JP2003008096A - 圧電/電歪膜素子 - Google Patents

圧電/電歪膜素子

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JP2003008096A
JP2003008096A JP2002084002A JP2002084002A JP2003008096A JP 2003008096 A JP2003008096 A JP 2003008096A JP 2002084002 A JP2002084002 A JP 2002084002A JP 2002084002 A JP2002084002 A JP 2002084002A JP 2003008096 A JP2003008096 A JP 2003008096A
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recess
electrostrictive
electrostrictive film
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JP2002084002A
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English (en)
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Natsuki Shimokawa
夏己 下河
Koji Kimura
浩二 木村
Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
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NGK Insulators Ltd
Seiko Epson Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】同一基板面上に設けられた複数の圧電/電歪作
動部間の干渉や基板剛性の大きさによる素子特性の劣化
を防止することができる素子の提供。 【構成】各凹部(5) の底部外表面周囲の所定の厚肉部(8
a)表面から、前記凹部底部の肉厚より深い適宜長さの少
なくとも1本以上の溝(6) を、前記凹部の内壁面(8b)に
沿って、かつ、その内壁面から適宜間隔を隔ててそれぞ
れ形成したことを特徴とする圧電/電歪膜型素子(1) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧電/電歪膜型素子
(以下、素子と略称する)、中でも主にインクジェット
プリントヘッド、マイクロホン、発音体(スピーカー
等)、各種振動子や発振子、更にはセンサー等に用いら
れるユニモルフ型やバイモルフ型等の、屈曲変位を発生
させるタイプの素子に関するものである。なお、ここで
呼称される素子とは、電気エネルギーを機械エネルギ
ー、すなわち機械的な変位または応力または振動に変換
する素子のほか、その逆の変換を行なう素子をも意味す
るものである。また、この発明の素子は、圧電/電歪特
性のほか、誘電性も有しているので、膜状のコンデンサ
素子などとしても用いることが可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、光学や精密加工などの分野におい
て、サブミクロンのオーダーで光路長や位置を調整する
変位素子や微小変位を電気的変化として検知する検出素
子が所望されるようになってきており、これに応えるも
のとして強誘電体等の圧電/電歪材料に電界を加えた時
に起こる逆圧電効果や電歪効果に基づく変位あるいはそ
の逆の現象を利用したアクチュエータの開発が進められ
ている。
【0003】そのような分野の中で、インクジェットプ
リントヘッドなどにおいては、アクチュエータの構造と
して、従来から知られているユニモルフ型の屈曲変位タ
イプが、好適に採用されており、プリンタの印字品質・
印字速度などの向上の要求に応えるため、アクチュエー
タの小型高密度化、低電圧作動化、高速応答化を図るた
めの開発が進められている。
【0004】それら各特性を改善するためには、アクチ
ュエータの振動板となる基板の肉厚を薄くすることが重
要であるが、基板全体を薄くすると、前記各特性は改善
されるが、基板の強度が低下するという相反する関係が
ある。そこで、本願出願人は、先の出願において素子特
性の向上と基板強度の向上を両立させることができる素
子を提案した(特開平5-49270 号)。その素子とは、図
8の部分断面説明図に示すように、空孔部ないし欠除部
を有したセラミック製の基板(16)と、薄肉で平板状のセ
ラミック製の基板(17)とをグリーンシートの状態で積層
して、焼成一体化することにより形成されたキャビティ
基板の凹部(5) の薄肉部(17a) 上に、下部電極膜(2a)及
び圧電/電歪膜(2b)及び上部電極膜(2c)を順次積層して
