JP2003011946A - ポリエチレンナフタレート含有プラスチック容器 - Google Patents

ポリエチレンナフタレート含有プラスチック容器

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JP2003011946A
JP2003011946A JP2001291697A JP2001291697A JP2003011946A JP 2003011946 A JP2003011946 A JP 2003011946A JP 2001291697 A JP2001291697 A JP 2001291697A JP 2001291697 A JP2001291697 A JP 2001291697A JP 2003011946 A JP2003011946 A JP 2003011946A
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Tadashi Seto
忠史 瀬戸
Ko Ogawa
香 小川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 内部を効率よく洗浄でき、内容物を長期にわ
たり安全に保存することが可能で、ぬれ性及び/または
耐透湿性が優れた医薬品、化粧品、飲食品等の容器とし
て適したPEN含有プラスチック容器、及び本容器に収
容された医薬組成物又は化粧料を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンナフタレートを含む樹脂組
成物の成形品に放射線を照射してなる、ぬれ性及び/ま
たは耐透湿性が向上したプラスチック容器及びその製造
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線照射処理に
よってぬれ性及び/又は耐透湿性が向上したポリエチレ
ンナフタレート系樹脂製成形品、及びそのような成形品
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレートなどで成形されたプラスチック製
の容器は大量生産によって低コストで製造することがで
き、軽量で取り扱い易いことから、飲食品、医薬品、化
粧品等、非常に広範な分野で汎用されている。しかし、
必ずしも使用目的に適したプラスチック成形品が提供さ
れていないのが実情である。例えば、容器内部の洗浄を
効率的に行うために適切なぬれ性が要求され、また内容
物が溶液である場合には、溶質の濃度や品質を保持する
ために一定の耐透湿性が必要となる。
【0003】通常、医薬品、化粧品、飲食品等、人体に
適用される内容物を容器に充填または収容する工程は、
容器内の塵埃の除去を目的とした洗浄工程と充填工程か
らなる。洗浄工程は、水洗浄又は空気洗浄で行われる。
水洗浄は、水流または水圧により容器内部を洗浄する方
法であり、表面が水で容易にぬれることは、洗浄効果が
高まるので、確実に容器内の異物を洗い流すことがで
き、使用水量の減少や処理時間の短縮が可能となり、重
要な性質である。また、空気洗浄は、空気流または空気
圧により容器内部を洗浄する方法であり、この方法の場
合も良好なぬれ性は、容器内での静電気の発生を減少さ
せるので塵埃の除去が容易になり洗浄効果の向上をもた
らす。また、ぬれ性が良いと、塵埃の容器内への混入を
防止し易い。このように、容器内部のぬれ性の良否は洗
浄作業の効率を左右する。
【0004】また、充填する内容物が液体である場合、
容器材質のぬれ性が悪いと充填時に発生した気泡の多く
が容器壁に付着し、付着した気泡の容量に応じて充填可
能な液量が減少するので、充填精度が悪くなる。そのよ
うな事態を避けるために充填速度を遅くする等の対応が
必要となる場合がある。このように、容器の洗浄工程や
充填工程を効率よく行うためには、プラスチック容器の
ぬれ性が良好であることが非常に重要である。
【0005】上記したように、ぬれ性の向上は、飲食
品、化粧品、医薬品などのあらゆる種類の容器に共通し
て望まれているが、特に眼科用製剤(点眼剤、洗眼剤、
コンタクトレンズ用剤など)や注射剤等の医薬品用容器
の場合には要望が強い。即ち、点眼剤、洗眼剤、注射剤
等の医薬用製剤は、異物汚染については細心の注意を払
う必要がある。たとえば、これらの製剤に対して、日本
では、日本薬局方の「点眼剤の不溶性微粒子試験法」、
「注射剤の不溶性微粒子試験法」、「プラスチック製医
薬品容器試験法」等の試験が課されている。従って、こ
