JP2003007715A - バイポーラトランジスタ - Google Patents

バイポーラトランジスタ

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JP2003007715A
JP2003007715A JP2001192370A JP2001192370A JP2003007715A JP 2003007715 A JP2003007715 A JP 2003007715A JP 2001192370 A JP2001192370 A JP 2001192370A JP 2001192370 A JP2001192370 A JP 2001192370A JP 2003007715 A JP2003007715 A JP 2003007715A
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Noriyuki Watanabe
則之 渡邉
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コレクタ電流域における電流利得を改善し
たバイポーラトランジスタを提供する。 【解決手段】 バイポーラトランジスタは、Siドープの
コレクタ電極層2、アンドープのコレクタ層4、Cドー
プのベース層5、ベース層5とは異なる材料からなり、
Siドープの下部エミッタ層7、Siドープの上部エミッタ
層9、および、Siドープのエミッタ電極層10からな
る。このバイポーラトランジスタでは、下部エミッタ層
7と上部エミッタ層9とに挟まれた、Siドープの中間エ
ミッタ層8を形成し、下部エミッタ層7のSi濃度および
層厚と、中間エミッタ層8のSi濃度および層厚とが所定
の関係を満たしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、III−V族化合
物半導体を用いた超高速ヘテロ接合バイポーラトランジ
スタに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(He
tero Junction Bipolar Transistor:HBT)は、高速
・高周波素子としての優れた特性を有しており、さまざ
まな応用が期待されている。ヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタは、エミッタ層にワイドギャップ半導体を用い
るものであり、 GaAs基板上にHBTを構成するタイプ InP基板上にHBTを構成するタイプ がある。前記の場合、つまり、GaAs基板上にHBTを
構成する場合、GaAsとAlGaAsとの組み合わせやInGaPとG
aAsとの組み合わせを基本とする半導体材料の構成が、
実用上最も重要度が高く、かつ広範に用いられている。
また、前記の場合、つまり、InP基板上にHBTを構
成する場合には、InPとInGaAsの組み合わせを基本とす
る半導体材料の構成が、実用上最も重要度が高く、かつ
広範に用いられている。
【0003】GaAs基板上に構成されるHBT(前記)
では、InGaPとGaAsの組み合わせを基本とする半導体材
料の構成が注目されている。InGaPとGaAsとの組み合わ
せを基本とする半導体材料で構成されたHBTには、Al
GaAsとGaAsとの組み合わせを基本とする半導体材料の構
成に比べて、素子寿命が格段に長いという利点がある。
また、相互に選択エッチングが可能であるという素子製
作プロセス上の利点もある。
【0004】以上のような利点から、InGaPとGaAsとの
組み合わせを基本とする半導体材料から構成されるHB
T(以下、InGaP/GaAs HBTという)が注目されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のInGaP
/GaAs HBTには、次のような課題がある。つまり、
コレクタ電流の低い領域での電流利得がコレクタ電流に
強く依存し、低電流になる程、電流利得が低減してしま
うという問題がある。これについて以下で詳細に述べ
る。
【0006】従来のInGaP/GaAs HBTを図10に示
す。このInGaP/GaAs HBTでは、GaAs基板101上に
