JP2003009316A - 受配電設備の寿命診断方法 - Google Patents

受配電設備の寿命診断方法

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JP2003009316A JP2001330384A JP2001330384A JP2003009316A JP 2003009316 A JP2003009316 A JP 2003009316A JP 2001330384 A JP2001330384 A JP 2001330384A JP 2001330384 A JP2001330384 A JP 2001330384A JP 2003009316 A JP2003009316 A JP 2003009316A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器の寿命の判定、または機器の更新時期を
予測するための余寿命の算出が、高精度かつ容易に可能
な寿命診断方法を提供する。 【解決手段】 受配電設備を構成する主回路部分に用い
られる固体絶縁材料の表面電気抵抗、または上記主回路
部分に設けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成る
センサ部の表面電気抵抗を測定し、予め受配電設備の実
使用時間または実使用時間に相当する時間毎に測定され
た、表面電気抵抗測定環境の相対湿度をパラメータとし
た表面電気抵抗の湿度依存性基準曲線と、測定された上
記表面電気抵抗との比較により受配電設備の寿命を判
定、または受配電設備の余寿命を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力設備として用
いられている受配電設備の寿命診断方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】受配電設備は、通常の環境下でも長い年
月使用していると、劣化が進行し、場合によっては大き
な事故にもつながるおそれがある。そのため、一般的に
は定期的な機器の診断が行われている。従来の機器診断
方法として、例えば図12に示す「配電盤老朽度評価
表」(「長期使用受変電設備の信頼性の考察」日本電機
工業会、平成11年)に基づいて、点数方式による評価
方法などが採用されている。そして、図13の「配電盤
機器構成図」(同上)に示したように、上記評価表によ
る評価結果から不良部分が検出され、それが「修理系」
に相当する場合は修理され、機器は継続して使用され
る。しかし、問題は「非修理系」の異常が検出された場
合である。この場合には、通常は機器本体が寿命と判断
され、設備が新品に更新される。
【0003】図13において「非修理系」の主な部位
は、「筐体部分」と「主回路部分」であるが、「筐体部
分」については肉眼観察でも異常は大体検知可能であ
る。しかし、「主回路部分」については異常の検知は困
難である。特にそれが絶縁材料に関係する場合は、例え
ば、「炭化物の生成」などのように、肉眼では事故が発
生してからでなければ検知できず、その前兆を把握する
ことができない。
【0004】事故発生のメカニズムとして、例えば、
「汚損の進行」→「吸湿の進行」→「絶縁抵抗低下」→
「トラッキング発生」→「部分放電」→「沿面閃絡」→
「気中放電」→「短絡・地絡」などが一般的にも良く知
られている。そこで、「主回路部分」における事故発生
の前兆を把握するための診断方法として上記メカニズム
を基に、従来から、電磁波検出、放電パルス電流、放電
音検出、オゾンガス検知、漏れ電流検出、部分放電(電
気式、機械式)測定、ガスチェッカーなどの方法で測定
したデータを総合判定する方法や、簡易的には絶縁抵抗
を測定する方法などが採用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の受配電設備の診
断方法は以上のようにしてなされており、図12、13
に示すような従来方法においては診断に要する時間も長
く、高コストとなる問題があった。また、前述した電磁
波検出、放電パルス電流等の測定による診断方法は診断
の精度が低いという問題があった。また、これらの方法
は機器の「異常診断」には対応可能であるが、「寿命の
判定」や「余寿命の算出」等、機器の寿命診断には対応
できないという問題があった。
【0006】なお、ここでいう、機器の「寿命の判定」
とは、機器の通常の使用下における長年の劣化によって
機器が正常運転できなくなる(異常発生)確率が高くな
ることを意味し、「余寿命の算出」とは寿命に至るまで
の推定残存時間を算出することを意味する。
【0007】機器の「寿命の判定」および「余寿命の算
出」に対しては、例えば特開平11−326429号公
報に開示される方法がある。この方法は、稼働状態の絶
縁機器の温度分布を非接触にて検出し、検出された温度
分布と絶縁部の既知の熱劣化特性とからこの絶縁機器の
経年劣化状態を診断し、寿命を診断するものであり、さ
らには稼働状態の絶縁機器の接地線に流れる部分放電電
流を非接触で検出し、既知の放電劣化特性との比較によ
り放電劣化状態を診断し、これらの診断結果に基づいて
上記絶縁機器の余寿命を判断している。
【0008】しかし、この方法も診断時の周辺環境(例
えば、温度・湿度など)によって測定データが大きく変
化するので、それを高精度で補正するためのデータ処理
を繰り返すと診断コストが著しく高価なものとなり、例
