JP2003012663A6 - シタロプラムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、よく知られた抗うつ薬シタロプラム(citalopram)、即ち1-〔3-( ジメチルアミノ) プロピル〕-1-(4-フルオロフエニル)-1,3-ジヒドロ-5- イソベンゾフランカルボニトリルの製造方法に関する。
発明の背景
シタロプラムは周知の抗うつ薬であって、数年来市場で入手されてきており、次式Iの構造を有する:
【0002】
【化9】
これは抗うつ活性を有する選択性の、中枢活性なセロトニン (5-ヒドロキシトリプタミン; 5-HT) 再取り込み阻害剤である。この化合物の抗うつ活性は、いくつかの文献、たとえば J. Hyttel, Prog. Neuro-Psychopharmacol. &Biol. Psychiat., 1982, 6, 277-295 及び A. Gravem, Acta Psychiatr. Scand.,1987,75,478-486 に報告されている。更にこの化合物は、痴呆症及び脳血管障害の治療に効果を示すことがヨーロッパ特許公開(EP-A)第474,580 号公報に開示されている。
【0003】
シタロプラムは最初ドイツ特許第2,657,271 号明細書 (米国特許第4,136,193号明細書に対応) に開示された。この特許明細書には、ある方法によるシタロプラムの製造が開示され、そしてシタロプラムの製造に使用される別の方法の概要が述べられている。
【0004】
これに記載された方法によれば、対応する1-(4- フルオロフエニル)-1,3-ジヒドロ-5- イソベンゾフランカルボニトリルを、縮合剤としてメチルスルフィニルメチドの存在下に3-( N, N- ジメチルアミノ) プロピル- クロライドと反応させる。出発化合物を、シアン化第一銅との反応によって対応する5-ブロモ誘導体から製造する。
【0005】
一般的にしか概要が述べられていない方法によれば、シタロプラムは下記式IIで表わされる化合物:
【0006】
【化10】
を脱水剤の存在下に閉環し、次いで5-ブロモ基をシアン化第一銅を用いてシアンと交換することによって得られる。式IIで表される出発化合物は、2つの連続グリニャール反応、すなわち夫々4-フルオロフエニルマグネシウムクロライド及びN,N- ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロライドとの反応によって5-ブロモフタリドから得られる。
【0007】
シタロプラムの新規で、驚くべき製造方法及びシクロプラムの製造に使用される中間体は、米国特許第4,650,884 号明細書に記載されている。その方法によれば、式III
【0008】
【化11】
で表される中間体を、シタロプラムを得るために強硫酸で脱水することによって閉環反応させる。式IIIで表される中間体は、2つの連続グリニャール反応、すなわち夫々4-フルオロフエニルマグネシウムハロゲニド及びN,N-ジメチルアミノプロピルマグネシウムハロゲニドとの反応によって5-シアノフタリドから製造される。
【0009】
別の処理は国際特許出願第(WO)98/019511号、第(WO)98/019512号及び第(WO)98/019513号明細書に記載されている。国際特許出願第(WO)98/019512号及び第(WO)98/019513号明細書に記載された発明は、5−アミノ−、5−カルボキシ−、5−(s−アミノカルボニル)フタリドを2つの連続グリニヤール反応させて、得られた1,3−ジヒドロイソベンゾフラン誘導体を閉環して、対応する5−シアノ化合物、すなわちシタロプラムに変える方法に関する。国際特許出願第(WO)98/019511号明細書には、(4−置換された−2−ヒドロキシメチルフェニル−(4−フルオロフェニル)メタノール化合物を閉環させ、得られた5−置換された1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフランを対応する5−シアノ誘導体に変え、ついでシタロプラムを得るために(3−ジメチルアミノ)プロピルハロゲニドでアルキル化することを特徴とする、シタロプラムの製造方法が開示されている。
【0010】
最後に、シタロプラムの個々の対掌体を製造する方法は、米国特許第4,943,590 号明細書に記載され、この特許から、式IIIで表される中間体の閉環が塩基を用いて不安定なエステルを介して行われることも明らかである。
【0011】
本発明者は、驚くべきことシタロプラムが通常の出発化合物を用いて新規の有利かつ安全な方法によって製造することができることを見出した。
【0012】
発明の要旨したがって、本発明は、式IV
【0013】
【化12】
(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)で表わされる化合物を3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムハライド、好ましくは3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライドと反応させて、式I
【0014】
【化13】
で表わされるシタロプラムを生じさせ、これをその塩基又はその薬学的に容認された塩として単離することを特徴とする、シタロプラムの新規製造方法に関する。
【0015】
もう一つ観点において、本発明は式IVで表わされる新規中間体を提供する。
【0016】
別の観点において、本発明は式IVで表わされる中間体の製造方法に関する。
【0017】
本発明のまた別の観点において、式IVで表わされる化合物は、式III
【0018】
【化14】
で表わされるラセミ化合物の製造に使用される。
【0019】
もう一つの観点において、本発明は本発明の方法によって製造されたシタロプラムを含有する抗うつ性薬学的調合物に関する。
【0020】
本発明の方法によれば、シタロプラムは式IV
【0021】
【化15】
(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)で表わされる化合物から一工程グリニヤール反応によって得られる。
【0022】
驚くべきことに、グリニヤール反応の生成物は自発的に閉環して、直ちにシタロプラムになり、したがって式IVで表わされる化合物とグリニヤール試薬との反応は一工程でシタロプラムを生じる。
【0023】
更に、本発明によれば式IVで表わされる化合物は3つの異なる方法によって製造することができる。
【0024】
これらの方法のうちの一つは、式VI
【0025】
【化16】
で表わされる(4−シアノ−2−ヒドロキシメチルフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノールのヒドロキシメチルアルコールによる保護、ついで酸化によって式IVで表わされる化合物(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)となすことを含む。
【0026】
式Vで表わされる化合物の酸化は通常の酸化剤によって行われ、好ましくはNa2 WO4 によって行われる。
【0027】
式VIで表わされる化合物の出発化合物は、国際特許出願第PCT/DK97/00511号明細書中に記載されているように製造することができる。
【0028】
