JP2003013832A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2003013832A
JP2003013832A JP2001195763A JP2001195763A JP2003013832A JP 2003013832 A JP2003013832 A JP 2003013832A JP 2001195763 A JP2001195763 A JP 2001195763A JP 2001195763 A JP2001195763 A JP 2001195763A JP 2003013832 A JP2003013832 A JP 2003013832A
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JP2001195763A
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Kenichi Ishida
健一 石田
Gakuji Moriya
学治 守屋
Kazuyuki Kubo
和之 久保
Toshihiro Ogama
俊洋 大釜
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の失火検出のために点火コイルにイ
オン電流を検出するためのイオン電流検出用電源を接続
した場合において、ON電圧(逆起電力による瞬間的な
電圧の立ち上がり)にイオン電流検出後にイオン電流検
出用電源に残存する残電圧が加わるのを防止し、よって
ON電圧に起因して発生する点火プラグの火花放電を防
止できるようにした内燃機関の失火検出装置を提供す
る。 【解決手段】 積分期間設定部90および積分開始遅延
部100によって決定された積分期間(検出期間)が終
了し、イオン電流の検出が終了したと判断された後、別
言すれば、イオン電流検出用電源(コンデンサ)32の
チャージ電圧が不要となった後、イオン電流検出用電源
32に残存する残電圧を残電圧放電部(放電回路)40
において(強制的に)放電する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、混合気の燃焼の
際に発生するイオン電流に基づいて内燃機関の失火を検
出する内燃機関の失火検出装置に関し、より具体的に
は、内燃機関の失火検出のために、イオン電流を検出す
るためのイオン電流検出用電源を点火コイルに接続した
場合における、点火コイルの予期しない放電(プレイグ
ニッション)を防止できるようにした内燃機関の失火検
出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ガソリン機関などの火花点火方式の内燃
機関においては、点火コイルによって発生した高電圧が
ディストリビュータなどを介して各気筒に配置された点
火プラグに与えられ、点火プラグの電極間(ギャップ)
の火花放電によって各気筒内の混合気が着火されて燃焼
が生じる。このような内燃機関の点火・燃焼行程におい
ては、なんらかの原因によって混合気の燃焼が正常に行
われない現象、即ち失火が生じることがある。 【0003】この失火の原因は、燃料系に起因するもの
と点火系に起因するものの二つに大別される。前者の燃
料系に起因する失火は、混合気の過剰なリーンあるいは
リッチ化に起因するものであって、点火プラグの電極間
で火花放電は生じているが、混合気には着火されない現
象である。一方、後者の点火系に起因する失火は、未燃
燃料などの付着による点火プラグのくすぶりや点火回路
の異常などによって正常な火花放電が生じない、いわゆ
るミス・スパークに起因する現象である。 【0004】混合気が正常に燃焼すると、その燃焼に伴
って混合気(正確には混合気の燃焼によって発生した燃
焼ガス)が電離(イオン化)し、イオン電流が発生す
る。一方、失火が生じて混合気の燃焼が行われないと、
混合気が電離しないことからイオン電流は発生しない。 【0005】図8に失火時と正常な燃焼時におけるイオ
ン電流の波形を示す。同図に示すように、イオン電流波
形は正常な燃焼が行われたとき、即ちイオンが発生して
いるときは、点火プラグ電極間の放電直後に瞬間的に大
きく立ち上がった(同図においてAで示す)後、発生し
たイオンの量に応じて電流が流れ続け、やがて所定レベ
ルに復帰する。一方、失火が生じたとき、即ちイオンが