れらの試験に対応するため、容器内の異物を除去しなけ
ればならず、洗浄工程における異物の効率的な除去が必
須である。そのためには、異物の除去効率の良い容器が
必要とされる。その他、点眼剤や洗眼剤と同様、コンタ
クトレンズ用剤の場合も、同じく異物の除去効率のよい
容器が望まれている。
【0006】プラスチック素材表面のぬれ性を向上する
方法として、プラスチックの形成加工時に、界面活性剤
を添加剤として練りこみ、プラスチック表面を親水性に
することによる、プラスチック製容器又はプラスチック
製フィルムの防曇法又は帯電防止法が知られている。し
かしながら、プラスチック成形品の表面からこれらの添
加剤がにじみだすため、医薬品、化粧品、飲食品等人体
に適用される物質のための容器としては安全性の面で問
題があった。
【0007】さらに、プラスチック容器では透湿による
内容物の濃縮や変性といった問題が起りうるので、耐透
湿性の向上も必要である。特に医薬品、化粧品等の容器
では長期に渡って品質を維持することが必要であるが、
透湿による成分濃縮は問題となっていた。これに対し
て、透湿性の低いプラスチック素材の開発が検討されて
いるが満足できるものは得られていない。また、容器の
肉厚を増したり、プラスチックフィルムで2重包装する
方法がとられているが、肉厚を増大すると、容器壁面が
硬くなり、内容物を容器から押し出し難くなるなどの弊
害があり、2重包装の場合は、製造コストが高くなると
いう欠点があった。したがって、耐透湿性の向上したプ
ラスチック容器の開発が望まれていた。
【0008】アルコール飲料、清涼飲料、洗剤などの液
体を収容するプラスチック容器の多くがポリエチレンテ
レフタレート(以下、「PET」と略称)製である。P
ETは低価格であり、利用しやすい素材であるが、ガラ
ス転移点、耐熱性、ガスバリア性、紫外線バリア性、耐
薬品性、耐アルカリ性などに難点がある。これに対し
て、ポリエチレンナフタレート(以下、「PEN」と略
称)は、ガラス転移点、耐熱性、ガスバリア性、紫外線
バリア性、耐薬品性、耐アルカリ性等の点でPETより
優れており、通常の容器としての用途以外に、リターナ
ブル容器としても有用である。PEN含有プラスチック
成形品は優れた特性を有するが、さらにぬれ性や耐透湿
性を改善することにより、一層優れたものが得られると
考えられる。
【0009】そのようなぬれ性と耐透湿性に優れたPE
N含有プラスチック容器は、プラスチック製容器の利便
性はもとより、PENの優れた特性に加えて、洗浄効率
が良く内容物を安全に保持する容器として、単に医薬品
のみならず、化粧品、飲食品等の様々な分野で有用と考
えられる。また、そのような容器はリターナブル容器と
しての使用にも適し、少資源化に貢献することができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ぬれ性及び
/または耐透湿性が優れた安全なPEN含有プラスチッ
ク容器を提供しようとするものである。また、本発明
は、洗浄工程における洗浄効率が向上し、及び/又は長
時間に渡って成分の濃縮を抑制しうる、医薬品、化粧
品、飲食品等の容器として適したPEN含有プラスチッ
ク容器、及び本容器に収容された医薬組成物又は化粧料
を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレン
ナフタレート系の樹脂は放射線照射処理により、ぬれ性
及び/または耐透湿性が改善されることを見出し、本発
明を完成させた。即ち、本発明は、ポリエチレンナフタ
レートを含む樹脂組成物の成形品に放射線を照射してな
る、ぬれ性及び/または耐透湿性が向上したプラスチッ
ク製容器を提供するものである。本発明はまた、ポリエ
チレンナフタレートを含む樹脂組成物の成形品に放射線
を照射することからなる、該成形品のぬれ性及び/また
は耐透湿性を増強する方法を提供するものである。
【0012】
【発明を実施するための好ましい態様】本明細書中で
は、本発明の、ポリエチレンナフタレートを含む樹脂組
成物の成形品に放射線を照射してなる、ぬれ性及び/ま
たは耐透湿性が向上したプラスチック製容器を、単に
「本発明容器」と呼称する。本明細書中、用語「ぬれ
性」は、当該技術分野で用いられる意味を有する。すな
わち、固体表面のぬれ性(ぬれ易さ)は、液体分子間の
凝集力と、液体と固体壁間の付着力の大小関係によって
決まる特性であり、水平な平板状の固体(樹脂)表面に
液滴を置いた場合の、固体面と液面との接触角θ(単
位:°)を指標とすることができる。つまり、θが小さ
