JP2003014105A - 変速操作装置 - Google Patents

変速操作装置

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JP2003014105A JP2001200802A JP2001200802A JP2003014105A JP 2003014105 A JP2003014105 A JP 2003014105A JP 2001200802 A JP2001200802 A JP 2001200802A JP 2001200802 A JP2001200802 A JP 2001200802A JP 2003014105 A JP2003014105 A JP 2003014105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シフトアクチュエータを構成する一対の電磁
ソレノイドの一対の可動鉄心に作用する重力の影響を互
いに相殺するとともの加速度の影響をなくし、常に一定
のシフト作動力を得ることができるシフトアクチュエー
タを備えた変速操作装置を提供する。 【解決手段】 ケーシング内に配設されシフトレバーを
軸方向に摺動可能で且つ回動可能に支持するシフトレバ
ー支持機構と、シフトレバーをセレクト方向である軸方
向に作動するセレクトアクチュエータと、シフトレバー
をシフト方向に作動するシフトアクチュエータとを有す
る変速操作装置であって、シフトアクチュエータは、上
下方向に作動する第1の電磁ソレノイドおよび第2の電
磁ソレノイドと、シフトレバー支持機構に中間部が装着
された作動レバーとを有し、第1の電磁ソレノイドの作
動ロッドが作動レバーの一端部と連結され、第2の電磁
ソレノイドの作動ロッドが作動レバーの他端部と連結さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
変速機の変速操作を行うための変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】変速機の変速操作を行う変速操作装置
は、変速機構のシフトレバーをセレクト方向に作動する
セレクトアクチュエータと、該シフトレバーをシフト方
向に作動するシフトアクチュエータとからなっている。
このようなセレクトアクチュエータおよびシフトアクチ
ュエータとしては、一般に空気圧や油圧等の流体圧を作
動源とした流体圧シリンダが用いられている。この流体
圧シリンダを用いたセレクトアクチュエータおよびシフ
トアクチュエータは、流体圧源と各アクチュエータとを
接続する配管が必要であるとともに、作動流体の流路を
切り換えるための電磁切り換え弁を配設する必要があ
り、これらを配置するためのスペースを要するととも
に、装置全体の重量が重くなるという問題がある。また
近年、圧縮空気源や油圧源を具備していない車両に搭載
する変速機の変速操作装置として、電動モータによって
構成したセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュ
エータが提案されている。電動モータによって構成した
セレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータ
は、流体圧シリンダを用いたアクチュエータのように流
体圧源と接続する配管や電磁切り換え弁を用いる必要が
ないので、装置全体をコンパクトで且つ軽量に構成する
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電動モータを用いたア
クチュエータにおいては、所定の作動力を得るために減
速機構が必要となる。この減速機構としては、ボールネ
ジ機構を用いたものと、歯車機構を用いたものが提案さ
れている。これらボールネジ機構および歯車機構を用い
たアクチュエータは、ボールネジ機構および歯車機構の
耐久性および電動モータの耐久性、作動速度において必
ずしも満足し得るものではない。
【0004】本出願人は、減速機構等を用いずにシフト
レバーをシフト方向およびセレクト方向に作動すること
ができるセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュ
エータの駆動源として、電磁ソレノイドを用いた変速操
作装置を特願2001−183470として提案した。
而して、電磁ソレノイドは軸方向に作動する質量の大き
い可動鉄心を有するため、可動鉄心が自体の重力および
車両の加速度の影響を受けるので、電磁ソレノイドの配
置および車両の運転状態によって作動力が変化する。即
ち、セレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエー
タは一般に水平に配置されるので、車両が傾斜路を走行
している場合や加減速状態において電磁ソレノイドの可
動鉄心はそれぞれの方向の加速度と重力の影響を受け
る。特に、シフトアクチュエータは第1のシフト方向と
第2のシフト方向へ作動するために一対の電磁ソレノイ
ドを具備するため、運転状態によって作動力が減少した
場合にはシフト作動力が不足する虞がある。
【0005】本発明は上記事実に鑑みてなされたもの
で、その主たる技術的課題は、シフトアクチュエータを
構成する一対の電磁ソレノイドの一対の可動鉄心に作用
する重力の影響を互いに相殺するとともの加速度の影響
をなくし、常に一定のシフト作動力を得ることができる
シフトアクチュエータを備えた変速操作装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記技
術的課題を解決するために、ケーシングと、該ケーシン
グ内に配設されシフトレバーを軸方向に摺動可能で且つ
回動可能に支持するシフトレバー支持機構と、該シフト
レバーをセレクト方向である軸方向に作動するセレクト
アクチュエータと、該シフトレバーをシフト方向に作動
するシフトアクチュエータとを有する変速操作装置にお
いて、該シフトアクチュエータは、上下方向に作動する
第1の電磁ソレノイドおよび第2の電磁ソレノイドと、
該シフトレバー支持機構に中間部が装着された作動レバ
ーとを有し、該第1の電磁ソレノイドの作動ロッドが該
作動レバーの一端部と連結され、該第2の電磁ソレノイ
ドの作動ロッドが該作動レバーの他端部と連結されてい
る、ことを特徴とする変速操作装置が提供される。
【0007】上記ケーシング内に配設されたシフトレバ
ー支持機構は略水平状態に配置されており、上記シフト
アクチュエータを構成する第1の電磁ソレノイドおよび
第2の電磁ソレノイドはシフトレバー支持機構の下側に
配置されている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
変速操作装置の好適実施形態を図示している添付図面を
参照して、更に詳細に説明する。
【0009】図1は本発明に従って構成された変速操作
装置の一実施形態の一部を破断して示す平面図、図2は
図1におけるA−A線断面図、図3は図1におけるB−
B線断面図である。 図示の実施形態における変速操作
装置2は、後述するシフトレバーを支持する筒状のケー
シング3と、該ケーシング3に装着されたセレクトアク
チュエータ4およびシフトアクチュエータ7とから構成
されている。ケーシング3は、一端部(図1および図2
において右端部)における側部(図1において上側部)
にセレクトアクチュエータ装着部31を備えているとと
もに、一端部(図1および図2において右端部)におけ
る下側部(図2において下側部)にシフトアクチュエー
タ装着部32を備えている。また、ケーシング3の中央
部の下部には開口33が形成されている。
【0010】上記のように構成されたケーシング3内に
は、コントロールシャフト35が回動可能に配設されて
いる。即ち、コントロールシャフト35は、一端部(図
1および図2において右端部)がケーシング3の一端部
に配設された軸受361に回動可能に支持され、他端部
(図1および図2において左端部)がケーシング3の他
端部に配設された軸受362に回動可能に支持されてい
る。このコントロールシャフト35にシフトレバー37
が装着されている。このシフトレバー37は、上記コン
トロールシャフト35と嵌合する穴を備えた装着部37
1と該装着部371から径方向に突出して形成されたレ
バー部372とからなっており、レバー部372が図2