式IVで表わされる化合物の別の製造方法は、5−シアノフタリドと4−フルオロフェニルマグネシウムハライド、好ましくは4−フルオロフェニルマグネシウムブロマイドとの反応、ついでR−X(式中、Rは上述の意味を有し、Xは離脱基である。)────このR−Xは好ましくはピバロイルクロライド、3,5- ジメトキシベンゾイルクロライド、ヨウ化メチル、臭化エチル、塩化トシル、Me2 SO4 又はMeSO2 Clである─────との反応を含む。
【0029】
この反応は以下の通り示される:
【0030】
【化17】
出発化合物、5−シアノフタリドはTriouflet, J.; Bull. Soc. Sci. Bretagne 26, 1959, 35に記載されているように製造することができる。
【0031】
式IVで表わされる化合物の第三の製造方法によれば、式IIIで表される化合物の対掌体のうちの一つ、すなわちそのR−対掌体を保護し、脱水して、式VIIで表される化合物となし、これを酸化して式IVで表わされるケトンとする。
【0032】
【化18】
この方法で、式IIIで表されるR−対掌体をラセミシタロプラムの製造に使用することができる。
【0033】
式VIIで表わされる化合物の酸化開裂は酸化によって得られ、好ましくはMnO4 - (過マンガン酸塩)又はオゾン、RuCl3 、OsO4 によって行われる。
【0034】
シタロプラムはラセミ化合物の形で抗うつ薬として市販されている。しかし近い将来、シタロプラムの活性S−対掌体も市場に売り出される予定である。
【0035】
シタロプラムの活性S−対掌体は、米国特許第4,943,590号明細書に記載されているようにそのS−対掌体とR−対掌体を分離し、S−対掌体を閉環することによって式IIIで表される化合物から製造することができる。式IIIで表される化合物のR−対掌体は以前には分離後使用されていなかった。
【0036】
更に、本発明の別の観点によれば、式IIIで表されるR−対掌体を式IVで表される非光学活性な化合物に変換した後、式IIIで表されるラセミ化合物を下記反応式のように製造することができる。
【0037】
【化19】
式IIIで表されるラセミ化合物を米国特許第4,943,590号明細書に記載された方法によって光学活性な対掌体に分離し、それによって式IIIで表される化合物のS−対掌体が得られ、これはS−シタロプラムの製造に使用される。式IIIで表される化合物のR−対掌体は上記処理工程にもう一度再循環させることができる。
【0038】
この方法で式IIIで表される化合物のR−対掌体をS−対掌体に変えることができる。
【0039】
上記反応に対するその他の反応条件、溶剤等々はこのような反応に通常の条件であり、当業者によって容易に決定することができる。
【0040】
本明細書及び請求の範囲を通して、本明細書及び特許請求の範囲を通して、“C1-6 アルキル”なる用語は炭素原子1〜6個を有する分枝状又は非分枝状アルキル基、たとえばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2,2−ジメチル−1−エチル及び2−メチル−1−プロピルを意味する。
【0041】
“アリール”なる用語は、単環状又は二環状炭素環状芳香族基、たとえばフェニル及びナフチル、特にフェニル又は環置換されたフェニルを意味する。
【0042】
“ヘテロアリール”なる用語は単環状又は二環状ヘテロ環状芳香族基、たとえばインドリル、チエニル、ピリミジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピリジル及びフラニル、特にピリミジニル、インドリル及びチエニルを意味する。
【0043】
“アシル”なる用語はC1-6 アルキル−又はアリール−又はヘテロアリールカルボノニルの意味において使用され、この場合C1-6 アルキル−又はアリール−又はヘテロアリールは上記に定義した通りである。
【0044】
ハロゲンは塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0045】
離脱基はハロゲン化物又はスルホン酸塩を意味するのが好ましい。
【0046】
本発明の好ましい実施態様において、Rがアシル、好ましくはピバロイル、アセチル又は場合により置換されたベンゾイルである。
【0047】
一般式Iの化合物は、その遊離塩基として又はその薬学的に容認された酸付加塩として使用することができる。このような酸付加塩として有機酸又は無機酸で生成される塩を使用することができる。この様な有機塩の例は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデリン酸、ケイヒ酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p- アミノ- 安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸及びテオフイリン酢酸、並びに8-ハロテオフイリン、たとえば8-ブロモ- テオフイリンとの塩である。この様な無機塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルフアミン酸、リン酸及び硝酸との塩である。
【0048】
この化合物の酸付加塩は当該技術において公知の方法で製造することができる。その塩基を水と混和しうる溶剤、たとえばアセトン又はエタノール中で計算量の酸と反応させ、ついで濃縮させ、冷却して塩を単離させるか又は水と混和し得ない溶剤、たとえばエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタン中で過剰の酸と反応させ、塩を自発的に単離させる。
【0049】
本発明の薬学的調製物は、すべての適する方法で及びすべての適する形で、たとえば錠剤、カプセル、粉末、シロップの形で経口で又は通常の注射用滅菌溶液の形で腸管外に投与することができる。
【0050】
本発明の薬学的調製物を、当該技術において慣用の方法によって製造することができる。たとえば錠剤を有効物質と通常の佐剤(adjuvants) 及び(又は)希釈剤とを混合し、次いでこの混合物を慣用の打錠機で圧縮することによって製造することができる。佐剤又は希釈剤の例として次のものがあげられる:コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、乳糖、ゴム等々。他のすべての佐剤又は添加物、たとえば着色料、芳香剤、保存剤等々をこれらが有効成分と相容であるならば使用してもよい。
【0051】
注射用溶液は、有効成分と使用可能な添加物とを一部の注射用溶剤、好ましくは滅菌水に溶解し、この溶液を所望の容量に調整し、この溶液を滅菌し、適当なアンプル又は小瓶に詰めることによって、製造することができる。当該技術において通常使用されるすべての適当な添加物を、たとえば張度剤(tonicity agent) 、保存剤、酸化防止剤等々を添加することができる。
【0052】
実施例
更に、本発明を次の例によって説明する。
【0053】
例1
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−1−ヒドロキシ−メチル]−ベンジル エステル
