JP2003011507A - 感熱記録紙 - Google Patents

感熱記録紙

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JP2003011507A
JP2003011507A JP2001198206A JP2001198206A JP2003011507A JP 2003011507 A JP2003011507 A JP 2003011507A JP 2001198206 A JP2001198206 A JP 2001198206A JP 2001198206 A JP2001198206 A JP 2001198206A JP 2003011507 A JP2003011507 A JP 2003011507A
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layer
recording paper
thermal recording
coating
undercoat layer
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JP2001198206A
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Kazuki Okauchi
主器 岡内
Kiyomi Okada
きよみ 岡田
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録感度および中間調の記録画質に優れた感
熱記録紙を提供することにある。 【解決手段】 紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料
と接着剤を主成分とする下塗り層、並びに電子供与性化
合物、電子受容性化合物および接着剤を含有する感熱記
録層を順次有する感熱記録紙において、上記の課題を解
決するための一つの手段として、下塗り層および感熱記
録層の0.25〜1.0mmの波長域での表面粗さRa
(中心線平均粗さ)値がそれぞれ0.5μm以下、0.
7μm以下となるようにし、かつ下塗り層の密度を0.
85g/cm以下とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子供与性化合物
と電子供与性化合物との発色反応を利用した感熱記録紙
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子供与性化合物と電子供与性化
合物との発色反応を利用した感熱記録紙は良く知られて
いる。かかる感熱記録紙は比較的安価であり、また記録
機器がコンパクトでかつその保守も比較的容易であるた
め、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体としてのみ
ならず、ラベル用の記録媒体にも使用されている。特に
近年、このような感熱記録方式を用いるファクシミリ・
プリンターの装置の改良が進み、従来は困難とされてい
た高速記録が可能となっている。このような機器の高速
化に伴いそれに使用される感熱記録紙も記録感度の一層
の向上が要求され、これに関する多くの提案がなされて
いる。
【0003】例えば、記録感度を向上させる手段とし
て、多孔性顔料と接着剤を主成分とする熱伝導率の低い
下塗り層を支持体と感熱記録層との間に設けた感熱記録
紙が特開昭55−164192号公報に記載されている
が、下塗り層がポーラスであるために、その上に感熱記
録層を形成するための塗液が下塗り層に落ち込み、記録
画質および記録感度が十分に得られ難い傾向にある。
【0004】また、記録画質の均一性を高めるため、下
塗り層にカレンダー処理を施す手段もあるが、カレンダ
ー処理により、下塗り層の空隙率低下による断熱性が低
下して、十分な記録感度がが得られない問題がある。
【0005】ところで、特開平5−116449号公報
には、下塗り層および保護層の光学的表面粗さ3.5μ
m以下で、かつ下塗り層の熱伝導率を0.55Kcal/
mh℃である感熱記録紙が記録感度および記録画質に優
れた効果を有することが記載されているが、光学濃度が
0.2〜0.8の記録部の画質が低下する問題がある。
【0006】また、特開平1−180383号公報に
は、紙支持体上に顔料と水性接着剤を主成分とするキャ
ストコートされた下塗り層の上に、厚さ1〜20μmの
樹脂層、および感熱記録層を順次有する感熱記録紙が記