に示すようにケーシング3の下部に形成された開口33
を挿通して配設されている。シフトレバー37の装着部
371にはコントロールシャフト35と嵌合する穴の内
周面に形成された内歯スプライン部371aが設けられ
ており、この内歯スプライン部371aがコントロール
シャフト35の中央部に形成された外歯スプライン部3
51と軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されている。
このようにシフトレバー37を軸方向に摺動可能に支持
するとともにケーシング31に回動可能に支持されたコ
ントロールシャフト35は、ケーシング内に配設された
シフトレバー37を軸方向に摺動可能で且つ回動可能に
支持するシフトレバー支持機構として機能する。なお、
シフトレバー支持機構として機能するコントロールシャ
フト35は、図示の実施形態においてはケーシング3内
に略水平状態に配置される。
【0011】上述したようにシフトレバー支持機構とし
てのコントロールシャフト35によって軸方向に摺動可
能で且つ回動可能に支持されたシフトレバー37は、レ
バー部372の先端部が第1のセレクト位置SP1、第
2のセレクト位置SP2、第3のセレクト位置SP3、
第4のセレクト位置SP4に配設された図示しない変速
機のシフト機構を構成するシフトブロック301、30
2、303、304と適宜係合するようになっている。
なお、図示の実施形態においては、第1のセレクト位置
SP1は後進−1速段セレクト位置、第2のセレクト位
置SP2は2速−3速段セレクト位置、第3のセレクト
位置SP3は4速−5速段セレクト位置、第4のセレク
ト位置SP4は6速段セレクト位置に設定されている。
【0012】次に、シフトレバー37を軸方向であるセ
レクト方向に作動するセレクトアクチュエータ4につい
て、主に図1を参照して説明する。図示の実施形態にお
けるセレクトアクチュエータ4は、駆動源となる電磁ソ
レノイド40と、該電磁ソレノイド40によって作動さ
れ上記シフトレバー37を作動せしめるセレクト作動機
構50を具備している。電磁ソレノイド40は、セレク
トアクチュエータ装着部31にボルト等の固着手段40
1によって取り付けられた筒状のケース41と、該ケー
ス41内に配設された電磁コイル42と、該電磁コイル
42内に配設された固定鉄心43と、該固定鉄心43の
一端面(図1において上端面)と対向して同一軸上に配
設された可動鉄心44と、該可動鉄心44に装着された
作動ロッド45と、上記筒状のケース41の一端(図1
および図2において上端)に取り付けられたカバー46
を具備している。
【0013】上記筒状のケース41は、一端(図1にお
いて上端)には中央部に穴412を有する端壁411を
備えており、他端(図1において下端)が開放されてい
る。上記電磁コイル42は、合成樹脂等の非磁性材から
なる環状のボビン47に捲回されケース41の内周に沿
って配設されている。上記固定鉄心43は、磁性材によ
って形成され、他端(図1において下端)にはフランジ
部431が設けられており、このフランジ部431を介
してケース41の他端側(図1において下端側)に装着
されている。上記可動鉄心44は、磁性材によって形成
され、固定鉄心43に対して軸方向に接離可能に構成さ
れている。上記作動ロッド45は、ステンレス鋼等の非
磁性材によって形成され、その一端部(図1において上
端部)に小径部451が設けられている。このように構
成された作動ロッド45は、小径部451を上記可動鉄
心44の中央部に形成された穴441に挿通し、一端を
カシメることにより可動鉄心44に装着する。このよう
にして可動鉄心44に一端部が装着された作動ロッド4
5は、他端部が上記固定鉄心43の中央部に形成された
穴432を貫通して軸方向に摺動可能に配置され、ケー
シング31の側方に設けられたセレクト作動機構収容室
313内に進退可能に構成されている。この作動ロッド
45の他端部にはボールジョイント452が設けられて
いる。上記カバー46は、ビス48によってケース41
の一端に装着され、ケース41の一端および可動鉄心4
4の一端部を覆う。