えば、数十台〜数百台といった多数の機器を使用してい
る工場などでは効力を発揮することが期待されるが、一
般施設(1台〜数台の機器を使用する)には不向きな方
法であった。
【0009】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、受配電設備の使用中の事故
を未然に防ぐための簡易で、かつ高精度の新規寿命診断
方法を提供することを目的とする。特に機器の寿命の判
定、または機器の更新時期を予測するための余寿命の算
出が、高精度かつ容易に可能な寿命診断方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の受配電設備の寿
命診断方法は、受配電設備を構成する主回路部分に用い
られる固体絶縁材料の表面電気抵抗、または上記主回路
部分に設けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成る
センサ部の表面電気抵抗を測定し、表面電気抵抗測定環
境の相対湿度をパラメータとした表面電気抵抗のしきい
値と比較することにより上記受配電設備の寿命を判定し
たものである。
【0011】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、受配電設備を構成する主回路部分に用いられる固体
絶縁材料の表面電気抵抗、または上記主回路部分に設け
られ、上記固体絶縁材料と同等材料から成るセンサ部の
表面電気抵抗を測定する第1ステップ、予め受配電設備
の実使用時間または実使用時間に相当する時間毎に測定
された、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度をパラメー
タとした表面電気抵抗率の測定値を基に湿度依存性基準
曲線を作成する第2ステップ、および上記湿度依存性基
準曲線と第1ステップで測定された上記表面電気抵抗率
との比較により受配電設備の寿命を判定、または受配電
設備の余寿命を算出する第3ステップを備えたものであ
る。
【0012】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、上記寿命診断方法において、余寿命を次式より求め
たものである。 tm=tR×[(td−tc)/tc] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
用時間、tdは予め測定された表面電気抵抗の湿度依存
性基準曲線において寿命と判定されるしきい値曲線の実
使用時間または実使用時間に相当する時間、tcは測定
された表面電気抵抗の、上記表面電気抵抗の湿度依存性
基準曲線中における位置を実使用時間または実使用時間
に相当する時間に換算して示す換算時間である。
【0013】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、上記各寿命診断方法において、表面電気抵抗測定環
境の相対湿度が80%において表面電気抵抗率が109
Ωの場合、寿命であると判定するものである。
【0014】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、受配電設備を構成する主回路部分に用いられる固体
絶縁材料の表面電気抵抗率、または上記主回路部分に設
けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成るセンサ部
の表面電気抵抗率を、表面電気抵抗率測定環境の相対湿
度をパラメータとして測定する第1ステップ、測定され
た上記表面電気抵抗率の湿度依存性曲線をガウス分布関
数により表し、上記ガウス分布関数中の複数のパラメー
タを算出する第2ステップ、予め受配電設備の実使用時
間または実使用時間に相当する時間毎に測定された、表
面電気抵抗率測定環境の相対湿度をパラメータとした表
面電気抵抗率の測定値を基に、表面電気抵抗率の湿度依
存性基準曲線をガウス分布関数により表し、上記ガウス
分布関数を基に、上記ガウス分布関数中の複数のパラメ
ータの劣化時間依存性基準曲線を作成する第3ステッ
プ、および上記複数のパラメータの劣化時間依存性基準
曲線上での、第1ステップで測定された上記表面電気抵
抗率に対する上記複数のパラメータの位置を基に、受配
電設備の寿命を判定、または受配電設備の余寿命を算出
する第4ステップを備えたものである。
【0015】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、上記寿命診断方法において、余寿命を次式より求め
たものである。 tm=tR×[(td’−tc’)/tc’] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
用時間、td’は劣化時間依存性基準曲線において設定
された寿命しきい値となる劣化時間または劣化時間に相
当する時間、tc’は第1ステップで測定された表面電
気抵抗率に対する複数のパラメータの、上記劣化時間依
存性基準曲線上における位置から得られる劣化時間の評
価値または劣化時間の評価値に相当する時間である。
【0016】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、上記寿命診断方法において、表面電気抵抗率の湿度
依存性基準曲線を、予め受配電設備の実使用時間または
実使用時間に相当する時間毎に、表面電気抵抗率測定環