コレクタ電極層102として、SiドープGaAs層(層厚5
00nm、Si濃度5×1018cm−3)が形成され、コレ
クタ電極層102には、コレクタ電極103と、コレク
タ層104としてアンドープGaAs層(層厚600nm)が
形成されている。
【0007】コレクタ層104には、ベース層105と
してCドープGaAs層(層厚50nm、C濃度4×1019
cm−3)が形成され、ベース層105には、ベース電極
106と、下部エミッタ層107としてのSiドープInGa
P層(層厚30nm、Si濃度3×1017cm−3)が形成
されている。
【0008】下部エミッタ層107には、上部エミッタ
層108としてSiドープGaAs層(層厚100nm、Si濃度
3×1017cm−3)が形成され、上部エミッタ層10
8には、エミッタ電極層109としてn型InGaAs層(層
厚100nm、Si濃度2×10 19cm−3)が形成され、
エミッタ電極層109には、エミッタ電極110が形成
されている。
【0009】このような構造のInGaP/GaAs HBTをエ
ミッタ接地で動作させた場合、InGaP/GaAs HBTは、
図11および図12に示す特性をもつ。図11は、コレ
クタ電流Icおよびベース電流Ibをエミッタ・ベース
間電圧に対してプロットしたもの(ガンメルプロット)
である。また、図12は、図11からコレクタ電流Ic
とベース電流Ibとの比で見積もった電流利得を、コレ
クタ電流Icに対してプロットしたものである。バイポ
ーラトランジスタはp−n接合の組み合わせで構成され
ており、その電流・電圧特性はダイオード特性を反映
し、電流は、印加電圧に対して、次の式7で与えられる
ような指数関数的な振る舞いを示す。 式7では、qが素電荷、VBEがエミッタ・ベース間電
圧、kがボルツマン係数、Tが温度である。また、nが
理想係数(Ideality factor)あるいは単にn値と呼ば
れる。電流がキャリアの拡散により規定されるような理
想的な場合、理想係数は値1となる。一方、エミッタ・
ベース空乏層中に何らかの再結合中心が存在するような
場合、再結合電流が支配的になる領域では、理想係数は
値2になる。
【0010】コレクタ電流Icは、エミッタから注入さ
れた電子が層厚の薄いベース層105中を再結合するこ
となく拡散してコレクタ層に達したものであり、基本的
には、エミッタからの注入された電子の拡散過程で規定
される。したがって、コレクタ電流Icの理想係数は通
常1に極めて近い値をとる。
【0011】一方、ベース電流Ibには、ベースからエ
ミッタヘ注入される正孔がエミッタ・ベース空乏層中で
電子と再結合する成分と、エミッタからベースに注入さ
れる電子がベース層中を拡散する成分とがある。前者の
再結合成分が支配的な場合、理想係数は2に近い値にな
り、後者の拡散成分が支配的な場合、理想係数は1に近
い値になる。
【0012】HBTでは、ワイドギャップエミッタを採
用しているために、ベース層105中の正孔に対するエ
ネルギー障壁が存在する。したがって、ベース層105
からエミッタ層への正孔の注入は基本的にほとんど無視
でき、ベース電流の理想係数も1に近い値にすることが
できる。
【0013】しかし、エミッタ層の結晶品質が良好でな
く、エミッタ・ベース空乏層内に欠陥や不純物に起因し
た何らかの準位が存在するような場合や、エミッタ・ベ
ース界面の急峻性が良好でなく、界面準位が存在するよ
うな場合がある。
【0014】このような場合、前記の準位を介した再結
合電流が発生し、それによって、ベース電流の理想係数
が2に近い値になってしまうことがある。再結合電流が
無視できる場合には、コレクタ電流・ベース電流とも理
想係数が値1であり、結果的に電流利得がコレクタ電流
にほとんど依存しない。しかし、再結合電流が支配的に
なると、コレクタ電流に対し1/2乗の依存性を示すこ
とになり、低電流での電流利得が低減してしまうことに
なる。
【0015】図11に示したように、InGaP/GaAs HB
Tにおいても、ベース電流Ibの理想係数は、印加電圧
が比較的高い領域で1に近い値であるにも関わらず、低
電圧域(コレクタ電流の低い領域)では、2に近い値に
なっている。これが低電流域で電流利得が低減してしま