【0014】次に、セレクト作動機構50について説明
する。図示の実施形態におけるセレクト作動機構50
は、上記セレクト作動機構収容室313内に収容されて
おり、第1のレバー51と第2のレバー52と第3のレ
バー53および第4のレバー54を具備している。第1
のレバー51は、一端部が上下方向(図1において紙面
に垂直な方向)に配設された支持軸55に装着されてお
り、他端部が上記電磁ソレノイド40の作動ロッド45
の他端部に設けられたボールジョイント452と摺動可
能に連結されている。第2のレバー52は、一端部が上
記支持軸55に装着されており、他端部には係合ピン5
6が取り付けられている。第3のレバー53は、一端部
が上下方向(図1において紙面に垂直な方向)に配設さ
れた支持軸57に装着され、その他端部には長穴531
が形成されており、この長穴531に上記第2のレバー
52の他端部に取り付けられた係合ピン56が嵌合する
ようになっている。第4のレバー54は、一端部が上記
支持軸57に装着されており、その他端部に形成された
作動部541が図3に示すように上記シフトレバー37
の装着部371に形成された係合溝371bに嵌合する
ように構成されている。
【0015】図示の実施形態におけるセレクトアクチュ
エータ4を構成する電磁ソレノイド40およびセレクト
作動機構50は以上のように構成されており、電磁コイ
ル42に通電すると固定鉄心43が磁化され、可動鉄心
44は固定鉄心43に吸引されて可動鉄心44即ち作動
ロッド45には図1において下方への推力が発生する。
この可動鉄心44即ち作動ロッド45に発生する推力の
大きさは、電磁コイル42に供給する電力量によって決
まる。電磁コイル42に通電することによって可動鉄心
44即ち作動ロッド45が図1において下方に移動する
と、上記第1のレバー51と第2のレバー52と第3の
レバー53および第4のレバー54がそれぞれ図1にお
いて実線および破線で示す位置から2点鎖線で示す位置
まで作動せしめられる。この結果、第4のレバー54の
作動部541によって作動せしめられるシフトレバー3
7は、図2において実線で示す第1のセレクト位置SP
1から第4のセレクト位置SP4まで作動せしめられ
る。
【0016】図示の実施形態におけるセレクトアクチュ
エータ4は、図2に示すように上記電磁ソレノイド40
の電磁コイル42に供給する電力量に対応して可動鉄心
44即ち作動ロッド45に発生する推力の大きさと協働
してシフトレバー37を上記第1のセレクト位置SP
1、第2のセレクト位置SP2、第3のセレクト位置S
P3、第4のセレクト位置SP4に位置規制するための
セレクト位置規制機構6を具備している。セレクト位置
規制機構6は、上記コントロールシャフト35の中央部
において上記シフトレバー37の装着部371の図2に
おいて右側に軸方向に摺動可能に配設された第1の移動
リング61と第2の移動リング62を具備している。第
1の移動リング61は、ケーシング3の内周面に設けら
れた第1のストッパー3aによって図2において左方へ
の移動が規制される。第2の移動リング62は、ケーシ
ング3の内周面に第1のストッパー3aより所定間隔を
おいて図2において右側に設けられた第2のストッパー
3bによって図2において左方への移動が規制され、ケ
ーシング3の内周面に第2のストッパー3bより図2に
おいて右側に設けられた第3のストッパー3cによって
図2において右方への移動が規制される。従って、第2
の移動リング62は、第2のストッパー3bと第3のス
トッパー3cとの間を移動可能に構成されている。な
お、上記第1の移動リング61は、上記第2のストッパ
ー3bの内径より小径に形成されており、従って、第2
のストッパー3bを越えて図2において右方へ作動する
ことができる。
【0017】上記第1の移動リング61とシフトレバー
37の装着部371との間には第1の圧縮コイルばね6
3が配設され、第1の移動リング61と第2の移動リン
グ62との間には第2の圧縮コイルばね64が配設され
ている。また、第2の移動リング62と第3のストッパ
ー3cとの間には第3の圧縮コイルばね65が配設され
ている。なお、第2の圧縮コイルばね64のばね力は第