境の相対湿度をパラメータとして測定された表面電気抵
抗率の測定値を満足する次式で示すガウス分布関数で表
したものである。
【数2】 ここで、ρは表面抵抗率、ρ0は湿度100%における
表面抵抗率、nは湿度0〜100%における表面電気抵
抗率の対数の変化率、mはρが平均値をとる時の湿度、
σは平均値をとる湿度mからの偏差、hは湿度である。
【0017】また、本発明の受配電設備の寿命診断方法
は、上記各寿命診断方法において、くし型電極を用いて
表面電気抵抗を測定したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明は、受配電
設備の劣化と、該設備を構成する主回路部分に用いられ
る固体絶縁材料の表面劣化との間に定量的な相関性のあ
ることを見い出し、これを利用して、上記固体絶縁材料
の表面劣化を表面電気抵抗の測定により検出することに
より受配電設備本体の「寿命の判定」、さらには「余寿
命の算出」を行うというものである。
【0019】本発明に係わる固体絶縁材料とは、電力を
受配する導体を支持するための絶縁物や遮蔽板などのこ
とで、例えば紙フェノール樹脂積層板、無機物を含有す
るポリエステル樹脂成形品、ジアリルフタレート樹脂成
形品、エポキシ樹脂注型品などのことである。これらの
固体絶縁材料の表面電気抵抗を測定するためには該材料
の表面に測定用電極となる導体を付着させる必要がある
が、導体の付着場所としては、絶縁材料の電極(導体)
間沿面距離を変化させないようにすることが必要であ
る。そのためには該材料と同組成の同等材料からなるセ
ンサを利用するとよい。
【0020】以下、本発明の実施の形態1を図を用いて
説明する。図1は本発明の実施の形態1による寿命診断
方法において用いられる寿命診断用センサを示す図であ
る。図1(a)は寿命診断用センサの設置例、図1
(b)は寿命診断用センサの構成を示す図である。図1
において、寿命診断用センサ1は受配電設備を構成する
主回路部分に用いられる固体絶縁組織2上に設置され、
固体絶縁組織2を構成する絶縁材料と同等材料から構成
された基材1aと、その表面に形成されたくし型電極1
bとにより構成されている。また、センサ1部分は図1
(a)に示すように、固体絶縁組織2から離れて設けら
れており、絶縁材料の沿面距離を変化させないように置
かれている。このような構成の寿命診断用センサ1を、
受配電設備を構成する主回路部分に用いる固体絶縁材料
上に設置し、その表面電気抵抗率を定期的に測定する。
【0021】前記したように、機器の劣化機構として、
汚損や絶縁材料自身の劣化があるが、表面汚損の結果と
して材料表面のイオン量が増加するはずである。このう
ちの伝導に寄与する総イオン量(Σμeff・N)を検出
することで絶縁材料の劣化を診断し、機器の寿命を診断
しようということが本発明に至った経緯である。すなわ
ち、伝導に寄与する総イオン量(Σμeff・N)は、 Σμeff・N=μeff(Na+)・N(Na+)+μ
eff(NO3 -)・N(NO3 -)+μeff(−COO-)・
N(−COO-)+…… で表される。ここで、μeffはイオンの移動度、Nはイ
オンの数、Σは総和である。また式中、例えば、μeff
(Na+)はナトリウムイオンの移動度、N(Na +)は
ナトリウムイオンの数を表している。
【0022】ここで、注意すべきはμeffが湿度によっ
て変化すること(電解液として扱えるので、温度による
変化をあまり気にしなくても良い)であるが、測定環境
における湿度さえパラメータとして押さえれば上記診断
は可能となるはずである。
【0023】具体的なもう一つの課題は、機器の寿命を
判定するための「しきい値」を設定することである。こ
れについては、表面電気抵抗測定環境の相対湿度が80
%のときの表面電気抵抗率を109Ωとした。相対湿度
80%は、通常環境下での一年を通じて最高湿時(梅雨
時)を想定したものであり、表面電気抵抗率109Ω
は、統計的に導き出されたフラッシオーバ電圧が急激に
低下したり、トラッキングが発生する時の表面電気抵抗
率の値を採用したものである。なお、ここで表面電気抵
抗率とは、W/L=1の時における抵抗値である。図1
(b)に示すように、Wは電極の幅(対向する電極部分
の長さ)、Lは電極間距離である。
【0024】また、上記「しきい値」は通常環境下で使
用される汎用機器を対象に設定したものであり、特殊環
境下(例えば、高温高湿下など)で使用されるような場
合には別途しきい値(例えば、表面電気抵抗率が1010
Ωなど)を設ける必要があることは言うまでもない。
【0025】また、具体的に診断を実施するための方法
として、診断される受配電設備において上記センサを用
いて計測された表面電気抵抗率の計測値と、予め計測し
ておいた表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線とのフィ
ッティング法を用いるのが良い。
【0026】本発明に係わる表面電気抵抗率の湿度依存
性基準曲線の一例を図2に示す。この曲線は、例えば実
機における絶縁材料の劣化を模擬し、加速劣化によって
求めることができ、絶縁材料によらず同様の、表面電気
抵抗率の湿度依存性基準曲線が得られる。図2中、各曲
線は、加速劣化に応じて、それぞれ所定時間(t=
0、t1、…t5)毎に計測された、表面電気抵抗率の
湿度依存性基準曲線T0、T 1、…T5である。なお、こ