形成された圧電/電歪作動部(以下、作動部と略称す
る)(2) を設けたものである。従って、この構造によれ
ば、作動部として機能する部位、すなわち振動板のみが
薄肉となっており、振動板両側は厚肉形成されているた
め、作動部の機能を十分発揮することができるととも
に、基板全体の強度も十分確保することができ、前記従
来の課題を解決することができるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、その後の検
討の結果、図9に示すように、複数の作動部を同一基板
面に設けて素子を構成した場合、同図(a) に示すよう
に、作動部(21)のみが作動した場合は、図示のように薄
肉部(17a) は下方向へ湾曲する。その際、凹部(5) の側
壁(16b) が内側へ僅かに変形し、薄肉部が効果的に撓む
のである。ところが、同図(b) に示すように、隣接する
作動部(22)も同時に作動すると、各作動部が設けられた
薄肉部(17a) は厚肉部を介して連続形成されているた
め、互いに引張り合う力が作用し、薄肉部の湾曲が困難
になる。すなわち、素子を単独で作動させた場合と比較
して変位が低下し、素子が本来有する特性を十分発揮す
ることができず、また、その低下率も各素子間で異なる
ことが明らかとなった。
【0006】さらに、作動部と振動板とを熱処理して一
体化するため、前記課題に加えて次のような課題が存在
する。作動部を構成する圧電/電歪膜と振動板とでは、
それぞれの目的の相違により、材料の化学成分が異なる
ことから、熱膨張率に差があり(各成分については後述
する)、そのため、圧電/電歪膜の熱処理工程における
冷却過程では熱収縮に差が生じ、圧電/電歪膜にはこの
収縮差に応じた残留応力が発生する。さらに、圧電/電
歪膜の焼成収縮が振動板によって妨げられるため作動部
を形成するセラミック基板の剛性が高くなると圧電/電
歪膜は本来の収縮を遂げることができず、圧電/電歪膜
内部には収縮とは反対方向、すなわち引張りの力が残留
応力として存在し続けることになる。そして、この残留
応力は後述する実験結果によって明らかなように、圧電
/電歪膜の材料特性を低下させ、圧電/電歪膜材料が本
来有する材料特性を十分活かすことができない結果とな
るのである。
【0007】特に、図10に示すように、凹部の開口側
に閉塞基板(7) を形成したセラミック基板の場合には、
閉塞基板を形成していないセラミック基板と比較して基
板剛性が大きくなるため、各作動部や凹部内壁はさらに
変位し難くなり、材料特性も低下することが明らかとな
った。従って、例えば、この素子をインクジェットプリ
ントヘッドに応用した場合、各凹部内に充填されたイン
クの吐出量や吐出速度の減少、また、それらのばらつき
の原因となり、良好な印字品質を得ることができない。
【0008】ゆえに、この発明の目的とするところは、
第一には、作動部を形成する部位周辺の基板剛性を低く
することにより、圧電/電歪膜熱処理時に圧電/電歪膜
内に発生する残留応力を小さくし、圧電/電歪膜が本来
有する材料特性を十分活かすことができるようにするこ
とにある。そして、第二には、複数の作動部を同一基板
上で同時に作動させた場合における各作動部の変位低下
を小さくし、かつ作動部間の変位のばらつきを小さくす
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記各課題
を解決するために開発されたもので、その要旨とすると
ころは、所定の大きさの窓部を少なくとも1つ以上形成
したセラミック基板の表面に平板状のセラミック基板を
積層することにより同一面上に所定の大きさの凹部を少
なくとも1つ以上形成したセラミック基板の前記各凹部
の底部外表面上に、もしくは同一基板面上に所定の大き
さの凹部を少なくとも1つ以上形成したセラミック基板
の前記各凹部の底部外表面上に、もしくは前記セラミッ
ク基板の凹部開口面側に閉塞基板を積層したセラミック
基板の各凹部の底部外表面上に、電極膜及び圧電/電歪
膜から成る圧電/電歪作動部を焼成一体化し、もしくは
電極膜及び圧電/電歪膜をそれぞれ順次焼成一体化しな
がら積層して設けた圧電/電歪膜型素子において、前記
各凹部の底部外表面周囲の所定の厚肉部表面から、前記
凹部底部の肉厚より深い適宜長さの少なくとも1本以上
の溝を、前記凹部の内壁面に沿って、かつ、その内壁面
から適宜間隔を隔ててそれぞれ形成したことにある。
【0010】なお、かかる効果をより一層高めるために
は、各セラミック基板が、酸化イットリウム及び酸化セ
リウム及び酸化マグネシウム及び酸化カルシウムの内、
少なくとも1つの化合物を含有することによって結晶相
が完全安定化もしくは部分安定化された酸化ジルコニウ
ムを主成分とする材料で構成されていることが望まし
い。
【0011】また、前記圧電/電歪膜が、マグネシウム
ニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とから成る