う要因となっている。
【0016】つまり、InGaP/GaAs HBTでは、図13
に示すように、エミッタ・ベース空乏層中に何らかの再
結合中心201が形成されやすい。そして、再結合中心
201を介した再結合電流が発生して、コレクタ電流の
低い領域で電流利得を低減させているという問題が生じ
る。
【0017】この発明は、前記の課題を解決し、低コレ
クタ電流域における電流利得を改善したバイポーラトラ
ンジスタを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、第1の導電型を与える導電性不
純物を添加されたコレクタ電極層、前記コレクタ電極層
に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不純物を
添加された、もしくは、導電性不純物を添加されていな
いコレクタ層、前記コレクタ層に形成され、第2の導電
型を与える導電性不純物を添加されたベース層、前記ベ
ース層に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不
純物を添加され前記ベース層とは異なる材料からなる第
1のエミッタ層、前記第1のエミッタ層に形成され、前
記第1の導電型を与える導電性不純物を添加された第2
のエミッタ層、および、前記第2のエミッタ層に形成さ
れ、前記第1の導電型を与える導電性不純物を添加され
たエミッタ電極層からなる、III−V族化合物半導体を
用いたバイポーラトランジスタにおいて、前記第1の導
電型を与える導電性不純物を添加され、前記第1のエミ
ッタ層と前記第2のエミッタ層とに挟まれた第3のエミ
ッタ層を形成し、前記第1のエミッタ層の導電性不純物
濃度n2(cm−3)および層厚d2(cm)と、前記第3
のエミッタ層の導電性不純物濃度n3(cm−3)および
層厚d3(cm)とが、式1、式2および式3に示す関係
を満たしていることを特徴とする。 (式1) 0≦d3<1×10−6 (式2) 0≦d3<d2/3 (式3) d2×√n2+d3×√n3>3000
【0019】前記構成によれば、バイポーラトランジス
タにおける第1のエミッタ層と第2のエミッタ層との間
に第3のエミッタ層を挿入し、式1〜式3に示す関係を
持たせることによって、低コレクタ電流域における電流
利得の改善を実現する。なお、式3の中で、 √n2=(n2)1/2 √n3=(n3)1/2 である。また、式1〜式3は、第2のエミッタ層および
第3のエミッタ層の導電性不純物濃度および層厚と、電
流利得との関係を調べることによって得たものである。
【0020】請求項2の発明は、第1の導電型を与える
導電性不純物を添加されたコレクタ電極層、前記コレク
タ電極層に形成され、前記第1の導電型を与える導電性
不純物を添加された、もしくは、導電性不純物を添加さ
れていないコレクタ層、前記コレクタ層に形成され、第
2の導電型を与える導電性不純物を添加されたベース
層、前記ベース層に形成され、前記第1の導電型を与え
る導電性不純物を添加され前記ベース層とは異なる材料
からなる第1のエミッタ層、前記第1のエミッタ層に形
成され、前記第1の導電型を与える導電性不純物を添加
された第2のエミッタ層、および、前記第2のエミッタ
層に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不純物
を添加されたエミッタ電極層からなる、III−V族化合
物半導体を用いたバイポーラトランジスタであって、前
記第1のエミッタ層の導電性不純物濃度n2(cm−3
および層厚d2(cm)が、式4、式5および式6に示す
関係を満たしていることを特徴とするバイポーラトラン
ジスタ。 (式4) 0<1×10−6 (式5) 0<d2/3 (式6) d2×√n2>3000
【0021】前記構成によれば、バイポーラトランジス
タにおける第1のエミッタ層が式4〜式6に示す関係を
持たせることによって、低コレクタ電流域における電流
利得の改善を実現する。なお、式6の中で、 √n2=(n2)1/2 である。また、式4〜式6は、請求項1に記載の (式1) 0≦d3<1×10−6 (式2) 0≦d3<d2/3 (式3) d2×√n2+d3×√n3>3000 の中で、d3=0、n3=0として得られたものであ