(4−シアノ−2−ヒドロキシメチルフェニル)(4−フルオルフェニル)メタノール(9.2g、0.037モル)及びトリエチルアミン(4.0g、0.04モル)を有する攪拌された溶液に塩化ピバロイル(4.2g、0.39モル)を添加する。60分間攪拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ、ジエチルエーテル(2×75ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して無色油状物(12.0g)が得られる。得られた化合物をクロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン/酢酸エチル1:9)によって精製して、目的化合物(8.2g,70%)を生じる。
【0054】
【外1】
例2
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
酢酸エチル(20ml)中に2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−1−ヒドロキシ−メチル]−ベンジル エステル(8.0g、0.025モル)を有する攪拌された溶液に、30%wt過酸化水素溶液(10g、0.079モル)、Na2 WO4.2H2 O(0.15g,0.0005モル)及び(n−オクチル)3NCH3 .HSO4 (0.23g,0.0005モル)を添加する。ついで混合物を4時間還流加熱し、室温に冷やし、希HClに注ぎ、ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して目的ケトン化合物(7.8g,97.5%)が得られる。
【0055】
例3
酢酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びそのシュウ酸塩
方法A。無水酢酸(103g、1モル)を、アセトニトリル(438g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(72g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に20℃で滴加する。添加が終了するやいなや、塩化トリメチルシリル(5.5g,0.05モル)を滴加し(20から28℃に上昇する発熱反応温度を生じる)、一晩攪拌する。ついで濃H2 SO4 (14.5g,0.14モル)を反応混合物に添加し、反応混合物を30分間50℃で加熱する(HPLCが反応の終了を示す)。冷却後、反応混合物を減圧下に濃縮し、アンモニア水溶液(23%)で中和し、トルエンで抽出する(2回)。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、淡いオレンジ色油状物として目的化合物(69.5g,85%)が得られる。
【0056】
シュウ酸塩として製造。メタノール(50ml)中にシュウ酸(1g、0.0177モル)を有する温かい溶液を、メタノール(50ml)中に目的のアルケン化合物(6.63g,0.0173モル)を有する攪拌された溶液に添加する。冷却した後、結晶を濾過によって単離し(7.4g)、冷メタノール(10ml)で洗浄する。融点168℃。
【0057】
【外2】
酢酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル
方法3B。無水酢酸(1112g、10.8モル)を、アセトニトリル(1000g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(1000g、2.9モル)を有する攪拌された溶液に20℃で滴加し(20から50℃に上昇する発熱反応温度を生じる)、2時間攪拌する。ついで濃H2 SO4 (300g,3モル)を反応混合物に添加し、反応混合物を3時間50℃で加熱する(HPLCが反応の終了を示す)。冷却後、反応混合物をアンモニア水溶液(25%)で中和し、トルエンで抽出する(2回)。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、淡いオレンジ色油状物として目的化合物(1023g,92%)が得られる。
【0058】例4
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びそのシュウ酸塩
方法4A。塩化ピバロイル溶液(26.0g、0.215モル)を、アセトニトリル(438g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(72g、0.21モル)及びトリエチルアミン(25.0g,0.247モル)を有する攪拌された溶液に20℃で添加する。60分後、濃H2 SO4 (40ml)を滴加し、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(25%)で中和し、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、黄色油状物として目的化合物(82g,96%)が得られる。シュウ酸塩として製造。(アセトン)融点188℃。
【0059】
【外3】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びその塩化水素塩
方法4B。塩化ピバロイル溶液(30.1g、0.25モル)を、アセトニトリル(290ml)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(85.5g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に0℃で添加する。濃H2SO4 (32.5g,0.33モル)を添加する前に、反応混合物をさらに60分間攪拌する。添加が終了するやいなや、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(23%)で中和する前に、アセトニトリル(220ml)を減圧で除去し、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、ピンク色油状物として目的化合物(102.1g)が得られる。
【0060】
メタノール中にアルケン化合物II(50.0g,0.11モル)を有する溶液を、メタノール(200ml)中に無水HClを有する攪拌された溶液に添加する。30分間室温で攪拌した後、溶剤を減圧下に除去し、ジエチルエーテルを添加し、生じた白色固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、HCl塩(48.1g)が得られる。融点165℃。
【0061】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、硫酸水素塩
方法4C。塩化ピバロイル溶液(29g、0.24モル)を、アセトニトリル(290ml)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(85.5g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に0℃で添加する。濃H2 SO4 (32.5g,0.33モル)を添加する前に、反応混合物をさらに60分間攪拌する。添加が終了するやいなや、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アセトニトリルを減圧下に除去し、トルエン(200ml)を添加し、減圧下に除去して、ピンク色油状物として目的化合物(112.4g)が得られる。
【0062】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、塩化水素塩