録画質に優れた効果を有することが記載されているが、
記録感度が低い問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、記録
感度および中間調の記録画質に優れた感熱記録紙を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】紙支持体の少なくとも一
方の面に、顔料と接着剤を主成分とする下塗り層、並び
に電子供与性化合物、電子受容性化合物および接着剤を
含有する感熱記録層を順次有する感熱記録紙において、
上記の課題を解決するための一つの手段として、下塗り
層および感熱記録層の0.25〜1.0mmの波長域で
の表面粗さRa(中心線平均粗さ)値がそれぞれ0.5μ
m以下、0.7μm以下となるようにし、かつ下塗り層
の密度を0.85g/cm以下とするものである。
【0009】また、顔料と接着剤を主成分とする下塗り
層、中間層、並びに電子供与性化合物、電子受容性化合
物および接着剤を含有する感熱記録層を順次有する感熱
記録紙において、上記の課題を解決するための一つの手
段として、中間層および感熱記録層の0.25〜1.0
mmの波長域での表面粗さRa(中心線平均粗さ)値がそ
れぞれ0.5μm以下、0.7μm以下となるように
し、かつ下塗り層の密度が0.85g/cm以下とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、感熱記録層が形成され
る下塗り層または中間層、および感熱記録層の0.25
〜1.0mmの波長域での表面粗さRa(中心線平均粗
さ)値がそれぞれ0.5μm以下、0.7μm以下であ
り、かつ下塗り層の密度が0.85g/cm以下であ
るところに重大な特徴を有するものである。特に、下塗
り層または中間層表面のRa値は0.1〜0.2μm以
下、感熱記録層表面のRaは0.1〜0.4μm以下が好
ましい
【0011】感熱記録後の画質を向上させるのに重要な
ことは、如何に感熱記録層を均一に形成するかというこ
とである。そのためには、感熱記録層表面、および感熱
記録層が形成される下塗り層または中間層の凹凸、即ち
感熱記録層塗布前後の凹凸を小さくすることが必要であ
り、また、感熱記録層塗布前の凹凸性は、感熱記録層を
形成するための感熱記録層用塗液の下層への染み込み
(落ち込み)の程度・時間にもおおまかに比例する。こ
こで、感熱記録層塗布前の層の凹凸が小さくても、感熱
記録層塗布時に下塗り層の変化が大きい場合、たとえ
ば、下塗り層に非常に水解けしやすいバインダーを多量
に使用したり、水による膨潤物があるにもかかわらず、
塗工速度が非常に遅い場合などは、感熱記録層塗布・乾
燥後の層の凹凸が大きくなる。したがって、感熱記録層
塗布前と後、両方の凹凸性規定が必要となる。
【0012】本発明で規定する凹凸の波長域に関して
は、ドットの大きさおよび実際のドット抜けの大きさか
ら、主に実評価に影響のある波長域から得た結果であ
る。すなわち、1.0mmより大きい領域および0.2
5より小さなところでは、ドットの大きさ、感熱記録紙
のもつクッション性、プリンターのエネルギーの関係な
どからドット抜けに影響を及ぼし難い領域である。
【0013】表面粗さRa(中心線平均粗さ)値は、白色
光干渉顕微鏡を用い、面積測定して得られた凹凸波を逆
フ−リエ変換により波長分解し、0.25〜1.0mm
の波長域での値として得られたものである。従来の測定
は、接触型で2次元測定のものがほとんどであったが、
実際での相関は、面積での測定が望ましい。
【0014】顔料および接着剤を主成分とする下塗り層
の密度が0.85g/cm以下にすることは、感度を
向上させるためには必要である。一般に塗工紙では、印
刷強度を上げるために、塗工層の密度は、1.1〜1.
3程度である。しかし、感熱では、ある程度の印刷強度
も必要であるが記録感度、クッション性が必要となって
くる。したがって、必要とされる密度は、少なくとも
0.85g/cm以下でなくてはならず、また、印刷
強度・紙間強度を考えると、少なくとも0.35g/c
以上が望ましい。
【0015】下塗り層の密度が0.85g/cm以下
にするための手段としては、例えば吸油量(JIS K
5101に基づく)が70ml/100g以上の顔料を
下塗り層の全固形分に対して50〜90重量%程度用い
たり、中空率が50%以上の有機中空顔料を下塗り層の
全固形分に対して10〜90重量%程度用いるなどの方
法がある。
【0016】中間層および感熱記録層の0.25〜1.