成分を主成分とする材料もしくはニッケルニオブ酸鉛及
びマグネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン
酸鉛とから成る成分を主成分とする材料で構成されてい
ることが望ましい。
【0012】さらに、前記各凹部の底部の肉厚が50μ
m以下であることが望ましい。
【0013】
【作用】各凹部の振動板に相当する底部周囲の厚肉部に
は、その表面から底部の肉厚より深い適宜長さの溝が形
成されているため、作動部を形成する部位周辺の基板剛
性は低く、変形し易い構造となっている。従って、作動
部を基板と一体化するための熱処理過程において発生す
る、基板材料と圧電/電歪膜材料との熱膨張率差に起因
する残留応力や、圧電/電歪膜の焼成収縮を妨げる力
は、基板が作動部の熱収縮の挙動に追随し易くなること
から、低く抑えることが可能となり、圧電/電歪膜材料
が本来有する材料特性を十分引出すことができるのであ
る。しかも、隣接する作動部間に溝が形成されているた
め、隣接する凹部の底部同士が相互に引っ張り合う力を
緩衝することができるとともに、他の作動部の変位によ
る干渉も小さくすることができるため、作動部本来の変
位を引き出すことが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、この発明のアクチュエータについて図
面を参照しながら、詳細に説明する。なお、理解を容易
にするため、各図面を通して、同様の構造や機能を有す
るものには、同一の符号を付すものとする。
【0015】図1は、キャビティ基板(14)上に複数の作
動部(2) を設けたこの発明の素子の外観斜視図、図2は
図1のA−A線断面部分説明図、図3(a) はキャビティ
基板(14)の形成手法を示す説明図、図3(b) は形成され
たキャビティ基板を図3(a) のB−B線で切断した断面
説明図をそれぞれ示す。キャビティ基板(14)は、図3
(a) に示すようにグリーンシートの多層積層による一手
法を用いて、セラミック製の閉塞基板(7) 上にセラミッ
ク製の基板(8) 及び基板(4) を順次積層して形成されて
いる。基板(8) には複数の窓部(5) が形成され、各窓部
の両側には溝(6a)が、内壁面(8b)に沿って、かつ、その
内壁面から適宜間隔を隔てて閉塞基板(7) の厚肉部(7a)
へ向けてそれぞれ形成されている。基板(4) の(4a)は素
子の振動板となる凹部の底部に相当し、この上に作動部
(2) が一体形成される。(6b)は前記溝(6a)に対応する位
置に同じ大きさで貫通形成された溝である。これら溝(6
a)及び溝(6b)によって図3(b) に示す溝(6) を形成して
いる。図2(a) に示すように、作動部(2) は下部電極膜
(2a)及び圧電/電歪膜(2b)及び上部電極膜(2c)を順次積
層して形成され、振動板(4a)上に一体形成されている。
なお、閉塞基板(7) に形成されている孔(7b)は、インク
ジェットプリントヘッドに使用した場合のインクをキャ
ビティ内に導く、もしくはキャビティ外に排出するため
の孔である。
【0016】図3(a) に示す、溝(6) の長さ(L1)は溝に
沿った窓部(5) の長手方向側縁の少なくとも1/8 以上、
好ましくは1/4 以上の長さで、溝の長手方向中心が窓部
(5) の長手方向側縁中心からの延長線上にあるように形
成するのが好ましい。また、溝(6) の深さ(D2)は少なく
ともセラミック基板(4) の肉厚(D1)を越えることが好ま
しく、さらに好ましくはその肉厚を越え、数1に示す深
さとなるように形成することが望ましい。
【0017】
【数1】
【0018】より一層好ましくは、数2に示す深さとな
るように形成することが望ましい。
【0019】
【数2】
【0020】なお、溝の形状は本実施例のように基板面
に対して鉛直方向に形成されたものの他、V字形、台形
などの形状でもよい。
【0021】また、振動板となる各凹部の底部(4a)の肉
厚は、作動部の高速応答性と大きな変位を得るために、
一般に50μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ま
しくは10μm以下に形成される。
【0022】この発明の素子は、上記のように作動部周
辺の厚肉部に溝が加工されたキャビティ基板を有するた
め、振動板が湾曲し易いことから、振動板と作動部とを
熱処理によって一体化する際に、振動板が圧電/電歪膜
の収縮に追従し易くなるため、圧電/電歪膜の収縮力が
振動板によって阻止されるために圧電/電歪膜内部に発
生する力、すなわち残留応力を小さくすることができ
る。従って、圧電/電歪膜の比誘電率を始めとした諸特
性が大きくなり、圧電/電歪膜材料が本来有する材料特
性を引出すことができる。
【0023】その結果、図2(b) に示すように、各振動
板は大きく湾曲し易く、また、振動板の変位に伴って、
凹部(5) の内壁(8b),(8b) も内側に変位するため、振動
