JP2003006385A - 化学物質管理方法及びシステム - Google Patents

化学物質管理方法及びシステム

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JP2003006385A
JP2003006385A JP2001190578A JP2001190578A JP2003006385A JP 2003006385 A JP2003006385 A JP 2003006385A JP 2001190578 A JP2001190578 A JP 2001190578A JP 2001190578 A JP2001190578 A JP 2001190578A JP 2003006385 A JP2003006385 A JP 2003006385A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】企業規模を問わず、PRTRの管理運営費を捻
出することを可能とする。特にPRTR非認定品の管理
費用は購入先の化学物質管理企業が負担することにす
る。 【解決手段】化学物質管理対象会社たる商品利用者20
5はPRTR製品の製品データを取り込んだバーコード
Tagをバーコードリーダ等で読み取り、そのデータを
アウトソーシング会社215へ送り、アウトソーシング
会社215では入力情報の集計を行って管理報告書を作
成し外部へ送信するとともに、管理費用を算出して外
部、例えばPRTR商品認定団体224や製品製造メー
カ200へ請求する。ただしPRTR非認定品について
はその管理費用を化学物質管理企業が負担する。こうし
て物質を購入し管理する当事者が管理費用の負担を強い
られることにより結果的に市場でPRTR品が優遇され
ることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化学物質管理方法と
そのシステムに係り、特に製品や材料の組成に起因する
環境影響データを収集,管理するためのネットワークデ
ータベースシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在流通している様々な製品には、環境
へのインパクトの大きい、数百種類の物質(以下「管理
物質」と呼ぶ)が含まれており、製造,流通,貯蔵など
のプロセスにおいて、それらの成分となる管理物質のど
の位の量が移動され、どの位が大気や土壌,水系に排出
され、或いは出荷製品中に含まれて市場に提供されてい
るのかを調査する必要に迫られている。そこで各事業者
が事業所内や企業内におけるこれら化学物質の排出と移
動についての量的なデータを国や自治体に報告すること
によって、国内全体の環境インパクトを推定する法的な
制度もスタートしている。
【0003】従来の上記データを収集するシステムは、
管理物質の基礎データを部署や工程毎に入力し、その結
果を上位の組織(事業所,会社)単位でくくって集計す
る機能を有している。法的な制度への対応書類としては
この結果のみが必要なためである。この従来技術に関す
る資料としては、例えば「環境資源」1999年12月
号の特集で述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば事業所と
しての集計結果としてキシレンが10トン大気に排出さ
れているとしよう。この数値のみでは、排出の原因とな
るプロセスの特定や材料の特定ができない為に、最終的
な目的である排出量の削減には活用できないという課題
が残る。或いは最近重視されてきているリスクコミュニ
ケーションに必要なデータを提供することができない。
リスクコミュニケーションでは、管理物質の排出という
事実に関する住民の不安を解消することが重要である
が、その物質がどの様な経緯で排出されているかをプロ
セスや材料を特定しながら調査し、プロセスの特徴(煙
突の高さなども含む),材料の安全性データなどを参考
にしながらコミュニケーションを図る必要がある。
【0005】また前提条件として考慮しなければならな
いことは、管理物質は、将来どの様な物質が出現するか
分からない事から、管理対象物質は時間の経過と共に管
理物質の対象が時々刻々と変化・改変されていくことが
予想される。つまり、将来の汚染の危機から事前に身を
守る事ができる様にならなければならない。
【0006】すなわち本発明が解決しようとしている課
題は、大企業のみならず中小企業などの小規模な組織に
おいて、化学物質管理を容易に実現することにあり、法
的に義務付けられている自治体へ報告及び報告を行う為
の物質管理を容易に行える環境を提供する支援機能の実
現である。
【0007】また、この化学物質管理で用いられる情報
または必要とする情報(例えば管理対象物質情報)は、
1企業だけで判断できるものでは少なく、国,自治体,
専門機関など多方面で決定されるものと、製品製造者や
原料製造者によって製品情報を公開しなければならない
ものがある。共有すべき関連情報を関係者が共有できる
かが問題になってくる。
【0008】更にこの化学物質管理情報は、製品の市場
の流れを考えると、原料〜素材加工〜組立加工〜物流〜
販売〜消費者〜リサイクル業者〜廃棄物処理と廻って循
環状にものが流れて行き、関連情報も製品の流れと同じ
様に循環状に廻らなければならない。この循環サイクル
に関わってくる企業は、大企業,中小企業,個人,自治
体と千差万別であり、これらの関係者が全て情報共有さ
れない限り、精度の高い化学物質管理は望めないと言え
よう。
【0009】本発明が解決しようとする課題としては、
(1)上記関係者が中小企業の様に従業員が比較的少な
い規模の組織である場合など、大企業の様に化学管理物
質管理を実施する担当者を置くことができない場合にお
いても簡単に化学物質管理ができなければならないので
あるが、化学管理業務費用を削減するために、その管理
業務そのものをアウトソーシング会社にて業務委託する
場合において事業規模の小さい企業にとっては、依然、
業務委託費用の負担が大きいこと、及び(2)アウトソ
ーシング会社にとって、その管理運営費を捻出すること
は命題であるも、アウトソーシングの利用者の大半は、
小規模経営企業に集中することが予想されるが、管理運
営費を小規模経営企業にしわ寄せすると、化学物質管理
そのものの真意を問われかねないこと(忠実な報告が行
われない可能性がある)、が挙げられる。そこで本発明
は、これらのPRTR管理運営費をきちんと管理するこ
とを目的とする。そして市場としてPRTR認定品が歓
迎されて最終的にグリーン調達に寄与することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本課題は、PRTR管理
対象製品であることを示す旨とその製品内容の内PRTR製
品データ管理に必要なデータを取り込んだ電子的読み取
り手段を対象製品に付して市場に流通させると共に管理
費用の請求の仕方を工夫することにより解決される。
【0011】すなわち本発明の化学物質管理方法は、管
理対象化学物質につきPRTRの認定品と非認定品とが
混在する流通市場にあって、化学物質管理対象企業の為
に化学物質管理業務を行う機関にて管理対象化学物質の
内容と量とを把握するか、或いは化学物質管理対象企業
の為に化学物質管理業務を行う機関(つまりアウトソー
シング会社)にて化学物質管理対象企業の原料調達を行
うことにより管理対象化学物質の内容と量を把握し、こ
の内少なくともPRTR認定品の内容は対象品に付した
タグの記録を自動読取りして得られるデータであり、非
認定品についてのデータ(化学物質管理業務を行う機関
が原材料調達を行った場合でなければ、非認定品につい
ては化学物質名と使用量のデータの送信を化学物質管理
対象企業から受ける)と併せてPRTR管理結果報告を
所定報告書式に自動作成して報告書を提出先へ送信する
と共に、PRTR認定品の管理費用は当該品の製造メー
カに請求すべく請求額情報を当該製造メーカに送信し、
PRTR非認定品の管理費用は当該品を購入した管理対
象企業に請求すべく請求額情報を当該製造メーカに送信
することを特徴とする。尚、PRTR認定品の管理費用
は当該製造メーカに請求すべく請求額情報をPRTR商
品認定団体へ送信し、該団体を経由してPRTR認定品管理
費用の支払いがなされるようにすることが好ましく、ま
た、前記タグはそのデータがバーコードかまたはICに
収められていることが望ましい。
【0012】更に本発明のシステムは、上記本発明方法
を実行するために、PRTR管理対象製品であることを
その対象製品のデータと共に表示した当該対象製品を購
入した対象製品利用者における端末から読み取られた前
記表示情報を受信する手段と、この受信情報に基づいて
PRTR管理報告書を自動作成する手段と、該報告書を
外部へ送信する手段と、当該対象製品の取扱量から管理
費用を算出する計算手段と、この計算結果を取り入れた
請求書を外部へ送信する手段とを備えてなることを特徴
とする。従って前記認定品のデータがバーコードかまた
はICに収められていることが望ましい。
【0013】更に本発明の好ましい態様は以下の通りで
ある。すなわち、(1)PRTR管理対象製品であるこ