1の圧縮コイルばね63のばね力より大きく設定されて
おり、第3の圧縮コイルばね65のばね力は第2の圧縮
コイルばね64のばね力より大きく設定されている。従
って、第1の移動リング61は、第1のストッパー3a
に当接せしめられ、第2の移動リング62は第2のスト
ッパー3bに当接せしめられている。
【0018】図示の実施形態におけるセレクトアクチュ
エータ4は以上のように構成されており、以下その作用
について説明する。セレクトアクチュエータ4の電磁ソ
レノイド40を構成する電磁コイル42に電力が供給さ
れていないとき(非通電時)には、電磁ソレノイド40
を構成する可動鉄心44と作動ロッド45およびセレク
ト作動機構50は図1において実線で示す状態に位置付
けられている。そして、セレクト位置規制機構6を構成
する第1の移動リング61および第2の移動リング62
は第1の圧縮コイルばね63と第2の圧縮コイルばね6
4および第3の圧縮コイルばね65のばね力が釣り合っ
た図2に示す状態に位置付けら、この結果、シフトレバ
ー37は第1の作動位置(P1)に位置付けられてい
る。この第1の作動位置(P1)は本実施形態において
は上述したように後進−1速段セレクト位置に設定され
ているので、電磁ソレノイド40が故障した場合にはセ
レクトアクチュエータ4はシフトレバー37を後進−1
速段セレクト位置に位置付けることになる。従って、電
磁ソレノイド40が故障した場合には、車両の発進が可
能な1速段または後進段にシフトすることができるの
で、車両を修理工場などの所定の場所まで走行すること
ができる。
【0019】図1および図2に示す状態からセレクトア
クチュエータ4の電磁ソレノイド40を構成する電磁コ
イル42に例えば2Vの電圧を印加すると、可動鉄心4
4は固定鉄心43に吸引され、可動鉄心44および作動
ロッド45には図1において下方への推力が発生する。
この結果、セレクト作動機構50を構成する各レバーが
図1において実線で示す状態から2点鎖線で示す方向に
作動され、図4の(a)に示すようにシフトレバー37
が第1の圧縮コイルばね63のばね力に抗して図におい
て右方に移動せしめられる。そして、シフトレバー37
は、装着部371の右端面が第1の移動リング61に当
接した位置で停止し、図4の(a)に示すように第2の
作動位置(P2)に位置付けられる。
【0020】次に、セレクトアクチュエータ4の電磁ソ
レノイド40を構成する電磁コイル42に例えば4Vの
電圧を印加すると、可動鉄心44および作動ロッド45
に発生する下方への推力が増大する。この結果、セレク
ト作動機構50を構成する各レバーが図1において2点
鎖線で示す方向に更に作動され、図4の(b)に示すよ
うにシフトレバー37が第1の移動リング61に当接し
た状態で第1の圧縮コイルばね63および第2の圧縮コ
イルばね64のばね力に抗して図において右方へ更に移
動せしめられる。そして、シフトレバー37は、第1の
移動リング61が第2の移動リング62に当接した位置
で停止し、図4の(b)に示すように第3の作動位置
(P3)に位置付けられる。
【0021】次に、セレクトアクチュエータ4の電磁ソ
レノイド40を構成する電磁コイル42に例えば8Vの
電圧を印加すると、可動鉄心44および作動ロッド45
に発生する下方への推力が更に増大する。この結果、セ
レクト作動機構50を構成する各レバーが図1において
2点鎖線で示す位置まで作動され、図4の(c)に示す
ようにシフトレバー37が第1の移動リング51を第2
の移動リング62に当接した状態で第1の圧縮コイルば
ね63と第2の圧縮コイルばね64および第3の圧縮コ
イルばね65のばね力に抗して図において右方へ更に移
動せしめられる。そして、シフトレバー37は、第2の
移動リング62が第3のストッパー3cに当接した位置
で停止し、図4の(c)に示すように第4の作動位置
(P4)に位置付けられる。
【0022】以上のように、変速操作装置2を構成する
セレクトアクチュエータ4は、ケーシング3内に軸方向
に摺動可能で且つ回動可能に支持されたシフトレバー3
7を電磁ソレノイド40によって作動するので、回転機
構がないため耐久性が向上するとともに、電動モータを