板のみが変位する従来のものと比較して、凹部内の体積
変化を容易、かつ、迅速に行なうことができる。しか
も、複数の作動部が同時に作動しても、振動板同士が引
っ張り合う力が緩衝されるため、各振動板の変位のばら
つきを小さくすることができる。
【0024】従って、この素子をインクジェットプリン
トヘッドに応用した場合、作動部の変位を大きく保てる
ことに加えて、凹部内壁面も内側へ変位し易くなるた
め、凹部内に充填されたインクの吐出量をアップするこ
とができるとともに、各隣接作動部間での干渉、すなわ
ち、クロストークを小さくすることができ、複数同時作
動や単独作動といった作動状態の違いによっても、イン
クの吐出性能、例えば吐出スピードや吐出量は影響を受
け難く、良好な印字品質を得ることができるのである。
【0025】なお、図4に示すような閉塞基板を形成し
ていない素子の場合でも、厚肉部に溝を形成することに
より、圧電/電歪膜材料が本来有する材料特性を引出す
ことができることは勿論である。
【0026】図5は、各厚肉部に振動板の肉厚より深い
2本の溝を形成したこの発明の素子の断面部分説明図で
ある。この構造によれば、作動部間のピッチが広く、厚
肉部の幅を広く設計する場合でも、作動部周辺の基板剛
性を小さくすることができる他、前述の1本の溝を形成
した素子と比較すると、さらに優れた素子特性を得るこ
とができ、好ましい。
【0027】図6(a) は、本願出願人が先の出願におい
て提案した素子(特願平5-75414 号)に用いた作動部を
応用したこの発明の素子の断面説明図である。その作動
部は、同図(b) に示すように、下部電極膜(9a)上の圧電
/電歪膜(9b)を、下部電極膜を覆い、且つ端部が第2の
セラミック基板(4) 上へ張り出す大きさとした構造であ
る。張り出し部(10)と第2のセラミック基板(4) 間は不
完全結合部(11)を形成している。ここで不完全結合部と
は、張り出し部(10)と第2のセラミック基板(4) 間の結
合が不完全であり、作動部(9) が必要とされる性能を十
分発揮できる程度の結合状態をいう。(12)は上部電極膜
(9c)の断線を防止するために上部電極膜をスムーズにセ
ラミック基板(4) 上に導くために形成されている樹脂層
である。この素子は、かかる構造によって、短絡防止の
ための下部電極膜と上部電極膜との位置合わせが容易と
なり、素子の生産性を向上させることができるととも
に、張り出し部と第2のセラミック基板とが結合し、圧
電/電歪膜の屈曲変位ないし発生力が制限されることも
ないのである。従って、図6(a) に示すように、この作
動部によってこの発明を構成すれば、素子性能の向上に
加えて素子の生産性をも向上させることができる。な
お、上記各実施例では複数の作動部を基板上に設けた場
合について説明したが、作動部を一つだけ設けた場合で
も、その基板の厚肉部に前記同様の溝を形成することに
よってその圧電/電歪膜の材料特性を十分引出すことが
でき、その結果変位が増大することは勿論である。
【0028】次に、この発明にかかる素子の圧電/電歪
膜の材料特性を十分発揮させるためには、セラミック基
板が、酸化イットリウム及び酸化セリウム及び酸化マグ
ネシウム及び酸化カルシウムの内、少なくとも1の化合
物を含有することによって結晶層が完全安定化もしくは
部分安定化された酸化ジルコニウムを主成分とする材料
で構成されていることが望ましい。
【0029】そして、酸化ジルコニウムを安定化もしく
は部分安定化させるための添加物の量は、酸化イットリ
ウムに対して 1モル%〜30モル%、酸化セリウムでは 6
モル%〜50モル%、酸化マグネシウムや酸化カルシウム
に対しては、 5モル%〜40モル%とすることが好ましい
が、その中でも特に酸化イットリウムに対して、 2モル
%〜 4モル%とすることが望ましい。なぜならば、それ
らの範囲で酸化イットリウムが添加された酸化ジルコニ
ウムは、その結晶層が部分安定化され、特に優れた基板
特性を示すからである。
【0030】また、基板材料中に粘土等の焼結助剤を添
加してもよいが、少なくとも、薄肉部を構成する第2の
セラミック基板中には、酸化珪素、、酸化ホウ素、酸化
リン、酸化ゲルマニウム等のガラス化しやすい材料が、
1重量%以上含有されないように、助剤の組成や添加量
を調整することが望ましい。なぜならば、前記ガラス化
しやすい材料が基板に含有されていると圧電/電歪膜と
の熱処理時に反応が生じ易く、圧電/電歪膜の組成の制
御が困難となるためである。
【0031】ところで、そのようなセラミック基板は、
その上に形成される作動部の作動特性、換言すればそこ
において発生する歪み、力を有効に受け、またその逆の
作用を有効に行なうために、Raにて表わされる表面粗
さが0.03〜0.9 μmの範囲内となるように調整される。
このような表面粗さ:Raの調整は、また、薄い基板の
強度を確保する上においても有効である。
【0032】また、第1のセラミック基板及び第2のセ