とをその対象製品のデータと共に表示した当該対象製品
を購入した対象製品利用者における端末から読み取られ
た前記表示情報によって、PRTR管理報告書を自動作
成すること、或いは更にこの作成書面を配信すること、
或いは更に当該対象製品の取扱量に応じた管理費用を自
動計算して当該製品の供給に関わる外部法人へ請求する
送信をして、その費用を回収すること。そのシステムは
PRTR管理対象製品であることをその対象製品のデー
タと共に表示した当該対象製品を購入した対象製品利用
者における端末から読み取られた前記表示情報を受信す
る手段と、この受信情報に基づいてPRTR管理報告書
を自動作成する手段と、該報告書を外部へ送信する手段
とを備えてなり、或いは更に当該対象製品の取扱量から
管理費用を算出する計算手段と、この計算結果を取り入
れた請求書を外部へ送信する手段とを備えてなる。
(2)申請によりその材料組成データを登録すると共に
PRTR管理対象製品であることを認定するタグを申請
者に発行し、当該タグには少なくとも製造メーカ,製品
内容及び内容量を、外部端末で読み取り可能に表示して
なること、更には他の外部PRTR管理会社に当該材料
組成データを送信することにし、そのシステムは申請に
よりその材料組成データを登録する手段と、当該データ
に基づいてPRTR管理対象製品であることを認定する
タグを自動作成する手段と、他の外部PRTR管理会社
に当該材料組成データを送信する手段とを備えてなり、
前記タグには少なくとも製造メーカ,製品内容及び内容
量を外部端末で読み取り可能に表示する。(3)PRT
R管理対象製品であることをその対象製品のデータと共
に対象商品に表示し、当該表示が当該製品供給先の端末
で読み取り可能な規格で記されている。このシステムは
当該製品供給先の端末で読み取り可能な規格で記されて
いるPRTR管理対象製品のデータをPRTR管理対象
製品である旨及び製品名及び内容量の文字による記載と
ともに対象商品に表示する。(4)PRTR管理対象製
品であることをその対象製品のデータと共に対象商品に
表示された当該製品の前記表示情報を端末で読み取り、
この読み取り情報をPRTR管理会社に伝送し、その伝
送情報を基に作成された管理報告を受信する。このシス
テムはPRTR管理対象製品であることをその対象製品
のデータと共に対象商品に表示された当該製品の前記表
示情報を読み取る端末と、この読み取り情報をPRTR
管理会社に伝送する送信手段と、その伝送情報を基に作
成された管理報告の受信手段とを備える。
【0014】尚、以上のPRTR対象製品の表示におけ
る表示情報は、そのデータがバーコードかまたはICに
収められていることが簡便であり、これがタグになって
認定機関などからメーカに渡されることが態様である。
すなわちこのPRTR表示タグは、PRTR管理対象製
品である旨並びに少なくとも製造者名,製品名及び内容
量を文字表記すると共に、製品データを電子情報化した
データ読取部を設けてなることが実用的である。
【0015】更に、以下の態様も有効である。(5)材
料及び/または製品の成分組成情報をデータベース化し
た材料組成データベースと、環境に影響を与え得るとさ
れる所定物質の識別子及び/または物性データを収納す
る管理物質データベースとを備え、届出対象法人におけ
る作業工程での投入材料の組み合わせに対して排出移動
先毎の投入物質及び排出移動物質の重量比率データを算
出し、該算出データと前記2種のデータベースとから化
学物質管理報告データを報告する手段と報告管理業務に
かかる費用を化学物質管理対象物質を含む製品を製造す
るメーカから捻出する為のPRTR管理対象商品表示手
段を備えること。(6)材料及び/または製品の成分組
成情報をデータベース化した材料組成データベースと、
環境に影響を与え得るとされる所定物質の識別子及び/
または物性データを収納する管理物質データベースとを
備え、届出対象法人における作業工程での投入材料の組
み合わせに対して排出移動先毎の投入物質及び排出移動
物質の重量比率データを算出し、該算出データと前記2
種のデータベースとから化学物質管理報告データを報告
する手段と報告管理業務にかかる費用を化学物質管理対
象物質を含む製品を製造するメーカから捻出する為のP
RTR管理対象商品表示手段を備えること。(7)材料
及び/または製品の成分組成情報と、環境に影響を与え
得るとされる所定物質の識別子及び/または物性情報と
を基に化学物質管理を行うシステムであって、複数の製
造メーカの材料の成分組成データを集約し、市販製品の
材料及び/または製品本体の成分組成データとして一元
管理を行う手段と、これらの情報を化学物質管理または
その他の目的の為に必要とする相手に情報公開する手段
とを備えること。(8)材料及び/または製品の成分組
成情報と、環境に影響を与え得るとされる所定物質の識
別子及び/または物性情報とを基に化学物質管理を行う
システムであって、複数の製造メーカの材料の成分組成
データを集約し、市販製品の材料及び/または製品本体
の成分組成データを代行して一元管理を行う手段を備
え、化学物質管理対象の法人より委託され対象法人に代
わって化学物質管理業務を代行すること。(9)材料及
び/または製品の成分組成情報をデータベース化した材
料組成データベースと、環境に影響を与え得るとされる
所定物質の識別子及び/または物性データを収納する管
理物質データベースと、届出対象法人における作業工程
での投入材料の組み合わせに対して排出移動先毎の投入
物質及び排出移動物質の重量比率データを算出して得た
排出係数データとにより、化学物質管理報告データを纏
めて報告する際、材料及び/または製品の成分組成情報
を認定機関によって登録管理すること。これらの態様に
おいて、「PRTR管理対象商品表示手段」とは、バーコー
ドなどの表示部を印刷やラベル貼りなどする表示付与手
段である。この手段は、製品製造メーカが持つ場合(P
RTR認定を受けて、バーコードなどの表示権利を得
て、製品製造メーカ内で、規定の表示物を印刷代行する
ようなケース)と、PRTR認定団体が、バーコードシ
ステム等の表示付与システムを持つ場合(PRTR認定
団体が、バーコードシステムで必要枚数製作して、製品
製造メーカに販売するようなケース)等がある。
【0016】更に本課題を解決するには、材料の取り扱
い注意事項や有害性,法規制への該当項目を示すデータ
を収納するMSDSデータベースと、材料の成分組成を
データベース化してある材料組成データベースと、環境
に重大な影響を与える物質の識別子や物性データを収納
する管理物質データベースと、全てのプロセス/投入材
料の組み合わせに対して排出移動先毎の投入物質と排出
移動物質の重量比率データを収納する排出係数データベ
ースと、投入された材料から管理物質の取扱量を算出す
るプロセス集計手段と、プロセス毎の管理物質の排出移
動量を推計する評価計算手段と、複数のプロセスの排出
移動量を集計する総合集計手段と、本システムの各々の
手段が利用したレコードやその結果として生成したレコ
ードおよびそのリンク情報を収納する結果データベース
と、結果データベースの内容から排出移動量集計結果を
表示出力する結果表示手段と、特定の管理物質の排出移
動数値からその原因となるプロセス,投入材料,購入デ
ータなどを逆トレースして表示する逆トレース手段と、
逆トレースの結果、投入材料の組成,組成成分の物性,
環境影響などのデータを相互に関連付けて検索出力する
リスクコミュニケーション支援手段によることが望まし
い。
【0017】また、各データベースを互いに参照しある
為の手段として、ネットワーク技術を利用する(ネット
ワーク技術とは、例えばインターネット・イントラネッ
トが該当する)。更に、関係者の化学物質管理情報が容
易に参照・登録可能な公開データベース技術も必要な要
素となってくる。
【0018】尚、法令の届出対象法人は企業に限るもの
でなく、例えば化学肥料を販売している農業共同組合な
ど組合,団体を含む概念である。管理対象法人は業態で
決ることになる。届出先自治体は、PRTR法では都道
府県知事宛であるが、受付窓口としては市区町村やこれ
らの業務委託先出先機関に出すケースも含む。尚、PR
TR法及びこれに関する政省令では、届け出対象は、大
企業,中小企業の別ではなく、対象業種(業態)及び指
定物質の取扱い有無とその量並びに常時従業員数21人
以上、とされる。ちなみに本願で述べる所定物質は法令
上は指定物質と同義になる。
【0019】また、材料組成データベースと管理物質デ
ータベースと排出データとはデータセンタに集約するこ
とが便利であるけれども、各データやデータベースを別
の機関にて管理して、適宜データを集約することも本発
明の範囲である。尚、集約手段はコンピュータであり、
配信手段はインターネット以外ITツールなど諸通信手
段でも差し支えない。また、関係者の化学物質管理情報
が容易に参照・登録可能な公開データベース技術も必要
な要素となってくる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明システムと方法につ
き、図面に従って説明する。
【0021】図1は化学物質総合管理システムの全体構
成例を示している。MSDSデータベース102は、製