る。
【0022】請求項3の発明は、請求項1に記載のバイ
ポーラトランジスタおいて、前記コレクタ電極層がGaAs
基板上に構成されており、前記第1のエミッタ層がV族
元素としてPを含む材料からなり、前記第2のエミッタ
層がV族元素としてAsを含む材料からなり、前記第3の
エミッタ層がV族元素としてPもしくはAsあるいはPと
Asを含むことを特徴とする。
【0023】請求項4の発明は、請求項2に記載のバイ
ポーラトランジスタおいて、前記コレクタ電極層(3
2)がGaAs基板上に構成されており、前記第1のエミッ
タ層(37)がV族元素としてPを含む材料からなり、
前記第2のエミッタ層(38)がV族元素としてAsを含
む材料からなることを特徴とする。
【0024】請求項5の発明は、請求項3に記載のバイ
ポーラトランジスタおいて、前記第1のエミッタ層が、
GaAsに格子整合したInGaPであり、前記第2のエミッタ
層がGaAsであり、前記第3のエミッタ層がGaAsに格子整
合したInGaPあるいはInGaAsPまたはGaAsであることを特
徴とする。
【0025】請求項6の発明は、請求項4に記載のバイ
ポーラトランジスタおいて、前記第1のエミッタ層が、
GaAsに格子整合したInGaPであり、前記第2のエミッタ
層がGaAsであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態1
と実施の形態2とについて、図面を参照して詳しく説明
する。
【0027】[実施の形態1]この実施の形態によるIn
GaP/GaAs HBTを図1に示す。このInGaP/GaAs HB
Tは、III−V族化合物半導体を用いた超高速ヘテロ接
合バイポーラトランジスタである。図1のInGaP/GaAs
HBTは、GaAs基板1上にコレクタ電極層2が形成され
ている。コレクタ電極層2は、SiドープGaAs層であり、
層厚が500nm、Si濃度が5×1018cm−3である。
コレクタ電極層2には、コレクタ電極3とコレクタ層4
とが形成されている。
【0028】コレクタ層4は、アンドープGaAs層であ
り、層厚が600nmである。コレクタ層4には、ベース
層5が形成されている。ベース層5は、CドープGaAs層
であり、層厚が50nm、C濃度が4×1019cm−3
ある。ベース層5には、ベース電極6と、第1のエミッ
タ層として下部エミッタ層7とが形成されている。
【0029】下部エミッタ層7は、SiドープInGaP層で
あり、層厚が30nm(=d2)、Si濃度が3×1017
cm−3(=n2)である。下部エミッタ層7には、第3
のエミッタ層として中間エミッタ層8が形成されてい
る。中間エミッタ層8は、SiドープGaAs層であり、層厚
が10nm(=d3)、Si濃度が2×1018cm−3(=
n3)である。中間エミッタ層8には、第2のエミッタ
層として上部エミッタ層9が形成されている。
【0030】上部エミッタ層9は、SiドープGaAs層であ
り、層厚が90nm、Si濃度が3×1017cm−3であ
る。上部エミッタ層9には、エミッタ電極層10が形成
されている。エミッタ電極層10は、SiドープInGaAs層
であり、層厚が100nm、Si濃度が2×1019cm−3
である。エミッタ電極層10には、エミッタ電極11が
形成されている。
【0031】前記構造では、従来のInGaP/GaAs HBT
に対して、SiドープGaAs層である中間エミッタ層8を設
けている。
【0032】n型InGaP層の上にn型GaAs層を成長した
場合、図2に示すように、界面でキャリア濃度が低下す
る。これは、GaAs/InGaPの界面に何らかの電子捕獲中
心が存在していることを示している。図10に示したIn
GaP/GaAs HBTを見ると、InGaPエミッタ層の上にGaA
s層が成長されており、この部分にも電子捕獲中心が存
在している。この電子捕獲中心がエミッタ・ベース空乏
層内に形成された場合、電子捕獲中心を介した再結合電
流が発生し、InGaP/GaAs HBTでは、コレクタ電流の
低い領域で再結合電流が支配的になって、電流利得が低
減する。
【0033】したがって、GaAs/InGaP界面に生成され
る電子捕獲中心を、エミッタ・ベース空乏層内に形成さ