いほど、液体は固体表面に広がりやすく、ぬれやすさが
増すことになる。従って、「ぬれ性が向上する、又は増
強される」とは、PEN含有プラスチック製容器の表面
が水にぬれ易くなること、言い換えれば、θが小さくな
ることを意味する。
【0013】本発明容器は、放射線照射処理の結果、処
理後は処理前に比較してぬれ易さが増強されている。増
強の程度は、放射線処理前の接触角θaと、処理後のθ
bとの差(θa−θb=Δθ、単位(°))であらわす
ことができる。Δθが「+値」であれば、ぬれ性は向上
しており、「−値」であれば、ぬれ性が低下している。
本発明容器のぬれ性の向上は、Δθ値として、+0.3
°以上、好ましくは+0.5°以上、より好ましくは+
1°以上である。また、本発明容器のぬれ性(ぬれ易
さ)を接触角θで表すと、含有成分の比率によって異な
るが、水に対する接触角で表すと、一般に、85°以下
が好ましく、80°以下であることがより好ましい。
【0014】本発明容器は、PEN含有組成物から成形
されたプラスチック樹脂成形品であることを条件とし
て、任意の組成物で成形されたものであってよい。ま
た、プラスチック成形品としての容器は、PENのホモ
ポリマー以外に、PENを共重合体の一部として含有す
る樹脂、PENをブレンドした樹脂などであって良い。
本発明のプラスチック成形品の素材は、PENのホモポ
リマーからなることが好ましいが、PENと他の樹脂と
の組み合わせであってもよい。PENと組み合わせて共
重合体またはブレンドして用いうる樹脂には、ポリエス
テル系樹脂が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)などの芳香族ポリエステル系樹脂、
ポリー3−ヒドロキシブチレートや3−ヒドロキシブチレ
ートー3−ヒドロキシバリレート等の脂肪族ポリエステ
ル系樹脂などが挙げられるがこれらに限定されない。こ
の内、芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、PETが
特に好ましい。プラスチック成形品中のPENの含有量
は特に限定されないが、1%以上100%以下、好ましくは
5%以上100%以下、特に好ましくは8%以上100%以下であ
る。
【0015】放射線照射の対象であるプラスチック成形
品は、PENと他の樹脂を常法通りが共重合またはブレ
ンドし、適当な金型に流し込み、ブロー成形法などの、
プラスチック工業の分野で既知の方法で製造することが
できる。あるいは、本発明の定義の範囲内のPENを含
有することを条件として、市販のプラスチック成形品を
用いても良い。また、可塑剤、滑剤、安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤などの各種添加剤を必要に応
じて配合しても良い。
【0016】本明細書中、用語「放射線」は放射性崩壊
によって放出される粒子のビーム(α線、β線、γ線)
のみならず同程度以上のエネルギーをもつビーム(電子
線、X線等)を指す。本発明は、特定の放射線の使用に
より制限されないが、γ線、電子線などが好ましい。特
に、生産速度の向上、安全性の高さなどの点で、工業的
には電子線が好ましいが、他の放射線であってもよい。
なお、医薬組成物用の容器の場合、滅菌工程もかねるこ
とから、特にγ線及び電子線が好ましい。
【0017】放射線源は放出されるビームに応じて当業
者既知のものから任意に選択しうる。例えば、電子線を
用いる場合は、加速電圧が100kV以上の電子線加速
器を使用することができる。加速電圧が100kV よ
り小さいと電子線の透過深さが十分でない。電子線加速
器には、静電型電子加速器や高周波型電子加速器などが
あり、電子線照射装置の例としては、バンデグラーフ型
などの電子線走差型装置やエレクトロンカーテン型など
の電子線固定・コンベア移動型装置などが挙げられる。
具体的には、5MeV 200KW 級静電型電子加速器ダイナミ
トロン型(RDI社製)、5MeV 30mA EPS5型(日新ハイボル
テージ社製)、10MeV 200KWロードトロンTT300(IBA社
製)がある。例えば、γ線を用いる場合には60Cを放射
線源として、γ線を放出する装置であれば、任意に選択
できる。具体例として、γ線照射装置JS-7500又はJS-85
00(カナダMDS Nordion社製)を挙げることができる。
【0018】本発明容器の製造に用いられる放射線の吸
収線量は、通常、1kGy〜300kGyであり、好ましくは5kG
y〜100kGy、より好ましくは10kGy〜100kGyである。1kGy