品安全性情報シートと呼ばれる材料の取り扱い注意事項
や有害性,法規制への該当項目を示すデータであり、材
料製品毎にデータベース化してある。材料組成データベ
ース104は材料の成分組成をデータベース化してあ
る。
【0022】一つの材料は通常複数の物質すなわち分子
で構成されている。物質(分子)にはCAS番号(Chem
ical Abstract Services)などの識別子が存在する。そ
こで本データベースのレコードは材料(製品)名,成分
となる識別子,その質量組成(%)の下限、及び上限の
各々をフィールドとして構成する。管理物質データベー
ス105は、環境に重大な影響を与える物質やその周辺
の物質として管理が必要な物質をリストアップしたデー
タベースである。
【0023】任意のジャンル(毒物,劇物,管理対象,
法規指定物質,自主管理物質など)と、その該当物質の
識別子をフィールドとするレコード群を収納する。更
に、物質の識別子とその物性をフィールドとするレコー
ド群も収納する。物性には、分子質量から純金属質量に
換算する場合の係数,蒸気圧や密度などの値を含む。こ
れらの物質は具体的には「特定化学物質の環境への排出
量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(平成
11年7月13日公布法律第86号)で制定されている
指定物質を含むものである。
【0024】排出係数データベース106は、各々のプ
ロセスと投入材料の組み合わせに対して、排出移動先
(大気,水域,土壌,消費,依託廃棄,リサイクル,製
造含有など)毎の投入物質と排出移動物質の重量比率を
フィールドとしたレコードを収納する。例えば、ある部
署の生産ラインにおける塗装プロセスでは、塗料Aの投
入に対して、塗料A中の成分であるトルエンの80%が
大気に排出されるなどのデータである。調査支援手段1
01は、上記の各々のデータベースのレコード群から相
互の共通するフィールドを関連付けて検索したり、名称
やCAS番号などの識別子で検索する、或いはフィール
ド内のテキストについての部分一致でレコードを検索
し、画面やファイルとして出力する機能を有する。
【0025】結果データベース110は、本システムの
各々の手段が利用したレコードやその結果として生成し
たレコードを収納し、その対応情報も収納するデータベ
ースである。結果表示手段111は結果データベースの
内容を検索し、読み出し、様々な集計結果を表示する。
【0026】図2には、データベースの内容をさらに具
体的に示した。材料組成データベース104には、材料
名称をキーインデックスにして、CAS番号などの組成
物質の識別子,組成物質の名称、及び組成の数値(上限
及び下限)を記載してある。材料名称には、市場流通品
としての名称または事業所が購入する際の品番などを用
いる。必ずユニークに定まるコード体系であればどのよ
うなものを用いてもよい。
【0027】管理物質データベース105には、CAS
番号などの物質の識別子をキーインデックスにして、物
質名称,その物質がどのような団体に指定されているか
の情報、及び物性の情報が記述されている。
【0028】排出係数データベース106には事業のプ
ロセス名称をキーインデックスにして、投入される物
質,排出先,投入物質の質量に対する排出割合を示す係
数が記述されている。
【0029】MSDSデータベース102には、物質お
よび材料の名称をキーインデックスにして、取扱注意事
項や毒性,適用法規等の製品安全性情報が記述されてい
る。
【0030】図3は、本発明に用いる情報処理の流れを
説明する為の仮想的に単純化した一例を示した。図中の
番号に従って順に説明する。まず、塗料Aという材料を
購入するところから始まる()。塗料Aの購入量は1
00立方メートル/月であり、タンクへの貯蔵量は一定
であることが普通であるから、プロセスへの投入量も同
じく100立方メートル/月と想定する。この塗料Aの
密度が1,200kg/m3 であることから、その投入量
は120,000kg/月 である。全てが塗装工程()
に投入される。ここまでの情報処理はデータ入力手段1
03により実施する。
【0031】次に、塗料Aにはトルエンが30%,カド
ミウムが1%各々含まれていることを材料組成データベ
ース104から読み取ることができるので、塗装工程へ
の物質の投入量はトルエンが36,000kg/月,カド
ミウムが1,200kg/月という計算になる。この計算
はプロセス集計手段107が実施する。次いで、塗装工
程においては、出荷製品の上にスプレーにより塗料を塗
装するが、一部は乾燥して大気に放出される()。そ
の割合はトルエンの94%,カドミウムの0%であるこ
とを排出係数データベース106より読み取ることがで
きるので、トルエンは毎月33,840kg 大気中に放出
されているということが評価される。
【0032】また同様に産業廃棄物()としては、一
月当たりトルエンが1,800kg ,カドミウムが120
kg廃棄され、また出荷製品中にはトルエンが360kg,
カドミウムが1,080kg の割合で含有されていること
が評価できる。この評価計算は、評価計算手段108が
実施する。
【0033】尚、図1において逆トレース手段112は
結果データベース110の情報を入力して逆検索結果を
出力するものであり、リスクコミュニケーション支援手
段113は図中の入力側各データベースの情報をもとに
排出理由を出力するものである。更に符号109は総合
集計手段であってプロセスの排出移動量が入力される。
【0034】図4は、市場を流通する製品の流れと化学
物質管理の関係を示したものである。市場を流れる製品
は、原料〜素材加工〜組立加工〜物流〜販売〜消費者〜
リサイクル業者〜廃棄物処理にたどり着き、また原料メ
ーカに戻ってこのサイクルを循環する。と同時に、前工
程(企業)から後工程(企業)へと製品自身が動く事
は、製品に含まれている化学物質管理情報も、前工程
(企業)から後工程(企業)へと引継がれなければ、社会
全体の化学物質管理は成立しなくなることを本図は表し
ている。
【0035】図5は、企業レベルに図4を展開したもの
であり、図4では企業間の情報の授受(共有)が必要と
されていることが分かるが、企業内では、職場間,工程
間という様に対象範囲は小さくなるものの、やはり工程
間・職場間での情報の授受(共有)が必要であることを
示している。
【0036】資材購買を行う部署では、原料10,半製
品11,購入品12を購買することになるが、それぞれ
には管理物質情報10a,11a,12aが存在する。
また、製造を行う部署では、製造工程において管理物質
が大気放出13されたり、水系放出14されたり、或い
は、土壌放出15されたりする。また、廃棄物16を出
すこともある。大気放出13,水系放出14、或いは、
土壌放出15された物質にはそれぞれ管理物質情報13
a〜15aが存在し、また、廃棄物にも管理物質情報1
6aが存在することになる。そして、製造を行う部署か
らは、半製品17や完成品18を製造するが、これらに
も管理物質情報17a,18aが存在する。同様に、施
設においても管理物質が大気放出13されたり、水系放
出14されたり、或いは、土壌放出15されたり、ま
た、廃棄物16を出すこともある。これらにも管理物質
情報14a,15a,16aが存在する。
【0037】図5の下半分は、同図の上半分における製
造部署の製造ラインを示したものである。例えば、Aラ
イン(工程)19では、原料,半製品,購入品から半製
品と完成品を製造する。このとき、原料,半製品,購入
品,半製品、或いは、完成品のそれぞれには管理物質情
報が存在することになる。Bライン(工程)20,Cラ
イン(工程)21でも同様である。図5から、企業内、
例えば、工場或いは事業所では、職場間,工程間という
対象範囲において管理物質情報の授受・共有が必要であ
ることがわかる。
【0038】図6は、図4を例として企業間で情報共有
を行う為に、企業を出入りする情報を纏めた表である。
企業に入ってくる情報(Input),企業から出て行く情報
(Output)について記載してある。
【0039】図7はデータ入力手段103を実現するた
めのフロー図を示したものである。データ入力手段は資
材購入帳票や在庫管理帳票から材料の投入や購入に関す
る情報を読込む。ここでは一例として購買実績のレコー
ドを読込むことから始める(4a)。このなかからまず
日付を特定する(4b)。購買実績には西暦か和暦を意
味するデータフィールドが必ず存在するのでこれを取り
出して西暦に変換する。次に材料の質量を特定(4c)
した後、発注者名などを利用して材料が投入されるプロ
セスを特定する(4d)。これらの一連の結果をプロセ
ス投入量レコードとして結果データベース110に収納
する。結果データの元となるデータへリンク情報も併せ
て収納する(4e)。ここでリンク情報とは、本手段が
予め存在するデータレコード(元レコードと呼ぶ)を読
込み、これを情報処理して新たなデータレコード(結果
レコードと呼ぶ)を生成した場合に、両者を関係付ける
ことができる情報である。1対1の関係の場合はどちら
かに相手方へのポインターを付加することで実現でき
る。また両者とも複数で、N対Nの関係がある場合は、