せないようにすることによって、電流利得の改善が可能
となる。この実施の形態では、従来のHBT構造におい
てエミッタ層を構成するn型InGaP層とn型GaAs層の間
に、第3のエミッタ層である中間エミッタ層8を新たに
挿入する。そして、その不純物濃度と層厚に、 (式1) 0≦d3≦1×10−6 (式2) 0≦d3≦d2/3 (式3) d2×√n2+d3×√n3>3000 の式に示す関係を持たせることによって、図3に示すよ
うに、エミッタ・ベース空乏層の外に電子捕獲中心21
を形成させることができる。これによって、再結合電流
の発生を抑制して電流利得を改善するものである。
【0034】具体的には、この実施の形態では、前記構
造によって、式1〜式3は、 (式1A) 0≦d3=10nm=1×10−6cm≦1×10−6 (式2A) 0≦d3=10nm=30nm/3=d2/3 (式3A) d2×√n2+d3×√n3 =(30×10−7)×√(3×1017) +(10×10−7)×√(2×1018)=3057>3000 となる。つまり、前記構造は、式1〜式3のいずれも満
足している。
【0035】この結果、この実施の形態によれば、中間
エミッタ層8としてSiドープGaAs層を用いることによっ
て、図4に示すように、印加電圧の低い(コレクタ電流
の低い)領域までベース電流がほぼ直線的な振る舞いを
示し、これを反映して、図5に示すように、電流利得も
低電流域に至るまでコレクタ電流に対する依存性を小さ
くすることができる。
【0036】[実施の形態2]この実施の形態によるIn
GaP/GaAs HBTを図6に示す。このInGaP/GaAs HB
Tは、III−V族化合物半導体を用いた超高速ヘテロ接
合バイポーラトランジスタである。図6のInGaP/GaAs
HBTは、GaAs基板31上にコレクタ電極層32が形成
されている。コレクタ電極層32は、SiドープGaAs層で
あり、層厚が500nm、Si濃度が5×1018cm−3
ある。コレクタ電極層32には、コレクタ電極33とコ
レクタ層34とが形成されている。
【0037】コレクタ層34は、アンドープGaAs層であ
り、層厚が600nmである。コレクタ層34には、ベー
ス層35が形成されている。ベース層35は、Cドープ
GaAs層であり、層厚が50nm、C濃度が4×1019cm
−3である。ベース層35には、ベース電極36と、第
1のエミッタ層として下部エミッタ層37とが形成され
ている。
【0038】下部エミッタ層37は、SiドープInGaP層
であり、層厚が60nm(=d2)、Si濃度が3×10
17cm−3(=n2)である。下部エミッタ層37に
は、上部エミッタ層38が形成されている。上部エミッ
タ層38は、SiドープGaAsであり、層厚が100nm、Si
濃度が3×1017cm−3である。上部エミッタ層38
には、エミッタ電極層39が形成されている。エミッタ
電極層39として、2×1019cm−3のSiをドーピン
グした、層厚が100nmのn型InGaAs層を用いている。
エミッタ電極層39には、エミッタ電極40が形成され
ている。
【0039】前記構成では、実施の形態1の中間エミッ
タ層8を設けていない。つまり、この実施の形態では、 (式1) 0≦d3≦1×10−6 (式2) 0≦d3≦d2/3 (式3) d2×√n2+d3×√n3>3000 の中で、 d3=0 n3=0 としている。この結果、式1〜式3は、 (式4) 0≦1×10−6 (式5) 0≦d2/3 (式6) d2×√n2>3000 となる。そして、下部エミッタ層37の層厚を60nm
(=d2)とし、Si濃度を3×1017cm−3(=n
2)としている。この結果、この実施の形態では、式1
〜式3、つまり式4〜式6は、 (式4B) 0≦d3=0nm≦1×10−6 (式5B) 0≦d3=0nm≦60nm/3=d2/3 (式6B) d2×√n2+d3×√n3=(60×1
−7)×√(3×1017)+(0×10−7)×√
(0)=3286>3000 となる。前記構造は、式4〜式6のいずれも満足してい
る。そして、図7に示すように、エミッタ・ベース空乏
層の外に電子捕獲中心51を形成することができる。
【0040】この結果、この実施の形態によれば、中間