発生していないときは、放電終了直後に瞬間的に大きく
立ち上がった(同図においてA’で示す)後、直ちに所
定レベルに復帰する。 【0006】このため、従来、例えば特開平5−999
56号公報に記載される技術のように、点火プラグ、よ
り具体的にはその電極をイオン電流を検出するためのプ
ローブとして用い、燃焼行程において発生するイオン電
流(電流波形)を検出し、その検出値を所定値と比較す
ることにより、内燃機関の失火を検出することが広く行
われている。 【0007】尚、上記したAおよびA’や同図に示すB
およびB’は、点火コイルの誘導ノイズに起因して発生
する瞬間的な大きな立ち上がりである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】内燃機関の失火検出を
行うためにイオン電流を検出する場合、通常、燃焼によ
って発生したイオンを移動させるための電源(電圧)が
必要になる。このイオン電流を検出するためのイオン電
流検出用電源として、一般にコンデンサが使用される。
コンデンサは、点火コイルの2次側コイルに接続されて
点火プラグの火花放電の際に充電されると共に、火花放
電終了後にイオン電流を検出するための電源として充電
された電圧が消費(放電)される。 【0009】ところが、コンデンサに充電された電圧
(チャージ電圧)が、発生したイオンの移動が終了した
(即ち、イオン電流の発生が終了した、換言すれば、イ
オン電流の検出が終了した)後も完全に放電されずに、
コンデンサ内に一定の電圧が残存することがあった。 【0010】ところで、点火コイル(より詳しくはその
1次側コイル)に通電を開始すると、その瞬間(通電パ
ルスON時)において逆起電力が生じ、この逆起電力に
起因した瞬間的な電圧の大きな立ち上がり(ON電圧)
が2次側コイルに発生する。このON電圧に、前記した
コンデンサ内に残存した残電圧が加わることで、予定し
たON電圧(具体的には、点火コイルの1次側コイルと
2次側コイルの巻数比によって決定される電圧)よりも
大きなON電圧(即ち、予定したON電圧プラス残電
圧)が生じることがあり、この結果、場合によっては点
火プラグの放電(プレイグニッション)が発生してしま
うという問題があった。 【0011】尚、ON電圧は前記したように逆起電力に
起因して発生するものであることから、ON電圧による
放電と、正常な放電(即ち、1次側コイルへの通電を遮
断したとき(通電パルスOFF時)に生じる放電)とで
は、2次側コイルを流れる電流の方向が逆になる。従っ
て、ON電圧による放電を防止するために、2次側コイ
ルを流れる電流の向きを規定するダイオードを設けるこ
とが考えられる。しかしながら、前記したように2次側
コイルに接続されたコンデンサの充電・放電を利用して
イオン電流を検出することから、2次側コイルには双方
向の電流の流れが必要となり、実際にはかかるダイオー
ドを設けることができない。 【0012】従って、この発明の目的は、上記した課題
を解決し、内燃機関の失火検出のために、点火コイルに
イオン電流を検出するためのイオン電流検出用電源を接
続した場合において、ON電圧にイオン電流検出用電源
の残電圧が加わるのを防止し、よってON電圧に起因し
て発生する点火プラグの火花放電を防止できるようにし
た内燃機関の失火検出装置を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、この発明は請求項1項において、内燃機関の燃焼
室を臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印加し、
その電極間の火花放電によって前記内燃機関内の混合気
を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発
生するイオン電流を検出し、その検出信号に基づいて前
記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置に
おいて、前記イオン電流を発生させるための電圧をチャ
ージするイオン電流検出用電源に残存する残電圧を、前
記イオン電流の検出が終了した後に放電する放電回路を
備えるように構成した。 【0014】前記イオン電流を発生させるための電圧を
チャージするイオン電流検出用電源に残存する残電圧
を、前記イオン電流の検出が終了した後に放電する放電