0mmの波長域でのRa(中心線平均粗さ)値をそれぞれ
0.5μm以下、0.7μm以下にする方法としては、
下塗り層上にRa値が0.5μm未満のフィルムを張り合
わせる方法、下塗り層上に接着剤を主成分とする中間層
をキャストコーティング方法により設ける方法、感熱記
録層をフィルムあるいは、金属等の上にあらかじめ形成
したのち、下塗り層と張り合わせる方法等が挙げられ
る。中間層の厚さとしては1〜3μm程度が好ましい。
【0017】下塗り層および感熱記録層の0.25〜
1.0mmの波長域でのRa(中心線平均粗さ)値をそれ
ぞれ0.5μm以下、0.7μm以下にする方法として
は可塑状態の下塗り層を金属ドラムに圧接乾燥しキャス
ト仕上げした後、感熱記録層を設ける方法があり、特に
かかる方法は非常に有効である。
【0018】紙支持体としては、例えば中性および酸性
抄紙された上質紙、脱墨パルプ使用原紙、中質紙などが
挙げられる。その厚さとしては、40〜250μm程度
である。
【0019】下塗り層用塗液および中間層は、例えば水
を媒体として、接着剤、顔料、および各種助剤等を混合
して調製される。かかる接着剤としては、例えば部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアル
コール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、デンプン、
酸化デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カ
ゼイン、アラビアゴム、ジイソブチレン−無水マレイン
酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、
エチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン−アクリル
酸共重合体塩等の水溶性接着剤、およびアクリル樹脂系
ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン−ブ
タジエン系ラテックス等の水分散性接着剤が挙げられ
る。勿論、ラテックス系の接着剤成分としてアクリル
酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等を共重合させ
たものも含まれる。
【0020】画質向上効果としては、水溶性接着剤を用
いるより、水分散性接着剤が優れ好ましい。接着剤の使
用量としては、下塗り層の全固形量に対して、2〜30
重量%好ましくは、4〜25重量%程度である。
【0021】顔料としては、例えば二次凝結された軽質
炭酸カルシウム、焼成カオリン、焼成クレー、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、
無定形シリカ、各種有機顔料、各種カプセル等が挙げら
れる。なかでも、下塗り層には特に焼成カオリン、焼成
クレー及び無定形シリカは断熱性と圧縮弾性に優れてい
る為、最も好ましく使用される。また、有機顔料やカプ
セルから作られる層も組み合わせによっては、断熱性と
圧縮弾性に優れているため、好ましく使用される。な
お、これらの顔料は二種以上の併用も勿論可能である。
下塗り層の密度は、顔料の比重、吸油度および接着剤の
比率によって左右される。
【0022】助剤としては、例えばステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ラウリルアルコール硫酸エステル・ナトリウム等
の界面活性剤、および着色染料、蛍光染料、耐水化剤等
が挙げられる。
【0023】下塗り層は、水を媒体とし、例えば接着
剤、顔料、および必要により添加される助剤とを混合攪
拌して得られる下塗り層用塗液を紙支持体の少なくとも
一方の面に塗布乾燥することにより形成される。
【0024】中間層は、水を媒体とし、例えば接着剤、
顔料、および必要により添加される助剤とを混合攪拌し
て得られる中間層用塗液を下塗り層上に塗布乾燥するこ
とにより形成される。また、中間層は樹脂フイルムをラ
ミネートするなどして設けることもできる。
【0025】下塗り層用塗液は、例えばエアーナイフコ
ーティング、ロールコーティング、バーコーティング、
ダイコーティング、ピュアーブレードコーティング、ベ
ントブレードコーティング、ロッドブレードコーティン
グ、カーテンコーティング等の公知の塗工方式より支持
体上に乾燥後の塗布量が5〜20g/m、好ましくは
7〜15g/m程度となるように塗布される。
【0026】特に、有効な塗工法としては、キャスト法
があげられ、下塗り層の塗料をキャスト塗料として用い
る方法、あるいは、下塗り層塗液を塗布・乾燥したの
ち、膨潤液を塗布してドラム面をとる方法、下塗り層に
他の下塗り塗料を塗布し、キャストする方法などが考え
られる。キャスト法を用いた場合、特に、キャストドラ
ムに接する面に有機顔料を含む層があれば、操業性、品
質においてよい傾向となる。
【0027】電子供与性化合物と電子受容性化合物を有
する感熱記録方式としては、例えばロイコ染料と呈色剤
との組合せ、ジアゾニウム塩とカプラーとの組合せ、キ
レート化合物と鉄、コバルト、銅など遷移元素との組合
せ、イミノ化合物と芳香族イソシアネート化合物との組
合せ等が挙げられるが、ロイコ染料と呈色剤との組合せ
が発色濃度に優れるため、好ましく用いられる。以下、
電子供与性化合物であるロイコ染料と電子受容性化合物
である呈色剤との組合せからなる感熱記録紙について詳
細に述べる。
【0028】感熱記録層に含有されるロイコ染料と呈色
剤としては各種のものが使用できる。かかるロイコ染料
としては、例えば下記のものが挙げられる。3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3
−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−ブチルアミノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−o−クロ
ロアニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−p−
トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−シクロヘキシル−メチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ク
ロロ−7−(β−エトキシエチル)アミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプ
ロピル)アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオ
ラン、3−(N−イソアミル−N−エチル)アミノ−6
−メチルー7−アニリノフルオラン等
【0029】呈色剤としては、例えば4,4’−イソプ
ロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデ
ンジフェノール、2,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
3,3’−ジアリル−4,4’−ジビトロキシジフェニ
ルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジ
フェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢
酸ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチ
ル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノー
ル性化合物、4,4’−ビス(p−トリルスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、N−(p−
トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−ベンジルオキ
シフェニルエステル、N−(o−トリル)−p−トリル
スルホアミド、N−(p−トリルスルホニル)−N’−
(p−トリル)尿素等の分子内に−SONH−結合を
有するもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p
−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜
鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキ
シ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフ
ェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等の芳香族
カルボン酸の亜鉛等が挙げられる。
【0030】感熱記録層中に含有されるロイコ染料と呈
色剤の使用比率については、特に限定するものではない
が、一般にロイコ染料1重量部に対して呈色剤は、0.