れらの曲線のうち曲線T4は、通常の環境下で受配電設
備が使用された場合の、機器の寿命を判定するしきい値
曲線Tdであり、相対湿度が80%のときの表面電気抵
抗率を基に得られた曲線である。一方、実使用時間tR
の実機における表面電気抵抗率を相対湿度をパラメータ
として測定し、測定された測定値c1、c2、c3が、上
記しきい値曲線Td上、あるいは上記しきい値曲線Td
り下、即ちしきい値以下であれば寿命であると判定す
る。また、余寿命の算出は、図2に示す表面電気抵抗率
の湿度依存性基準曲線を用いて、次のようにして行う。
即ち、測定された測定値c1、c2、c3より得られる表
面電気抵抗率の湿度依存性曲線Tcと、予め求めておい
た表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線T0、T1、…T
5とを比較し、曲線Tcを基準曲線T0、T1、…T5にフ
ィッティングさせた時、基準曲線中における曲線Tc
位置を基準曲線T0、T1、…T5に対応する時間(t=
0、t1、…t5)により換算して推定する。この推定
時間(換算時間)をtcとし、しきい値曲線Tdに対応す
る時間をt dとすると、余寿命tmは、 tm=tR×[(td−tc)/tc] となる。tRは前述したように測定した受配電設備の実
使用時間である。
【0027】なお、本実施の形態において、表面電気抵
抗率の湿度依存性基準曲線は加速試験により予め求め、
各基準曲線T0、T1、…T5に対応する時間t0、t1
…t5、及びしきい値曲線Tdに対応する時間tdは、上
記加速試験によって模擬したときの経過時間であった
が、表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線を実際の受配
電設備の実使用時間より直接得るようにしてしても良
く、また、他の模擬試験により求めても良く、これに対
応して、各基準曲線T0、T1、…T5に対応する時間
0、t1、…t5、及びしきい値曲線Tdに対応する時間
dは実使用時間または実使用時間に相当する時間とな
り、その結果、前述のtc、tdは、実使用時間または実
使用時間に相当する時間となる。
【0028】本実施の形態1の寿命診断方法を具体的に
説明する。紙フェノール樹脂積層板(PL−PEM:3
mm×100mm×100mm)を1N硝酸水溶液の蒸
気に室温下で、0.5日、1日、2日、4日、6日間曝
し、100℃で1時間乾燥させた後、図1(b)と同様
の形状のくし型電極を金で真空蒸着した(W/L=22
90、L=0.2mm)。試料数は各々4個とした。こ
れら試料について、恒温恒湿室(20℃、5%〜85
%)にて表面電気抵抗率の測定を行った。測定は微少電
流計(HP−4140B)を用い、DC印加電圧10V
で1分値を採用した。各試料の、湿度5%〜85%にお
ける表面電気抵抗率(ここでは表面電気抵抗率の対数)
の測定値を図3に示す。図3には上記測定値を各試料毎
に、滑らかに接続して作成した曲線も合わせて示す。図
3において得られた上記曲線を、本発明に係わる表面電
気抵抗率の湿度依存性基準曲線とする。
【0029】なお、ここで、実測表面電気抵抗率1010
Ω以下の値を示した試料については、交流電気伝導度測
定(HP−4274Aを用いて400Hzにて)も行っ
たところ、上記実測表面電気抵抗率2×109Ωが交流
測定による表面電気抵抗率1×109Ωに相当すること
がわかったので、図3におけるしきい値(相対湿度80
%における表面電気抵抗率)を2×109Ωとした。ま
た、図3に示す基準曲線においては、4日加速劣化試料
の表面電気抵抗率湿度依存曲線がしきい値曲線となる。
【0030】電力設備として使用中の受配電設備A〜E
の各々の絶縁材料表面に、上記と同様にくし型電極を真
空蒸着し、同様に相対湿度をパラメータとして表面電気
抵抗率の測定を行った。結果を図4に示す。図4には、
上記図3の湿度依存性基準曲線も併せて示してあるが、
何れの受配電設備A〜Eの表面電気抵抗率もこの基準曲
線に従う傾向が見られ、基準曲線自体の妥当性が確認さ
れた。また、何れの受配電設備A〜Eもしきい値曲線よ
り、上に位置することから、本受配電設備A〜Eは何れ
も寿命には到達していないと判定された。
【0031】また、受配電設備A〜Eの実使用時間はそ
れぞれ、半年、1年、2年、5年、10年であったこと
から、余寿命tmは前述したように次の式を用いて求め
ることができる。 tm=tR×[(td−tc)/tc] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
用時間、tdはしきい値曲線に対する使用時間(ここで
は4日)、tcは測定された表面電気抵抗率を、湿度依
存性基準曲線中にフィッティングさせた時に換算される
使用時間の換算時間であり、例えば図4において点E1
は3日と換算される。上記式を受配電設備E(実使用時
間10年)に適用すると、例えば測定値E1、E2、E3
よりなる受配電設備Eの余寿命tmは、 tm=10×[(4−3)/3] ≒3 となる。同様にして、受配電設備A〜Eの余寿命は、そ
れぞれ20年、19年、18年、7年、3年と算出され
る。
【0032】上記と同じ紙フェノール樹脂積層板(PL
−PEM)を用い、IEC−Publ.587(電気学
会技術報告、II部第305号、1989)に準拠して、
加速劣化試験を実施した。加速劣化は、0.001Nの
硝酸水溶液による加湿・乾燥を繰返しながら、1.0k