方法4D。塩化ピバロイル溶液(7.6g、0.63モル)を、アセトニトリル(21.35g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(21.35g、0.052モル)を有する攪拌された溶液に室温で滴加する。添加が終了するやいなや、CH2 Cl2 (50ml)中に塩化メタンスルホニル(6.1g,0.053モル)を有する溶液を添加し、ついでトリエチルアミン(10.6g,0.105モル)を添加する。反応混合物をさらに30分間攪拌し、水を注ぎ、CH2 Cl2 で抽出し、有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧で濃縮する。ついで得られた油状物を無水エタノール/HClに溶解し、減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルで処理し、濾過して、アルケンHCl塩(22.6g,98%)が得られる。
【0063】
例5
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5A。H2 O(1100ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステルのHCl塩(165g、0.337モル)を有する攪拌された溶液に、H2 O中にNaMnO4 (40%vv)(3.7モル)を有する溶液を45〜50℃で反応温度が維持されるような速度で添加する。添加が終了するやいなや、反応混合物を室温に冷却し、濾過する。固体の濾過物を冷水(3×150ml)で洗浄し、固体残留物をアセトン(2000ml)中で攪拌し、濾過し、蒸発によって粗製ケトンが生じる。シリカプラグ(silica plug )(溶離剤ヘキサン:酢酸エチル8:2)によって濾過して精製し、純粋な化合物として目的のケトン82g、(75%)が生じる。融点81℃。
【0064】
【外4】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5B。O2 中のオゾンを、水(1300ml)及び濃HCl(70ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル(38.0g,0.093モル)を有する攪拌された溶液によって反応をHPLCで追跡しながら泡立てる。反応の間、白色沈殿が生じ、反応の終了時に白色固体を濾過し、水洗し、減圧下に乾燥して、純粋な化合物として保護された目的のケトン(22.5g、72%)が生じる。
【0065】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5C。水(250ml)及び酢酸エチル(100ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、H2 SO4 (11.0g,0.022モル)を有する懸濁液に、NaIO4 (30g、0.14モル)及びRuCl3 、水和物(0.35g)を添加する。この懸濁液を16時間環境温度で激しく攪拌する。得られた懸濁液をシリカのプラグによって濾過する。有機相を分離し、水(50ml)で洗浄する。減圧で溶剤を蒸発させ、油状物として目的化合物が得られる。これを放置して結晶化させる。収量:7.4g(99%)。
【0066】
例6
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
乾燥THF(100ml)中に、4−フルオルブロモベンゼン(19.2g,0.11モル)及びマグネシウム削り屑(3.2g,0.13モル)から製造された4−フルオルフェニルマグネシウムブロマイドを有する溶液を、乾燥THF(150ml)中に5−シアノフタリド(15.9g,0.1モル)を有する懸濁液に滴加する。温度を5℃以下に保つ。添加の終了後、反応混合物を室温で一晩攪拌する。
【0067】
塩化ピバロイル溶液(13.3g、0.11モル)を反応混合物に添加し、温度を60℃に2時間60℃に上昇させる。得られた溶液をNH4 Cl(100ml、水溶液)及び氷(50g)を有する飽和溶液に添加する。ジエチルエーテル(100ml)を添加し、相を分離する。有機相を0.1NNaOH(2×100ml)、ついで水(100ml)で洗浄し、有機相をMgSO4 (20g)を用いて乾燥する。溶剤の蒸発によって油状物として粗製の目的化合物(29.8g,88%)が得られる。この油状物は次の反応に対して十分に純粋であると考えられる。純粋なサンプルが、EtOAc/n−ヘキサン(1:9)から結晶化させることによって得られる。目的化合物がオフホワイト結晶として得られる。
【0068】
例7
1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−フルオル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−カルボニトリル、及びそのシュウ酸塩
0℃で無水THF(150ml)中に2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル(28.5g,0.084モル)を有する溶液に、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライド(2.2当量)を添加し、反応をHPLCによって追跡する。0℃で1時間後、飽和塩化マグネシウムを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(Na2 SO4 )、減圧下に濃縮し、目的化合物が油状物として生じる(28.0g,(純度87%HPLC))。このシュウ酸塩がアセトンから結晶化されることによって得られる。
【0069】
例8
4−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル
ケトン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル(20g、0.061モル)を、新たに製造されたNaメトキシド(ナトリウム0.25g,メタノール100ml中に)に添加し、室温で攪拌する(HPLCが脱保護の終了を示す。)。ついでメタノールを減圧で除去し、MTBEに溶解させ、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、減圧で濃縮して目的化合物の脱保護されたケトン(14.6g)が得られる。
【0070】
例9
4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル
0℃で無水THF中にケトン4−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(15.0g、0.046モル)を有する溶液に、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライド(2.2当量)を有する溶液を添加し、反応をHPLCによって追跡する。0℃で1時間後、飽和塩化アンモニウムを添加し、混合物をMTBEで抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下に濃縮して、目的化合物が油状物として得られる。(16.7g,(純度85%))。