エミッタ層を挿入しない(d3=0)で、下部エミッタ
層37の層厚・不純物濃度のみで前記の式1〜式3、つ
まり式4〜式6を満たしているので、図8に示すよう
に、実施の形態1の場合と同様に、印加電圧の低い(コ
レクタ電流の低い)領域までベース電流がほぼ直線的な
振る舞いを示しており、これを反映して、図9に示すよ
うに、電流利得も低電流域に至るまでコレクタ電流に対
する依存性を小さくすることができる。
【0041】以上、この発明の実施の形態1、2を詳述
してきたが、具体的な構成は実施の形態1、2に限られ
るものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設
計の変更等があってもこの発明に含まれる。たとえば、
実施の形態1では、中間エミッタ層8としてn型GaAsを
用いたが、n型InGaP、あるいは、n型InGaAsPを用いて
も、同様の効果を得ることができる。また、実施の形態
1、2では、n型不純物としてSi、P型不純物としてC
を用いているが、これは例えばS、SeやTeなど他のn型
不純物や、Zn、Mg、Beなど他のp型不純物を用いてもよ
い。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明では、
第1のエミッタ層と第2のエミッタ層との間に第3のエ
ミッタ層を挿入して、第1のエミッタ層および第3のエ
ミッタ層の層厚・導電性不純物濃度を式1〜式3を満足
させるように設定する。また、この発明では、第1のエ
ミッタ層の層厚・導電性不純物濃度を式4〜式6を満足
させるように設定する。
【0043】これらの構造によって、この発明は、エミ
ッタ・ベース空乏層に生成される電子捕獲中心をエミッ
タ・ベース空乏層外に形成させることができる。この結
果、再結合電流の発生を抑制することができるため、コ
レクタ電流の低い領域における電流利得を改善すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるInGaP/GaAs H
BTの層構造を示す図である。
【図2】n型GaAs/n型InGaP界面のキャリア濃度プロ
ファイルを示す図である。
【図3】図1のエネルギーバンドを示す図である。
【図4】図1のHBTのガンメルプロットを示す図であ
る。
【図5】図1のHBTの電流利得をコレクタ電流に対し
てプロットした図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるInGaP/GaAs H
BTの層構造を示す図である。
【図7】図6のエネルギーバンドを示す図である。
【図8】図6のHBTのガンメルプロットを示す図であ
る。
【図9】図6のHBTの電流利得をコレクタ電流に対し
てプロットした図である。
【図10】従来のInGaP/GaAs HBTの層構造を示す図
である。
【図11】図10のHBTのガンメルプロットを示す図
である。
【図12】図10のHBTの電流利得をコレクタ電流に
対してプロットした図である。
【図13】図10のエネルギーバンドを示す図である。
【符号の説明】
1、31 GaAs基板 2、32 コレクタ電極層 3、33 コレクタ電極 4、34 コレクタ層 5、35 ベース層 6、36 ベース電極 7、37 下部エミッタ層 8 中間エミッタ層 9、38 上部エミッタ層 10、39 エミッタ電極層 11、40 エミッタ電極 21、51 電子捕獲中心

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の導電型を与える導電性不純物を添
    加されたコレクタ電極層(2)、前記コレクタ電極層
    (2)に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不
    純物を添加された、もしくは、導電性不純物を添加され
    ていないコレクタ層(4)、前記コレクタ層(4)に形
    成され、第2の導電型を与える導電性不純物を添加され
    たベース層(5)、前記ベース層(5)に形成され、前
    記第1の導電型を与える導電性不純物を添加され前記ベ
    ース層(5)とは異なる材料からなる第1のエミッタ層
