合したペーストを厚さ14μmの銅箔の両面に塗布
し、90℃で乾燥してNMPを蒸発させて負極本体を準
備した。 【0053】次に、6wt%のHFPを共重合させたP
(VdF/HFP)(分子量約30万)を、NMPに6
wt%溶解させたポリマー溶液を準備し、この中に上記
負極本体を浸漬し、負極本体にポリマー溶液を担持し
た。そして、負極表面に余剰に付着したポリマー溶液を
ローラーに通して除去した後、負極板をイオン交換水
(25℃)に浸漬してNMPの抽出をおこなった。 【0054】この電極を取り出し、100℃で乾燥をお
こない、その後プレスした。プレス後の負極板の厚さは
208μmであった。負極板単位面積当たりに充填され
た活物質の質量は15mg/cm2であった。 【0055】次に、有孔性ポリマー膜を湿式法により製
作した。13wt%のHFPを共重合させたP(VdF
/HFP)20wt%、NMP80wt%からなる溶液
を準備した。このポリマー溶液を、ガラス板上にドクタ
ーブレード法を用いてキャストし、エタノールを75w
t%含んだイオン交換水中に浸漬して有孔性ポリマー膜
を製作した。その膜厚は、25μmであり、空隙率は5
7%であった。 【0056】正極板と負極板との間にこの有孔性ポリマ
ー膜を介在させ、重ねて巻き回したものを巻回型極板群
とし、これをアルミニウムケースに挿入して電池を組み
立てた。その後、1mol/lのLiPF6を含むエチ
レンカーボネートとジエチルカーボネートの混合電解液
(体積比1:1)を加えて封口した。電解液の注液量
は、正極、負極、有孔性ポリマー膜の空孔体積合計の1
20%とした。その後、速やかに120mAの電流で2
時間充電した。さらに、20Aの電流で4.2Vまで充
電し、つづいて4.2Vの定電圧で2時間充電した。次
に、10Aの電流で2.75Vまで放電した。これを室
温にて3サイクル実施した。こうして公称容量100A
hの電池を64個製作した。 【0057】次に、製作した単電池8個を接続してユニ
ットを構成した。このユニットをさらに8個接続して組
電池を構成した。その後、この組電池の各単電池に、図
1で示したものと同じ形状の流体通路を巻き付けた。 【0058】次に、温度を100℃に設定したエチレン
グリコールと水の混合物(1:6)を、流体通路中を循
環させた。こうして、有孔性ポリマー電解質と正極板、
および有孔性ポリマー電解質と負極板とを固着させ、本
発明による製造方法を用いた組電池Aを得た。 【0059】[比較例1]まず個々の電池を製作し、つ
ぎに個々の電池に加熱処理を施し、その後、組電池とし
た、従来の電池の製造方法について述べる。 【0060】実施例1と同一の工程を経て、正極板と負
極板との間に有孔性ポリマー電解質を備えた100Ah
の電池を64個製作した。まず、64個の電池を8個づ
つ、100℃に設定した恒温槽中に配置し、加熱処理を
おこない、有孔性ポリマー電解質と電極とを固着した。
次に、この64個の電池を接続して組電池とした。この
ようにして、従来の製造方法を用いた組電池Bを得た。 【0061】組電池Aの製造方法と組電池Bの製造方法
とを比較すると、組電池Aでは、組電池作製に必要な時
間は、組電池Aと比べ、きわめて短時間であった。これ
は、あらかじめ電池ケースの表面に備えられた流体通路
を、有孔性ポリマー電解質と電極との加熱・固着に利用
することができたためである。 【0062】つぎに、組電池Aにおいて、流体通路中の
100℃のエチレングリコールと水の混合物(1:6)
を除去した。ここで、流体通路に冷却用の流体を流さず
に2C率で放電すると、組電池を構成する個々の電池の
内部温度は急激に80℃以上に上昇する。この場合、負
極活物質であるグラファイトにリチウムイオンが多く扱
蔵された状態で電池内部が高温となるために好ましくな
い。また、高温で電池を使用することになるため、サイ
クル性能が著しく低下する。 【0063】しかし、次に流体通路中に、例えば約25
℃に設定したエチレングリコールと水との混合物(1:
6)を循環させると、放電中においても個々の電池内部
の温度を30℃程度に保持できた。 【0064】 【発明の効果】本発明は、電池ケース表面に流体通路を
設け、この電池ケース内に正極と負極との間に有孔性ポ
リマー電解質を備えた発電要素を収納した非水電解質二
次電池の製造方法において、流体通路に加熱用の第1の
流体を注入することにより、有孔性ポリマー電解質と正
極および有孔性ポリマー電解質と負極とを固着した後、
流体通路に第2の流体を注入するものである。 【0065】本発明の非水電解質二次電池の製造方法に
おいては、あらかじめ電池ケースの表面に備えられた流
体通路を、有孔性ポリマー電解質と電極との加熱・固着
に利用することができ、その後、流体通路中の加熱用の
第1の流体を冷却用の第2の流体と交換することによ
り、第2の流体を電池を放電する場合の冷却用に利用す
るという、簡単な方法で、大容量の非水電解質二次電池
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】管状の流体通路が電池ケースの表面に巻きつけ
られた本発明の電池の外観を示す図。 【図2】管状の流体通路が電池ケースの表面に蛇行する
形で設けられた本発明の電池の外観を示す図。 【図3】流体通路が、電池ケースと電池ケースの外枠と
の間の空間によって形成された本発明の電池の外観を示
す図。 【図4】流体通路が、電池ケースと電池ケースの外枠と
の間の空間によって形成され、流体通路には仕切板が多
数設けられた本発明の電池の外観を示す図。 【符号の説明】 1 非水電解質二次電池 4 電池ケース 5 流体通路 8 電池ケースの外枠

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】電池ケース表面に流体通路を設け、前記電
    池ケース内に正極と負極との間に有孔性ポリマー電解質
    を備えた発電要素を収納した非水電解質二次電池の製造
    方法において、前記流体通路に加熱用の第1の流体を注
    入することにより、前記有孔性ポリマー電解質と前記正
    極および前記有孔性ポリマー電解質と前記負極とを固着
    した後、前記流体通路に冷却用の第2の流体を注入する
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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