回路を備えるように構成したので、ON電圧にイオン電
流検出用電源の残電圧が加わるのを防止することがで
き、よってON電圧に起因して発生する点火プラグの火
花放電を防止できる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の一つの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置を説
明する。 【0016】図1は、この発明の一つの実施の形態に係
る内燃機関の失火検出装置のうち、点火プラグにスパー
ク(火花)を生じさせるための点火回路、および、発生
したイオン電流を検出するためのイオン電流検出部など
を示す回路図である。 【0017】以下、同図を参照してその構成について説
明すると、点火コイル10の1次側(低圧側)コイル1
0aの一端は電源(車載バッテリ電源)12に接続され
ると共に、その他端はECU(電子制御ユニット)14
からの点火信号に応じて開閉されるパワートランジスタ
16を介して接地される。 【0018】一方、点火コイル10の2次側(高圧側)
コイル10bの一端は、内燃機関の各気筒(シリンダヘ
ッド18の一部で示す)20の燃焼室22を臨む位置に
配置された点火プラグ(1気筒分のみ示す)24、より
具体的にはその中心電極24aに接続される。また、点
火プラグ24の接地電極(外側電極)24bはシリンダ
ヘッド18を介して接地される。尚、点火プラグ24
は、放電終了後、後述するイオン電流を検出するための
プローブとしても機能する。 【0019】また、点火コイル10の2次側コイル10
bの他端には、イオン電流検出部30が接続される。具
体的には、点火プラグ24の火花放電によって図示の極
性に充電されるイオン電流検出用コンデンサ(イオン電
流検出用電源)32、およびイオン電流検出用コンデン
サ32の充電電圧(チャージ電圧)を規定するツェナー
ダイオード34が並列に接続され、さらに、イオン電流
検出用コンデンサ32は、検出抵抗36を介して接地さ
れると共に、ツェナーダイオード34は、電流の逆流を
防止するダイオード38を介して接地される。尚、ダイ
オード38は、イオン電流検出部30内の電流方向を規
定するものであり、2次側コイル10bの電流方向を規
定するものではない。 【0020】また、イオン電流検出部30、より詳しく
はイオン電流検出用コンデンサ32には、残電圧放電部
40(前記した放電回路)が接続される。具体的には、
イオン電流検出用コンデンサ32に、イオン電流検出用
コンデンサ32のチャージ電圧(正確にはイオン電流検
出後の残電圧。以降、イオン電流検出前の電圧を「チャ
ージ電圧」と呼び、イオン電流検出後の電圧を「残電
圧」と呼ぶ)を減衰させるための残電圧減衰用抵抗42
が接続される。残電圧減衰用抵抗42には、フォトトラ
ンジスタTPが接続される。 【0021】フォトトランジスタTPは、トランジスタ
部44と発光ダイオード部46からなる。フォトトラン
ジスタTPにおいて、トランジスタ部44は、発光ダイ
オード部46の発する光に反応して残電圧減衰用抵抗4
2を流れる電流を通電・遮断する。尚、発光ダイオード
部46は抵抗48を介して接地される。 【0022】また、ECU14は、マイクロコンピュー
タからなり、クランク軸あるいはカム軸(共に図示せ
ず)付近に配置されて各気筒のTDC位置およびそれを
細分してなるクランク角度に応じた信号を出力するクラ
ンク角センサ50、吸気管内絶対圧(PBA)に応じた
信号を出力する絶対圧センサ52、および図示しないセ
ンサ群の出力が入力される。 【0023】次いで、上述した構成(装置)の動作につ
いて説明すると、電源12から1次側コイル10aを流
れる電流は、ECU14からの点火信号(点火指令。通
電パルス)に応じたパワートランジスタ16の開閉(O
N・OFF)により通電・遮断される。 【0024】パワートランジスタ16がOFF状態から
ON状態となると、1次側コイル10aへの通電が開始
される。このとき、パワートランジスタ16がOFF状
態からON状態になった瞬間に、逆起電力に起因する瞬
間的な電圧の大きな立ち上がりが2次側コイル10bに
発生する。以下、この瞬間的な電圧の大きな立ち上がり
を「ON電圧」という。 【0025】一方、パワートランジスタ16がON状態
からOFF状態となって1次側コイル10aの電流が遮