ラミック基板は、最終的には、焼結せしめられた形態と
されるが、作動部の形成に先立って、予め1000°C 〜18
00°C 程度で焼結した基板としておくことができ、ま
た、基板材料のグリーンシートを用い、後述の膜形成手
法による作動部の形成を行なった後に焼結させても良い
が、その中では、予め焼結した基板の方が、素子の反り
を小さくすることができ、また、パターン寸法精度が得
られることから、有利に用いられることになる。
【0033】各溝は、グリーン状態の基板においても焼
結した基板においても形成することができ、その際には
種々の方法が採用される。例えば、レーザー、電子ビー
ム、スライシング、ブラスト、超音波加工などが、ま
た、グリーン状態の基板では、さらに、型押し、金型な
どによる打ち抜き加工などが好適に採用される。これら
の加工は、各膜を形成する前の段階でも、全膜を形成し
た後でも行なうことができる。なお、それら加工法の中
では、比較的複雑な加工が簡単に可能であるレーザー加
工が好ましく採用されるが、その際には、セラミック基
板のクラックや割れを防止するために、熱ストレスを極
力小さくする必要がある。この熱ストレスを低減するた
めには、加工上種々の条件があるが、例えば本願のよう
な加工を行なう場合においては、レーザー光源としては
YAGレーザーが、また、パルス幅では140nsec 以下、
好ましくは100nsec 以下で、Qスイッチによるパルス制
御(例えば3.6KHz) を行なうことが、さらに、レーザー
光のビーム径としてはレンズ集光によってφ50μm以
下、好ましくはφ5 〜φ10μmが、加工スピードとして
は1.0mm/sec 以下が、そしてレーザービーム内のエネル
ギー分布としてはガウシアン分布(正規分布)で、TEM
00の単一モード共振を採用することが望ましい。
【0034】そして、そのようなセラミック基板上に所
定の下部電極膜(2a)、上部電極膜(2c)及び圧電/電歪膜
(2b)を設けて作動部(2) を形成するには、公知の各種の
膜形成手法が適宜に採用され、例えばスクリーン印刷、
スプレー、ディッピング、塗布等の厚膜形成手法、イオ
ンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、CVD、メッキ等の薄膜形成手法が適宜に選択
される。特に、圧電/電歪膜(2b)を形成するには、スク
リーン印刷、スプレー、ディッピング、塗布等による厚
膜形成手法が好適に採用されることとなる。なぜなら
ば、それらの厚膜形成手法によれば、平均粒子径0.01μ
m以上 5μm以下の、好ましくは0.05μm以上 3μm以
下の圧電/電歪材料のセラミック粒子を主成分とするペ
ーストやスラリーを用いてセラミック基板上に膜形成す
ることができ、良好な素子特性が得られるからである。
また、そのような膜の形状としては、スクリーン印刷法
やフォトリソグラフィ法等を用いてパターン形成する
他、レーザー加工法や、スライシング、超音波加工等の
機械加工法を用い、不必要な部分を除去して、パターン
形成しても良い。
【0035】なお、ここで作製される素子の構造や膜状
の作動部の形状は、なんら限定されるものではなく、用
途に応じて、いかなる形状でも採用可能であり、例えば
三角形、四角形等の多角形、円、楕円、円環等の円形、
櫛状、格子状又はこれらを組み合わせた特殊形状であっ
ても、何等差し支えなく、厚肉部に形成される溝も、そ
の作動部の形状に対応して形成することにより、この発
明の効果を奏することができる。
【0036】また、このようにしてセラミック基板上に
上記方法で膜形成されたそれぞれの膜(2a),(2b),(2c)
は、それぞれの膜の形成の都度、熱処理されて、基板と
一体構造となるようにしても良く、また全部の膜を形成
した後、同時に熱処理して、各膜が同時に基板に一体的
に結合されるようにしても良い。もちろん、これらの形
成方法を用い、図6に示した素子を形成する場合は、圧
電/電歪膜のはみだし部とセラミック基板とは、不完全
結合状態とされる。なお、このような膜形成手法により
電極膜を形成する場合には、一体化するために必ずしも
熱処理を必要としないことがある。たとえば、上部電極
膜(2c)を形成する前に、下部電極膜(2a)との絶縁性を確
実にするため素子周りに絶縁樹脂等で絶縁コートを行う
場合や、図6(b) に記載してあるような、上部電極膜(1
0c)の断線を防止するための樹脂層(13)を形成する場合
があるが、その場合には、上部電極膜(10c) の形成には
熱処理を必要としない蒸着、スパッタリングや鍍などの
方法が採用される。
【0037】さらに、このように形成された膜と基板と
を一体化するための熱処理温度としては、一般に900 °
C 〜1400°C 程度の温度が採用され、好ましくは1000°
C 〜1400°C の範囲の温度が有利に選択される。また、
圧電/電歪膜を熱処理する場合には、高温時に圧電/電
歪層の組成が不安定とならにように、圧電/電歪材料の