本発明は、よく知られた抗うつ薬シタロプラム(citalopram)、即ち1-〔3-( ジメチルアミノ) プロピル〕-1-(4-フルオロフエニル)-1,3-ジヒドロ-5- イソベンゾフランカルボニトリルの製造方法に関する。
発明の背景
シタロプラムは周知の抗うつ薬であって、数年来市場で入手されてきており、次式Iの構造を有する:
【0002】
【化9】
これは抗うつ活性を有する選択性の、中枢活性なセロトニン (5-ヒドロキシトリプタミン; 5-HT) 再取り込み阻害剤である。この化合物の抗うつ活性は、いくつかの文献、たとえば J. Hyttel, Prog. Neuro-Psychopharmacol. &Biol. Psychiat., 1982, 6, 277-295 及び A. Gravem, Acta Psychiatr. Scand.,1987,75,478-486 に報告されている。更にこの化合物は、痴呆症及び脳血管障害の治療に効果を示すことがヨーロッパ特許公開(EP-A)第474,580 号公報に開示されている。
【0003】
シタロプラムは最初ドイツ特許第2,657,271 号明細書 (米国特許第4,136,193号明細書に対応) に開示された。この特許明細書には、ある方法によるシタロプラムの製造が開示され、そしてシタロプラムの製造に使用される別の方法の概要が述べられている。
【0004】
これに記載された方法によれば、対応する1-(4- フルオロフエニル)-1,3-ジヒドロ-5- イソベンゾフランカルボニトリルを、縮合剤としてメチルスルフィニルメチドの存在下に3-( N, N- ジメチルアミノ) プロピル- クロライドと反応させる。出発化合物を、シアン化第一銅との反応によって対応する5-ブロモ誘導体から製造する。
【0005】
一般的にしか概要が述べられていない方法によれば、シタロプラムは下記式IIで表わされる化合物:
【0006】
【化10】
を脱水剤の存在下に閉環し、次いで5-ブロモ基をシアン化第一銅を用いてシアンと交換することによって得られる。式IIで表される出発化合物は、2つの連続グリニャール反応、すなわち夫々4-フルオロフエニルマグネシウムクロライド及びN,N- ジメチルアミノプロピルマグネシウムクロライドとの反応によって5-ブロモフタリドから得られる。
【0007】
シタロプラムの新規で、驚くべき製造方法及びシクロプラムの製造に使用される中間体は、米国特許第4,650,884 号明細書に記載されている。その方法によれば、式III
【0008】
【化11】
で表される中間体を、シタロプラムを得るために強硫酸で脱水することによって閉環反応させる。式IIIで表される中間体は、2つの連続グリニャール反応、すなわち夫々4-フルオロフエニルマグネシウムハロゲニド及びN,N-ジメチルアミノプロピルマグネシウムハロゲニドとの反応によって5-シアノフタリドから製造される。
【0009】
別の処理は国際特許出願第(WO)98/019511号、第(WO)98/019512号及び第(WO)98/019513号明細書に記載されている。国際特許出願第(WO)98/019512号及び第(WO)98/019513号明細書に記載された発明は、5−アミノ−、5−カルボキシ−、5−(s−アミノカルボニル)フタリドを2つの連続グリニヤール反応させて、得られた1,3−ジヒドロイソベンゾフラン誘導体を閉環して、対応する5−シアノ化合物、すなわちシタロプラムに変える方法に関する。国際特許出願第(WO)98/019511号明細書には、(4−置換された−2−ヒドロキシメチルフェニル−(4−フルオロフェニル)メタノール化合物を閉環させ、得られた5−置換された1−(4−フルオロフェニル)−1,3−ジヒドロイソベンゾフランを対応する5−シアノ誘導体に変え、ついでシタロプラムを得るために(3−ジメチルアミノ)プロピルハロゲニドでアルキル化することを特徴とする、シタロプラムの製造方法が開示されている。
【0010】
最後に、シタロプラムの個々の対掌体を製造する方法は、米国特許第4,943,590 号明細書に記載され、この特許から、式IIIで表される中間体の閉環が塩基を用いて不安定なエステルを介して行われることも明らかである。
【0011】
本発明者は、驚くべきことシタロプラムが通常の出発化合物を用いて新規の有利かつ安全な方法によって製造することができることを見出した。
【0012】
発明の要旨したがって、本発明は、式IV
【0013】
【化12】
(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)で表わされる化合物を3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムハライド、好ましくは3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライドと反応させて、式I
【0014】
【化13】
で表わされるシタロプラムを生じさせ、これをその塩基又はその薬学的に容認された塩として単離することを特徴とする、シタロプラムの新規製造方法に関する。
【0015】
もう一つ観点において、本発明は式IVで表わされる新規中間体を提供する。
【0016】
別の観点において、本発明は式IVで表わされる中間体の製造方法に関する。
【0017】
本発明のまた別の観点において、式IVで表わされる化合物は、式III
【0018】
【化14】
で表わされるラセミ化合物の製造に使用される。
【0019】
もう一つの観点において、本発明は本発明の方法によって製造されたシタロプラムを含有する抗うつ性薬学的調合物に関する。
【0020】
本発明の方法によれば、シタロプラムは式IV
【0021】
【化15】
(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)で表わされる化合物から一工程グリニヤール反応によって得られる。
【0022】
驚くべきことに、グリニヤール反応の生成物は自発的に閉環して、直ちにシタロプラムになり、したがって式IVで表わされる化合物とグリニヤール試薬との反応は一工程でシタロプラムを生じる。
【0023】
更に、本発明によれば式IVで表わされる化合物は3つの異なる方法によって製造することができる。
【0024】
これらの方法のうちの一つは、式VI
【0025】
【化16】
で表わされる(4−シアノ−2−ヒドロキシメチルフェニル)(4−フルオロフェニル)メタノールのヒドロキシメチルアルコールによる保護、ついで酸化によって式IVで表わされる化合物(式中、RはC1-6 アルキル、アシル、C1-6 アルキルスルホニル又はアリールスルホニルである。)となすことを含む。
【0026】
式Vで表わされる化合物の酸化は通常の酸化剤によって行われ、好ましくはNa2 WO4 によって行われる。
【0027】
式VIで表わされる化合物の出発化合物は、国際特許出願第PCT/DK97/00511号明細書中に記載されているように製造することができる。
【0028】
式IVで表わされる化合物の別の製造方法は、5−シアノフタリドと4−フルオロフェニルマグネシウムハライド、好ましくは4−フルオロフェニルマグネシウムブロマイドとの反応、ついでR−X(式中、Rは上述の意味を有し、Xは離脱基である。)────このR−Xは好ましくはピバロイルクロライド、3,5- ジメトキシベンゾイルクロライド、ヨウ化メチル、臭化エチル、塩化トシル、Me2 SO4 又はMeSO2 Clである─────との反応を含む。
【0029】
この反応は以下の通り示される:
【0030】
【化17】