断されると、それに伴って2次側コイル10bに負極性
の高電圧が発生し、放電電流が同図において1点鎖線で
示すように流れる。具体的には、点火プラグ24−2次
側コイル10b−イオン電流検出用コンデンサ32(ま
たはツェナーダイオード34)−ダイオード38と流
れ、各点火プラグ24の電極間(中心電極24aと接地
電極24bの間)に火花放電を生じさせて混合気を着火
・燃焼させる。また、放電電流はコンデンサ32を図示
の極性に充電する。尚、充電されたコンデンサ32は、
イオン電流(および、点火プラグ24のくすぶりによっ
て発生する漏れ電流リーク電流)を検出するためのチャ
ージ電圧を有するイオン電流検出用電源として機能す
る。 【0026】点火プラグ24の火花放電により混合気が
燃焼すると、混合気(正確には混合気の燃焼によって生
じた燃焼ガス)が電離してイオンが発生する。このイオ
ンがイオン電流検出用コンデンサ32のチャージ電圧の
作用によって移動することにより、別言すれば、点火プ
ラグ24の電極間にイオンが介在してその間の電気抵抗
が低下することにより、同図において2点鎖線で示すよ
うに、イオン電流検出用コンデンサ32−2次側コイル
10b−点火プラグ24を流れるイオン電流が生じる。
この際、発生したイオン電流に引きずられて検出抵抗3
6における電圧値が変化する。イオン電流検出部30
は、この電圧値の変化、即ちイオン電流波形を、後述す
る波形変換部に出力する。 【0027】また、ECU14は、前記したクランク角
センサ50および絶対圧センサ52などからの入力値に
基づいて点火時期を演算して点火指令すると共に、後述
する積分部によって出力された積分値(電圧値)に基づ
いて内燃機関が失火の状態にあるか否かを判断(失火検
出)する。さらに、イオン電流の検出が終了したと判断
されるとき(後述)は、残電圧放電部40のフォトトラ
ンジスタTPの入力端Tpaに対する通電信号を所定期
間(内燃機関20の運転状態、具体的には失火状態にあ
るか否かなどにより可変)にわたって出力する。 【0028】それにより、フォトトランジスタTPの発
光ダイオード部46は前記した所定期間にわたって通電
されて発光し、その光にトランジスタ部44が反応して
導通することにより、同図に細破線で示す、イオン電流
検出用コンデンサ32−残電圧減衰用抵抗42−トラン
ジスタ部44からなる閉回路を流れる電流が生じる。換
言すれば、イオン電流検出用コンデンサ32の残電圧に
よって生じる電流を、所定期間にわたって残電圧減衰用
抵抗42で減衰しつつ、前記した閉回路に流すことによ
り、イオン電流検出用コンデンサ32の残電圧を強制的
に放電する。 【0029】図2は図1に部分的に示す失火検出装置の
全体的な構成を示す回路図である。尚、図2において、
図示の便宜のため点火回路の一部を省略する。 【0030】同図の説明に入る前に、理解の便宜のた
め、先ず図3を参照して図2に示す回路の動作について
概説する。 【0031】図3は、図2に示す回路をブロック化して
示すブロック図である。 【0032】以下説明すると、イオン電流検出部30に
おいて検出されたイオン電流波形は波形変換部60に出
力され、そこで波形の符合反転、低圧化処理が行われ
る。 【0033】波形変換部60において符合反転および低
圧化されたイオン電流波形は、ハイパス・フィルタ70
を介して低周波成分を除去した後、積分部80へ入力さ
れ、そこで積分処理を行うことによりイオン電流を積分
値として検出する。 【0034】また、波形変換部60において符合反転お
よび低圧化されたイオン電流波形は積分期間設定部90
にも入力され、イオン電流の発生期間に応じて積分部8
0によって処理される積分期間を設定(決定)する。 【0035】さらに、積分期間設定部90において設定
された積分期間の開始時期を、積分開始遅延部100に
おいて所定期間(後述)だけ遅延させる。積分ON/O
FF部110は、以上のように決定された積分期間およ
び積分開始時期に基づき、積分部80における積分処理
を所望の期間のみに制限する。 【0036】尚、積分部80で積算された積分値は、E
CU14に入力されてそこで失火状態にあるか否かが判
断されると共に、積分値リセット部120において、点
火時期θig(所定クランク角度)毎に積分値リセット
パルスが出力されてリセットされる。 【0037】また、積分開始遅延部100の出力は、E