未満ではぬれ性の充分な向上が達成できない場合があ
り、また、300kGyより大きいと、容器材質の機械的物性
の低下や容器材質の変色などの影響が起る恐れがある。
また、良好な耐透湿性を確保するためにも、300kGy以下
であることが好ましい。上記の範囲の線量は点眼剤用容
器や洗眼剤用容器、注射剤用容器等の滅菌にも有効であ
ることから、例えば、PEN含有プラスチック製点眼剤
用容器等を滅菌工程に供することで、本発明の容器を得
ることができる場合もある。
【0019】本発明で用いる放射線の照射条件は所定の
吸収線量が照射されることを条件として、特に制限され
ない。照射は窒素下など不活性ガス雰囲気で行うことが
好ましいが、空気中で行ってもよい。また、照射速度・
時間にも特に制限はない。
【0020】本発明容器はぬれ性及び/又は耐透湿性が
改善された容器を含むが、ぬれ性と耐透湿性がともに向
上している容器は、洗浄の効率化及び内容物の品質保持
等のために好ましい。本発明容器は広範な分野で利用可
能であるが、特に医薬品、化粧品、食料品のための容器
として有用であり、医薬品又は化粧品用容器としてより
好適である。本発明容器は液体を収容するための液体収
容用容器として好適に使用される。特に、点眼薬、洗眼
薬、注射薬及びコンタクトレンズ用剤から選択される医
薬組成物用の容器として適する。点眼薬、洗眼薬、コン
タクトレンズ用剤などの眼科用組成物の容器として好適
である。さらには、化粧品や食料品等の再利用可能な容
器(リターナブル容器)としても有用である。以下、実
施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0021】実施例1〜実施例19 放射線(電子線)
照射容器 放射線として電子線を用い、PEN含有プラスチック容
器を処理して本発明容器を製造した。表1に記載の各容
器に、照射用機器として5MeV200KW級静電型電
子加速器ダイナミトロン(RDI社製)を用い、該表1
に記載の条件下で電子線照射処理を施した。例えば、実
施例1では、PEN製容器(PEN100)に5MeV
200KW級静電型電子加速器ダイナミトロンを用い、
加速電圧4.8MV 、電流2mA 、カート速度12m /
分で電子線照射を1回行った(吸収線量1kGy )比較例
1〜4として、PET100%の容器を用いて同様に放射
線照射処理を行った。
【0022】
【表1】
【0023】実施例20〜実施例32 放射線(γ線)
照射容器 放射線としてγ線を用い、PEN含有プラスチック容器
を処理して本発明容器を製造した。表2に記載の各容器
に、照射用機器としてγ照射装置JS−7500又はJ
S−8500(カナダ MDS Nordion社製)
を用い、該表2に記載の条件下でガンマ線照射処理を施
した。具体的には、線源に60Coを用い、装置内で容器
を線量計と共に移動させながら、γ線を照射した。照射
線量は線量計(アラニン線量計又はPMM(polymethyl
methacrylate))を用いて確認した。
【0024】
【表2】
【0025】試験例1 ぬれ性試験 上記実施例及び比較例に記載の容器と材質が同一の板状
プラスチック材料を、それぞれの実施例、比較例と同じ
照射条件下で放射線処理し、得られた放射線処理品のぬ
れ性を以下の方法で試験した。試験は、放射線処理品
(サンプル)を10ケずつ用いて行った。電子線照射
品、γ線照射品並びに未照射品の表面に精製水2μLの
液滴を形成させ、各サンプルとの接触角を測定し、未照
射品の接触角から電子線又はγ線照射品の接触角を差し
引いた値(接触角の低下:Δθ(単位:°)を求め、そ
の平均値が正値を示した場合を「ぬれ性向上」、負値を
示した場合を「ぬれ性低下」と評価した。結果は、表
3、表4に記載した。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】試験例2 洗浄効率試験 上記実施例及び比較例に記載の放射線処理容器の洗浄効
率を次の方法で試験した。電子線照射容器並びに未照射
容器を各10ケずつ用い、それぞれにプラスチック片
(100μm、PEN100%の電子線未照射のプラスチック板を
粉砕して作成。)約100mgを入れ、空気圧0.2MPa、噴射
ノズル径1.2mm、洗浄時間5秒の条件で空気洗浄を行っ
た。その後、除塵精製水8mLを加え、数回倒立するよう
にして穏やかに振り混ぜた後、白色光源を用い、300
0〜5000ルクスの明るさの位置で、容器内の異物の
有無を肉眼で観察した。観察後、PET100%電子線未照射