用いたアクチュエータのようにボールネジ機構や歯車機
構からなる減速機構が不要となるので、コンパクトに構
成することができるとともに、作動速度を速くすること
ができる。更に、図示のセレクトアクチュエータ4はセ
レクト位置規制機構6を備え、電磁コイル42に供給す
る電力量に対応して作動ロッド45に発生する推力に応
じてシフトレバー37を複数のセレクト動位置に位置付
けるように構成したので、1個の電磁ソレノイドによっ
て複数のセレクト位置をとることができるため、コンパ
クトで且つ安価となる。
【0023】次に、シフトアクチュエータ7について、
主に図3を参照して説明する。図示のシフトアクチュエ
ータ7は、上記コントロールシャフト35をシフト方向
に回動せしめる駆動源としての第1の電磁ソレノイド7
0および第2の電磁ソレノイド80と、該両電磁ソレノ
イドによって作動されコントロールシャフト35を回動
せしめる作動レバー90を具備している。第1の電磁ソ
レノイド70および第2の電磁ソレノイド80は、コン
トロールシャフト35の下側に上下方向に作動するよう
に互いに並列に配設されケーシング3の一端部に設けら
れたシフトアクチュエータ装着部32にボルト、ナット
等の固着手段701によって取り付けられている。上記
作動レバー90は、その中間部にはピン孔91が形成さ
れており、その両端部にそれぞれ連結部92、93を備
えている。このように形成された作動レバー90は、コ
ントロールシャフト35の一端部に軸芯に直交するよう
に形成された穴352に挿入し、コントロールシャフト
35に形成されたピン孔353と上記ピン孔91にピン
94を嵌入することによってコントロールシャフト35
に装着される。
【0024】次に、第1の電磁ソレノイド70について
説明する。第1の電磁ソレノイド70は、上記セレクト
アクチュエータ4の電磁ソレノイド40と同様の構成で
あり、筒状のケース71と、該ケース71内に配設され
合成樹脂等の非磁性材からなる環状のボビン77に捲回
された電磁コイル72と、該電磁コイル72内に配設さ
れ磁性材によって形成された固定鉄心73と、該固定鉄
心73の一端面と対向して同一軸上に配設され磁性材に
よって形成された可動鉄心74と、ステンレス鋼等の非
磁性材からなり一端部が該可動鉄心74に装着され他端
部が固定鉄心73の中央部に形成された穴731を貫通
して軸方向に摺動可能に配置され作動ロッド75と、上
記筒状のケース71の一端にビス78によって取り付け
られたカバー76とからなっている。第1の電磁ソレノ
イド70を構成する作動ロッド75の他端部にはボール
ジョイント750が設けられている。このボールジョイ
ント750に上記作動レバー90の一端部に設けられた
連結部92を摺動可能に連結する。このように構成され
た第1の電磁ソレノイド70は、電磁コイル72に通電
されると、可動鉄心74が固定鉄心73に吸引される。
この結果、可動鉄心74に装着された作動ロッド75が
図3において上方に移動し、該作動ロッド75と一端部
に設けられた連結部92が連結されている作動レバー9
0がコントロールシャフト35を中心として図3におい
て反時計方向に回動する。これにより、作動レバー90
を装着したコントロールシャフト35が回動するので、
コントロールシャフト35とスプライン嵌合されている
シフトレバー37が第1の方向にシフト作動せしめられ
る。
【0025】次に、第2の電磁ソレノイド80について
説明する。第2の電磁ソレノイド80も上記第1の電磁
ソレノイド70と同様に、筒状のケース81と、該ケー
ス81内に配設され合成樹脂等の非磁性材からなる環状
のボビン87に捲回された電磁コイル82と、該電磁コ
イル82内に配設され磁性材によって形成された固定鉄
心83と、該固定鉄心83の一端面と対向して同一軸上
に配設され磁性材によって形成された可動鉄心84と、
ステンレス鋼等の非磁性材からなり一端部が該可動鉄心
84に装着され他端部が固定鉄心83の中央部に形成さ
れた穴831を貫通して軸方向に摺動可能に配置され作
動ロッド85と、上記筒状のケース81の一端にビス8
8によって取り付けられたカバー86とからなってい
る。第2の電磁ソレノイド80を構成する作動ロッド8