CU14にも入力される。ここで、積分開始遅延部10
0の出力とは、より具体的には、積分期間設定部90で
決定された積分期間に遅延させた積分開始時期を付加し
たものであり、換言すれば、積分の開始時期および終了
時期を含む最終的な積分期間を示すものであるといえ
る。 【0038】ECU14は、この積分開始遅延部100
からの入力に基づき、イオン電流の検出が終了したと判
断されるとき、残電圧放電部40に残電圧放電パルスを
所定期間にわたって出力し、イオン電流検出部30のイ
オン電流検出用コンデンサ32を強制的に放電させる。 【0039】以下、上記した構成(装置)およびその動
作について図2回路図を参照して詳説すると、先ず、前
記したように、混合気の燃焼によって生じたイオン電流
波形(正確には電圧波形)をイオン電流検出部30によ
って検出し、そのイオン電流波形を波形変換部60に出
力する。 【0040】図4は、この実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置の各構成における出力(検出電流波形ある
いはパルス)を示すタイム・チャートである。尚、図4
は正常な燃焼が行われたときのタイム・チャートであ
り、失火時のそれを図5に示す。また、図4および図5
のa,b,c,・・・,gは、図2でa,b,c,・
・,gと示す箇所での出力を示す。 【0041】イオン電流検出部30において検出された
イオン電流波形、即ち図2でaと示す箇所における電流
波形は、前記したように波形変換部60に入力され、符
合変換、低圧化処理された後、ハイパス・フィルタ70
を介して積分部80に入力される。 【0042】また、波形変換部60において符合変換、
低圧化処理されたイオン電流波形は、積分期間設定部9
0にも入力され、その内部のローパス・フィルタによっ
てイオン電流以外の周波数成分が減衰される。さらに、
その出力、具体的には図2でbと示す箇所における電流
波形(図4あるいは図5においてbで示す)を、積分期
間設定用コンパレータ92のマイナス側に入力する。 【0043】また、積分期間設定用コンパレータ92の
プラス側には基準電圧(図4あるい図5においてcと示
す)が常に入力されると共に、これらを比較してローパ
ス・フィルタを介した後の出力(イオン電流波形)の方
が高い場合には、積分期間設定用コンパレータ92の出
力、即ち、図2でdと示す箇所における出力パルス(図
4および図5においてdで示す)をLowとする。 【0044】ここで、積分期間設定用コンパレータ92
のLowパルス出力期間が、積分部80での積分期間、
即ち、失火を検出するためのイオン電流検出期間とな
る。 【0045】積分期間設定部90の出力パルスはさらに
積分開始遅延部100に入力され、積分開始遅延用コン
デンサ102の充放電によって積分期間設定部90の出
力パルスの反転タイミング(Lowパルスが出力される
時期)を遅延させることにより、同図でeと示す箇所に
おいて、図4および図5においてeで示す電流波形を得
る。 【0046】このようにして得た電流波形を、積分開始
遅延用コンパレータ104のプラス側に入力すると共
に、基準電圧(図4および図5においてfで示す)をそ
のマイナス側に入力する。そして、それらの比較結果に
応じた出力パルス、即ち、図2のgにおける出力パルス
(図4および図5においてgで示す)を得る。 【0047】図4および図5から明らかなように、積分
開始遅延部100を経て最終的に得た出力パルスは、そ
の反転タイミングがイオン電流の発生開始時期から所定
の期間だけ遅延される。換言すれば、積分処理が実行さ
れないマスク期間が設定され、前記した誘導ノイズの検
出を回避するようにする。この反転タイミングが遅延さ
れた出力パルスに基づき、積分ON/OFF部110の
FET(電界効果トランジスタ)112をON・OFF
動作させることにより、ハイパス・フィルタ70を介し
て出力されるイオン電流波形の積分部80への入力のO
N・OFFを行う。 【0048】積分部80は、以上のようにして入力され
たイオン電流の時間積分に比例した出力信号、具体的に
は、積分用コンデンサ82の電圧値をECU14に出力
する。ECU14は、その電圧値に基づき、具体的に
は、その電圧値と予め設定された所定値とを比較するこ
とにより、内燃機関が失火の状態にあるか否か判断(失
火検出)する。 【0049】尚、積分用コンデンサ82の電圧値は、点