蒸発源と共に、雰囲気制御を行ないながら、熱処理する
ことが好ましい。また、圧電/電歪膜上に適当な覆蓋部
材を載置して、その表面が焼成雰囲気に直接に露呈され
ないようにして、焼成する手法を採用することも推奨さ
れる。その場合、覆蓋部材としては、基板と同様な材料
系のものが用いられることとなる。
【0038】上記の方法にて作製される作動部を構成す
る下部電極膜(2a)の材料としては、前記熱処理温度並び
に焼成温度程度の高温酸化雰囲気に耐えられる導体であ
れば、特に規制されるものではなく、例えば金属単体で
あっても、合金であっても良く、また絶縁性セラミック
スと、金属や合金との混合物であっても、さらには導電
性セラミックスであっても、なんら差し支えない。しか
も、より好ましくは、白金、パラジウム、ロジウムなど
の高融点貴金属類、あるいは、銀−パラジウム、銀−白
金、白金−パラジウムなどの合金を主成分とする電極材
料、白金とセラミック基板材料とのサーメット材料、白
金と基板材料と圧電材料とのサーメット材料が好適に用
いられ、その中でも、さらに好ましくは、白金を主成分
とする材料が望ましい。また、電極に添加する材料とし
て、酸化珪素などのガラスは、圧電/電歪膜との熱処理
中に反応が生じ易く、アクチュエータ特性を低下させる
原因となり易いため、その使用を避けることが望まし
い。なお、電極中に添加せしめる基板材料としては、 5
〜30体積%程度、一方圧電材料としては 5〜20体積%程
度であることが好ましい。一方、上部電極膜材料に関し
ては、特に制限されるものではない。
【0039】そして、このような導体材料を用いて形成
される電極膜は、一般に20μm以下、好ましくは 5μm
以下の肉厚において形成されることとなる。
【0040】また、作動部を構成する圧電/電歪材料と
しては、圧電、あるいは電歪効果などの電界誘起歪を示
す材料であれば、何れの材料であっても採用され得るも
のであり、結晶質の材料であっても、非晶質の材料であ
っても良く、また半導体材料であっても、誘電体セラミ
ックス材料や強誘電体セラミックス材料であっても、な
んら差し支えなく、さらには分極処理が必要な材料であ
っても、また、それが不必要な材料であってもよいので
ある。
【0041】しかも、この発明に用いられる圧電/電歪
材料としては、好ましくは、ジルコン酸チタン酸鉛(P
ZT系)を主成分とする材料、マグネシウムニオブ酸鉛
(PMN系)を主成分とする材料、ニッケルニオブ酸鉛
(PNN系)を主成分とする材料、マグネシウムタング
ステン酸鉛を主成分とする材料、マンガンニオブ酸鉛を
主成分とする材料、アンチモンスズ酸鉛を主成分とする
材料、亜鉛ニオブ酸鉛を主成分とする材料、チタン酸鉛
を主成分とする材料、さらには、これらの複合材料など
が用いられる。なお、前述した材料に、ランタン、バリ
ウム、ニオブ、亜鉛、セリウム、カドミウム、クロム、
コバルト、アンチモン、鉄、イットリウム、タンタル、
タングステン、ニッケル、マンガン、リチウム、ストロ
ンチウム、マグネシウム、カルシウム、ビスマスなどの
酸化物や、それらの他の化合物を添加物として含有せし
めた材料、例えばPZT系を主成分とする材料にランタ
ンを加え、PLZT系となるように、前記材料に上述の
添加物を適宜に加えても、なんら差し支えない。なお、
酸化珪素等のガラス材料の添加は避けるべきである。な
ぜならば、PZT系等の鉛系圧電/電歪材料はガラスと
反応し易いために、所望の圧電/電歪膜組成への制御が
困難となり、アクチュエータ特性のバラツキ並びに低下
を惹起するからである。
【0042】これらの圧電/電歪材料の中でも、マグネ
シウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸鉛とからな
る成分を主成分とする材料、もしくはニッケルニオブ酸
鉛とマグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛とチタン酸
鉛とからなる成分を主成分とする材料が好ましく、さら
にその中でも特に、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン
酸鉛とチタン酸鉛とからなる成分を主成分とする材料
が、その熱処理中における基板材料との反応が特に少な
いことから、例えば、張り出し部とセラミック基板との
結合状態を作動部が必要とされる性能に影響を与えない
程度に低くおさえることができる他、成分の偏析が起き
難く、組成を保つための処理が好適に行なわれ得、目的
とする組成及び結晶構造が得られ易い等、高い圧電定数
を有することと併せて有利に用いられ、スクリーン印
刷、スプレー、ディッピング、塗布などの厚膜形成手法
で圧電/電歪膜を形成する場合の材料として推奨され
る。なお、多成分系圧電/電歪材料の場合、成分の組成
によって圧電特性が変化するが、この発明で好適に採用
されるマグネシウムニオブ酸鉛−ジルコン酸鉛−チタン
酸鉛の3成分系材料では、擬立方晶−正方晶−菱面体晶