出発化合物、5−シアノフタリドはTriouflet, J.; Bull. Soc. Sci. Bretagne 26, 1959, 35に記載されているように製造することができる。
【0031】
式IVで表わされる化合物の第三の製造方法によれば、式IIIで表される化合物の対掌体のうちの一つ、すなわちそのR−対掌体を保護し、脱水して、式VIIで表される化合物となし、これを酸化して式IVで表わされるケトンとする。
【0032】
【化18】
この方法で、式IIIで表されるR−対掌体をラセミシタロプラムの製造に使用することができる。
【0033】
式VIIで表わされる化合物の酸化開裂は酸化によって得られ、好ましくはMnO4 - (過マンガン酸塩)又はオゾン、RuCl3 、OsO4 によって行われる。
【0034】
シタロプラムはラセミ化合物の形で抗うつ薬として市販されている。しかし近い将来、シタロプラムの活性S−対掌体も市場に売り出される予定である。
【0035】
シタロプラムの活性S−対掌体は、米国特許第4,943,590号明細書に記載されているようにそのS−対掌体とR−対掌体を分離し、S−対掌体を閉環することによって式IIIで表される化合物から製造することができる。式IIIで表される化合物のR−対掌体は以前には分離後使用されていなかった。
【0036】
更に、本発明の別の観点によれば、式IIIで表されるR−対掌体を式IVで表される非光学活性な化合物に変換した後、式IIIで表されるラセミ化合物を下記反応式のように製造することができる。
【0037】
【化19】
式IIIで表されるラセミ化合物を米国特許第4,943,590号明細書に記載された方法によって光学活性な対掌体に分離し、それによって式IIIで表される化合物のS−対掌体が得られ、これはS−シタロプラムの製造に使用される。式IIIで表される化合物のR−対掌体は上記処理工程にもう一度再循環させることができる。
【0038】
この方法で式IIIで表される化合物のR−対掌体をS−対掌体に変えることができる。
【0039】
上記反応に対するその他の反応条件、溶剤等々はこのような反応に通常の条件であり、当業者によって容易に決定することができる。
【0040】
本明細書及び請求の範囲を通して、本明細書及び特許請求の範囲を通して、“C1-6 アルキル”なる用語は炭素原子1〜6個を有する分枝状又は非分枝状アルキル基、たとえばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、2,2−ジメチル−1−エチル及び2−メチル−1−プロピルを意味する。
【0041】
“アリール”なる用語は、単環状又は二環状炭素環状芳香族基、たとえばフェニル及びナフチル、特にフェニル又は環置換されたフェニルを意味する。
【0042】
“ヘテロアリール”なる用語は単環状又は二環状ヘテロ環状芳香族基、たとえばインドリル、チエニル、ピリミジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ピリジル及びフラニル、特にピリミジニル、インドリル及びチエニルを意味する。
【0043】
“アシル”なる用語はC1-6 アルキル−又はアリール−又はヘテロアリールカルボノニルの意味において使用され、この場合C1-6 アルキル−又はアリール−又はヘテロアリールは上記に定義した通りである。
【0044】
ハロゲンは塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0045】
離脱基はハロゲン化物又はスルホン酸塩を意味するのが好ましい。
【0046】
本発明の好ましい実施態様において、Rがアシル、好ましくはピバロイル、アセチル又は場合により置換されたベンゾイルである。
【0047】
一般式Iの化合物は、その遊離塩基として又はその薬学的に容認された酸付加塩として使用することができる。このような酸付加塩として有機酸又は無機酸で生成される塩を使用することができる。この様な有機塩の例は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデリン酸、ケイヒ酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p- アミノ- 安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸及びテオフイリン酢酸、並びに8-ハロテオフイリン、たとえば8-ブロモ- テオフイリンとの塩である。この様な無機塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルフアミン酸、リン酸及び硝酸との塩である。
【0048】
この化合物の酸付加塩は当該技術において公知の方法で製造することができる。その塩基を水と混和しうる溶剤、たとえばアセトン又はエタノール中で計算量の酸と反応させ、ついで濃縮させ、冷却して塩を単離させるか又は水と混和し得ない溶剤、たとえばエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタン中で過剰の酸と反応させ、塩を自発的に単離させる。
【0049】
本発明の薬学的調製物は、すべての適する方法で及びすべての適する形で、たとえば錠剤、カプセル、粉末、シロップの形で経口で又は通常の注射用滅菌溶液の形で腸管外に投与することができる。
【0050】
本発明の薬学的調製物を、当該技術において慣用の方法によって製造することができる。たとえば錠剤を有効物質と通常の佐剤(adjuvants) 及び(又は)希釈剤とを混合し、次いでこの混合物を慣用の打錠機で圧縮することによって製造することができる。佐剤又は希釈剤の例として次のものがあげられる:コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、乳糖、ゴム等々。他のすべての佐剤又は添加物、たとえば着色料、芳香剤、保存剤等々をこれらが有効成分と相容であるならば使用してもよい。
【0051】
注射用溶液は、有効成分と使用可能な添加物とを一部の注射用溶剤、好ましくは滅菌水に溶解し、この溶液を所望の容量に調整し、この溶液を滅菌し、適当なアンプル又は小瓶に詰めることによって、製造することができる。当該技術において通常使用されるすべての適当な添加物を、たとえば張度剤(tonicity agent) 、保存剤、酸化防止剤等々を添加することができる。
【0052】
実施例
更に、本発明を次の例によって説明する。
【0053】
例1
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−1−ヒドロキシ−メチル]−ベンジル エステル
(4−シアノ−2−ヒドロキシメチルフェニル)(4−フルオルフェニル)メタノール(9.2g、0.037モル)及びトリエチルアミン(4.0g、0.04モル)を有する攪拌された溶液に塩化ピバロイル(4.2g、0.39モル)を添加する。60分間攪拌した後、反応混合物を氷上に注ぎ、ジエチルエーテル(2×75ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して無色油状物(12.0g)が得られる。得られた化合物をクロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン/酢酸エチル1:9)によって精製して、目的化合物(8.2g,70%)を生じる。
【0054】
【外1】
例2