5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部程度である。
【0031】更に、感熱記録層中には記録感度を高かめ
るための増感剤、および記録部の経時的な保存性を高め
るための保存性改良剤をロイコ染料に対して10〜20
0重量%程度含有させることもできる。
【0032】かかる増感剤の具体例として、例えばステ
アリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、m
−ターフェニル、p−ベンジルビフェニルジ(p−メト
キシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メ
チルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェ
ノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキ
シ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、2−ナフチ
ルベンジルエーテル、シュウ酸ジ−p−クロロベンジル
エステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、
シュウ酸ジベンジルエステル等の熱可融性有機化合物が
挙げられる。
【0033】また、保存性改良剤の具体例として、例え
ば2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等
のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジル
オキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェ
ニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチ
ルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル
酸ジグリシジル、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物等が挙げられ
る。
【0034】感熱記録層は、一般に水を分散媒体とし、
ロイコ染料、呈色剤、および必要により増感剤などをボ
ールミル、アトライター、サンドミルなどの攪拌・粉砕
機によりそれぞれの平均粒子径が2μm以下となるよう
に微分散した後、接着剤を添加して調製された感熱記録
層用塗液を下塗り層上に塗布乾燥して形成される。
【0035】感熱記録層用塗液に添加される接着剤とし
ては、上記の下塗り層に使用される接着剤が挙げられる
接着剤の使用量としては、感熱記録層の全固形量に対し
て5〜40重量%程度である。
【0036】更に、感熱記録層用塗液中には、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無定形シリカ、
焼成カオリン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タ
ルク、カオリン、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔
料、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の滑
剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸
エステル・ナトリウム等の界面活性剤、および着色染
料、蛍光染料、耐水化剤等の助剤を添加することもでき
る。
【0037】感熱記録層用塗液は、例えばバーコーティ
ング、エアーナイフコーティング、ロッドブレードコー
ティング、ピュアーブレードコーティング、ベントブレ
ードコーティング、ショートドゥエルコーティング、マ
イクログラビアコーティング、ダイコーティング、カー
テンコーティング等の公知の塗工方法により下塗り層ま
たは中間層上に乾燥後の塗布量が2〜20g/m、好
ましくは3〜15g/m程度となるように塗布され
る。
【0038】また、感熱記録層上に成膜性を有する高分
子と顔料を主成分とする保護層を設けることは、より好
ましい利用形態である。更に、感熱記録紙の裏面側にも
保護層と同様のコート層を設けることによって一層保存
性を高めることも可能である。各層形成後にスーパーキ
ャレンダー等で平滑化処理したり、あるいは記録体裏面
に粘着剤処理を施し、粘着ラベルに加工する、導電剤を
塗布する等、感熱記録紙製造分野における各種の公知技