Vの電圧を印加して行った。この条件では、加速劣化時
間30日で、トラッキングの伸びが約1/2に達するも
のであった。それぞれ、5日、10日、15日、20
日、25日の段階でサンプリングを行った。試料名をそ
れぞれ、F〜Jとする。
【0033】上記と同様にくし型電極を蒸着し、温度2
0℃、湿度45%の条件で上記と同様にして表面電気抵
抗率を測定した。測定結果を図5に示す。図5に見られ
るように、試料I(20日劣化)がしきい値曲線上にあ
り、試料IとJが寿命と判定された。また、寿命は上記
環境下で新品より20日であることが明らかとなった。
また、図5から試料F〜Hの余寿命を上記式より求める
と、それぞれ約15日(F:サンプリング5日目)、1
0日(G:サンプリング10日目)、5日(H:サンプ
リング15日目)となり、実際の余寿命の値と一致し
た。
【0034】なお、上記各試料A〜Jにおいては、受配
電設備等の試料の表面電気抵抗率を測定する際に、既に
劣化が進んだ絶縁材料表面にくし型電極を直接蒸着して
表面電気抵抗率の測定を行ったが、図1に示すように、
センサ1が絶縁材料上に形成された新品状態から受配電
設備等が使用され、この状態におけるセンサ部での表面
電気抵抗率を定期的に測定することによって、寿命の判
定および余寿命の算出が行えることは言うまでもない。
【0035】実施の形態2.上記実施の形態1において
は、図2の表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線T 0
1、…T5を求める際に、図3に示すように、実機にお
ける絶縁材料の劣化を模擬し、加速劣化に応じて得られ
た測定値を滑らかに接続して表面電気抵抗率の湿度依存
性基準曲線を作成し、作成した基準曲線と、診断対象と
なる受配電設備の表面電気抵抗率とを比較して上記受配
電設備の寿命を判定、または上記受配電設備の余寿命を
算出したが、試料毎に得られた各測定値を満足するよう
な数式を求め、この数式で表される曲線を表面電気抵抗
率の湿度依存性基準曲線とし、この基準曲線と、診断対
象となる受配電設備の表面電気抵抗率とを比較して上記
受配電設備の寿命を判定、または上記受配電設備の余寿
命を算出してもよい。本実施の形態2では、次式に示す
Gaussian(ガウス分布関数)を、各測定値を満
足する数式とし、この数式で表される曲線を表面電気抵
抗率の湿度依存性基準曲線に対応する曲線とするもので
ある。
【0036】
【数3】
【0037】ここで、ρは表面抵抗率、ρ0は湿度10
0%における表面抵抗率、nは湿度0〜100%におけ
る表面電気抵抗率の対数の変化率、mはρが平均値をと
る時の湿度、σは平均値をとる湿度mからの偏差、hは
湿度である。図6は上記ρ(ここではlogρ)、ρ0
(ここではlogρ0)、n、σ、m、hをガウス分布
関数上で示す図である。
【0038】図7は、それぞれ実施の形態1の図3及び
図4に示す測定値に対して、上記ガウス分布関数により
フィッティングを行った結果を示す。細線は図3に示す
加速劣化データにフィッティングするガウス分布関数、
太線は図4に示す実機データにフィッティングするガウ
ス分布関数である。図7におけるガウス分布関数で表し
た湿度依存性基準曲線は実施の形態1で示した湿度依存
性基準曲線と同様の挙動を示す。図7で得られた基準曲
線を基に、実施の形態1と同様の方法で、受配電設備の
寿命診断、あるいは余寿命の算出が可能である。
【0039】実施の形態3.本実施の形態3の寿命診断
方法を説明する。絶縁材料としてポリエステル樹脂成形
品(BMC板)を、上記実施の形態1と同様の方法で、
1N硝酸水溶液の蒸気に室温下で、1日、2日、3日、
4日間曝して表面加速劣化させた試料について、表面電
気抵抗率の湿度依存性を測定し、測定結果についてガウ
ス分布関数とのフィッティングを行った。結果を図8に
示す。図8には未処理の試料の測定結果、および2N硝
酸水溶液の蒸気に1日間曝して表面加速劣化させた試料
の測定結果も合わせて示す。実施の形態2の場合と同様
に、ガウス分布関数と測定結果とはよくフィッティング
しているのがわかる。
【0040】次に、電力設備として使用中の受配電設備
(15年使用品)に搭載されていた劣化絶縁材料(BM
C板)について、サンプリング位置を変えて表面電気抵
抗率の湿度依存性を測定し、上記と同様に、測定結果に
ついてガウス分布関数とのフィッティングを行った。結
果を図9に示す。図9には未劣化品の絶縁材料(BMC
板)の測定結果、および再測定値も合わせて示す。図9
に示す湿度依存性曲線は、図8に示す加速劣化挙動に類
似した曲線となっていることがわかる。
【0041】次に、図8および図9で得られたそれぞれ
の曲線について、ガウス分布関数におけるパラメータρ
0(ここではlogρ0)、n、σ、mの算出を行った。
結果を表1、および表2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】ここで、表1で示された各試料に対する各
パラメータρ0(ここではlogρ0)、n、σ、mの算
出結果を基に作成された、各パラメータの劣化時間依存
性基準曲線を図10に示す。図10において、横軸は加
速試験における処理時間であり、劣化時間に相当する。
縦軸は各パラメータρ0(ここではlogρ0)、n、
σ、mを示す。また、図10には、表1の各パラメータ
の算出結果も合わせて示している。図10において、便
宜上の寿命しきい値を、logρ0=7.7、n=5.