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
酢酸エチル(20ml)中に2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオルフェニル)−1−ヒドロキシ−メチル]−ベンジル エステル(8.0g、0.025モル)を有する攪拌された溶液に、30%wt過酸化水素溶液(10g、0.079モル)、Na2 WO4.2H2 O(0.15g,0.0005モル)及び(n−オクチル)3NCH3 .HSO4 (0.23g,0.0005モル)を添加する。ついで混合物を4時間還流加熱し、室温に冷やし、希HClに注ぎ、ジエチルエーテル(2×50ml)で抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して目的ケトン化合物(7.8g,97.5%)が得られる。
【0055】
例3
酢酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びそのシュウ酸塩
方法A。無水酢酸(103g、1モル)を、アセトニトリル(438g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(72g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に20℃で滴加する。添加が終了するやいなや、塩化トリメチルシリル(5.5g,0.05モル)を滴加し(20から28℃に上昇する発熱反応温度を生じる)、一晩攪拌する。ついで濃H2 SO4 (14.5g,0.14モル)を反応混合物に添加し、反応混合物を30分間50℃で加熱する(HPLCが反応の終了を示す)。冷却後、反応混合物を減圧下に濃縮し、アンモニア水溶液(23%)で中和し、トルエンで抽出する(2回)。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、淡いオレンジ色油状物として目的化合物(69.5g,85%)が得られる。
【0056】
シュウ酸塩として製造。メタノール(50ml)中にシュウ酸(1g、0.0177モル)を有する温かい溶液を、メタノール(50ml)中に目的のアルケン化合物(6.63g,0.0173モル)を有する攪拌された溶液に添加する。冷却した後、結晶を濾過によって単離し(7.4g)、冷メタノール(10ml)で洗浄する。融点168℃。
【0057】
【外2】
酢酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル
方法3B。無水酢酸(1112g、10.8モル)を、アセトニトリル(1000g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(1000g、2.9モル)を有する攪拌された溶液に20℃で滴加し(20から50℃に上昇する発熱反応温度を生じる)、2時間攪拌する。ついで濃H2 SO4 (300g,3モル)を反応混合物に添加し、反応混合物を3時間50℃で加熱する(HPLCが反応の終了を示す)。冷却後、反応混合物をアンモニア水溶液(25%)で中和し、トルエンで抽出する(2回)。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、淡いオレンジ色油状物として目的化合物(1023g,92%)が得られる。
【0058】例4
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びそのシュウ酸塩
方法4A。塩化ピバロイル溶液(26.0g、0.215モル)を、アセトニトリル(438g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(72g、0.21モル)及びトリエチルアミン(25.0g,0.247モル)を有する攪拌された溶液に20℃で添加する。60分後、濃H2 SO4 (40ml)を滴加し、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(25%)で中和し、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、黄色油状物として目的化合物(82g,96%)が得られる。シュウ酸塩として製造。(アセトン)融点188℃。
【0059】
【外3】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル及びその塩化水素塩
方法4B。塩化ピバロイル溶液(30.1g、0.25モル)を、アセトニトリル(290ml)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(85.5g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に0℃で添加する。濃H2SO4 (32.5g,0.33モル)を添加する前に、反応混合物をさらに60分間攪拌する。添加が終了するやいなや、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アンモニア水溶液(23%)で中和する前に、アセトニトリル(220ml)を減圧で除去し、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧下で濃縮して、ピンク色油状物として目的化合物(102.1g)が得られる。
【0060】
メタノール中にアルケン化合物II(50.0g,0.11モル)を有する溶液を、メタノール(200ml)中に無水HClを有する攪拌された溶液に添加する。30分間室温で攪拌した後、溶剤を減圧下に除去し、ジエチルエーテルを添加し、生じた白色固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、HCl塩(48.1g)が得られる。融点165℃。
【0061】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、硫酸水素塩
方法4C。塩化ピバロイル溶液(29g、0.24モル)を、アセトニトリル(290ml)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(85.5g、0.21モル)を有する攪拌された溶液に0℃で添加する。濃H2 SO4 (32.5g,0.33モル)を添加する前に、反応混合物をさらに60分間攪拌する。添加が終了するやいなや、反応混合物を180分間70℃で加熱する。反応混合物を室温に冷却し、アセトニトリルを減圧下に除去し、トルエン(200ml)を添加し、減圧下に除去して、ピンク色油状物として目的化合物(112.4g)が得られる。
【0062】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、塩化水素塩
方法4D。塩化ピバロイル溶液(7.6g、0.63モル)を、アセトニトリル(21.35g)中に4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシ−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(21.35g、0.052モル)を有する攪拌された溶液に室温で滴加する。添加が終了するやいなや、CH2 Cl2 (50ml)中に塩化メタンスルホニル(6.1g,0.053モル)を有する溶液を添加し、ついでトリエチルアミン(10.6g,0.105モル)を添加する。反応混合物をさらに30分間攪拌し、水を注ぎ、CH2 Cl2 で抽出し、有機相を乾燥し(MgSO4 )、減圧で濃縮する。ついで得られた油状物を無水エタノール/HClに溶解し、減圧下で濃縮し、ジエチルエーテルで処理し、濾過して、アルケンHCl塩(22.6g,98%)が得られる。