元レコードに対しては全ての結果レコードへのポインタ
ーを、結果レコードに対しては全ての元レコードに対す
るポインターを付加する。
【0040】図8はプロセス集計手段107を実現する
ためのフロー図を示したものである。まず結果データベ
ース110からプロセスに投入された材料の質量を読み
出す(5a)。次に材料組成データベース104から上
記材料の成分の組成を検索し、管理物質毎の取扱量に換
算する(5b)。材料の投入量も質量(kg)の単位にな
っているので、質量パーセントで収納された成分組成と
掛け算することにより、管理物質の取扱量を質量(kg)
で得ることができる。最後に上記の結果を示す物質取扱
量レコードと元となるデータへリンク情報も併せて結果
データベース110に収納する(5c)。
【0041】図9は評価計算手段108を実現するため
のフロー図を示したものである。まず結果データベース
110から物質取扱量レコードを取り出し、プロセスに
投入された管理物質毎の質量を読み出す(6a)。次に
排出係数データベースから管理物質毎にプロセスの排出
移動係数を読み出す(6b)。さらに管理物質データベ
ースから管理物質の物性(換算係数など)を読み出す
(6c)。つぎにプロセスの大気,水域,土壌への排出
量、或いは製品への移動量,廃棄物としての移動量を計
算する(6d)。排出移動係数は、投入物質と排出移動
物質の比率を示した数値であることから、投入量にこの
係数を掛け算することで、各々の排出移動先への物質の
排出移動量を計算できる。この物質が金属の塩などの場
合は、排出物質として純粋な金属元素を必要とする。こ
の場合は、管理物質の物性データを用いて更に換算す
る。最後に上記排出移動レコード及び読込んだ元レコー
ドへのリンク情報を結果データベース110に格納する
(6e)。
【0042】図10は総合集計手段109を実現するた
めのフロー図を示したものである。まず指定された集計
範囲(例えば職場,部,課,ライン,工程,工場,事業
所,事業グループ,地域など)に該当するプロセス群を
特定する(7a)。次に指定された期間(例えば199
9年4月1日から1999年5月31日)における上記
プロセス群の排出移動レコードを結果データベースから
読み出す(7b)。更に指定された管理物質グループ
(例えば環境庁指定物質)の排出移動レコードのみを取
り出す(7c)。そして、これらのレコードを集計する
(7d)。最後に集計結果のレコード及び読込んだ元レ
コードへのリンク情報を結果データベース110に格納
する(7e)。
【0043】図11は逆トレース手段112を実現する
ためのフロー図を示したものである。まず、排出移動量
集計結果の1レコードを操作者が出力画面上で選択する
ことにより最初の逆トレースの指示を受ける(8a)。つ
ぎに結果データベース110から、そのレコードが集計
される元となったプロセスの排出移動量レコードをリン
ク情報を辿ることにより選択し(8b)、選択された複
数のプロセスの排出移動量レコードを出力表示する(8
c)。更に上記の1レコードを操作者が選択することに
より2段階目の逆トレースの指示を受けると(8d)、
結果データベース110からそのレコードが生成される
元となった物質取扱量レコードをリンク情報を辿ること
により選択し(8e)、選択された複数の物質取扱量レ
コードを出力表示する(8f)。更に上記の1レコード
を操作者が選択することにより3段階目の逆トレースの
指示を受けると(8g)、結果データベース110から
そのレコードが生成される元となった材料取扱量レコー
ドをリンク情報を辿ることにより選択し(8h)、選択
された複数の材料(資材,副資材)取扱量レコードを出
力表示する。また更に、補足情報として資材注文コード
や発注者コードなども同様に検索し出力表示する(8
i)。
【0044】図12は図11のフローを補足説明する為
の説明図である。本システムで処理生成される5種類の
レコードを示した。左側の矢印で示すフローは順動作の
処理の流れを示し、右側の波線で示した矢印は、本発明
の主眼である各レコードにあるリンク情報を用いた逆ト
レースの流れを示した。この図では、一つのレコードか
ら一つのレコードが生成されているように見えるが、実
際には一つのレコードから複数のレコードが生成される
場合もあり、また複数のレコードから一つのレコードが
生成される場合もある。基本的にはN対Nの関係であ
る。
【0045】単に法的な届け出書類を作るだけならば不
要ではあるが、逆トレースを実施するためにはこの図に
示すように処理の途中経過となるレコードを保存してお
く必要がある。この場合、新たな問題点として、既に作
成してしまった過去レコードを消去して新しい条件でも
う一度作り直したいというニーズが生じる。例えば過去
にはある材料の組成情報が不確かであったが、最近にな
って確かな組成情報が入手できた場合などである。この
時にある期間,ある材料、といった範囲を指定し、これ
に該当する全レコードを消去して、新しい条件で計算処
理をし直すという手段も設けられている。この手段の実
現方法のフローを図13に示した。すなわち、まず消去
対象期間,消去対象材料,消去対象プロセス,消去対象
物質を入力し(9a)、次いで上記指定範囲での材料取
扱レコード,物資取扱レコード,プロセス排出量レコー
ド,集計結果レコードを消去し(9b)、そして次に消
去したレコードに関する再計算を実施する(9c)。
【0046】リスクコミュニケーション支援手段113
は、図9に示した各種のレコードに関し、計算処理上の
相互関連だけでなく、各々のフィールドについての意味
的なリンクをたどる機能を提供する手段である。すなわ
ち、材料に関してはその材料の組成情報を材料組成デー
タベース104から検索して出力表示し、或いはMSDS情
報をMSDSデータベース102から検索して出力表示
する。また管理物質に関してはその物質の情報を管理物
質データベース105から検索して出力表示する。更に
当該物質の当該プロセスに関する排出移動係数を排出係
数データベース106から検索して出力表示する。この
機能によって、付近の住民や利害関係者からの排出移動
データに関する問い合わせなどに対して、根拠のあるデ
ータを元に自信を持ってコミュニケーションを図ること
ができる。
【0047】図14には、本発明に用いる計算機システ
ムとしての一実施例の構成を示した。統括管理部署に専
用サーバ計算機1101を設置し、図1に示したデータ
ベースと手段を全て格納する。社内ネットワーク110
2をこの専用サーバに接続することにより、社内の様々
な事業所における様々な部署の端末計算機1103にて
全ての機能を活用可能とする。また、社外の汎用データ
提供サイト1105にデータベースを置き、インターネ
ット1104を介してこれに接続することで、専用サー
バに格納しきれない広い範囲のデータや、頻繁に改訂さ
れるデータについても活用を可能とする。
【0048】図15〜図17は、本発明を実施するに当
たってのシステム実施形態である。
【0049】図15のシステムでは、製品製造メーカ,
官公庁,管理団体,化学物質管理を実施する企業がそれ
ぞれ独自のデータベースを持ち、情報を必要とする部署
が、対象となる情報はどの部署が持っているかを判断
し、目的の企業のデータベースに対して情報を入手する
方法である。このシステム形態でも本発明の課題は達成
されるが、情報収集に関しては見直すべき所がみられ
る。図15の例は分散データベースによる化学物質管理
システム例を示していて、官公庁・企業・団体のそれぞ
れが持つ化学物質管理情報をデータベースとして公開
し、必要とする人(情報が欲しい人)が、情報を提供し
てくれるデータベースを参照して、自企業の化学物質管
理を行うものである。製品製造メーカA社200,B社
201,C社202,官公庁203,管理団体204,
化学物質管理を実施する企業205がそれぞれ独自のデ
ータベース206〜212(製品製造メーカについては
各社対応の製品登録をする材料組成データベース20
6,207,208,官公庁203については管理対象登
録をする管理物質データベース209,管理団体204
についてはMSDSデータベース210,化学物質管理
企業205については排出・分配係数登録をする排出係
数データベース211と集計結果213から戻る結果デ
ータベース212(そのデータベースから化学物質管理
企業205は結果参照する))を持ち、皆広域ネットワ
ーク網214に連なっている。そして情報を必要とする
部署が、対象となる情報はどの部署が持っているかを判
断し、目的の企業のデータベースに対して情報を入手す
る方法である。このシステム形態でも本発明の課題は達
成されるが、情報収集に関しては見直すべき所がみられ
る。尚、各データベース,各機関,各処理の関係は図1
5内の該当部間を線で結んだ通りである。
【0050】図16のシステムは、アウトソーシング企
業を介した化学物質管理システムであり、製品製造メー
カと化学物質管理実施企業の間に、材料組成データを集
約するアウトソーシング会社215が存在し、このアウ
トソーシング会社215の持つデータベース216に製
品製造メーカから提供される(提示される)材料組成デ
ータを格納しておくものである。よってメーカA200