5の他端部にはボールジョイント850が設けられてい
る。このボールジョイント850に上記作動レバー90
の他端部に設けられた連結部93を摺動可能に連結す
る。このように構成された第2の電磁ソレノイド80
は、電磁コイル82に通電されると、可動鉄心84が固
定鉄心83に吸引される。この結果、可動鉄心84に装
着された作動ロッド85が図3において上方に移動し、
該作動ロッド85と一端部に設けられた連結部93が連
結されている作動レバー90がコントロールシャフト3
5を中心として図3において時計方向に回動する。これ
により、作動レバー90を装着したコントロールシャフ
ト35が回動するので、コントロールシャフト35とス
プライン嵌合されているシフトレバー37が第2の方向
にシフト作動せしめられる。
【0026】以上のように図示の実施形態におけるシフ
トアクチュエータ7は、シフトレバー37を装着したコ
ントロールシャフト35の下側に上下方向に作動するよ
うに互いに並列に配設された第1の電磁ソレノイド70
および第2の電磁ソレノイド80と、中間部がコントロ
ールシャフト35に装着された作動レバー90とからな
り、第1の電磁ソレノイド70の作動ロッド75が作動
レバー90の一端部と連結され、第2の電磁ソレノイド
80の作動ロッド85が作動レバー90の他端部と連結
されているので、作動ロッド75と85を装着した可動
鉄心74と84に作用する重力影響を互いに相殺するこ
とができる。また、第1の電磁ソレノイド70および第
2の電磁ソレノイド80は上記のように上下方向に作動
するように配設されているので、車両の加減速による加
速度の影響を受けることもないとともに、可動鉄心74
と84の摺動抵抗も極めて小さくなる。従って、図示の
実施形態におけるシフトアクチュエータ7によれば、第
1の電磁ソレノイド70および第2の電磁ソレノイド8
0の電磁コイル72および82に供給する電力に対して
常に一定のシフト作動力を得ることができる。
【0027】図示の実施形態における変速操作装置2
は、上記シフトレバー37の軸方向位置、即ちセレクト
方向の位置を検出するためのセレクト位置検出センサ1
0を具備している。このセレクト位置検出センサ10は
ポテンショメータからなり、その回動軸101にレバー
102の一端部が取り付けられており、このレバー10
2の他端部に取り付けられた係合ピン103が上記シフ
トレバー37の装着部371の側面に設けられた係合溝
371cに係合している。従って、シフトレバー37が
図2において左右に移動すると、レバー102が回動軸
101を中心として揺動するため、回動軸101が回動
してシフトレバー37の軸方向作動位置、即ちセレクト
方向位置を検出することができる。
【0028】また、図示の実施形態における変速操作装
置2は、上記シフトレバー37の回動位置、即ちシフト
ストローク位置を検出するシフトストローク位置検出セ
ンサ11を具備している。このシフトストローク位置検
出センサ11は、上記ケーシング31の他端(図2にお
いて左端)に装着されている。シフトストローク位置検
出センサ11はポテンショメータからなり、その回動軸
111がシフトレバー37とスプライン嵌合されている
コントロールシャフト35の他端に連結されている。従
って、シフトレバー37が回動するとコントロールシャ
フト35が回動してシフトレバー37の回動位置、即ち
シフトストローク位置を検出することができる。
【0029】以上のように図示の実施形態における変速
操作装置2は、セレクトアクチュエータ4を構成する電
磁ソレノイド40とシフトアクチュエータ7を構成する
第1の電磁ソレノイド70および第2の電磁ソレノイド
80がセレクトアクチュエータ3を構成するケーシング
の一端側に配設され、シフトレバー37即ちコントロー
ルシャフト35の回動量を検出するシフトストローク位
置検出センサ11がケーシングの他端側に配設されてい
るので、シフトストローク位置検出センサ11が上記各
電磁ソレノイドに発生する磁界の影響を受けることはな
い。また、図示の実施形態においては、セレクト位置検
出センサ10もケーシングの中央部に配設されているの
で、ケーシングの一端側に配設された上記各電磁ソレノ