容器で観察される異物量を3と規定し、以下の判断基準
で異物量を判定した。結果は、表5に記載した。 5:PET100%電子線未照射容器より多い異物が認められ
る。 4:PET100%電子線未照射容器よりやや多い異物が認め
られる。 3:PET100%電子線未照射容器と同程度の異物が認めら
れる。 2:PET100%電子線未照射容器よりやや少ない異物が認
められる。 1:PET100%電子線未照射容器より少ない異物が認めら
れる。
【0029】
【表5】
【0030】試験例3 耐透湿性試験 上記実施例及び比較例に記載の放射線処理容器の耐透湿
性を次の方法で試験した。電子線照射品並びに未照射品
に精製水を8mL充填し、温度40℃、75%RHの条件下で15日
間放置した。試験開始前と終了後の重量の差を求めて1
5日間の透湿量とした。電子線照射品と未照射品の各々
の透湿量を以下の計算式に導入して未照射品に対する電
子線照射品の透湿量の比率(透湿比率)を算出した。値
が100%未満であれば「耐透湿性あり」と評価した。結果
は表6に示す。 透湿比率(%)=(電子線照射品の透湿量/未照射品の透
湿量)×100
【0031】
【表6】
【0032】表3〜表6から、明らかに、PEN含有プラ
スチック容器の場合は放射線照射処理によって、ぬれ
性、洗浄効率及び耐透湿性が向上する。対照的に、PET
製容器の場合は、ぬれ性ならびに洗浄効率が悪化してい
る。また、放射線照射処理によって、PET製容器の耐透
湿性の向上は認められるものの、透湿量そのものが多
く、長期間の保存には適しない。
【0033】
【発明の効果】本発明の放射線照射処理してなるPEN
含有プラスチック製容器は、ぬれ性及び/または耐透湿
性が向上されているので、内部の洗浄を効率的に実施で
き、内容物を長期にわたり安全に保存することが可能と
なる。耐熱性、耐アルカリ性等の優れた特性に加えて、
ぬれ性等の好ましい特性が付加された本発明容器は医薬
品、化粧品、飲食品などの容器として利用価値が高い。
また、繰返して洗浄が必要なリターナブル容器としても
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA01 BA30 CA07 CA10 CA13 CA20 EA20 4F073 AA01 AA11 BA23 BA24 BB03 CA41 CA42 HA11 4J002 CF06W CF06X CF08W GG01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンナフタレートを含む樹脂組
    成物の成形品に放射線を照射してなる容器。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物が、ポリエチレンナフタレー
    ト以外のポリエステル系樹脂をも含有していることもあ
    る、請求項1に記載の容器。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物中のポリエチレンナフタレー
    トの含有量が5〜100%である請求項1又は2に記載
    の容器。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物がポリエチレンナフタレート
    のホモポリマー、ポリエチレンナフタレートと、ポリエ
    チレンテレフタレートとの共重合体またはブレンドであ
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
  5. 【請求項5】 放射線が電子線またはγ線である請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の容器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の容
    器を使用した医薬品又は化粧品。
  7. 【請求項7】 ポリエチレンナフタレートを含む樹脂組
    成物の成形品に放射線を照射することからなる、該成形
    品のぬれ性及び/又は耐透湿性を増強する方法。
  8. 【請求項8】 放射線が電子線またはγ線である請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 放射線の吸収線量が1kGy〜300kGyであ
    る請求項7又は8に記載の方法。
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