火時期θig(具体的には所定のクランク角度)毎、よ
り具体的には、点火コイルへの通電パルスの送信毎に、
積分値リセット部120のスイッチ122を導通させ、
積分用コンデンサ82を放電させることによってリセッ
トされる。 【0050】また、積分開始遅延部100の出力、即
ち、図4および図5でgで示すパルスは、ECU14に
も入力される。ECU14は、その入力パルスに基づ
き、イオン電流の検出が終了したと判断されるときに、
具体的には、図4および図5でgで示すパルスがLow
からHighに反転したとき(立ち上がったとき)に、
残電圧放電部40のフォトトランジスタTPの入力端T
paを介して発光ダイオード部46に対する通電パルス
を所定期間にわたって出力し、発光ダイオード部46を
通電する。 【0051】フォトトランジタTPのトランジスタ部4
4は、その発光ダイオード部46の光を受光することに
より導通される。これにより、イオン電流検出用コンデ
ンサ32の残電圧によって発生する電流が、残電圧減衰
用抵抗42で減衰されつつ、前記したイオン電流検出用
コンデンサ32−残電圧減衰用抵抗42−トランジスタ
部44からなる閉回路を所定期間にわたって流れること
となり、よってイオン電流検出用コンデンサ32の残電
圧が強制的に放電される。尚、イオン電流検出用コンデ
ンサ32の残電圧の放電が、接地ではなく閉回路で行わ
れるのは、2次コイル放電中にフォトトランジスタTP
のトランジスタ部44に高電圧(数十kV)が印加され
ないようにするためである。 【0052】このように、この実施の形態に係る内燃機
関の失火検出装置にあっては、積分期間設定部90およ
び積分開始遅延部100によって決定された積分期間
(検出期間)が終了し、イオン電流の検出が終了したと
判断されるとき、次回の検出までイオン電流検出用コン
デンサ32をチャージしておく必要がないため、イオン
電流検出用コンデンサ32の残電圧を強制的に放電させ
るようにした。これにより、ON電圧にイオン電流検出
用電源の残電圧が加わるのを防止することができ、よっ
てON電圧に起因して発生する点火プラグの火花放電を
防止できる。 【0053】尚、発光ダイオード部46への通電パルス
の出力期間(前記した所定期間。即ち残電圧の放電期
間)は、前記した如く、内燃機関20の運転状態によっ
て可変とする。具体的には、内燃機関20が失火状態に
あるか否か、さらにはイオン電流の発生量(期間)など
に応じて適宜変更可能とする。 【0054】図6および図7に、この発明に係る失火検
出装置と従来技術に係る失火検出装置におけるON電圧
の発生量(大きさ)、および残電圧の様子を対比して示
す。尚、図6は正常燃焼時、図7は失火時のものを示
す。 【0055】両図において、従来技術に係る失火検出装
置におけるON電圧および残電圧を破線で示すと共に、
この発明に係る失火検出装置におけるそれを実線で示
す。両図から明らかなように、従来技術にあっては、O
N電圧に残電圧が加わり、より大きな電圧の立ち上がり
となっているのがみてとれよう。 【0056】これに対し、この実施の形態に係る失火検
出装置にあっては、イオン電流の発生が終了した後に
(ここで、上述の如く、積分期間設定部90でイオン電
流発生期間に対応した積分期間(検出期間)が設定され
ることから、イオン電流の発生終了時期は、イオン電流
の検出終了時期と略同義である)、残電圧が強制的に放
電されることから、ON電圧発生時においても、残電圧
が加わることがない。即ち、ON電圧は、コイルの巻数
比によって決定される電圧値のみとなり、よって予めこ
の電圧値を適宜に設定する、あるいは、点火プラグの電
極間抵抗を適宜に設定することなどにより、ON電圧に
起因する火花放電の発生を容易に防止することができ
る。 【0057】以上のように、この発明の一つの実施の形
態にあっては、内燃機関20の燃焼室22を臨む位置に
配置された点火プラグ24に電圧を印加し(ECU1
4、点火コイル10)、その電極間(中心電極24aと
接地電極24bの間)の火花放電によって前記内燃機関
内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃
焼の際に発生するイオン電流を検出し、その検出信号に
基づいて前記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火