術が必要に応じて付加し得るものである。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の「部」及び「%」は特に断らない限りそれぞ
れ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0040】[実施例1] (下塗り層用塗液の調製)焼成カオリン(商品名:アン
シレックス、EC社製)70部、固形濃度48%のスチ
レン・ブタジエンラテックス(商品名:L-1571、旭化
成)30部、カルボキシメチルセルロースの5%水溶液
20部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液2部
および水100部からなる組成物を混合攪拌して下塗り
層用塗液を得た。
【0041】(中間層用塗液の調製)固形濃度40%の
アクリルエマルジョン(商品名:ボンロンSH20、三
井化学社製)50部、固形濃度40%のプラスティック
ピグメント分散物(商品名:グロスデール240V、三
井化学社製)100部および水20部からなる組成物を
混合攪拌して中間層用塗液を得た。
【0042】(A液調製)3−ジ(n−ブチル)アミノ
−6−メチル−7−アリニノフルオラン40部、スルホ
ン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液20部、及
び水40部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が
0.8μm以下になるまで粉砕してA液を得た。
【0043】(B液調製)シュウ酸ジ−p−メチルベン
ジルエステル40部、スルホン変性ポリビニルアルコー
ルの20%水溶液20部、及び水40部からなる組成物
をサンドミルで平均粒子径が1.0μm以下になるまで
粉砕してB液を得た。
【0044】(C液調製)2、4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン40部、スルホン変性ポリビニルアルコ
ールの20%水溶液20部、及び水40部からなる組成
物をサンドミルで平均粒子径が1.0μm以下になるまで
粉砕してC液を得た。
【0045】(感熱記録層用塗液の調製)A液25部、
B液30部、C液40部、水酸化アルミニウム30部、
ステアリン酸亜鉛の30%分散液10部、パラフィンワ
ックスの30%分散液5部、固形濃度48%のスチレン
・ブタジエンラテックス(商品名:L-1571、旭化成)1
0部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA110,
クラレ社製)の15%水溶液50部および水70部から
なる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
【0046】(保護層用塗液の調製)カオリン(UW−
90、EC社製)60部、アセトアセチル変性ポリビニ
ルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ−200、
固形分10%、日本合成化学工業社製)300部、ステ
アリン酸亜鉛(F-930、固形分35%、中京油脂社製)
10部、グリオキサール40%水溶液1部および水20
部とを混合し、保護層用塗液を得た。
【0047】(感熱記録紙の作製)70g/mの上質
紙の片面に、下塗り層用塗液を乾燥後の塗布量が9g/
、となるようにベントブレードコーターで塗布・乾
燥して下塗り層を形成した後、中間層用塗液を乾燥後の
塗布量が2.0g/mとなるように塗布し、塗布層が
湿潤状態にあるうちに95℃に加熱されたキャストドラム
に圧着し、乾燥する。その上に感熱記録層用塗液、保護
層塗液を乾燥後の塗布量がそれぞれ5g/m 、3g/
となるようにロッドブレードコータで塗布・乾燥し
てス−パ−カレンダ−処理を施し、感熱記録紙を得た。
【0048】[実施例2]実施例1の感熱記録紙の作製に
おいて、中間層用塗液を乾燥後の塗布量が0.5g/m
となるように塗布した以外は、実施例1と同様にして
感熱記録紙を得た。
【0049】[実施例3]実施例1の(感熱記録紙の作
製)において、下塗り層用塗液と中間層用塗液を用いて
下塗り層および保護層を形成した代わりに、下塗り層用
塗液を乾燥後の塗布量が11g/m、となるようにベ
ントブレードコーターで塗布・乾燥後、下記の湿潤液を
塗布し、塗布層が湿潤状態にあるうちに95℃に加熱さ
れたキャストドラムに圧着し、乾燥して下塗り層を形成
した以外は、実施例1と同様にして感熱記録紙を得た。
【0050】(膨潤液)ヘキサメタリン酸ナトリウム1
部および硫酸亜鉛1部を水に溶解し、固形分濃度が0.