のようにデータベースをA社内に持たない場合もあり得
る。官公庁・団体のそれぞれが持つ化学物質管理情報
は、営利目的でないので、情報公開も問題なく可能であ
るが、製造メーカの持つ材料組成情報は、利用者が容易
に探し出せないので、アウトソーシング会社215によ
って情報管理し、利用者が容易に情報収集できるように
してある。図15の例との違いは、材料組成データが
(1ヵ所に)集約されていることにある。この様な形態
にすることにより、化学物質管理実施企業は、そのデー
タベースのみを参照すれば良いことになる。資材購入品
毎に製造メーカのデータベースを参照しなくても良いこ
とになる為、化学物質管理実施企業の負担が軽減され
る。尚、各データベース,各機関,各処理の関係は図1
6内の該当部間を線で結んだ通りである。
【0051】図17は、図16の形態に更に、PRTR
商品認定団体224が加わり、更にアウトソーシング会
社215に、化学物質管理実施企業の排出係数データベ
ース218,結果データベース219を持ち、従来、化
学物質管理実施企業が管理する化学物質管理業務をアウ
トソーシング会社215で行える様な形態にしたもので
ある。この形態であれば、化学物質管理実施企業が自企
業内の製造工程・製造プロセスを分析し、排出係数デー
タし、資材購入情報,資材使用状況情報を登録(情報提
示)すれば、化学物質管理の為の集計作業,レポート作
成を行ってくれるものである。すなわちこの例は、官公
庁・団体のそれぞれが持つ化学物質管理情報は、営利目
的ではないので、情報公開も問題なく可能であるが、製
造メーカの持つ材料組成情報は、利用者が容易に探し出
せないので、アウトソーシング会社によって情報管理
し、利用者が容易に情報収集できるようにし、併せてグ
リーン調達情報を斡旋・紹介するものである。
【0052】尚、アウトソ−シング会社215にまつわ
るデータベースは上記の他、材料組成データベース21
7,グリーン調達データベース220であり、また集計
処理221を行えるようにしてある。各データベース,
各機関,各処理の関係は図17内の該当部間を線で結ん
だ通りである。また、アウトソーシング会社215は化
学物質管理企業205に対してグリーン調達データベー
ス220の情報を斡旋・紹介し、結果データベース21
9の情報にて結果提供と提出レポート分析を流し、化学
物質企業205からは広域ネットワーク網214を介し
て排出データベース218へ向けて資材購入情報,資材
使用状況情報,製造過程情報,排出係数,登録の各情報
が流れる。
【0053】この形態であれば、化学物質管理実施企業
が自企業内の製造工程・製造プロセスを分析し、排出係
数データし、資材購入情報,資材使用状況情報を登録
(情報提示)すれば、化学物質管理の為の集計作業,レ
ポート作成を行ってくれるものである。また、材料組成
データを用いて、化学物質管理実施企業へ資材購入の指
標となるグリーン調達情報を提供する事が可能になり、
化学物質管理実施企業が資材購入を検討する際に、環境
に影響を与えない材料を容易に探し出せるようになり、
化学物質の削減や代替資材の調達が容易に実行できる様
になる。
【0054】官公庁203にて管理対象登録されて成る
管理物質データベース209も広域ネットワーク網21
4に繋がり、管理団体204のMSDSデータベース2
10と併せて集計処理221に導かれる。化学物質管理
企業205からの前記諸情報は広域ネットワーク網21
4を介してアウトソーシング会社215の材料データベ
ース217や排出係数データベース218にも提供され
る。
【0055】本例では商品認可データベース225を有
するPRTR商品認定団体224があって、このデータ
ベース225も広域ネットワーク網214に繋がってい
る。PRTR商品認定団体224へは製品製造メーカA
社200からはPRTR商品登録認定申請に伴って当該
製品の材料組成情報などが登録依頼され、この団体22
4からは製品材料組成情報がアウトソーシング会社21
5の材料組成データベース217へ提供される。
【0056】本例では、また、材料組成データを用い
て、化学物質管理実施企業へ資材購入の指標となるグリ
ーン調達情報を提供する事が可能になり、化学物質管理
実施企業が資材購入を検討する際に、環境に影響を与え
ない材料を容易に探し出せるようになり、化学物質の削
減や代替資材の調達が容易に実行できる様になる。
【0057】図18は、図17の更なる発展形態であ
り、図18の形態において、化学物質管理実施企業が行
わなければならない、資材購入情報,資材使用状況情報
をアウトソーシング会社が、化学物質管理実施企業より
自動収集する機能を持っている。従ってアウトソーシン
グ会社215はモニタリングシステム223を備える。
資材購入情報は、化学物質管理実施企業が外部資材メー
カに対する資材購入発注データを取り込むことで対応
し、資材使用状況情報は、化学物質管理実施企業の現場
モニタリング情報を取り込むことで対応できるものであ
る。この様な形態にする事によって、化学物質管理実施
企業の企業規模にかかわらず、管理品質を落とすことな
く化学物質管理を実施することが可能になる。尚、各デ
ータベース,各機関,各処理の関係は図18内の該当部
間を線で結んだ通りである。
【0058】図19は、PRTR管理機能付商品情報の
例を示したものである。PRTR管理機能付商品情報の
目的は、ある商品を購入する際、その商品が化学物質
管理対象物質を含んでいるかどうかを視覚的に購入者に
分からせる為の手段と、課題にも述べている通り、化
学物質管理業務担当者を設置できない小規模企業は、管
理業務もさることながら管理業務をアウトソーシングし
た場合においても業務代行費用さえ確保・捻出できない
場合が想定できる。この様な場合においても、化学物質
管理そのものは公正に行われなければならず、これを怠
ると正確なデータが集まらない、即ち環境管理が報告値
のデータ上と実態が乖離する恐れがあり、これをなくす
為に、小規模企業における化学物質管理業務代行費用を
捻出するための手段として用いる。図19の上方はバー
コード方式の例を説明しており、PRTR管理付商品表
示Tag226には、商品名(例では「洗剤」),商品
型式(例では「A−1234」),内容量(例では「1
kg」),製造元(例では「ABC化学」)が文字表記さ
れて商品購入者が視覚的に認識できるようにされてお
り、そのTag中にはPRTR管理No.としてバーコー
ド227が印刷されている。このバーコード227の例
では、当該バーコード内に製造会社No.,製品型式N
o.,製造番号No.,内容量のデータが含まれていて、バ
ーコードリーダの読み取りでこれらの情報が読み取れ、
更に端末を介して外部へ当該データが情報として送られ
るようになっている。図19の下方はICカード方式で
あるが、そのタグ(Tag)228もバーコード方式と
同様の文字情報が記され、更にICチップ229が貼付
されており、このICチップ229情報は上記バーコー
ド227の情報と同様であって、同様に端末の読み取り
部で読み取られるようになっている。
【0059】尚、PRTR管理機能付商品表示(Ta
g)は、前述のようにバーコードを用いたり、ICチッ
プを用いたりする方法が簡便であるが、これらのバーコ
ードやICチップを利用せずに、管理No.を数字で表現
しても差し支えない。更にこのPRTR管理機能付商品
表示(Tag)は、製品製造メーカが容器や包装物に貼
り付けまたは印刷して運用するが刻印などでも良く、読
み取れるものなら限定はされない。商品購入者は、商品
を見る事によって、この製品(商品)がPRTR管理対
象商品かどうかが判断できることになる。
【0060】次に図20によりTagの使い方の例を説
明する。PRTR管理機能付商品を購入した利用者(化
学物質管理対象者)230は、この情報226をバーコ
ードリーダ等の情報読み取り装置235にて、管理情報
を読み取り、この情報をアウトソーシング会社215に
送ることによって、自動的に化学物質管理の業務代行を
行ってもらえるものであり、管理結果(報告書)は、該
当企業や自治体にアウトソーシング会社215から報告
されるものである。広域ネットワーク網214を介して
アウトソーシング会社215へ送信される化学物質管理
対象会社230の情報は、会社ID(化学物質管理対象
会社の会社ID、つまりアウトソーシング会社から見た
ユーザID。以下同様),読取日付(=入力日付。化学
物質管理対象会社即ちアウトソーシング会社から見る
と、ユーザ会社がPRTR認定商品を受け取った日でも
良いし、PRTR認定商品を使用する日付でも良い。つ
まり使用する(した)日付),バーコ−ド情報(=製品会
社+型式+購入量(内容量))であり、或いは会社ID,
入力日付,製品製造会社,製品型式,購入量である。
【0061】この中で、重要なのは、アウトソーシング
会社への業務代行費用を利用者である小規模企業に負担
をかけずに捻出することである。本実施例では、このア
ウトソーシング会社への業務代行費用すなわちアウトソ
ーシング会社の企業運営費用を、化学物質管理対象商品
を製造している製造者に負担させようというものである
(すなわち製造者負担)。アウトソーシング会社215で
は入力情報集計231が行われるが、図に示すように会