の相境界付近の組成が好ましく、特にマグネシウムニオ
ブ酸鉛:15モル%〜50モル%、ジルコン酸鉛:10モル%
〜45モル%、チタン酸鉛:30モル%〜45モル%の組成
が、高い圧電定数と電気機械結合係数を有することか
ら、有利に採用される。
【0043】さらに、上記の如くして形成される電極膜
と圧電/電歪膜から構成される作動部の厚さとしては、
一般に100 μm以下とされ、また圧電/電歪膜の厚さと
しては、低作動電圧で大きな変位などを得るために、好
ましくは50μm以下、さらに好ましくは 3μm以上40μ
m以下とされることが望ましい。
【0044】次に、この発明による効果を実験結果に基
いて説明する。この実験は、図11に示すような〜
の同一の作動部を有する素子において、基板(15)の構造
に前記従来のキャビティ基板と前記この発明のキャビテ
ィ基板とを用いて、キャビティ基板の構造の相違による
素子特性の違いを求めた。表1は、作動部〜を従来
のキャビティ基板とこの発明のキャビティ基板のそれぞ
れに設けた場合の作動部の変位と比誘電率を測定した
結果を示す。比較例1に用いられたキャビティ基板は、
図8の閉塞基板が形成されていない、本願出願人の先の
発明による構造のもの、比較例2に用いられたものは、
図10の閉塞基板が形成された、同じく本願出願人の先
の発明による構造のもの、本願Aに用いられたものは、
図2に示す構造で、溝の深さを100 μmとしたものであ
る。
【0045】
【表1】
【0046】この表1に示す実験結果から、本願Aのキ
ャビティ基板に設けた場合の作動部の変位は、閉塞基
板が形成されているにも拘らず、閉塞基板が形成された
従来のものより大きいばかりか、閉塞基板が形成されて
いないものに匹敵する変位を得ていることがわかる。ま
た、比誘電率も従来の何れのものよりも大きな値を示し
ているが、これは、圧電/電歪膜内に存在する残留応力
が小さく圧電/電歪膜の材料特性自体が向上しているこ
とを裏付けるものである。
【0047】次に、表2は、作動部〜を同時に作動
させた場合と、各作動部をそれぞれ単独で設けた場合と
の変位の差、すなわち、変位低下率を従来のキャビティ
基板とこの発明のキャビティ基板とで比較した結果を示
す。比較例3は図7に示すように、閉塞基板が形成さ
れ、溝(13)を振動板と同じ肉厚の深さ10μmで形成した
キャビティ基板の場合、本願Bは閉塞基板が形成された
50μmの深さの溝を形成したキャビティ基板を用いた場
合である。本願Cは閉塞基板が形成された図5に示すよ
うに 100μmの深さで溝が2本形成されたキャビティ基
板を用いた場合である。
【0048】
【表2】
【0049】この表2の実験結果に示すように、比較例
1、比較例2及び比較例3に示す従来の基板の場合は、
各作動部を同時に作動させると、それぞれの位置で単独
で動作させた場合に比べ、変位が小さくなるばかりか各
作動部の変位低下率に大きな差があるが、本願B、本願
A及び本願Cのものは、各作動部の変位も大きく、各作
動部の変位低下率にも大きな差がないことがわかる。こ
れは、この発明の素子によれば大きな変位が得られるば
かりか、他の作動部の変位の影響を受け難いことを裏付
けるものである。また、比較例2と比較例3とを比較す
ると、振動板の肉厚と同じ深さの溝では、ほとんど効果
がないが、本願Aと本願Bとを比較すると、溝が振動板
の肉厚よりも、より深い方が作動部の大きな変位を得る
ことができるとともに、各作動部間の変位のばらつきも
小さいことがわかる。さらに、本願Cと本願Aとを比較
すると、溝を2本とした場合の方が、効果が大きいとい
うことがわかる。
【0050】なお、変位の測定は、各作動部に電圧印加
を個々にもしくは同時に行なった場合の変位をレーザー
ドップラー振動計により評価した。また、振動板の肉厚
は10μm、基板(7) 及び基板(8) の合計肉厚は150 μ
m、作動部は、厚膜手法により形成した。印加電圧は、
30Vである。
【0051】なお、この発明は上記各実施例に限定され
るものではなく、この発明の範囲を逸脱しない限り、変
更、修正、改良を加えることができる。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、振動板と作動部とを
焼成一体化する際に圧電/電歪膜内部に発生する残留応
力を小さくすることができるため、圧電/電歪膜が本来
有する材料特性を十分引出すことができる。しかも、そ
の材料特性は、基板の剛性が大きくなっても殆ど劣化す
ることがない。また、振動板の変位の低下及び作動部相
互間の干渉を防止することができるため、各作動部に変
位のばらつきがない素子特性を実現することができる。
さらに、振動板の大きな変位を維持することができると
ともに、振動板を底部とする凹部内壁面をも内側へ大き
く変位させることができるため、小さい電位で凹部内の
体積変化を容易、かつ、迅速に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる素子の外観斜視図である。