2%の膨潤液を得た。
【0051】[実施例4]実施例1の感熱記録紙の作製に
おいて、保護層を設けなかった以外は、実施例1と同様
にして感熱記録紙を得た。
【0052】[比較例1]実施例1の感熱記録紙の作製に
おいて、下塗り層用塗液と中間層用塗液を用いて下塗り
層および中間層を形成した代わりに、下塗り層塗液をベ
ントブレードコーターで乾燥後の塗布量が11g/m
となるように下塗り層を設けた以外は、実施例1と同様
にして感熱記録紙を得た。
【0053】[比較例2]実施例1の感熱記録紙の作製に
おいて、キャスト紙(ミラ-コ-トコ゛-ルト゛、王子製紙社製)の
上に感熱記録層、保護層を順次設けた以外は、実施例1
と同様にして感熱記録紙を得た。
【0054】[比較例3]実施例1の感熱記録紙の作製に
おいて、下塗り層用塗液と中間層用塗液を用いて下塗り
層および中間層を形成した代わりに、下塗り層塗液をベ
ントブレードコーターで乾燥後の塗布量が11g/m
となるように下塗り層を設け、次いで保護層塗液を乾燥
後の塗布量が3g/m、となるように塗布し、塗布層
が湿潤状態にあるうちに80℃に加熱されたキャストド
ラムに圧着し、乾燥した以外は、実施例1と同様にして
感熱記録紙を得た。
【0055】かくして得られた各感熱記録紙について、
以下の品質試験を行いその結果を表1に示した。
【0056】(1) 75μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルム上に下塗り層を形成し、塗工量と紙厚より層
の比重を求める。
【0057】(2) 感熱記録層塗布前と後のRa値を白色光
干渉顕微鏡(型式:NewView200ザイゴ社製)にて測
定する。 (測定条件) ・倍率:50倍×25画面(オーバーラップ率25%) ・測定面積:10.99mm×8.25mm ・カメラモード:320×240、50Hz (解析条件) ・Advanced Textureソフトによる波長分割解析(逆フー
リエ変換) ・Filter: Low pass ・Remove: plane ・解析面積:9×7mm
【0058】(3) 記録濃度 各感熱記録紙を感熱記録シミュレーター(商品名:TH
−PMD,大倉電気社製)によって画像記録を行い、印
加エネルギー0.15および0.25mj/dotにおける
記録部の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914
R型,マクベス社製)でビジュアルモードにて測定し
た。
【0059】(4) 印字部の画質(特に中間調の面積部)
を下記のように、目視評価した。 ◎:画質にまったくざらつきがなく、非常になめらかで
ある。 ○:画質にざらつきがなく、なめらかである。 ×:画質にざらつきがあり、白抜けが多い。
【0060】
【表1】
【0061】実施例5の感熱記録紙は、他の感熱記録紙
に比べ、記録濃度評価において、感熱記録シミュレータ
ーのサーマルヘッドへの粕付着がやや多かった。
【0062】
【発明の効果】本発明の感熱記録紙は、表1の結果から
明らかなように、記録画質に優れ、記録感度および最高
記録濃度の高い効果を有するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料
    と接着剤を主成分とする下塗り層、並びに電子供与性化
    合物、電子受容性化合物および接着剤を含有する感熱記
    録層を順次有する感熱記録紙において、下塗り層および
    感熱記録層の0.25〜1.0mmの波長域での表面粗
    さRa(中心線平均粗さ)値がそれぞれ0.5μm以下、
    0.7μm以下であり、下塗り層の密度が0.85g/
    cm以下であることを特徴とする感熱記録紙。
  2. 【請求項2】 下塗り層が、キャスト塗工方法により得
    られる層である請求項1記載の感熱記録紙。
  3. 【請求項3】 紙支持体の少なくとも一方の面に、顔料
    と接着剤を主成分とする下塗り層、中間層、並びに電子
    供与性化合物、電子受容性化合物および接着剤を含有す
    る感熱記録層を順次有する感熱記録紙において、中間層
    および感熱記録層の0.25〜1.0mmの波長域での
    表面粗さRa(中心線平均粗さ)値がそれぞれ0.5μm
    以下、0.7μm以下であり、かつ下塗り層の密度が
    0.85g/cm以下であることを特徴とする感熱記
    録紙。
  4. 【請求項4】 中間層が、キャスト塗工方法により得ら
    れる層である請求項3記載の感熱記録紙。
  5. 【請求項5】 中間層の厚さが、1〜3μmである請求
    項3または4記載の感熱記録紙。
  6. 【請求項6】 感熱記録紙上に、保護層を設けた請求項
    1〜5記載のいずれか一項に感熱記録紙。
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