社名と情報入力日とバーコード情報がリスト一覧できる
ようになっている。この集計結果を、材料組成データベ
ース231Aに繋がるプロセス集計手段232に導入
し、集計して企業単位の集計233や管理対象化学物質
毎の集計234を出すようにしている。
【0062】図21,図22は、業務代行費用すなわち
アウトソーシング会社の企業運営費用の捻出方法を、化
学物質管理関与者間の関係を示しながら表現したもので
あり、図23はこれらの業務プロセスフロー図である。
まず、関与者は、製品製造メーカ200,PRTR
商品認定団体若しくは企業224,ファイナンス会社
240,アウトソーシング会社215,化学物質管
理企業205,自治体(官公庁)203であり、内フ
ァイナンス会社240が介在するのはケースバイケース
である。
【0063】まず、(i)製品製造メーカ200は、メ
ーカ200が製造した商品が化学物質管理に該当する商
品であることをPRTR商品認定団体224に申告す
る。または、製品製造メーカ200は、メーカ200が
製造した商品が化学物質管理に該当しない商品であるこ
とをPRTR商品認定団体224に申告する。(ii)次
に、PRTR商品認定団体224は、製品製造メーカ2
00より材料組成データをもらって、その商品が化学物
質管理に該当するか否かを審査する。(iii)PRTR商品認
定団体224は結果を製品製造メーカ200に報告す
る。その際該当すれば、商品に貼り付ける為の表示(T
ag)情報を製品製造メーカ200に渡す。(iv)この
とき、製品製造メーカ200は、PRTR商品認定団体
224に認定費用を支払うことになる。
【0064】(v)製品製造メーカ200は表示(Ta
g)情報を商品に貼り付ける若しくは印刷して、商品を
販売する。化学物質管理企業205としては商品の購入
をすることになり、商品の購入代金の支払いを製品製造
メーカ200に直接に或いはファイナンス会社240を
介して行うこととなる。(vi)一方、PRTR商品認定
団体224は、アウトソーシング会社215に材料組成
データを提供する。(vii)化学物質管理企業205は、
資材として様々な商品を買うわけであるが、購入した商
品にPRTR管理機能付表示(Tag)がある場合は、こ
れを読み取り装置にて情報を読ませ、アウトソーシング
会社215に情報を送信する。(viii)アウトソーシング
会社215は、このPRTR管理機能付表示(Tag)
情報を集計管理することにより、業務委託されている企
業で何を購入して、どの位使用しているかが分かる様に
なり、この情報を利用する事によって化学物質管理を行
うことができる。(ix)アウトソーシング会社215
は、化学物質管理業務を行い、ある期間(化学物質管理
企業との契約に基づく)で管理結果を化学物質管理企業
205や自治体203に報告する。
【0065】(x)またこの時、アウトソーシング会社
215は、化学物質管理企業205毎に使用したPRT
R管理機能付表示(Tag)情報を集計し、関係する製
品製造メーカ200に対して、取扱い量に応じた管理費
用を請求する。つまり、化学物質管理の費用負担責任元
は、化学物質を含んだ製品を作った製造元にあるという
考えに基づくものである。この請求に対して製品製造メ
ーカ200は管理費用をアウトソーシング会社215に
支払うのである。製品製造メーカ200は化学物質を含
まない製品や商品を開発すれば、この費用負担はなくな
る訳であり、環境破壊を防ぎ、無くしていくには製品製
造メーカ200にとっても化学物質管理企業205にと
っても効果の出る方法である。尚、製品製造メーカ20
0によるPRTR管理費用の支払いはアウトソーシング
会社215に直接に或いはファイナンス会社240を介
して行われる。
【0066】尚、図22の例は、PRTR管理費用の管
理と支払いにつき、図21では製品製造メーカ200で
あったものが図22ではPRTR商品認定団体224で
あるだけである。
【0067】図23はPRTR管理付商品情報を用いた
業務プロセスフローの例を示している。先ず、製品(商
品)製造メーカ200においてPRTR管理付商品表示
Tagの発行依頼(PRTR商品申請)をPRTR商品認
定団体224へ行う(ステップ10a)。次にPRTR
商品認定団体224或いはアウトソーシング会社215
(アウトソーシング会社が業務委託されて業務の代行を
する場合もあり得るので)にて、順次、PRTR管理付
商品登録審査を受付け(ステップ10b)、材料組成デ
ータの入手・登録を行い(ステップ10c)、PRTR
管理付商品の管理費用請求方法の決定(支払方法)をし
(ステップ10d)、PRTR管理付商品表示Tagの
発行をする(ステップ10e)。次に商品製造メーカ2
00にてPRTR管理付商品表示Tagの商品貼付または印
刷を行い(ステップ10f)、こうして商品が市場に流
通する(ステップ10g)。
【0068】更に商品利用者たるPRTR管理対処企業
205はそのTag付の商品を購入し(ステップ10
h)、商品購入代金を支払い(ステップ10p)、PR
TR機能付商品表示Tag情報の読込みを行って(ステ
ップ10i)、PRTR機能付商品表示Tag情報のア
ウトソーシング会社215への送信を行う(ステップ1
0j)。その後にアウトソーシング会社215にてPR
TR管理の実施(ステップ10k)、次いでPRTR管
理結果報告(ステップ10l)、或いはTag情報に基
づく管理費用請求(ステップ10n)、次いで管理費用
入金(ステップ10o)がなされる。更に商品利用者た
る化学物質管理対象企業205はPRTR管理結果報告(ス
テップ10l)を受けてPRTR管理結果報告を受け取
る(ステップ10m)。
【0069】以上が本発明者等によるPRTR管理の基
本的な提案であるが、以下、本発明の典型的な実施例を
3例挙げて説明する。先ず、第一の実施例を図24,図
25に示す。図24は費用の流れを説明し、図25はそ
の業務フローを説明する。尚、図25の業務フローは商
品の市場流通(ステップ10g)までは図23と同じで
ある。
【0070】製品製造メーカA,B社200,201
は、それぞれの製品をPRTR商品認定団体225に申
請しかつTagの発行を依頼する(ステップ10a)、
化学物質管理対象製品であることを認定してもらう(ス
テップ10b〜10d)。認定により、商品にPRTR
認定品241,242であることが分かるPRTR管理
機能付商品表示(Tag)を付することを許可され、商
品にPRTR管理機能付商品表示(Tag)を行い(ス
テップ10e〜10f)、商品が市場に流通するように
なる(ステップ10g)。こうしてPRTR管理対象企
業たる商品利用者205は、一般には複数の製品製造メ
ーカから商品を購入することになる(ステップq)が、
購入原材料によってはPRTR非認定品も含まれる可能
性がある。
【0071】化学物質管理企業205は、自企業内で使
用する原料などを製品製造メーカ200,201,20
2に発注し、商品(つまり原材料)を購入する(ステッ
プq)。その購入費は、ファイナンス会社240を経由
して支払われたり、直接各製品製造メーカ200,20
1,202に対して支払われる(ステップp)。商品利
用者205においてはPRTR機能付商品表示Tag情
報の読込みを行い(ステップi)、その情報はアウトソ
ーシング会社215に送信される(ステップj)。すな
わち購入品を受領した化学物質管理企業205は、化学
物質管理の業務委託先であるアウトソーシング会社21
5に対して、化学物質名及び使用量を通知するが、この
とき、PRTR認定品241,242であればPRTR
管理機能付商品表示(Tag)情報を、PRTR非認定
品243(製品製造メーカC社によるもの及び/または
Tagがついていないもの)であれば、製造元会社名,
商品名,型式,購入量を通知する。
【0072】アウトソーシング会社215は、PRTR
管理を実施し(ステップk)、管理結果を報告する(ス
テップl)が、併せてTag情報に基づく管理費用請求
も行い(ステップ10n)、PRTR認定品241,2
42であれば、その購入量に見合った化学物質管理費用
を、製品製造メーカA,B社に費用請求し(ステップ1
0r)、一方、PRTR非認定品243については、製
品製造メーカCに対して管理費用請求するのではなく、
購入した化学物質管理企業205に対して、その購入量
に見合った化学物質管理費用を請求する(ステップ10
s)。
【0073】夫々請求された企業は、その費用負担を行
い、費用をアウトソーシング会社215に支払う(ステ
ップ10t,10u)。アウトソーシング会社215
は、この回収した費用を運営費として事業運営すること
ができる様になる。尚、非認定品243の管理費用請求
を受けた化学物質管理企業205(購入先企業)はその
支払いをファイナンス会社240経由で行う。
【0074】ここで、PRTR非認定品の費用請求先が
化学物質管理企業であるのは、(a)本図における製品製
造メーカC社202は、環境影響度の高い物質が含まれ
ているにもかかわらず、そのことを認めないで製品の製
造及び販売を行っている可能性がある、(b)環境影響
度がない場合においても、認定を受けることにより、そ
の製品が、環境に影響を与える化学物質を一切含まれて
いないことを証明することを目的にしているにもかかわ