イドに発生する磁界の影響を受けることはない。
【0030】
【発明の効果】本発明による変速操作装置は以上のよう
に構成されているので、以下に述べる作用効果を奏す
る。
【0031】即ち、本発明によれば、シフトレバーをシ
フト方向に作動するシフトアクチュエータは、上下方向
に作動する第1の電磁ソレノイドおよび第2の電磁ソレ
ノイドと、シフトレバーを軸方向に摺動可能で且つ回動
可能に支持するシフトレバー支持機構に中間部が装着さ
れた作動レバーとを有し、第1の電磁ソレノイドの作動
ロッドが作動レバーの一端部と連結され、第2の電磁ソ
レノイドの作動ロッドが作動レバーの他端部と連結され
ているので、第1の電磁ソレノイドの作動ロッドと第2
の電磁ソレノイドの作動ロッドを装着したそれぞれの可
動鉄心に作用する重力影響を互いに相殺することができ
る。また、第1の電磁ソレノイドおよび第2の電磁ソレ
ノイドは上記のように上下方向に作動するように配設さ
れているので、車両の加減速による加速度の影響を受け
ることもないとともに、可動鉄心の摺動抵抗も極めて小
さくなる。従って、本発明による変速操作装置を構成す
るシフトアクチュエータによれば、第1の電磁ソレノイ
ドおよび第2の電磁ソレノイドの電磁コイルに供給する
電力に対して常に一定のシフト作動力を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された変速操作装置の一実
施形態を示すもので、一部を破談仕手示す平面図。
【図2】図1におけるA−A線断面図。
【図3】図1におけるB−B線断面図。
【図4】図1に示す変速操作装置を構成するセレクトア
クチュエータの作動説明図。
【符号の説明】
2:変速操作装置 3:ケーシング 35:コントロールシャフト 361、362:軸受 37:シフトレバー 4:セレクトアクチュエータ 40:電磁ソレノイ 41:筒状のケース 42:電磁コイル 43:固定鉄心 44:可動鉄心 45:作動ロッド 452:ボールジョイント 46:カバー 50:セレクト作動機構 51:第1のレバー 52:第2のレバー 53:第3のレバー 54:第4のレバー 6:セレクト位置規制機構 61:第1の移動リング 62:第2の移動リング 53:第1の圧縮コイルばね 54:第2の圧縮コイルばね 55:第3の圧縮コイルばね 7:シフトアクチュエータ 70:第1の電磁ソレノイド 71:ケース 72:電磁コイル 73:固定鉄心 74:可動鉄心 75:作動ロッド 750:ボールジョイント 76:カバー 80:第2の電磁ソレノイド 81:ケース 82:電磁コイル 83:固定鉄心 84:可動鉄心 85:作動ロッド 850:ボールジョイント 86:カバー 90:作動レバー 10:セレクト位置検出センサ 11:シフトストローク位置検出センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に配設さ
    れシフトレバーを軸方向に摺動可能で且つ回動可能に支
    持するシフトレバー支持機構と、該シフトレバーをセレ
    クト方向である軸方向に作動するセレクトアクチュエー
    タと、該シフトレバーをシフト方向に作動するシフトア
    クチュエータとを有する変速操作装置において、 該シフトアクチュエータは、上下方向に作動する第1の
    電磁ソレノイドおよび第2の電磁ソレノイドと、該シフ
    トレバー支持機構に中間部が装着された作動レバーとを
    有し、該第1の電磁ソレノイドの作動ロッドが該作動レ
    バーの一端部と連結され、該第2の電磁ソレノイドの作
    動ロッドが該作動レバーの他端部と連結されている、 ことを特徴とする変速操作装置。
  2. 【請求項2】 該ケーシング内に配設された該シフトレ
    バー支持機構は略水平状態に配置されており、該シフト
    アクチュエータを構成する該第1の電磁ソレノイドおよ
    び該第2の電磁ソレノイドは該シフトレバー支持機構の
    下側に配置されている、請求項1記載の変速操作装置。
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