【図2】(a) は図1の素子のA−A線断面部分説明図、
(b) は(a) の各作動部(2) が動作した時の状態を示す説
明図である。
【図3】(a) はキャビティ基板の構造を示す説明図、
(b) はセラミック基板(7)及び(8) 及び(4) を積層して
形成したキャビティ基板のB−B線断面説明図である。
【図4】(a) は閉塞基板を形成しないキャビティ基板を
用いたこの発明にかかる素子の説明図、(b) は各作動部
(2) が動作した時の状態を示す説明図である。
【図5】厚肉部に2本の溝を形成したこの発明にかかる
素子の説明図である。
【図6】(a) は圧電/電歪膜を下部電極膜端部から張り
出し形成した作動部を用いたこの発明にかかる素子の説
明図、(b) はその作動部の説明図である。
【図7】(a) は閉塞基板を形成し、振動板の肉厚と同じ
深さの溝を形成した従来の素子の説明図、(b) は(a) の
各作動部(2) が動作した時の状態を示す説明図である。
【図8】溝が形成されていない従来の素子の説明図であ
る。
【図9】(a) は溝が形成されていない従来の素子で、作
動部(21)のみが動作した時の状態を示す説明図、(b) は
作動部(21)及び(22)が動作した時の状態を示す説明図で
ある。
【図10】閉塞基板及び溝が形成されていない従来の素
子の説明図である。
【図11】作動部の変位及び変位低下率を測定するため
に、作動部〜を同一キャビティ基板面上に設けた状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・素子、2,9,21,22・・作動部、2a,9
a・・下部電極膜、2b,9b・・圧電/電歪膜、2
c,9c・・上部電極膜、7a,8a・・厚肉部、8b
・・内壁面、4,7,8・・基板、4a・・振動板、5
・・凹部、5・・窓部、6,6a,6b,13・・溝、
7・・閉塞基板、10・・張り出し部、11・・不完全
結合部、12・・樹脂層、14,15・・キャビティ基
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 浩二 名古屋市天白区表山3丁目150番地(日本 碍子八事寮) (72)発明者 武内 幸久 愛知県西加茂郡三好町大字福谷字堂ノ後42 番地の1 Fターム(参考) 2C057 AF52 AG44 AG59 AP14 AP23 AP52 AP53 AP54 AP57 AQ02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の大きさの窓部を少なくとも1つ以上
    形成したセラミック基板の少なくとも一方の面に平板状
    のセラミック基板を積層することにより同一面上に所定
    の大きさの凹部を少なくとも1つ以上形成したセラミッ
    ク基板の前記各凹部の底部外表面上に、もしくは同一基
    板面上に所定の大きさの凹部を少なくとも1つ以上形成
    したセラミック基板の前記各凹部の底部外表面上に、も
    しくはそのセラミック基板の凹部開口面側に閉塞基板を
    積層したセラミック基板の各凹部の底部外表面上に、電
    極膜及び圧電/電歪膜から成る圧電/電歪作動部を焼成
    一体化し、もしくは電極膜及び圧電/電歪膜をそれぞれ
    順次焼成一体化しながら積層して設けた圧電/電歪膜型
    素子において、 前記各凹部の底部外表面周囲の所定の厚肉部表面から、
    前記凹部底部の肉厚より深い適宜長さの少なくとも1本
    以上の溝を、前記凹部の内壁面に沿って、かつ、その内
    壁面から適宜間隔を隔ててそれぞれ形成したことを特徴
    とする圧電/電歪膜型素子。
  2. 【請求項2】前記各セラミック基板が酸化イットリウム
    及び酸化セリウム及び酸化マグネシウム及び酸化カルシ
    ウムの内、少なくとも1つの化合物を含有することによ
    って結晶相が完全安定化もしくは部分安定化された酸化
    ジルコニウムを主成分とする材料から構成された請求項
    1に記載の圧電/電歪膜型素子。
  3. 【請求項3】前記圧電/電歪膜が、マグネシウムニオブ
    酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とから成る成分を
    主成分とする材料もしくはニッケルニオブ酸鉛及びマグ
    ネシウムニオブ酸鉛及びジルコン酸鉛及びチタン酸鉛と
    から成る成分を主成分とする材料から構成された請求項
    1又は請求項2に記載の圧電/電歪膜型素子。
  4. 【請求項4】前記各凹部の底部の肉厚が50μm以下で
    ある請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の圧電/
    電歪膜型素子。
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