検出装置(ECU14、イオン電流検出部30、積分部
80など)において、前記イオン電流を発生させるため
の電圧をチャージ(充電)するイオン電流検出用電源
(イオン電流検出用コンデンサ32)に残存する残電圧
を、前記イオン電流の検出が終了した後に放電する放電
回路(残電圧放電部40)を備えるように構成した。 【0058】尚、上記において、図2で積分開始遅延部
100の出力gがECU14に入力され、ECU14は
その入力パルスがLowからHighに反転したときに
フォトトランジスタTPを動作させるようにしたが、積
分開始遅延部100の出力gを、直接、フォトトランジ
スタTPの入力端Tpaを介して発光ダイオード部46
に入力し、フォトトランジスタTPを動作させるように
しても良い。 【0059】 【発明の効果】請求項1項にあっては、イオン電流の検
出が終了した後、別言すれば、イオン電流検出用電源の
チャージ電圧が不要となった後、イオン電流検出用電源
に残存する残電圧を放電する放電回路を備えるようにし
たため、ON電圧にイオン電流検出用電源の残電圧が加
わるのを防止することができ、よってON電圧に起因し
て発生する点火プラグの火花放電を防止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置のうち、イオン電流検知部、残電圧放電部
および点火回路を示す回路図である。 【図2】図1に部分的に示す失火検出装置の構成を全体
的に示す回路図である。 【図3】図2に示す構成をブロック化して示すブロック
図である。 【図4】図1装置の各構成における出力(電流波形ある
いはパルス波形)を示すタイム・チャートである。 【図5】図1装置の各構成における出力(電流波形ある
いはパルス波形)を示す、図4と同様なタイム・チャー
トである。 【図6】図1装置と従来技術におけるON電圧と残電圧
を対比して示す、燃焼時のタイム・チャートである。 【図7】図1装置と従来技術におけるON電圧と残電圧
を対比して示す、失火時のタイム・チャートである。 【図8】燃焼時および失火時のイオン電流波形を示すタ
イム・チャートである。 【符号の説明】 10 点火コイル 14 ECU 20 内燃機関(シリンダヘッド) 22 燃焼室 24 点火プラグ 24a 中心電極 24b 接地電極 30 イオン電流検出部 32 イオン電流検出用コンデンサ 40 残電圧放電部 42 残電圧減衰用抵抗 90 積分期間設定部 100 積分開始遅延部 TP フォトトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 和之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 大釜 俊洋 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 2G087 AA13 BB14 CC35 EE11 3G019 CC14 CC15 CD01 CD06 DA07 DB04 FA02 FA06 FA14 GA01 GA08

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内燃機関の燃焼室を臨む位置に配置され
    た点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花放電に
    よって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させると
    き、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を検出
    し、その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出
    する内燃機関の失火検出装置において、前記イオン電流
    を発生させるための電圧をチャージするイオン電流検出
    用電源に残存する残電圧を、前記イオン電流の検出が終
    了した後に放電する放電回路を備えることを特徴とする
    内燃機関の失火検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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