らず、認定を受けないのは、何かあるものと考えるもの
であり、その様な製品を使う企業が悪いという考えに立
つものである。費用負担が化学物質管理企業205自身
にかかってくる様になれば、化学物質管理企業205自
身もその製品を購入することを再検討するものと考えら
れる。従って、適正な製品を選択することにより化学物
質管理企業205自身の化学物質管理費用の負担を0に
押さえることが可能になり、強いては、公正な化学物質
管理ができる様になる。
【0075】第二の実施例を図26と図27を用いて説
明する。第一の実施例との違いは、商品利用者205が
アウトソーシング会社215へ原料購入依頼をして、そ
の依頼に基づいてアウトソーシング会社215が各製品
製造メ−カに原材料発注する、すなわち資材調達業務を
しようという点である。化学物質管理を行う際のポイン
トは、化学物質管理企業205がどの様な原料などの製
品を購入してどの位の量を使用しているかを把握するの
が大変であったが、アウトソーシング会社215が資材調
達の窓口になることによって、何をどの位という情報を
簡単に入手することが可能になる。具体的には商品の市
場流通(ステップ10g)に入ったら先ず商品利用者2
05においてアウトソーシング会社215への原材料購
入依頼をすることになり(ステップ10v)、これにて
購入品名と購入量を入手することでPRTR機能付商品
表示Tag情報の読込送信を省略可能になる。このステ
ップを受けて、アウトソーシング会社215においてP
RTR管理の実施(ステップ10k)とTag情報に基
づく管理費用請求(ステップ10n)が行われるが、商
品利用者205においては商品を受領できることになる
(ステップ10w)。
【0076】第三の実施例を図28と図29を用いて説
明する。第二の実施例との違いは、費用支払(ステップ
10t)を商品製造メーカ200ではなくてPRTR商
品認定団体224かアウトソーシング会社215が行う
ようにしたことである。
【0077】すなわち、アウトソーシング会社215
が、化学物質管理企業205の購入先と購入量に見合っ
た管理費用負担請求を、製品製造メーカA,B社に対し
て、化学物質管理企業205のユーザ毎に請求するので
はなく、製品製造メーカA,B社はそれぞれの製品の製
造量や出荷量に応じて、纏めて化学物質管理費用をPRTR
商品認定団体に納入し(化学物資管理費用のプール
化)、アウトソーシング会社215は、化学物質管理企
業205のユーザの購入量に見合った費用を、そのPR
TR商品認定団体(化学物資管理費用のプール化)に請
求するものである。PRTR商品認定団体が直接資金管
理を行わない場合も考えられるので、この資金管理は、
銀行,ファイナンス会社など第3者が業務請負しても差
し支えない。
【0078】アウトソーシング企業における、化学物質
管理企業の管理対象物質にPRTR非認定品があること
の把握の仕方について説明する。PRTR非認定品は、
通常では、アウトソーシング企業は、化学物質管理企業
がどの様なものを購入・調達しているかは分からない。
例えばアウトソーシング会社が資材調達をサービスして
も、このサービスでは調達できないもの、調達できない
理由としPRTR認定品ではないなどのケースが挙げら
れる。とはいえ、図26の例に示したように、非認定品
についても調達サービスをすれば、認定品,非認定品に
関わらず調達サービスはでき、非認定品は情報の照合で
把握可能となる。
【0079】従って、アウトソーシング会社の資材調達
サービス以外で調達している材料などの情報は、化学物
質管理企業はアウトソーシング会社に報告(情報提供)
しなければならない。換言すると、化学物質管理企業
は、自企業で使用する原材料情報(メーカ,製品名また
は型式,購入量)をアウトソーシング会社に報告し、ア
ウトソーシング会社がそれらがPRTR認定品か非認定
品かを区別することになる。PRTR非認定品かどうか
は、認定団体の管理している情報と照らし合わせれば、
その区別はつく。
【0080】また、化学物質管理企業の出口で材料組成
を届け出て、その写しをアウトソーシング会社が入手す
ることが可能である。そこで、その届出組成に虚偽申請
があることが懸念される。つまり入り口が無届(非認
定)であるので出口もそのまま無視という事態にはなら
ないかという問題である。しかしながらこのようにPRTR
非認定品の材料組成情報が偽りの情報であった場合、製
造メーカは、ものを製造しているのでPRTR認定,非
認定にかかわらず、製品組成情報を公開する必要があ
る。また資材調達などに介在するなどして認定機関のマ
スターデータと照合などをすれば把握可能である。とこ
ろで、PRTR認定の審査にかけられない理由はあるに
しろ、ものが流通する限り製品組成情報は、メーカ側の
責任で公開すべきであり、その内容に偽りがあった場合
は、製造メーカの責任において罰せられるべきである。
利用者は、その製品(材料や原料)を使用しなければ、
生産活動ができず、製造メーカの製品組成情報を信用し
て利用するからである。但し、社会的責任から、製造メ
ーカの公開する製品組成情報が偽りの情報なのか、化学
物質管理企業の中で使用する分配係数などの管理不十分
によるものか、どこに偽りがあるのかを立証する行為は
化学物質管理企業にも必要になるであろう。
【0081】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、P
RTR認定品が市場で優遇されることになり、更にはよ
り化学物質含有量の少ないものを選ぶ傾向となり、グリ
ーン調達が円滑に行われることになる。そして大企業の
みならず中小企業などの小規模な組織においても化学物
質管理を容易に実現することが可能となり、法的に義務
付けられている自治体へ報告及び報告を行う為の物質管
理を容易に行える環境を提供することが可能となる。特
にアウトソーシング会社にとって、その管理運営費を捻
出することは命題であるも、アウトソーシングの利用者
の大半は、小規模経営企業に集中することが予想される
が、管理運営費を小規模経営企業にしわ寄せすると、化
学物質管理そのものの真意を問われかねないこと(忠実
な報告が行われない可能性がある)から、本発明によ
り、これらのPRTR管理運営費をきちんと管理するこ
とが可能となる。
【0082】また、本発明によれば、アウトソーシング
会社から見れば、PRTR対象商品であることを商品に
表示され、その表示情報をアウトソーシング会社の契約
ユーザから教えてもらうことで、その契約ユーザが費用
負担すべき費用をその商品の製造元,販売元に請求する
ことができ、尚且つ、契約ユーザの化学物質管理結果で
ある管理報告書の作成および提出を行えるようになる。
【0083】同じ物質でも認定品と非認定品があること
になるので、アウトソーシング会社では、化学物質管理
企業が報告する製品購入情報と製造メーカの公開する製
品組成情報を照合する業務が必要となる。尚、本発明に
よれば、PRTR非認定品を使用するとPRTR管理費
用の請求が化学物質管理企業に来るので、化学物質管理
企業の負担が大きくなる(または減らない)ことも予想
される。アウトソーシング会社はPRTR非認定品が購
入されていると分かれば、それに類似する製品でかつP
RTR認定品があるのであれば、その商品を紹介する
(グリーン調達)サービスができる様になり、PRTR
非認定品は市場から淘汰されていく可能性がある。
【0084】次に費用プールの仕組みについて説明す
る。PRTR認定商品は、認定審査機関で認定を行う。
このとき、認定費用を製造メーカが認定審査機関に支払
う。この際認定された商品は、認定機関のデータベース
に登録され管理される。次に、使用者即ち化学物質管理
企業は、自社製品を製造するに当たり、材料や原料,部
品を調達するが、(1)全ての資材をアウトソーシング
会社に委託してしまう場合と、(2)PRTR認定品の
みの資材調達委託もしくはアウトソーシング会社に頼ら
ず自分で調達する場合とがある。
【0085】全ての資材をアウトソーシング会社に委託
してしまう場合は次のようになる。使用者即ち化学物質
管理企業は、調達したい資材の購入をアウトソーシング
会社に依頼する。この中にPRTR認定品も非認定品も
含まれているものとする。購入品リストをアウトソーシ
ング会社に出す。アウトソーシング会社は、言われた通
りの商品を調達することもできる、言われた商品の中か
ら代替品を逆提案することもできる(グリーン調達サー
ビス)。アウトソーシング会社は、購入品リストを元に
資材調達し、使用者である化学物質管理企業へ商品を引
き渡す。その際、購入品をPRTR認定/PRTR非認
定品に分類し、更にPRTR認定品は、その製造会社を
調べる。購入量や化学物質含有量に応じて、PRTR認
定品は、その製造メーカPRTR管理費を請求する。P
RTR非認定品は、その購入量や化学物質含有量に応じ
て、PRTR非認定品の管理費用を使用者即ち化学物質
管理企業に請求する。アウトソーシング会社の費用捻出
方法としては、PRTR認定品はその製造メーカに対し
て、PRTR非認定品は化学物質管理企業へ請求する。
その効果として、PRTR非認定品を使用すると、使用
者即ち化学物質管理企業の負担が大きくなるので、これ