8、σ=16、m=47に設定する。
【0045】次に、図10に示された各パラメータの劣
化時間依存性基準曲線上に、表2で示された実機におけ
る各部位に対する各パラメータρ0(ここではlog
ρ0)、n、σ、mの算出結果を重ねる。重ねて記載さ
れた図が図11である。図11には、図10の寿命しき
い値も合わせて示す。
【0046】図11において、実機における各部位の平
均劣化時間の値、あるいは各部位の劣化時間の最大値を
各部位における劣化時間の評価値とし、例えば最も劣化
の激しいい部位(ここでは丸1)の劣化時間の評価値を
寿命しきい値と比較して寿命を判定する。あるいは上記
劣化時間の評価値を基に、最も劣化の激しいい部位(こ
こでは丸1)について、その余寿命を算出する。
【0047】余寿命の算出方法は、図11を用いて実施
の形態1と同様にして行う。即ち、tmを余寿命、tR
測定した受配電設備の実使用時間、td’を劣化時間依
存性基準曲線において寿命しきい値となる劣化時間また
は劣化時間に相当する時間、tc’を劣化時間依存性基
準曲線において劣化の激しい部位における劣化時間の評
価値または劣化時間の評価値に相当する時間としたと
き、余寿命tmは tm=tR×[(td’−tc’)/tc’] となる。図11の場合、実使用時間15年間の本実施の
形態3の実機の余寿命は約4.7年となる。
【0048】なお、上記実施の形態3においては、寿命
しきい値となるパラメータを、logρ0=7.7、n
=5.8、σ=16、m=47に設定したが、この値に
限定されるものでなくてもよい。
【0049】また、上記実施の形態3においては、劣化
時間依存性基準曲線を4つのパラメータ(logρ0
n、σ、m)に対して作成し、測定された部位における
これら4つのパラメータの値を基に劣化時間依存性基準
曲線上での劣化時間の評価値を求め、寿命あるいは余寿
命を判定したが、パラメータはこれら4つに限定するも
のではなく、これらの内の複数のパラメータにより劣化
時間の評価値を決めるようにしても良い。また、劣化の
最も激しい部位における劣化時間の評価値を用いて、寿
命あるいは余寿命を判定したが、任意の部位の評価値を
用いても良い。
【0050】また、上記各実施の形態においては、受配
電設備における寿命診断または余寿命の算出を行うもの
を示したが、固体絶縁材料の絶縁診断を行う際にも、上
記と同様の方法により診断を行うようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、受配電設
備を構成する主回路部分に用いられる固体絶縁材料の表
面電気抵抗率、または上記主回路部分に設けられ、上記
固体絶縁材料と同等材料から成るセンサ部の表面電気抵
抗率を測定し、表面電気抵抗率の測定環境の相対湿度を
パラメータとした表面電気抵抗率のしきい値と比較する
ことにより上記受配電設備の寿命を判定したので、受配
電設備の寿命の判定が容易に、しかも高精度で行えるた
め、設備の異常による事故の発生を未然に防ぐことがで
きるばかりでなく、設備の効率良い更新を行うことがで
きる。
【0052】また、この発明によれば、受配電設備を構
成する主回路部分に用いられる固体絶縁材料の表面電気
抵抗率、または上記主回路部分に設けられ、上記固体絶
縁材料と同等材料から成るセンサ部の表面電気抵抗率を
測定する第1ステップ、予め受配電設備の実使用時間ま
たは実使用時間に相当する時間毎に測定された、表面電
気抵抗率測定環境の相対湿度をパラメータとした表面電
気抵抗率の測定値を基に湿度依存性基準曲線を作成する
第2ステップ、および上記湿度依存性基準曲線と第1ス
テップで測定された上記表面電気抵抗率との比較により
受配電設備の寿命を判定、または受配電設備の余寿命を
算出する第3ステップを備えたので、受配電設備の寿命
診断が容易に、しかも高精度で行えるため、設備の異常
による事故の発生を未然に防ぐことができるばかりでな
く、設備の効率良い更新を行うことができる。
【0053】また、この発明によれば、上記寿命診断方
法において、余寿命を次式より求めたので、余寿命を容
易に、定量的かつ高精度で求められる効果がある。 tm=tR×[(td−tc)/tc] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
用時間、tdは予め測定された表面電気抵抗率の湿度依
存性基準曲線において寿命と判定されるしきい値曲線の
実使用時間または実使用時間に相当する時間、tcは測
定された表面電気抵抗率の、上記表面電気抵抗率の湿度
依存性基準曲線中における位置を実使用時間または実使
用時間に相当する時間に換算して示す換算時間である。
【0054】また、この発明によれば、上記寿命診断方
法において、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度が80
%において表面電気抵抗率が109Ωの場合、寿命であ
ると判定したので、寿命を測定環境に係わらず、的確に
診断できる効果がある。
【0055】また、この発明によれば、受配電設備を構
成する主回路部分に用いられる固体絶縁材料の表面電気
抵抗率、または上記主回路部分に設けられ、上記固体絶
縁材料と同等材料から成るセンサ部の表面電気抵抗率
を、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度をパラメータと