【0063】
例5
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5A。H2 O(1100ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステルのHCl塩(165g、0.337モル)を有する攪拌された溶液に、H2 O中にNaMnO4 (40%vv)(3.7モル)を有する溶液を45〜50℃で反応温度が維持されるような速度で添加する。添加が終了するやいなや、反応混合物を室温に冷却し、濾過する。固体の濾過物を冷水(3×150ml)で洗浄し、固体残留物をアセトン(2000ml)中で攪拌し、濾過し、蒸発によって粗製ケトンが生じる。シリカプラグ(silica plug )(溶離剤ヘキサン:酢酸エチル8:2)によって濾過して精製し、純粋な化合物として目的のケトン82g、(75%)が生じる。融点81℃。
【0064】
【外4】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5B。O2 中のオゾンを、水(1300ml)及び濃HCl(70ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル(38.0g,0.093モル)を有する攪拌された溶液によって反応をHPLCで追跡しながら泡立てる。反応の間、白色沈殿が生じ、反応の終了時に白色固体を濾過し、水洗し、減圧下に乾燥して、純粋な化合物として保護された目的のケトン(22.5g、72%)が生じる。
【0065】
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
方法5C。水(250ml)及び酢酸エチル(100ml)中にアルケン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−ブト−1−エニル]−ベンジル エステル、H2 SO4 (11.0g,0.022モル)を有する懸濁液に、NaIO4 (30g、0.14モル)及びRuCl3 、水和物(0.35g)を添加する。この懸濁液を16時間環境温度で激しく攪拌する。得られた懸濁液をシリカのプラグによって濾過する。有機相を分離し、水(50ml)で洗浄する。減圧で溶剤を蒸発させ、油状物として目的化合物が得られる。これを放置して結晶化させる。収量:7.4g(99%)。
【0066】
例6
2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル
乾燥THF(100ml)中に、4−フルオルブロモベンゼン(19.2g,0.11モル)及びマグネシウム削り屑(3.2g,0.13モル)から製造された4−フルオルフェニルマグネシウムブロマイドを有する溶液を、乾燥THF(150ml)中に5−シアノフタリド(15.9g,0.1モル)を有する懸濁液に滴加する。温度を5℃以下に保つ。添加の終了後、反応混合物を室温で一晩攪拌する。
【0067】
塩化ピバロイル溶液(13.3g、0.11モル)を反応混合物に添加し、温度を60℃に2時間60℃に上昇させる。得られた溶液をNH4 Cl(100ml、水溶液)及び氷(50g)を有する飽和溶液に添加する。ジエチルエーテル(100ml)を添加し、相を分離する。有機相を0.1NNaOH(2×100ml)、ついで水(100ml)で洗浄し、有機相をMgSO4 (20g)を用いて乾燥する。溶剤の蒸発によって油状物として粗製の目的化合物(29.8g,88%)が得られる。この油状物は次の反応に対して十分に純粋であると考えられる。純粋なサンプルが、EtOAc/n−ヘキサン(1:9)から結晶化させることによって得られる。目的化合物がオフホワイト結晶として得られる。
【0068】
例7
1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1−(4−フルオル−フェニル)−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−5−カルボニトリル、及びそのシュウ酸塩
0℃で無水THF(150ml)中に2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル(28.5g,0.084モル)を有する溶液に、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライド(2.2当量)を添加し、反応をHPLCによって追跡する。0℃で1時間後、飽和塩化マグネシウムを添加し、混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し(Na2 SO4 )、減圧下に濃縮し、目的化合物が油状物として生じる(28.0g,(純度87%HPLC))。このシュウ酸塩がアセトンから結晶化されることによって得られる。
【0069】
例8
4−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル
ケトン2,2−ジメチル−プロピオン酸5−シアノ−2−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−ベンジル エステル(20g、0.061モル)を、新たに製造されたNaメトキシド(ナトリウム0.25g,メタノール100ml中に)に添加し、室温で攪拌する(HPLCが脱保護の終了を示す。)。ついでメタノールを減圧で除去し、MTBEに溶解させ、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、減圧で濃縮して目的化合物の脱保護されたケトン(14.6g)が得られる。
【0070】
例9
4−[4−ジメチルアミノ−1−(4−フルオル−フェニル)−1−ヒドロキシメチル−ブチル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル
0℃で無水THF中にケトン4−[1−(4−フルオル−フェニル)−メタノイル]−3−ヒドロキシメチル−ベンゾニトリル(15.0g、0.046モル)を有する溶液に、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルマグネシウムクロライド(2.2当量)を有する溶液を添加し、反応をHPLCによって追跡する。0℃で1時間後、飽和塩化アンモニウムを添加し、混合物をMTBEで抽出し、乾燥し(MgSO4 )、減圧下に濃縮して、目的化合物が油状物として得られる。(16.7g,(純度85%))。
Claims (6)
- 式VIIで表わされる化合物の酸化開裂をMnO4 - (過マンガン酸塩)又はオゾン、RuCl3 、OsO4 によって実施される酸化によって行う、請求項3記載の方法。
- Rがアシル、好ましくはピバロイル、アセチル又は場合により置換されたベンゾイルである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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