を少なくする為に、極力PRTR認定品に切り換えて行
くことを行う。
【0086】PRTR認定品のみの資材調達委託若しく
はアウトソーシング会社に頼らず自分で調達する場合次
のようになる。この場合は、アウトソーシング会社は、
化学物質管理業務の委託を受け入れるので、使用者即ち
化学物質管理企業から資材購入情報(製造メーカ,製品
名,購入量)を入手する。この情報よりアウトソーシン
グ会社は、認定審査機関のPRTR認定品マスターデー
タと照合することにより、費用請求先を判別することが
できる。判別した後は、上述と同じで、請求対象者に対
して購入量や化学物質含有量で換算された費用を請求す
る。
【0087】どちらのケースでも、アウトソーシング会
社は、購入量や化学物質含有量に見合った費用を継続し
て請求することが可能となるので、継続した運営資金を
調達することができる。また、PRTR認定品と非認定
品の請求度合いを変える事により、極端なグリーン調達
化が実現できる。例えば非認定品の請求率が認定品のも
のより高いような設定も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】化学物質総合管理システム例の全体構成説明図
である。
【図2】図1の例におけるデータベースの具体的内容の
説明図である。
【図3】図1の例における情報処理の流れの例の説明図
である。
【図4】図1の例における市場を流通する製品の流れと
化学物質管理の関係の説明図である。
【図5】企業内の製品の流れと化学物質管理の関係の説
明図である。
【図6】企業を出入りする情報の説明図である。
【図7】データ入力手段(103)を実現するためのフ
ロー図である。
【図8】プロセス集計手段(107)を実現するための
フロー図である。
【図9】評価計算手段(108)を実現するためのフロ
ー図である。
【図10】総合集計手段(109)を実現するためのフ
ロー図である。
【図11】逆トレース手段(112)を実現するための
フロー図である。
【図12】図11の補足説明図である。
【図13】図11の補足説明用フロー図である。
【図14】化学物質総合管理に用いる計算機システム例
の構成説明図である。
【図15】化学物質総合管理の関係企業・機関のネット
ワーク例の説明図である。
【図16】化学物質総合管理の関係企業・機関の他のネ
ットワーク例の説明図である。
【図17】化学物質総合管理の関係企業・機関の更に他
のネットワーク例の説明図である。
【図18】化学物質総合管理の関係企業・機関の更に他
のネットワーク例の説明図である。
【図19】本発明の実施例に用いるPRTR管理付商品
情報例の説明図である。
【図20】本発明の実施例に用いるPRTR管理付商品
情報を用いた化学物質管理の説明図である。
【図21】化学物質総合管理運営費捻出方法例の説明図
である。
【図22】化学物質総合管理運営費捻出方法の他の例の
説明図である。
【図23】図21,図22をベースとした業務プロセス
のフロー図である。
【図24】本発明の第一の実施例における化学物質総合
管理運営の費用の流れの説明図である。
【図25】本発明の第一の実施例における業務プロセス
のフロー図である。
【図26】本発明の第二の実施例における化学物質総合
管理運営の費用の流れの説明図である。
【図27】本発明の第二の実施例における業務プロセス
のフロー図である。
【図28】本発明の第三の実施例における化学物質総合
管理運営の費用の流れの説明図である。
【図29】本発明の第三の実施例における業務プロセス
のフロー図である。
【符号の説明】 101…調査支援手段、102,210…MSDSデー
タベース、103…データ入力手段、104,206〜
208,217,231…材料組成データベース、10
5,209…管理物質データベース、106,211,
218…排出係数データベース、107,232…プロ
セス集計手段、108…評価計算手段、109…総合集
計手段、110,212,219…結果データベース、
111…結果表示手段、112…逆トレース手段、11
3…リスクコミュニケーション支援手段、200〜20
2…製品製造メーカ、203…官公庁、204…管理団
体、205…企業、213…集計結果、214…広域ネ
ットワーク網、215…アウトソーシング会社、220
…グリーン調達データベース、221…集計処理、22
3…モニタリングシステム、224…PRTR商品認定
団体、225…商品認可データベース、226…バーコ
ード付Tag、227…バーコード、228…ICカー
ド、229…ICチップ、230…化学物質管理対象会
社、231…入力情報集計、233,234…集計例、
235…バーコードリーダ、240…ファイナンス会
社、241,242…PRTR認定品、243…PRT
R非認定品。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】管理対象化学物質につきPRTRの認定品
    と非認定品とが混在する流通市場にあって、化学物質管
    理対象企業の為に化学物質管理業務を行う機関にて管理
    対象化学物質の内容と量とを把握し、この内少なくとも
    PRTR認定品の内容は対象品に付したタグの記録を自
    動読取りして得られるデータであり、非認定品について
    は化学物質名と使用量の送信を化学物質管理対象企業か
    ら受け、両データを併せてPRTR管理結果報告を所定
    報告書式に自動作成して報告書提出先へ送信すると共
    に、PRTR認定品の管理費用は当該品の製造メーカに
    請求すべく請求額情報を当該製造メーカに送信し、PR
    TR非認定品の管理費用は当該品を購入した管理対象企
    業に請求すべく請求額情報を当該製造メーカに送信する
    ことを特徴とする化学物質管理方法。
  2. 【請求項2】管理対象化学物質につきPRTRの認定品
    と非認定品とが混在する流通市場にあって、化学物質管
    理対象企業の為に化学物質管理業務を行う機関にて化学
    物質管理対象企業の原料調達を行うことにより管理対象
    化学物質の内容と量を把握し、この内少なくともPRT
    R認定品の内容は対象品に付したタグの記録を自動読取
    りして得られるデータであり、非認定品についてのデー
    タと併せてPRTR管理結果報告を所定報告書式に自動
    作成して報告書提出先へ送信すると共に、PRTR認定品の
    管理費用は当該品の製造メーカに請求すべく請求額情報
    を当該製造メーカに送信し、PRTR非認定品の管理費
    用は当該品を購入した管理対象企業に請求すべく請求額
    情報を当該製造メーカに送信することを特徴とする化学
    物質管理方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、PRTR認定
    品の管理費用は当該製造メーカに請求すべく請求額情報
    をPRTR商品認定団体へ送信し、該団体を経由してPR
    TR認定品管理費用の支払いがなされるようにすることを
    特徴とする化学物質管理方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記
    タグはそのデータがバーコードかまたはICに収められ
    ていることを特徴とする化学物質管理方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかの方法を実行す
    るために、PRTR管理対象製品であることをその対象
    製品のデータと共に表示した当該対象製品を購入した対
    象製品利用者における端末から読み取られた前記表示情
    報を受信する手段と、この受信情報に基づいてPRTR
    管理報告書を自動作成する手段と、該報告書を外部へ送
    信する手段と、当該対象製品の取扱量から管理費用を算
    出する計算手段と、この計算結果を取り入れた請求書を
    外部へ送信する手段とを備えてなることを特徴とする化
    学物質管理システム。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記認定品のデータが
    バーコードかまたはICに収められていることを特徴と
    する化学物質管理システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008242977A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Hitachi Ltd 製品の属性情報を評価するためのプログラム及び装置
US11263599B2 (en) 2019-06-07 2022-03-01 Yankee Scientific, Inc. Plastic waste system and method
WO2022164460A1 (en) * 2021-02-01 2022-08-04 Co2 Global, Llc Plastic waste system and method

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