して測定する第1ステップ、測定された上記表面電気抵
抗率の湿度依存性曲線をガウス分布関数により表し、上
記ガウス分布関数中の複数のパラメータを算出する第2
ステップ、予め受配電設備の実使用時間または実使用時
間に相当する時間毎に測定された、表面電気抵抗率測定
環境の相対湿度をパラメータとした表面電気抵抗率の測
定値を基に、表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線をガ
ウス分布関数により表し、上記ガウス分布関数を基に、
上記ガウス分布関数中の複数のパラメータの劣化時間依
存性基準曲線を作成する第3ステップ、および上記複数
のパラメータの劣化時間依存性基準曲線上での、第1ス
テップで測定された上記表面電気抵抗率に対する上記複
数のパラメータの位置を基に、受配電設備の寿命を判
定、または受配電設備の余寿命を算出する第4ステップ
を備えたので、複数のパラメータにより寿命または余寿
命の判定を行うため、より精度の高い診断を行うことが
できる効果がある。
【0056】また、この発明によれば、上記寿命診断方
法において、余寿命を次式より求めるので、余寿命を容
易に、定量的かつ高精度で求められる効果がある。 tm=tR×[(td’−tc’)/tc’] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
用時間、td’は劣化時間依存性基準曲線において設定
された寿命しきい値となる劣化時間または劣化時間に相
当する時間、tc’は第1ステップで測定された表面電
気抵抗率に対する複数のパラメータの、上記劣化時間依
存性基準曲線上における位置から得られる劣化時間の評
価値または劣化時間の評価値に相当する時間である。
【0057】また、この発明によれば、上記寿命診断方
法において、表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線は、
予め受配電設備の実使用時間または実使用時間に相当す
る時間毎に、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度をパラ
メータとして測定された表面電気抵抗率の測定値を満足
する上記式(1)で示すガウス分布関数で表されている
ので、より的確な診断が可能となる効果がある。
【0058】また、この発明によれば、上記寿命診断方
法において、くし型電極を用いて表面電気抵抗率を測定
したので、表面電気抵抗率が小面積で精度良く測定でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係わる寿命診断用
センサを示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係わる表面電気抵
抗率の湿度依存性基準曲線を示す図である。
【図3】 加速劣化試料における表面電気抵抗率の湿度
依存性基準曲線を示す図である。
【図4】 電力設備として使用中の受配電設備A〜Eに
おける表面電気抵抗率の測定値を図3の湿度依存性基準
曲線と共に示す図である。
【図5】 加速劣化試料F〜Jにおける表面電気抵抗率
の測定値を図3の湿度依存性基準曲線と共に示す図であ
る。
【図6】 この発明の実施の形態2に係わるガウス分布
関数上における複数のパラメータを示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係わる表面電気抵
抗率の湿度依存性基準曲線を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係わる表面電気抵
抗率の湿度依存性基準曲線を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態3に係わる表面電気抵
抗率の湿度依存性曲線を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態3に係わる複数のパ
ラメータの劣化時間依存性基準曲線を示す図である。
【図11】 電力設備として使用中の受配電設備の各部
位における表面電気抵抗率の測定値を図10の劣化依存
性基準曲線と共に示す図である。
【図12】 従来の機器診断方法を示す図である。
【図13】 従来の機器診断方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 寿命診断用センサ、1a 基材、1b くし型電
極、2 固体絶縁組織。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植主 雅史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岡澤 周 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5G027 AA21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受配電設備を構成する主回路部分に用い
    られる固体絶縁材料の表面電気抵抗率、または上記主回
    路部分に設けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成