    (7)、前記第1のエミッタ層(7)に形成され、前記
    第1の導電型を与える導電性不純物を添加された第2の
    エミッタ層(9)、および、前記第2のエミッタ層
    (9)に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不
    純物を添加されたエミッタ電極層(10)からなる、II
    I−V族化合物半導体を用いたバイポーラトランジスタ
    において、 前記第1の導電型を与える導電性不純物を添加され、前
    記第1のエミッタ層(7)と前記第2のエミッタ層
    (9)とに挟まれた第3のエミッタ層(8)を形成し、 前記第1のエミッタ層(7)の導電性不純物濃度n2
    (cm−3)および層厚d2(cm)と、前記第3のエミッ
    タ層(8)の導電性不純物濃度n3(cm−3)および層
    厚d3(cm)とが、式1、式2および式3に示す関係を
    満たしていることを特徴とするバイポーラトランジス
    タ。 (式1) 0≦d3<1×10−6 (式2) 0≦d3<d2/3 (式3) d2×√n2+d3×√n3>3000
  2. 【請求項2】 第1の導電型を与える導電性不純物を添
    加されたコレクタ電極層(32)、前記コレクタ電極層
    (32)に形成され、前記第1の導電型を与える導電性
    不純物を添加された、もしくは、導電性不純物を添加さ
    れていないコレクタ層(34)、前記コレクタ層(3
    4)に形成され、第2の導電型を与える導電性不純物を
    添加されたベース層(35)、前記ベース層(35)に
    形成され、前記第1の導電型を与える導電性不純物を添
    加され前記ベース層(35)とは異なる材料からなる第
    1のエミッタ層(37)、前記第1のエミッタ層(3
    7)に形成され、前記第1の導電型を与える導電性不純
    物を添加された第2のエミッタ層(38)、および、前
    記第2のエミッタ層(38)に形成され、前記第1の導
    電型を与える導電性不純物を添加されたエミッタ電極層
    (39)からなる、III−V族化合物半導体を用いたバ
    イポーラトランジスタであって、 前記第1のエミッタ層(37)の導電性不純物濃度n2
    (cm−3)および層厚d2(cm)が、式4、式5および
    式6に示す関係を満たしていることを特徴とするバイポ
    ーラトランジスタ。 (式4) 0<1×10−6 (式5) 0<d2/3 (式6) d2×√n2>3000
  3. 【請求項3】 前記コレクタ電極層(2)がGaAs基板上
    に構成されており、前記第1のエミッタ層(7)がV族
    元素としてPを含む材料からなり、前記第2のエミッタ
    層(9)がV族元素としてAsを含む材料からなり、前記
    第3のエミッタ層(8)がV族元素としてPもしくはAs
    あるいはPとAsを含むことを特徴とする請求項1に記載
    のバイポーラトランジスタ。
  4. 【請求項4】 前記コレクタ電極層(32)がGaAs基板
    上に構成されており、前記第1のエミッタ層(37)が
    V族元素としてPを含む材料からなり、前記第2のエミ
    ッタ層(38)がV族元素としてAsを含む材料からなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のバイポーラトランジ
    スタ。
  5. 【請求項5】 前記第1のエミッタ層(7)が、GaAsに
    格子整合したInGaPであり、前記第2のエミッタ層
    (9)がGaAsであり、前記第3のエミッタ層(8)がGa
    Asに格子整合したInGaPあるいはInGaAsPまたはGaAsであ
    ることを特徴とする請求項3に記載のバイポーラトラン
    ジスタ。
  6. 【請求項6】 前記第1のエミッタ層(37)が、GaAs
    に格子整合したInGaPであり、前記第2のエミッタ層
    (38)がGaAsであることを特徴とする請求項4に記載
    のバイポーラトランジスタ。
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