    るセンサ部の表面電気抵抗率を測定し、表面電気抵抗率
    測定環境の相対湿度をパラメータとした表面電気抵抗率
    のしきい値と比較することにより上記受配電設備の寿命
    を判定したことを特徴とする受配電設備の寿命診断方
    法。
  2. 【請求項2】 受配電設備を構成する主回路部分に用い
    られる固体絶縁材料の表面電気抵抗率、または上記主回
    路部分に設けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成
    るセンサ部の表面電気抵抗率を測定する第1ステップ、
    予め受配電設備の実使用時間または実使用時間に相当す
    る時間毎に測定された、表面電気抵抗率測定環境の相対
    湿度をパラメータとした表面電気抵抗率の測定値を基に
    湿度依存性基準曲線を作成する第2ステップ、および上
    記湿度依存性基準曲線と第1ステップで測定された上記
    表面電気抵抗率との比較により受配電設備の寿命を判
    定、または受配電設備の余寿命を算出する第3ステップ
    を備えたことを特徴とする受配電設備の寿命診断方法。
  3. 【請求項3】 余寿命を次式より求めることを特徴とす
    る請求項2記載の受配電設備の寿命診断方法。 tm=tR×[(td−tc)/tc] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
    用時間、tdは予め測定された表面電気抵抗の湿度依存
    性基準曲線において寿命と判定されるしきい値曲線の実
    使用時間または実使用時間に相当する時間、tcは測定
    された表面電気抵抗の、上記表面電気抵抗の湿度依存性
    基準曲線中における位置を実使用時間または実使用時間
    に相当する時間に換算して示す換算時間である。
  4. 【請求項4】 表面電気抵抗測定環境の相対湿度が80
    %において表面電気抵抗率が109Ωの場合、寿命であ
    ると判定することを特徴とする請求項1または2記載の
    受配電設備の寿命診断方法。
  5. 【請求項5】 受配電設備を構成する主回路部分に用い
    られる固体絶縁材料の表面電気抵抗率、または上記主回
    路部分に設けられ、上記固体絶縁材料と同等材料から成
    るセンサ部の表面電気抵抗率を、表面電気抵抗率測定環
    境の相対湿度をパラメータとして測定する第1ステッ
    プ、測定された上記表面電気抵抗率の湿度依存性曲線を
    ガウス分布関数により表し、上記ガウス分布関数中の複
    数のパラメータを算出する第2ステップ、予め受配電設
    備の実使用時間または実使用時間に相当する時間毎に測
    定された、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度をパラメ
    ータとした表面電気抵抗率の測定値を基に、表面電気抵
    抗率の湿度依存性基準曲線をガウス分布関数により表
    し、上記ガウス分布関数を基に、上記ガウス分布関数中
    の複数のパラメータの劣化時間依存性基準曲線を作成す
    る第3ステップ、および上記複数のパラメータの劣化時
    間依存性基準曲線上での、第1ステップで測定された上
    記表面電気抵抗率に対する上記複数のパラメータの位置
    を基に、受配電設備の寿命を判定、または受配電設備の
    余寿命を算出する第4ステップを備えたことを特徴とす
    る受配電設備の寿命診断方法。
  6. 【請求項6】 余寿命を次式より求めることを特徴とす
    る請求項5記載の受配電設備の寿命診断方法。 tm=tR×[(td’−tc’)/tc’] ここで、tmは余寿命、tRは測定した受配電設備の実使
    用時間、td’は劣化時間依存性基準曲線において設定
    された寿命しきい値となる劣化時間または劣化時間に相
    当する時間、tc’は第1ステップで測定された表面電
    気抵抗率に対する複数のパラメータの、上記劣化時間依
    存性基準曲線上における位置から得られる劣化時間の評
    価値または劣化時間の評価値に相当する時間である。
  7. 【請求項7】 表面電気抵抗率の湿度依存性基準曲線
    は、予め受配電設備の実使用時間または実使用時間に相
    当する時間毎に、表面電気抵抗率測定環境の相対湿度を
    パラメータとして測定された表面電気抵抗率の測定値を
    満足する次式で示すガウス分布関数で表されていること
    を特徴とする請求項2、3、5、または6のいずれかに
    記載の受配電設備の寿命診断方法。 【数1】 ここで、ρは表面抵抗率、ρ0は湿度100%における
    表面抵抗率、nは湿度0〜100%における表面電気抵
    抗率の対数の変化率、mはρが平均値をとる時の湿度、
    σは平均値をとる湿度mからの偏差、hは湿度である。
  8. 【請求項8】 くし型電極を用いて表面電気抵抗を測定
    したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記
    載の受配電設備の寿命診断方法。
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